JP2592508Y2 - ベーンポンプ装置 - Google Patents
ベーンポンプ装置Info
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- JP2592508Y2 JP2592508Y2 JP1992053332U JP5333292U JP2592508Y2 JP 2592508 Y2 JP2592508 Y2 JP 2592508Y2 JP 1992053332 U JP1992053332 U JP 1992053332U JP 5333292 U JP5333292 U JP 5333292U JP 2592508 Y2 JP2592508 Y2 JP 2592508Y2
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- rotor
- bypass
- vane
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車用動力舵取装置
に作動流体を供給するのに用いられるベーンポンプ装置
に関するものであり、特に、そのポンプ機能を高めるた
めに、吸入側に設けられたキャビテーション防止機構等
に関するものである。
に作動流体を供給するのに用いられるベーンポンプ装置
に関するものであり、特に、そのポンプ機能を高めるた
めに、吸入側に設けられたキャビテーション防止機構等
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用動力舵取装置に用いられる油圧
ポンプ装置においては、走行時において十分な操舵力補
助が行えるようにポンプの吐出量が設定されている。従
って、このような油圧ポンプ装置において、ポンプから
吐出する作動油の流量を一定に保つために、ポンプから
吐出する作動油(吐出油)のうちの一部を、油圧ポンプ
側へバイパス還流させる流量制御弁(フローコントロー
ルバルブ)方式が広く用いられている。
ポンプ装置においては、走行時において十分な操舵力補
助が行えるようにポンプの吐出量が設定されている。従
って、このような油圧ポンプ装置において、ポンプから
吐出する作動油の流量を一定に保つために、ポンプから
吐出する作動油(吐出油)のうちの一部を、油圧ポンプ
側へバイパス還流させる流量制御弁(フローコントロー
ルバルブ)方式が広く用いられている。
【0003】このものは、図4に示す如く、フロントハ
ウジング10内に収納されて、回転軸30によって回転
駆動されるロータ40、このロータ40内にあって、そ
の半径方向に摺動可能なように収納されたベーン70
(図5参照)、当該ベーン70の外側にあって一対のポ
ンプ室を形成するカムリング50、上記ロータ40、ベ
ーン70、カムリング40の側面にあってポンプ室形成
に寄与するサイドプレート60、これらポンプ機能部品
を収納するリヤハウジング20等からなることを基本と
するものである。そして更に、上記ポンプ室から吐出さ
れた余剰の吐出油を吸入側にバイパス還流させる流量制
御弁150が上記フロントハウジング10に設けられて
おり、当該流量制御弁150から上記余剰の吐出油(作
動油)を吸入側にバイパス還流させるためのバイパス路
110が、上記流量制御弁150と吸入ポート550
(図5参照)の外側に設けられた吸入室90との間を連
結するように設けられている。また、上記バイパス路1
10には、リザーバタンク(図示せず)から作動油を吸
入するための吸入路80が連結するように設けられてい
る。
ウジング10内に収納されて、回転軸30によって回転
駆動されるロータ40、このロータ40内にあって、そ
の半径方向に摺動可能なように収納されたベーン70
(図5参照)、当該ベーン70の外側にあって一対のポ
ンプ室を形成するカムリング50、上記ロータ40、ベ
ーン70、カムリング40の側面にあってポンプ室形成
に寄与するサイドプレート60、これらポンプ機能部品
を収納するリヤハウジング20等からなることを基本と
するものである。そして更に、上記ポンプ室から吐出さ
れた余剰の吐出油を吸入側にバイパス還流させる流量制
御弁150が上記フロントハウジング10に設けられて
おり、当該流量制御弁150から上記余剰の吐出油(作
