JP2589355B2

JP2589355B2 - 電気掃除機の集塵袋

Info

Publication number: JP2589355B2
Application number: JP63271596A
Authority: JP
Inventors: 正中西; 広横山
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1988-10-27
Filing date: 1988-10-27
Publication date: 1997-03-12
Anticipated expiration: 2012-03-12
Also published as: JPH02116338A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、重層構造の電気掃除機の集塵袋に関する。

（従来の技術）従来、第３図に示すように、吸気口１を有する口枠２
と、この口枠２に吸気口１を囲んで開口部が固着された
外袋３と、この外袋３の内側に位置して同様に開口部が
口枠２に固着された内袋４とを備えた集塵性を高める２
層構造の電気掃除機の集塵袋が知られている。そして、
従来のこの種の電気掃除機の集塵袋においては、外袋３
および内袋４の材質をいずれも紙とした構造が採られて
いる。また、実開昭62−151847号公報に記載されている
ように、内袋を多層とした集塵袋も知られているが、こ
の集塵袋においても、すべての内袋および外袋が紙製に
なっている点は同じである。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、上述のような従来の電気掃除機の集塵
袋では、外袋および内袋がすべて紙製であるため、微細
塵の捕集効率を向上させるためには、紙の目を細かくす
る必要がある。ところが、特に重層構造の集塵袋におい
て、目を細かくすると、そのために通気性が低下して、
電気掃除機の吸込性能を低下するなどの問題がある。

本発明は、このような問題点を解決しようとするもの
で、外袋と内袋との密着を防止し、微細塵の捕集効率お
よび吸込力が増大する電気掃除機の集塵袋を提供するこ
とを目的とする。

（課題を解決するための手段）本発明の電気掃除機の集塵袋は、通気性を有する紙製
の外袋と、この外袋の内側に配設されこの外袋より目の
粗い紙製の中袋と、この中袋の内側に配設され合成樹脂
製極細繊維を有するシート状体にて形成された通気性を
有する内袋とを具備したものである。

（作用）本発明の電気掃除機の集塵袋は、掃除機本体内に装着
されて使用されるが、掃除時に塵埃を含んだ気流が内
袋、中袋および外袋を順次通過して濾過され、気流中の
塵埃が内袋、中袋および外袋により捕集されてその内部
に貯溜されていく。このとき、気流が合成樹脂製極細繊
維を有した内袋を通過する際に、紙を通過する場合より
も高い起電力が生じ、内袋がより高い静電気を帯びると
ともに、集塵袋全体もより高い静電気を帯び、この高い
静電気によって、微細塵を含めた塵埃がより効率的に内
袋などに捕捉されるとともに、外袋と内袋との間に挟ま
れ外袋よりも目の粗い紙製の中袋が、外袋と内袋との間
に気流の通路を確保して密着を防止し、通気性が高めら
れるとともに、捕集効率がよりいっそう高められる。

（実施例）以下、本発明の電気掃除機の集塵袋の第１実施例の構
成を第１図および第２図を参照して説明する。

11は厚紙などからなる口枠で、この口枠11の中央部に
は吸気口12が開口形成されている。そして、この口枠11
は、図示しない掃除機本体の集塵室内に設けられた口枠
装着部に係脱自在に係止される。また、口枠11には、外
袋13、中袋14および内袋15の前端開口部が吸気口12を囲
んで気密に接着されている。

また、これら外袋13、中袋14および内袋15は３層に重
層され、最も外側の外袋13は、目の細かい紙にて構成さ
れている。一方、最も内側の内袋15は、合成樹脂である
ポリプロピレンを極細繊維状にしたシート状体にて構成
されている。この内袋15の材質としては、ポリプロピレ
ンに限らず、ポリエステル、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン（ABS）などいずれの合成樹脂でもでき
るが、ポリプロピレンが最も適している。なお、製造に
あたっては、例えばポリプロピレンをメルトブロー加工
による極細繊維状にするとともに、熱溶着によりシート
状のシート状体を形成し、このシート状体を製袋して、
内袋15とする。さらに、この合成樹脂製の内袋15と外袋
13との間に配設された中袋14は、外袋13よりも目の粗い
紙にて構成されている。なお、16は外袋13、中袋14およ
び内袋15の後端開口部を封止した折り込み部である。

