JPH027616Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、主に家庭用浴槽内における温度の
高い上層の湯を下方に、温度の低い下層の湯を上
方に強制対流して槽内上下位置での湯温を常に均
等にすると共に、その対流中に、主に上層に浮遊
し易い垢類を効率よく捕集除去すると共に、汚れ
た湯を浄化するために用いる浴槽内の湯の浄化撹
拌器に関するものであつて、この種の浄化撹拌器
を製造・販売する産業分野において利用されるも
のである。

（従来技術） 従来、浴槽内の湯を対流させて湯温を均等化す
ると共に、垢類を除去して湯を浄化する浴槽内の
湯の浄化撹拌器として各種のものが提案されてお
り、例えば、実開昭49−23251号公報に記載され
た簡易浴槽清浄器、実開昭53−39号公報に記載さ
れた浴槽用浄水器などが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 然しながら、上記従来例中の前者の場合は、そ
の吸湯口及び吐湯口は夫々上下に向つて開口され
ていて、而も円筒形であるため吸湯、吐湯効率が
悪く、湯中に広範囲に亘つて浮遊する垢類を効率
よく捕集除去し難いと言つた問題があつた。ま
た、従来例中の後者には、第１図に従来例として
浴槽の前面に向つて湯水の吸排口を開設した循環
構造例が略示されているが、その吸排口の巾は短
巾と見受けられ、且つ湯の循環方向は下層の湯を
吸引して上層に排出する機種のものであるため、
この場合においても、湯の上層に広く浮遊し易い
垢類を効率よく捕集除去し難いと言つた問題があ
る。

本考案は、上記の問題点を解決するために開発
されたものであつて、その目的とするところは、
浴槽内の温度の高い上層の湯を下方に、温度の低
い下層の湯を上方に強制的に対流循環させると共
に、湯の表面乃至上層に広く浮遊し易い垢類を効
率よく捕収除去できる浴槽内の湯の浄化撹拌器を
提供することにある。

（問題を解決するための手段） 本考案は、上述した従来技術の問題点を解決す
るために、次のような構成を採用した。即ち、本
考案は、浴槽内の湯の浄化撹拌器において、上下
方向に配置される吸入筒２の上端に吸入口３を直
交させて横方向に長く且つ前向きに連設すると共
に、該吸入筒２の下部に連設した排水筒５の下端
に排出口６を直交させて横方向に長く且つ前向き
に連設して吸入筒２と排水筒５を挿着可能に形成
すると共に、吸入口３に網を貼設し、吸入筒２に
は浄化器４を、排水筒５には水中ポンプ７を夫々
設けて裏面に吸盤９を取付けたことを特徴とする
浴槽内の湯の浄化撹拌器に係るものである。

（作用） 本考案の構成によれば、浴槽１内の水を暖ため
るための昇温中に水中ポンプ７を作動させて槽内
の湯を強制対流させて撹拌すれば、上方の水面の
高温部が吸入口３より排出口６を経て下方に至る
ために、槽内の水温は常に均等化され、下方のみ
が冷水であるような不都合が発生しない。また、
強制撹拌中に浄化器４を湯が通過するので、湯は
自然に浄化されると共に、吸入口３には網が貼設
されているので、湯中に浮遊している垢類は捕集
除去され、湯水面は常に清潔に保たれる。また、
湯の吸入口３及び排出口６は夫々横方向に長く且
つ前向きに配設されているので、上記循環撹拌作
用と浄化作用は効率よく行なわれる。

（実施例） 以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳述す
る。１は一般に市販されている浴槽、２は縦方向
の吸入筒で、その上端に吸入口３を直交させて横
方向に長く且つ前向きに連通連設すると共に、下
方に排水筒５を嵌着してあり、且つ該吸入筒２内
には浄化器４を水の流通を可能に設けてある。吸
入口３は左右に細長に開口部を設けて形成されて
おり、該開口部には網が貼設されている。また、
浄化器４はイオン発生装置に代えてもよく、又こ
れらを交互に入替えるようにしてもよく、或は両
者を同時に使用してもよい。さらに、排水筒５の
下端には排出口６を直交させて横方向に長く且つ
前向きに連通連設してあり、且つ該排水筒内には
水中ポンプ７が設けてある。また、該排出口６
も、左右に細長の開口部を設けて構成されてい
る。

