JP2587803B2 - カルシウム拮抗剤 - Google Patents
カルシウム拮抗剤Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】近年、ことに人口の老齢化、食生
活の変化などに伴い循環系の疾患が増加の傾向にあり、
その治療、予防は医療上の重要な課題となっている。例
えば、血管の狭窄閉塞状態によって血流障害が起こり、
種々の重大な疾病がもたらされ、これらに対するより効
果的な薬剤の開発が望まれている。
活の変化などに伴い循環系の疾患が増加の傾向にあり、
その治療、予防は医療上の重要な課題となっている。例
えば、血管の狭窄閉塞状態によって血流障害が起こり、
種々の重大な疾病がもたらされ、これらに対するより効
果的な薬剤の開発が望まれている。
【0002】
【従来の技術】心筋や平滑筋の電気的興奮は、細胞外カ
ルシウムイオンが細胞膜のスローチャンネルを通して細
胞内のカルシウム濃度を上昇させることによって起こ
る。カルシウム拮抗薬はこのスローチャンネルを遮断
し、その結果、心筋収縮力抑制と平滑筋弛緩を起こす。
このようなカルシウム拮抗作用を有する薬物としては、
ニトログリセリン、ベラパミル、ニフェジピン、ニカル
ジピン、ジルチアゼム、プロプラノロールなどが知ら
れ、狭心症や高血圧の治療薬として広く使用されてい
る。しかしながら、これらのカルシウム拮抗剤において
は、例えば、強すぎる作用のため疾病コントロールがし
にくいこと、作用の持続時間、対象疾患の範囲、副作用
などの点で問題点が見られる。
ルシウムイオンが細胞膜のスローチャンネルを通して細
胞内のカルシウム濃度を上昇させることによって起こ
る。カルシウム拮抗薬はこのスローチャンネルを遮断
し、その結果、心筋収縮力抑制と平滑筋弛緩を起こす。
このようなカルシウム拮抗作用を有する薬物としては、
ニトログリセリン、ベラパミル、ニフェジピン、ニカル
ジピン、ジルチアゼム、プロプラノロールなどが知ら
れ、狭心症や高血圧の治療薬として広く使用されてい
る。しかしながら、これらのカルシウム拮抗剤において
は、例えば、強すぎる作用のため疾病コントロールがし
にくいこと、作用の持続時間、対象疾患の範囲、副作用
などの点で問題点が見られる。
【0003】本発明薬剤の有効成分である2−(4−ベ
ンジルピペリジノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)プロパン−1−オールは特開昭55−28903
号、同56−79666号および同56−79667号
公報に記載される化合物であるが、その薬理作用につい
ては全く知られていない。また、その関連化合物につい
ては、例えば特公昭47−15348号および同58−
24434号公報にその記載がみられる。
ンジルピペリジノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)プロパン−1−オールは特開昭55−28903
号、同56−79666号および同56−79667号
公報に記載される化合物であるが、その薬理作用につい
ては全く知られていない。また、その関連化合物につい
ては、例えば特公昭47−15348号および同58−
24434号公報にその記載がみられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、2−(4−
ベンジルピペリジノ)−1−(4−ベンジルオキシフェ
ニル)プロパン−1−オールまたはその塩を有効成分と
する循環改善剤、ことにカルシウム拮抗剤に関する。
ベンジルピペリジノ)−1−(4−ベンジルオキシフェ
ニル)プロパン−1−オールまたはその塩を有効成分と
する循環改善剤、ことにカルシウム拮抗剤に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは新規循環器
用剤の開発研究の途上、2−(4−ベンジルピペリジ
ノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)プロパン−
1−オール〔以下、化合物(I)と略称することもあ
る〕はカルシウム拮抗作用を有することを見い出し、さ
らに研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、化合物(I)またはその塩を有効
成分として含有するカルシウム拮抗剤に関する。本願発
明薬剤の化合物(I)は、下記の構造を有する化合物で
ある。
用剤の開発研究の途上、2−(4−ベンジルピペリジ
ノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)プロパン−
1−オール〔以下、化合物(I)と略称することもあ
る〕はカルシウム拮抗作用を有することを見い出し、さ
らに研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、化合物(I)またはその塩を有効
成分として含有するカルシウム拮抗剤に関する。本願発
明薬剤の化合物(I)は、下記の構造を有する化合物で
ある。
【0006】すなわち、この化合物(I)は、式
【化1】
【0007】で表され、立体化学的にエリスロ(erythr
o)体とスレオ(threo)体の両異性体を包含し、本発明
ではこれら両者を用いることができるが、通常はエリス
ロ体の方が好ましく使用される。
o)体とスレオ(threo)体の両異性体を包含し、本発明
ではこれら両者を用いることができるが、通常はエリス
ロ体の方が好ましく使用される。
【0008】化合物(I)の塩としては、薬学的に許容
される有機酸ないし無機酸の塩が挙げられる。かかる有
機酸の塩としては、酒石酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、ク
エン酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸などの炭素数2〜20の脂肪族カルボン酸の塩;ト
シル酸、メシル酸、ナプシル酸などの炭素数1〜10の
脂肪族ないし芳香族スルホン酸の塩が例示され、また無
機酸の塩としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸な
どの無機鉱酸の塩が代表的である。
される有機酸ないし無機酸の塩が挙げられる。かかる有
機酸の塩としては、酒石酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、ク
エン酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸などの炭素数2〜20の脂肪族カルボン酸の塩;ト
シル酸、メシル酸、ナプシル酸などの炭素数1〜10の
脂肪族ないし芳香族スルホン酸の塩が例示され、また無
機酸の塩としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸な
どの無機鉱酸の塩が代表的である。
【0009】化合物(I)は、例えば特開昭55−28
903号公報記載の方法によって製造することができ
る。化合物(I)の塩は、化合物(I)と上記の酸とを
溶媒(例:エタノール、メタノール、ベンゼン、アセト
ン、クロロホルム、水)中で反応させることによって常
法により製造することができる。本発明薬剤は、化合物
(I)またはその塩をそのまま用いてもよいが、通常は
薬理学的、製剤学的に許容される添加物を加えて使用す
るのが良い。当該添加物を用いる場合、本発明薬剤中の
化合物(I)の配合量は通常は0.1〜10重量%、好
ましくは0.2〜5重量%である。
903号公報記載の方法によって製造することができ
る。化合物(I)の塩は、化合物(I)と上記の酸とを
溶媒(例:エタノール、メタノール、ベンゼン、アセト
ン、クロロホルム、水)中で反応させることによって常
法により製造することができる。本発明薬剤は、化合物
(I)またはその塩をそのまま用いてもよいが、通常は
薬理学的、製剤学的に許容される添加物を加えて使用す
るのが良い。当該添加物を用いる場合、本発明薬剤中の
化合物(I)の配合量は通常は0.1〜10重量%、好
ましくは0.2〜5重量%である。
【0010】上記添加剤としては、公知の製剤成分、例
えばA.O.Chairmanら編「Remington's Pharmaceutical S
cience」(1980年版、Mack Publishing Co.,発行、
米国)に記載の成分を便宜に採用することができる。具
体的には内服用製剤(経口剤)、注射用製剤(注射
剤)、粘膜投与剤(バッカル、トローチ、坐剤等)、外
皮投与剤(軟膏、貼付剤等)などの投与経路に応じて適
当な製剤用成分が選択される。例えば、経口剤および粘
膜投与剤にあっては、賦形剤(例:デンプン、乳糖)、
崩壊剤(例:カルボキシメチルセルロース)、滑沢剤
(例:ステアリン酸マグネシウム)、コーティング剤
(ヒドロキシエチルセルロース)、矯味剤などの製剤用
成分が、また注射剤にあっては、水性注射剤を構成し得
