JP2585881Y2 - 風呂用の循環浄化装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】本考案は、風呂用の循環浄化
装置に関し、浴槽上に装置本体を配置し、装置本体の底
面側の吸引管接続部に接続された吸引管と、吐出管接続
部に接続された吐出管との下端側を浴槽の水中に浸漬
し、この吸引管と吐出管とを介して浴槽と装置本体との
間で浴槽の水を循環させながら浄化するようにしたもの
である。

【０００２】

【従来の技術】風呂用の循環浄化装置には、従来、実開
平２−１６１８０号公報に記載されるように、浴槽の側
壁の上端と天井との間に、浴室の壁面に沿って上下方向
の支柱を設け、この支柱に装置本体を取り付けると共
に、この装置本体の底面から真っ直ぐに伸びる吸引管と
吐出管との下端側を浴槽の水中に浸漬し、この吸引管と
吐出管とを介して浴槽と装置本体との間で浴槽の水を循
環させながら浄化するようにしたものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】この従来の循環浄化装
置では、浴槽の側壁の上端と天井との間に介在した支柱
に装置本体を取り付けて支持する構造を採っているた
め、装置本体を浴室の壁面に近接して配置できる反面、
支柱で装置本体の全重量を支えなければならず、安定性
に欠ける欠点がある。また装置本体が大型化した場合に
は、支柱だけでは装置本体の全重量を支えることが困難
でり、到底採用し得るものではない。

【０００４】また支柱を完全に固定した後、その支柱に
装置本体を取り付けるため、装置本体を平坦部分に載置
する場合に比較して、循環浄化装置を浴室内に設置する
際の施工も煩雑になる欠点がある。本考案は、このよう
な従来の課題に鑑み、装置本体を浴槽の側壁上に容易に
安定性良く設置できると共に、設置状態での収まりも良
く、しかも吸引管及び吐出管を容易に接続できる風呂用
の循環浄化装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本考案
は、浴槽4 上に装置本体2 を配置し、この装置本体2の
底面側の吸引管接続部11に接続された吸引管14と、吐出
管接続部12に接続された吐出管15との下端側を浴槽4 の
水中に浸漬し、この吸引管14と吐出管15とを介して浴槽
4 と装置本体2 との間で浴槽4 の水を循環させながら浄
化するようにした風呂用の循環浄化装置において、浴槽
4 上に取り付けベース3 を載置し、この取り付けベース
3 上に装置本体2 を設け、装置本体2 の下側の取り付け
ベース3に、その吸引管接続部11と吐出管接続部12とに
対応する開口孔16を形成し、この開口孔16に吸引管14と
吐出管15とを挿通したものである。

【０００６】請求項２に記載の本考案は、請求項１に記
載の考案において、吸引管接続部11と吐出管接続部12と
を開口孔16に上側から着脱自在に嵌合させたものであ
る。請求項３に記載の本考案は、請求項１又は２に記載
の考案において、吸引管14と吐出管15とを開口孔16から
下方に垂下させたものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】以下、本考案の実施形態を図面に
基づいて詳述する。図１において、1 は風呂用循環浄化
装置で、装置本体2 と取り付けベース3 とを備え、浴槽
4 の隅部5 とこの隅部5 を挟む二つの側壁6 とに跨がる
平面視Ｌ字状の設置部位7 の上面に設置されている。装
置本体2 は、その後隅部2aから浴槽4 の二つの側壁6 に
沿って前側に向かって略ハの字状に広がる左右一対の後
側縁8 と、この左右一対の後側縁8 の前端から前方に延
びる左右一対の左右側縁9 と、この左右側縁9 の前端か
ら左右側縁9の前端側同士を結ぶように前方に略湾曲状
に張り出す前縁10とを有する平面視略扇状に構成されて
いる。

【０００８】装置本体2 は内部にヒーター、濾過材を入
れた濾過タンク、浴槽4 内の水を濾過タンクに汲み上げ
て濾過タンクとの間で循環させるための循環ポンプ等
（何れも図示せず）を備えている。装置本体2 の底面に
は、下方に突出する吸引管接続部11、吐出管接続部12及
び嵌合部13が設けられ、吸引管接続部11には浴槽4 内の
水を吸引する吸引管14が、吐出管接続部12には吸引した
水を浴槽4 内の水中に戻す吐出管15が夫々接続されてい
る。なお、装置本体2 は、その内部の循環ポンプによ
り、浴槽4 内の水を吸引管14によって濾過タンク内に汲
み上げた後、濾過タンク内の濾過材により浄化して吐出
管15から浴槽4 内に戻すようになっている。

