JP2586762B2 - ホィールアライメント検査装置 - Google Patents

ホィールアライメント検査装置

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JP2586762B2
JP2586762B2 JP3171420A JP17142091A JP2586762B2 JP 2586762 B2 JP2586762 B2 JP 2586762B2 JP 3171420 A JP3171420 A JP 3171420A JP 17142091 A JP17142091 A JP 17142091A JP 2586762 B2 JP2586762 B2 JP 2586762B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車後輪のサスペン
ション機構部のトー調整作業およびキャンバ調整作業
行う際に使用するホィールアライメント検査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のホィールアライメントのひとつ
であるトーは、図7に例示したように自動車が直進状態
にある時に、タイヤの前方間隔Tf と後方間隔Tr との
差で表わされ、前方間隔Tf が後方間隔Tr よりも小さ
い場合をトーイン、その逆がトーアウトと呼ばれてい
る。トーは、車種によって適宜の値に設定されている。
【0003】従来より、トーを検査するためのホィール
アライメントテスタが知られている。従来のテスタは、
検査ステージに乗り入れた自動車(テスト車)の前輪と
後輪を、パンタグラフ機構等を用いた機械的なイコライ
ザによって、それぞれテスタ中心線に対し左右等距離と
なるように、前輪と後輪を車幅方向に押して各輪の位置
決めをなし、車体の中心線がテスタ中心線と一致したと
仮定して、後輪測定ユニットによるトー検査を行ってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のテスタ
の場合、前輪と後輪をそれぞれ正確に位置決めしない
と、テスタの中心線と車体の中心線がずれることになる
ため、高精度な機械的イコライザを必要とする。しか
も、4輪の位置を基準にしたトー検査であるため、サス
ペンションの組付誤差等によって車体に対する車輪の位
置が1か所でもずれていると、イコライザによって前輪
と後輪をいくら正確に位置決めしても、車体の中心線が
テスタ中心線からずれてしまい、車体を基準としたトー
検査ではなくなってしまう。
【0005】また、トーの調整に伴ってトレッドが変化
するようなサスペンション機構をもつ車種の場合に、従
来のテスタにおいては、トー調整後に車体の中心線がテ
スタ中心線からずれてしまうなど、トー検査と調整を正
確に行う上で改善すべき余地があった。
【0006】特に後輪のトーは、前輪のトーを調整する
際の基準となる基本的なアライメントであるため、後輪
トーを車体に対し正確に調整しておくことは、前輪トー
の調整を正確にする上で重要な意味がある。なお特開昭
61−205813号公報に記載されている車体計測機
のように、トーテスタ上に設置された自動車のボディ中
心線に対するトー角を演算するようにしたものも提案さ
れている。しかしトー角等のホィールアライメントは車
種に応じて様々な値をとるため、上記公知文献のように
トー角自体の測定データ(生データ)を表示するにすぎ
ないものでは、アライメント調整を行う作業者は、測定
データを車種ごとに予め決められている基準値と照合
し、トー角が基準値と一致するように調整作業を行う必
要がある。このため作業者は、取扱う全ての車種のアラ
イメント基準値を把握しておかなければならず、特に車
種が多いときなどはアライメント調整に手間取ることが
ある。従って本発明の目的は、複数種類の自動車のトー
およびキャンバ検査等を、車体を基準として正確かつ容
に行えるようなホィールアライメント検査装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を果たすために
開発された本発明装置は、検査すべき自動車の車種を指
定し入力する車種選択手段と、検査ステージに設けられ
かつ上記車種選択手段によって選択された車種のホィー
ルベースに応じた位置に移動することにより上記検査ス
テージに乗り入れた自動車を所定位置に停止させる可動
ストッパと、上記可動ストッパによって所定位置に停止
