JP2589975B2 - ガラスを焼き戻す方法およびその装置 - Google Patents

ガラスを焼き戻す方法およびその装置

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JP2589975B2
JP2589975B2 JP60218999A JP21899985A JP2589975B2 JP 2589975 B2 JP2589975 B2 JP 2589975B2 JP 60218999 A JP60218999 A JP 60218999A JP 21899985 A JP21899985 A JP 21899985A JP 2589975 B2 JP2589975 B2 JP 2589975B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C03B35/00Transporting of glass products during their manufacture, e.g. hot glass lenses, prisms
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ガラスを焼き戻すための方法およびその装
置に関する。
従来の技術 西独特許公開第704,219号明細書に開示されている方
法は、急冷/冷却部中のガラス板が冷却している間に加
熱炉コンベアが揺動して加熱炉に装填されたガラスを加
熱する第1サイクルと、前記両コンベアが長い単一搬送
工程を行なって装填ガラス板を加熱炉から急冷/冷却部
に移送する第2サイクルとから成る。互いに連結された
加熱炉コンベアと急冷/冷却部コンベアとは同じスピー
ドで駆動されるため、加熱炉と急冷/冷却部との間に有
効な行程距離差が達成されない。
短い揺動コンベアを有する急冷/冷却部と連結された
長尺の連続作動加熱炉は、米国特許第2,140,282号明細
書によって公知である。しかしながら、焼き戻しされる
ガラス板の寸法がしばしば変わる比較的小さい生産シリ
ーズの場合、前記寸法の変化に対して容易かつ迅速に対
応するため加熱炉を揺動させることが好ましい。
本発明の出願人による英国特許第1,527,782号明細書
には、加熱炉と急冷/冷却部とのコンベアが互いに連結
された往復するが前記急冷/冷却部は前記加熱炉より長
い装置が開示されている。前記両コンベアのスピード差
は、減速ギアによってもたらされる。
さらに、米国特許第3,994,711号明細書に開示されて
いる加熱炉と急冷/冷却部とのコンベアには、加熱炉と
急冷/冷却部との長さの差、および該炉と急冷/冷却部
とに装填されたガラス板の長さの差によって生じる問題
点を解決するため、前記コンベアを別々に駆動する各々
の駆動機構が取り付けられている。別個のコンベア駆動
機構により、目的に応じて各々のコンベアの行程を選択
することが可能である。また、1930年の西独特許公開第
511,244号明細書には、予備冷却部および冷却部の揺動
のコンベアを異なったスピードで別々に駆動することが
提案されている。
このように、コンベアに異なった揺動長さを与えるた
めにコンベアに互いに独立した駆動手段を取り付けるの
は自明である。
しかしながら、別個のコンベア駆動機構を使用するこ
となく、このような問題点を解決することも可能であっ
た。本発明の出願人による西独特許公開第3,035,591号
明細書およびそれに対応する英国特許第2,059,941号明
細書に開示されているコンベアは、機械的に連結されて
おり、単一の駆動モーターによって別個に駆動されるも
のである。この場合、装填される各ガラス板の長さにつ
いての正確な情報が得られ、搬送されるガラス板の位置
を連続して観察しながら、マイクロプロセッサーを使用
してガラス板の動きを予算する。このようにして予算さ
れるのは、コンベアを単一駆動機構に連結するための歯
車比率などである。米国特許第3,994,711号明細書に開
示されている複式駆動機構に比べて、単一駆動機構は、
構造が簡単である。また、各々の制御システムによって
別々に駆動されながら互いに同調する直流モーターは、
モーターの単一方向回転を所望の速度および行程の交互
方向回転に逆転するための水圧変換器を有する単一の交
流モーターより約5倍高いので、駆動機構コストが低く
なる。
本発明もまた、同調上の問題点がないので構造が簡単
でコストの低い水圧変換器の使用で可能にする単一駆動
モーターを利用している。回転スピード上の微差があっ
