JP2586935B2 - ローラ転圧コンクリート舗装の施工方法と施工装置 - Google Patents

ローラ転圧コンクリート舗装の施工方法と施工装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ローラ転圧コンクリート舗装の施工方法
とその施工装置に関する。さらに詳しく言えば舗装用型
枠を使用することなく、自立した垂直断面を保有する舗
装層の施工方法と、この施工方法を実施するための施工
装置に関するものである。
〔従来の技術〕
単位水量の少ないセメント混合物をアスファルトフィ
ニッシャで敷きならし、ローラにて転圧締固めてなるい
わゆるローラ転圧コンクリート舗装(以下RCCPと呼ぶ)
は、従来のセメントコンクリート舗装の耐久性とアスフ
ァルト舗装の施工性を組み合わせ、主に経済性と早期供
用性とを向上させた舗装技術として高く評価されてい
る。
ちなみに第5図は、一般的なRCCPを施工する場合にお
ける舗設機械の配列を示すものであるが、RCCPは次のよ
うな要領で舗設されている。
まず、RCCP用コンクリート混合物をダンプトラック1
で現場に搬入し、これを自走式のアスファルトフィニッ
シャ2に供給する。
アスファルトフィニッシャ2は、そのコンクリート混
合物を舗設路面に敷設し締固める。ついでそのあとを振
動ローラ3およびタイヤローラ4を走行させて転圧し、
しかるのち養生させて舗設を完了する。最後に所要位置
にカッター目地を施して舗装版として供用されるもので
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、アスファルト舗装の標準的な舗設厚さは、
5センチメートルとされているが、RCCPでは通常15〜20
cmの舗設厚さを要求されている。このように舗設厚さが
厚くなると、どうしてもコンクリート舗装用の鋼製型枠
の設置が必要となる。したがって、従来のRCCPの施工に
おいては、この鋼製型枠を使用しているのが現状であ
る。
しかし、この鋼製型枠を使用することは、施工作業に
おける型枠の組立て,撤去という非常な手間と時間とそ
れにともなう経費が必要となる。
そこで、このような手間と時間と経費とを削減する狙
いから鋼製型枠を使用せず施工することが試みられてい
る。
すなわち第6図(A)で示すように、RCCPの舗設層の
側方をテーパ状に形成し、次の舗設層は、そのテーパ状
の舗設層にラップさせて舗設する試みや、同じく第6図
(B)で示すように、舗設の終った前記テーパ部をカッ
ターで切断し、残部をピックその他の器具によってばり
取りして、次の舗設層との継目を一種の突き合わせ継
手、すなわちバットジョイント方式になるようにして舗
設する試みである。
しかし前者の試みにあっては、ラップ部分の転圧・締
固め時における圧密のアンバランスにより強度不足とな
る欠点があり、後者にあっては鋼製型枠を用いる場合と
同様な手間と時間と経費を要するといった問題点があ
る。
そのため、これら従来の施工法によっては折角のRCCP
舗装の特徴である施工性,早期供用性さらには経済性と
いった利点を損う要因となっている。
この発明は、このような問題点を解消したRCCP舗装の
施工方法と、この施工方法を実施する高密度締固めスク
リードを備えたアスファルトフィニッシャを提供するこ
とを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
まず、施工方法として本発明がとった手段の第1は、
ローラ転圧コンクリート舗装の施工に際して、道路舗装
用アスファルトフィニッシャにおけるエンドプレートの
下部に、舗装厚さに応じた高さを有し、かつ平面形状が
前方より後方になるにしたがって前記フィニッシャ側に
近接するようにした垂直エッジプレートを取り付け、前
記フィニッシャが通過した後に形成される舗装層の端部
を自立した垂直断面に形成し、しかるのち前記舗装層を
ローラ類で転圧・締固めるようにしたことにある。
次に第2の方法的特徴とするところは、前記アスファ
ルトフィニッシャを複数回走行させて幅広い幅員の舗装
