JP2585469Y2 - 内動片引き防音サッシの下枠構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は内障子可動式の片引きサ
ッシの下枠構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記のような片引きサッシは実公平３−
１９８１号公報に示されているように障子の閉鎖位置で
障子引寄装置のハンドルを回して内障子内の引寄ピース
（閉塞部材）を昇降するようにしており、障子の引き寄
せ時に引寄ピース傾斜溝の設けてある斜面と室外側面を
垂直にしたレールの上端部とを当接させ、引寄ピースの
斜面がレールの上端部分をすべるようにして内障子の引
き寄せを行っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このような片引きサッ
シのレールでは引寄ピースの斜面を利用して内障子を閉
鎖位置に引き寄せるようにしているが引寄ピースの斜面
はレール上端部と線接触した状態なので障子引寄時の荷
重により圧接される部分の摩耗が早くなり耐用寿命が短
くなる問題があった。又、内障子が閉鎖位置にあるとき
引寄ピースとレール室外との間には引寄ピースの斜面に
より隙間ができ、この部分から雨水が進入する恐れがあ
った。このため引寄ピースの斜面の形状に合わせた別の
パッキング部材により雨水の進入を防止する対策が取ら
れていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本考案は窓枠の中方立と一方の竪枠との間にガラスを
嵌殺し状態に設け、下枠の中方立より室内側位置に上方
へ突出するレールを備え、そのレール上に上下、左右框
を枠組した障子を移動自在に設け、上枠と中方立と他方
の竪枠には閉鎖位置の障子の室外側面と対向する位置に
気密材を連続的に装着し、障子の下框にはレールの室内
側面と対向する位置に気密材を全長に亘って装着し、下
枠には障子の竪框と下枠との間を塞ぐ塞ぎ部材を夫々設
け、障子を室外へ引き寄せるハンドルの回転に連動して
昇降する引寄ピースの傾斜溝がレールに案内されて、障
子を閉鎖位置で室外へ引き寄せるようにした内動片引き
防音サッシにおいて、レール上部の室外側面上部に前記
引寄ピースの傾斜溝と係合する傾斜面を形成したことを
特徴とする。

【０００５】

【作用】障子の引き寄せ時、レール上部の傾斜面と引寄
ピースの傾斜溝とが面接触するようにしてあるので、引
寄ピース当接部の受圧荷重は分散され、引寄ピースの傾
斜溝がレールの傾斜面を摺動しても引寄ピースの傾斜溝
の摩耗は小さい。又、障子閉鎖位置において引寄ピース
の傾斜溝はレールの傾斜面により塞がれているので雨水
の進入はなく引寄ピースの傾斜溝に合わせたパッキング
部材を別に取付ける必要はない。

【０００６】

【実施例】次に本願の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１において１は内動片引き防音サッシの窓枠を示
し、周知のように上枠２、竪枠３，４及び下枠５を枠組
みすると共に上枠２、下枠５の中間部の室外側寄りに中
方立６の上、下部を夫々連結して構成してある。図２に
示すように上枠２の下側には室外側寄りにガラス嵌合溝
７を、室内側寄りに障子嵌合凹部８を夫々全長に渡って
設け、対向する室外側壁面８ａに気密材装着溝１２を全
長に渡って設けてある。

【０００７】図３において上方の（一方の）竪枠３には
室外側寄りにガラス嵌合溝１３を、室内側寄りに障子呑
込凹部１４を夫々全長に渡って設けてある。他方の竪枠
４には室内側寄りに障子嵌合凹部１６を全長に渡って設
けてある。障子嵌合凹部１６は上枠２の障子嵌合凹部８
と同一位相に位置され、その室外側壁面１６ａに気密材
装着溝１８を全長に渡って形成してある。上記下枠５の
上面には上枠２のガラス嵌合溝７と対向する位置にガラ
ス嵌合溝２４を全長に渡って設けてある。

【０００８】また、ガラス嵌合溝２４の中方立６と竪枠
４との間は塞ぎ枠２５より塞がれている。上記中方立６
には竪枠３のガラス嵌合溝１３と対向する位置にガラス
嵌合溝２７を全長に亘って設け、また室内側面に気密材
装着溝２８を全長に亘って形成してある。気密材装着溝
１２，１８，２８は同一面上で連続するように形成して
ある。次に上記ガラス嵌合溝７，１３，２４，２７には
ガラス３１をガスケットを介して嵌殺し状態に装着して
ある。上記装着溝１２，１８，２８には弾性部材から成
る気密材３２，３３，３４を連続的に装着し、それらの
室内側面が略同一平面上に位置される。

