JP2591676B2 - 活性炭繊維不織布およびその製造方法 - Google Patents

活性炭繊維不織布およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は強度、耐久性、嵩高性および加工性が優れて
おり、吸脱着特性の優れた活性炭繊維不織布およびその
製造方法に関する。
本発明の活性炭繊維不織布は高弾性率、高強度の補強
繊維を均一に混合しているため、繊維集合体として引っ
張り、引き裂き、衝突、摩耗、折曲げ等に強く、圧縮や
振動等に対する耐久性および形態安定性に優れている。
本発明の活性炭繊維不織布は、布の形態のまま、ある
いは不織布を種々の形態に加工した形態で、一般の吸着
剤として使用することが出来る。吸着する物質としては
種々の気体、液中に溶解する種々の溶質等である。活性
炭繊維不織布の用途としては、種々の工業用吸着剤、ガ
スマスク、浄水器、冷蔵庫や靴等の脱臭剤、空調設備用
の脱臭フィルター等である。
本発明の活性炭繊維不織布はその他に、触媒担体、炭
素分子に体するイオンのインターカレーション電位を利
用する蓄電池、キャパシター、コンデンサー等に用いら
れる。
(ロ)従来の技術 活性炭繊維は、PAN、セルオース、フェノール樹脂、P
VA、ピッチ等の繊維から作られた炭素繊維を水蒸気、二
酸化炭素を含有する雰囲気中、あるいは酸化性の雰囲気
中で賦活することにより製造される。
セルロース系の活性炭繊維について特公昭38−12376
号等に開示されている方法は、250〜500゜F(121〜260
℃)の不活性気体中で8分以上熱処理して再生セルロー
ス繊維を炭化させた後、高温の水蒸気中で賦活するもの
である。この方法は賦活に高温、長時間を要するので、
特公昭53−30810号に開示されているようにリン化合物
をあらかじめ付着させておく方法が広く行なわれてい
る。
PAN系の活性炭繊維の場合には、PANの融着を防ぐた
め、まず不融化処理が必要である。不融化、炭化処理の
間の寸法変化や製品品質に対して、処理時の張力の影響
が大きいため、通常ある程度の緊張下で処理される。こ
の条件については特公昭58−36095号等に開示されてい
る。
ピッチ類からの活性炭繊維の場合にも、PAN系と同様
に、不融化処理が必要である。ピッチ繊維の不融化、炭
化処理時に緊張を与えることは困難であるため、通常の
場合には無緊張処理される。この場合には原料のピッチ
類の品質に問題があり、良好な製品品質を与える原料ピ
ッチの品質、製法が特公昭62−15644号、特開昭60−167
929号等に開示されている。
このような活性炭繊維は賦活処理により、極度に多孔
質になるため強度が低下し、特に伸度の低下や欠陥の増
大により、非常に脆くなる傾向がある。又圧縮により形
態が変化しやすくなり、摩耗にも弱くなる傾向がある。
また摩擦、振動、衝撃の繰り返しにより粉化する傾向が
あり、粉末が繊維集合体から離れて移動し、配管や瀘過
器の閉塞など種々のトラブルを起こす。また繊維重量の
減少を生じ、活性炭繊維の能力低下を起こす。
このためアラミド繊維や木綿繊維等の、強度の大きい
繊維を混合して布を作り、活性炭繊維の低下強度をカバ
ーすることが行なわれているが、補強用に用いた繊維の
吸着している成分が活性炭繊維に移行し、吸着能力を減
殺することが多く、また多くの補強用繊維が活性炭繊維
より耐熱性や化学的安定性が低いため、特に活性炭繊維
の再生条件に関して制約を与えることが多い。
この問題を解決するために、特開昭52−140604号には
活性炭繊維と有機繊維を混合した後、有機繊維を炭化処
理する技術が開示されている。しかし例示されている繊
維は炭化完了後の強度が比較的小さものであるため、混
合した炭素繊維の補強効果が乏しい問題がある。また繊
維の混合の際に活性炭繊維の損傷が激しい問題がある。
また特開昭60−231843号には活性化特性の異なる炭素
繊維2種の混合物からなる布を作り、賦活の容易な方の
炭素繊維のみを活性化する技術が開示されている。しか
