JP2592421B2 - 新規な2−(1−アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン及びその製造方法並びに該化合物を用いる2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの製造方法 - Google Patents

新規な2−(1−アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン及びその製造方法並びに該化合物を用いる2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用性] 本発明は医薬や農薬の中間体として有用な、新規な2
−(1−アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロキシ−
1,4−ナフトキノン及びその製造方法、並びに該新規化
合物を用いて2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ
−1,4−ナフトキノンを製造する方法に関するものであ
る。
2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナ
フトキノンは殺虫活性及び殺菌活性を有する化合物であ
り、またアルケニル基を水素化して得られる2−アルキ
ル−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンは医薬、動物
薬及び農薬として有用である。
[従来の技術] 従来より、2−アルキルアミノメチル−3−ヒドロキ
シ−1,4−ナフトキノンは、2−ヒドロキシ1,4−ナフト
キノンとホルマリン及び第一級若しくは第二級アミンを
反応させることで容易に得られる事が知られており[M.
T.Leffler and R.J.Hathaway:J.Amer.Chem.Soc.,70,322
2(1948)]、また、ベンズアルデヒドやアセトアルデ
ヒドと反応して、それぞれ2−(1−アルキルアキノベ
ンジル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキンあるいは
2−(1−アルキルアミノエチル)−3−ヒドロキシ−
1,4−ナフトキノンを与える事が知られている[C.E.Dal
gliesh:J.Amer.Chem.Soc.,71,1697(1944)]。そし
て、更にこれらの化合物が抗マラリア活性を有すること
についても調べられている[L.F.Fieser及びA.R.Richar
dson:J.Amer.Chem.SOc.,70,3156(1948)]。
一方、2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,
4−ナフトキノンの製造法としては、 2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンとその数モル
倍量のアルデヒドとを酢酸溶媒中で、約1.7モル倍量の
塩酸を触媒として脱水縮合させて製造する方法[J.Am.C
hem.Soc.,58,p1163〜1167(1936)]または 上記の方法において、触媒として塩酸の代わりに
トリエチルアミンを、また溶媒としてジメチルホルムア
ミド又はアセトニトリル使用する方法[J.Chem.Soc.Per
kin Trans.I,p659〜664(1986)] が知られているのみである。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、2−(1−アルキルアキノアルキル)
−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの製造に関する
これらの報告では、ホルマリン、ベンズアルデヒド、ア
セトアルデヒド以外のアルデヒドを用いた場合には、こ
の反応はうまく進行せず、タール状物質が得られるか、
もしくは2,2′−メチレンビス−3−ヒドロキシ−1,4−
ナフトキノン誘導体が生成するのみで、C3以上の脂肪族
アルデヒドを用いた場合は2−(1−アルキルアミノア
ルキル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンは得ら
れないと報告されており、この反応の応用範囲が限られ
たものとなっていた。
また、2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,
4−ナフトキノンの製造法として前記の塩酸を触媒とし
て用いる方法は、塩酸が極めて腐食性の強い酸であるた
め、装置材料が特殊となり、工業的な製造方法としては
実用的であるとはいえない。また、これらの方法はいず
れも収率が約30〜40モル%であり、しかも大過剰のアル
デヒドを使用するために、アルデヒドの縮合物やその他
の副生成物が大量に生成し、目的物の単離方法が煩雑に
なるなどの欠点があり、工業的に有利な方法とはいえな
い。なお、前記の方法は汎用性があるとはいえず、大
半の場合が2,2′−メチレンビス−3−ヒドロキシ−1,4
−ナフトキノン誘導体の生成が優先してしまう。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、2−(1−アルキルアミノアルキル)
−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの製造方法につ
いて、鋭意検討した結果、ホルマリン、ベンズアルデヒ
