JP2585570Y2 - 浴槽蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、浴槽の上に被せる浴槽
蓋の裏側をシールするためのシール構造を備えた浴槽蓋
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の浴槽蓋としては使用者が
入浴の際、折り畳んで浴槽の縁に置いておくものが知ら
れている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このような浴槽蓋にあ
っては、入浴する際に浴室内の限られたスペースにおい
て大きな板状の浴槽蓋を置く場所に困る。このため、こ
れを折り畳むことができるようにすれば限られた浴室ス
ペースを有効に利用できる。

【０００４】しかも浴槽蓋は、浴槽の上に被せるように
置いたときに、浴槽に対してより密着した状態で置くこ
とができれば、浴槽の開口部の密閉度を向上でき、浴槽
内の湯がよりさめにくくなる等種々の好ましい効果が期
待できる。

【０００５】本考案は、以上の課題を解決するためにな
されたもので、限られた浴室スペースを有効に利用で
き、しかも浴槽開口部の密閉度を向上させることができ
る浴槽蓋を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本考案によ
れば、曲折部を挟んで第１蓋部材と第２蓋部材とで形成
された浴槽蓋の裏面側に、少なくともその周縁部に沿っ
て、シール部材を配し、前記シール部材が少なくとも曲
折部に対して固定されないように配設されている浴槽蓋
により、達成される。

【０００７】また前記浴槽蓋を曲折する曲折部を複数設
けてもよい。

【０００８】そして、前記浴槽蓋はそのほぼ中心で曲折
できるように形成してもよい。

【０００９】また、前記浴槽蓋は好ましくはたて，よこ
のいづれかに長い形状でなり、その中央付近で短手方向
に沿って曲折できる曲折部を備えている。

【００１０】あるいは、前記浴槽蓋はたて，よこのいづ
れか一方に長い形状でなり、その中央付近で長手方向に
沿って曲折できる曲折部を備えている。

【００１１】

【００１２】また、より好ましくは、前記第１蓋部材と
第２蓋部材とは別体に構成されており、これら第１蓋部
材と第２蓋部材とは、浴槽蓋の曲折部に関しシール部材
の両外側でヒンジにより連結されるように構成できる。

【００１３】

【作用】上述の構成によれば、浴槽蓋の裏側にシール部
材を配することにより、このシール部材が浴槽開口部と
浴槽蓋の間に介在することになる。これにより、浴槽と
浴槽蓋との間でこのシール部材により浴槽内の湯等が外
部に漏れることがないようようにする作用がある。この
ため、シール部材は浴槽蓋が載置される浴槽の縁部に接
触するように浴槽の裏側に配設されればよいから、この
シール部材は浴槽裏側の少なくとも周縁部に配されれば
よい。

【００１４】また、浴槽蓋を折り曲げるために、この浴
槽蓋に設けられる曲折部に対してシール部材が固定され
ていると、浴槽蓋を曲折したときにシール部材がつぶさ
れてしまうおそれがある。このため、シール部材は浴槽
蓋の裏側で上記曲折部に対して固定されないようにする
のが好ましい。同様に、浴槽蓋の裏側にこの浴槽蓋の曲
折部に沿って凹部を形成することにより、浴槽蓋を曲折
したとき、シール部材の曲折部に対応する箇所が上記凹
部ににげこむことができる。

【００１５】

【実施例】以下、この考案の好適な実施例を添付図面を
参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる実施
例は、本考案の好適な具体例であるから、技術的に好ま
しい種々の限定が付されているが、本考案の範囲は、以
下の説明において特に本考案を限定する旨の記載がない
限り、これらの態様に限られるものではない。

【００１６】図１は、本考案による浴槽蓋のシール構造
の一実施例の概略斜視図である。図において、浴槽蓋１
０は、たとえば長方形形状に形成される浴槽（後述）の
開口部を塞ぐのに適するようにその全体形状や大きさが
設定される。つまり、浴槽がたとえば正方形であれば、
これに合わせるように形成することもできる。図１の場
合は、図示のように、浴槽蓋１０は全体がほぼ長方形形
状を呈するように構成されており、第１蓋部材１４と第
２蓋部材１６とからなっている。

