JP2588061B2 - 強磁性と超伝導性とをもつLaBa2Cu3O7―y系強磁性超伝導材料及びLa―Ba―Ca―Cu―O系強磁性超伝導材料、その製造方法並びにLa―Ba―Cu―O系強磁性材料 - Google Patents

強磁性と超伝導性とをもつLaBa2Cu3O7―y系強磁性超伝導材料及びLa―Ba―Ca―Cu―O系強磁性超伝導材料、その製造方法並びにLa―Ba―Cu―O系強磁性材料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本第1発明及び本第2発明は、La-Ba-Cu-O系化合物か
らなり、6K以下の低温において磁性転移して強磁性体と
なる新規な強磁性材料に関する。
また、本第3〜7発明は、本第1発明の新規な強磁性
材料を含有する強磁性超伝導材料に関する。詳しくは、
比較的高い臨界温度Tc(特許請求の範囲に記載の「温度
T1」に相当する。)をもつ超伝導材料であるLaBa2Cu3O
7-y化合物又はこれにCaを所定量かつ所定割合にて含むL
a-Ba-Ca-Cu-O系化合物と、この臨界温度Tcよりも低い温
度T2において強磁性に磁性転移する新規な強磁性材料で
あるLa-Ba-Cu-O系化合物とからなり、上記温度T2以下の
温度で強磁性及び超伝導性の双方の性質を同時に示す強
磁性超伝導材料に関する。
そして、本第8発明及び本第9発明は、それぞれ本第
3発明及び本第5発明の強磁性超伝導材料の製造方法に
関する。
本第3〜7発明の強磁性超伝導材料は、超伝導性をも
つことから、超電導磁石、超電導デバイス、超伝導を用
いた電力貯蔵又は輸送関連技術等に利用される。更に、
この強磁性超伝導材料は、超伝導性と強磁性とを同時に
示すことから、磁性体と超伝導体からなるデバイス、低
温での磁性転移を利用した新製品等に利用される。ま
た、本第1発明及び本第2発明の強磁性材料は磁気バブ
ル等に利用される。
更に、本発明は、La-Ba-Cu-O系の強磁性体とこれと同
系統の超電導体とを組み合わせてミリ波、サブミリ波帯
ヘテロダインミキサー等として用いられる。これは強磁
性体をバリアとしたトンネル素子で準粒子電流のみを用
いる素子であり、ジョセフソン電流に由来する雑音の問
題を解決した超低雑音の準粒子ミキサー、更にこの強磁
性体を転移温度以上で常磁性体として利用するもの等に
応用される。
尚、本明細書中において「強磁性超伝導材料」とは、
所定の温度範囲において強磁性と超伝導性との「双方の
性質を同時に」示す材料をいう。即ち、ある温度範囲で
は超伝導性のみを示し強磁性を示さず他の温度範囲では
強磁性のみを示し超伝導性を示さない材料であって、強
磁性と超伝導性との双方の性質を同時に示す温度範囲を
もたない材料は、本明細書中における「強磁性超伝導材
料」とは区別される。
(従来の技術) 近年、常伝導状態から超伝導状態に転移する臨界温度
が極めて高い酸化物系の超伝導物質が次々と開発されつ
つある。このうち、YBa2Cu3O7-y又はLaBa2Cu3O7-y等が
知られている(特開昭63-230565号公報、同63-222067号
公報等)。
この後者のものとしては、前記組成式におけるyが約
0.15〜−0.2(7−y=Yが6.85〜7.2)の比較的酸素濃
度が高いものが知られている(E.Takayama-Muromachi,
Y.Uchida,A.Fujimori and K.Kato,「Jpn.J.Appl.Phys.2
7 L223(1988)」。そして、この製造方法は、空気中で
仮焼し、空気中又は酸素中で焼成するものである(前記
と同公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記製造方法によれば、前記のような酸素濃度の高い
LaBa2Cu3O7-y化合物が製造される。このものは約90Kの
高臨界温度を有する超伝導物質である。しかし、この化
合物のみでは、超伝導性を示すが強磁性を示さない。
また、前記のような酸素濃度の高いLaBa2Cu3O7-y化合
物の製造において、YBa2Cu3O7-y化合物とは異なりLaBa2
Cu3O7-y系は固溶体を作り易いので、従来の製造方法に
よると単相の超伝導性を示す斜方晶構造を作るのが一般
に困難であり、また製造条件の制御も面倒であった。
ところで、一般に超伝導性と強磁性とは相反する性質
とされており、この両性質を同時に示すことは極めて特
異な現象である。このため、所定の温度範囲において強
磁性と超伝導性との双方の性質を同時に示す材料、即ち
「強磁性超伝導材料」は殆ど知られていないのが現状で
ある。
例えば、本発明者が知る限りにおいて、超伝導性と異
常な磁気特性を同時に示す化合物としては、以下の2つ
の化合物が知られているに過ぎない。
La2-xNaxCuO4(x=0.3、0.5)(M.A.SUBRAMANIAN,et
al,「SCIENCE」VOL 240 P.495-497,1988) この化合物は酸化物であり、約10K以下において超伝
導性と異常な磁気特性を同時に示すとされている。
HoMo6Se8(J.W.Lynn,et al,Phys.Rev.Lett.,52 133
(1984)) しかし、上記の化合物は超伝導臨界温度Tcが約30K
と著しく低いため、強磁性超伝導材料としての実用性に
欠ける。尚、上記の化合物の発見者は、この磁気特性
として「unusual magnetic proper-ties」と述べている
が、明確に「強磁性」とは言っていない。更に、この化
合物は、酸化物であるが、密封された金製チューブ内に
て3kbarという極めて高い外部圧力下で製造されたもの
である。このように極めて非実用的な製造方法を用いた
理由は、この化合物が揮散し易いNaを含むためと考えら
れる。即ち、この化合物は製造が困難であるという問題
を有する。
また、上記の化合物は、酸化物でなくセレン化物で
あるが、そのTcは5.6Kと著しく低く、磁気転移温度も0.