る溶解剤ないし溶解補助剤(例:注射用蒸留水、生理食
塩水、プロピレングリコール)、懸濁化剤(例:ポリソ
ルベート80などの界面活性剤)、PH調整剤(例:有
機酸またはその金属塩)、安定化剤などの製剤用成分
が、さらに外皮投与剤にあっては、水性ないし油性の溶
解剤ないし溶解補助剤(例:アルコール、脂肪酸エステ
ル類)、粘着剤(例:カルボキシビニルポリマー、多糖
類)、乳化剤(例:界面活性剤)などの製剤用成分が使
用される。
えばA.O.Chairmanら編「Remington's Pharmaceutical S
cience」(1980年版、Mack Publishing Co.,発行、
米国)に記載の成分を便宜に採用することができる。具
体的には内服用製剤(経口剤)、注射用製剤(注射
剤)、粘膜投与剤(バッカル、トローチ、坐剤等)、外
皮投与剤(軟膏、貼付剤等)などの投与経路に応じて適
当な製剤用成分が選択される。例えば、経口剤および粘
膜投与剤にあっては、賦形剤(例:デンプン、乳糖)、
崩壊剤(例:カルボキシメチルセルロース)、滑沢剤
(例:ステアリン酸マグネシウム)、コーティング剤
(ヒドロキシエチルセルロース)、矯味剤などの製剤用
成分が、また注射剤にあっては、水性注射剤を構成し得
る溶解剤ないし溶解補助剤(例:注射用蒸留水、生理食
塩水、プロピレングリコール)、懸濁化剤(例:ポリソ
ルベート80などの界面活性剤)、PH調整剤(例:有
機酸またはその金属塩)、安定化剤などの製剤用成分
が、さらに外皮投与剤にあっては、水性ないし油性の溶
解剤ないし溶解補助剤(例:アルコール、脂肪酸エステ
ル類)、粘着剤(例:カルボキシビニルポリマー、多糖
類)、乳化剤(例:界面活性剤)などの製剤用成分が使
用される。
【0011】本発明薬剤の製造法としては、本発明の目
的を阻害しない限り、種々の製造法を採用することがで
きる。一般には、自体公知の製造法〔例:日本薬局方第
10版(日局X)製剤総則記載の方法もしくは食品、菓
子類の製造に利用された手段〕またはこれらの方法、手
段に適当なモディフィケーションを加えた方法によって
製造することができる。
的を阻害しない限り、種々の製造法を採用することがで
きる。一般には、自体公知の製造法〔例:日本薬局方第
10版(日局X)製剤総則記載の方法もしくは食品、菓
子類の製造に利用された手段〕またはこれらの方法、手
段に適当なモディフィケーションを加えた方法によって
製造することができる。
【0012】本発明薬剤は、ヒト、サル、イヌ、ネコ、
ウサギ、ラット、マウス、などの哺乳動物においてカル
シウム拮抗作用を有するので、本発明薬剤はカルシウム
拮抗剤としてヒトの狭心症、労作性狭心症、狭心痛、本
態性高血圧、冠硬化症、急性ないし慢性の心筋梗塞症、
脳梗塞、脳出血動脈硬化症などの循環器系の障害、疾病
の症状改善ないし予防、治療またはこれらの後遺症の症
状の改善の目的で使用することができる。この際、化合
物(I)もしくはその塩またはこれらに前述の添加剤を
加え製剤化したものを、経口的及び非経口的(注射、粘
膜または外皮投与)に使用できる。上記における本発明
薬剤のヒト成人に対する投与量は、化合物(I)または
その塩の量に換算して、経口剤、外皮投与剤にあって
は、10〜300mg/day好ましくは20〜200mg/d
ayを1日1回または2〜4回に分けて投与するのがよ
く、また注射剤、粘膜投与剤にあっては、上記投与量の
1/2〜1/20の量で充分なことが多い。しかし、対
象疾患の種類と症状、患者の年齢、性別などによって適
宜増減して投与するのが望ましい。
ウサギ、ラット、マウス、などの哺乳動物においてカル
シウム拮抗作用を有するので、本発明薬剤はカルシウム
拮抗剤としてヒトの狭心症、労作性狭心症、狭心痛、本
態性高血圧、冠硬化症、急性ないし慢性の心筋梗塞症、
脳梗塞、脳出血動脈硬化症などの循環器系の障害、疾病
の症状改善ないし予防、治療またはこれらの後遺症の症
状の改善の目的で使用することができる。この際、化合
物(I)もしくはその塩またはこれらに前述の添加剤を
加え製剤化したものを、経口的及び非経口的(注射、粘
膜または外皮投与)に使用できる。上記における本発明
薬剤のヒト成人に対する投与量は、化合物(I)または
その塩の量に換算して、経口剤、外皮投与剤にあって
は、10〜300mg/day好ましくは20〜200mg/d
ayを1日1回または2〜4回に分けて投与するのがよ
く、また注射剤、粘膜投与剤にあっては、上記投与量の
1/2〜1/20の量で充分なことが多い。しかし、対
象疾患の種類と症状、患者の年齢、性別などによって適
