JP2587747B2 - 自己目立て機能を備えたメタルボンド砥石および研摩工具 - Google Patents

自己目立て機能を備えたメタルボンド砥石および研摩工具

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタルボンド砥石および
研摩工具、特に自己目立て機能を備えたメタルボンド砥
石および研摩工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ラッピングやポリシングには金属
製の定盤が利用され、その定盤上に遊離砥粒を工作液と
共に供給して工作物と定盤を相対摺動させる方法が一般
的であったが、砥粒の流出によるロス、砥粒の転動によ
る工作面の梨地化、定盤消耗量の増加と平坦度の耐久性
低下の難点があった。この対策として、メタルボンド砥
石を用いた固定砥粒方式のラッピングが開発され、自動
化に適した技術となっている。このようなメタルボンド
砥石を用いたラップ定盤として、特公昭64−183号
公報には、鋳鉄粉と砥粒および純鉄粉を所要割合で混合
し、成形、焼結したものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先行技術においては、
結合剤として鋳鉄と純鉄が使用されており、砥粒の保持
力については良好な特性が得られるが、微粒の砥粒を用
いた場合、工作物の表面粗さの平滑化の進行や砥粒先端
の摩耗と共に加工能率が減少し、その都度時間と手間の
かかるドレッシングを行わなければならないという問題
があった。この対策として、特開平3−121776号
公報には鋳鉄を結合材とした電解研削・研摩砥石が提案
されているが、この先行技術は砥石を正極とし、砥石の
近傍に設けた電極を負極として両電極間に電圧を印加し
て電気分解によりドレッシングするようにしている。こ
のため、電源、電極、電圧の制御機器といった手段を必
要とし、設備コストや加工コストが高価になるという問
題があった。
【0004】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その目的とするところは、電圧
を印加することなしに研摩中に砥石自身がセルフドレッ
シング機能を発揮して、すぐれた長時間加工機能を保持
することができ、またスクラッチも極小に抑えることが
でき、しかも製作を簡単かつ安価に行うことができるメ
タルボンド砥石および研摩工具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、砥粒を金属系の結合剤によって固定した砥石
において、錫を主結合剤とし、この主結合剤の錫に対し
貴電位を有しかつ主結合剤を溶解する電解質成分を含む
工作液の存在下で局部電池作用を創成する局部電池創成
用粉末を2〜8wt%を加え、バインダと砥粒とを混合し
て圧縮成形し、加熱焼成又は焼結したものからなる構成
としたものである。また、本発明は前記のようにして得
た砥石を複数個広い面積の基体に配置し、あるいは単独
で基体に装着した研摩ないし研削具を含むものである。
前者の具体例としては、ラップ定盤や金型研磨工具が挙
げられ、後者の例としては軸付き研摩工具が挙げられ
る。主結合剤の錫に対し貴電位を有する局部電池創成用
粉末の例としては、銀粉末、グラファイト粉末、さらに
は導電性と貴電位を有するセラミックたとえばほう化チ
タン(TiB2)、ほう化ジルコニウム(ZrB2)、炭化珪素(Si
C)や導電性有機物が挙げられる。バインダとしてはレジ
ンが代表的なものである。
【0006】
【作用】主結合剤として錫のみを用いて焼結した砥石と
した場合には、研摩時に加工量に比例して増加せず、時
間と共に減少するため、一定時間の作業後にドレッシン
グを行うことが必要であるが、本発明においては、主結
合剤の錫に対し貴電位を有しかつ主結合剤を溶解する電
解質成分を含む工作液の存在下で局部電池作用を創成す