動油)を吸入側にバイパス還流させるためのバイパス路
110が、上記流量制御弁150と吸入ポート550
(図5参照)の外側に設けられた吸入室90との間を連
結するように設けられている。また、上記バイパス路1
10には、リザーバタンク(図示せず)から作動油を吸
入するための吸入路80が連結するように設けられてい
る。
【0004】このような構成からなる従来のベーンポン
プ装置において、ポンプが稼働を始めると、上記吸入路
80から吸引された作動油は、バイパス路110でバイ
パス還流された吐出油と一緒になって、上記バイパス路
110を経て吸入室90に導かれ、吸入ポート550へ
と吸引される。しかしながら、この場合、上記バイパス
路110に導入された作動油は、上記吸入室90に流動
する際に、その流動方向が、ロータ回転軸線と平行な方
向からロータ回転方向に変換されることとなる。この流
れの方向の変換作用により、当該部分では、作動油の流
動状態に乱れ(乱流)が生ずることとなり、キャビテー
ションが発生することとなる。また、この乱れに起因し
て、左右の吸入ポート550への作動油の吸入流量がア
ンバランスな状態となる場合がある。このような吸入作
動油の乱れ(乱流)を除去し、左右の吸入ポート550
への吸入作動油の流量をバランス(均等化)させるため
に、上記バイパス路110と吸入室90との連結部に、
分流壁を設けることとしたものがすでに案出されてお
り、公知となっている(特開昭56−29088号公報
記載)。
プ装置において、ポンプが稼働を始めると、上記吸入路
80から吸引された作動油は、バイパス路110でバイ
パス還流された吐出油と一緒になって、上記バイパス路
110を経て吸入室90に導かれ、吸入ポート550へ
と吸引される。しかしながら、この場合、上記バイパス
路110に導入された作動油は、上記吸入室90に流動
する際に、その流動方向が、ロータ回転軸線と平行な方
向からロータ回転方向に変換されることとなる。この流
れの方向の変換作用により、当該部分では、作動油の流
動状態に乱れ(乱流)が生ずることとなり、キャビテー
ションが発生することとなる。また、この乱れに起因し
て、左右の吸入ポート550への作動油の吸入流量がア
ンバランスな状態となる場合がある。このような吸入作
動油の乱れ(乱流)を除去し、左右の吸入ポート550
への吸入作動油の流量をバランス(均等化)させるため
に、上記バイパス路110と吸入室90との連結部に、
分流壁を設けることとしたものがすでに案出されてお
り、公知となっている(特開昭56−29088号公報
記載)。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記分流壁
を設けることによるバイパス流の流動方向変換部におけ
る整流機能だけでは、不十分な場合がある。図6におけ
る矢印図示の如く左右に均等に分配された作動油の流れ
の向きが急激に変化するので、作動油の流量状態に乱れ
(乱流)が生じ、キャビテーションを発生させることと
なる。このような流動方向変換部において問題となる作
動油流動の乱れ、及びこれに起因して生ずるキャビテー
ションの問題点等を解消することとしたベーンポンプ装
置を提供しようとするのが本考案の目的(課題)であ
る。
を設けることによるバイパス流の流動方向変換部におけ
る整流機能だけでは、不十分な場合がある。図6におけ
る矢印図示の如く左右に均等に分配された作動油の流れ
の向きが急激に変化するので、作動油の流量状態に乱れ
(乱流)が生じ、キャビテーションを発生させることと
なる。このような流動方向変換部において問題となる作
動油流動の乱れ、及びこれに起因して生ずるキャビテー
ションの問題点等を解消することとしたベーンポンプ装
置を提供しようとするのが本考案の目的(課題)であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案においては、次のような手段を講ずることと
した。すなわち、二分割されたハウジングに収納されて
回転駆動されるロータ、当該ロータのスリット内にて摺
動運動をするベーン、これらロータ、ベーンの外側にあ
って複数のポンプ室を形成するカムリング、上記ロー