ても、より速い回転スピードで走行している水圧変換器
上の全装填量を移動させる。一方、焼き戻し方法は正確
にスピードを制御(5%のスピード調節で十分)する必
要がないので、2つの水圧変換器を連結するための特別
な構造は、二重装備および特に正確な制御を必要とする
ため、極めてコストの高いものとなる。さらに、このよ
うな装置は、構造が複雑であるとともに、故障しやすい
ため焼き戻しがうまく行なわれないという問題点を有す
る。というのは、なんらかの故障によって、装填された
ガラスが加熱炉の中に残留した場合、加熱炉内に設けた
高価なセラミックス性ローラに損傷が生じるからであ
る。
故に本発明の目的は、急冷/冷却部コンベアのローラ
が摩耗、破損せず、構造が簡単且つ制御が簡単で、ガラ
スの厚みに関係なく加熱炉の温度平衡が保たれるガラス
焼き戻し装置を提供することである。
さらに本発明の目的は、運搬、取り付け、使用時にお
いて破損することの少ないガラスを製造するためのガラ
ス焼き戻し装置を提供することである。
また、本発明の目的は、このような焼き戻し装置を駆
動する方法を提供することである。
上記問題点を解決するため、本発明によると、軟いガ
ラス板がローラの間でたるんだりガラス板面にローラの
跡が残ったりするのを阻止するのに十分な速度でガラス
板が急冷/冷却部において揺動する焼き入れサイクルに
おいて、加熱炉コンベアはガラス板を装填していない状
態で装填する。装填されたガラスの中心における温度が
ガラス材料のひずみ点より低い場合、焼き入れが完了し
てはじめて、急冷/冷却部コンベアが加熱炉コンベアと
接断して停止し、加熱炉にガラスが新しく装填される。
このようにして装填されたガラス板が加熱炉で揺動して
いる間に、急冷/冷却部で静止しているガラス板が適当
な取扱い温度に冷却するとすぐに、急冷/冷却部コンベ
アが排出部コンベアと機械的に連結し、装填されたガラ
ス板が急冷/冷却部から排出部に搬送される。加熱炉に
装填されたガラス板の揺動は急冷/冷却部を空っぽの状
態にして所定時間続けられる。
さらに、本発明の別の実施例によると、特に縁部近傍
に孔、凹部、その他のでこぼこを有するもろいガラス板
を焼き戻しする際、冷却されるガラス板は完全に停止す
るのではなく、急冷/冷却部コンベアは、高い歯車比率
を有する減速ギアを介して加熱炉コンベアと連結する。
この高い歯車比率は、加熱炉コンベアの最大揺動時にお
いて、急冷/冷却部のガラス板の移動速度が毎秒2.5cm
となる程度のものである。このガラス板の移動速度は大
変ゆっくりしたものであるので、焼き入れに適用するこ
とはできない。このようなゆっくりとした移動の目的
は、すでに焼き入れされたガラス板の表面に適度に不規
則な冷却風を生じさせて、ノズルを通して停止したガラ
ス板の表面に送風する時と略同じ方法でガラス板にひず
みを生じさせることである。
実施例 今日最も普及しているフロートガラスのひずみ点は約
500℃あまりである。現在製造されているすべての板ガ
ラスは500℃以上のひずみ点を有するため、焼き戻し工
程においてガラスの中心の温度が500℃以下である場
合、焼き入れ工程は確実に行なわれるというのが一般的
事実となっている。これ以下の温度において、問題とな
るのは単にガラスを適当な取り扱い温度に冷却すること
のみである。
通常の焼き戻し具合にガラスを焼き戻しするための冷
却時間は次のとおりである(ガラスの中心温度は500℃
以下)。
ガラスの厚み 約3mm 3.5秒 約4mm 6秒 約5mm 9秒 約6mm 14秒 約12mm 60秒 ガラスを焼き戻す際、ガラスの様々な点における均一
な焼き入れが大変重要となる。というのは、不均一な焼
き入れは、容易に、余分な損失、完成製品の強度減少、
ならびに光学的なゆがみ(例えば、偏光ガラスから反射
した場合の青色の汚れ)となる。一方、冷却サイクルに
おいて、運搬、取り付けならびに使用中において割れる
ガラスの損失額は生産時に欠陥の生じるガラスと比較し
て極めて大きいため、生産時に欠陥ガラスが破損する程
度に十分な冷却不均一性が重要となる。
後述するように、本発明によってもたらされる重要な
効果の1つは、急冷/冷却部コンベアローラのコーティ
ングに対する摩耗および破損の減少である。急冷/冷却
部コンベアローラのコーティングは、らせん形に巻かれ
た熱抵抗系と、ローラ上に設けられたファイバーグラス
製ストッキングあるいはローラ上に嵌装した複数のリン
グとから成る(米国特許第4,421,482号明細書参照)。
冷却部コンベアローラに関する一般的な問題点は、ガ