しこの特許に例示されている繊維の組合せは、賦活し易
さの差の小さいものであるため、賦活し難い方の繊維を
賦活させない条件では、賦活し易い方の繊維の賦活が不
十分である。また逆に賦活し易い繊維を十分に賦活した
場合、賦活し難い繊維の方もかなり賦活され、繊維に多
くの欠陥部を生じ強度低下が大きい。
またこの方法は、炭素繊維と活性炭繊維の混合物を作
る際に、最も混合が容易な段階を選択出来る上、他種の
補強用繊維を混合するよりも繊維の損傷が少ない利点を
有するが、例示されている補強用に用いる炭素繊維が元
来強度の大きくないタイプであることから、補強効果は
十分でない。
炭素繊維を補強用繊維とする方法は、得られる混合繊
維の耐熱性及び化学的安定性が優れているため、活性炭
繊維の再生が容易である利点があるが、前記の方法によ
るものを含めて、従来の活性炭繊維およびその原料の炭
素繊維はほとんど捲縮を持っておらず、繊維束の側面か
ら圧縮した場合に繊維間の密着がしやすいため、繊維加
工機械の針等が通り難く、また繊維間を繊維が通り抜け
難いことから、これらの方法を用いても、やはり繊維の
混合時に均一に混合することが難しい問題がある。
補強用の有機繊維は概して優れた加工性を示すが、活
性炭繊維及び炭素繊維の加工性は良好とはいえず、混合
の際に十分に開繊出来ないことが多い。十分開繊しよう
とすると、繊維に大きな損傷を与えることが多い。
(ハ)発明が解決しようとする課題 活性炭繊維は極度に多孔質であるため強度が低く、特
に伸度の低下や欠陥の増大により非常に脆くなる傾向に
あるので、この欠点に対する一つの対策として、極めて
脆い繊維を集合体として強くするために、強度伸度の大
きい繊維を混合することが有効と言われている。しかし
従来の活性炭繊維は圧縮により形態が変化しやすく、摩
耗にも弱い傾向を持つため、他種の繊維と均一に混合す
ることが困難である。本発明はこの様な従来の混合によ
らずに活性炭繊維と補強繊維とが均一に分布している活
性炭繊維不織布を提供することを目的とする。
また活性炭繊維の持つ非常に脆い欠点を改善するため
に活性炭繊維に補強用繊維を混合する方法に於いては、
補強用繊維に吸着されている成分が活性炭繊維に移行
し、吸着能力を減殺する欠点、ならびに多くの補強用繊
維が活性炭繊維より耐熱性が低いため、特に活性炭繊維
の再生条件に関して制約を与える欠点があるが、本発明
はこの様な欠点を改善することも目的とする。
本発明の好ましい態様に於ては、活性炭繊維を含めた
従来の炭素繊維がほとんど捲縮を持たないため、針を有
する繊維加工機に通すことが極めて困難である欠点、な
らびに繊維間の絡み合いを付与し難い欠点を改善するた
め、活性炭繊維不織布を構成する繊維に捲縮を与える。
本発明は活性炭繊維の加工性が劣る欠点を改善するた
めに、ピッチ繊維の紡糸段階で補強用の繊維の前駆体繊
維と混合する段階を含む方法により製造される不織布、
およびその製造方法である。
(ニ)課題を解決する手段 本発明は、実質的に気体等が吸着する気孔を有しない
強化用耐熱繊維と、多孔質で気体等を吸着するように賦
活された繊維とが、同一紡糸口金から紡糸されたことに
よって布全体にわたって実質的に互いに均一に分布して
いることを特徴とするピッチ系の活性炭繊維不織布であ
る。
本発明の活性炭繊維不織布は、好ましくは溶融紡糸工
程が終了した段階で既にその形態が決まっているもので
ある。不織布を構成する繊維は連続した長繊維であって
も良く、また不定長の短繊維からなるものであっても良
い。不織布構造としては、全体が開繊された繊維から成
るものであることも可能であるが、補強用糸構造あるい
は織物構造を積層もしくは枠状もしくは格子状等の形態
で含むことも可能である。
光学異方性ピッチもしくは軽度の熱処理により容易に
光学異方性に転化するピッチの不融化により形成される
実質的に気体等が吸着するような気孔を有しない繊維
は、易黒鉛化の炭素繊維であることが好ましい。この炭
素繊維は好ましくは強度100Kg/mm2以上、伸度0.6%以
