JP2584733B2 - 原虫類抗原用dnaのクロ−ニング - Google Patents

原虫類抗原用dnaのクロ−ニング

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JP2584733B2 JP60034280A JP3428085A JP2584733B2 JP 2584733 B2 JP2584733 B2 JP 2584733B2 JP 60034280 A JP60034280 A JP 60034280A JP 3428085 A JP3428085 A JP 3428085A JP 2584733 B2 JP2584733 B2 JP 2584733B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、マラリヤワクチン用抗原ペプチドの提供に
使用できるプラスモジウム(Plasmodium falciparum)
のクローンDNA配列およびその断片に関する。
全第三世界における保健問題として、マラリヤの重要
性はますます増大しつつある。数億の人々がこの病気に
罹つていて、原虫類プラスモジウム(plasmodium falci
parum)の寄生によつて起こる最も急性の病型ではアフ
リカだけで百万人以上の小児が死亡している。この寄生
虫の血流中における無性増殖に対する効果的な免疫によ
ればこの疾患を予防できる。侵入型の分裂小体に対する
有効な免疫応答によつて赤血球の再侵入を防止すればこ
のサイクルが遮断される。
けつ歯類のマラリヤモデルにおいて、成熟赤血球内型
分裂前体中で合成され、分裂小体の表面上に表現された
蛋白抗原が精製でき、この抗原によるワクチン化でプラ
スモジウム(Plasmodium yoelii)に対する保護免疫を
生じることが明らかにされている〔ホルダーほか(Hold
er,A.A.& Freeman,R.R.):ネイチヤー(Nature)、29
4:361〜364(1981)〕。この抗原は、見かけの分子量
(MW)230,000で、in vivoで蛋白分解プロセツシングを
受けて、この抗原の分離断片が分裂小体表面に存在する
〔ホルダーほか(Holder & Freeman)、1981、前出;
ホルダーほか(Holder.A.A.& Freeman,R.R.):パラシ
トロジー(Parasitology)、88:211〜219(1984a)〕。
「分子量」の語は、ドデシル硫酸ナトリウムと標準分
子量マーカーの存在下にポリアクリルアミドゲル電気泳
動によつて測定された見かけの相対的分子量を意味す
る。本発明の抗原蛋白質の分子量は、したがつて、レム
リ(U.K.Laemmli)〔ネイチヤー(Nature)、227:680〜
685(1970)〕によつて報告された方法によつて測定す
るのが好都合である。便利は標準分子量マーカーとして
は、たとえば、スペクトリンヘテロダイマー(2.2×105
MW)、β−ガラクトシダーゼ(1.6×105MW)、ホスホリ
ラーゼb(9.3×104MW)、ウシ血清アルブミン(6.8×1
04MW)、アルドラーゼ(3.9×104MW)、トリオースホス
フエートイソメラーゼ(2.7×104MW)およびリゾチーム
(1.5×104MW)がある。
マウスのワクチン化に、この蛋白質を用いた場合、保
護効果はアジユバント依存性で、細胞仲介エフエクター
経路によつて与えられるものと思われる〔フリーマンほ
か(Freeman,R.R.& Holder,A.A.):クリニカル・エク
スペリメンタル・イミユノロジー(Clin、Exp.Immuno
l.)、54:609〜616(1983a)〕。しかし、この蛋白質に
対するモノクロナール抗体はマウスに受動免疫を付与す
ることが示されている〔マジヤリアムほか(Majariam,
W.R.et al):ジヤーナル・オブ・イミユノロジー(J.I
mmunol.)、132:3131〜3137(1984)〕。
類似の蛋白質抗原が、他のプラスモジウム属について
も報告されている。プラスモジウム(P.yoelii)の230,
000MW精製抗原に対して産生した多価抗血清は、試験し
た他のすべてのプラスモジウム属の血液段階型と免疫蛍
光により交差反応を示した〔ホルダーほか(Holder &
Freeman):1984a、前出〕。プラスモジウム(Plasmodiu
m chabaudi)においては、抗原はウエスターン法によつ
て250,000MWの共通抗原として同定され、これも同様に
プロセツシングを受ける〔ホルダーほか(Holder,A.A.e
t al):モルキユラー・アンド・バイオケミカル・パラ
シトロジー(Mol.Biochem.Parasitol.)、:191〜196
(1983)〕。250,000MWのプラスモジウム(Plasmodium
chabaudi)蛋白質に特異的なモノクロナール抗体は、マ
ウスにおいてプラスモジウム(Plasmodium chabaudi)
のチヤレンジに受動免疫を付与することが明らかにされ
た〔ボイルほか(Boyle,D.B.et al):インフエクシヨ
ン・アンド・イミユニテイー(Infect.Immun.)、38:94
〜102(1982)〕。プラスモジウム(Plasmodium knowle
si)の230,000MW蛋白質に対するモノクロナール抗体は
分裂小体を凝集させ、したがってin vitroにおいて赤血
球の寄生虫侵入を阻止し〔エプシユタインほか(Epstei
n,N.et al):ジヤーナル・オブ・イミユノロジー(J.I
mmunol.)、127:212〜217(1981)〕、このプラスモジ