タ、ベーン、カムリングの両側面にあって、これらポン
プ室の形成に寄与するサイドプレート、当該サイドプレ
ートに設けられ、対応する位置のポンプ室に開口するそ
れぞれ一対の吐出ポート及び吸入ポート、当該一対の吸
入ポートにロータ回転方向に連なる吸入室からなるベー
ンポンプと、上記吐出ポートから吐出する吐出油の流量
が所定値を超えた場合に、その余剰の吐出油をロータ回
転軸線と平行に設けられたバイパス路並びに当該バイパ
ス路と交差して設けられた上記吸入室へ還流させる流量
制御弁とからなるベーンポンプ装置において、上記ハウ
ジングのうち一方のハウジングには、上記バイパス路か
らの吸入作動油を一対の上記吸入ポートへバランス良く
分配するための分流壁を上記吸入室上に上記バイパス路
と繋がる部分に上記バイパス路に向けて突設するととも
に、当該分流壁のふもとの各吸入室に上記バイパス路か
らの作動油の流入方向にかつロータ回転方向に円弧状に
えぐれたポケット部を形成し、他方のハウジングには、
上記バイパス路と上記吸入室との連結部分であって当該
ハウジングにおける上記吸入室の始まる部分にロータ回
転方向の正逆方向に対称の形状からなるオイル誘導溝を
形成したことを特徴とする。
に、本考案においては、次のような手段を講ずることと
した。すなわち、二分割されたハウジングに収納されて
回転駆動されるロータ、当該ロータのスリット内にて摺
動運動をするベーン、これらロータ、ベーンの外側にあ
って複数のポンプ室を形成するカムリング、上記ロー
タ、ベーン、カムリングの両側面にあって、これらポン
プ室の形成に寄与するサイドプレート、当該サイドプレ
ートに設けられ、対応する位置のポンプ室に開口するそ
れぞれ一対の吐出ポート及び吸入ポート、当該一対の吸
入ポートにロータ回転方向に連なる吸入室からなるベー
ンポンプと、上記吐出ポートから吐出する吐出油の流量
が所定値を超えた場合に、その余剰の吐出油をロータ回
転軸線と平行に設けられたバイパス路並びに当該バイパ
ス路と交差して設けられた上記吸入室へ還流させる流量
制御弁とからなるベーンポンプ装置において、上記ハウ
ジングのうち一方のハウジングには、上記バイパス路か
らの吸入作動油を一対の上記吸入ポートへバランス良く
分配するための分流壁を上記吸入室上に上記バイパス路
と繋がる部分に上記バイパス路に向けて突設するととも
に、当該分流壁のふもとの各吸入室に上記バイパス路か
らの作動油の流入方向にかつロータ回転方向に円弧状に
えぐれたポケット部を形成し、他方のハウジングには、
上記バイパス路と上記吸入室との連結部分であって当該
ハウジングにおける上記吸入室の始まる部分にロータ回
転方向の正逆方向に対称の形状からなるオイル誘導溝を
形成したことを特徴とする。
【0007】
【作用】上記構成を採ることにより、本考案において
は、ベーンポンプ装置が稼働を始めると、図1、図2に
示す如く、リザーバタンク(図示せず)から吸引された
作動油は、吸入路8からバイパス路11を経て左右の吸
入室9に導かれ、ここから吸入ポート55に吸引され
る。一方、この吸入作動油は、それぞれのポンプ室でポ
ンプ作用を受けて吐出ポート61より圧力室14に送出
され、ここから流量制御弁15に送られ、この流量制御
弁15で流量制御を受け、余剰の吐出油は、上記バイパ
ス路11へとバイパス還流される。従って、このバイパ
ス路11内を流動する作動油は、上記吸入路8から吸引
された吸入作動油のほかに、上記流量制御弁15からバ
イパス路11に放出されたバイパス還流油が混じり合っ
た状態のものとなる。その結果、当該バイパス路11内
を流動する作動油は、上記バイパス流の影響により、流
動の状態が乱流となり、キャビテーションを含んだ状態
となるおそれがある。
は、ベーンポンプ装置が稼働を始めると、図1、図2に
示す如く、リザーバタンク(図示せず)から吸引された
作動油は、吸入路8からバイパス路11を経て左右の吸
入室9に導かれ、ここから吸入ポート55に吸引され
る。一方、この吸入作動油は、それぞれのポンプ室でポ
ンプ作用を受けて吐出ポート61より圧力室14に送出
され、ここから流量制御弁15に送られ、この流量制御
弁15で流量制御を受け、余剰の吐出油は、上記バイパ
ス路11へとバイパス還流される。従って、このバイパ
