JP2589665Y2 - 同軸形伝送線路の中心導体支持構造 - Google Patents

同軸形伝送線路の中心導体支持構造

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JP2589665Y2
JP2589665Y2 JP1992062738U JP6273892U JP2589665Y2 JP 2589665 Y2 JP2589665 Y2 JP 2589665Y2 JP 1992062738 U JP1992062738 U JP 1992062738U JP 6273892 U JP6273892 U JP 6273892U JP 2589665 Y2 JP2589665 Y2 JP 2589665Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、アース導体と中心導体
とを有する同軸形伝送線路の中心導体支持構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、高周波リレーでは、同軸形伝送
線路の中心導体を接点バネで構成し、電磁継電器のカー
ドをこの接点バネの自由端に当接自在に配置し、電磁継
電器の動作で接点バネの自由端を固定の共通接点に対し
て切り換える構造がある。
【0003】従来、このような高周波リレー等に適用さ
れる同軸形伝送線路の中心導体支持構造は、図2(a)
の平断面図および、図2(b)の図2(a)におけるB
−B線断面図に示すように、アース導体としてのアース
筐体51に同軸形伝送線路の中心導体が支持収容される
外導体溝52が形成されている。また、該外導体溝52
は所定幅で形成され、中心導体を支持する位置には切欠
き53が形成されている。この切欠き53には絶縁性の
部材で形成され、上下に2分割された支持体54,55
が嵌合される。そして、該上下の支持体54,55は中
心導体としての接点バネ56の基端部または共通接点5
7を挟持する如く支持し、前記切欠き53に嵌合されて
ネジ59でネジ止めにより固定される。この後、前記外
導体溝52の開口部側から蓋58が取り付けられて同軸
形伝送線路を構成していた。
【0004】一方、他の従来の同軸形伝送線路の中心導
体支持構造は、図3(a),(b)の平面図およびD−
D線断面図に示すように、上述した図2(a),(b)
における従来と同様に、アース導体としてのアース筐体
51に外導体溝52が形成されている。また、該外導体
溝52には上下に2分割された支持体64,65が嵌め
込まれ、この上下の支持体64,65には外導体溝52
の左右内側面52a,52b側にそれぞれ複数個(図中
4個)の弾性片64a,65aが配設され、さらに上側
の支持体64の上面には凸部64bが形成されていて左
右内側面52a,52bに弾性片64a,64bが押圧
接触し、支持体64,65を外導体溝52内に係止させ
る。
【0005】そして、前記上下の支持体64,65は中
心導体としての接点バネ56の基端部または共通接点5
7を挟持する如く支持し、前記外導体溝52の開口部側
から蓋58が取り付けられることにより、蓋58の内側
面58aが前記凸部64bを押圧して支持体64,65
の上下方向が固定され、同軸形伝送線路が構成される。
【0006】また、その他の中心導体支持構造として、
接着剤によって支持体を外導体溝内に固定して中心導体
としての接点バネの基端部または共通接点を支持した構
成のものもあった。
【0007】なお、上述した従来例において、同軸形伝
送線路内で一定の特性インピーダンスを保持するため
に、接点バネまたは共通接点の支持体に支持されている
基端部は、支持体の誘電率を考慮して他の部分に比べ幅
細に形成されている。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図2(a),(b)で示す従来の同軸形伝送線路の中
心導体支持構造では、支持体54,55がネジ止めによ
り固定されているので、外導体溝52にネジ59を取り
付けるための切り欠き53の幅を大きく設けなければな
らず、このため接点バネ56または共通接点57が支持
