JP2590797Y2 - 運転室の空調装置 - Google Patents

運転室の空調装置

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JP2590797Y2
JP2590797Y2 JP1993002556U JP255693U JP2590797Y2 JP 2590797 Y2 JP2590797 Y2 JP 2590797Y2 JP 1993002556 U JP1993002556 U JP 1993002556U JP 255693 U JP255693 U JP 255693U JP 2590797 Y2 JP2590797 Y2 JP 2590797Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば油圧ショベル等
の運転室付き作業機に用いて好適な運転室の空調装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベルの如き作業機には
箱状の運転室本体が設けられ、該運転室本体内には床板
上にスライド可能な座席と、該座席の後方に位置して空
調ユニットが設けられている。そして、オペレータは座
席に着座したときに座席と運転室内の各種レバー装置等
との距離が適当となるように、座席を床板上で前後にス
ライドさせて調節し、作業時には空調ユニットから冷気
または暖気を通風させて運転室本体内の空調を行い、居
住性の改善を図るようにしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による運転室の空調装置では、冷気または暖気が
座席より後方から通風されるため、座席上のオペレータ
には前側からの通風が行き渡らず、空調が十分に行われ
ないという問題がある。
【0004】そこで、上記問題を解消すべく、実開平4
−58407号公報には、運転室本体内に空調ユニット
から伸長し、座席の斜め前方に向けた吹き出し口を有す
るダクトを設けた空調装置が掲載されている。しかし、
この場合には、座席を前後方向にスライドさせると吹き
出し口が座席の方向を向かなくなってしまい、座席位置
を調整する度毎に吹き出し口の方向を調整しなければな
らないという問題がある。
【0005】本考案は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本考案は座席をスライドさせるときに通
風ダクトの位置も調整でき、通風ダクトから座席上のオ
ペレータに向けて効果的に通風を行うことができるよう
にした運転室の空調装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の考案は、箱状の運転室本体と、該運転室
本体の床板上にスライド可能に設けられた座席と、該座
席の後方に位置して前記運転室本体内に設けられた空調
ユニットと、前記座席よりも前側に位置して該座席に向
け開口した送風口を有し、該送風口が前記座席との間の
離間距離を一定に保つように前記座席の前後方向のスラ
イドに追従して移動する通風ダクトと、該通風ダクトと
空調ユニットとの間を接続し、前記座席と一緒に該通風
ダクトが移動するときこの移動に追従するように伸縮可
能に形成された伸縮ダクトとからなる構成を採用してい
る。また、請求項2の考案は、箱状の運転室本体と、該
運転室本体の床板上に設けられた座席および制御レバー
装置と、該座席、制御レバー装置を前記運転室本体内の
前後方向に移動可能とするスライド装置と、前記座席の
後方に位置して前記運転室本体内に設けられた空調ユニ
ットと、前記制御レバー装置に送風口が設けられ、前記
送風口の位置が前記制御レバー装置のスライドに追従し
て移動する通風ダクトと、該通風ダクトと空調ユニット
との間を接続し、前記制御レバー装置と一緒に前記通風
ダクトが移動するときこの移動に追従するように伸縮可
能に形成された伸縮ダクトとからなる構成を採用してい
る。
【0007】
【作用】請求項1の構成により、オペレータが座席を
後方向にスライドさせると、通風ダクトと空調ユニット
との間で伸縮ダクトが伸縮するから、通風ダクトを座席
の前後方向のスライドに追従して該座席と一体的にスラ
イドさせるように移動でき、通風ダクトの送風口と座
上のオペレータとの位置関係、離間距離等を常に一定に
保ち、座席上のオペレータに前側から暖気または冷気を
効率良く供給できる。請求項2の構成により、オペレー
