JP2589257C - - Google Patents

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JP2589257C
JP2589257C JP2589257C JP 2589257 C JP2589257 C JP 2589257C JP 2589257 C JP2589257 C JP 2589257C
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は浴用剤成分として油性成分と界面活性剤成分を封入したカプセル化物
を配合してなる顆粒状及び/又は粉末状の浴剤組成物に関する。 (従来の技術・発明が解決しようとする課題) 従来より入浴剤としては、粉末状の入浴剤、液状の入浴剤等種々のものが知ら
れている。また、カプセル化物を含有する入浴剤としては、特開平3−2875
24号公報、特開平4−26616号公報においてカプセル化した内容物の長期
安定性を目的として、油性成分や香料をカプセル化物として配合した入浴剤が開 示されている。しかし、該カプセル化物中には界面活性剤成分が含有されていな
いため、これらのカプセル化物の内容物は浴湯中では湯面上に浮遊し浴湯への乳
化分散が不可能であった。 このように従来より油性成分を含有するカプセル化物であるカプセル粒子は知
られているが、界面活性剤成分を含有した継ぎ目無しカプセル粒子は知られてい
ない。その理由としては、植物油等の油性成分を内容物とし界面活性剤成分を含
有しない従来の継ぎ目無しカプセル粒子は、特公昭36−3700号公報に開示
されているごとく界面張力を利用して作られるため、内溶液にHLBの高い界面
活性剤成分を含む場合は、内容物と皮膜との界面張力がかなり低下してしまうた
めカプセル化が難しいためであり、内容物として界面活性剤成分を含む継ぎ目無
しカプセル粒子を製造することは困難であった。 また、特開昭61−227519号公報、特開平1−238519号公報には
HLBが比較的高い非イオン性界面活性剤を含有したカプセル粒子に関する開示
がある。しかし、このカプセル粒子は、カプセル充填機により充填して製造して
いるため皮膜に継ぎ目があり、外観上好ましくないばかりか、継ぎ目からの内容
物の漏れが懸念されたり、また平均皮膜厚さの不均一性により、個々のカプセル
粒子の溶解速度に差異が生ずるという問題があった。 一方、特公昭53−39193号公報、特開昭55−99177号公報には、
多重ノズルを用いて得られる多層構造を有する継ぎ目無しカプセル粒子が開示さ
れているが、実質的に界面活性を有する成分を内容物とするカプセル粒子の開示
はなされていない。また、特開平3−52639号公報には、親水性物質である
内容物と皮膜との間に界面活性能を有するショ糖の低級脂肪酸エステルを介在さ
せたシームレスカプセルが開示されている。しかし、界面活性剤成分および油性
成分を内容物として含有するカプセル粒子については開示されていない。 このように入浴剤の浴用剤成分として油性成分と界面活性剤成分を封入した界
面活性剤含有継ぎ目無しカプセル化物を配合することにより、浴湯での油性成分 の乳化分散を向上させることが期待されているが、未だそのような界面活性剤含
有継ぎ目無しカプセル化物を含有する浴剤組成物は見いだされていないのが実情
である。 従って、本発明の目的は、浴用剤基剤中に浴用剤成分として油性成分と界面活
性剤成分を封入した界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル化物を含有する浴剤組成
物を提供することにある。 (課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究した。その結果、油性成分と
界面活性剤成分を含有する継ぎ目無しカプセル粒子よりなるカプセル化物を浴用
剤基剤中に配合することにより、該カプセル化物の内容物を浴湯中で良好に乳化
分散することが可能となることを見いだし、本発明を完成するに到った。 即ち、本発明の要旨は、顆粒状及び/又は粉末状の浴用剤基剤中に浴用剤成分
として油性成分と界面活性剤成分を封入した界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル
化物を含有する浴剤組成物であって、該界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル化物
が、順次増大する直径を有する少なくとも3重以上の多重ノズルを用いて該多重
ノズルの最外ノズルから皮膜形成用液体を、他のノズルから油性成分および界面
活性剤成分を含有する各種の内層用の液体を気相又は液相中で連続的に吐出させ
て多層液滴を形成させ、次いで該多層液滴の皮膜形成用液体を硬化またはゲル化
させて得られるものである浴剤組成物に関する。 ここで、界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル化物中の界面活性剤成分が、非イ
オン性界面活性剤より選ばれる1種または2種以上の混合物てある場合が好適で
あり、さらに該非イオン性界面活性剤のHLBが、7〜18である場合が好適で
ある。 本発明における界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル化物は、内層と外層とから
なるカプセル粒子(以下、単にカプセル粒子と略す場合がある)である。 外層は皮膜形成体を有する層てあり、皮膜形成体を形成させるのに用いる皮膜 形成用液体は、皮膜形成体を溶融液としたものか、あるいは皮膜形成体を含有す