されている部分では、同軸形伝送線路の断面積が大きく
なり、この部分の通過周波数が低下するという問題があ
った。また、例えば図2(b)に示す支持体54,55
の切断面と図2(c)の図2(a)におけるC−C線断
面図に示す支持体54,55の切断面において、それぞ
れの支持体54,55の断面積が異なるために、それぞ
れの切断面における特性インピーダンスが異なってしま
う。これを補正するために、上述したように例えば支持
体54,55に支持されている部分の接点バネ56また
は共通接点57の横幅を変えて特性インピーダンスを一
定に保っていた。しかし、組み立ての際に接点バネ56
または共通接点57が外導体溝52の長手方向に動いて
しまうことがあり、特性インピーダンスを一定に保つこ
とができないので、繊細な組み立て精度が要求されてい
た。
【0009】一方、図3(a),(b)で示す同軸形伝
送線路の中心導体支持構造では、支持体64,65に配
設された複数個の弾性片64a,65aが一様に撓まな
いことがあり、接点バネ56または共通接点57が偏心
してしまうという問題があった。さらに、支持体64,
65の上下方向を固定するには、上側の支持体64に配
設された凸部64bを蓋58の内側面58aで押圧しな
ければならないが、押圧した際に支持体64,65と共
に接点バネ56または共通接点57が偏心してしまうこ
とがあり、一定の特性インピーダンスを保持できない問
題が生じ、蓋58を取り付けた後には、そのずれを確認
することができないという問題点があった。
【0010】さらに、前述した接着剤によって支持体を
外導体溝内に固定する中心導体支持構造では、接着剤よ
り有機ガスが発生するために、その有機ガスが接点バネ
と共通接点との接触部分に付着すると接触不良を起こす
という問題点があった。
【0011】そこで本考案は、上記問題点を解消するた
めに、特性インピーダンスを一定に保ち、かつ、中心導
体を容易に支持することができ、組み立てが簡単な同軸
形伝送線路の中心導体支持構造を提供することを目的と
している。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本考案による同軸形伝送線路の中心導体支持構造は、ア
ース筐体1に形成された所定幅の外導体溝2内に中心導
体3,4を支持収容し、前記外導体溝2の開口部に蓋1
2を取り付けて同軸形伝送線路を構成する同軸形伝送線
路の中心導体支持構造において、下面の一部が切り欠か
れ、前記中心導体3,4の一方の側面が当接される段部
9aが形成された上支持体9と、上面の一部が切り欠か
れて前記中心導体3,4の他方の側面が当接される段部
10aが形成され、該段部10aを前記上支持体9の段
部9aに対して互い違いに向かい合わせて位置させて前
記中心導体3,4を前記上支持体9との間で挟持する下
支持体10と、前記アース筐体であって前記外導体溝2
近傍に締め込み自在に取り付けられ、前記上支持体9を
その端部で外導体溝2内部方向に付勢する傾斜面11a
を有する皿状ネジ11とを具備したことを特徴としてい
る。
【0013】
【作用】下支持体10は、外導体溝2の一方の内側面に
段部10aの外側面を当接させた状態で外導体溝2に位
置決め挿入される。そして、下支持体10の上面には、
中心導体3,4が一方の側面を前記段部10aの内側面
に当接して載置される。さらに、上支持体9は、段部9
aの内側面を中心導体3,4の他方の側面に当接させ、
下支持体10との間で中心導体3,4を挟む如く外導体
溝2に挿入される。また、上支持体9は、外導体溝2の
側端部に取り付けられた皿状ネジ11の傾斜面11aに
より、上支持体9の段部9aと下支持体10の段部10
aとの間で中心導体3,4を挟持する方向に押圧され、
中心導体3,4を外導体溝2内に支持する。そして、外
導体溝2の開口部に蓋12が取り付けられて同軸形伝送
線路が構成される。
【0014】
【実施例】図1(a)は本考案の同軸形伝送線路の中心
導体支持構造の一実施例としての高周波リレーを示す裁
断正面図、図1(b)は同実施例の平断底面図、図1
(c)は図1(b)におけるA−A線拡大断面図であ
る。図1(a),(b)に示すように、高周波リレー