53Kとこれも著しく低い。従って、上記の化合物と同
様に、強磁性超伝導材料としての実用性に欠けるという
問題がある。
尚、上記と同種の化合物としては、超伝導になった
後、更に低温にするとこの超伝導が破れて強磁性に転移
するもの(HoMo6S8、ErRh4B4)も知られている(「セラ
ミックス」22(1987)No.7、P.570、「エレクトロニク
・セラミクス」、'77秋号セラミック半導体の応用特
集、P.68)。しかし、これらの化合物は強磁性と超伝導
性との両性質を同時に示すものではないので、本明細書
における「強磁性超伝導材料」には該当しない。
尚、酸化物でなくしかも超伝導性を示さないが強磁性
を示すK2CuF4化合物も知られている(k.Hirakawa and
H.lkeda,「Phys.Rev.Lett.」33 374(1974))。このK2
CuF4化合物は、強磁性を示すものの、弗素化合物であり
酸化物ではないので、実用的な性能を示すセラミックス
とはいえない。
一方、La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x化合物(0.15≦x≦
0.25)の結晶構造は、X線構造解析によって提案されて
いる(J.Solid State Chemistry 39、161-167,1981,C.M
l-CHEL et.al)。この文献には、上記化合物のX線回折
による結晶構造の概略が開示されている。
しかし、上記文献には、La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x
合物における0<x<0.15の組成範囲は開示されていな
い。また、0.15≦x≦0.25の範囲においても、酸素の欠
損位置、その他の詳しい構造、物性等は全く明示されて
いない。特に、この化合物の強磁性については一切言及
されていない。
本第1発明及び本第2発明は、低温において強磁性体
に転移する新規な強磁性材料を提供することを目的とす
る。
また、本第3〜7発明は、酸化物からなり、超伝導体
となる臨界温度Tcが高く、しかも所定の温度範囲におい
て強磁性と超伝導性との双方の性質を同時に示す強磁性
超伝導材料を提供することを目的とする。
そして、本第8発明及び本第9発明は、それぞれ本第
3発明及び本第5発明の強磁性超伝導材料を容易に製造
する方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、組成式La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0
≦x≦0.25)をもつ化合物が、低温において強磁性に転
移することを初めて見出した。そして、超伝導材料であ
るLaBa2Cu3O7-y化合物又はこれにCaを所定量かつ所定割
合にて含むLa-Ba-Ca-Cu-O系化合物と、低温において強
磁性に転移する上記化合物とからなる材料は、低温にお
いて強磁性と超伝導性との双方の性質を同時に示す強磁
性超伝導材料であることを見出して、本発明は完成した
ものである。
本第1発明及び本第2発明は、温度T1(T1<6K)を超
える温度では常磁性であり、温度T1において磁性転移す
ることにより温度T1(T1<6K)以下の低温においては強
磁性体となる、新規な強磁性材料に関する。
即ち、本第1発明のLa-Ba-Cu-O系強磁性材料は、組成
式La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x≦0.25)をもち、
温度T1(T1<6K)以下の低温で磁化率χ>1×10-3emu/
g以上の強磁性を示すことを特徴とする。
本第2発明のLa-Ba-Cu-O系強磁性材料は、組成式La
4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x<0.15)をもち、温度T
1(T1<6K)以下の低温で磁化率χ>1×10-2emu/g以上
の強磁性を示すことを特徴とする。
また、本第3〜第7発明は、本第1発明の強磁性材料
を含有する強磁性超伝導材料に関するものである。
即ち、本第3発明のLaBa2Cu3O7-y系強磁性超伝導材料
は、組成式LaBa2Cu3O7-y(y;0.2〜0.9)をもち温度T1
下の温度範囲において超伝導性を示す化合物と、組成式
La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x≦0.25)をもち、前
記温度T1より低い温度T2(T2<6K)以下の温度範囲にお
いて磁化率χ>1×10-3emu/g以上の強磁性を示す化合
物と、からなり、前記温度T2以下の低温において強磁性
及び超伝導性の双方の性質を同時に示すことを特徴とす
る。
本第4発明のLaBa2Cu3O7-y系強磁性超伝導材料は、組
成式LaBa2Cu3O7-y(y;0.2〜0.9)をもち温度T1以下の温
度範囲において超伝導性を示す化合物をマトリックスと
する単相の斜方晶であって、前記マトリックス中に組成
式La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x≦0.25)をもち前
記温度T1より低い温度T2(T2<6K)以下の温度範囲にお
いて磁化率χ>1×10-3emu/g以上の強磁性を示す化合
物が分散され、前記温度T2以下の低温において強磁性及
び超伝導性の双方の性質を同時に示すことを特徴とす
る。
尚、本第3発明及び本第4発明としては、前記組成式
におけるyを0.45〜0.6とすることにより、強磁性及び
超伝導性とを同時に且つ明らかに示す強磁性超伝導材料
が得られる。また、y=0.2〜0.45の範囲では少なくと
も明らかに超伝導性を示す材料とすることができ、y=
0.6〜0.8の範囲では少なくとも明らかに強磁性を示す材
料とすることができる。ここで、「少なくとも明らか
に」とは、現在では一方の性質のみを確認しているが、
他方の性質が共存する可能性を全く否定出来ないという
意味である。これは、特に磁化率の測定においては超伝
導性の場合と強磁性の場合が相殺し合うので、その判断
が極めて困難な場合があるためである。特に、yが0.6
を超えると超伝導性が損なわれる恐れがあるので、y=
0.2〜0.6の範囲とすることが好ましい。
本第5発明のLa-Ba-Ca-Cu-O系強磁性超伝導材料は、
組成式LaBa2Cu3O7-y・(Ca1Cu0.5O1.5)z (y;0.45〜0.
6、z;0を超えて0.05以下)をもち温度T1以下の温度範囲
において超伝導性を示す化合物と、組成式La4-2xBa2+2x
Cu2-xO10-2x(0≦x≦0.25)をもち、前記温度T1より
低い温度T2(T2<6K)以下の温度範囲において磁化率χ
>1×10-3emu/g以上の強磁性を示す化合物と、からな
り、前記温度T2以下の低温において強磁性及び超伝導性
の双方の性質を同時に示すことを特徴とする。
本第6発明のLa-Ba-Ca-Cu-O系強磁性超伝導材料は、
組成式LaBa2Cu3O7-y・(Ca1Cu0.5O1.5)z (y;0.45〜0.