る局部電池創成用粉末を2〜8wt%を加え、これにバイ
ンダと砥粒とを混合して焼結ないし焼成したものである
から、上記工作液の介在下において局部電池創成物質の
存在によって主結合剤の錫はアノードとして錫イオンと
なり、局部電池創成物質はカソードして水素イオンを取
り込み、水素ガスを放出する。このため局部電池作用が
継続され、主結合剤の錫は局部電池創成の適切な添加量
により緩やかに溶解し、加工による機械作用の重畳とに
よって母地の減耗が促進され、砥粒の突出によるドレッ
シングが行われる。そしてこのセルフドレッシングは電
圧の印加でないため、細かい砥粒でも脱落が防止され
る。これらにより加工能を著しく向上することができ
る。また、主結合剤が錫であるためその軟質性により被
研摩材に対してのスクラッチも極小に抑えられ、良好な
光沢面を得ることができる。
【0007】以下本発明を添付図面に基づいて説明す
る。図1は本発明によって得たラップ定盤を示してお
り、1は基体、2は本発明による砥石セグメントであ
り、多数枚が整列配置された状態で接着されている。前
記砥石セグメント2は定盤用としては図2(a)のように
平板状をなしているが、研摩工具の形状等に対応させる
べく図2(b)のように凸面となっていてもよいし、逆に
凹面となっていてもよく、平面形状も角形、円形など任
意である。さらには円筒形をなしていてもよい。前記砥
石セグメント2は、図3のように複合母地組織aに砥粒
bが包埋固定されており、複合保持組織aは、錫からな
る主結合剤3と、主結合剤の錫に対し貴電位を有する局
部電池創成物質4とバインダ5との混合物が焼結ないし
焼成したものから構成されている。
【0008】前記主結合剤3として錫を採用したのは、
加工面の表面粗さを砥粒の粒径に対応した数値に押えて
スクラッチを防止するのに適しているから、すなわち、
加工物への当りが緩かで潤滑性のよい軟質であるためで
あり、しかも、この特性に加えて、局部電池創成物質4
とで相互に局部電池作用を発揮するするに適し、かつ融
点が低く大気雰囲気でも焼結ないし焼成することができ
るという砥石製作上の利点があるからである。
【0009】次に、貴電位を有する局部電池創成物質4
は、主結合剤3として錫を使用しているため、好適なも
のは、グラファイト、元素周期率表IBに属する銀,銅
である。これらを用いるのは、錫を結合剤の主材料とし
た場合に、銀,銅およびグラファイトが、見掛け上の電
位差と錫と反応する電解質成分を含む工作液での錫の溶
解減少率が高いことを知見したことによる。すなわち、
図4は工作液として、市販溶液(アクアクール)と緩衝溶
液(ほう酸+塩化カリウム+水酸化ナトリウム,pH
9)とを使用し、各溶液中における錫と銀間、錫と銅間
および錫とグラファイト間の電位差と、これに対応する
錫の溶解減少率をそれぞれ測定した結果を示している。
この図4から、銀およびグラファイトが錫に対し高い電
位差と溶解減少率を示すことがわかる。銅はそれについ
でいる。
【0010】この局部電池創成物質4の主結合剤3に対
する添加率は、主結合剤3の性質を減殺しない範囲で局
部電池作用が十分に得られる範囲としなければならな
い。主結合剤3の錫に対する局部電池創成物質4の添加
量を種々にとって予備実験したところ、局部電池創成物
質4がグラファイトの場合、研摩加工時間10分におい
て、局部電池創成物質無添加の場合に比べて、加工量
が、4wt%添加で2.4倍、2wt%の添加で1.6倍であっ
た。また局部電池創成物質4が銀の場合、8wt%添加で
2.4倍、4wt%添加で2.2倍になった。この知見か
ら、局部電池創成物質4の主結合剤3に対する添加率の
下限を2wt%としたものである。また、上限を8wt%と
したのは、これを超える添加は局部電池作用が過剰とな
り、砥粒が脱落しやすくなると共に、経済性も損なうか
らである。通常、経済性をも勘案して4wt%前後の添加
が最適である。