を施工するに際し、前記自立した垂直断面の端部から舗
装厚さの2〜3倍幅を未転圧とし、次に隣接して舗設し
た舗装層の転圧・締固め時に、同時にローラ類で転圧・
締固めるようにしたことにある。
さらに前記施工方法を実施する装置として、進行方向
の前方からホッパ,バーフィーダ,スクリュースプレッ
ダ,タンパ,ファーストスクリード,プレッシャバー,
ファイナルスクリードを備えた自走式舗装用アスファル
トフィニッシャにおける側方に懸架されたエンドプレー
トの下部に、舗装厚さに応じた高さを有し、かつ断面が
型を呈する垂直エッジプレートを、前記スクリュース
プレッダの位置においては舗装幅員より広く側方に拡
げ、タンパ,ファーストスクリードの側に幅員を絞り込
み、プレッシャバーの位置において舗装幅員に一致させ
るようにして取り付けた垂直エッジプレートを有するロ
ーラ転圧コンクリート舗装用の施工装置に構成したこと
にある。
〔作用〕
本発明は、以上説明したような施工方法により、舗設
端面を自立した垂直断面からなる舗装層に形成するの
で、従来のように鋼製型枠を必要としない。
また施工装置としては、フィニッシャの側面に、断面
が型を呈する垂直エッジプレートを、前方より後方に
なるようしたがってフィニッシャ側に近接させて取り付
けているため、舗設作業にともなってフィニッシャを走
行させると、RCCPのコンクリート混合物は前記垂直エッ
ジプレートにより内側に絞り込まれ、その端面は自動的
に垂直端面に締固められて形成される。
そのため次に舗設する舗装との継目は必然的に突合わ
せ継目となり、すなわちバットジョイント方式となり、
従来のようにカッター等を用いていちいち継手部の処理
作業を施す必要はない。
しかも幅広い幅員の舗装を行う場合は、例えば木材置
場やその他コンテナ置場など広いヤードの舗装を行う場
合は、前記自立した垂直断面の端部を、舗装厚さの2〜
3倍幅をもって未転圧として残し、次に隣接して舗接し
た舗装層の転圧・締固め時に、一緒に転圧・締固めする
ため、継目部における転圧・締固め不良は解消される。
〔実施例〕
さらに図面に示す実施例に基づいて本発明の構成を具
体的に説明する。
第1図は本発明による垂直エッジプレート11を取り付
けたアスファルトフィニッシャの平面図で、第2図は同
じく垂直エッジプレート11の取り付け部を正面からみた
概略構成の斜視図である。
なお第1図に示したアスファルトフィニッシャにおい
て、供給されたコンクリート混合物12を均一に路盤の幅
員方向に敷きならすとともに、高密度に締固めするいわ
ゆる高密度締固めスクリード5は、前記第3図で示すよ
うに、スクリュースプレッダAおよびタンパBの後方に
おいてファーストスクリードC,第1および第2のプレッ
シャーバーD1およびD2さらにファイナルスクリードEを
もって構成してある。
なお前記垂直エッジプレート11は、フィニッシャの両
側のエンドプレート13にそれぞれ取り付けるが、前記例
示したような広いヤードにRCCPを舗設施工する場合は、
片側のみに取り付ける場合もある。
垂直エッジプレート11は、第2図で示すように断面
型を呈し、前方より後方になるにしたがってフィニッシ
ャ側に近接させた形でエンドプレート13の下部に取り付
けてある。
すなわち垂直エッジプレート11の前端開口部を第1図
で示すようにスクリュースプレッダAの位置よりやや前
方に位置させ、後端部はプレッシャバーD1,D2の位置で
舗設幅員と一致するように規制して取り付けている。
したがってフィニッシャを前進させると、それにとも
なってスクリュースプレッダAによって敷きならされた
コンクリート混合物12は、垂直エッジプレート11により
舗設面側に絞り込まれ、舗設端面12aは第2図で示すよ
うに自動的に垂直端面に形成され締固められるようにな
る。
次に新しいコンクリート混合物を敷きならし締固め,
転圧して舗設した場合、常にその継目は垂直端面からな
るいわゆるバットジョイント方式により継ぎ足される。
しかも、既に舗設作業の終了した舗装層の端部を、あ
らかじめ舗装層の幅2〜3倍幅を未転圧として残し、新