6、z;0を超えて0.05以下)をもち温度T1以下の温度範囲
において超伝導性を示す化合物をマトリックスとする単
相の斜方晶であって、前記マトリックス中に組成式La
4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x≦0.25)をもち前記温
度T1より低い温度T2(T2<6K)以下の温度範囲において
磁化率χ>1×10-3emu/g以上の強磁性を示す化合物が
分散され、前記温度T2以下の低温において強磁性及び超
伝導性の双方の性質を同時に示すことを特徴とする。
そして、本第7発明の強磁性超伝導材料は、請求項1
から6のいずれか一項記載の強磁性超伝導材料であっ
て、この強磁性超伝導材料中における前記強磁性を示す
化合物の組成割合は100ppm〜8重量%であることを特徴
とする。これは、前記強磁性を示す化合物の割合が100p
pm未満であると本発明の強磁性超伝導材料において充分
な磁化率が得られない恐れがあり、またこの割合が8重
量%を超えると充分な超伝導性が得られなくなる恐れが
あるためである。
本第3〜第7発明に係わる強磁性超伝導材料を製造す
る方法は、前記組成と性質を有する材料が得られる方法
であれば特に限定されないが、一般には第8発明及び第
9発明に係わる製造方法が適用される。
即ち、第8発明の製造方法は、前記第3発明に係わる
強磁性超伝導材料の製造方法であって、Laの酸化物、炭
酸塩、硝酸塩等の加熱してLa2O3となるLa系原料粉末、B
aの酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の加熱してBaOとなるBa系
原料粉末、及びCuの酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の加熱し
てCuOとなるCu系原料粉末を所定量混合し、これを非酸
化雰囲気中において800〜980℃で焼成することを特徴と
する。
第9発明の製造方法は、前記第5発明に係わる強磁性
超伝導材料の製造方法であり、前記第8発明にて用いら
れる各原料粉末に加えて、Caの酸化物、炭酸塩、硝酸塩
等の加熱してCaOとなるCa系原料粉末を所定量混合し、
これを非酸化雰囲気中において800〜980℃で焼成するこ
とを特徴とする。
ここで、「非酸化雰囲気」とは、窒素、不活性ガス、
この混合ガス等の不活性雰囲気、又はこれらに水素等を
含む還元雰囲気でもよいし、減圧若しくは真空にした減
圧雰囲気でもよい。前記「粉砕」は通常冷却した後実施
するが、これに限らず冷却せずにそのままの温度で粉砕
することもできる。この「焼成」は、窒素雰囲気下で実
施すること以外は、各原料粉末が反応する条件であれば
よい。その加熱パターンも、やや低めの温度で加熱する
予備焼成とその後更に高温で加熱する本焼成の2段焼成
でもよいし、そのうちの一方の一段焼成でもよい。
上記第8発明及び第9発明の製造方法において、前記
焼成温度を800〜980℃とするのは、焼成温度が800℃未
満では各原料物質が十分に反応せず、焼成温度が980℃
を超えると部分的に液相となり目的とする結晶構造が得
られにくいからである。
尚、本発明は、以下のようにして完成されたものであ
る。
即ち、本発明者は、LaBa2Cu3O7-y系超電導物質を鋭意
研究したところ、後述する実施例1及び2に示すよう
に、還元雰囲気中で焼成した組成式LaBa2Cu3O7-y(y;0.
2〜0.9)をもつ化合物が、組成によっては、即ち、強磁
性化合物と超伝導性化合物との組成割合によっては、強
磁性及び超電導性の双方の性質を同時に示しうることを
見出した。特に、yが0.45〜0.6であり所定条件下で製
造された焼成体は、強磁性及び超電導性を同時に示す強
磁性超伝導材料となることが明らかに認められた。
この焼結体は、第2図(B)に示すX線回折パターン
等から判るように、若干のBaCuO2及びLa4Ba2Cu2O10を含
むもののほぼ単相の斜方晶であった。尚、前記BaCuO
2は、X線回折の結果、常磁性を示した。
また、第3図に示す磁化率の温度依存性によれば、こ
の焼結体のTc(臨界転移温度)は88Kであり、この温度
以下では超電導性を示すが、更に温度を下げていくと約
6Kで磁化率が急上昇し、正に発散し、この温度以下では
強磁性的挙動を示した。しかも、この強磁性的挙動を示
す温度においても超伝導性は保たれていた。
ここで、磁性が全てのCuイオンによってもたらされる
と仮定した場合、この化合物の常磁性領域の有効磁気モ
ーメントは0.49μB/Cu、ヒステリシスより求めた飽和磁
気モーメントは、0.11μB/Cuであった。また、比熱は、
第7図に示すように、約5Kでピークを示し強磁性の存在
を示唆した。
一方、La-Ba-Cu-O系では、LaとBaが固溶しやすいため
に、焼成条件次第でLa4Ba1Cu5O13、La3Ba3Cu6O14、La4B
a2Cu2O10が生成されることが報告されている(J.Solid
State Chemistry 37,151(1981),L.Er-Rahko et al.,
J.Solid State Chemistry 39,164(1981),C.Michel et
al.and J.Solid State Chemistry68,143(1987),C.Mi
chel et al.)。また、He雰囲気中で焼成したLaBa2Cu3O
7-yが、La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2xとBaCu2.5Oxに分解す
ることも報告されている(J.Mater.Res.4,1111(198
9),Ghandehari et al.)。
従って、前記LaBa2Cu3O7-y化合物中にも、X線回折パ
ターンでは確認されなかったものの、この様なLa-Ba-Cu
-Oの異相が、ごく微量含まれている可能性もあるので、
SEM、EPMAを用いて、微小領域の異相の確認とその相の
元素比の同定を行った。その結果、LaBa2Cu3O7-yの他
に、BaCuO2、La4Ba2Cu2O10といった相が存在していた。
これらの相のうちのどれが強磁性を担っているかを調
べるため、磁気的異常のみられる前記LaBa2Cu3O7-yの製
作条件と同じ条件で試料を作製し、磁化率を調べた所、
La4Ba2Cu2O10のみが強磁性を示し、他はそれを示さなか
った。
次に、別途La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x化合物を製作
し、その磁気特性を調べたところ、この化合物が約6K以
下の低温において強磁性を示すことが判った。これは本
発明者らによって初めて見出された性質である。
本発明は、上記La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x化合物の有