【0011】バインダ5は砥石の硬さや気孔を調整する
ためには効果的である。このバインダ5は焼結ないし焼
成時によって砥石母地組織の一部にもなり、長時間加工
能の持続に効果的である。このバインダとしては、フェ
ノールレジンで代表される熱硬化性レジンが好適であ
る。主結合剤3に対する添加率は、砥粒の集中度にもよ
るが、一般に2〜10wt%である。上限を10wt%とし
たのは、メタルボンド砥石と異なる性質を有するに到る
からである。なお、そのほかの添加剤として、CaOで
代表される気孔吸収剤も適宜使用できる。その場合の添
加率は1〜5wt%である。上限を5wt%としたのは、気
孔が減りすぎることになり、チップポケットとしての作
用が減殺されるからである。砥粒bとしては、ダイヤモ
ンド、cBNなど公知のものをすべて使用でき、粒度や
集中度も加工物に要求される研摩加工度によって適宜♯
1000〜4000、集中度30〜75などの範囲から
選択すればよい。
【0012】次に本発明によるメタルボンド砥石と研摩
工具の製造法を説明する。本発明によるメタルボンド砥
石を得るには、図5のように混合手段6たとえばボール
ミルなどを用いて、主結合剤粉末すなわち錫粉末30
と、局部電池創成物質粉末40と、砥粒aとバインダ5
0とを撹拌混合する。主結合剤粉末粒度は砥粒の粒度に
よって適宜選択すればよいが、砥粒粒度が♯3000程
度の場合には、通常100μm以下好ましくは60μm以
下であり、局部電池創成物質粉末40は通常30μm以
下好ましくは10μm以下である。それらの理由は、あ
まり粒径が大きいと主結合剤粉末と局部電池創成物質粉
末との接触面積が小さくなるからである。この混合工程
においては、主結合剤粉末30と局部電池創成物質粉末
40とが効果的に局部電池作用を発揮するように混合順
序を選定することが好ましい。すなわち、局部電池創成
物質粉末40が銀の場合、始めに主結合剤としての錫と
局部電池創成物質としての銀が固着するように撹拌し、
次いで砥粒aを加えた後、バインダ50を混合する。局
部電池創成物質粉末40がグラファイトの場合は、錫と
砥粒aを最初に混合し、それからグラファイトを添加し
て混合する。
【0013】これらの混合粉はついで、プレス型やロー
ル成形機、押出し成形機、射出成形機など所望の加圧成
形手段7に充填し圧縮成形する。成形圧力は砥粒粒径と
集中度によって異なり、砥粒径を小さくし集中度を高く
すると砥石強度は低下するため、約50〜500MPaの
範囲から適宜選定すればよい。実験によれば、砥粒粒度
♯3000〜4000、集中度37.5〜75では、2
00MPa前後から硬さはほぼ一定値に飽和する傾向を示
しており、したがって、通常200〜260MPa前後が
適当である。ついで、成形体は加熱手段8に装入し、焼
結ないし焼成する。加熱手段8はバッチ炉、連続炉など
任意である。焼結ないし焼成条件は、主結合剤粉末30
が錫基であるため、大気雰囲気中で温度110〜180
℃、時間20〜70minにて行えばよく、非常に簡単で
ある。このようにして得られた砥石セグメント2は、面
取り後などの整形を行った後、軸付き研摩具の場合には
接着剤などによって基体に接合し、研削し、ドレッシン
グする。ラップ定盤や金型研摩工具の場合には、基体1
の上に砥石セグメント2を整列接着し、研削後、同一砥
石セグメントを貼付た修正リングによって若干の遊離砥
粒を使って共擦りドレッシングを行えばよい。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。本発明により、
2種のメタルボンド砥石セグメントを作成し、これを用
いて2種の定盤を作成した。砥粒は♯3000(4〜6μ
m)のダイヤモンドとし、集中度50とした。主結合剤粉
末には粒度約63μm以下の錫粉を用い、第1砥石には
局部電池創成物質粉末として銀粉(粒度約10μm以
下)、第2砥石にはカーボングラフアイト(粒度約7μm