【００１７】この第１蓋部材１４と、第２蓋部材１６と
は、本実施例の場合、浴槽蓋１０の中央付近で短手方向
に沿って設けられた曲折部１８で曲折可能に形成されて
いる。すなわち、これら両蓋部材１４と１６とは後述す
るように、この曲折部１８において曲折できるように連
結されている。

【００１８】さらに、本実施例にあっては蓋部材１０の
裏側にシール部材３１が配されている。このシール部材
３１は、たとえば図示するようにシート状に形成され、
全体が弾力性のある合成ゴムなどの材料により一体に形
成されている。そして、この実施例では、シール部材３
１は、浴槽蓋１０の裏側でその曲折部１８に沿ってこれ
をカバーし得る領域３６を備えている。さらに、浴槽蓋
１０を浴槽の上に置いた状態で、浴槽の上縁部に載置さ
れる領域３２，３４がシール部材３０の中間領域３６か
ら一体に延長されて形成されている。この領域３２，３
４は中間領域３６と一体になって浴槽蓋１０の裏側周縁
部に沿って、たとえば接着剤等により固定されている。
このため、シート状のシール部材３１には窓状の開口部
３８，３９を有し、その枠部分が浴槽蓋１０に対して固
定されている。

【００１９】一方、シール部材３１の中間領域３６は、
浴槽蓋１０に対して固定されていない。図２及び図３
は、浴槽蓋１０の曲折部１８付近を拡大して示す側断面
図である。第１の蓋部材１４と第２の蓋部材１６とはこ
の実施例では別体に形成されており、両蓋部材１４と１
６とは曲折部１８において曲折可能に連結されている。
図２に示すように曲折部１８において第１蓋部材１４と
第２蓋部材１６との向かい合った端部は、じょじょに板
厚が薄くなるように形成されている。すなわち、この浴
槽蓋１０の裏面側は曲折部１８に沿って延びる凹部１８
が形成されており、シール部材３１の中間部３６は浴槽
蓋１０に対して固定されていない。

【００２０】さらに、第１蓋部材１４と第２蓋部材１６
の端部にはそれぞれ軸受け１４ａと１６ａが設けられて
いる。これらの軸受け１４ａと１６ａとはヒンジ本体４
０を介してピン４２，４４により回動自在に連結固定さ
れている。しかも、この軸受け１４ａ，１６ａおよびヒ
ンジ本体４０は、シール部材の中間領域３６を挟んで両
外側に設けられている。これにより、図３に示すように
第１蓋部材１４と第２蓋部材１６とを矢印に示すように
曲折したとき、シール部材３１が浴槽蓋の曲折部１８で
つぶされることがない。

【００２１】すなわち、第１蓋部材１４と第２蓋部材１
６とを曲折部１８にて曲折して両蓋部材１４，１６とを
重合するようにしても、浴槽蓋１０裏面には曲折部１８
に沿って凹部１０ａが設けられているから、シール部材
３１の中間領域である折り返し部３６は、図３に示すよ
うにたとえばループ状になって、この凹部１０ａに収容
される。このため、シール部材３１の中間付近３６が第
１蓋部材１４と第２蓋部材１６との折り曲げ箇所でつぶ
されたりして、疲労したり、破断したりすることを有効
に防止できる。

【００２２】図４は本実施例の浴槽蓋のシール構造を適
用した浴槽１の一例を示している。この浴槽１は、その
開口部１２がほぼ長方形を呈しており、その短辺に沿っ
た縁部４，５と、長辺に沿った縁部とを有している。

【００２３】この浴槽１を塞ぐ浴槽蓋１０は、本実施例
にあってはその基端部が浴槽の縁部５に回動自在に固定
されており、基端側を構成する第１蓋部材１４と第２蓋
部材１６とから構成されている。具体的には、第１蓋部
材１４は図４に示すように浴槽１の縁部５に沿って配置
された台座に設けた軸受に対して回動自在に枢支されて
いる。