宜増減して投与するのが望ましい。
【0013】
【実施例】次に、実施例によって本発明薬剤の薬理作用
および処方例について説明する。
および処方例について説明する。
【0014】実施例1 方法:雑種雌および雄成熟イヌ(体重10〜17kg)を
用い、pentobarbitalsodium(商品名:Nembutal、米国A
bbott社)麻酔下で放血致死させた後、脳底および大腿
動脈を摘出し、クレブス・バイカーボネート(Kreb's b
icarbonate)溶液(組成:NaCl 117.7mM, KCl 4.7mM, C
aCl2 2.5mM, MgSO4 1.2mM, glucose 10mM, NaHCO3 24.4
mM)を満たしたシャーレの中で付着した血液や結合組織
を丁寧に除去後、リング状標本とした。この標本を95
%O2, 5%CO2で通気したクレブス・バイカーボネート
溶液を満たした10mlの溶液層中に懸垂した。安定した
静止張力(resting tension)基線が得られてから実験
を行った。カルシウム拮抗作用の検討においては、カル
シウム除去栄養液中50mM KClで両動脈標本を拘縮さ
せ、続いてCaCl2を累積的に適用した。被験化合物とし
て、(a)化合物(I)(エリスロ体)乳酸塩および
(b)イフェンプロジル〔ifenprodil;2−(4−ベン
ジルピペリジノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン−1−オール〕酒石酸塩は、CaCl2を加える15
分前に適用した。
用い、pentobarbitalsodium(商品名:Nembutal、米国A
bbott社)麻酔下で放血致死させた後、脳底および大腿
動脈を摘出し、クレブス・バイカーボネート(Kreb's b
icarbonate)溶液(組成:NaCl 117.7mM, KCl 4.7mM, C
aCl2 2.5mM, MgSO4 1.2mM, glucose 10mM, NaHCO3 24.4
mM)を満たしたシャーレの中で付着した血液や結合組織
を丁寧に除去後、リング状標本とした。この標本を95
%O2, 5%CO2で通気したクレブス・バイカーボネート
溶液を満たした10mlの溶液層中に懸垂した。安定した
静止張力(resting tension)基線が得られてから実験
を行った。カルシウム拮抗作用の検討においては、カル
シウム除去栄養液中50mM KClで両動脈標本を拘縮さ
せ、続いてCaCl2を累積的に適用した。被験化合物とし
て、(a)化合物(I)(エリスロ体)乳酸塩および
(b)イフェンプロジル〔ifenprodil;2−(4−ベン
ジルピペリジノ)−1−(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン−1−オール〕酒石酸塩は、CaCl2を加える15
分前に適用した。
【0015】結果:以上の結果を第1表に示した。
【表1】
【0016】ここで、化合物(I)はイフェンプロジル
と比べてより強いカルシウム拮抗作用を示すことが理解
される。また、K−拘縮脳底および大腿動脈標本のカル
シウムによる収縮に対して、両化合物は、競合的拮抗作
用を示したが、その程度は脳底動脈標本の方が大であっ
た。
と比べてより強いカルシウム拮抗作用を示すことが理解
される。また、K−拘縮脳底および大腿動脈標本のカル
シウムによる収縮に対して、両化合物は、競合的拮抗作
用を示したが、その程度は脳底動脈標本の方が大であっ
た。
【0017】実施例2 方法:実施例1の方法に従って処理した脳底および大腿
動脈標本を用い、公知の方法(J. Membran. Biol., 第
59巻第19頁, 1981年)に従って、45Ca-influx
および45Ca-upatakeに及ぼす、(a)化合物(I)乳酸
塩、(b)イフェンプロジル酒石酸塩および(c)ベラ
パミル塩酸塩の作用について検討した。
動脈標本を用い、公知の方法(J. Membran. Biol., 第
59巻第19頁, 1981年)に従って、45Ca-influx
および45Ca-upatakeに及ぼす、(a)化合物(I)乳酸
塩、(b)イフェンプロジル酒石酸塩および(c)ベラ
パミル塩酸塩の作用について検討した。
【0018】結果:上記実験の結果を第2表、第3表、
第4表に示した。
第4表に示した。
【表2】
【表3】
【表4】
【0019】この結果から、化合物(I)は、Kおよび
PGF2αによる45Ca-influxおよび45Ca-upatakeの増大