タがスライド装置によって座席を前後方向にスライドさ
せると、制御レバー装置に設けられた通風ダクトと空調
ユニットとの間で伸縮ダクトが伸縮するから、通風ダク
トを座席、制御レバー装置の前後方向のスライドに追従
して該座席、制御レバー装置と一体的にスライドさせる
ように移動でき、通風ダクトの送風口と座席上のオペレ
ータとの位置関係、離間距離等を常に一定に保ち、座席
上のオペレータに前側から暖気または冷気を効率良く供
給できる。また、操作レバー装置と座席上のオペレータ
との位置関係、離間距離等も常に一定に保つことができ
る。
【0008】
【実施例】以下、本考案の実施例を油圧ショベルの運転
室に設ける空調装置を例に挙げ、図1および図2に基づ
き詳述する。
【0009】まず、図1は本考案の第1の実施例を示し
ている。
【0010】図中、1は箱状に形成された運転室本体を
示し、該運転室本体1は下側の床板1Aが上部旋回体の
旋回フレーム上に防振ゴム(いずれも図示せず)等を介
して搭載されている。
【0011】2は運転室本体1の床板1A上に設けられ
た座席を示し、該座席2はシート部2Aと、該シート部
2Aを下側から支持する支持部2Bとから大略構成さ
れ、該支持部2Bは後述するスライド装置3を介して床
板1Aに配設されている。
【0012】3は前記座席2を床板1A上でスライド可
能に支持するスライド装置を示し、該スライド装置3は
床板1A上に固定される固定プレート3Aと、該固定プ
レート3A上を前後方向にレール(図示せず)等を介し
て移動し、その上面に前記座席2の支持部2Bが固着さ
れた移動プレート3Bとから大略構成されている。
【0013】4は前記座席2の後方に位置し、運転室本
体1の床板1A上に設けられた空調ユニットを示し、該
空調ユニット4には、運転室本体1内を上向きに伸長し
て前向きに開口した送風口5Aを有する送風ダクト5
と、後述の通風ダクト6とが設けられ、該空調ユニット
4は冷風や温風等を送風ダクト5および通風ダクト6等
を介して運転室本体1内に供給する。
【0014】6は前記座席2の下側に取付けられ、運転
室本体1の前側に伸長する通風ダクトを示し、該通風ダ
クト6は中空のパイプ等から形成され、その中間部分は
座席2の支持部2Bにダクトクランプ6Aによって取付
けられている。ここで、該通風ダクト6の基端側は後述
する伸縮ダクト7との接続部6Bとなり、先端側は座席
2の下側前方から屈曲し、座席2のシート部2A側に向
けて開口する送風口6Cとなっている。そして、該通風
ダクト6はスライド装置3により座席2と一体となって
前後移動し、送風口6Cと座席2との間の離間距離や角
度等の位置関係を一定に保つようになっている。
【0015】7は前記通風ダクト6の接続部6Bと空調
ユニット4との間を接続する伸縮ダクトを示し、該伸縮
ダクト7は中間部分が蛇腹状の伸縮部7Aとなり、先端
側が通風ダクト6との接続部7B、基端側が空調ユニッ
ト4との接続部7Cとなっている。そして、該伸縮ダク
ト7は座席2が前後方向にスライドするときに伸縮部7
Aが軸方向に伸縮変形し、通風ダクト6が座席2に追従
して移動できるように空調ユニット4と通風ダクト6と
の間を接続している。
【0016】8は座席2の前側に配設された走行用レバ
ー装置、9は座席2の右側に配設された制御レバー装置
を示し、該各レバー装置8,9は床板1A上に固定され
たレバーボックス8A,9Aと、該各レバーボックス8
A,9Aから突出するレバー8B,9Bとによって構成
され、該各レバー8B,9Bを傾倒操作することによっ
て下部走行体や作業装置、エンジン等(いずれも図示せ
ず)を作動制御するようになっている。
【0017】本実施例は以上に述べた構成を有するもの
で、オペレータは座席2に着座し、各レバー装置8,9
を操作して車両を走行させたり、土砂等の掘削作業を行
ったりする。そして、必要に応じて空調ユニット4を作
動させ、運転室本体1内の空調を行うようにしている。
【0018】而して、本実施例では、運転室本体1の床
板1A上にスライド装置3を介してスライド可能に座席
2を設け、該座席2の支持部2Bには、先端側が屈曲管
状の送風口6Cとなり、座席2の下側前方から座席2上
のオペレータに向けて空調ユニット4からの冷気または
暖気を供給する通風ダクト6を取付け、該通風ダクト6
の接続部6Bには伸縮自在な蛇腹状の伸縮部7Aを有す
る伸縮ダクト7を介して空調ユニット4を接続し、通風
ダクト6の送風口6Cと座席2との間の離間距離や角度