ラスの鋭意縁部によってコーティングが容易に摩耗し損
傷を受けるということである。特に、焼き戻しされるガ
ラスが急冷/冷却部で割れた場合、そのコーティングは
容易に損傷する。このような急冷/冷却部におけるガラ
ス割れはよく起る。製造されるガラス、焼き戻し装置の
温度機械的特性および作業者によって設定される制御値
に応じて、ガラスの破損は0.2〜10%の範囲内である。
ガラス割れは次のようにして起こる: 焼き入れサイクル自体においては、ガラス内の変化に
気付くことはできない。ガラスの内部が“ひずみ点”を
通過した焼き入れサイクルの直後、先ず、ガラスは大き
な破片は割れ、その後、冷却が進行するに従って、これ
らの大きな破片は小さな破片になるまで破壊し続ける。
破裂の初期における大きな破片は急冷/冷却部コンベア
ローラにとって最も好ましくはい。というのは、これら
のガラス破片は、ローラ間に落下し冷却ノズルの頂部あ
るいはそれらの間に起立した状態で残留するような大き
さであって、ガラスの鋭角縁部が急冷/冷却部コンベア
ローラのコーディングに切れ目を与える。焼き入れ直後
に、大きなガラス片段階が終わり、前記小片になるまで
破壊するまでローラの回転を停止することにより、ガラ
ス片はローラを損傷せず、前記冷却部の底部にダクトを
延ばしている送風ノズル間に落下する。
さらに、ガラス小片の落下は、急冷/冷却部コンベア
と排出部コンベアとが連結されて排出部コンベアに向け
て再移動する直前に送風ノズルを引き離すことによって
更に促進される。このようにして、ノズルとローラとの
間により大きな空間が提供され、ガラスの小片はより自
由に落下する。
前記のような高い歯車比およびその結果生じる遅い移
動は極めてもろいガラスを製造する場合にのみ応用され
る。これらのもろいガラスとしては、縁部近傍に孔や、
小径凹部を有するガラスがある。その目的は、冷却中に
送風孔とガラス縁部との間の首部(大変デリケートな部
分)が、外圧に強いガラスをも破損させるような送風の
中心点に連続的に露出させないことである。しかしなが
ら、この移動は大変遅いスピードで行なわれるため、焼
き入れに使用した場合、焼き戻しが不均一となり好まし
くないガラスとなる。
急冷/冷却部コンベアが冷却サイクル中に高比率歯車
を介して走行可能である場合、ローラの摩耗に関して達
成される効果は急冷/冷却部コンベアを完全に停止する
ことによって達成されるもの程好ましいものではない
が、該コンベアローラの走行速度は加熱炉コンベアロー
ラに比べて10分の1以下であるためのその効果が達成さ
れる。
本発明によるその他の重要な効果は、単一の駆動モー
ターを使用することが可能であるが、加熱炉への装填は
該加熱炉から急冷/冷却部への排出と異なった時に行な
われ得るということである。このようして、加熱炉での
加熱時間が終了するまでに装填が完了していなくとも空
作業サイクルを行なう必要がない。
高比率歯車が問題となる場合、加熱炉へ装填は、急冷
/冷却部中のガラスが加熱炉に向かってA=KvLの距離
だけ移動した時のみに行なうことができる。(この時、
Kvは10分の1以下(例えば1:15)の歯車伝動比率、Lは
導入部コンベアから加熱炉の急冷/冷却部側端部までの
距離である。) 加熱炉への装填開始に関してはその他の制限はなく、
出願人による英国特許第2,059,941号に開示されている
ような伝動比率の選択に関する計算は全く必要ない。
第3番目の効果は、どのような厚さのガラスであって
も加熱炉への装填の均一性が高まることである。という
のは、焼き入れ中に加熱炉コンベアが空っぽのまま揺動
するからである。焼き戻し加熱炉は通常大きなものであ
って、セラミック製ローラ中に大きな熱エネルギーを包
含する。故に、加熱炉における温度を変化させるのはや
っかいであって、加熱炉の空間の温度が迅速に変化でき
る場合であっても、ローラの温度は極めてゆっくりと変
化する。
焼き戻し装置を揺動させるということは、通常、焼き
戻しされるガラスの厚みが毎日5〜6回変わる短い生産
シリーズに適用されるため、ガラスの厚みに関係なく加
熱炉の温度を一定にたもつということは極めて重要であ
る。
一方、加熱炉の温度平衡は過剰装填に対して大変敏感
であり、特に、加熱炉コンベアローラが加熱炉下方部の
加熱要素とガラスとの間で回転式熱交換器として機能す
るため、該ローラの温度は急激に降下する。所定時間に
多くの熱を伝えればならない時はそれだけ、前記加熱炉
下方部の熱に対するローラの温度が下がる。