は、アース導体としてのアース筐体1に形成された所定
幅を有する直線状の外導体溝2内に、板状に形成された
中心導体としての1対の接点バネ3,3および共通接点
4が収容されて電気信号回路を構成している。そして、
アース筐体1の外部上に対で配置された電磁石5のうち
一方が通電され、カード6の動作片7が一方の接点バネ
3の自由端3aをアース面8に当接させて電気信号回路
を切り換える。
【0015】このような、高周波リレーに適用される同
軸形伝送線路の中心導体支持構造では、中心導体として
の接点バネ3,3および共通接点4は、基端部3b,4
bが幅狭に形成され、この基端部3b,4bを絶縁性の
部材によって形成されて上下に2分割された上支持体9
と下支持体10とにより、アース筐体1に形成された外
導体溝2内に支持される。そして、前記1対の接点バネ
3,3の自由端3a,3aは、共通接点の自由端4aに
対して当接自在に配置される。
【0016】図1(c)に示すように、前記上支持体9
および下支持体10は、外導体溝2の横幅に対して僅か
に幅狭に形成されている。また、上支持体9は、下面の
一部が切り欠かれた断面略L字形状に形成されており、
下側に延出した段部9aの高さは、接点バネ3または共
通接点4の高さよりも低く設定されている。同様に、下
支持体10は、上面の一部が切り欠かれた断面略L字形
状に形成され、上側に延出した段部10aの高さは、接
点バネ3または共通接点4の高さよりも低く設定されて
いる。これら上支持体9と下支持体10は、それぞれの
段部9a,10aを互い違いに向き合わせて配設され
る。
【0017】すなわち、下支持体10は、外導体溝2の
一方の内側面2aに段部10aの外側面を当接させた状
態で外導体溝2に位置決め挿入される。そして、下支持
体10の上面には、接点バネ3または共通接点4の他方
の側面を前記段部10aの内側面10aaに当接して載
置される。さらに、上支持体9は、段部9aの内側面9
aaを接点バネ3または共通接点4の一方の側面に当接
させ、下支持体10との間で接点バネ3または共通接点
4を挟む如く外導体溝2に挿入される。
【0018】また、上支持体9の段部9aの外側面側で
ある外導体溝2の側端部には、例えば皿ネジ等の、頭部
の下面に所定角度の傾斜面11aを有する1個の皿状ネ
ジ11が取り付けられる。この皿状ネジ11の傾斜面1
1aは、上支持体9の段部9a側の上側角部分9bと当
接している。そして、上支持体9は、皿状ネジ11がね
じ込まれることにより、皿状ネジ11の傾斜面11aに
沿って上支持体9の段部9aと下支持体10の段部10
aとの間で接点バネ3または共通接点4を挟持する方向
に押圧され、接点バネ3または共通接点4を外導体溝2
内に支持する。この時、上支持体9と外導体溝2の一方
の内側面2aとの間には、極僅かな隙間Hが生じる。こ
の隙間Hにより上支持体9が内側面2aに当たらないの
で、皿状ネジ11の傾斜面11aによる付勢力は、上支
持体9と下支持体10とで接点バネ3または共通接点4
の左右方向を確実に挟持するように加えられる。そし
て、前記外導体溝2の開口部側から蓋12が取り付けら
れて同軸形伝送線路が完成する。
【0019】ところで、皿状ネジ11の傾斜面11a
は、皿状ネジ11のねじ込みにより上支持体9の段部9
aと下支持体10の段部10aとの間で接点バネ3また
は共通接点4を挟持させる傾き、即ち上支持体9の上側
角部9bから接点バネ3または共通接点4の重心Gを介
して下支持体10の下側角部10bへのベクトルと直交
する傾きに設定されている。これにより、上支持体9と
下支持体10とで接点バネ3または共通接点4を挟持す
る際に、上支持体9と外導体溝2の一方の内側面2aと
の間に極僅かな隙間Hが生じていても、外導体溝2の側
端部に取り付けられた1個の皿状ネジ11のねじ込みに
よる接点バネ3または共通接点4を挟持する付勢力は、
隙間Hに影響されることなく常に接点バネ3または共通
接点4を挟持する方向のみに作用するので、接点バネ3
または共通接点4は確実に外導体溝2内に支持される。
【0020】従って、このように構成された同軸形伝送
線路の中心導体支持構造では、上支持体9および下支持