【０００９】次に図４に示すように下枠５の上面には中
方立６よりも室内側部分に上方へ突出するレール２１が
下枠５のほぼ全長に渡るように設けられている。このレ
ール２１室外側の外側壁２１ｂには上部から室外側方向
に向かって斜下する傾斜面２１ａに形成され、その終端
は鉤上に曲がり、外側壁２１ｂに接続してある。傾斜面
２１ａには後述の引寄ピース１９の斜面１９ａが障子引
寄時に当接摺動し、当接部が面接触するようにされこれ
によって引寄ピース１９の摩耗を防止するようにしてあ
る。又、レール２１の室内側は上部から下枠５の間を垂
直に形成した垂直壁２１ｃが設けられ障子引寄時に後述
の気密材５３が圧着するようになっている。

【００１０】次に４１はレール２１上に開閉移動自在に
載せられる障子で、上框４２、竪框４３，４４及び下框
４５を枠組すると共にガラス板４６を組込んで構成され
ている。このガラス板４６は図２に示すようにガラス嵌
入溝４５ａの下壁４５ｃ上面に設けられたガラス受片４
６ａ上に載置され、ガラス板４６外周部が上框４２，下
框４５及び竪框４３，４４のガラス嵌入溝４２ａ，４５
ａ及び４３ａ，４４ａ内にゴム等のガスケット４２ｂ，
４５ｂ及び４３ｂ，４４ｂを介して嵌殺し状態にしてあ
る。上框４２は障子凹部８に嵌め込まれ、上框４２の室
外側には障子４１の閉鎖引寄せ時に気密材３２に圧着す
る圧着部４７が形成されている。また、竪框４３，４４
の室外側面４８，４９が障子閉鎖、引寄せ時に気密材３
３，３４に圧着するようになっている。下框４５の戸車
取付室５８には閉鎖方向に間隔をおいて一対の戸車５９
が取付けてある。下框４５には室内側片４５ｇに室外側
へ開口する気密材装着溝５２を全長に亘って形成し、そ
の気密材装着溝５２に障子引寄せ時にレール２１の室内
側面に圧着する気密材５３を全長に亘って装着してあ
る。この気密材５３の障子開閉方向の両端面は、後述の
引寄ピース１９の側面と障子引寄時に密着する。

【００１１】次に、５５，５６は下枠５に止着した弾性
パッキン体から成る塞ぎ部材で、夫々閉鎖位置における
障子４１の竪框４３，４４の下方に位置される基部５５
ｃ，５６ｃと、基部５５ｃ，５６ｃの前部から上方へ立
上り、中方立６と竪枠４の気密材装着溝２８，１８に隣
合う収納空間６ａ，４ａ内に嵌込まれる立上部５５ｂ，
５６ｂと、各立上部５５ｂ，５６ｂから夫々気密材３
４，３３へ向けてこれらと連続するように突出した突出
部５５ａ，５６ａとから成り、立上部５５ｂと突出部５
５ａの室内側面、立上部５６ｂと突出部５６ａの室内側
面は、気密材３４，３３の室内側面と同一面に形成して
ある。一方の塞ぎ部材５５の基部５５ｃは竪框４３の下
端面とレール２１と竪枠４の室外側壁面１６ａと下枠５
の上面とで囲まれる空間を塞ぐように形成してある。他
方の塞ぎ部材５６の基部５６ｃは竪框４４の下端面とレ
ール２１と中方立６の室内側面と下枠５の上面とで囲ま
れる空間を塞ぐように形成してある。

