JP2591202B2 - 石油燃焼装置及びその装置の混合室 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、石油気化式燃焼装置において、混合促進と
混合均一及び通路抵抗の減少に関する。

従来の技術 従来のこの種の装置は、第４図に示すように、本体１
を気化器ベース２と仕切り板３とにより区切り気化空気
室４、一次空気室５、二次空気室６が形成されていた。
気化器ベース２内の左右に開口された一次空気通気孔７
と仕切り板３内に開口された二次空気通気孔８とにより
各室４〜６が連通されていた。気化空気入口９を覆うよ
うに気化器10が設けられていた。一次空気通路11は仕切
り板３と気化器10との間隙に形成されていた。一次空気
入口12は仕切り板３に開口され、四角柱状の混合室13は
二次空気室６に設けられ、混合室入口14は一次空気入口
12に臨まされていた。バーナヘッド15は混合室13上端に
設けられていた。燃焼ファン16が気化空気室４に連通さ
れていた。

上記構成において、燃焼ファン16から送られた空気は
気化空気入口９から気化器10を通り混合室13に入る気化
空気と、一次空気通気孔７から一次空気通路11を通り、
さらに、一次空気入口12から混合室13に入る一次空気
と、二次空気通気孔８から二次空気室６を通りバーナヘ
ッド14に入る二次空気との三系統に分けられる。気化器
10に発生した気化ガスは混合室13に入り気化空気と一次
空気と混合して予混合気になり、そして、均一に整流さ
れてバーナヘッド15に供給され燃焼し、さらに、二次空
気により燃焼が促進された。

発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような構成では、一次空気通路11
を通過した一次空気は一次空気入口12の周辺から混合室
13へ流入し、一方、気化器10に発生した気化ガスは一次
空気入口12の中央から混合室13へ流入した。そして、一
次空気入口12から混合室13への通路面積の急拡大により
発生する気化器10の底部に形成された逆流域の吸引作用
によって一次空気は気化器10の内面に沿って流れるため
に、気化ガスと一次空気とが離れて混合が不十分にな
り、予混合気が不均一になるという課題を有していた。
したがって、燃焼特性が非常に悪くなった。

本発明はかかる従来の課題を解消するもので、気化ガ
スと一次空気との混合促進を第一の目的としている。

第二の目的は通路抵抗が小さく、予混合気の均一化が
図れる混合室を得ることにある。

課題を解決するための手段 そして上記第一の目的を達成するために本発明は、本
体を下方から順次気化器ベースと仕切り板とにより区切
り形成した気化空気室と一次空気室及び二次空気室と、
前記気化器ベースに開口した一次空気通気孔、気化空気
入口と、前記一次空気室内に設けた気化器と、前記仕切
り板に開口した二次空気通気孔、一次空気入口と、この
一次空気入口に対向した下部が中筒状の混合部と上部が
四角柱状の整流室とから形成し前記二次空気室内に設け
た混合室と、この混合室上端に設けたバーナヘッドとを
備えたものである。

また、第二の目的を達成するために、本発明は混合室
を下部が中筒状で、且つ内部に絞り部と両端内面に曲面
部を形成した混合部と上部が四角柱状の整流室とから形
成したものである。

作用 本発明は上記した構成によって、一次空気通路を通過
した一次空気は混合部へ入り、一方、気化器に発生した
気化ガスも混合部へ入る。そして、この混合部内を気化
ガスと一次空気とが十分に混合しながら整流室へ流入
し、この十分に混合された予混合気がバーナヘッドで燃
焼するので、燃焼特性が向上する。

また、混合部の入口の曲面部に沿って混合部に流入す
る一次空気と気化ガスとは混合部内で、特に絞り部で混
合して予混合気となる。この時両曲面部と絞り部とでは
渦の発生が抑制されるので、混合部の通路抵抗が小さく
なる。さらに、この予混合気は混合部の出口側の曲面部
に沿って広がりながら整流室へ流入するので、十分均一
に整流できる。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。第１図、第２図において、17は本体で、下方から順
次気化器ベース18と仕切り板19とにより区切られ気化空
気室20と一次空気室21及び二次空気室22とが形成されて
いる。23は一次空気通気孔で、気化器ベース18の左右に
開口し、24は気化空気入口で、気化器ベース18の略中央
に開口されている。25は気化器で、気化空気入口24を覆
うように一次空気室21内に設けられている。26は一次空
気通路で、仕切り板19と気化器25との間隙に形成されて
いる。27は二次空気整流孔で、仕切り板19の前後に開口
し、28は一次空気入口で、気化器25の出口に対向して仕
切り板19に開口されている。29は混合室で、下部に中筒
状の混合部30と上部に四角柱状の整流室31から形成され
ている。32はバーナヘッドで、混合室29上端に設けられ
ている。23は燃焼ファンで、気化空気室20に連通されて
いる。

