JP2586635B2 - 面ヒータの製造法 - Google Patents

面ヒータの製造法

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JP2586635B2
JP2586635B2 JP1061756A JP6175689A JP2586635B2 JP 2586635 B2 JP2586635 B2 JP 2586635B2 JP 1061756 A JP1061756 A JP 1061756A JP 6175689 A JP6175689 A JP 6175689A JP 2586635 B2 JP2586635 B2 JP 2586635B2
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忠視 鈴木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、調理機器・乾燥機器・暖房機器などに用い
られる熱源として用いられる面ヒータの製造法に関する
ものである。
従来の技術 近年、面ヒータは機器の薄型化、均一加熱などの要望
に合った熱源として脚光を浴びるようになり、従来より
次に示すような各種面ヒータが提案されている。
(1)マイカ板に電熱線を巻回し、その両面にマイカ板
をハトメで止めた構造を有するもの。
(2)発熱体を板状のアスベスト間に挟み、前記アスベ
ストと発熱体をリン酸塩を主成分としたバインダーによ
って一体に密着した構造のもの(実公昭51−27479号公
報)。
(3)所望回路形状に形成した金属箔発熱体の片面もし
くは両面に硝子繊維を無機バインダーにより接着した構
造のもの(実公昭51−10437号公報)。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、(1)のマイカ板に電熱線を巻回した
構造のものは、発熱体が封止されていないので耐湿特性
に問題があり、さらに、マイカ板と発熱体が点接触であ
るために局部加熱による断線がおこるなどの課題があっ
た。また、(2)のアスベスト板の間に発熱体を挟み、
リン酸塩を主成分としたバインダーで一体化した構造の
ものは、バインダーがリン酸塩であるために、電気特性
(絶縁抵抗、絶縁体力など)に課題があり、さらにアス
ベスト板は発癌性物質であり、安全衛生上の課題もあ
る。更に(3)の発熱体の片面、もしくは両面に硝子繊
維を無機バインダーにより接着した構造のものは、硝子
繊維の耐熱性が低く、ヒートショックに弱いと言う課題
があった。
本発明は、ヒートショックに強い面ヒータの製造法を
提供することを目的とする。課題を解決するための手段 前記目的を達成するために本発明は、高絶縁ガラス20
〜70wt%、窒化ボロン・合成金雲母の中から一種以上の
粉末の合計重量が30〜80wt%、必要に応じて適量のバイ
ンダを添加した粉末に、少量の水を添加して混合する工
程と、前記混合粉末を成形型に入れて、プレスによって
一次成形体を得る工程と、二枚の一次成形体の間に発熱
体を挿入し、ホットプレスによって一体焼結する工程と
からなる面ヒータの製造法とするものである。
作用 本発明によれば、脆さを改善した緻密で気孔のない絶
縁体中に発熱体を内包して、電気特性および熱衝撃性を
大幅に向上できる面ヒータの製造法を実現できる。
実施例 以下、本発明の一実施例について第1図および第2図
を参照しながら説明する。図において1は高絶縁ガラス
(ホウケイ酸系ガラス)と窒化ボロンの混合粉末を焼結
した絶縁体であり、この中にNi−Crの箔体(t=0.1)
を所望の形状に形成した発熱体2が埋設されている。3
は前記発熱体2に接続されている端子である。以上の各
要素により、面ヒータが構成されている。
次に前記した面ヒータの製造方法について説明する。
高絶縁ガラス(ホウケイ酸系ガラス)と窒化ボロンの混
合粉末を直方体の型に板状に並べ、その上にNi−Crの箔
体(t=0.1)を所望の形状に形成した発熱体2を載
せ、さらに、その上から前記混合粉末を載せ、プレスに
て一次成形体(図示せず)を作成する。この一次成形体
を電気炉に投入して高絶縁ガラスの軟化点以上の温度で
一定時間加熱し、ガラス粉末を固溶化させる。こうし
て、高絶縁ガラス中に添加された窒化ボロンの粉体がマ