ド、アセトアルデヒド以外の種々のアルデヒドに対して
も、第一級アミン及び特定の溶媒を使用し、さらに反応
温度を35℃以下に保つことによって、従来得られなかっ
た新規な2−(1−アルキルアキノアルキル)−3−ヒ
ドロキシ−1,4−ナフトキノンを選択的に高収率で得ら
れること、また、使用する溶媒によっては生成物を結晶
としてそのまま容易に単離できることを見出し本発明を
完成した。
また、2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,
4−ナフトキノンの製造に関しても、以上の方法により
製造した2−(1−アルキルアミノアルキル)−3−ヒ
ドロキシ−1,4−ナフトキノンを不活性な有機溶媒中で
硫酸、ハロゲン化水素酸などの酸の存在下で熱分解反応
を行うことにより、収率良く2−(1−アルケニル)−
3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンを製造できること
を見出した。
すなわち本発明は、 一般式 (式中、R1はアルキル基又はシクロアルキル基を、R2
炭素数2以上のアルキル基を示し、α位の炭素に少なく
とも1つの水素を有する。) で表される新規な2−(1−アルキルアミノアルキル)
−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンを提供するもの
である。
本発明の上記新規ナフトキノン化合物は、2−ヒドロ
キシ−1,4−ナフトキノン(A)と炭素数が3以上の脂
肪族アルデヒド(B)とを、第一級アミン(C)の存在
下に不活性有機溶媒中で反応させることにより得られ
る。
上記方法により、2−(1−アルキルアミノアルキ
ル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(D)を得
る反応は次の反応式によって表わされる。
本発明に用いられるアルデヒドとしては、炭素数が3
以上のアルデヒドR2CHOが使用される。ここでR2は炭素
数が2以上、好ましくは5〜20でα位の炭素に少なくと
も1つの水素を有するアルキル基を表わし、上記目的化
合物(D)のR2に応じて選ばれる。
主要なアルデヒドとしては、例えばプロピオンアルデ
ヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレ
ルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ビバリンアルデ
ヒド、カプロンアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、カプ
リルアルデヒド、ペラルゴンアルデヒド、カプリンアル
デヒド、ウンデシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド
(ラウリンアルデヒド)、トリデシルアルデヒド、ミリ
スチンアルデヒド、ペンタデシルアルデヒド、マルガリ
ンアルデヒド、ステアリルアルデヒドなどの脂肪族飽和
アルデヒドが挙げられる。
該アルデヒドの使用量は、原料の2−ヒドロキシ−1,
4−ナフトキノンに対して一般に等モル以上、通常1.0〜
2.0モル倍、好ましくは1.1〜1.4モル倍であり、等モル
未満では収率が低下し、多くても経済的でない。
上記反応に用いられるアミンR1NH2はアルキルアミン
またはシクロアルキルアミン等の第一級アミンに限られ
る。第二級アミン、第三級アミンでは、2,2′−メチレ
ンビス−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン誘導体の
生成が優先する。このアミンはガス状でも液状でもよ
く、また、水溶液でもよい。R1もまた目的化合物(D)
のR1に応じて選ばれる。一般にはモノメチルアミン、エ
チルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミ
ン、ブチルアミン、t−ブチルアミン等の第一級アルキ
ルアミンまたはシクロヘキシルアキン等のシクロアルキ
ルアミンが挙げられる。
第一級アミンの使用量は、原料の2−ヒドロキシ−1,
4−ナフトキノンに対して、一般に0.8〜1.5モル倍、好
ましくは0.9〜1.1モル倍、更に好ましくは等モル倍であ
る。アミンの使用量は多くても少なくても目的化合物の
収率が低下する。
前記反応に用いられる不活性有機溶媒としては、例え
ばアルコール、セロソルブ、エーテル(ジオキサン、TH
F)、ジオール、ケトン、脂肪酸エステル、芳香族炭化
水素(B.T.X.)アセトニトリル等が用いられ、目的物を
結晶として容易に単離する場合には、通常、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類が好都合である。
上記反応の反応条件としては、反応温度が35℃以下で
ある事が望ましく、好ましくは0〜30℃、特に好ましく
は20〜25℃である。温度が高すぎると2,2′−メチルビ
ス−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン誘導体の生成
が優先し、低すぎると反応速度が非常に遅くなり実用的
でない。反応時間は1〜10時間程度で充分である。
本発明における上記製造方法は一般に次の様に実施さ
れる。
所定量の2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンと、第
一級アミンとを、所定量の溶媒中に加え、2−ヒドロキ