排水筒５内に介在させた水中ポンプ７により強
制的に水流を発生させるのであるが、強制的に水
流を発生させる他の装置としては、気泡の上昇に
よるもの、回転翼によるもの、電磁振動体による
もの、ピストンの往復運動によるもの等がある。

８は温度計で、外部から目視できるように排水
管５内に取付けてある。９は公知の吸盤で、軟質
素材を用いて片面を腕状に形成して吸着部とな
し、その反対側を吸入口３と排出口６の裏面に取
付けてある。

以上のように構成した実施例の浄化撹拌器は、
浴槽１の内側壁面に、吸入口３を水面付近に、排
出口６を底部付近に位置するように配設し、吸盤
９で固着して使用するもので、必要時に水中ポン
プ７を作動させるものである。水中ポンプ７は水
を強制的に上方より下方に送り出すために、横方
向に長く且つ前向きに開口させた吸入口３から広
範囲に亘つて水面付近の昇温中の湯を吸込み、こ
れを吸入筒２内の浄化器４を通過させて浄化しな
がら排出筒５内の水中ポンプ７で排水口６より押
し出して浴槽内の湯を急速に撹拌するものであ
る。

（考案の効果） 本考案は、浴槽内の湯の浄化撹拌器において、
上下方向に配置される吸入筒２の上端に吸入口３
を直交させて横方向に長く且つ前向きに連設する
と共に、該吸入筒２の下部に連設した排水筒５の
下端に排出口６を直交させて横方向に長く且つ前
向きに連設して吸入筒２と排水筒５を挿着可能に
形成すると共に、吸入口３に網を貼設し、吸入筒
２には浄化器４を、排水筒５には水中ポンプ７を
夫々設けて裏面に吸盤９を取付けて構成したこと
を特徴とする浴槽内の湯の浄化撹拌器に係るもの
であるから、その吸盤９を利用して簡便に浴槽の
内壁に装着できることは勿論、浴槽１内の水を暖
ためるための昇温中に水中ポンプ７を作動させる
ことにより、槽内の湯を上方から下方に強制対流
させて循環撹拌でき、上方の水面付近の高温湯が
吸入口３より排出口６を経て下方に至るために、
槽内の水温は常に均等化され、下方のみが冷水で
あるような不都合が発生しないために、水面の湯
温を知ることにより浴槽全体の湯温が分り、した
がつて快適な入浴が可能であると共に、入浴前の
湯の撹拌が不要となる利点がある。また、強制撹
拌中に浄化器４内を湯が通過するので、吸入口３
に網が貼着されていることと相俟つて、湯水を常
に清浄に保つことができる。

また、吸入口３及び排出口６は夫々横方向に長
く且つ前向きに開口配置されているので、上記の
循環撹拌と浄化を効率よく達成できるものであ
り、特に湯の表面乃至上層に浮遊している垢等の
捕集除去を広巾に亘つて著しく能率的に達成でき
る利点がある。

なお、実施例では述べていないが、風呂釜の燃
焼装置と温度計が連動して、自動的に湯温を調整
するように構成しておけば、多人数の入浴に際し
ても常に快適な温度条件が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は本
考案の浄化撹拌器を装着した浴槽断面図、第２図
は浴槽内に装着した浄化撹拌器の正面図を示すも
のである。 符号の説明、２……吸入筒、３……吸入口、４
……浄化器、５……排水筒、６……排出口、７…
…水中ポンプ、９……吸盤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽内の湯の浄化撹拌器において、上下方向に
   配置される吸入筒２の上端に吸入口３を直交させ
   て横方向に長く且つ前向きに連設すると共に、該
   吸入筒２の下部に連設した排水筒５の下端に排出
   口６を直交させて横方向に長く且つ前向きに連設
   して吸入筒２と排水筒５を挿着可能に形成すると
   共に、吸入口３に網を貼設し、吸入筒２には浄化
   器４を、排水筒５には水中ポンプ７を夫々設けて
   裏面に吸盤９を取付けて構成したことを特徴とす
   る浴槽内の湯の浄化撹拌器。