等の位置関係を一定に保つように構成したから、座席2
をスライドさせる時には通風ダクト6と空調ユニット4
との間で伸縮ダクト7が伸縮し、通風ダクト6が座席2
に追従して移動するのを保証でき、空調ユニット4から
の冷気または暖気を通風ダクト6の送風口6Cから座席
2上のオペレータに向けて効果的に供給することができ
る。
【0019】従って、本実施例によれば、通風ダクト6
の送風口6Cが座席2上のオペレータに向かうように予
め調整しておけば、その後に体格等が異なるオペレータ
が座席2をスライド装置3を介して移動しても、常に座
席2上のオペレータに通風ダクト6を介して下側前方か
ら冷気または暖気を供給でき、空調効率を向上させ、運
転室本体1内の居住性を高めることができる。
【0020】次に、図2は本考案の第2の実施例を示
し、本実施例の特徴は、床板上の座席と制御レバー装置
のレバーボックスとが一体となってスライドする構成と
し、該レバーボックスに通風ダクトを設けるようにした
ことにある。なお、本実施例では前記第1の実施例と同
一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0021】図中、11は床板1A上に設けられたスラ
イド装置を示し、該スライド装置11は前記第1の実施
例で述べたスライド装置3とほぼ同様に、床板1Aに固
定された固定プレート11Aと、該固定プレート11A
上を前後方向に移動する移動プレート11Bとから大略
構成されているものの、該スライド装置11は移動プレ
ート11B上に座席2および後述する制御レバー装置1
3等を搭載するように大型に形成されている。そして、
該スライド装置11は移動プレート11B上に座席2,
制御レバー装置13等を取付けた状態で、移動プレート
11Bを前後方向に移動させる構成となっている。
【0022】12は座席2の前方の床板1Aに設けられ
た走行用レバー装置、13は座席2の右横側に設けられ
た制御レバー装置を示し、該各レバー装置12,13は
前記第1の実施例で述べた各レバー装置8,9とほぼ同
様に、レバーボックス12Aとレバー12B、レバーボ
ックス13Aとレバー13Bからそれぞれ構成されてい
るものの、該制御レバー装置13は、レバーボックス1
3Aが前記スライド装置11の移動プレート11B上に
搭載され、座席2と一体となって前後方向に移動する。
また、該レバーボックス13A内には、後述の通風ダク
ト14および伸縮ダクト15が挿通されるようになって
いる。
【0023】14は通風ダクトを示し、該通風ダクト1
4は前記第1の実施例で述べた通風ダクト6とほぼ同様
に、基端側が前記レバーボックス13A内で伸縮ダクト
15を介して空調ユニット4に接続され、該通風ダクト
14の先端側はレバーボックス13Aの側面から突出
し、送風口14Aが座席上のオペレータに向かって開口
するように取付けられている。
【0024】15は前記通風ダクト14の基端側と空調
ユニット4とを接続するように設けられた伸縮ダクトを
示し、該伸縮ダクト15の先端側は前記レバーボックス
13A内で前記通風ダクト14に接続され、該伸縮ダク
ト15の基端側は空調ユニット4に接続されている。そ
して、該伸縮ダクト15の中間部にレバーボックス13
Aと空調ユニット4との間に蛇腹状の伸縮部15Aが形
成され、レバーボックス13Aが前後方向にスライドす
るときに該伸縮部15Aが軸方向に伸縮変形し、通風ダ
クト14の先端側を座席2およびレバーボックス13A
に追従させるようになっている。
【0025】以上の如く構成される本実施例によって
も、前記第1の実施例とほぼ同様に、通風ダクト14の
送風口14Aと座席2との間に位置関係、離間距離等を
一定に保つことができ、特に本実施例によれば、制御レ
バー装置13のレバーボックス13Aと座席2とが一体
となってスライドするように、これらをスライド装置1
1上に搭載し、通風ダクト14および伸縮ダクト15の
一部をレバーボックス13A内に収容して設けたから、
スライド装置11によって座席2と走行用レバー装置1
2との位置調整を行ったときに制御レバー装置13と座
席2との位置関係が変化するのを防止できると共に、通
風ダクト14の送風口14Aを常に座席2上のオペレー
タの方向に向かわせることができる。また、通風ダクト
14,伸縮ダクト15を座席2の支持部2Bの周囲を迂
回させて設置でき、これらがオペレータにとっての障害
物となり、操作性や安全性が低下するのを防止できる。
【0026】なお、前記各実施例では、伸縮ダクト7