【０００９】吸引管接続部11及び吐出管接続部12は、左
右一対の後側縁8 の前端間を結ぶ線分よりも前側で中央
部側に略平行に配置され、また吸引管14及び吐出管15は
各吸引管接続部11及び吐出管接続部12から下方に延びて
下端部が浴槽4 の水中に浸漬されている。嵌合部13は平
面視略ハの字状になるように、装置本体2 の左右両側の
後側縁8 及び左右側縁9 に沿って左右に一対形成されて
いる。

【００１０】取り付けベース3 は、図２及び図３に示す
ように、平面視において装置本体2の底面と略同じ大き
さの平面視略扇状に形成されている。取り付けベース3
の前部側には、２つの円弧状の開口孔16が設けられ、こ
の開口孔16から装置本体2 の吸引管接続部11及び吐出管
接続部12が下方に突出するようになっている。

【００１１】取り付けベース3 の上面には、外周リブ17
及び被嵌合部18が夫々上方に突出して一体に形成されて
いる。外周リブ17は取り付けベース3 の外周形状に沿っ
て略全範囲に形成され、この外周リブ17の内側に、装置
本体2 の底面の各嵌合部13に対応する左右一対の被嵌合
部18が平面視略ハの字状に形成されている。

【００１２】各被嵌合部18は、外周リブ17と内周リブ27
との間に形成された溝状であって、この各被嵌合部18に
装置本体2 の底面の各嵌合部13が上側から嵌脱自在に嵌
合するようになっている。内周リブ27は、外周リブ17の
内側に所定の間隔を置いて配置されている。なお、各リ
ブ17,27 は略同一高さになっている。

【００１３】取り付けベース3 には、装置本体2 の底面
側の吸引管接続部11及び吐出管接続部12に対応する部位
に開口孔16が形成されると共に、外周リブ17の前側下部
から前方に突出する蓋受け部26が一体に形成されてい
る。開口孔16は、吸引管接続部11及び吐出管接続部12が
上側から着脱自在に嵌合する大きさの長孔状に形成さ
れ、この開口孔16に、下側から吸引管14及び吐出管15が
挿通されている。蓋受け部26は、取り付けベース3 の前
縁に沿って円弧状に形成され、取り付けベース3 の前縁
側に当接する浴槽蓋（図示省略）を下側から受けるため
のものである。

【００１４】取り付けベース3 の底面は、面ファスナー
手段24を介して浴槽4 の隅部5 からその両側の側壁6 に
跨がる平面視Ｌ字状の設置部位7 の上面に固定されてい
る。面ファスナー手段24は、耐水性を有する両面粘着テ
ープ25により構成され、その両面粘着テープ25は浴槽4
の設置部位7 の内、隅部5 とその両側の側壁6 との上面
に貼付されている。

【００１５】この循環浄化装置1 を設置するには、先
ず、浴槽4 の設置部位7 の上面に面ファスナー手段24を
介して取り付けベース3 を張り付ける。即ち、浴槽4 の
設置部位7 の隅部5 及び側壁6 の上面に所定長さの両面
粘着テープ25を張り付け、その上側に取り付けベース3
の底面を押し付ける。なお、両面粘着テープ25は予め取
り付けベース3 の底面に貼り付けておいても良い。

【００１６】次に装置本体2 の嵌合部13を取り付けベー
ス3 の被嵌合部18に上方から嵌合させて、装置本体2 を
取り付けベース3 に固定する。すると装置本体2 の底面
の吸引管接続部11と吐出管接続部12とが取り付けベース
3 の開口孔16内に上側から嵌合するので、この開口孔16
に吸引管14及び吐出管15の上端側を下側から挿通して、
この開口孔16内で吸引管14及び吐出管15の上端部を吸引
管接続部11及び吐出管接続部12に夫々下側から挿入して
接続する。これで浴槽4 の設置部位7 に対する循環浄化
装置1 の取り付けが完了する。取り付け状態では、装置
本体2 の左右一対の後側縁8 が浴槽4 の隅部5 を挟む側
壁6 に略沿った状態となる。