した自動車の車体側面部を車体の長手方向複数か所にお
いてセンサによって検出することによりテスタ中心線に
対する車体の向きとそのオフセット角を検出する車向検
出器と、上記検査ステージにおいてベースに自在継手を
介して傾動自在に支持されかつタイヤ側面部に向けて押
圧される可動部材を有するとともに上記可動部材の垂直
軸回りの傾きを検出するトー検出センサおよび上記可動
部材の水平軸回りの傾きを検出するキャンバ検出センサ
を有する後輪測定ユニットと、検査すべき車種に応じた
トー基準値およびキャンバ基準値が予め記憶されかつ上
記車種選択手段によって指定された車種のトー基準値と
上記後輪測定ユニットによって検出されたトー測定値と
上記車向検出器によって検出されたオフセット角とに基
いて、車体の中心線に対する後輪の実際のトー量を算出
するとともに、上記トー基準値に対する上記トー量のず
れをトー必要調整量として算出しかつ上記キャンバ基準
値とキャンバ測定値とに基いてキャンバ必要調整量を演
算する制御部と、上記トー必要調整量とキャンバ必要調
整量を作業者が目視できる位置に表示する調整量表示手
段とを具備している。
【0008】
【作用】検査ステージに乗り入れた自動車は、車向検出
器によって、テスタ中心線に対し車体の中心線が向いて
いる角度(オフセット角)が検出される。テスタ中心線
に対し自動車が真っ直ぐに進入した場合はオフセット角
はゼロであるが、それ以外は車向の程度に応じてオフセ
ット角が検出される。この検査ステージにおいて、後輪
測定ユニットによって後輪のトーが測定される。
【0009】後輪測定ユニットによって検出されたトー
測定値は、上記オフセット角が含まれている値であるか
ら、車体の中心線に対する実際のトー量を求めるため
に、上記測定値からオフセット角相当分を補正すること
により、車体を基準としたトー量が求まる。このトー量
と、車種選択手段によって選択された車種の予め決めら
れたトー基準値とのずれが、調整すべき量として制御部
によって演算され、その調整量が表示盤等に表示され
る。また車種に応じたキャンバ基準値とキャンバ測定値
とのずれも上記制御部によって演算され、キャンバ必要
調整量が表示盤等に表示される。作業者はこの調整量に
基いて後輪のトー調整およびキャンバ調整を行うことが
できる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の一実施例について、図面に示
された検査装置10を参照して説明する。この検査装置
10は、後輪のトーとキャンバの検査を行うものであ
る。図1において、検査すべき自動車11(テスト車)
は、図示矢印F方向から検査ステージ12に向かって、
左右のガイド(図示せず)に沿って前進させられる。検
査ステージ12の床部分に、作業者が入り込むことので
きる広さのピット(図示せず)が設けられている。
【0011】検査ステージ12の入口部近傍に運転者用
操作盤15が設けられている。この操作盤15は、テス
ト車11の運転者が操作できる位置に立てられている。
この操作盤15に、運転者が自分の乗ったテスト車11
の車種を指定するための車種選択手段として機能する
種選択スイッチ16や、後述する測定モードまたはテス
トモード等を選択するスイッチ17が設けられている。
【0012】ピット内操作盤18はピット内の作業者が
操作するものであり、この操作盤18には調整作業完了
スイッチや非常停止スイッチ、表示内容切替スイッチ、
合図スイッチなどが設けられている。
【0013】検査ステージ12の前部に可動ストッパ2
0が設けられている。検査ステージ12の後部にはター
ンテーブル21が設けられている。可動ストッパ20
は、車種選択スイッチ16が操作された時に、その車種
のホィールベースに応じた位置にセッティングされるこ
とにより、テスト車11の前輪25を検査ステージ12
の前後方向所定位置に停止させることができるようにな
っている。ここで言う所定位置とは、後述する後輪測定
ユニット40に後輪26のタイヤ側面部26aが正対向
し、かつ後輪26がターンテーブル21上に乗る位置で
ある。
【0014】検査ステージ12の所定位置に停止したテ
スト車11の車体30の左右両側部に対向して、車体前
側に位置するフロント側センサ31と、車体後側に位置
するリヤ側センサ32が、それぞれ左右対称位置に一対
ずつ合計4か所に設けられている。センサ31,32