を抑制する作用を有することが理解される。すなわち、
化合物(I)は、血管平滑筋においてpotential-sensit
ive channelsを介するカルシウムの細胞内流入を抑制す
る薬物であることが確認された。
PGF2αによる45Ca-influxおよび45Ca-upatakeの増大
を抑制する作用を有することが理解される。すなわち、
化合物(I)は、血管平滑筋においてpotential-sensit
ive channelsを介するカルシウムの細胞内流入を抑制す
る薬物であることが確認された。
【0020】実施例3 化合物(I)の急性毒性;LD50(mg/kg)>1200
(マウス、経口);>70(マウス、静注)
(マウス、経口);>70(マウス、静注)
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【合成例】1−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−
(4−ベンジルピペリジノ)プロパン−1−オン5.0
gをメタノール100mlおよび水10mlの混液に溶か
し、攪拌下氷冷しながら水素化ホウ素ナトリウム2.0
gを少量ずつ加える。添加後室温で1時間攪拌する。メ
タノールを留去し、残留物を10%塩酸で酸性とし、さ
らに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、
ベンゼン200mlで抽出。溶媒を留去し、残留物をシリ
カゲル60gを用いたカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム留分よりスレオ体およびエリスロ体を
分離。分離した上記スレオ体をエタノールより再結晶す
ることにより融点153〜154°C無色プリズム結晶
として、スレオ−2−(4−ベンジルピペリジノ)−1
−(4−ベンジルオキシフェニル)プロパン−1−オー
ル1.1g(収率27.4%)を得た。
(4−ベンジルピペリジノ)プロパン−1−オン5.0
gをメタノール100mlおよび水10mlの混液に溶か
し、攪拌下氷冷しながら水素化ホウ素ナトリウム2.0
gを少量ずつ加える。添加後室温で1時間攪拌する。メ
タノールを留去し、残留物を10%塩酸で酸性とし、さ
らに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、
ベンゼン200mlで抽出。溶媒を留去し、残留物をシリ
カゲル60gを用いたカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム留分よりスレオ体およびエリスロ体を
分離。分離した上記スレオ体をエタノールより再結晶す
ることにより融点153〜154°C無色プリズム結晶
として、スレオ−2−(4−ベンジルピペリジノ)−1
−(4−ベンジルオキシフェニル)プロパン−1−オー
ル1.1g(収率27.4%)を得た。
【0025】IR(KBr,cm-1):3280(OH) NMR(CDCl3)δ:0.70(3H, 二重線, J=7Hz, CH-
CH3 ), 1.0-3.2(12H,多重線), 4.16(1H, 二重線, J=10H
z, CH-OH), 4.5-5.3(1H, 幅広い一重線, OH),5.00(2H,
一重線, C6H5CH2 O), 6.6-7.6(14H, 多重線, 芳香族プ
ロトン) 元素分析 C28H33NO2 計算値:C,80.92; H,8.00; N,3.37 実験値:C,80.77; H,7.96; N,3.41
CH3 ), 1.0-3.2(12H,多重線), 4.16(1H, 二重線, J=10H
z, CH-OH), 4.5-5.3(1H, 幅広い一重線, OH),5.00(2H,
一重線, C6H5CH2 O), 6.6-7.6(14H, 多重線, 芳香族プ
ロトン) 元素分析 C28H33NO2 計算値:C,80.92; H,8.00; N,3.37 実験値:C,80.77; H,7.96; N,3.41
【0026】さらに上記エリスロ体をエタノールより再
結晶することにより融点126〜127°Cの無色鱗片
状結晶として、エリスロ−2−(4−ベンジルピペリジ
ノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)プロパン−
1−オール2.1g(収率52.2%)を得た。 IR(KBr,cm-1):3150(OH) NMR(CDCl3)δ:0.81(3H, 二重線, J=7Hz, CH-