る溶液である。この皮膜形成体は例えば冷却等の物理的手段または架橋反応等の
化学的手段により硬化またはゲル化する物質であれば、特に限定されるものでは
ないが、本発明においては浴用剤の成分として配合して用いることから、水との
親和性の高い天然、半合成又は合成の親水性高分子体が好ましく用いられる。 このような親水性高分子体としては、例えばにかわ、ゼラチン、コラーゲンタ
ンパク、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ファーセレラン、タ
マリンドガム、ペクチン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、トラガ
ントガム、ローカストビーンガム、寒天、澱粉等の天然親水性高分子;カルボキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、アルギン酸プロピレングリ
コールエステル、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン澱粉等
の半合成親水性高分子;及びポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンイミン、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン等の合成親
水性高分子等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの親水
性高分子体は、単独で又は2種以上を混合して用いられる。 このとき、上記の親水性高分子体とともに水溶性多価アルコールおよびその誘
導体の1種又は2種以上を添加しても良い。水溶性多価アルコールおよびその誘
導体を添加する場合は、皮膜形成体に対して通常5〜100重量%、好ましくは
10〜80重量%添加する。添加される水溶性多価アルコールおよびその誘導体
としては、例えばグリセリン、ソルビット、エチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、酸化エチレン
−酸化プロピレン共重合体、オリゴサッカライド、グリセリド類等が例示される
が、特にこれらに限定されるものではない。 次に内層は油性成分と界面活性剤成分を含有する層であり、単層または同心状
の2層以上からなる。各層には(1)油性成分と界面活性剤成分とを含有する水 性分散体よりなる層、(2)油性成分と界面活性剤成分とからなる層、(3)油
性成分の層、(4)界面活性剤成分の層などが適宜組み合わされて形成されてい
る。 ここで使用される界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤の1種又は2種以上から選ばれ
るものであるが、本発明においてはカプセル粒子の崩壊後、浴湯中で内溶液が皮
膚と接触することから、より皮膚剌激性が少ない非イオン性界面活性剤の1種又
は2種以上から選ばれるものが特に好ましい。 非イオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えばグリセ
リン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
プロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。 本発明において用いられる非イオン性界面活性剤のHLBは、浴湯中でカプセ
ル粒子が崩壊したときに内容物の油性成分が良好に乳化し得るように、通常7〜
18、好ましくは8〜13のものがよい。HLBが7未満だと油性成分の乳化能
が不十分であり、HLBが18より大きいとカプセル化が困難となる。 非イオン性界面活性剤を2種以上混合する場合は、混合後のHLBが7〜18
であればよく、カプセル粒子内のHLBを調整するためにHLBが7未満の非イ
オン性界面活性剤を同様に混合してもよい。本発明におけるカプセル粒子は、好
ましくは後述のように多重ノズルを用いて各層を形成するための液体を連続的に
吐出させて製造されるが、HLBの調整に用いるHLBが7未満の非イオン性界
面活性剤は、内層用の各液体のうち、いずれの液体に混合されてもよい。 アニオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えばラウリ
ル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニ
ウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、半
硬化牛脂肪酸ナトリウム、半硬化牛脂肪酸カリウム、オレイン酸カリウム、ヒマ
シ油カリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ソーダ、ジアルキルスルホコハ
ク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、アル
キルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリン酸カリウム、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ト
リエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウム等が挙げられる。 カチオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えばラウリ
ルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウ
ムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルアミ
ンオレエート、ステアリルアミンアセテート、ステアリルアミン塩酸塩等が挙げ
られる。 両性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えば、アルキルジ
メチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカル
ボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、レシチン、ラウリルア
ミノプロピオン酸、アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。 界面活性剤の使用量は、特に限定されるものではないが、カプセル粒子内の全
油性成分と界面活性剤の重量比率で、通常49:1〜1:3、好ましくは19:
1〜1.5:1の範囲である。界面活性剤の使用量が全油性成分に対する重量比
率で49:1よりも小さくなると、内溶液が水と接触した時に油性成分が分離し
て油浮き等の現象が生じ安定な乳化液が得られず、1:3よりも多いとカプセル
化が困難になる。 本発明で使用される油性成分は特に限定されるものではないが、例えば油脂類
、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、精油類
、シリコーン油類から選ばれる1種又は2種以上の混合物が好ましい。 油脂類としては、例えば大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド
油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク
油、牛脂、豚脂等の天然油脂、またはこれらの天然油脂を水素添加して得られる
硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成
トリグリセリド等が挙げられる。ロウ類としては、例えばカルナウバロウ、鯨ロ
ウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。炭化水素類としては、例えば流動パラ
フィン、ワセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、スク
ワラン、プリスタン等が挙げられる。高級脂肪酸類としては、例えばラウリン酸
、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。高級アルコ
ール類としては、例えばラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルア
ルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、2−ヘ
キシルデカノール等が挙げられる。エステル類としては、例えばオクタン酸セチ
ル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミ
リスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸
ブチル、オレイン酸デシル等が挙げられる。精油類としては、例えばハッカ油、
ジャスミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ
皮油、ヘルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ
油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、ペパーミント油、ロ
ーズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シト
ロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、カンファー、チモール
、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペル系化合物等が挙げられる。シリ
コーン油類としては、例えばジメチルポリシロキサン等が例示されるが、これら に限定されるものではない。 本発明におけるカプセル粒子の好適な調製方法は、順次増大する直径を有する
少なくとも3重以上の多重ノズルを用いて該多重ノズルの最外ノズルから皮膜形
成用液体を、他のノズルから油性成分および界面活性剤成分を含有する各種の内
層用の液体を気相又は液相中で連続的に吐出させて多層液滴を形成させ、次いで
該多層液滴の皮膜形成用液体を硬化またはゲル化させて界面活性剤含有継ぎ目無
しカプセル化物を得ることにより行われる(特願平4−179023号、特願平
4−193327号)。 ここで使用される皮膜形成用液体は、皮膜形成体を含有する溶液を用いる場合
、皮膜形成体として前記のような親水性高分子を用いて0.1〜80重量%の溶
液とするのが好ましく、より好ましくは1〜50重量%の溶液とする。溶媒とし
ては特に限定されるものではないが水が好ましい。 また、内層用の液体としては、油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分