は、例えば超音波を利用した非接触形の距離センサが使
用される。センサ31,32は、テスタ中心線Xに対
し、左右等距離に振り分けた位置に配されている。
【0015】上記センサ31,32は、車体30の側面
部の所定位置までの距離を同時に計測し、その距離値を
制御部35に入力することにより、テスタ中心線Xに対
して車体30の中心線Yがどの程度傾いているか、その
方向と、角度(オフセット角θ0 )を求めるようにして
いる。センサ31,32と制御部35は、車向検出器3
6を構成する。
【0016】本実施例の場合、検査ステージ12に乗り
入れたテスト車11がテスタ中心線Xに対し右にθ0 だ
け傾いていると、正のオフセット角(+θ0 )としてそ
の検出値が制御部35に入力される。上記とは逆に車体
30が左にθ0 だけ傾いている時には、負のオフセット
角(−θ0 )としてその検出値が制御部35に入力され
る。
【0017】検査ステージ12の後部に、テスト車11
の左後輪26のトーおよびキャンバを測定するための左
後輪測定ユニット40と、右後輪26のトーおよびキャ
ンバを測定するための右後輪測定ユニット40が設けら
れている。各測定ユニット40,40は左右対称形状で
あるが実質的な構成は互いに共通であるから、以下に一
方の後輪測定ユニット40を代表して説明する。
【0018】図2ないし図4に示されるように、後輪測
定ユニット40は、後輪26のタイヤ側面部26aに接
触させられる3か所の接触部41,42,43を有する
プレート状の可動部材45を備えている。可動部材45
は、エアシリンダ等のアクチュエータ46によって、タ
イヤ側面部26aに対し接離する方向に進退できるよう
になっている。
【0019】上記可動部材45は、スライドベース50
に対し、自在継手51によって傾動自在に支持されてい
る。従って可動部材45は、アクチュエータ46によっ
て接触部41,42,43がタイヤ側面部26aに押し
当てられた時、後輪26のトーおよびキャンバ量に応じ
て傾くことができる。
【0020】可動部材45の垂直軸回りの傾き角(トー
角に相当)は、トー検出センサ53によって検出され
る。可動部材45の水平軸回りの傾き角(キャンバ角に
相当)は、キャンバ検出センサ54によって検出され
る。これらのセンサ53,54から送出されるトー測定
値とキャンバ測定値は、制御部35に入力される。
【0021】例えば、テスタ中心線Xに対して後輪26
の前側が内側(トーイン側)にT1だけ傾いていたとす
る。この場合の測定値は、正のトー測定値(+T1 )と
して制御部35に入力される。逆に、後輪26の前側が
外側(トーアウト側)にT1だけ傾いている時には、負
のトー測定値(−T1 )として制御部35に入力され
る。
【0022】本来、トーは、車輪の前方間隔と後方間隔
との差で表わされる距離表示(単位mm)であるが、通常
の自動車のトー角は最大でも1°程度であるから、トー
を表す量は、三角関数を利用した周知の近似式によっ
て、角度表示および距離表示のいずれにも可逆的に換算
することができる。
【0023】なお、キャンバに関しては、後輪26の下
部が内側を向いている時がポジティブキャンバ、その逆
がネガティブキャンバとして各測定値(角度)が制御部
35に入力される。
【0024】制御部35は、マイクロコンピュータ等を
用いた演算・記憶機能をもつものである。この制御部3
5には、予め、各車種に応じたトーの基準値とキャンバ
の基準値などの各種データが入力・記憶されている。そ
して、車種選択スイッチ16が操作された時に、選択さ
れた車種に応じたトー基準値とキャンバ基準値が、制御
部35のメモリから呼び出されるようになっている。
【0025】制御部35は、以下に述べるように、後輪
測定ユニット40のセンサ53,54から入力したトー
測定値およびキャンバ測定値と、車向検出器36によっ
て検出されたオフセット角と、車種に応じた上記基準値
とに基いて、調整すべきトー量とキャンバ量を演算する
機能をもっている。
【0026】トー検出センサ53によって検出されたト
ー測定値T1 は、オフセット角θ0が含まれた値であ
る。つまり、テスタ中心線Xに対し車体30が真っ直ぐ
に停止している時には、トー測定値T1 は車体中心線Y
に対する実際のトー量と一致するが、テスタ中心線Xに
対し車体30が曲った状態で停止している時、トー測定
値T1 は、車体中心線Yに対する実際のトー量にオフセ
ット角θ0 が加算された値となっている。