【００１７】図４乃至図７は比較例を示し、取り付けベ
ース3 の前部側に、２つの円弧状の切り欠き部28が設け
られ、この切り欠き部28から装置本体2 の吸引管接続部
11及び吐出管接続部12が下方に突出するようになってい
る。取り付けベース3 の上面には、外周リブ17、被嵌合
部18、縦リブ19及び横リブ20が夫々上方に突出して一体
に形成されている。

【００１８】外周リブ17は取り付けベース3 の外周形状
に沿って略全範囲に形成され、この外周リブ17の内側
に、装置本体2 の底面の各嵌合部13に対応する左右一対
の被嵌合部18が平面視略ハの字状に形成されている。各
被嵌合部18は一対のリブ21間に形成された溝状であっ
て、この各被嵌合部18に装置本体2 の底面の嵌合部13が
上側から嵌脱自在に嵌合するようになっている。

【００１９】縦リブ19は取り付けベース3 の中央部に前
後方向に形成され、この縦リブ19の前端側の左右両側に
横リブ20が形成されている。なお、各リブ17,19,20は略
同一高さになっている。取り付けベース3 の底面には、
装置本体2 の吸引管14及び吐出管15の上部を後方側から
ガードするガード部22が下方に突出して設けられてい
る。ガード部22はリブ状であって、取り付けベース3 の
二つの切り欠き部28にわたって一体に設けられ、左右の
両端部に、吸引管14及び吐出管15の外側に沿って前側に
円弧状に湾曲する湾曲部23を有する。

【００２０】この循環浄化装置1 を設置するには、浴槽
4 の設置部位7 の上面に面ファスナー手段24を介して取
り付けベース3 を張り付けるが、その時、ガード部22の
左右両端の湾曲部23を浴槽4 の各側壁6 の内面に接当さ
せた位置で、取り付けベース3 の底面を下方に押し付け
て固定すれば、浴槽4 の設置部位7 に対する取り付けベ
ース3 の取り付け位置が定まる。

【００２１】装置本体2 を取り付けベース3 に固定する
と、装置本体2 の底面の吸引管接続部11と吐出管接続部
12とが取り付けベース3 の二つの切り欠き部28内に位置
するので、これらに吸引管14及び吐出管15を下側から接
続する。これで浴槽4 の設置部位7 に対する循環浄化装
置1 の取り付けが完了する。この比較例の場合には、吸
引管14及び吐出管15の吸引管接続部11及び吐出管接続部
12に対する接続部分が前側に露出し、また浴槽蓋を取り
付けベース3 に当接させた時に、その切り欠き部28に隙
間が発生し易くなる。

【００２２】なお、本考案は上記実施形態に限定される
ものではなく、循環浄化装置1 は、浴槽4 から汲み上げ
た水をヒーターで保温又は加熱する保温又は加熱式のも
のを例示したが、浄化機能のみのものでも良いし、また
吐出管15から浴槽4 内に水を戻す際に、空気配管からの
気泡を混入させてジェット噴流を噴射するジェット噴射
式としても良い。

【００２３】面ファスナー手段24は、両面粘着テープ25
の他、浴槽4 を加工することなく取り付けベース3 を固
定できる面ファスナー等を用いても良い。嵌合部13及び
被嵌合部18は、装置本体2 を取り付けベース3 に固定で
きる構造であれば十分であり、例えば嵌合部13の構造は
孔、溝、突起等でも良い。更に嵌合部13は装置本体2 の
下部に別体に設けても良い。