散体、油性成分と界面活性剤成分とからなる液体、油性成分や界面活性剤成分の
みからなる液体が使用される。 油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分散体を調製するには、油性成分
を界面活性剤により水中で直接油性成分を乳化させるか又は油中水分散型エマル
ションから水中油分散型エマルションへの転相を介して水中で油性成分を乳化さ
せることにより得られる。水性分散体中の界面活性剤濃度は特に限定されるもの
ではないが、水性分散体中の油性成分に対して通常10〜300重量%、好まし
くは50〜250重量%である。界面活性剤濃度が10重量%より小さいと、浴
湯中でカプセルが崩壊した時に内容物の油性成分が乳化せず、300重量%より
大きいと水性分散体の粘度が増大しカプセル粒子生成時におけるカプセル粒子生
成の成功率が低減するため好ましくない。 また、水性分散体中の油性成分濃度は特に限定されるものではないが、水に対
して通常2〜150重量%、好ましくは5〜130重量%である。油性成分濃度 が150重量%より大きいと水性分散体の粘度が増大しカプセル粒子生成時にお
けるカプセル粒子の形成性が低減するため好ましくなく、2重量%より小さいと
均一な水性分散体が得られないため好ましくない。 油性成分と界面活性剤成分とからなる液体の調製において、油性成分の濃度は
特に限定されるものではないが、界面活性剤成分に対して0.01〜300重量
%、好ましくは0.1〜200重量%である。油性成分が0.01重量%より小
さいと粘度の変化等の添加による効果が少なく、300重量%より大きいと内溶
液が水と接触した時に油性成分が分離して油浮き等の現象が生じ、安定な乳化液
が得られず好ましくない。 得られた多層液滴の皮膜形成用液体を硬化またはゲル化させるには、該皮膜形
成用液体を物理的または化学的手段により硬化またはゲル化させて界面活性剤含
有継ぎ目無しカプセル粒子を生成させる。ここで物理的手段としては例えば皮膜
形成用液体を冷却した硬化剤と接触させて冷却することにより硬化させる方法等
が、また化学的手段としては皮膜形成用液体と硬化剤との化学反応によりゲル化
させる方法等が用いられる。 硬化剤は皮膜形成用液体を物理的又は化学的手段により硬化またはゲル化する
液体であれば特に限定されるものてはないが、冷却により硬化させる場合は、皮
膜形成用液体および硬化して得られる皮膜形成体に対して実質的に溶解性を有し
ない物質が適宜使用される。例えば、油脂類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸
類、高級アルコール類、エステル類、精油類、シリコーン油類から選ばれる1種
又は2種以上の混合物の油類が用いられる。冷却温度も皮膜形成用液体が硬化す
るような温度であれば特に限定されるものではない。 また化学的に皮膜形成用液体をゲル化させる場合は、例えばアルギン酸ナトリ
ウムでは、塩化カルシウム、リン酸カルシウムを含む溶液、ポリビニルアルコー
ルでは、ほう砂、ホルマリン、塩酸を含む水溶液、ゼラチンでは塩化カルシウム
、硝酸ジルコニウムを含む水溶液等が適宜選択され、皮膜形成用液体とこれらの 硬化剤とが架橋等の反応をすることよりゲル化が生じる。 また、本発明におけるカプセル粒子としては、内層が単層のものを使用しても
よい。このような単層を形成するには、前記のようにして得られた内層が同心状
の2層以上の層構造を有するカプセル粒子を乾燥させることにより、内層の各層
が一体となり単層とすることができる。 本発明におけるカプセル粒子内の水分濃度は、通常25重量%以下、好ましく
は20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下である。25重量%を超え
ると粒子表面の粘着性が高く乾燥粒子として用いる場合好ましくない。 このようにして得られる本発明におけるカプセル粒子の平均皮膜厚さtは、下
記の式より求めることができる。 t:平均皮膜厚さ〔cm〕 D:カプセル粒子平均粒子径〔cm〕 D1:カプセル粒子平均内層径〔cm〕 V1:カプセル粒子内層体積〔cm3〕=W1/ρ1=Q1/I V2:カプセル粒子皮膜体積〔cm3〕=W2/ρ2=Q2/I W1:カプセル粒子内層重量〔g〕 W2:カプセル粒子皮膜重量〔g〕 Q1:ノズルからの内層液の総流量〔cm3/min〕 Q2:ノズルからの皮膜形成用液体の総流量〔cm3/min〕 ρ1:内層液の平均密度〔g/cm3〕 ρ2:皮膜形成用液体の密度〔g/cm3〕 I:カプセル粒子生成個数〔個/min〕 本発明におけるカプセル粒子の平均粒子径Dは、特に限定されるものではない
が0.2mm〜2cmが好ましい。ただし平均粒子径Dは重量平均で示されたも
のである。また、該カプセル粒子の平均皮膜厚さは、特に限定されるものではな
いが、通常0.01mm〜5mmの範囲であり、好ましくは0.03mm〜1m
mである。5mmより大きいとカプセルを溶解させて内容物を放出させる場合、
多大な溶解時間を要し好ましくなく、0.01mm以下ではカプセル粒子生成時
に皮膜形成体が崩壊しやすくカプセル生成の成功率が著しく低下する為好ましく
ない。ここに言う平均皮膜厚さとは、公知の測定技術、例えばマイクロメータ等
で測定したものである。 本発明の浴剤組成物において使用される顆粒状及び/又は粉末状の浴用剤基剤
の原料としては、その浴剤組成物の目的とする効能・効果に応じて異なるが、通