体10によって中心導体である接点バネ3または共通接
点4を付き当てて位置決めし、1個の皿状ネジ11のみ
のねじ込みで上支持体9および下支持体10を押圧する
ことで接点バネ3または共通接点4を容易に支持するこ
とができ、この組み立てが容易化できる。そして、組み
立て時において、外導体溝2内に接点バネ3,3および
共通接点4が位置決め固定された後に蓋12を取り付け
るものであるから組み立て状態を容易に確認できる。
【0021】また、皿状ネジ11が直接上支持体9およ
び下支持体10内を通ることがないとともに外導体溝2
内に皿状ネジ11の突出が少ないので外導体溝2は略一
定の幅で形成でき、接点バネ3および共通接点4の支持
部分が略一様な断面積となり、特性インピーダンスの変
化が少ないので高周波特性の良い伝送ラインを形成する
ことができる。
【0022】ところで、上述した実施例の中心導体は、
支持される一端が自由端3a,4aとなっている接点バ
ネ3および共通接点4の基端部3b,4bを支持体9,
10で支持する構成について説明したが、他に、例えば
中心導体の両端を支持する構成の同軸形伝送線路にも適
用することができる。
【0023】
【考案の効果】以上説明したように本考案による同軸形
伝送線路の中心導体支持構造は、中心導体の側面と当接
する段部の形成された上支持体および下支持体に中心導
体を付き当てて位置決めし、皿状ネジをねじ込むだけで
前記上支持体と下支持体との間に中心導体を挟持する構
造としたので簡単な構成部品で容易に中心導体を支持す
ることができ、その組み立ても容易化できる。また、中
心導体を支持する部分において一様な断面形状となるの
で、特性インピーダンスの変化が少なく、高周波特性の
良い伝送ラインを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本考案の同軸形伝送線路の中心導体支持
構造の一実施例としての高周波リレーを示す裁断正面
図。 (b)同実施例の平断底面図。 (c)図1(b)におけるA−A線拡大断面図。
【図2】(a)従来の同軸形伝送線路の中心導体支持構
造を示す平断面図。 (b)図2(a)におけるB−B線断面図。 (c)図2(a)におけるC−C線断面図。
【図3】(a)他の従来の同軸形伝送線路の中心導体支
持構造を示す平断面図。 (b)図3(a)におけるD−D線断面図。
【符号の説明】
1…アース筐体、2…外導体溝、3…接点バネ、4…共
通接点、9…上支持体、9a…段部、10…下支持体、
10a…段部、11…皿状ネジ、11a…傾斜面、12
…蓋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01P 3/06 H01P 1/12

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アース筐体(1)に形成された所定幅の
    外導体溝(2)内に中心導体(3,4)を支持収容し、
    前記外導体溝の開口部に蓋(12)を取り付けて同軸形
    伝送線路を構成する同軸形伝送線路の中心導体支持構造
    において、 下面の一部が切り欠かれて前記中心導体の一方の側面が
    当接される段部(9a)が形成された上支持体(9)
    と、 上面の一部が切り欠かれて前記中心導体の他方の側面が
    当接される段部(10a)が形成され、該段部を前記上
    支持体の段部に対して互い違いに向かい合わせて位置さ
    せて前記中心導体を前記上支持体との間で挟持する下支
    持体(10)と、 前記アース筐体であって前記外導体溝近傍に締め込み自
    在に取り付けられ、前記上支持体をその端部で外導体溝
    内部方向に付勢する傾斜面(11a)を有する皿状ネジ
    (11)とを具備したことを特徴とする同軸形伝送線路
    の中心導体支持構造。
JP1992062738U 1992-09-07 1992-09-07 同軸形伝送線路の中心導体支持構造 Expired - Lifetime JP2589665Y2 (ja)

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