加熱炉への装填量に左右されるローラの熱降下は、ロ
ーラを備えたすべての水平焼き戻し装置に共通した問題
点である。例えば、米国特許第3994711は、揺動焼き戻
し装置を最長ガラス(装填されたガラス)の2倍の長さ
にし、ローラの上、下方向熱を均等化するためにガラス
を装填していない規則的中間インターバルをローラに与
えることを提案している。このような方法の問題点は、
加熱炉の長さによる高いコスト、ならびに、加熱炉中央
部のローラは、ガラスが短時間しか滞留しない加熱炉端
部のローラと比較して極めて冷たいということである。
しかしながら、加熱炉におけるガラスの加熱時間が1mm
あたり40秒以上であって、導入、排出サイクルをのぞい
て任意のローラに常時にガラスを載せるような短い加熱
炉である場合、ローラの温度は十分に制御できるという
ことがわかった。このようにして、例えば6mmの厚さの
ガラスの加熱時間は少なくとも240秒である。
しかしながら、加熱炉の放射エネルギーを多く吸収す
るより厚いガラスの場合加熱炉におけるガラスの加熱時
間は、ガラスの厚みに正比例するものではない。焼き戻
し温度に至る加熱時間は、加熱炉の温度を一定にした第
3図の時間で代表的に示されている。
実際、加熱炉を3mmの厚さのガラスにとって最適の温
度にした場合、前記加熱炉は12mmの厚さのガラスにおい
ては20%の装填過剰となり、ガラスの光学品質が低下
し、焼き戻し中のガラスの破損が急激に増える。
本発明の方法によるガラスの加熱時間は第4図で示さ
れている。加熱炉の温度は3mmの厚さのガラスをも最適
な時間内で製造できるように上昇させられた。より厚い
ガラスの場合、加熱炉に無装填インターバルを設け、該
無装填インバーバルは、ガラスの厚みの増加に伴なっ
て、平均的最適装填量が達成されるように長くなる(ガ
ラスの厚み増加による冷却時間の増加を比較)。
加熱炉の無装填インダーバルは、加熱炉のローラが加
熱炉の頂上室からも補償熱を受けてローラの温度平衡を
改善する点で有効である。特に、かなり厚いガラスの場
合、温度平衡は、通常、厚いガラスの面積が大きくて破
損しなすいことならびに光学的品質上の問題点が増加す
るということを阻止する点で重要である。
第1図は、4mmの厚さのガラス板の焼き入れ冷却曲線
であって、ガラスの中心が“ひずみ点”に達した時、焼
き入れが終わり、取り扱い温度まで冷却されることを示
す。下方曲線は中心と表面との温度差を示す。
第3図は、ガラスの厚みと加熱必要時間との関係を示
し、実線は、様々な厚みのガラス板における最適加熱炉
装填量(過少あるいは過剰でない)との所望関係を示
し、破線は、5mmの厚さのガラスにとって最適温度とな
るように加熱炉をセットした場合の関係を示す。より薄
いガラス板の場合加熱炉は過少装填となり、より厚いガ
ラス板の場合加熱炉は過剰装填となる。
第4図は、第3図に対応し、本発明の装置の関係を示
す。線で囲んだ部分は、加熱炉が空っぽ(ガラスを装填
していない)状態で揺動する時間を示す。この時間は焼
き入れの時間と等しく、ガラスの厚みとともに増加す
る。3mmの厚さのガラスでも最適時間内に熱せられるよ
うに加熱炉の温度を上昇させることが可能である。この
ようにして、ガラスの厚みの増加とともに増加する過剰
装填は、加熱炉が空っぽのまま揺動する間に十分な補償
時間を得る。
第6図で示すように、焼き戻し装置は、導入部(1)
と加熱炉(2)と、急冷/冷却部(3)と排出部(4)
とから成っている。加熱炉(2)は、熱抵抗体(32)を
設けた断熱室(31)を有する。急冷/冷却部(3)には
送風部(30)が取り付けられている。前記導入部
(1)、加熱炉(2)、急冷/冷却部(3)および排出
部(4)の各々には、ガラス移送方向に対して横方向に
延びる水平ローラで構成されたコンベアが設けられてい
る。該コンベアの構造および作用については、第5図を
参照して後述する。
第5図において、ローラテーブル(11)は導入部コン
ベアを形成しており、同様に、ローラテーブル(12)は
加熱炉コンベアを、ローラテーブル(13)は急冷/冷却
部コンベアをローラテーブル(14)は排出部コンベアを
形成している。導入部コンベア(11)のローラは、該ロ
ーラの一端の網車と係合する無端チェーンによって連結
されて一緒に回転する。同様にして、急冷/冷却部コン
ベア(13)および排出部コンベア(14)のローラもま
た、無端チェーンによって連結されて一緒に回転する。
加熱炉コンベア(12)のローラは加熱炉ハウジングに支
持されており。加熱炉(2)から突出するローラの端部