【００２４】

【考案の効果】請求項１に記載の本考案によれば、浴槽
4 上に装置本体2 を配置し、この装置本体2 の底面側の
吸引管接続部11に接続された吸引管14を、吐出管接続部
12に接続された吐出管15との下端側を浴槽4 の水中に浸
漬し、この吸引管14と吐出管15とを介して浴槽4 と装置
本体2 との間で浴槽4 の水を循環させながら浄化するよ
うにした風呂用の循環浄化装置において、浴槽4 上に取
り付けベース3 を載置し、この取り付けベース3 上に装
置本体2 を設け、装置本体2 の下側の取り付けベース3
に、その吸引管接続部11と吐出管接続部12とに対応する
開口孔16を形成し、この開口孔16に吸引管14と吐出管15
とを挿通しているので、次のような顕著な効果を奏す
る。 浴槽4 上に取り付けベース3 を載置し、この取り付
けベース3 上に装置本体2 を設けているので、装置本体
2 を取り付けベース3 を介して浴槽4 上に載置できる。
従って、装置本体2 を設置する際の施工が容易であると
共に、装置本体2 の設置状態での安定性が向上し、装置
本体2 を浴槽4 上に容易に安定性良く設置でき、しかも
装置本体2 の設置状態での収まりも良好にできる。 装置本体2 の下側の取り付けベース3 に、その吸引
管接続部11と吐出管接続部12に対応する開口孔16を形成
し、その開口孔16に吸引管14及び吐出管15を挿通してい
るので、取り付けベース3 上に装置本体2 を設ける構造
であるにも拘わらず、吸引管14と吐出管15とを装置本体
2 の底面の吸引管接続部11と吐出管接続部12とに容易に
接続でき、しかもその挿通部分が前側に露出せず、前側
から見た時の体裁も良くなる。 取り付けベース3 の開口孔16に吸引管14及び吐出管
15を挿通しているので、取り付けベース3 の外周から凹
入する切り欠き部を設けて、その切り欠き部に吸引管14
及び吐出管15を挿通する場合に比較して、取り付けベー
ス3 に浴槽蓋を当接させて浴槽4 の開口側を塞いだ時
に、浴槽蓋と取り付けベース3 との間の隙間を小さくで
きる。

【００２５】請求項２に記載の本考案によれば、請求項
１に記載の考案において、吸引管接続部11と吐出管接続
部12とを開口孔16に上側から着脱自在に嵌合させている
ので、次のような顕著な効果を奏する。 取り付けベース3 上に装置本体2 を設ける構造であ
るにも拘わらず、その吸引管接続部11と吐出管接続部12
とが取り付けベース3 に干渉することもなく、装置本体
2 を取り付けベース3 上に確実に載置できる。請求項３
に記載の本考案によれば、請求項１又は２に記載の考案
において、吸引管14と吐出管15とを開口孔16から下方に
垂下させているので、次のような顕著な効果を奏する。 吸引管14と吐出管15とを取り付けベース3 の開口孔
16から真っ直ぐに下方に伸ばして浴槽4 の水中に浸漬で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態を示す風呂用循環装置の取
り付け状態の斜視図である。

【図２】本考案の一実施形態を示す取り付けベースの斜
視図である。

【図３】本考案の一実施形態を示す取り付けベースの平
面図である。

【図４】比較例を示す風呂用循環装置の取り付け状態の
斜視図である。

【図５】比較例を示す取り付けベースの平面図である。

【図６】比較例を示す取り付けベースの底面図である。

【図７】比較例を示す取り付けベースの中央の断面図で
ある。

【符合の説明】

1 風呂用循環浄化装置 2 装置本体 3 取り付けベース 4 装置本体 11 吸引管接続部 12 吐出管接続部 14 吸引管 15 吐出管 16 開口孔

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽(4) 上に装置本体(2) を配置し、こ
   の装置本体(2) の底面側の吸引管接続部(11)に接続され
   た吸引管(14)と、吐出管接続部(12)に接続された吐出管
   (15)との下端側を浴槽(4) の水中に浸漬し、この吸引管
   (14)と吐出管(15)とを介して浴槽(4) と装置本体(2) と
   の間で浴槽(4) の水を循環させながら浄化するようにし
   た風呂用の循環浄化装置において、浴槽(4) 上に取り付
   けベース(3) を載置し、この取り付けベース(3) 上に装
   置本体(2) を設け、装置本体(2) の下側の取り付けベー
   ス(3) に、その吸引管接続部(11)と吐出管接続部(12)と
   に対応する開口孔(16)を形成し、この開口孔(16)に吸引
   管(14)と吐出管(15)とを挿通したことを特徴とする風呂
   用の循環浄化装置。
2. 【請求項２】 吸引管接続部(11)と吐出管接続部(12)と
   を開口孔(16)に上側から着脱自在に嵌合させたことを特
   徴とする請求項１に記載の風呂用の循環浄化装置。
3. 【請求項３】 吸引管(14)と吐出管(15)とを開口孔(16)
   から下方に垂下させたことを特徴とする請求項１又は２
   に記載の風呂用の循環浄化装置。