上、密度1.7g/cm3以上、比表面積50m2/g以下のものであ
る。
多孔質で気体等を吸着するように賦活された繊維は、
BET法による比表面積400〜2800m2/gの多孔質炭素繊維で
あって、好ましくは難黒鉛化の炭素繊維を賦活処理した
ものである。
本発明の一つは、光学異方性ピッチもしくは軽度の熱
処理により容易に光学異方性に転化するピッチを一成分
とし、等方性ピッチを他の成分として、同一の紡糸口金
上のそれぞれ別の紡糸孔からスパンボンド法による紡
糸、もしくはメルトブロー法による紡糸を行い、形成さ
れるピッチ繊維を二種類の繊維が互いに均一に分布する
ように直ちに多孔質ベルト上へ採取し、得られたシート
状物を不融化処理し、賦活処理することを特徴とする活
性炭繊維不織布の製造方法に関する。
本発明の活性炭繊維不織布の製造に当っては、ピッチ
繊維の不融化処理終了後、好ましくは炭化処理を実施す
る。炭化処理の温度があまり高温である場合、コストが
上昇するうえ、賦活処理が進み難くなり、あまり低温で
ある場合や省略した場合、コスト的には有利であるが、
繊維強度が低いため損傷を受けやすい。炭化処理の温度
は600〜1200℃であることが好ましい。
本発明の活性炭繊維不織布は、特別に絡合や接着の工
程を通さずに使用することが出来るが、必要に応じ、製
造工程の任意の段階もしくは製造工程の終了後に絡合あ
るいは接着の工程を通すことが出来る。
スパンボンド法あるいはメルトブロー法のような、高
速の気流を用いる溶融紡糸法を用いる場合、ピッチ繊維
には自然に捲縮を生じることがある。また異種のピッチ
の繊維を混合させた場合、不融化工程以降、賦活処理ま
で各の繊維に寸法差が生じて寸法の大きい方の繊維に捲
縮が発生することが多い。寸法差は本発明のようなピッ
チの組合せでは通常発生するが、異種ピッチの繊維の混
在状態が極めて均一でないと、捲縮が生じない部分が出
来る。本発明の方法による不織布では、この様な混合状
態を達成出来るが、従来の方法による混合では、均一な
捲縮が発生する条件が見出せない。
本発明の実質的に気体等が吸着する気孔を有しない繊
維は、光学異方性ピッチもしくは軽度の熱処理により容
易に光学異方性に転化するピッチから形成される。光学
異方性ピッチもしくは軽度の熱処理により容易に光学異
方性に転化するピッチは、炭化処理により黒鉛化度の高
い炭素繊維を与え、この炭素繊維は水蒸気等の反応性気
体による賦活処理によって極めて活性化されにくい特性
を有する。そのため賦活処理の条件にさらしても多孔質
化し難く、賦活処理により強度、伸度、弾性率の低下は
少ない。この炭素繊維は他の種類の炭素繊維と異なり、
無緊張状態で不融化炭化を行っても高弾性率、高強度の
繊維が得られる特徴を有する。
この光学異方性ピッチもしくは軽度の熱処理により容
易に光学異方性に転化するピッチは、繊維化した後、不
融化および炭化処理を行うことにより、易黒鉛化炭素繊
維を生成するものである。この様なピッチとしては通常
の流れ模様を持つ光学異方性ピッチのほか、重質油やピ
ッチ類から溶剤抽質により、容易に光学異方性に転化す
る成分を集めたもの、あるいは光学異方性ピッチを還元
して、容易に光学異方性に転化する等方性ピッチとした
もの等である。この光学異方性ピッチもしくは軽度の熱
処理により容易に光学異方性に転化するピッチは石油系
のものであってもよく、石炭系のものであってもよい。
一方本発明の多孔質で気体等を吸着するように賦活さ
れた繊維は、等方性ピッチから形成される。等方性ピッ
チは、炭化処理により黒鉛化度の低い炭素繊維を与え
る。この炭素繊維は、かなり高度の炭化処理を行って
も、水蒸気等の反応性気体による賦活処理により、容易
に多孔質化し、気体等の吸着するように賦活される。本
発明に用いる等方性ピッチは、好ましくは軟化点が120
℃以上の高軟化点ピッチである。
この等方性ピッチとしては、石油系、石炭系のいずれ
もが用い得るが、高軟化点の等方性ピッチは概して、一