【0027】このため、車体30の中心線Yを基準とす
る実際のトー量を求めるには、見掛上のトー測定値T1
に、オフセット角θ0 の分を補正するような演算を行な
う必要がある。この演算は、制御部35によって、予め
プログラミングされた所定の処理手順に基いて自動的に
なされる。
【0028】制御部35においては、上述のようにして
求められた実際のトー量が、車種に応じたトーの基準値
T0 と比較され、両者のずれ量が演算される。例えば左
後輪の場合、必要とされるトー調整量T2 は、トー基準
値T0 と、車向オフセット角θ0 と、トー測定値T1 と
の関係から、本実施例では T2 =T0 +θ0 −T1 で求めることができる。右後
輪の場合、トー調整量T2 は、例えば、 T2 =T0 −θ0 −T1 で求めることができる。
【0029】なお、キャンバに関しては、キャンバ検出
センサ54によって検出されたキャンバ測定値C1 が基
準値C0 と比較され、両者の差(C0 −C1 )が調整す
べき量C2 として算出される。上述したトー調整量T2
とキャンバ調整量C2 は、検査ステージ12のピット内
に設けられた調整量表示手段として機能する調整量表示
盤60(図5参照)に表示される。
【0030】調整量表示盤60には、トーに関する情報
として、右輪のトー調整量および調整方向を示す右トー
表示部61,62と、右トーが所定の許容範囲に収まっ
た時に点灯する合格表示部63と、左輪のトー調整量お
よび調整方向を示す左トー表示部64,65と、左トー
が所定の許容範囲に収まった時に点灯する合格表示部6
6と、左右両輪のトー量の合計値を示すトー和表示部6
7と、トー方向に応じて選択的に点灯するトーイン・ト
ーアウト表示部68などが設けられている。
【0031】また上記表示盤60には、キャンバに関す
る情報として、右輪のキャンバ調整量および調整方向を
示す右キャンバ表示部70,71と、右キャンバが所定
の許容範囲に収まった時に点灯する合格表示部72と、
左輪のキャンバ調整量および調整方向を示す左キャンバ
表示部73,74と、左キャンバが所定の許容範囲に収
まった時に点灯する合格表示部75が設けられている。
【0032】更に上記表示盤60に、車向とオフセット
角に関する情報を示す車向表示部76,77と、作業メ
ニュ−あるいは作業状態等に関する各種の情報を表示す
る表示部78が設けられている。
【0033】なお、作業者がピット内から後輪26を見
た時、作業者の体の左右と後輪26の左右関係が互いに
逆になるので、本実施例の調整量表示盤60において
は、左右の位置関係を逆にして表示している。
【0034】図6に示される運転者用表示盤80には、
前述した調整量表示盤60に対応した内容が表示され
る。すなわち、運転者用表示盤80は、右輪のトー調整
量および調整方向を示す右トー表示部81,82と、左
輪のトー調整量および調整方向を示す左トー表示部8
4,85と、左右両輪のトー量の合計値を示すトー和表
示部87と、トーイン・トーアウト表示部88などを備
えて構成されている。
【0035】また運転者用表示盤80には、右輪のキャ
ンバ調整量および調整方向を示す右キャンバ表示部9
0,91と、左輪のキャンバ調整量および調整方向を示
す左キャンバ表示部93,94と、車向とオフセット角
に関する情報を示す車向表示部96,97と、作業メニ
ュ−あるいは作業状態等に関する各種の情報を表示する
表示部98と、車種設定確認用の表示部99などが設け
られている。
【0036】更に運転車用表示盤80に、テスト車11
の進入が可能な時に点灯する緑色回転灯100と、異常
が生じた時に点灯する赤色回転灯101と、テスト車1
1の退出が可能な時に点灯する青色回転灯102が設け
られているとともに、必要に応じて鳴動するブザー10
3が設けられている。
【0037】次に、上記構成の検査装置10の作用につ
いて説明する。トー調整とキャンバ調整を行う際には、
操作盤15のスイッチ17によって測定モードを指定す
るとともに、車種選択スイッチ16によって車種を指定
したのち、テスト車11を検査ステージ12に乗り入れ
る。テスト車11の前後方向の位置は、車種に応じてス
トッパ20によって規制される。この時必要に応じて、
イコライザ機構によってある程度の車輪の位置決めをな
すようにしてもよい。
【0038】検査ステージ12に乗り入れたテスト車1
1は、車向測定用センサ31,32によってテスタ中心