する上記の性質を発見することにより完成されたもので
ある。即ち、本第1発明及び本第2発明は、上記La4-2x
Ba2+2xCu2-xO10-2x化合物からなる新規な「強磁性材
料」に関するものである。また、本第3〜9発明は、上
記La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x化合物を含むことにより、
強磁性及び超伝導性の双方の性質を同時に示す新規な
「強磁性超伝導材料」及びその製造方法に関するもので
ある。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 本実施例は、LaBa2Cu3O7-y(y;0.45等)化合物からな
る強磁性超伝導材料について検討したものである。
まず、y=0.45の強磁性超伝導材料について説明す
る。
(1)製造方法 La2O3粉末、BaO粉末及びCuO粉末の所定量を混合す
る。尚、BaO粉末を除いては純度99.9%であり、更にLa2
O3は吸湿性が強いので、910℃で10時間予備加熱したも
のを用いた。密閉型の炉を用いて、この混合物を窒素雰
囲気下、900℃、10時間焼成(予備焼成)して予備焼結
体を得た。この予備焼結体を冷却してその後粉砕し、45
μmパスの微粉末を調製した。これを用いて、1.5×108
Paの加圧下において、15mmφ×1mm(厚さ)の円板状サ
ンプルを製作した。
これを、第1図に示すように、窒素雰囲気(窒素分圧
1.17〜1.20Kg/cm2)下、200℃/時間の昇温速度にて940
℃に昇温し、この温度で10時間本焼成することにより本
焼結体を得た。その後60℃/時間の降温速度にて300℃
まで冷却させた。尚、940℃から860℃までは前記窒素雰
囲気下で行い、それ以下は酸素雰囲気(酸素分圧1.17〜
1.20Kg/cm2)下で行った。この焼結体を乾燥された酸素
雰囲気下にて300℃、10〜16時間アニールした。尚、こ
の酸素の乾燥は、乾燥剤としてのモレキュラシーブを通
過させて行った。
前記焼結体の結晶構造、臨界温度Tc、磁化率、磁化ヒ
ステリシス曲線、電気抵抗、比熱及び予備焼結体の結晶
構造を測定した。尚、結晶構造はモノクロマタイズドCu
-Kα線を用いたX線回折により測定した。電気抵抗は通
常の4点法によった。磁化率はSQUIDマグネットメータ
によった酸素濃度は、Heガス中でサンプルを溶融させ酸
素をカーボンと反応させてCOを発生させ、この量を赤外
線スペクトロメータにて測定して求めた。測定値は3回
以上の平均値とした。
(2)結晶構造の検討 まず、前記予備焼成粉末の結晶構造をX線回折により
測定した。これは、第2図(A)に示すように、LaBa2C
u3O7-yの単相の正方晶形を示した。
次に、前記本焼結体の結晶構造を同様に測定したとこ
ろ、同図(B)に示すように、ほぼ単相の斜方晶であっ
た。尚、僅かの不純物としては、BaCuO2が検出された。
更に、このBaCuO2以外の不純物の有無について、後述す
る実施例3に述べるように検討したところ、他の不純物
としてLa4Ba2Cu2O10が検出され、しかもこの化合物が強
磁性を示すことが確認された。従って、この焼結体のも
つ強磁性は、上記La4Ba2Cu2O10不純物に起因すると考え
られる。
また、例えば、40〜50度(2θ)に現れる正方晶形の
パターンが、同図(B)に示すようにスプリットパター
ンに変化し、これが斜方晶形の証拠となっている。これ
は、多分、a軸に沿ったCu間に位置する、部分的に酸素
が欠損している部分から酸素原子が放出されたことによ
り、a軸とb軸の長さが異なることに起因するものと考
えられる。更に、磁性不純物は、X線蛍光分析によれ
ば、一応、全ての焼結体において数100ppm以下と考えら
れる。
以上より、本焼結体は、ほぼ単一の斜方晶形を示して
いることが判る。
(3)磁気特性の検討 まず、DC磁化率χと温度の関係を第3図に示す。50 O
eの外部磁場をサンプルに印加しつつ冷却した場合(F
C)と、印加せずに冷却した場合(ZFC)の結果を示す。
この図に示す超伝導転移点の90Kは従来の報告値よりは
若干低い。また同図中のFCデータから計算すると、超伝
導相の容積部分は10Kで約6%である。また同図に示す
ように、5K以下において、磁化率は急に立ち上がり正に
なるという強磁性を示すことは注目に値する。これは、
従来の超伝導物質の挙動と比べると全く異常である。
次に、Tc点(臨界温度)以上での1/χとTcとの関係を
第4図に示す。キューリー−ワイス式によりθを求める
と30Kとなり、モーメントPeffは0.49μB/Cuとなる。こ
のPeff値は、YBa2Cu3O7-yの値0.2〜0.3と比べて大き
く、この大きな値は異常である。
更に、5Kでの磁化ヒステリシス曲線も、第5図に示す
ように異常である。即ち、磁化転移温度(5K)以下で
は、このヒステリシス曲線は超伝導性の曲線と強磁性の
曲線との重なりを示す。計算された飽和磁気モーメント
μsは約0.11μBである。このμsとPeffとの相違はCu
の3d軌道の電子の性質に関係があると考えられる。
以上より、5K以下の低温においては、第3図〜第5図
に示すように、異常な磁気特性を示し、従来では考えら
れない強磁性を示していることが判る。
(4)抵抗の検討 温度と抵抗の関係を第6図に示す。この図によれば、
約90K(Tc on)にて抵抗が急激に低下し始め、83K(Tc
end)にて抵抗が0に達する。そして、強磁性に転移す
るとともに超伝導性が破れる従来の化合物とは異なり、
実施例1の焼結体は約5Kの磁気転移温度以下においても
抵抗が現れず依然として0である。即ち、この焼結体
は、この磁気転移温度以下において強磁性を示すにも拘
らず超伝導性を失っていないという極めて特異な性質を
示している。
以上より、本焼結体は約83〜90Kという高いTcをもつ
とともに、約5K以下において強磁性と超伝導性との双方
の性質を同時に示す「強磁性超伝導材料」であることが
判る。
(5)比熱の検討 更に、異常磁性を確認するために、Yが6.55の前記焼
結体において、6K以下での低温での比熱を調べた所、第
7図に示すように、4〜5Kにおいて異常を示した。この
ことは、5K以下において強磁性転移が起こっていること
を示している。
(6)酸素濃度の影響 和田等は、Tc、マイスナー容積、酸素濃度と窒素下で
の焼成時間の関係を研究している。これによれば、焼成
時間が増加すれば、Tc及びマイスナー容積部は増大し、
一方、酸素濃度(Y)は7.24から6.95に減少する。空気
中の仮焼サンプルと1時間の焼成サンプルでは、各々の
酸素濃度は7.40と7.24であり、大きい(このデータは未
公表であり、「J.Am.Ceram.S.」に投稿中である。)。
これは、トリペロブスカイト構造の空いたサイトに過剰
の酸素が充填されると考えられる。
一方、本実施例では、更に、y=0.45(即ち、Y=6.