CH 3), 1.1-3.2(12H,多重線), 3.67(1H, 幅広い一重線,
OH), 4.74(1H, 二重線, J=5Hz, CH-OH), 4.99(2H, 一重
線, C6H5CH2 O), 6.7-7.6(14H, 多重線, 芳香族プロト
ン)
結晶することにより融点126〜127°Cの無色鱗片
状結晶として、エリスロ−2−(4−ベンジルピペリジ
ノ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)プロパン−
1−オール2.1g(収率52.2%)を得た。 IR(KBr,cm-1):3150(OH) NMR(CDCl3)δ:0.81(3H, 二重線, J=7Hz, CH-
CH 3), 1.1-3.2(12H,多重線), 3.67(1H, 幅広い一重線,
OH), 4.74(1H, 二重線, J=5Hz, CH-OH), 4.99(2H, 一重
線, C6H5CH2 O), 6.7-7.6(14H, 多重線, 芳香族プロト
ン)
【0027】元素分析 C28H33NO2 計算値:C,80.92; H,8.00; N,3.37 実験値:C,80.96; H,8.10; N,3.27
【0028】
【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、本
発明薬剤はカルシウム拮抗剤として前述の疾患に対して
循環器改善の目的で有効に使用できるものである。
発明薬剤はカルシウム拮抗剤として前述の疾患に対して
循環器改善の目的で有効に使用できるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 2−(4−ベンジルピペリジノ)−1
−(4−ベンジルオキシフェニル)プロパン−1−オー
ルまたはその塩を有効成分とする狭心症の治療に用いる
カルシウム拮抗剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21125895A JP2587803B2 (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | カルシウム拮抗剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21125895A JP2587803B2 (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | カルシウム拮抗剤 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61164692A Division JPH0811730B2 (ja) | 1985-07-24 | 1986-07-15 | 循環改善剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08169828A JPH08169828A (ja) | 1996-07-02 |
JP2587803B2 true JP2587803B2 (ja) | 1997-03-05 |
Family
ID=16602939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21125895A Expired - Lifetime JP2587803B2 (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | カルシウム拮抗剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2587803B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100732322B1 (ko) * | 1997-07-11 | 2007-06-25 | 에프엑스 라이프 싸이언스즈 인터내셔널 게엠베하 | 피에이취에프 과다 또는 세포내 칼슘 과다와 관련한질병을 치료하기 위한 상어 연골에서 유래한 조제물 |
-
1995
- 1995-07-28 JP JP21125895A patent/JP2587803B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08169828A (ja) | 1996-07-02 |
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