常、無機塩類、無機酸類、有機酸類、生薬類、色素類、ビタミン類、香料類など
から選ばれる1種又は2種以上の成分を適宜選択し、組み合わせて使用すればよ
い。これら原料の具体例を挙げると、以下の如くである。 (ア)無機塩類 塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、硫酸ナトリ
ウム、硫化ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナト
リウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩化カリウム、硫化カリウム、
硫酸アルミニウム、ミョウバン等 (イ)無機酸類 ホウ酸、メタケイ酸、無水ケイ酸等 (ウ)有機酸類 コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等 (エ)生薬類 ウイキョウ、オウバク、カミツレ、桂皮、紅花、芍薬、ショウキョウ、菖蒲,
センキュウ、トウキ、チンピ、ソウジュツ、カノコソウ、ピャクシ、トウシ、薄
荷、ブクリョウ、人参等 (オ)色素類 黄色4号、青色1号、黄色202号の(1)等の厚生省令に定められたタール
色素別表I及びIIの色素、クロロフィル、リボフラビン、クロシン、紅花、アン
トラキノン等の食品添加物として認められている天然色素等 (カ)ビタミン類 ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等 (キ)香料類 (ク)その他 硫黄、湯の花、鉱砂、雲母末、中性白土、いり糠、殺菌剤、防腐剤、その他製
剤上必要な成分等 本発明の浴剤組成物は、前記のような原料から得られる顆粒状及び/又は粉末
状の浴用剤基剤中に浴用剤成分として、前記のような油性成分と界面活性剤成分
を封入した界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル化物を配合することにより調製す
ることができる。本発明におけるカプセル化物の配合量は、通常0.1〜99%
、好ましくは0.5〜80%である。本発明組成物中に無機塩類は、99.9〜
1%、特に99.5〜20%配合するのが好ましい。 (実施例) 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例によりなんら限定されるものではない。 カプセル化物の製造 製造例1 順次増大する直径を有する3重ノズル〔最内ノズル径0.9mm、中間ノズル
径2mm、最外ノズル径3.5mm〕を有する装置を用いて、トリ(カプリル酸 カプリン酸)グリセリン〔ココナードMT花王(株)製〕6重量%とポリオキシ
エチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート12.6重量%〔H
LB:11〕、ソルビタンセスキオレエート1.4重量%〔HLB:3.7〕を
混合し〔平均HLB:10.3〕、そこに水80重量%を投入して得られた水性
分散体を最内ノズルより流量3.7〔g/min〕で、また中間ノズルよりトリ
(カプリル酸カプリン酸)グリセリンを流量4.4〔g/min〕で、最外ノズ
ルよりゼラチン30重量%、グリセリン4重量%、水66重量%の70℃に保っ
た水溶液を流量3.5〔g/min〕で、同時に気相中に吐出させて多層液滴を
生成させ、2℃に冷却した流動パラフィンに滴下することにより、粒子内の界面
活性剤と油性成分の重量比率が1:9のカプセル粒子を得た。該カプセル粒子の
内層は、同心状の2層からなり、最内層が油性成分と界面活性剤成分を含有する
水性分散体であり、中間層が油性成分からなり、最外層に皮膜形成体を有する界
面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子であった。 該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、5.1m
mであり、粒子径分布の変動係数は6.3%であった。平均皮膜厚さtはマイク
ロメータで測定したところ、0.74mmであった。 この界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子を、冷蔵庫内の流動パラフィン中
で12時間冷却(4℃)させ、その後21℃湿度60%下で12時間乾燥させ、
粒子内の界面活性剤量と油性成分の重量比率が1:9のカプセル粒子を得た。該
カプセル粒子の内層は単層であり、内層が実質的に油性成分と界面活性剤成分か
らなり、その外側に皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子
であった。 該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、4.2m
mであり、粒子径分布の変動係数は6.6%であった。皮膜率(皮膜重量/カプ
セル粒子重量)を測定したところ、20.0%であった。また平均皮膜厚さtは
マイクロメータで測定したところ、0.11mmであった。またカプセル粒子内 の水分量は3.5重量%であった。 比較製造例1 順次増大する直径を有する2重ノズル〔内側ノズル径0.7mm、外側ノズル
径1.5mm〕を有する装置を用いて、内側ノズルよりトリ(カプリル酸カプリ
ン酸)グリセリン〔ココナードMT花王(株)製〕を流量7.5〔g/min〕
で、また、外側ノズルよりゼラチン30重量%、グリセリン4重量%、水66重
量%の70℃に保った水溶液を流量5.0〔g/min〕で同時に気相中に吐出