般的に石炭系の方が作りやすい。その理由はおそらく次
のようである。
石油系の重質油は熱処理により軟化点を上げて行く
と、ある程度上昇した段階で、光学異方性化の開始と同
時に急速に軟化点が高くなる現象が認められ、軟化点が
高い等方性ピッチを製造する条件はかなり厳しく限定さ
れる。一方石炭系の重質油は光学異方性化の速度が遅
く、軟化点の高い等方性ピッチを製造する条件は比較的
幅広く選択できる。
通常の高分子物を2種類並列して溶融紡糸する場合に
は、一方の成分が固化した時に、液状を保っている他方
の成分はかなり高粘度に達しているので、紡出糸が空中
で接触して接着したり断糸したりすることはほとんど見
られない。ところがピッチの場合は固化する寸前でない
と粘度が低く、紡出糸の融着や断糸がかなり発生しやす
い。このため本発明の活性炭繊維不織布の製造に当って
は、両成分のピッチは軟化点が近いことが好ましい。光
学異方性のピッチあるいは軽度の熱処理により容易に光
学異方性に転化するピッチは、一般的に軟化点が高いの
で、本発明に用いる等方性ピッチの軟化点は、高い方が
好ましい。
(ホ)作 用 本発明は強度、耐久性、嵩高性および加工性に優れ、
吸脱着特性の優れた活性炭繊維不織布およびその製造方
法に関する。
本発明の活性炭繊維不織布は高弾性率、高強度の補強
繊維を均一に混合しているため、繊維集合体として引張
り、引裂き、衝撃、摩耗、折曲げ等に強く、圧縮や振動
等に対する形態安定性に優れている。
本発明の活性炭繊維不織布は、ピッチ繊維の紡糸法の
ゆえに捲縮を生じやすく、繊維間の絡みを容易に付与す
ることが出来る。また不織布として望ましい混織効果を
示す。
本発明の活性炭繊維不織布は、ピッチ繊維の紡糸の際
の、繊維間の移動が容易である時に繊維が混合されるた
め、2種の繊維を極めて均一に混在させることが出来
る。
(ヘ)実施例 次に本発明を、実施例により具体的かつ詳細に説明す
る。
実施例1 第一成分として軟化点284℃、光学異方性分率100%の
石油系ピッチ、第二成分として軟化点244℃の石炭系の
等方性ピッチを用い、管状ノズルの周辺から加熱空気を
噴出させる紡糸孔を有する口金により、両成分を別々の
紡糸孔から吐出させて紡糸を行った。管状ノズルの内径
は0.25mm、紡糸温度は337℃、両成分の紡糸孔1個当り
の吐出量は、いずれも0.15g/分、各成分を吐出する紡糸
孔数の比率は第一:第二=35:65であった。
紡出したピッチ繊維をネットコンベヤーの裏面から吸
引してシート状に採取した。得られたシートは目付165g
/m2であった。
得られたピッチ繊維のシートを、昇温速度0.3℃/分
で300℃まで昇温させつつ不融化処理した。得られた繊
維シートをさらに不活性気体中で昇温速度5℃/分で95
0℃まで昇温させつつ熱処理し、炭化を行った。シート
を構成する炭素繊維は平均直径17μmであった。
この炭素繊維シートを850℃の水蒸気中で1時間処理
し、賦活を行った。得られた活性炭繊維不織布の多孔質
成分の比表面積は1580m2/g、JISK1470によるメチレンブ
ルー脱色試験では、218mg/gであった。
実施例2 第一成分として軟化点285℃、光学異方性分率97%の
石油系ピッチ、第二成分として軟化点239℃の石油系の
等方性ピッチを用い、管状ノズルの周辺から加熱空気を
噴出させる紡糸孔を有する口金により、両成分を別々の
紡糸孔から吐出させて紡糸を行った。管状ノズルの内径
は0.18mm、紡糸温度は330℃、両成分の紡糸孔1個当り
の吐出量はいずれも0.25g/分、各成分を吐出する紡糸孔
の比率は第一:第二=30:70であった。
紡出したピッチ繊維をネットコンベヤーの裏面から吸
引してシート状に採取した。この際に繊維直径10μm
の、単繊維本数1000本の炭素繊維フィラメントを、シー
トの進行方向に平行に、20mmに1本入れてシート化し
た。得られたシートの目付は375g/m2であった。
得られたピッチ繊維のシートを、昇温速度0.2℃/分
で300℃まで昇温させつつ不融化処理し賦活した。得ら