線Xに対する車体中心線Yのオフセット角θ0が検出さ
れるとともに、後輪測定ユニット40によって計測され
たトー測定値T1 とキャンバ測定値C1 が制御部35に
入力される。
【0039】制御部35においては、車種に応じて決め
られているトー基準値T0 およびキャンバ基準値C0
と、後輪測定ユニット40によって検出されたト−測定
値T1およびキャンバ測定値C1 と、車向測定用センサ
31,32によって検出されたオフセット角θ0 などの
情報をもとにして、前述した計算式などによって、必要
なトー調整量T2 とキャンバ調整量C2 が演算されると
ともに、トー調整量T2とキャンバ調整量C2 がそれぞ
れ調整量表示盤60に表示される。
【0040】例えば右輪のトー調整を行う際、ピット内
の作業者は、調整量表示盤60の右トー表示部61と調
整方向表示部62を見てサスペンションの右トー調整作
業を行う。本実施例の場合、表示部62が「IN」を表
示している時には、トーインを強める方向に調整を行
う。表示部62が「OUT」を表示している時には、ト
ーイン量を減らす方向ないしトーアウト方向への調整を
行う。
【0041】トー表示部61には、トー調整中もリアル
タイムで時々刻々と変化するトー調整量が表示され続け
るから、作業者はこの表示部61を見ながら、表示量が
ゼロとなるようにトー調整を行う。この右トー調整を行
うことにより、右トーが予め設定された許容範囲に収ま
ると、合格表示部63が点灯することにより、作業者は
右トー調整が終了したことを知ることができる。
【0042】左輪のトー調整は、左トー表示部64と調
整方向表示部65を見ながら、表示量がゼロとなるよう
に調整作業を行う。左トーが許容範囲に収まると、合格
表示部66が点灯することにより、作業者は左トー調整
が終了したことを知ることができる。
【0043】右キャンバの調整は、調整量表示盤60の
右キャンバ表示部70と調整方向表示部71を見ながら
行う。本実施例の場合、表示部71が「+」を表示して
いる時には、ポジティブキャンバを増す方向にサスペン
ションの調整を行う。逆に、表示部71が「−」を表示
している時には、ポジティブキャンバを減じる方向ない
しネガティブキャンバ方向への調整を行う。
【0044】キャンバ表示部70には、キャンバ調整中
もリアルタイムで時々刻々と変化するキャンバ調整量が
表示され続けるから、作業者はこの表示部70を見なが
ら、その表示量がゼロとなるようにキャンバ調整を行
う。これにより、右キャンバ角が予め設定された許容範
囲に収まると、合格表示部72が点灯することにより、
作業者は右キャンバ調整が終了したことを知ることがで
きる。
【0045】左輪のキャンバ調整は、左キャンバ表示部
73と調整方向表示部74を見ながら、表示量がゼロと
なるように調整作業を行う。左キャンバが許容範囲に収
まると、合格表示部75が点灯することにより、作業者
は左キャンバ調整が終了したことを知ることができる。
【0046】なお、運転者用表示盤80には、調整量表
示盤60と同様の内容が同時に表示されるため、上記の
アライメント調整が実施されている間、車内で待機して
いる運転者は、運転者用表示盤80を見ながら、アライ
メント調整が進行する様子をモニタすることができる。
【0047】なお、操作盤15のスイッチ17によっ
て、テストモードを選択した時には、調整量表示盤60
のトー表示部61,64と運転者用表示盤80のトー表
示部81,84に、調整量ではなく実際のトー量(いわ
ゆる生データ)が直接表示される。また、このテストモ
ードにおいては、調整量表示盤60のキャンバ表示部7
0,73と運転者用表示盤80のキャンバ表示部90,
93に、実際のキャンバ角が表示される。
【0048】前述した一連の作業によって後車輪のアラ
イメント調整がなされた自動車11は、後車輪のトー方
向に合わせて、前車輪のトー調整が実施される。また、
前車輪のキャンバ調整も実施される。
【0049】前述したように、本実施例においては、非
接触形の距離センサ31,32を用いた車向検出器36
によって車体30のオフセット角を検出し、オフセット
角を考慮に入れた補正を行うことにより、車体中心線Y
を基準とした真正な後輪トー測定を正確に実施できる。
【0050】換言すると、本実施例装置10は、車向検
出器36よるオフセット角の測定可能範囲内であれば、
車体が左右いずれの方向にいかなる角度で傾いて停止し
ても正確なトー検査が行える。このため、検査ステージ