シ−1,4−ナフトキノンの第一級アミン塩を生成させた
後に、さらに所定量のアルデヒドを添加し、撹拌下に所
定温度で1〜10時間反応させるか、あるいは所定量の第
一級アミンとアルデヒドとを、所定量の溶媒中に加え、
シッフ塩基を生成させた後に、さらに所定量の2−ヒド
ロキシ−1,4−ナフトキノンを添加し、撹拌下に所定温
度で1〜10時間反応させる。析出してきた結晶を濾過
し、得られた濾過ケーキを、アルコール等で洗浄し、乾
燥することにより2−(1−アルキルアミノアルキル)
−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンが得られる。必
要ならば液からも生成物を回収する事ができる。
本発明における2−(1−アルキルアミノアルキル)
−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(D)は、これ
を熱分解することにより、2−(1−アルケニル)−3
−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(F)を得ることが
できる。ただし、次式に示すようにこの場合、化合物
(D)におけるR2は炭素数2以上のアルキル基を示し、
α位の炭素は少なくとも1つの水素を有することが必要
である。この熱分解反応は、次の反応式によって表わさ
れ、中間に第四級アンモニウム塩(E)を経由して、2
−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフト
キノン(F)が得られる。
ここで、式中R1はアルキル基又はシクロアルキル基
を、R2はα位の炭素に少なくとも一つの水素を有する炭
素数2以上のアルキル基であり、R3はアルキル、R4は水
素またはアルキル、Xは酸基を表わす。
上記熱分解反応に用いられる酸としては、2−(1−
アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナ
フトキノン(D)のアミノ基と反応して第四級アンモニ
ウム塩を形成できる酸なら何でもよく、例えば塩酸、臭
酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸あるいは硫酸等
がある。
上記酸の使用量は2−(1−アルキルアミノアルキ
ル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンと等モル以
上で、好ましくは1.0〜1.5モル倍を用いる。使用量が少
ないと副反応が生じ、収率が低下する。また、多すぎる
と反応が遅くなる。
上記反応に用いられる溶媒としては、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブなどのグリコールエーテル、キシ
レンなどの芳香族炭化水素、ジオキサンなどのエーテ
ル、酢酸ブチルなどのエステル、メチルイソブチルケト
ンなどケトンが挙げられる。
反応条件は、反応温度が75℃以上、好ましくは90〜14
0℃、常圧、加圧、自生圧下であり、反応時間は0.5〜10
時間程度で十分である。
この熱分解反応は、一般に次の様に実施される。
所定量の2−(1−アルキルアミノアルキル)−3−
ヒドロキシ1,4−ナフトキノンを、所定量の溶媒中に加
え、更に室温で撹拌下に所定量の酸を加えて、第四級ア
ンモニウム塩を生成させた後、所定温度で0.5〜10時間
熱分解反応を行なう。この反応混合物を冷却して析出し
てくる結晶を濾過し、得られた濾過ケーキをアルコール
等で洗浄し、乾燥することにより2−(1−アルケニ
ル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの結晶が得
られる。なお、必要ならば濾液からさらに生成物を回収
することができる。例えば濾液を濃縮し、冷却晶析する
ことにより回収することができる。
本熱分解反応は、必ずしも単離した2−(1−アルキ
ルアミノアルキル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキ
ノンを用いる必要はなく、2−ヒドロキシ−1,4−ナフ
トキノンとアルデヒドと第一級アミンとより得られた、
2−(1−アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロキシ
−1,4−ナフトキノンを含む反応混合物に酸を加え、熱
分解反応を行なうことによっても、同様に2−(1−ア
ルケニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの結
晶を得ることができる。
[実施例] 以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明する。
実施例1 2−(1−メチルアミノブチル)−3−ヒドロキシ−1,
4−ナフトキノン(a)の製造 2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ローソン)3.5
0g(20.1ミリモル)をエタノール50ml中に加え、更にモ
ノメチルアミ水溶液(40重量%)1.60g(20.6ミリモ
ル)を加えてアミン塩の均一溶液とした後、ブチルアル
デヒド1.90g(26.4ミリモル)を加え、25℃で1.5時間反
応させた。約20分で結晶が析出し始めた。反応終了後、
析出した結晶を濾別し、メタノールで洗浄することで目
的物の粗結晶4.43g(17.1ミリモル)を得た。収率は85.