55)である前記焼結体の他に、酸素濃度(Y)が、各
々、6.41、6.67、6.72の各焼結体(化合物)を製造し
た。尚、各焼結体の製造方法は、Yが6.41のものについ
ては実質上それが6.55のものと同様であり、Yが6.67の
ものは同条件の前記予備焼成を2回行った点、Yが6.72
のものは本焼成を980℃において10時間行った点以外は
Yが6.55のものと同様である。
Yが6.41(即ち、yが0.59)の焼結体について、温度
と磁化率についてのデータを第10図(ZFCの場合)、第1
1図(FCの場合)に示した。この結果によれば、この焼
結体のTcは約90K、磁気転移温度は4〜5Kであり、前記
焼結体とほぼ同様の性質を示した。即ち、この磁気転移
温度以下の温度範囲では、強磁性及び超伝導性の双方の
性質を同時に示すことが明らかに認められた。
また、Yが6.67(即ち、yが0.33)の焼結体につい
て、温度と磁化率についてのデータを第12図に示した。
この結果によれば、この焼結体のTcは約90Kであり、超
伝導性を示すことは明らかである。また、異常磁性の転
移温度を約5〜6Kに示す。但し、強磁性を示すか否かは
必ずしも明確ではない。
更に、Yが6.72(即ち、yが0.28)の焼結体につい
て、温度と磁化率についてのデータを第13図に示した。
この結果によれば、この焼結体のTcは約80Kであり、超
伝導性を示すことは明らかである。しかし、異常磁性に
ついては、前記のような転移を示さないので強磁性を示
すことを十分に確認できなかった。
前記Yが6.55である本発明の焼結体、及びYが7.25の
比較例焼結体について、100K以下のDC磁化率と温度との
関係を第8図に示す。図中、(A)曲線はYが6.55の焼
結体を示し、(B)曲線はYが7.25の比較例焼結体を示
す。尚、これらの焼結体は、空気中での予備焼成、窒素
中での本焼成、酸素中でのアニールにより製造した。
第8図から判るように、酸素濃度Yが7.25と大きい比
較例焼結体では、低温における異常な磁気特性を示さな
かった。一方、Yが6.55である本発明の焼結体では、5K
以下では磁化率の値が立ち上がり正になっており、異常
な性質を示している。
以上のように、酸素濃度の減少に伴い異常な磁気特性
が生じ、しかも低酸素濃度にもかかわらず、約90K以下
という高温にて超伝導を示す。従って、この焼成(例え
ば予備焼成と本焼成)の工程の相違が酸素濃度、超伝導
性及び磁気特性に重要な相違をもたらすと考えられる。
また、前記と同様にしてYが6.58(即ち、yが0.42)
と6.94(即ち、yが0.06)の化合物を製造して、その各
結合エネルギーと強度を測定し、その結果を第9図に示
した。この図から判るように、酸素の欠損に伴い933及
び953eVの各ピークが右にややシフトしており、また944
eVのサテライトピークがほぼ消滅している。これは、酸
素の欠損がCu2pXPS(X ray Photo Emition Spectroscop
y)スペクトルに影響を及ぼしたと考えられ、そのため
僅かなCu+1の存在を示唆している。
実施例2 本実施例は、LaBa2Cu3O7-y・(Ca1Cu0.5O1.5)z (y;
0.45〜0.6、z;0を超えて0.5以下)をもつ化合物につい
て検討したものである。
以下については、特に、yが0.45(Yが6.55)で、z
が0.02、0.05、0.1、0.2、0.5の各化合物を、Ca成分の
原料粉末としてCaCO3粉末を用いて製造すること以外
は、前記実施例1と同様にして製造した。
この各化合物について、100K以下の温度と磁化率との
関係を第14図に示した。尚、比較例としてCaを含まない
実施例1化合物をも併記した。この結果によれば、zが
0.02と0.05の場合は、実施例1化合物と同様に、約90K
のTcをもつ超伝導性を示すと同時に、約10K以下におい
て磁化率が急激に立ち上がり、強磁性と超伝導性とを同
時に示した。一方、zが0.1以上では、明らかに高温超
伝導性は示すが、磁気転移がないか、又はほとんどな
く、強磁性は示さないと考えられる。
以上より、Caを少量(0<z≦0.05)含む化合物も、
Caを含まない前記化合物と同様に、極低温では両性質を
同時に示す強磁性超伝導材料であることが判った。ま
た、これよりもややCa組成量が多い化合物は、少なくと
も明らかに超伝導性を示した。また、いずれの化合物
も、窒素雰囲気下で焼成することにより容易に製造する
ことができた。
尚、前記Caの組成量は、ピン止め効果の大きなCa2Cu1
O3組成割合をもつので、輸送臨界電流密度が大きいと考
えられる。従って、実施例2のようにCaを含む強磁性超
伝導材料とすることにより、実施例1のようにCaを含ま
ないものに比べて輸送臨界電流密度が大きくなるという
利点がある。
実施例3 (1)作製されたLaBa2Cu3O7-y化合物中の強磁性化合物
(不純物)の検討 前記実施例1及び2にて作製され、前記のように低温
において超電導性及び強磁性の双方の性質を同時に示す
斬新なLaBa2Cu3O7-y系強磁性超伝導材料について、この
ような特異な性質を示すのは材料中に強磁性を示す化合
物が含まれているためではないかと考え、更に鋭意研究
した。即ち、X線回折パターンでは確認されないもの
の、このLaBa2Cu3O7-y化合物中にもLa-Ba-Cu-Oの異相が
極微量に含まれている可能性もあるので、SEM、EPMAを
用いて、微小領域の異相の確認とその相の元素比の同定
を詳細に行った。尚、微小領域の組織観察はSEMにて、
元素比の同定はEPMAにて行った。
その結果、先に作製したLaBa2Cu3O7-y化合物中にはLa
Ba2Cu3O7-y組成の化合物の他に、BaCuO2(これは前記実
施例にて確認済み)、La4Ba2Cu2O10といった相が存在し
ていた。
これらの相のうちのどれが強磁性を担っているかを調
べるため、磁気的異常のみられる前記LaBa2Cu3O7-yの製
作条件と同じ条件で試料を作製し、磁化率を調べた。そ
の結果、La4Ba2Cu2O10のみが強磁性を示し、他のBaCuO2
はそれを示さなかった。
更に、前記実施例にてLaBa2Cu3O7-y系物質を作製した
焼成条件を変化させて(例えば、還元雰囲気下で焼結温
度を変化させる)意図的にLa4Ba2Cu2O10を多く生成させ