トリックス状に分散される。ここで窒化ボロンは、鱗片
状で熱電導率が高く(0.16カロリ-/cm・sec)絶縁体の熱電
導率を改善することができると共に、熱衝撃に対して緩
衝作用を有し、絶縁物にクラックが発生することを防止
することができる。更にまた電気絶縁性も高く(体積固
有抵抗(常温時)1×1010Ω・cm)、空気中での酸化開
始温度も950℃であり、面ヒータとしての耐熱性も充分
に有している。以上のようにして第1図・第2図に示す
ような継目なしの絶縁体1(t=2.0mm)に発熱体2を
埋設した面ヒータを得ることができる。
このようにして得られた面ヒータを400℃の電気炉に
投入して一時間加熱後、水中へ投入して急冷したがクラ
ックの発生はなかった。また、500℃における絶縁抵抗
は20MΩと良好な結果がえられた。加えて、発熱体2に
通電した時の温度分布は絶縁ガラス単体のものに比べて
若干の改善が見られた。
本実施例で高絶縁ガラスに合成金雲母を添加した場合
は、熱衝撃に対しては同様の傾向が見られたが温度分布
の改善はなかった。これは合成金雲母の熱伝導率が低い
ためと思われる。また、窒化ボロンと合成金雲母の二種
類の粉末を添加した場合、窒化ボロン単体を添加した場
合と同様の傾向が見られた。
次に、第二の実施例である面ヒータの製造方法につい
て以下に説明する。高絶縁ガラス50wt%、窒化ボロン50
wt%の粉末に必要に応じて一次バインダーとして若干の
CMCを添加し、これに小量の水を加えて混合する工程
と、前記混合粉末を成形型に入れてプレスし、一次成形
体を得る工程と、二枚の一次成形体(t=1mm)の間に
発熱体2を挿入し、電気炉で所定の温度に加熱後、高絶
縁ガラスの軟化点以上の温度でホットプレスにて一体焼
結する工程とから成り、高絶縁ガラスを固溶化させた
後、自然冷却を行い本実施例の面ヒータを得ている。
この面ヒータの絶縁体1は、第一の実施例と同様高絶
縁ガラス中に窒化ボロンが均一に分散しており、無気孔
で緻密な層を形成していた。このようにして得られた面
ヒータは冷時の絶縁抵抗が1000Vメガーで無限大を示し
た。また、冷時の絶縁耐力は2000V以上であった。熱衝
撃性については500℃の電気炉にサンプルを入れて一時
間加熱後、水中に投下したがクラックの発生はなかっ
た。また合成金雲母を単体で添加した場合も、合成金雲
母と窒化ボロンの両方を添加した場合も、窒化ボロンを
単体で添加した場合と同様の傾向を示した。
絶縁体1の組成比について述べると、高絶縁ガラスの
比率が多くなるにつれて熱衝撃性が低下する傾向を示
し、70wt%を越えると極端に悪くなる。また、窒化ボロ
ン・合成金雲母の一種以上の粉末添加量が増加すると機
械的強度が低下する傾向を示し、80wt%を越えると絶縁
体の緻密性が損なわれる。
発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれば、高
絶縁ガラス・窒化ボロン・合成金雲母の中から一種以上
を選択し、必要に応じて適量のバインダを添加した粉末
に、小量の水を添加して混合する工程と、前記混合粉末
を成形型に入れて、プレスによって一次成形体を得る工
程と、二枚の一次成形体の間に発熱体を挿入し、ホット
プレスによって一体焼結する工程とを有して、緻密で無
気孔の絶縁体中に発熱体を内包し、電気特性および熱衝
撃性を大幅に向上できる面ヒータの製造法を実現できる
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図、第2図は同斜
視図である。 1……絶縁体、2……発熱体。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高絶縁ガラス20〜70wt%、窒化ボロン・合
    成金雲母の中から一種以上の粉末の合計重量が30〜80wt
    %、必要に応じて適量のバインダを添加した粉末に、小
    量の水を添加して混合する工程と、前記混合粉末を成形
    型に入れて、プレスによって一次成形体を得る工程と、
    二枚の一次成形体の間に発熱体を挿入し、ホットプレス
    によって一体焼結する工程とからなる面ヒータの製造
    法。
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