れたシートを構成する活性炭素繊維は平均直径14mmであ
った。
この活性炭繊維シートにパンチ密度15回/cm2のニール
ドパンチを行った。得られた活性炭繊維不織布は優れた
吸着性能および耐久性を有していた。
実施例3 第一成分として軟化点302℃、光学異方性分率96%の
石炭系ピッチ、第二成分として軟化点242℃の石炭系の
等方性ピッチを用い、直線上に一列に直径0.12mmの紡糸
孔を1000個有する紡糸口金の両側に設けたスリットから
加熱空気を噴出させ、各成分を吐出する紡糸孔を交互に
設けて紡糸を行った。各の紡糸孔の内径は0.25mm、紡糸
温度は335℃、吐出量は紡糸孔1個当り0.12g/分であっ
た。
紡糸したピッチ繊維を直ちにネットコンベヤーの上に
採取し、得られた目付350g/m2のピッチ繊維ウェブを、
実施例1と同様にして不融化及び炭化を行った。得られ
た炭素繊維ウェブをパンチ密度25回/cm2のニールドパン
チを行った後、実施例1と用にして賦活を行った。
得られた活性炭繊維不織布は優れた吸着性能および耐
久性を有していた。
実施例4 第一成分として軟化点286℃、光学異方性分率99%の
石油系ピッチ、第二成分として軟化点236℃の石油系の
等方性ピッチを用い、直径0.12mmの紡糸孔を1000個有す
る紡糸口金に各成分を吐出する紡糸孔を交互に設けて紡
糸を行った。紡糸温度は300℃、吐出量は紡糸孔1個当
り0.12g/分であった。
紡糸したピッチ繊維を直ちにネットコンベヤーの上に
採取し、得られた目付350g/m2のピッチ繊維ウェブを、
実施例1と同様にして不融化および炭化を行った。得ら
れた炭素繊維ウェブをパンチ密度25回/cm2のニールドパ
ンチを行った後、実施例1と同様にして賦活を行った。
得られた活性炭繊維不織布は優れた吸着性および耐久
性を有していた。
(ト)発明の効果 本発明の活性炭繊維不織布は高弾性率、高強度の補強
繊維を均一に混合しているため、繊維集合体として引張
り、引裂き、衝撃、摩耗、折曲げ等に強く、圧縮や振動
等に対する耐久性および形態安定性に優れている。
本発明の活性炭繊維不織布は、布の形態のまま、ある
いは不織布を種々の形態に加工した形態で、一般の吸着
剤として使用することが出来る。吸着する物質としては
種々の気体、液中に溶解する種々の溶質等である。活性
炭繊維不織布の用途としては、種々の工業用吸着剤、ガ
スマスク、浄水器、冷蔵庫や靴等の脱臭剤、空調設備用
の脱臭フィルター等である。
本発明の活性炭繊維不織布はそのほかに、触媒担体、
炭素分子に対するイオンのインターカレーション電位を
利用する蓄電気、キャパシター、コンデンサー等に用い
られる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学異方性ピッチもしくは軽度の熱処理に
    より容易に光学異方性に転化するピッチを一成分とし、
    等方性ピッチを他の成分として、同一の紡糸口金上のそ
    れぞれ別の紡糸孔から紡糸され、更に、不融化処理、賦
    活処理された、実質的に気体等が吸着する気孔を有しな
    い強化用異方性ピッチ繊維と多孔質で気体等を吸着する
    ように賦活された等方性ピッチ繊維とが布全体にわたっ
    て実質的に互いに均一に分散していることを特徴とす
    る、ピッチ系の活性炭素繊維不織布。
  2. 【請求項2】光学異方性ピッチもしくは軽度の熱処理に
    より容易に光学異方性に転化するピッチを一成分とし、
    等方性ピッチを他の成分として、同一の紡糸口金上のそ
    れぞれ別の紡糸孔から紡糸を行ない、形成される二種類
    のピッチ繊維を両者が互いに均一に分布するように直ち
    に多孔質ベルト上へ採取し、得られたシート状物を不融
    化処理し、賦活処理することを特徴とする請求項1に記
    載のピッチ系の活性炭素繊維不織布の製造方法。
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