ス路11内を流動する作動油は、上記吸入路8から吸引
された吸入作動油のほかに、上記流量制御弁15からバ
イパス路11に放出されたバイパス還流油が混じり合っ
た状態のものとなる。その結果、当該バイパス路11内
を流動する作動油は、上記バイパス流の影響により、流
動の状態が乱流となり、キャビテーションを含んだ状態
となるおそれがある。
【0008】しかしながら、本考案においては、一方の
ハウジング1の吸入室9上に、バイパス路11に向けて
分流壁25を突設したことにより、この分流壁25のと
ころで上記作動油は、左右両側の吸入室9に均等に分配
され、また、当該分流壁25のふもとの各吸入室9に、
バイパス路11からの作動油の流入方向にかつロータ回
転方向に円弧状にえぐれたポケット部26を形成したこ
とによって、作動油の流れの向きが滑らかに変化するこ
とができ、乱流状態から整流状態へと流れの状態が整え
られる。加えて、他方のハウジング2における吸入室の
始まる部分に、ロータ回転方向の正逆方向に対称の形
状、すなわち左右対称形状からなるオイル誘導溝を形成
したことによって、上記整流状態とされた作動油がオイ
ル誘導溝に導かれ、更に整流化されながら吸入ポート5
5に向かって誘導される。その結果、吸入室9に導入さ
れる作動油は、整流化された滑らかな流れのものとな
る。従って、当該吸入室9を経て吸入ポート55に吸引
される作動油は、キャビテーション等を含まない整流化
された流れとなる。
ハウジング1の吸入室9上に、バイパス路11に向けて
分流壁25を突設したことにより、この分流壁25のと
ころで上記作動油は、左右両側の吸入室9に均等に分配
され、また、当該分流壁25のふもとの各吸入室9に、
バイパス路11からの作動油の流入方向にかつロータ回
転方向に円弧状にえぐれたポケット部26を形成したこ
とによって、作動油の流れの向きが滑らかに変化するこ
とができ、乱流状態から整流状態へと流れの状態が整え
られる。加えて、他方のハウジング2における吸入室の
始まる部分に、ロータ回転方向の正逆方向に対称の形
状、すなわち左右対称形状からなるオイル誘導溝を形成
したことによって、上記整流状態とされた作動油がオイ
ル誘導溝に導かれ、更に整流化されながら吸入ポート5
5に向かって誘導される。その結果、吸入室9に導入さ
れる作動油は、整流化された滑らかな流れのものとな
る。従って、当該吸入室9を経て吸入ポート55に吸引
される作動油は、キャビテーション等を含まない整流化
された流れとなる。
【0009】
【実施例】本考案の実施例について、図1ないし図3を
基に説明する。本実施例の構成は、図1及び図2に示す
如く、フロントハウジング1内に収納され、回転軸3に
て回転駆動されるロータ4、当該ロータ4のスリット内
にて摺動運動をするベーン7、これらロータ4、ベーン
7の外側にあってポンプ室を形成するカムリング5、上
記ロータ4、ベーン7、カムリング5の側面にあってポ
ンプ室形成に寄与するサイドプレート6、上記ロータ
4、ベーン7、カムリング5のもう一方の側面に接して
ポンプ機能部品を収納するリヤハウジング2等からなる
ベーンポンプと、上記ポンプ室から吐出した吐出油の流
量が所定値を超えた場合、その余剰の吐出油をバイパス
路11にバイパス還流させる流量制御弁15とからなる
ベーンポンプ装置であることを基本とするものである。
基に説明する。本実施例の構成は、図1及び図2に示す
如く、フロントハウジング1内に収納され、回転軸3に
て回転駆動されるロータ4、当該ロータ4のスリット内
にて摺動運動をするベーン7、これらロータ4、ベーン
7の外側にあってポンプ室を形成するカムリング5、上
記ロータ4、ベーン7、カムリング5の側面にあってポ
ンプ室形成に寄与するサイドプレート6、上記ロータ
4、ベーン7、カムリング5のもう一方の側面に接して
ポンプ機能部品を収納するリヤハウジング2等からなる
ベーンポンプと、上記ポンプ室から吐出した吐出油の流
量が所定値を超えた場合、その余剰の吐出油をバイパス
路11にバイパス還流させる流量制御弁15とからなる
ベーンポンプ装置であることを基本とするものである。
【0010】このような基本構成に加えて、上記サイド
プレート6及びリヤハウジング2周辺部であってカムリ