(15)の伸縮部7A(15A)を蛇腹状に形成するも
のとして述べたが、本考案はこれに限るものではなく、
例えば僅かずつ径の異なる複数の筒体を内,外周側で摺
動可能に嵌合させてなるいわゆるテレスコピック型の伸
縮部によって構成してもよい。
【0027】また、前記各実施例では、運転室の空調装
置を油圧ショベルに用いた場合を例に挙げて説明した
が、本考案はこれに限るものではなく、例えば油圧クレ
ーンやホイールローダ等に用いてもよい。
【0028】
【考案の効果】以上詳述した通り、請求項1の考案によ
れば、運転室本体の床板上にスライド可能に設けた座席
と送風口との間の離間距離を一定に保つように、運転室
本体の床板上で座席の前後方向のスライドに追従して該
座席と一体的に移動する通風ダクトを設け、該通風ダク
トと空調ユニットとの間を伸縮可能な伸縮ダクトで接続
したから、座席を前後方向にスライドさせたときには、
通風ダクトと空調ユニットとの間で伸縮ダクト伸縮
、通風ダクトを座席のスライドに追従させて移動で
き、通風ダクトが常に座席上のオペレータの方向を向く
ように位置関係を一定に保つことができる。そして、座
席を移動する度毎に通風ダクトの向きを調整する必要が
なくなり、常に座席上のオペレータに下側前方から空調
された空気を供給でき、空調の効率を向上させ、居住環
境を快適にしてオペレータを作業に集中させることがで
きる。また、請求項2の考案によれば、運転室本体の床
板上にスライド可能に設けた座席と制御レバー装置に設
けられた送風口との間の離間距離を一定に保つように、
運転室本体の床板上で座席、制御レバー装置の前後方向
のスライドに追従して該座席、制御レバー装置と一体的
に移動する通風ダクトを設け、該通風ダクトと空調ユニ
ットとの間を伸縮可能な伸縮ダクトで接続したから、座
席、制御レバー装置を前後方向にスライドさせたときに
は、通風ダクトと空調ユニットとの間で伸縮ダクトを伸
縮させ、通風ダクトを座席、制御レバー装置のスライド
に追従させて移動でき、通風ダクトが常に座席上のオペ
レータの方向を向くように位置関係を一定に保つことが
できる。そして、座席を移動する度毎に通風ダクトの向
きを調整する必要がなくなり、常に座席上のオペレータ
に下側前方から空調された空気を供給でき、空調の効率
を向上させ、居住環境を快適にしてオペレータを作業に
集中させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例による運転室の空調装置
を示す全体図である。
【図2】本考案の第2の実施例による運転室の空調装置
を示す全体図である。
【符号の説明】
1 運転室本体 1A 床板 2 座席 4 空調ユニット 6,14 通風ダクト 6C,14A 送風口 7,15 伸縮ダクト 7A,15A 伸縮部

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箱状の運転室本体と、該運転室本体の床
    板上にスライド可能に設けられた座席と、該座席の後方
    に位置して前記運転室本体内に設けられた空調ユニット
    と、前記座席よりも前側に位置して該座席に向け開口し
    た送風口を有し、該送風口が前記座席との間の離間距離
    を一定に保つように前記座席の前後方向のスライドに追
    従して移動する通風ダクトと、該通風ダクトと空調ユニ
    ットとの間を接続し、前記座席と一緒に該通風ダクトが
    移動するときこの移動に追従するように伸縮可能に形成
    された伸縮ダクトとから構成してなる運転室の空調装
    置。
  2. 【請求項2】 箱状の運転室本体と、該運転室本体の床
    板上に設けられた座席および制御レバー装置と、該座
    席、制御レバー装置を前記運転室本体内の前後方向に移
    動可能とするスライド装置と、前記座席の後方に位置し
    て前記運転室本体内に設けられた空調ユニットと、前記
    制御レバー装置に送風口が設けられ、前記送風口の位置
    が前記制御レバー装置のスライドに追従して移動する通
    風ダクトと、該通風ダクトと空調ユニットとの間を接続
    し、前記制御レバー装置と一緒に前記通風ダクトが移動
    するときこの移動に追従するように伸縮可能に形成され
    た伸縮ダクトとから構成してなる運転室の空調装置。
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