1モル%であった。
実施例2 2−(1−エチルアミノブチル)−3−ヒドロキシ−1,
4−ナフトキノン(b)の製造 実施例1のメチルアミン水溶液の代りにエチルアミン
水溶液(70重量%)1.30g(20.2ミリモル)を用い、反
応時間を1時間とした以外は実施例1と同様にして、目
的物の粗結晶4.43g(16.2ミリモル)を得た。収率は80.
7モル%であった。
実施例3 2−(1−n−ブチルアミノブチル)−3−ヒドロキシ
−1,4−ナフトキノン(c)の製造 実施例2のエチルアミンの代りにn−ブチルアミミン
1.50g(20.5ミリモル)を用いた以外は実施例2と同様
にして、目的物の粗結晶5.89g(19.6ミリモル)を得
た。収率は97.3モル%であった。
実施例4 2−(1−メチルアミノ−3−メチル−ブチル)−3−
ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(d)の製造 溶媒をメタノール50mlにして、ブチルアルデヒドの代
りにイソ吉草アルデヒド2.20g(25.6ミリモル)を用い
て、反応時間を3時間とした以外は実施例1と同様にし
て、目的物の粗結晶3.23g(11.8ミリモル)を得た。収
率は58.9モル%であった。
実施例5 2−(1−シクロヘキシルアミノ−デカニル)−3−ヒ
ドロキシ−1,4−ナフトキノン(e)の製造 アルデヒドをカプリルアルデヒド3.80g(24.4ミリモ
ル)、アミンをシクロヘキシルアミン2.00g(20.2ミリ
モル)とした以外は実施例4と同様にして、目的物の粗
結晶6.80g(16.5ミリモル)を得た。収率は83.3モル%
であった。
実施例6 2−(1−i−プロピルアミノドデシル)−3−ヒドロ
キシ−1,4−ナフトキノン(g)の製造 ローソン6.00g(34.5ミリモル)、i−プロピルアミ
ン2.06g(34.5ミリコル)をメタノール100ml中に加え、
更に水浴下(27℃)、これにn−ドデシルアルデヒド7.
62g(41.3ミリモル)を加え、3時間反応させた。反応
終了後、析出した結晶を濾別し、メタノールで洗浄し、
2−(1−i−プロピルアミノドデシル)−3−ヒドロ
キシ−1,4−ナフトキノン9.76gを得た。収率は70モル%
であった。
また、濾液をHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)
で分析した結果、未反応ローソン0.21g、目的物2.72gを
濾液中に確認した。この濾液中の目的物を加算すると、
収量は12.48g(31.2ミリモル)であり、収率は90.4モル
%となる。
実施例7 2−(1−n−ブチルアミノドデシル)−3−ヒドロキ
シ−1,4−ナフトキノン(h)の製造 i−プロピルアミンの代わりにn−ブチルアミン2.55
g(34.5ミリモル)を用いた以外は実施例6と同様にし
て2−(1−n−ブチルアミノドデシル)−3−ヒドロ
キシ−1,4−ナフトキノン6.72g(47モル%)を得た。ま
た濾液をHPLCで分析した結果、未反応ローソン0.11g、
目的物6.57gを確認した。総収量は13.29g(32.1ミリモ
ル)、収率は93.0モル%であった。
実施例8 2−(1−t−ブチルアミノドデシル)−3−ヒドロキ
シ−1,4−ナフトキノン(i)の製造 アミンとしてt−ブチルアミン2.55g(34.5ミリモ
ル)を用いて以外は実施例6と同様にして、2−(1−
t−ブチルアミノドデシル)−3−ヒドロキシ−1,4−
ナフトキノン5.67gを得た。また濾液をHPLCで分析した
ところ、未反応ローソン2.62g、目的物1.49gを確認し
た。収量7.16g(17.3ミリモル)、収率50.1モル%であ
った。
実施例9 2−(1−メチルアミノドデシル)−3−ヒドロキシ−
1,4−ナフトキノン(f)製造 ローソン19.7g(113ミリモル)、40%メチルアミン水
溶液8.77g(113ミリモル)、メタノール300ml、水20.3g
を室温にて撹拌し、これにn−ドデシルアルデヒド25.0
g(135.6ミリモル)を加え3時間反応させた。析出した
結晶を濾別し、メタノールで洗浄し2−(1−メチルア
ミノドデシル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン
の粗結晶33.9g(91.4ミリモル)(80.9モル%)を得
た。又、濾液をHPLCで分析したところ、目的物3.28g
(8.84ミリモル)及び未反応ローソン1.45g(8.33ミリ
モル)を確認した。
実施例10 溶媒をエタノールの代わりにTHFとし、ブチルアルデ
ヒドの代わりにn−ドデシルアルデヒド4.44g(24.1ミ
リモル)を用いた以外は実施例1と同様に反応を行な
い、得られた均一溶液の一部を取りHPLCで分析したとこ
ろ、2−(1−メチルアミノドデシル)−3−ヒドロキ
シ−1,4−ナフトキノン8.22g(19.9ミリモル)を確認し
た。収率は99.0モル%であった。
以上の結果得られた化合物のIR(C=0の伸縮振動数
υ、cm-1)、NMR、融点(m.p.)を第1表に、元素分析
結果を第2表に示す。
実施例11 2−(1−ドデセニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフ
トキノンの製造 実施例7で得られた2−(1−n−ブチルアミノドデ シル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(h)3.3
4g(8.09ミリモル)を、メチルセロソルブ30ml中に加