たLaBa2Cu3O7-y系物質を作製し、焼成条件が強磁性の程
度に及ぼす影響を調べた。その結果、第20図に示すよう
に、940℃から970℃に焼結温度を上げることにより強磁
性の程度が上昇することが判った。そして、これらの化
合物のX線回折のLa4Ba2Cu2O10ピーク強度と強磁性磁化
率の大きさの関係について調べたところ、両者の間には
明らかに正の相関があった。
それにもかかわらず、前記実施例のX線回折におい
て、La4Ba2Cu2O10のピークが検出されなかったのは、
そのピークがBaCuO2のピークとほぼ重なってしまったこ
と、その量が微量のため、バックグランドに隠れてし
まったこと等のためと考えられる。
以上のことより、 La4Ba2Cu2O10化合物が低温において強磁性を示す強磁
性材料であること、前記製造されたLaBa2Cu3O7-y系物
質の強磁性挙動の原因は、その中にわずかに(数100ppm
から数%程度)含まれていたLa4Ba2Cu2O10であると考え
られること、が明らかにいえる。
尚、LaBa2Cu3O7-y化合物中に上記La4Ba2Cu2O10化合物
が数100ppmから数%(例えば5〜8%程度)含有される
ことにより強磁性超伝導材料となることは明らかである
が、このLa4Ba2Cu2O10化合物の含有量が更に多い場合、
例えば数10%程度(例えば30〜50%程度)の場合であっ
ても、この化合物が超伝導成分の中にほぼ均一に分散さ
れていれば、両性能を同時に示す強磁性超伝導材料とな
ることが十二分に考えられる。
(2)La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x化合物の製作 La2O3粉末、BaO粉末及びCuO粉末をそれぞれの化学量
論組成比で混合する。尚、試験例No.1はx=0、No.2は
x=0.25のものである。尚、BaO粉末を除いては純度が9
9.9%であり、更にLa2O3は吸湿性が強いので、900℃で1
0時間予備加熱したものを用いた。
その後、密閉型の炉を用いて、この混合物を窒素雰囲
気下、900℃、10時間焼成(予備焼成)した。この焼成
物を冷却してその後粉砕し、45μmパスの微粉末を調製
した。尚、No.2の場合は、空気中で900℃、10時間予備
焼成した。これを用いて、1.5×108Paの加圧下におい
て、15mmφ×1mm(厚さ)の各円板状サンプルを製作し
た。
これを、第1図に示すように、窒素雰囲気(窒素分圧
1.17〜1.20Kg/cm2)下、200℃/時間の昇温速度にて940
℃に昇温し、この温度で10時間本焼成した。その後60℃
/時間の降温速度にて300℃まで冷却させた。尚、940℃
から860℃までは前記窒素雰囲気下で行い、それ以下は
酸素雰囲気(酸素分圧1.17〜1.20Kg/cm2)下で行った。
この焼結体を乾燥された酸素雰囲気下にて300℃、10時
間アニールした。尚、この酸素の乾燥は、乾燥剤として
のモレキュラシーブを通過させて行った。
また、前記の予備焼成又は本焼成の雰囲気を、他の雰
囲気(真空雰囲気、酸化雰囲気等)にしても同様の単相
の化合物を得ることができる。
前記各焼結体の結晶構造、磁化率、微小領域の組織観
察、元素比を測定した。尚、結晶構造はモノクロマタイ
ズドCu-Kα線を用いたX線回折により測定した。磁化率
はSQUIDマグネットメータによった。測定値は3回以上
の平均値とした。
(3)結晶構造の検討 x=0の場合の焼結体No.1のX線回折を第17図、x=
0.25の場合(No.2)を第19図に示す。いずれも、所定の
組成比の単相を示し、他の異相は第17図の(イ)のピー
ク以外は認められなかった。この(イ)のピークの帰属
については、今のところ不明である。
(4)磁気特性の検討 まず、DC磁化率χと温度の関係について、x=0の場
合(No.1)を第15図、x=0.25の場合(No.2)を第18図
に示す。いずれも、50 Oeの外部磁場をサンプルに印加
しつつ冷却した場合(FC)の結果を示す。また、いずれ
も100K以下の温度範囲にて測定し、第15図は約10〜15K
以上においてはベース線(0線)と重なっているが、実
際には20K以下は第18図のようなグラフとなる。一方、
第18図は20K以下のグラフであるが、100K以下について
も測定した所、第15図のようなグラフとなった。
x=0の場合(No.1)には、6K以下において磁化率が
大きく正に発散した。この磁化率の大きさは、LaBa2Cu3
O7-yとLa4Ba2Cu2O10とを含む前記強磁性超伝導材料の磁
化率に比べて約10倍であった。また、第16図の外部磁場
Hと磁化Mの関係(4.5K)に示すように、磁場0にて急
な立ち上がりを示し、この化合物が低温において強磁性
を示すことが判る。常磁性領域のCurie-Weissプロット
より求めた有効磁気モーメントは1.66μB/Cu、ヒステリ
シスより求めた飽和磁化は0.95μB/Cuであり、ほとんど
全てのスピン1/2のCu2+イオンが局在型の強磁性に関与
しているとして説明できる。
また、x=0.25の場合(No.2)においても、第18図に
示すように、約5〜6K以下で磁化率が大きく正に発散
し、No.1と同様に強磁性を示すが、その大きさはNo.1の
約1/10と小さかった。
変形例 尚、本発明においては、上記具体的実施例に示すもの
に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々
変更した実施例とすることができる。即ち、使用原料は
酸化物又は加熱により酸化物となるものであればよく、
前記酸化物に限定されない。これは十分に微細化、混合
化したものが好ましい。粉砕は、不純物が混入しない材
質のボール等を用いるのが好ましい。
前記焼成は、1回の焼成でもよいし、予備焼成(仮
焼)及びその後の本焼成を含む2段焼成等でもよい。ま
た、その焼成(仮焼、本焼成を含む)の温度は、所定の
温度範囲内において選択され、通常は940〜1000℃にて
行われる。更に、その温度のパターンは前記の場合に限
定されず、例えば昇温速度、降温速度も前記以外とする
ことができる。前記焼成雰囲気、更にはアニーリング
(熱処理)の雰囲気も特に限定されず、酸化雰囲気、減
圧雰囲気、還元雰囲気を問わない。使用する還元雰囲
気、酸化雰囲気についても、その酸素分圧を種々設定で