上記構成において、燃焼ファン33から送られた空気の
内、気化空気入口24から気化器25へ流入した気化空気は
気化器25に発生した気化ガスを混合部30の中央に搬送す
る。まだ、燃焼ファン33から送られた空気の内、一次空
気通路26を通過した一次空気は混合部内周面に沿って流
入する。そして混合30通路が狭く、長いために一次空気
と先の気化ガスとが十分に混合しながら整流室31へ噴出
する。さらに、この十分に混合された予混合気がバーナ
ヘッド32で二次空気と共に燃焼するので、燃焼特性が向
上する。

次に混合室の他の実施例について説明する。第３図の
実施例では、34は混合部で、内部になだらな絞り部35と
両端に曲面部36,37とが形成されている。38は混合室
で、上部が四角柱状の整流室39と下部が混合部34から形
成されている。一次空気は混合部34の入口側の曲面部36
に沿って混合部34に流入し、気化ガスと混合部34内で、
特に絞り部35で混合して予混合気となる。さらに、この
予混合気は混合部34の出口側の曲面部37に沿って広がり
ながら整流室39へ流入するので、十分均一に整流でき、
燃焼特性が非常に向上するという効果がある。この時、
両曲面部36,37と絞り部35とでは渦の発生が抑制される
ので、第１図、第２図の実施例に比べて混合部34の通路
抵抗が小さくすることができる。また、両曲面部36,37
と絞り部35とを一つの曲面で形成しても同一の効果が得
られる。

発明の効果 以上のように本発明の石油燃焼装置及びその装置用混
合室によれば次の効果が得られる。

（１） 混合室を下部が中筒状の混合部と上部が四角柱
状の整流室とから形成しているので、気化ガスと一次空
気との混合促進が図れるという効果がある。

（２） 混合部を内部に絞り部と両端内面に曲面部を形
成したので、通路抵抗が小さく、予混合気の均一化が図
れる混合室を得ることができる。

（３） 一次空気通気孔を気化器ベースの左右に開口し
ているので、本体を薄くできる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例における石油燃焼装置の断面
図、第２図は同一部切り欠き斜視図、第３図は同他の実
施例を示す混合室の半断面図、第４図は従来の石油燃焼
装置の断面図である。 17……本体、18……気化器ベース、19……仕切り板、20
……気化空気室、21……一次空気室、22……二次空気
室、23……一次空気通気孔、24……気化空気入口、25…
…気化器、26……一次空気通路、27……二次空気通気
孔、28……一次空気入口、29,38……混合室、30,34……
混合部、31,39……整流室、32……バーナヘッド、35…
…絞り部、36,37……曲面部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北島 壯一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−238316（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−99409（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−129521（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体を下方から順次気化器ベースと仕切り
   板とにより区切り形成した気化空気室と一次空気室及び
   二次空気室と、前記気化器ベースの左右と略中央とに開
   口した一次空気通気孔及び気化空気入口と、この気化空
   気入口を覆うように前記一次空気室内に設けた気化器
   と、前記仕切り板の前後と前記気化器の出口に対向して
   開口した二次空気通気孔及び一次空気入口と、この一次
   空気入口に対向した下部が中筒状の混合部と上部が四角
   柱状の整流室とから形成し前記二次空気室内に設けた混
   合室と、この混合室の上端に設けたバーナヘッドとを備
   えた石油燃焼装置。
2. 【請求項２】内部になだらかな絞り部と両端内面に曲面
   部とを形成した混合部と上部が四角柱状の整流室とから
   形成した請求項１記載の石油燃焼装置の混合室。