以下)を使用した。バインダはフェノールレジンを使用
した。それらの配合比は、第1砥石および第2砥石とも
錫粉92wt%、銀粉、カーボングラフアイトともに4wt
%、フェノールレジン4wt%とした。第1砥石において
は、ボールミルで最初に錫粉と銀粉を撹拌混合し、次い
で砥粒を添加し、バインダを加えて混合した。第2砥石
においては、錫粉と砥粒を混合し、次いでカーボングラ
ファイトを添加し、バインダを加えて混合した。次いで
混合粉をプレス型に充填し、250MPa前後の成形圧力
で圧縮成形し、成形体を、大気雰囲気中で、150℃×
30分間焼結した。焼結体は錫と銀またはグラファイト
とレジンに包埋された複合組織であり、強度はロックウ
ェルスーパフィッシャルHR15Wであった。
【0015】上記の方法により、30×30×8t(mm)
の2種の平板砥石セグメントを得た。砥粒の消費を少な
くするため、表面層2mmだけを前記複合組織とし、それ
より下層は錫焼結層とした。前記平板砥石セグメントを
焼結後1mm面取りし、φ210mmの基体上に整列接着し
た。仕上げは、研削を経て、同一砥石セグメントを貼付
した修正リングにより若干の遊離砥粒を付加して共ずり
ドレッシングを行った。
【0016】次にこれら定盤の性能試験を行った。工作
物はシリコンウエハ及び焼入鋼SKD11である。ま
ず、錫−グラファイト定盤を使い、これをラップマスタ
ー式のラッピングマシン取付け、工作液(ラップ液)と
して、緩衝溶液(ほう酸+塩化カリウム+水酸化ナトリ
ウム、pH.9)と、市販研摩液(アクアクール 30倍稀釈
液)、および蒸留水を使用し、定盤回転数50r.p.m、加
工圧力24.5kPaの条件で、シリコンウエハを研摩
した。このときの加工量と加工時間の関係を図6示す。
この図6から、工作液として緩衝溶液(ほう酸+塩化カ
リウム+水酸化ナトリウム、pH.9)を使用した場合が他
のラップより加工量が大きくなっており、局部電池作用
によりセルフドレッシングが行われていることがわか
る。なお、第2砥石(錫−銀)の場合も同じ傾向にあっ
た。
【0017】上記条件で加工圧力を58、24.5、7.
8kPaと変化させた場合、加工量は加工圧力に比例し
て増加し、加工時間に対して直線性を有することがわか
った。そこで、工作液として緩衝溶液を使用し、2種の
定盤と2種の工作物について前記と同じ条件にてラッピ
ングを行い、加工量の差を測定した。この結果を図7に
示す。この図7から、いずれの場合も、錫と反応する電
解質を含んだ工作液の存在下での局部電池作用により、
ドレッシング中に砥石作用面が緩慢に減耗するため、加
工能の持続性が非常に良好であることがわかる。そし
て、シリコンウエハに対しては錫−銀定盤が加工量が大
きく、SKD11対しては切り込み量が少なく差異は表
れなかった。なお、局部電池創成物質を添加せずに、錫
とフェノールレジン4wt%で構成した砥石では、同じラ
ッピング条件において、加工時間10分間での加工量
は、シリコンウエハのときに11μm、SKD11のと
きに2.5μmであり、本発明よりも大幅に劣ってい
た。
【0018】次に、錫−銀定盤を用いてシリコンウエハ
を60分間加工したときの、砥石使用前と使用後の粗さ
を、触針式表面検査器によって測定した結果を図8に示
す。(a)は使用前、(b)は使用後の粗さ曲線であり、加工
前と加工後の表面粗さの変化は少なく、切れ味が維持し
ていることがわかる。また、図9は錫−銀定盤で前加工
1.5μmRmaxのSKD11を30分加工したときの粗さ
曲線で、0.05μmRmaxの良好な鏡面が得られることが
わかる。2種の定盤の特徴は、層状固体のグラファイト
を添加すると潤滑性が付与されるため軟質材料の加工に
適しており、銀を添加すると定盤の見掛けの硬さがやや
増加し、金属部分が多いので有効切れ刃数が多く、砥粒
保持力も大で比較的硬い材料の加工に適している。さら