には摩擦車が取り付けられている。無端ベルト(15)の
上方走行部は、ばね押圧ロールによって前記摩擦車に押
圧されている。
一方向性交流モーター(5)は水圧変換器を駆動し、
該水圧変換器は減速ギア(7)を介して伝動軸(8)を
駆動する。該伝動軸(8)の一端には無端ベルト(15)
のための反転車(10)が取り付けられている。モーター
(5)は前記水圧変換器(6)を介して両方向に回転で
きるようになっている。このようにして、伝動軸(8)
は、両方向あるいは一方向に回転する。
前記急冷/冷却部コンベア(13)に取り付けられてい
るのは、伝動手段(9,22,24)を介して伝動軸(8)と
機械的に伝動連結された伝動軸(23)ある。伝動軸(8,
23)同士の連結は磁気クラッチ(25)を介して接断する
ことが可能である。この機械的伝動連結の歯車比は1:1
であって、加熱炉コンベア(12)と急冷/冷却部コンベ
ア(13)は、同スピードで回転し、両方向に駆動された
場合同じ行程距離を有する。
本発明の方法によって通常のガラス板を焼き戻す時、
伝動軸(8,23)間にはその他の伝動連結手段を必要とし
ない。しかしながら、縁部に孔、凹部あるいはその他の
でこぼこを有する割れやすい/ガラス板を焼き戻す場
合、焼き入れ後の冷却サイクル時にガラス板をわずかに
移動させて所望のひずみにするのが好ましい。故に、本
発明の好ましい実施例において、伝動軸(8,23)は10:1
あるいいは15:1の高い歯車比を特徴とする別の伝動連結
手段によっても連結される。この別の伝動連結手段は、
ベルトあるいはチェーン(27)によって連結された滑車
(26,28)によるものであって、磁気クラッチ(29)に
よってその連結が接断される。
ガラス板を導入部(1)から加熱炉(2)に搬送、あ
るいは急冷/冷却部(3)から排出部(4)に搬送する
ため、導入部コンベア(11)と加熱炉コンベア(12)と
は磁気クラッチ(16)によって連結、接断される伝動チ
ェーンによって連結されており、急冷/冷却部コンベア
(13)と排出部コンベア(14)とは磁気クラッチ(17)
によって連結、接断される伝動チェーンによって連結さ
れている。
さらに、導入時においてガラス板を導入部コンベア
(11)で搬送するため、モーター(20)は磁気クラッチ
(21)を介して導入部コンベア(11)に連結可能であ
る。磁気クラチ(21)が閉じると、磁気クラッチ(16)
が開く。従って、ガラス板を排出部コンベア(14)で搬
送するため、モーター(18)は磁気クラッチ(19)を介
して排出部コンベア(14)に連結されている。磁気クラ
ッチ(19)を閉じると、磁気クラッチ(17)が開くか閉
じる。
次に、第6図から第11図までを参照して本発明装置の
作用を説明する。
理解を容易にするため、これらの図面において実線で
示すモーターは所定時に作動しているものであり、破線
で示すモーター(18)は必要時に作動可能なものであ
る。
第6図は、第1番目のガラス板が加熱炉(2)ですで
に加熱された後急冷/冷却部(3)に搬送された状態を
示す。焼き戻された第1番目のガラス板は取り扱い温度
にまで冷却されるまで急冷/冷却部(3)に位置してい
る。急冷/冷却部(3)中のガラス板は、静止するか
(磁気クラッチ(25,29)が開いた状態)するか、極め
て遅いスピードで短距離だけ移動する(磁気クラッチ
(25)が開き、磁気クラッチ(29)が閉じた状態)。後
者の状態において、急冷/冷却部(3)のガラス板は、
次のガラス板が加熱炉(2)に搬送される前に、加熱炉
(2)の出発位置に復帰させる必要がある。このよう
に、第6図は、焼き入れされて冷却中のガラス板が静止
するか前方にわずかな距離だけ移動している間第5図の
コンベア駆動機構(5,6)が加熱炉コンベアを一方向に
駆動してガラス板を加熱炉(2)中に搬送する状態を示
している。
第7図は、ガラス板が加熱炉で熱せられている間駆動
機構(5,6)が加熱炉コンベア(12)を揺動させる工程
を示している。急冷/冷却部(3)において焼き入れさ
れて冷却しているガラス板は、静止するか非常に遅いス
ピード(毎秒2.5cm以下)でわずかな距離だけ揺動す
る。この静止、あるいはわずかな揺動によってすでに焼
き入れされたガラス板に後述の影響をもたらす。
先ず最初に研究されたのは、冷却されるガラス板を静
止状態あるいは極めて遅いスピードの移動状態に保持す
る根拠である。建築関係に使用する焼き戻しガラスの特
徴に対する最も重要な論議は、焼き戻しガラスの少量生
産によって、貯蔵、運送、取り付け時において眼に見え