ング5の円周端付近には、図2に示す如く、それぞれ一
対の吸入ポート55が設けられており、上記カムリング
5の外周部付近に当該吸入ポート55にロータ回転方向
に連なる吸入室9が設けられている。また、図1に示す
如く、上記サイドプレート6及びリヤハウジング2には
一対の吐出ポート61が設けられており、これら吐出ポ
ート61に連なるように圧力室14が設けられており、
この圧力室14からは吐出油が上記流量制御弁15に導
かれるようになっている。このようにリヤハウジング2
は、サイドプレートの役割も受け持っている。
プレート6及びリヤハウジング2周辺部であってカムリ
ング5の円周端付近には、図2に示す如く、それぞれ一
対の吸入ポート55が設けられており、上記カムリング
5の外周部付近に当該吸入ポート55にロータ回転方向
に連なる吸入室9が設けられている。また、図1に示す
如く、上記サイドプレート6及びリヤハウジング2には
一対の吐出ポート61が設けられており、これら吐出ポ
ート61に連なるように圧力室14が設けられており、
この圧力室14からは吐出油が上記流量制御弁15に導
かれるようになっている。このようにリヤハウジング2
は、サイドプレートの役割も受け持っている。
【0011】更に、この流量制御弁15には、余剰の吐
出油をバイパス還流させるためのバイパス路11が設け
られており、このバイパス路11の先端部は、上記吸入
室9に連なっている。また、図略のリザーバタンクから
吸入作動油を吸入するための吸入路8が上記バイパス路
11と交差するように設けられている。これら構成に加
えて、更に、本実施例においては、上記バイパス路11
と吸入室9との連結部であってリヤハウジング2におけ
る上記吸入室9の始まる部分に、作動油を左右の吸入ポ
ート55に均等に分配するための分流壁25を上記バイ
パス路11に向けて突設し、当該分流壁25の左右のふ
もとの上記吸入室9に作動油のバイパス路流入方向にか
つロータ回転方向に、図3に示すように、円弧状にえぐ
れたポケット部26を各々形成した。同じく上記バイパ
ス路11と上記吸入室9との連結部であってフロントハ
ウジング1における上記吸入室9の始まる部分に、左右
対称の形状からなるオイル誘導溝12を設けることとし
た。
出油をバイパス還流させるためのバイパス路11が設け
られており、このバイパス路11の先端部は、上記吸入
室9に連なっている。また、図略のリザーバタンクから
吸入作動油を吸入するための吸入路8が上記バイパス路
11と交差するように設けられている。これら構成に加
えて、更に、本実施例においては、上記バイパス路11
と吸入室9との連結部であってリヤハウジング2におけ
る上記吸入室9の始まる部分に、作動油を左右の吸入ポ
ート55に均等に分配するための分流壁25を上記バイ
パス路11に向けて突設し、当該分流壁25の左右のふ
もとの上記吸入室9に作動油のバイパス路流入方向にか
つロータ回転方向に、図3に示すように、円弧状にえぐ
れたポケット部26を各々形成した。同じく上記バイパ
ス路11と上記吸入室9との連結部であってフロントハ
ウジング1における上記吸入室9の始まる部分に、左右
対称の形状からなるオイル誘導溝12を設けることとし
た。
【0012】ここで、本実施例は、図3に示すように、
バイパス路11の直径Aが8mm、バイパス路11の長
さBが33mm、吸入室9の深さCが6mm、吸入室9
の底面からの分流壁25の高さDを2mm、吸入室9の
底面からポケット部26の底部までの深さEを8mmと
した。このような構成からなる本実施例の作動状態につ
いて説明する。ベーンポンプ装置が稼働を始めると、図
1に示す如く、リザーブタンク(図示せず)から吸引さ
れた作動油は、吸入路8からバイパス路11を経て吸入
室9に導かれ、ここから、図2に示す如く、左右の吸入
ポート55に吸引される。一方、この吸入作動油は、ポ
ンプ室で昇圧され吐出ポート61より圧力室14に放出
され、ここから流量制御弁15に送られる。次に、この
流量制御弁15にて流量制御を受けた後、余剰の吐出油
は上記バイパス路11にバイパス還流される。従って、
上記バイパス路11内を流動する作動油は、上記吸入路
8から吸引された作動油と上記流量制御弁15から放出