しく舗設した舗装層の転圧・締固め時に、同時に転圧・
締固めするため、両方の圧密差により将来この継目部に
段差が発生したり、窪みを形成するような心配はない。
すなわち継目部を形成する既設舗設部と新舗設部との
双方にフィニッシャにおける高密度締固めスクリードお
よび転圧ローラ等をかけるので、その継目部における圧
密性および平坦性に狂いを生じることがなく、きわめて
均質な締固め転圧を受けた舗装層を形成することができ
る。
ちなみに第4図は既舗設部14に新舗設部15との継手部
(フレッシュジョイント)の施工要領を示すもので、未
転圧部分14aに新舗設部15を突き合わせた形で舗設し、
その上を転圧示固めるものである。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によるRCCPの施工方法およびその
施工装置によると、施工の効率性,経済性さらに早期供
用性を向上させ、しかも均質な舗装層を構築することが
でき、RCCP舗装の特徴をより増大させることができる。
また本発明の施工方法および装置において、主要な機
能を有する垂直エッジプレート自体の構造は、きわめて
簡単な構造であるため既設のアスファルトフィニッシャ
に簡単に装備させることができ、RCCP工法の有用性をさ
らに高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による垂直エッジプレートを装備したア
スファルトフィニッシャの平面図、第2図は取り付け部
を正面より見た一部破断斜視図、第3図は高密度締固め
スプレッダの機構を示す側面図、第4図は既舗設部と新
舗設部との継手部の施工要領を示す側面図、第5図はRC
CP工法の施工時における舗設機械の配列編成を示す側面
図、第6図は舗設継目の継手部を示す縦断側面図であ
る。 A……スクリュースプレッダ B……タンパ C……ファーストスクリード D1,D2……プレッシャーバー E……ファイナルスクリード 5……高密度締固めスプレッダ 11……垂直エッジプレート 12……コンクリート混合物 13……エンドプレート

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】道路舗装用アスファルトフィニッシャにお
    けるエンドプレートの下部に、舗装厚さに応じた高さを
    有し、かつ平面形状が前方より後方になるにしたがって
    前記フィニッシャ側に近接するようにした垂直エッジプ
    レートを取り付け、前記フィニッシャが通過した後に形
    成される舗装層の端部を自立した垂直断面に形成し、し
    かるのち前記舗装層をローラ類で転圧・締固めすること
    を特徴とするローラ転圧コンクリート舗装の施工方法。
  2. 【請求項2】前記アスファルトフィニッシャを複数回走
    行させて幅広い幅員の舗装を施工するに際し、前記自立
    した垂直断面の端部から舗装厚さの2〜3倍幅を未転圧
    とし、次に隣接して舗設した舗装層の転圧・締固め時
    に、同時にローラ類で転圧・締固めることを特徴とする
    請求項1記載のローラ転圧コンクリート舗装の施工方
    法。
  3. 【請求項3】前記施工方法を実施する装置として、進行
    方向の前方からホッパ,バーフィーダ,スクリュースプ
    レッダ,タンパ,ファーストスクリード,プレッシャバ
    ー,ファイナルスクリードを備えた自走式舗装用アスフ
    ァルトフィニッシャにおける側方に懸架されたエンドプ
    レートの下部に、舗装厚さに応じた高さを有し、かつ断
    面が型を呈する垂直エッジプレートを、前記スクリュ
    ースプレッダの位置においては舗装幅員より広く側方に
    拡げ、タンパ,ファーストスクリードの側に幅員を絞り
    込み、プレッシャバーの位置において舗装幅員に一致さ
    せるようにして取り付けたことを特徴とするローラ転圧
    コンクリート舗装の施工装置。
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