させて、2層液滴を生成させ、2℃に冷却した流動パラフィンに滴下することに
より、油性成分は含有するが界面活性剤は含有しないカプセル粒子を得た。 該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、4.8m
mであり、粒子径分布の変動係数は6.2%であった。また平均皮膜厚さtはマ
イクロメータで測定したところ、0.73mmであった。 このカプセル粒子を、冷蔵庫内の流動パラフィン中で12時間冷却(4℃)さ
せ、その後21℃湿度60%下で12時間乾燥させてカプセル粒子を得た。 該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、4.2m
mであり、粒子径分布の変動係数は6.5%であった。皮膜率(皮膜重量/カプ
セル粒子重量)を測定したところ、20.0%であった。また平均皮膜厚さtは
マイクロメータで測定したところ、0.11mmであった。またカプセル粒子内
の水分量は3.5重量%であった。 実施例1〜2、比較例1〜4 実施例2および比較例2、4については、表1に示す処方で配合した粉末を、
60℃に加温後、押し出し造粒機を用いて造粒し、粒径355μm以上1400
μm以下のものをふるいにて選別し、顆粒状の浴用剤基剤を調製した。実施例1
および比較例1、3については、表1に示す処方で配合した粉末を浴用剤基剤と
してそのまま用いた。さらに実施例1〜2ではこれらの浴用剤基剤に製造例1で
調製したカプセル粒子を、比較例1〜4ではこれらの浴用剤基剤に比較製造例1 で調製したカプセル粒子を配合し、混合してそれぞれ浴剤組成物を得た。 得られた浴剤組成物を用いて、後述の試験方法により、温湯中での溶解性、乳
化分散性を調べた。結果を併せて表1に示す。 実施例3〜4、比較例5〜8 実施例4および比較例6、8については、表2に示す処方で配合した粉末を、
60℃に加温後、押し出し造粒機を用いて造粒し、粒径355μm以上1400
μm以下のものをふるいにて選別し、顆粒状の浴用剤基剤を調製した。実施例3
および比較例5、7については、表2に示す処方で配合した粉末を浴用剤基剤と
してそのまま用いた。さらに実施例3〜4ではこれらの浴用剤基剤に製造例1で
調製したカプセル粒子を、比較例5〜8ではこれらの浴用剤基剤に比較製造例1
で調製したカプセル粒子を配合し、混合してそれぞれ浴剤組成物を得た。 得られた浴剤組成物を用いて、実施例1と同様にして温湯中での溶解性、乳化
分散性を調べた。結果を併せて表2に示す。 (1)溶解性 表1又は表2の組成物をそれぞれの表に示す量(30g)温湯(40℃)15
0リットルに投入し、攪拌棒で10回攪拌後、溶解状態を次の基準により目視判
定した。 5; 不溶物が認められない。 4; 不溶物がほんのわずかに認められる。 3; 不溶物が若干認められる。 2; 不溶物がかなり認められる。 1; 不溶物が著しく認められる。 (2)乳化分散性 表1又は表2の組成物をそれぞれの表に示す量(30g)温湯(40℃)15
0リットルに投入し、攪拌棒で10回攪拌後、乳化状態を次の基準により目視判
定した。 5; 油浮きが認められない。 4; 油浮きがほんのわずかに認められる。 3; 油浮きが若干認められる。 2; 油浮きがかなり認められる。 1; 油浮きが著しく認められる。 表1及び表2の判定結果に示されるように、実施例1〜4の本発明組成物は溶
解性、乳化分散性において共に優れていた。一方、界面活性剤を含有しないカプ
セル粒子を配合した比較例1〜8では、特に油浮きが著しく認められ乳化分散性
に劣る結果であった。 (発明の効果) 本発明によると、粉体成分に油性成分を配合する際、賦形する必要がないため
、皮膚等に効能のある油性成分を多量に配合した浴剤組成物を提供することがで
きる。さらに、界面活性剤成分がカプセル化物に配合されているため、油性成分
を良好に乳化分散させることができるので有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) 顆粒状及び/又は粉末状の浴用剤基剤中に浴用剤成分として油性成分と
    界面活性剤成分を封入した界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル化物を含有する浴
    剤組成物であって、該界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル化物が、順次増大する
    直径を有する少なくとも3重以上の多重ノズルを用いて該多重ノズルの最外ノズ
    ルから皮膜形成用液体を、他のノズルから油性成分および界面活性剤成分を含有
    する各種の内層用の液体を気相又は液相中で連続的に吐出させて多層液滴を形成
    させ、次いで該多層液滴の皮膜形成用液体を硬化またはゲル化させて得られるも
    のである浴剤組成物。 (2) 界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル化物中の界面活性剤成分が、非イオ
    ン性界面活性剤より選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項(1)記
    載の浴剤組成物。 (3) 非イオン性界面活性剤のHLBが、7〜18である請求項(1)又は(
    2)記載の浴剤組成物。

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