されたバイパス還流油とが混在した状態のものとなる。
その結果、当該バイパス路11内を流動する作動油は、
上記バイパス流の影響により流動状態が乱流となり、キ
ャビテーションを含んだ状態となりがちである。しかも
このような状態の作動油は、上記バイパス路11から吸
入室9に流動する際に、この流動方向がロータ回転軸線
と平行な方向からロータ回転方向に変換させられること
となり、ここにおいて、更に流動状態は乱れることとな
る。従って、このような背景から、従来のものにおいて
は、吸入ポート55に吸引される作動油は多くのキャビ
テーションを含むおそれがあった。
バイパス路11の直径Aが8mm、バイパス路11の長
さBが33mm、吸入室9の深さCが6mm、吸入室9
の底面からの分流壁25の高さDを2mm、吸入室9の
底面からポケット部26の底部までの深さEを8mmと
した。このような構成からなる本実施例の作動状態につ
いて説明する。ベーンポンプ装置が稼働を始めると、図
1に示す如く、リザーブタンク(図示せず)から吸引さ
れた作動油は、吸入路8からバイパス路11を経て吸入
室9に導かれ、ここから、図2に示す如く、左右の吸入
ポート55に吸引される。一方、この吸入作動油は、ポ
ンプ室で昇圧され吐出ポート61より圧力室14に放出
され、ここから流量制御弁15に送られる。次に、この
流量制御弁15にて流量制御を受けた後、余剰の吐出油
は上記バイパス路11にバイパス還流される。従って、
上記バイパス路11内を流動する作動油は、上記吸入路
8から吸引された作動油と上記流量制御弁15から放出
されたバイパス還流油とが混在した状態のものとなる。
その結果、当該バイパス路11内を流動する作動油は、
上記バイパス流の影響により流動状態が乱流となり、キ
ャビテーションを含んだ状態となりがちである。しかも
このような状態の作動油は、上記バイパス路11から吸
入室9に流動する際に、この流動方向がロータ回転軸線
と平行な方向からロータ回転方向に変換させられること
となり、ここにおいて、更に流動状態は乱れることとな
る。従って、このような背景から、従来のものにおいて
は、吸入ポート55に吸引される作動油は多くのキャビ
テーションを含むおそれがあった。
【0013】しかしながら、本実施例のものにおいて
は、図1及び図2に示す如く、上記作動油の流動方向の
変換部である上記バイパス路11と吸入室9との連結部
に、作動油を左右の吸入ポート55に均等に分配するた
めの分流壁25が上記バイパス路11に向けて突設さ
れ、当該分流壁25の左右のふもとの上記吸入室9に作
動油のバイパス路流入方向にかつロータ回転方向に円弧
状にえぐれたポケット部26を各々形成している構成を
採っているので、上記分流壁25の作用により、上記乱
流状態となっている吸入作動油は、整流作用を受けなが
ら、左右に均等に分配される。次にポケット部26によ
り、作動油の流れの向きが滑らかに変化することができ
る。さらに、上記オイル誘導溝12に導かれることによ
って、また、流動通路の開口面積が徐々に拡張されるこ
とによって、更に整流化されながら吸入ポート55に向
って誘導されることとなる。これによってキャビテーシ
ョンの発生を防止することができる。このように整流化
され、キャビテーションの無い状態の作動油が、吸入室
9内を流動して吸入ポート55へと吸引されることとな
る。
は、図1及び図2に示す如く、上記作動油の流動方向の
変換部である上記バイパス路11と吸入室9との連結部
に、作動油を左右の吸入ポート55に均等に分配するた
めの分流壁25が上記バイパス路11に向けて突設さ
れ、当該分流壁25の左右のふもとの上記吸入室9に作
動油のバイパス路流入方向にかつロータ回転方向に円弧
状にえぐれたポケット部26を各々形成している構成を
採っているので、上記分流壁25の作用により、上記乱
流状態となっている吸入作動油は、整流作用を受けなが
ら、左右に均等に分配される。次にポケット部26によ
り、作動油の流れの向きが滑らかに変化することができ
る。さらに、上記オイル誘導溝12に導かれることによ
って、また、流動通路の開口面積が徐々に拡張されるこ
とによって、更に整流化されながら吸入ポート55に向
って誘導されることとなる。これによってキャビテーシ
