JP2588397B2 - 光学用窓材及びその製造方法 - Google Patents

光学用窓材及びその製造方法

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JP2588397B2
JP2588397B2 JP62017562A JP1756287A JP2588397B2 JP 2588397 B2 JP2588397 B2 JP 2588397B2 JP 62017562 A JP62017562 A JP 62017562A JP 1756287 A JP1756287 A JP 1756287A JP 2588397 B2 JP2588397 B2 JP 2588397B2
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明 西川
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SHINGIJUTSU JIGYODAN
Seiko Epson Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ダイヤモンドから成る光学用窓材及びその
製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
公知の如くダイヤモンドは、波長約0.3μmの紫外線
領域から波長約25μmの遠赤外線領域に到る広い範囲に
渡って光の透過性が高いという優れた光学的性質を有し
ており、他の物質においては、このダイヤモンドに匹敵
する程、広い範囲に渡って透明な物質は見当たらない。
しかも、耐熱性も真空中で約1200℃、大気中で600℃と
高いため、光学用窓材としての普及が期待されている。
しかし、従来の技術では、ダイヤモンドから成る光学
用窓材を製造する場合、天然ダイヤモンド結晶あるいは
超高圧合成法により合成された人工ダイヤモンド結晶
を、ダイヤモンドホイールを刃具に用いてスライシング
加工するという方法しかなく、この方法には、次項に述
べる如き重大な欠点があるため、ダイヤモンドを光学用
窓材として利用することは一般ユーザーには極めて困難
であり、この方法に代わる他の製造方法の出現が期待さ
れていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ダイヤモンド結晶をスライシングして光学用窓材を製
造しようとする場合、天然結晶であれ人工結晶であれ、
直径数mm以上のダイヤモンドは存在自体が稀であり、し
かも極めて高価なため、例えば直径1cm以上の大きな面
積の窓材の製造はまず不可能といってよく、しかもダイ
ヤモンドは物質中最高の硬度を有するため、スライシン
グ加工用の刃具であるダイヤモンドホイールの損耗が激
しく、加工コストも極めて高いという欠点があった。
本発明は、これらの問題点を解決し、安価でしかも大
面積化が可能な、光透過特性の良いダイヤモンドから成
る光学用窓材を製造する方法を提供することを目的とし
たものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明において、フィルム状ダイヤモンドを合成する
ための気相合成法としては、熱CVD法,プラズマCVD法,
光CVD法,イオンビーム法,イオン化蒸着法等があるが
いずれを用いても良い。
これらの気相合成法を用いて基板材上にフィルム状ダ
イヤモンドを形成した後、該基板材の外周部分はレジス
ト材で被覆し、レジスト材で被覆されていない露出部分
の基板材のみを化学的溶解や物理的エッチングにより除
去して、フィルム状ダイヤモンド単層とする。この時、
レジスト材で被覆された外周部分には、窓枠状に基板材
を残存せしめる。この様にして得られたフィルム状ダイ
ヤモンドから成る光学用窓材の斜視図を第1図に示す。
〔作用〕
上述の如く構成することにより、得られたフィルム状
ダイヤモンドから成る光学用窓材は、そのダイヤモンド
合成のために採用した気相合成法の成膜可能面積に応じ
て、直径3〜10cm程度までの面積拡大化が可能となり、
従来のダイヤモンド結晶をスライシング加工する方法に
較べて、はるかに大面積化が可能で、しかも安価に製造
することができる。
また、基板材の外周部分を窓枠状に残存せしめたこと
により、これが、フィルム状ダイヤモンドの反りの発生
を抑制し、しかも補強材として作用するため、装置類へ
取付ける際の破損を防止できるという点も、本発明の極
めて重要な点である。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図(A)に示す様に、厚さ500μmのSi基板材1
を用意し、この基板材の表面をH2SO4+H2O2の混酸溶液
中で充分に洗浄した後、マイクロ波プラズマCVD法によ
り、CH4+H2の混合ガス中でSi基板材上に厚さ20μmの
フィルム状ダイヤモンド2を析出させる。
フィルム状ダイヤモンドの気相合成法としては、前述
した様にその他の気相法を用いても良く、又、基板材も
他の材質例えば金属,セラミックス等を用いても良い。
次に、フィルム状ダイヤモンドを析出させたSi基板材
を、加熱溶融させたパラフィン中に浸漬して引き上げ、
該基板材をパラフィンから成るレジスト膜3で被覆する
第2図(B)。
その後、このパラフィンから成るレジスト膜の中央部
分のみを、カッターナイフ等で削り取り、Si基板材の中
央部分を露出させる第2図(C)。
次に、HF+HNO3の混酸溶液(混合比1:3)中に30分間
浸漬して、Si基板材の露出した中央部分のみを溶解除去
し、フィルム状ダイヤモンドを露出させる第2図
(D)。
その後、トリクレン又はクロロホルム中に1時間浸漬
して、パラフィンから成るレジスト膜を溶解除去するこ
とにより、第1図の様に、中央部分はフィルム状ダイヤ
モンド単層から成り、外周部分はSi基板材が窓枠状に残
存した構造から成るフィルム状ダイヤモンド製光学用窓
材を得る。
得られたフィルム状ダイヤモンド製光学用窓材は、マ
イクロ波プラズマCVD法の成膜可能最大面積である直径1
0cm程度のものまで製造が可能である。しかも、ダイヤ
モンド結晶をスライシング加工する従来法に較べて原料
費、製造コストともに安価であることはいうまでもな
い。
又、基板材の外周部分を窓枠状に残存せしめてあるた
め、これがフィルム状ダイヤモンドの反りの発生を抑制
し、しかも、補強材として作用するため、装置類へ取付
ける際の破損も防止することができる。
又、当然ながらレジスト膜の形成方法としては、フォ
トレジストを用いても良く、Si基板材露出部分の除去方
法としては、化学的溶解だけでなく、酸素雰囲気プラズ
マエッチングやArスパッタリング等の物理的エッチング
法を用いても良い。
〔発明の効果〕
上述の如く、本発明によれば、ダイヤモンドから成る
光学用窓材の大面積化が可能で、製造コストも低減で
き、しかも、反りの発生を防ぎ且つ、装置類への取付け
の際の破損も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明によるフィルム状ダイヤモンドから成
る光学用窓材の斜視図、第2図(A)から(D)は本発
明の製造工程の説明斜視図である。 1……Si基板材 2……フィルム状ダイヤモンド 3……パラフィンから成るレジスト膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板材とダイヤモンドからなる光学用窓材
    において、 基板材が窓枠状であり、前記基板材の一方の面にフィル
    ム状ダイヤモンドを有することを特徴とする光学用窓
    材。
  2. 【請求項2】基板材とダイヤモンドからなる光学用窓材
    の製造方法において、 基板材に気相合成法によりフィルム状ダイヤモンドを形
    成した後、 前記基板材の一部をエッチングにより除去することを特
    徴とする光学用窓材の製造方法。
JP62017562A 1987-01-28 1987-01-28 光学用窓材及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2588397B2 (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6132425A (ja) * 1984-07-24 1986-02-15 Nec Corp X線露光マスク

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6132425A (ja) * 1984-07-24 1986-02-15 Nec Corp X線露光マスク

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