【００２４】そして、図４に示すように、この浴槽蓋１
０にあっては、たとえば基端側の第１蓋部材１４の下面
に浴槽の内側を洗浄するための洗浄用ノズル２４が露出
している。具体的には、浴槽の縁部５に設けられた台座
の裏側には、水もしくは湯の供給管３０が外部から導か
れている。この供給管３０は第１蓋部材１４の中を通っ
て洗浄ノズル２４に接続されている。この洗浄用ノズル
２４は、図４に概略的に示すように、ノズルから噴射さ
れる洗浄水や洗剤もしくは洗剤が添加された洗浄液が浴
槽内壁を十分覆うようにするため、第１蓋部材１４の下
面から突出して、全体として凸部を形成している。

【００２５】このため、浴槽蓋１０を鎖線で示すように
内側に曲折する際には、その先端側の第２蓋部材１６の
下面に当接してしまう。これを回避するため、第２蓋部
材下面の浴槽蓋１０を曲折した際に洗浄用ノズル２４と
干渉する箇所に図示するような凹部２５を形成してお
く。この凹部２５は凸部である洗浄ノズル２４を十分受
容できる大きさの凹所をなすように第２蓋部材を一体に
成形して構成されている。

【００２６】本実施例は以上のように構成されており、
以下その作用について述べる。浴槽蓋１０の裏面側には
シール部材３１が配されおり、このシール部材３１は浴
槽蓋１０と浴槽１の上縁部とのあいだに介在し、中間領
域３６が第１蓋部材１４と第２蓋部材１６との隙間を塞
いでいる。このため、シール部材３１は、浴槽１の開口
１２を完全に覆っている。これにより、浴槽１の開口１
２を図４に実線で示すように浴槽蓋１０で塞ぐことによ
り、ノズル２４から噴射される洗浄液が浴槽１の外に出
ることがなく、したがって、浴槽１の洗浄により浴室内
が濡れてしまうことを有効に防止できる。また、浴槽１
内に湯が収容されているときにも、浴槽蓋１０を図４に
示すように閉めれば、この浴槽内の湯を有効に保温でき
る。

【００２７】また、この実施例では、浴槽蓋１０の第１
蓋部材１４に浴室用の装備品（この場合、洗浄ノズル２
４）を装着するにあたり、浴槽蓋１０の板厚全体を厚く
することを避け、このような装備品を装着した箇所だけ
を、この装備品を収容できるだけの厚みを持つ凸部とし
て形成している。そして、浴槽蓋１０を曲折して第１蓋
部材１４と第２蓋部材１６とを重合状態としたとき、上
記凸部と干渉する第２蓋部材の所定の箇所を凹部として
形成している。

【００２８】したがって、浴槽蓋１０を曲折した状態で
全体を薄く構成できる。しかも、第１蓋部材１４は浴槽
１の縁部５に対して回動自在に固定されているから、入
浴する際には第２蓋部材表面の図示しない把手を手で以
て持ち上げ、図４に示すように矢印方向に曲折して、折
り畳み、鎖線で図示されているようにこれを浴槽の短辺
に沿った縁部に曲折状態でかたずけることがでる。この
ため、浴槽蓋を置く場所が必要なく、限られた浴室スペ
ースを有効に利用できるものである。

【００２９】なお、上述の実施例では、シート部材３１
には窓状の開口が形成され、この窓状開口の枠部分を浴
槽蓋に対して固定しているが、シート部材にこのような
窓状開口は必ずしも必要でないことは言うまでもない。
要は、浴槽蓋と浴槽上縁部との隙間を塞ぐことができ、
また浴槽蓋自体に隙間があるときは、ここから浴槽内の
洗浄液等が外部に出ることを防止できる構成であれば、
本考案のシール構造に適用できる。