ョンの発生を防止することができる。このように整流化
され、キャビテーションの無い状態の作動油が、吸入室
9内を流動して吸入ポート55へと吸引されることとな
る。
【0014】
【考案の効果】本発明によれば、流量制御弁からの余剰
流を、ロータ回転軸線と平行に設けられたバイパス路並
びに当該バイパス路と交差しかつロータ回転方向に設け
られた吸入室を介して一対の吸入ポートに還流するよう
にしたベーンポンプにおいて、二分割されたハウジング
のうち、一方のハウジングの吸入室に、上記バイパス路
と繋がる部分に上記バイパス路に向けて分流壁を突設し
たことにより、作動油が各吸入室に均等に分配されなが
ら整流化される。また、上記分流壁のふもとの各吸入室
に、バイパス路からの作動油の流入方向にかつロータ回
転方向に円弧状にえぐられたポケット部を形成したこと
により、作動油の流れの向きが滑らかに変化することが
できる。加えて、他方のハウジングにおける吸入室の始
まる部分に、ロータ回転方向の正逆方向に対称の形状、
すなわち左右対称形状からなるオイル誘導溝を形成した
ことによって、上記整流状態とされた作動油がオイル誘
導溝に導かれ、更に整流化される。これによって、キャ
ビテーション等が生じることなく吸入ポート側へ送ら
れ、当該吸入ポートより吸引されるようになった。この
結果、キャビテーションに起因する騒音の発生等が防止
されることとなった。
流を、ロータ回転軸線と平行に設けられたバイパス路並
びに当該バイパス路と交差しかつロータ回転方向に設け
られた吸入室を介して一対の吸入ポートに還流するよう
にしたベーンポンプにおいて、二分割されたハウジング
のうち、一方のハウジングの吸入室に、上記バイパス路
と繋がる部分に上記バイパス路に向けて分流壁を突設し
たことにより、作動油が各吸入室に均等に分配されなが
ら整流化される。また、上記分流壁のふもとの各吸入室
に、バイパス路からの作動油の流入方向にかつロータ回
転方向に円弧状にえぐられたポケット部を形成したこと
により、作動油の流れの向きが滑らかに変化することが
できる。加えて、他方のハウジングにおける吸入室の始
まる部分に、ロータ回転方向の正逆方向に対称の形状、
すなわち左右対称形状からなるオイル誘導溝を形成した
ことによって、上記整流状態とされた作動油がオイル誘
導溝に導かれ、更に整流化される。これによって、キャ
ビテーション等が生じることなく吸入ポート側へ送ら
れ、当該吸入ポートより吸引されるようになった。この
結果、キャビテーションに起因する騒音の発生等が防止
されることとなった。
【図1】本考案にかかるベーンポンプ装置の全体構成を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図2】本考案にかかるベーンポンプ装置の全体構成を
示す横断面図である。
示す横断面図である。
【図3】本考案の主要部をなす分流壁及びオイル誘導溝
の構成を示す図であり、図1のAA断面図である。
の構成を示す図であり、図1のAA断面図である。
【図4】従来例にかかるベーンポンプ装置の全体構成を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図5】従来例にかかるベーンポンプ装置の全体構成を
示す横断面図である。
示す横断面図である。
【図6】従来例にかかるベーンポンプ装置における分流
壁の構成を示す図である。
壁の構成を示す図である。
1 フロントハウジング 11 バイパス路 12 オイル誘導溝 14 圧力室 15 流量制御弁 2 リヤハウジング 25 分流壁 26 ポケット部 3 回転軸 4 ロータ 5 カムリング 55 吸入ポート 6 サイドプレート 61 吐出ポート 7 ベーン 8 吸入路 9 吸入室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−221488(JP,A) 特開 昭62−168982(JP,A) 特開 昭50−48508(JP,A) 特開 平2−40091(JP,A) 実開 平3−63718(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 2/30 - 2/352 F04C 15/04 311 B62D 5/07 F15D 1/00