12において前輪および後輪の位置を高精度に位置決め
する必要がなく、機械的イコライザはテスト車11の位
置をある程度案内するガイド程度のもので間に合う。場
合によっては機械的イコライザを省略することも可能で
ある。
【0051】また、表示盤60のトー表示部61,64
には、実際のトー測定値ではなく調整すべきトー調整量
を表示するようにしたから、作業者はピット内でトー調
整量の計算等を行う必要がなく、調整作業を迅速かつ正
確に遂行できるものである。トー調整に伴ってトレッド
が変化するようなサスペンションの場合にも、テスタ中
心線Xに対する車体の位置をリアルタイムで正確に把握
しておくことができ、精度の高い調整が可能である。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、様々な車種に応じて、
車体を基準とした後車輪のトー検査およびキャンバ検査
をリアルタイムで正確に行うことができる。このため車
体に対する車輪の取付精度やトー調整に伴うトレッド変
化、あるいは機械的イコライザの精度などに影響される
ことのないトー検査を実施できる。しかも、各車種に応
じたトー必要調整量およびキャンバ必要調整量を車種ご
とに作業者に知らせることができるので、車種が変わっ
てもトーおよびキャンバの生データ自体を表示する場合
に比較して作業が容易でかつ調整量を誤るおそれがなく
なり、アライメント調整作業の容易化と迅速化を図る上
でも効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略を示す検査装置の平面
図。
【図2】図1に示された検査装置に使われる後輪測定ユ
ニットの平面図。
【図3】図2に示された後輪測定ユニットの側面図。
【図4】図2に示された後輪測定ユニットに使われる可
動部材の正面図。
【図5】図1に示された検査装置に使われる調整量表示
盤の正面図。
【図6】図1に示された検査装置に使われる運転者用表
示盤の正面図。
【図7】自動車のトーを説明するための平面図。
【符号の説明】
10…検査装置、11…自動車(テスト車)、12…検
査ステージ、16…車種選択スイッチ、20…可動スト
ッパ、26…後輪、30…車体、31,32…車向検出
用センサ、35…制御部、36…車向検出器、40…後
輪測定ユニット、53…トー検出センサ、54…キャン
バ検出センサ、60…調整量表示盤、80…運転者用表
示盤。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検査すべき自動車の車種を指定し入力する
    車種選択手段と、 検査ステージに設けられかつ上記車種選択手段によって
    選択された車種のホィールベースに応じた位置に移動す
    ることにより上記検査ステージに乗り入れた自動車を所
    定位置に停止させる可動ストッパと、 上記可動ストッパによって所定位置に停止した 自動車の
    車体側面部を車体の長手方向複数か所においてセンサに
    よって検出することによりテスタ中心線に対する車体の
    向きとそのオフセット角を検出する車向検出器と、 上記検査ステージにおいてベースに自在継手を介して傾
    動自在に支持されかつタイヤ側面部に向けて押圧される
    可動部材を有するとともに上記可動部材の垂直軸回りの
    傾きを検出するトー検出センサおよび上記可動部材の水
    平軸回りの傾きを検出するキャンバ検出センサを有する
    後輪測定ユニットと、検査すべき車種に応じたトー基準値およびキャンバ基準
    値が予め記憶されかつ上記車種選択手段によって指定さ
    れた車種のトー基準値と 上記後輪測定ユニットによって
    検出されたトー測定値と上記車向検出器によって検出さ
    れたオフセット角とに基いて、車体の中心線に対する後
    輪の実際のトー量を算出するとともに、上記トー基準値
    に対する上記トー量のずれをトー必要調整量として算出
    しかつ上記キャンバ基準値とキャンバ測定値とに基いて
    キャンバ必要調整量を演算する制御部と、上記トー必要調整量とキャンバ必要調整量を作業者が目
    視できる位置に表示する調整量表示手段と、 を具備したことを特徴とするホィールアライメント検査
    装置。
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