【００３０】さらに、第１蓋部材を浴槽１の縁部５に沿
って配置した台座に対して回転自在に固定したが、実際
上はこの縁部５を延長して、この縁部５に対して直接取
り付けるように構成してもよい。さらに、第１蓋部材を
浴槽１の縁部５の近傍の壁面に対して直接取り付けても
よい。そして、この第１蓋部材をこれらの箇所に取り付
ける手段としては、上述の実施例のように軸受けを設け
なくとも、吸盤やヒンジをネジ止めするなどの簡易な方
法で固定してもよい。

【００３１】また、浴槽蓋１０に装着すべき浴室用装備
品は実施例に記載したものに限らず、浴室内で入浴に、
もしくは入浴する際に快適に過ごすための種々の装備品
を装着することができる。さらに、浴槽蓋１０を構成す
る第１蓋部材１４と第２蓋部材１６とは上述の実施例で
は別体に構成したが、これにかぎらず、第１蓋部材と第
２蓋部材とを一体に形成してもよい。また、上述の実施
例では浴槽蓋は、短手方向に沿って曲折できるように構
成しているが、長手方向に沿って曲折できるようにして
もよい。また、上述の実施例では、浴槽蓋に曲折部をひ
とつ設けて、蓋全体を二つ折りにするように構成してい
るが、浴槽蓋に二つ以上の曲折部を設けてもよい。

【００３２】

【考案の効果】以上述べたように、本考案によれば、限
られた浴室スペースを有効に利用できるとともに、しか
も蓋を閉めたとき、浴槽開口部の密閉度を格段に向上さ
せることができる。しかも、シール部材が浴槽蓋の裏側
で上記曲折部に対して固定されないようにされているの
で、浴槽蓋を曲折したときに、このシール部材がつぶれ
ることがないので、長期間使用しても上記密閉性能を損
なうことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の浴槽蓋のシール構造を示す一実施例を
示す概略斜視図。

【図２】図１に示した浴槽蓋の曲折部を示す拡大断面
図。

【図３】図２の曲折部で浴槽を曲折した状態を示す拡大
断面図。

【図４】本考案実施例の浴槽蓋のシール構造を適用した
浴槽の一例を示す概略図。

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ 浴槽ユニット ４，５， 縁部 １０ 浴槽蓋 １４ 第１蓋部材 １６ 第２蓋部材 １８ 曲折部 ２４ 凸部（洗浄ノズル） ２５ 凹部 ３１ シール部材

Claims (6)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 曲折部を挟んで第１蓋部材と第２蓋部材
   とで形成された浴槽蓋の裏面側に、少なくともその周縁
   部に沿って、シール部材を配し、 前記シール部材が少なくとも曲折部に対して固定されな
   いように配設されていることを特徴とする、浴槽蓋。
2. 【請求項２】 前記浴槽蓋を曲折するための曲折部は、
   この浴槽蓋に複数設けられていることを特徴とする、請
   求項１に記載した浴槽蓋。
3. 【請求項３】 前記浴槽蓋はそのほぼ中心で曲折できる
   ように形成されていることを特徴とする、請求項１に記
   載した浴槽蓋。
4. 【請求項４】 前記浴槽蓋はたて，よこのいづれか一方
   に長い形状でなり、その中央付近で長手方向に沿って曲
   折できる曲折部を備えていることを特徴とする、請求項
   １もしくは３に記載した浴槽蓋。
5. 【請求項５】 前記浴槽蓋はたて，よこのいづれか一方
   に長い形状でなり、その中央付近で短手方向に沿って曲
   折できる曲折部を備えていることを特徴とする、請求項
   １もしくは３に記載した浴槽蓋。
6. 【請求項６】 前記第１蓋部材と第２蓋部材とは別体に
   構成されており、これら第１蓋部材と第２蓋部材とは、
   浴槽蓋の曲折部に関しシール部材の両外側でヒンジによ
   り連結されていて、かつこの曲折部に沿った浴槽蓋裏面
   の領域が凹部となるように形成されていることを特徴と
   する、請求項２ないし５のいずれかに記載した浴槽蓋。