Claims (1)
- 【請求項1】 二分割されたハウジングに収納されて回
転駆動されるロータ、当該ロータのスリット内にて摺動
運動をするベーン、これらロータ、ベーンの外側にあっ
て複数のポンプ室を形成するカムリング、上記ロータ、
ベーン、カムリングの両側面にあって、これらポンプ室
の形成に寄与するサイドプレート、当該サイドプレート
に設けられ、対応する位置のポンプ室に開口するそれぞ
れ一対の吐出ポート及び吸入ポート、当該一対の吸入ポ
ートにロータ回転方向に連なる吸入室からなるベーンポ
ンプと、上記吐出ポートから吐出する吐出油の流量が所
定値を超えた場合に、その余剰の吐出油をロータ回転軸
線と平行に設けられたバイパス路並びに当該バイパス路
と交差して設けられた上記吸入室へ還流させる流量制御
弁とからなるベーンポンプ装置において、上記ハウジン
グのうち一方のハウジングには、上記バイパス路からの
吸入作動油を一対の上記吸入ポートへバランス良く分配
するための分流壁を上記吸入室上に上記バイパス路と繋
がる部分に上記バイパス路に向けて突設するとともに、
当該分流壁のふもとの各吸入室に上記バイパス路からの
作動油の流入方向にかつロータ回転方向に円弧状にえぐ
れたポケット部を形成し、他方のハウジングには、上記
バイパス路と上記吸入室との連結部分であって当該ハウ
ジングにおける上記吸入室の始まる部分にロータ回転方
向の正逆方向に対称の形状からなるオイル誘導溝を形成
したことを特徴とするベーンポンプ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992053332U JP2592508Y2 (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | ベーンポンプ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992053332U JP2592508Y2 (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | ベーンポンプ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0614481U JPH0614481U (ja) | 1994-02-25 |
JP2592508Y2 true JP2592508Y2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=12939787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992053332U Expired - Lifetime JP2592508Y2 (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | ベーンポンプ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2592508Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003033912A1 (fr) * | 2001-10-16 | 2003-04-24 | Ebara Corporation | Machine rotative du type a pales |
-
1992
- 1992-07-29 JP JP1992053332U patent/JP2592508Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003033912A1 (fr) * | 2001-10-16 | 2003-04-24 | Ebara Corporation | Machine rotative du type a pales |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0614481U (ja) | 1994-02-25 |
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