に工作物の材質によっては、化学作用と洗浄効果により
表面の平滑化がより良好となる。
【0019】
【発明の効果】以上説明した本発明によるときには、メ
タルボンド砥石が、錫を主結合剤とし、この主結合剤の
錫に対し貴電位を有しかつ主結合剤を溶解する電解質成
分を含む工作液の存在下で局部電池作用を創成する局部
電池創成用粉末を2〜8wt%を加え、バインダと砥粒と
を混合して圧縮成形し、加熱焼成又は焼結したものから
なるため、研摩または研削作業中に前記工作液を供給す
ることによって主結合剤と局部電池創成用物質間の電位
差により局部電池作用が生じ、砥石母地面(砥石作用面)
が緩慢に減耗され、自動的にセルフドレッシングが促進
され、切れ刃の突出が維持される。そしてまた電圧の印
加によるドレッシングでないため不必要な砥粒の脱落も
ない。このため、微細な砥粒を使用した場合に加工能が
向上し、切れ味の持続性が維持されるというすぐれた効
果が得られる。また主結合剤が軟質な錫基であるため、
スクラッチも極小に抑えられ、良好な鏡面に加工するこ
とができる。そしてドレッシングのための電圧の印加を
要しないことから、電極、電源、制御機器といったもの
不要となり、これにより設備も簡略化し、加工コストも
安価となるというすぐれた効果が得られる。また、本発
明は主結合剤粉末と局部電池創成用粉末と砥粒を混合し
成形、焼結ないし焼成するため、砥石の全体に砥粒を均
一に分布させることができ、砥粒の種類、粒径、含有量
を任意に選択できる利点があるだけでなく、主結合剤が
錫であるため焼結ないし焼成を低い温度でかつ大気雰囲
気で行うことができ、したがって、簡単かつ安価に製作
することができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメタルボンド砥石を使用した研摩
工具を示す部分切欠斜視図である。
【図2】図1に置ける砥石セグメントを示す断面図であ
る。
【図3】砥石セグメントの成形段階の一部拡大図であ
る。
【図4】主結合剤と異種金属間の電位差と溶解減少率の
関係を示す線図である。
【図5】本発明の砥石セグメントの製造工程図である。
【図6】本発明により製作した研摩工具を用いて加工し
たときの異種ラップ液と加工量の関係を示す線図であ
る。
【図7】本発明による二種の定盤の加工量と加工時間の
関係を示す線図である。
【図8】使用前後の表面粗さ曲線図である。
【図9】本発明の定盤による研摩後の加工物の表面粗さ
曲線図である。
【符号の説明】
2 砥石セグメント a 砥粒 3 主結合剤(錫) 4 局部電池創成物質 5 バインダ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砥粒を金属系の結合剤によって固定した砥
    石において、錫を主結合剤とし、この主結合剤の錫に対
    し貴電位を有しかつ主結合剤を溶解する電解質成分を含
    む工作液の存在下で局部電池作用を創成する局部電池創
    成用粉末を2〜8wt%を加え、バインダと砥粒とを混合
    して圧縮成形し、加熱焼成又は焼結したものからなるこ
    とを特徴とする自己目立て機能を有するメタルボンド砥
    石。
  2. 【請求項2】局部電池創成用粉末が、銀、グラファイ
    ト、導電性で貴電位を有するセラミックから選択された
    ものである請求項1に記載の自己目立て機能を有するメ
    タルボンド砥石。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の砥石の複数個がより広い
    面積の基体上に配置されている研摩工具。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の砥石が単独で基体に装着
    されている研磨工具。
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