次に、上記実施例の作用について説明する。

上記集塵袋は、電動送風機を内蔵した掃除機本体内の
集塵室に着脱自在に装着されて使用され、使い捨てされ
る。

そして、掃除時には、口枠11の吸気口12から流入した
塵埃を含んだ気流が、内袋15、中袋14および外袋13を順
次通過して濾過され、気流中の塵埃が内袋15、中袋14お
よび外袋13により捕集されてその内部に貯溜されてい
く。このとき、気流が内袋15などを通過するのに伴って
起電力が生じるが、特にポリプロピレンにて形成した合
成樹脂製の内袋15は、従来のような紙製の内袋よりも静
電気を帯びやすい。したがって、集塵袋全体も静電気を
より帯びやすくなる。そして、この気流の通過により生
じた高い静電気によって微細塵を含めた塵埃が効率的に
かつ確実に内袋15、中袋14および外袋13に捕捉される。

また、このように静電気により塵埃を捕集できること
により、内袋15などの目をそれほど細かくすることな
く、微細塵の捕集効率を高めることができるので、集塵
袋の通気性を向上させることができ、電気掃除機の吸込
性能すなわち吸込力の低下を抑えることができる。

ところで、例え外袋13と合成樹脂製の内袋15との間に
目の粗い中袋14を設けないとすると、目の細かい外袋13
と合成樹脂製の内袋15とが隣接することにより、風圧に
よって外袋13および内袋15が密着しすくなり、内側が目
詰りしやすくなる。ところが、上記構成によれば、合成
樹脂製の内袋15と外袋13との間にこの外袋13よりも目の
粗い紙製の中袋14が、合成樹脂製の内袋15と外袋13との
間に気流の通路を確保することになるので、密着を防止
できる。したがって、通気性が高められ、塵埃の捕捉に
伴う通気性の低下の進行も遅くできるとともに、より効
率的に高い捕集効率が得られる。

実験の結果によれば、第３図に示すような全体が紙製
である従来の集塵袋に比べ、微細塵の捕集効率が約20％
向上した。

ところで、集塵袋は、一般的に、はじめ折り畳まれた
状態になっており、集塵に伴って拡がっていくようにな
っている。ところが、外側の外袋をポリプロピレンなど
の合成樹脂製にすると、破損防止のため外袋は厚くしな
ければならないことにより、拡がりにくくなるため合成
樹脂製とすることは不適切であるが、上記実施例によれ
ば外袋を紙製としたため、強度を増大でき破損を防止で
きる。

（発明の効果）本発明の電気掃除機の集塵袋によれば、合成樹脂製極
細繊維を有したシート状体にて形成した内袋を破損しに
くい紙製の外袋の内側にこの外袋より目の粗い紙製の中
袋を介して配設したため、内袋が静電気を帯びやすいこ
とにより、微細塵を含めた塵埃の捕集効率を向上でき、
静電気により塵埃を捕集できるので、微細塵捕集のため
に差ほど目を細かくする必要がなく、通気性を向上で
き、電気掃除機の吸込性能を向上できるとともに、外袋
と内袋との間に挟まれ外袋よりも目の粗い紙製の中袋
が、外袋と内袋との間に気流の通路を確保して密着を防
止でき、通気性および捕集効率を増大できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の電気掃除機の集塵袋の第１実施例を示
す側断面図、第２図は同上斜視図、第３図は従来の電気
掃除機の集塵袋の一例を示す側断面図である。 13……外袋、14……中袋、15……内袋。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】通気性を有する紙製の外袋と、この外袋の内側に配設されこの外袋より目の粗い紙製の
中袋と、この中袋の内側に配設され合成樹脂製極細繊維を有する
シート状体にて形成された通気性を有する内袋とを具備したことを特徴とする電気掃除機の集塵袋。