ない原因のため割れるということについてであった。さ
らに、このような少量生産によるガラスは、取り付け後
大変割れ易い。
焼き戻しガラスの基本的特徴は、傷が1つあっただけ
でも、ガラス中の内部応力によってガラス全体がこなご
なに割れ易いということである。
一方、熱処理によって焼き戻しガラスとなる板ガラス
は常に幾つかの小さな欠陥を有する。このような欠点
は、空気泡、溶融していない成分、あるいは主に縁部に
生じる小亀裂などである。このような欠陥により、板ガ
ラスは、焼き戻し時に割れたり、外から余分な荷重(時
間の経過によってさえも)によって割れたりする。
焼き入れ後の冷却工程においてガラスを静止したり遅
いスピードで移動する際、不均一な冷却によって、極め
て割れやすいガラスのみが割れるような余分の応力が生
じる。すなわち、焼き戻しから各々の場所に設置される
完成ガラスまでの総合的損失を考慮した場合、本発明の
方法は本当に一定の場合における問題のみしか解決しな
いが、余分の損失をもたらさない。
冷却サイクル時に行なわれたひずみ試験は、焼き入れ
サイクル時にすでに創出されている焼き戻し均一性など
の焼き戻しガラスに関するその他の特徴に影響を与えな
い。
さらに、ローラのコーティングの損傷や摩耗が減少す
る。
第7図の工程時において、導入部コンベア(11)に新
しくガラスを供給することも可能である。このようにし
て、導入部コンベア(11)の専用のモーターによって新
しいガラスが搬送される。
第8図の工程において、加熱炉におけるガラス板の揺
動は続く。急冷/冷却部のガラス板が適当な取扱温度に
まで冷却されると第5図で示す焼き入れ冷却部コンベア
(13)と排出部コンベア(14)とは磁気クラッチ(17)
を介して連結される。さらに、磁気クラッチ(19)が閉
じ、モーター(18)が駆動してガラス板を急冷/冷却部
(3)から排出部(4)に搬送する。磁気クラッチ(2
5,29)が開き、加熱炉コンベア(12)は急冷/冷却部
(3)が空っぽの間必要加熱時間揺動し続ける。また、
第8図の工程において、新しくガラスを装填することも
可能である。
第9図で示す工程において、加熱が完了したガラス板
は、加熱炉(2)から急冷/冷却部(3)に搬送されて
いる。前記駆動機構(5,6)は伝動軸(8)を同方向に
回転させ、磁気クラッチ(25)は閉じている。加熱時間
の終わりに急冷/冷却部(3)が依然としてガラス板を
有する場合、前記ガラス板は、ガラス板が加熱炉(2)
から急冷/冷却部(3)に搬送される時と同一時に、搬
出部コンベア(14)に搬送される。さらに、第9図で示
すように、磁気クラッチ(17)が開き磁気クラッチ(1
9)が閉じている時、モーター(18)によって排出部コ
ンベア(14)からの排出が可能である。また、導入部テ
ーブル(11)への新しいガラス板の導入は常時可能であ
る。
第10図は本発明による方法の別の重要工程を示す。急
冷/冷却部(3)に搬送され焼き入れ時にはまだ軟いガ
ラス板は、ローラ間でのたるみが阻止され、表面にロー
ラの跡が残るのが阻止される。このようにして、前記駆
動機構(5,6)は伝動軸(8)を前後に駆動し、歯車比
1:1の伝動連結が磁気クラッチ(25)を介して連結され
る。加熱炉コンベア(12)は、加熱炉(2)内の温度平
衡を回復するのに十分な時間だけ空のまま揺動する。こ
のようにして、第4図で示すように、ガラスの厚みの増
加とともに、このサイクル継続時間が増加する。重要な
ものは、ガラスの厚みが増えるのに応じて焼き入れ時間
が増える間に、加熱炉の過剰装填およびその結果必要と
なる整復時間もまた増加する。
第3図および第4図で示すように、加熱炉(2)の温
度が一定であり、先行するガラスが焼き入れされる時と
同一時に後続のガラスが加熱炉(2)に達する時、加熱
炉(2)への装填量はガラスの厚みによって変化する。
一方、本発明によると、先行するガラスが焼き入れ完了
されるまで後続のガラスが加熱炉(2)に装填されない
時、加熱炉(2)への装填量はガラスの厚みにかかわら
ず略一定である。しかしながら、加熱炉(2)の温度を
わずかに上昇させることによって生産量を最適に維持で
きる。というのは、大量装填によって加熱炉(2)の温
度は一回のガラス装置中あまり変化しないからである。
加熱炉(2)への過剰装填の影響は直ぐに現われるも
のではなく、3〜4回の装填後にガラスの割れとなって
現われる。このように、ローラの温度が補償される無装
填インターバルを有する場合、1回の装填において加熱