きる。
尚、降温時又はアニーリング時においては、酸化雰囲
気とするのが好ましい場合が多い。即ち、本焼成の後工
程において何らかの酸素付与条件で実施するのが好まし
い。使用する窒素雰囲気、酸化雰囲気についても、その
窒素分圧、酸素分圧も種々設定できる。また、仮焼時
間、焼成時間、雰囲気を変える場合のその変える温度等
も前記以外とすることができる。更に、第5発明及び第
6発明の化合物においては、前記組成に限らず、即ちCa
2CuO3の組成割合でCaを配合しなくてもよく、例えば、C
aの組成割合がBaの2に対して0.05以下であるもので
も、同効果が得られるものと考えられる。
〔発明の効果〕
本第1発明及び本第2発明のLa4-2xBa2+2xCu2-xO
10-2x化合物からなる強磁性材料は、セラミックス銅酸
化物としては初めて強磁性を示す(低温で強磁性に転移
する)ことが見出されたLa4-2xBa2+2xCu2-xO10-2xから
なる材料である。特に、0≦x<0.15である本第2発明
のLa4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x化合物は全く新規な強磁性
材料である。しかも、x=0.25の場合に比べてx=0の
場合には磁化率が著しく大きいことから、0≦x<0.15
の範囲では特に高い磁化率が得られると考えられるため
極めて有用な材料である。尚、このうち、特にx=0の
化合物は最も強磁性が大きいと考えられ、更に一層有用
な強磁性材料である。
更に、本第1発明及び本第2発明の強磁性材料は銅酸
化物のセラミックスであるため、成形して焼結させるこ
とにより強磁性という機能のみならず所望の強度等の機
械的特性等を有する所定形状の焼結体とすることができ
るので、実用上極めて大きな効果がある。
また、本第1発明及び本第2発明の強磁性材料はLa-B
a-Cu-O系化合物からなるため、その組成を変えることに
より超電導性を示す化合物とすることもできるので有用
であり、更に本第3〜第7発明に示すように強磁性化合
物と超電導化合物の混合物であって両性能を同時に示す
強磁性超伝導材料を製造することもできるので適用範囲
が広い。
本第3発明及び本第4発明のLaBa2Cu3O7-y系強磁性超
伝導材料は、比較的高い臨界温度Tcをもつ超伝導材料で
あるLaBa2Cu3O7-y化合物と、低温において強磁性を示す
新規な強磁性材料であるLa-Ba-Cu-O系化合物とからなる
ことにより、強磁性と超伝導性という相反する性質を同
時に示す「強磁性超伝導材料」として従来にない新規な
材料である。更に、この強磁性超伝導材料は、このTc点
が約80〜90Kと高い高温超伝導材料としての側面も有す
るため、液体窒素温度において超伝導材料として使用で
きるので極めて有用である。
本第5発明及び本第6発明の、Caを含むLa-Ba-Ca-Cu-
O系強磁性超伝導材料は、Caを含有しても本第3発明及
び本第4発明と同様に強磁性と超伝導性という相反する
性質を同時に示す新規な材料である。本第5発明及び本
第6発明の材料は、Ca2CuO3の組成割合となるようにCa
を配合しているので、臨界電流密度が高いと考えられ
る。
本第8発明及び本第9発明は、前記の強磁性超伝導材
料を製造する有用な方法である。本製造方法は、酸素濃
度が種々異なったLaBa2Cu3O7-y系物質又はLa-Ba-Ca-Cu-
O系化合物を容易に製造でき、しかも大量生産にも適し
た方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例における加熱条件を説明するグラフ、第
2図は実施例1に係わるLaBa2Cu3O7-y化合物のX線結果
を示すグラフ、第3図は実施例1に係わる化合物の温度
と磁化率の関係を示すグラフ、第4図は実施例1に係わ
る化合物の温度と磁化率の逆数の関係を示すグラフ、第
5図は実施例1に係わる化合物の磁化ヒステリシス曲線
を示すグラフ、第6図は実施例1に係わる化合物の温度
と抵抗の関係を示すグラフ、第7図は実施例1に係わる
LaBa2Cu3O7-y化合物の温度と比熱の関係を示すグラフ、
第8図は酸素濃度の異なるLaBa2Cu3O7-y化合物の温度と
磁化率の関係を示すグラフ、第9図はYが6.58及び6.94
における化合物のXPSスペクトルの結果を示すグラフ、
第10図はLaBa2Cu3O6.41化合物のZFCにおける温度と磁化
率の関係を示すグラフ、第11図は第10図に示す化合物の
FCにおける温度と磁化率の関係を示すグラフ、第12図は
LaBa2Cu3O6.67化合物の温度と磁化率の関係を示すグラ
フ、第13図はLaBa2Cu3O6.72化合物の温度と磁化率の関
係を示すグラフ、第14図は実施例2に係わるLa-Ba-Ca-C
u-O系化合物の温度と磁化率の関係を示すグラフ、第15
図はLa4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x化合物(x=0)の温度
と磁化率の関係を示すグラフ、第16図は第15図に示す化
合物の外部磁場と磁化の関係を示すグラフ、第17図は第
15図に示す化合物のX線回折の結果を示すグラフ、第18
図はLa4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x化合物(x=0.25)の温
度と磁化率の関係を示すグラフ、第19図は第18図に示す
化合物のX線回折の結果を示すグラフ、第20図はLaBa2C
u3O7-y系物質における磁化と温度の関係を示すグラフで
ある。
フロントページの続き (72)発明者 水野 文夫 愛知県名古屋市熱田区六野2丁目4番1 号 財団法人国際超電導産業技術研究セ ンター名古屋研究室内 (72)発明者 増田 博武 愛知県名古屋市熱田区六野2丁目4番1 号 財団法人国際超電導産業技術研究セ ンター名古屋研究室内 (72)発明者 平林 泉 愛知県名古屋市熱田区六野2丁目4番1 号 財団法人国際超電導産業技術研究セ ンター名古屋研究室内 (72)発明者 田中 昭二 愛知県名古屋市熱田区六野2丁目4番1 号 財団法人国際超電導産業技術研究セ ンター名古屋研究室内 (72)発明者 宮島 正道 愛知県名古屋市熱田区六野2丁目4番1 号 財団法人国際超電導産業技術研究セ ンター名古屋研究室内 (56)参考文献 特開 昭64−45768(JP,A) 特開 平2−153803(JP,A) 特開 平3−65509(JP,A) 特開 平3−153558(JP,A) Japanese Journal of Applied Physics Vol.28 No.7 P.1189〜 1194 粉体および粉末冶金 第34巻 第10号 P.583〜589