【００１２】なお、上記障子４１の竪框４３，４４に
は、図示を省略したが引寄せハンドル９の操作によって
障子４１を閉鎖位置で室外側へ引寄せるようにした引寄
装置１０と、引寄ハンドル９の操作によって昇降され、
下降時に上記塞ぎ部材５５，５６及びレール２１の上面
に圧着して竪框４３，４４の下端と塞ぎ部材５５，５６
との間の僅かな隙間を塞ぎ、気密材５３と気密材３３，
３４を連続させるための引寄ピース１９を装備させてあ
る。この引寄ピース１９は材質が合成樹脂の例えばナイ
ロンで、レール２１の傾斜面２１ａ及び垂直壁２１ｃに
合わせた形状の斜面１９ａと垂直な垂直面１９ｂに形成
した傾斜溝２２を備え、障子引寄時に斜面１９ａがレー
ル２１の傾斜面２１ａに圧接摺動し障子４１を室外側に
引寄せるようにしてある。引寄ピース１９は、また、室
外側の一部が図４に示すように竪框４３，４４の室外側
片に形成した切欠４３ｃ，４４ｃ内に上下に移動自在に
位置され、この突出部１９ｃの室外側面は竪框４３，４
４の室外側面４８，４９と同一面を成すようにしてあ
る。尚、引寄装置１０は実開昭６０−６８１８６号公報
等によって周知であるので、ここでの説明を省略する。

【００１３】上記構成のものにあっては、障子４１を閉
鎖して引寄装置によって室外側へ引寄せると、障子４１
の上框４２の圧着部４７が気密材３２に圧着すると共
に、竪框４３，４４の圧着部４８，４９が気密材３３，
３４及び塞ぎ部材５５，５６の立上部５５ｂ，５６ｂの
室内側面圧着し、下框４５の気密材５３がレール２１の
垂直壁２１ｃに圧着する。また障子４１の竪框４３，４
４が塞ぎ部材５５，５６の真上に位置して竪框４３，４
４と下枠５の上面との間の空間の大部分が塞ぎ部材５
５，５６によって塞がれる。この引寄装置１０の引寄操
作によって引寄ピース１９が竪框４３，４４内から下方
へ突出して塞ぎ部材５５，５６の上面及びレール２１に
圧着し、また、引寄ピース１９の突出部１９ｃが立上部
５５ｂ，５６ｂに、引寄ピース１９の側面が気密材５３
の端面に密着して室内外を気密とする。この時レール２
１の傾斜面２１ａ上を圧接摺動する引寄ピース１９の斜
面１９ａは面接触になるのでこれら当接部分が広くなり
必然的に斜面１９ａの面圧は分散され小さくなり斜面１
９ａの摩耗を防止する。又引寄ピース１９の傾斜溝２２
とレール２１の当接部分は隙間なく密着するので別のパ
ッキング部材を引寄ピースに装着する必要もない。

【００１４】

【考案の効果】以上のように、本考案の内動片引き防音
サッシにおいて、レール上部の室外側面上部に引寄ピー
スの傾斜溝と係合する傾斜面を形成し、障子引寄時、引
寄ピースの斜面がレールの傾斜面と面接触するようにし
たので、斜面の摩耗を極力少なくでき引寄ピースの耐用
寿命を長くすることができる。又、レールの形状を引寄
ピースの傾斜溝に合わせたものにしてあるのでレールと
引寄ピースとの隙間を埋めるパッキング部材を装着する
必要がなくコスト低減ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のサッシの全体図である。

【図２】図３のII−II線断面図である。

【図３】図１のIII−III線断面図である。

【図４】図３のIV−IV線断面図である。

【符号の説明】

１ 窓枠、 ２ 上枠、 ３，４ 竪框、 ５ 下枠、
６ 中方立、１９ 引寄ピース、 １９ａ 斜面、
２１ レール、 ２１ａ 傾斜面、２２ 傾斜溝、 ４
１ 障子、 ４２ 上框、 ４３，４４ 竪框、４５
下框

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 窓枠の中方立と一方の竪枠との間にガラ
   スを嵌殺し状態に設け、下枠の中方立より室内側位置に
   上方へ突出するレールを備え、そのレール上に上下、左
   右框を枠組した障子を移動自在に設け、上枠と中方立と
   他方の竪枠には閉鎖位置の障子の室外側面と対向する位
   置に気密材を連続的に装着し、障子の下框にはレールの
   室内側面と対向する位置に気密材を全長に亘って装着
   し、下枠には障子の竪框と下枠との間を塞ぐ塞ぎ部材を
   夫々設け、障子を室外へ引き寄せるハンドルの回転に連
   動して昇降する引寄ピースの傾斜溝がレールに案内され
   て、障子を閉鎖位置で室外へ引き寄せるようにした内動
   片引き防音サッシにおいて、レール上部の室外側面上部
   に前記引寄ピースの傾斜溝と係合する傾斜面を形成した
   ことを特徴とする内動片引き防音サッシの下枠構造。