炉(2)への過剰装填があってもよい。ローラの温度の
補償は、加熱炉(2)が空っぽの時、ローラが装填ガラ
ス板に熱を伝えず上、下方向からの熱を受けるという事
実に基づく。
第10図は、常時、装填と排出との両方が可能であるこ
とを示す。
第11図は、焼き入れが終了した後の工程を示す。焼き
入れしたガラス板が完全に停止する場合、第5図は磁気
クラッチ(25)が開く。すでに開いている磁気クラッチ
(29)は開いたままである。急冷/冷却部(3)のガラ
ス板はいかなる位置において停止してもよく、加熱炉
(2)への新しいガラス板の装填は無条件に行なうこと
ができる。焼き入れが終了するとすぐに、加熱炉コンベ
ア(12)が停止し、磁気クラッチ(25)が開き、導入部
コンベア(11)の磁気クラッチ(16)が閉じ、同時に、
ガラス板を導入部(1)から加熱炉(2)に搬送するた
め、加熱炉コンベア(12)の走行スピードがゼロから最
高にまで上昇する。急冷/冷却部(3)のガラス板は静
止したままである。この工程中、排出が可能である。こ
の状態は第6図状態、すなわち全作業工程が完了した状
態に対応している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、4mmの厚さのガラス板に関する代表的な冷却
曲線を示し、 第2図は、6mmの厚さのガラス板に関する冷却曲線を示
し、 第3図は、ガラスの厚さと必要加熱時間との間の相互関
係を示し、 第4図は、本発明による方法を実施する装置における第
3図に対応する相互関係を示し、 第5図は、本発明による装置のコンベアおよびその駆動
機構の斜視図、 第6図から第11図までは、本発明の方法の様々な工程に
おける焼き戻し装置の側面図である。 (1):導入部、(2):加熱炉、 (3):急冷/冷却部、 (4):排出部、 (11,12,13,14):コンベア、 (16,7,25):クラッチ機構、 (30):送風器、(31):断熱室、 (32):熱抵抗体。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導入部(1)と、熱抵抗体(32)を備えた
    断熱室(31)を有する加熱炉(2)と、送風器(30)を
    有する急冷/冷却部(3)と、排出部(4)と、ガラス
    移送方向に対して横方向に延びる水平ローラで構成され
    るコンベア(11,12,13,14)と、前記コンベア(11,12,1
    3,14)のための駆動機構と、前記コンベア(11,12,13,1
    4)を一緒にあるいは別々に駆動するためのクラッチ機
    構(16,17,25)とから成るガラス焼き戻し装置を駆動す
    る方法であって、 前記加熱炉(2)の加熱炉コンベア(12)が前記ガラス
    板を焼き戻し温度に加熱している間に前後に揺動を行な
    い、前記急冷/冷却部(3)の急冷/冷却部コンベア
    (13)が前記ガラス板の焼き入れを行なっている間に前
    後に揺動を行なう方法において、 前記急冷/冷却部(3)に装填されたガラス板の焼き入
    れが、前記急冷/冷却部コンベア(13)と機械的連結さ
    れた前記加熱炉コンベア(12)をガラス板を搭載してい
    ない状態すなわち前記加熱炉(2)にガラス板を有して
    いない状態で揺動させながら行なわれ、前記急冷/冷却
    部(3)に装填されたガラス板が冷却された後、すなわ
    ち、前記ガラス板の中心の温度がガラス材料のひずみに
    より低い時、前記急冷/冷却部コンベア(13)が前記加
    熱炉コンベア(12)と接断されて停止するかあるいは、
    少なくとも10:1の伝導比を有する減速ギヤを介して機械
    的に連結され、その後新しいガラス板が前記加熱炉
    (2)に装填されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記加熱炉(2)に装填されたガラス板が
    揺動している間に、前記急冷/冷却部(3)のガラス板
    が適当な取り扱い温度に冷却されるとすぎに、前記急冷
    /冷却部コンベア(13)は、排出部コンベア(14)と連
    結され、前記ガラス板が前記急冷/冷却部(3)から前
    記排出部(4)に搬送され、その後、前記急冷/冷却部
    (3)が空っぽ、すなわち焼き入れ冷却されるガラス板
    を有していない間において前記加熱炉(2)中のガラス
    揺動が続くことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の方法。