え、更に硫酸0.92g(8.92ミリモル)を撹拌下に室温で
加えて、硫酸塩の均一溶液とした後、120℃に加熱して
で1時間熱分解反応を行なった。反応終了後、得られる
反応液を冷却して析出した結晶を濾別し、メタノールで
よく洗浄することにより、2−(1−ドデセニル)−3
−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの結晶2.23g(6.56ミ
リモル)(81.1モル%)を得た。また、濾液をHPLCで分
析したところ、0.11gの生成物(0.32ミリモル)(4.0モ
ル%)を確認した。
実施例12 実施例8で得られた2−(1−t−ブチルアミモ−ド
デシル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(i)
3.32g(8.04ミリモル)を(h)の代わりに用いた以外
は、実施例11と同様にして2−(1−ドデセニル)−3
−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの結晶2.54g(7.47ミ
リモル)(92.9モル%)を得た。又、濾液をHPLCで分析
したところ、145mg(0.43ミリモル)(5.3モル%)を確
認した。
実施例13 2−(1−ブテニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフト
キノンの製造 実施例3で得られた2−(1−n−ブチルアミノブチ
ル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(c)3.00g
(9.97ミリモル)をメチルセロソルブ50ml中に加え、室
温で撹拌下に濃塩酸1.15g(11.0ミリモル)を加えて塩
酸塩を生成させた後、この反応液を120℃に加熱して1
時間保ち、熱分解反応を行なった。反応終了後、反応生
成液を減圧下で濃縮し、得られたオイルをシリカゲルカ
ラム(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で分離精製し、
2−(1−ブチニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフト
キノンの結晶1.85g(8.11ミリモル)(81.4モル%)を
得た。
実施例14 2−(3−メチル−1−ブテニル)−3−ヒドロキシ−
1,4−ナフトキノンの製造 実施例11において、2−(1−ブチルアミノブチル)
−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの代りに実施例
4で得られた2−(1−メチルアミノ−3−メチルブチ
ル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(d)2.00g
(7.33ミリモル)を用い、塩酸の量を0.80g(7.67ミリ
モル)とした以外は実施例11と同様にして、2−(3−
メチル−ブテニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキ
ノンの結晶1.30g(5.37ミリモル)(73.3モル%)を得
た。
実施例15 30mlガラスオートクレーブに2−(1−メチルアミノ
ドデシル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンを1.0
0g(2.67ミリモル)、濃硫酸305.6mg(原料に対して1.1
ミリモル倍)及びキシレン20mlを入れ、撹拌しながら12
0℃に加熱し、その温度で1時間保った。放冷後、ベン
ゼン−水系で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を留去した後、メタノールにより再結晶を行な
った。これにより2−(1−ドデセニル)−3−ヒドロ
キシ−1,4−ナフトキノン734,6mgを得た。また、再結晶
濾液をHPLCにより分析した結果、濾液中に2−ヒドロキ
シ−1,4−ナフトキノン12.4mg、原料0.7mg、目的物15.5
mgを確認した。収率等を第3表に示す。
実施例16〜18 溶媒を第3表に示す溶媒に代えて、実施例13と同様に
行なった。但し抽出は酢酸エチル−水系で行なった。得
られた収率は第3表に示す。
実施例19 2−(1−ドデセニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフ
トキノンの製造 酢酸ブチル70ml中で2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキ
ノン3.52g(20.2ミリモル)、メチルアミン(40%水溶
液1.60g)(20.6ミリモル)及びn−ドデシルアルデヒ
ド4.40g(23.9ミリモル)を室温で2時間反応させた。
得られた反応液をHPLCで分析したところ7.28g(19.6
ミリモル)の2−(1−メチルアミノドデシル)−3−
ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンを含むことが確認され
た。反応混合液に濃硫酸2.08g(20.2ミリモル)を徐々
に加えて硫酸塩の溶液とした後(50℃で均一溶液とな
る)、還流下で1時間熱分解反応を行なった。
反応終了後、反応液を冷却し、析出した結晶を濾別
し、メタノールで洗浄することにより2−(1−ドデセ
ニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの結晶5.1