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成式La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x
    ≦0.25)をもち、温度T1(T1<6K)以下の低温で磁化率
    χ>1×10-3emu/g以上の強磁性を示すことを特徴とす
    るLa-Ba-Cu-O系強磁性材料。
  2. 【請求項2】組成式La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x
    ≦0.15)をもち、温度T1(T1<6K)以下の低温で磁化率
    χ>1×10-2emu/g以上の強磁性を示すことを特徴とす
    るLa-Ba-Cu-O系強磁性材料。
  3. 【請求項3】組成式LaBa2Cu3O7-y(y;0.2〜0.9)をもち
    温度T1以下の温度範囲において超伝導性を示す化合物
    と、 組成式La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x≦0.25)をも
    ち、前記温度T1より低い温度T2(T2<6K)以下の温度範
    囲において磁化率χ>1×10-3emu/g以上の強磁性を示
    す化合物と、からなり、 前記温度T2以下の低温において強磁性及び超伝導性の双
    方の性質を同時に示すことを特徴とするLaBa2Cu3O7-y
    強磁性超伝導材料。
  4. 【請求項4】組成式LaBa2Cu3O7-y(y;0.2〜0.9)をもち
    温度T1以下の温度範囲において超伝導性を示す化合物を
    マトリックスとする単相の斜方晶であって、前記マトリ
    ックス中に組成式La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x≦
    0.25)をもち前記温度T1より低い温度T2(T2<6K)以下
    の温度範囲において磁化率χ>1×10-3emu/g以上の強
    磁性を示す化合物が分散され、前記温度T2以下の低温に
    おいて強磁性及び超伝導性の双方の性質を同時に示すこ
    とを特徴とするLaBa2Cu3O7-y系強磁性超伝導材料。
  5. 【請求項5】組成式LaBa2Cu3O7-y・(Ca1Cu0.5O1.5)z
    (y;0.45〜0.6、z;0を超えて0.05以下)をもち温度T1
    下の温度範囲において超伝導性を示す化合物と、 組成式La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x≦0.25)をも
    ち、前記温度T1より低い温度T2(T2<6K)以下の温度範
    囲において磁化率χ>1×10-3emu/g以上の強磁性を示
    す化合物と、からなり、 前記温度T2以下の低温において強磁性及び超伝導性の双
    方の性質を同時に示すことを特徴とするLa-Ba-Ca-Cu-O
    系強磁性超伝導材料。
  6. 【請求項6】組成式LaBa2Cu3O7-y・(Ca1Cu0.5O1.5)z
    (y;0.45〜0.6、z;0を超えて0.05以下)をもち温度T1
    下の温度範囲において超伝導性を示す化合物をマトリッ
    クスとする単相の斜方晶であって、前記マトリックス中
    に組成式La4-2xBa2+2xCu2-xO10-2x(0≦x≦0.25)を
    もち前記温度T1より低い温度T2(T2<6K)以下の温度範
    囲において磁化率χ>1×10-3emu/g以上の強磁性を示
    す化合物が分散され、前記温度T2以下の低温において強
    磁性及び超伝導性の双方の性質を同時に示すことを特徴
    とするLa-Ba-Ca-Cu-O系強磁性超伝導材料。
  7. 【請求項7】前記強磁性超伝導材料中における前記強磁
    性を示す化合物の組成割合は100ppm〜8重量%である請
    求項1から6のいずれか一項記載の強磁性超伝導材料。
  8. 【請求項8】請求項3記載のLaBa2Cu3O7-y系強磁性超伝
    導材料の製造方法であって、 Laの酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の加熱してLa2O3となるL
    a系原料粉末、Baの酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の加熱し
    てBaOとなるBa系原料粉末、及びCuの酸化物、炭酸塩、
    硝酸塩等の加熱してCuOとなるCu系原料粉末を所定量混
    合し、これを非酸化雰囲気中において800〜980℃で焼成
    することを特徴とするLaBa2Cu3O7-y系強磁性超伝導材料
    の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項5記載のLa-Ba-Ca-Cu-O系強磁性超
    伝導材料の製造方法であって、 Laの酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の加熱してLa2O3となるL
    a系原料粉末、Baの酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の加熱し
    てBaOとなるBa系原料粉末、Cuの酸化物、炭酸塩、硝酸
    塩等の加熱してCuOとなるCu系原料粉末、及びCaの酸化
    物、炭酸塩、硝酸塩等の加熱してCaOとなるCa系原料粉
    末を所定量混合し、これを非酸化雰囲気中において800
    〜980℃で焼成することを特徴とするLa-Ba-Ca-Cu-O系強
    磁性超伝導材料の製造方法。
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