  3. 【請求項3】前記急冷/冷却部(3)に装填されたガラ
    ス板が冷却された後、すなわち、前記ガラス板の中心の
    温度がガラス材料のひずみ点より低い時、前記急冷/冷
    却部コンベア(13)は、前記加熱炉コンベア(12)と接
    断されて停止するかあるいは、前記加熱炉コンベア(1
    2)の最大揺動時において前記急冷/冷却部(3)中の
    前記ガラス板の最高速度が毎秒2.5cmであるような高い
    歯車比率を有する減速ギアを介して前記加熱炉コンベア
    (12)と連結され、その後、新しく加熱されるガラス板
    が前記加熱炉(2)に装填され、前記加熱炉(2)に装
    填されたガラス板が揺動している間に前記急冷/冷却部
    (3)中のガラス板が適当な取り扱い温度に冷却される
    とすぐに、前記減速ギアは接断され、前記急冷/冷却部
    コンベア(13)が前記排出部コンベア(14)と連結さ
    れ、ガラス板が前記急冷/冷却部(3)から前記排出部
    (4)に搬送され、その後、前記急冷/冷却部(3)が
    空っぽの間に前記加熱炉(2)に装填されたガラス板の
    揺動が必要に応じて続くことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】導入部(1)と、熱抵抗対(32)を備えた
    断熱室(31)を有する加熱炉(2)と、送風器(30)を
    備えた急冷/冷却部(3)と、排出部(4)と、ガラス
    移送方向に対して横方向に延びる水平ローラで構成され
    るコンベア(11,12,13,14)と、前記コンベア(11,12,1
    3,14)を一緒あるいは別々に駆動するためのクラッチ機
    構(16,17,25)と、前記加熱炉(2)の加熱炉コンベア
    (12)および前記急冷/冷却部(3)の急冷/冷却部コ
    ンベア(13)と連結されており第1サイクルにおいて各
    前記コンベア(12,13)を揺動させ第2サイクルにおい
    て長い搬送行程を行なうためのコンベア駆動機構(5,6,
    7,8)とから成るガラス焼き戻し装置であって、前記揺
    動サイクルが2工程で行なわれるようになっており、前
    記加熱炉コンベア(12)および前記急冷/冷却部コンベ
    ア(13)が前記長い搬送行程に使用するのと同じ1:1の
    直接伝動比によって互いに連結され前記コンベア(12,1
    3)が同じスピードおよび同じ行程距離で揺動する第1
    工程において前記急冷/冷却部(3)に装填されたガラ
    ス板の冷却が行なわれ、前記急冷/冷却部(3)に装填
    されたガラス板がひずみ点より低い温度から適当な取り
    扱い温度に冷却される第2工程において、前記急冷/冷
    却コンベア(13)は、前記加熱炉コンベア(12)と接断
    して完全に停止するか、あるいは、少なくとも10:1の伝
    動比を有する減速ギアを介して前記加熱炉コンベア(1
    2)と機械的に連結されることを特徴とする装置。
  5. 【請求項5】前記コンベア駆動機構(5,6,7,8)は、一
    方向性交流モーター(5)と、該交流モーター(5)に
    よって駆動される水圧変換器(6)と、前記変換器
    (6)と前記加熱炉コンベア(12)との間に設けられた
    第1伝動軸(8)と、前記急冷/冷却部コンベア(13)
    に連結された第2伝動軸(23)と、前記第1、第2伝動
    軸(8,23)との間に設けられた第1機構的伝動部材(9,
    22,24)と、該第1機械的伝動部材(9,22,24)と前記第
    2伝動軸(23)との機械的伝動を接断するための磁気ク
    ラッチ(25)と、前記第1、第2伝動軸(8,23)の間に
    設けられた第2機械的伝動部材(26,27,28)と、該第2
    機械的伝動部材(26,27,28)と前記第2伝動軸(23)と
    の機械的伝動を接断するための第2磁気クラッチ(29)
    とから成っており、前記第2機械的伝動部材(26,27,2
    8)の歯車比が前記第1機械的伝動部材(9,22,24)の歯
    車比より少なくとも10倍以上であることを特徴とする特
    許請求の範囲第4項記載の装置。
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