3g(15.1ミリモル)(74.8モル%)を得た。また、濾液
中にHPLC分析により0.70g(2.06ミリモル)(10.2モル
%)の生成物を確認した。
これより、この反応では2−ヒドロキシ−1,4−ナフ
トキノンより2−(1−ドデセニル)−3−ヒドロキシ
−1,4−ナフトキノンを85.0%の収率で合成したことに
なる。
比較例1 2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン2.5g(14.4ミリ
モル)を酢酸50ml中に加え、さらにドデシルアルデヒド
5.4g(2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンに対して2.0
3モル倍)い及び濃塩酸7.5g(2−ヒドロキシ−1,4−ナ
フトキノンに対して1.4モル倍)を触媒として添加し、8
5℃で2時間反応させた。得られた反応液を約5℃に冷
却したが、結晶が析出しないので、水300ml中に入れた
後、ベンゼン200mlで抽出いた。この有機層を炭酸ナト
リウム1%水溶液150mlで2回、さらに水150mlで洗浄し
た後、無水芒硝で乾燥し、ベンゼンを留去して得られた
油層をシリカゲルカラムで分離精製することにより、2
−(1−ドデセニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフト
キノン1.97gを得た。収率は40.2モル%であった。
[発明の効果] 本発明で得られた2−(1−アルキルアミノアルキ
ル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンは、その物
自体、生理活性を有すると思われるが、更にこの物の脱
アミノ化反応によって、有用な医薬、農薬中間体である
2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフ
トキノンおよび2−アルキル−3−ヒドロキシ−1,4−
ナフトキノンに導く事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (54)【発明の名称】 新規な2−(1−アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン及びその 製造方法並びに該化合物を用いる2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキ ノンの製造方法

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1はアルキル基又はシクロアルキル基を、R2
    炭素数2以上のアルキル基を示し、α位の炭素に少なく
    とも1つの水素を有する。)で表される新規な2−(1
    −アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロキシ−1,4−
    ナフトキノン。
  2. 【請求項2】2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンと炭
    素数3以上でα位の炭素に少なくとも1つの水素を有す
    る脂肪族アルデヒドとを第一級アミンの存在下に不活性
    有機溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1に記
    載の2−(1−アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロ
    キシ−1,4−ナフトキノンの製造方法。
  3. 【請求項3】反応温度が35℃以下である請求項2に記載
    の2−(1−アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロキ
    シ−1,4−ナフトキノンの製造方法。
  4. 【請求項4】一般式 (式中、R1はアルキル基又はシクロアルキル基を、R2
    炭素数2以上のアルキル基を示し、α位の炭素に少なく
    とも1つの水素を有する。) で表される新規な2−(1−アルキルアミノアルキル)
    −3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンを不活性溶媒
    中、酸の存在下に熱分解させることを特徴とする2−
    (1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキ
    ノンの製造方法。
  5. 【請求項5】酸が硫酸又はハロゲン化水素酸である、請
    求項4に記載の2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキ
    シ−1,4−ナフトキノンの製造方法。
JP4175588A 1988-02-23 1988-02-23 新規な2−(1−アルキルアミノアルキル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン及びその製造方法並びに該化合物を用いる2−(1−アルケニル)−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの製造方法 Expired - Fee Related JP2592421B2 (ja)

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