ウム(Plasmodium knowlesi)の蛋白質はin vivoにおい
てプロセツシングを受け、分裂小体の表面上に表現され
る一連の断片を生成する〔デビツドほか(David et a
l):モルキユラー・アンド・バイオケミカル・パラシ
トロジー(Mol.Biochem.Parasitol.)、11:267〜282(1
984)〕。
プラスモジウム(Plasmodium falciparum)におい
て、プラスモジウム(P.yoelii)の230,000MW蛋白質に
対する多価抗血清は195,000MW抗原(以下P.195蛋白質と
呼ぶ)と交差反応した〔ホルダーほか(Holder et a
l):前出(1983a)〕。糖蛋白質と考えられるこの抗原
〔ハワードほか(Howard,R.J.et al):モルキユラー・
アンド・バイオケミカル・パラシトロジー(Mol.Bioche
m.Parasitol.)、11:349〜362(1984)〕の生合成は、
寄生虫の分裂前体内で起こり、赤血球内段階の末期に抗
原は蛋白分解プロセツシングを受けて分離した断片を生
じる〔ホルダーほか(Holder,A.A.& Freeman,R.R.):
ジヤーナル・オブ・エクスペリメンタル・メデイシン
(J.Exp.Med.)、156:1528〜1538(1982);ホールほか
(Hall,R.et al):モルキユラー・アンド・バイオケミ
カル・パラシトロジー(Mol.Biochem.Parasitol.)11:6
1〜80(1984a)〕。分裂小体の表面に(赤血球内段階の
末期に血清中に放出され)、蛋白質は完全なプロセツシ
ングを受け、分子量約83,000、42,000および19,000の3
種の分離したP.195断片が存在する。これらの3種の断
片が分裂小体の主要な表面坑原で、ヒト免疫血清によつ
て強力に認識される[フリーマンほか(Freeman,R.R.&
Holder,A.A.):ジヤーナル・オブ・エクスペリメンタ
ル・メデイシン(J.Exp.Med.)、158:1647〜1653(1983
b);ホルダーほか(Holder,A.A.& Freeman,R.R.):
ジヤーナル・オブ・エクスペリメンタル・メデイシン
(J.Exp.Med.)、160:624〜629(1984b)〕。
本明細書において使用される「P.195」の語は、プラ
スモジウム(Plasmodium falciparum)の赤血球分裂前
体中に存在する分子量1.8〜2.3×105の蛋白質であつ
て、in vivoにおいてプロセツシングを受けて分子量約
8.3×104、4.2×104および1.9×104の分離断片を生じ、
寄生虫の分裂小体の表面膜と会合している。
プラスモジウム(Plasmodium flaciparum)P.195内に
は、特異的モノクロナール抗体の結合度または見かけの
分子量のわずかな差によつて検知される構造上のある種
の多形現象が存在するとも思われる〔マツクブライドほ
か(McBride,J.S.et al):サイエンス(Science)、21
7:254〜257(1982);マツクブライドほか(McBride,
J..et al):トランズアクシヨン・オブ・ザ・ロイアル
・ソサイアテイー・オブ・トロピカル・メデイシン・ア
ンド・ハイジーン(Trans.Roy.Soc.Trop.Med.Hyg.)、7
8:32〜34(1984);ホールほか(Hall,R.et al):前出
(1984a)〕。しかしながら、これらの抗原が対応抗原
であつて、特定の抗原決定基に認められる差は動物にお
いて広い意味での免疫応答には重要でないことは、本技
術分野における熟練者には自明のとおりである。P.195
で免疫処理されたセイミリ(Saimiri)サルはチヤレン
ジ感染に対して保護されることが示されている〔ペリン
ほか(Perrin,L.H.et al):ジヤーナル・オブ・エクス
ペリメンタル・メデイシン(J.Exp.Med.)、160:441〜4
51(1984);ホールほか(Hall,R.et al):ネイチヤー
(Nature)、311、379〜382(1984b)〕。
本明細書に用いる「エピトープ」の語は、免疫原性分
子の抗原性決定基を意味し、抗原性決定基は適当な形で
存在する場合、感受性動物に保護的免疫応答を引き出す
ことができる分子立体配置からなる。
P.195は対立遺伝子変異を受けやすく、プラスモジウ
ム(P.Falciparum)の異なる株では異なる形の蛋白質を
表現する場合もあるが、どの株から得られたP.195も実
質的に類似のものであることも明らかである。
本明細書に記載のプラスモジウム(P.falciparum)株
からのP.195遺伝子をサイソング(Thaithong,S.)らに
よつて単離された株からの相当する遺伝子〔サイソング
ほか(Thaithong,S.et al):トランズアクシヨン・オ
ブ・ザ・ロイアル・ソサイアテイ・オブ・トロピカル・
メデイシン・アンド・ハイジーン(Trans.Roy.Soc.Tro
p.Med.Hyg.)、78:242〜245(1984)〕とサザン法で比
較したところ、核酸ハイブリダイゼーシヨン〔シユバル
ツ(Schwartz,R.T.)〕によつて検出できる構造多形現
象を示した。
以上略述した理由により、プラスモジウム(P.falcip
arum)P.195またはその抗原性断片は血液段階マラリヤ
のワクチンとして利用価値があるものと考えられる。
in vivoで産生され、分裂小体表面上に存在するこの
蛋白質またはその抗原性断片を大量かつ比較的純粋に得
るためには、プラスモジウム(P.falciparum)における
この蛋白質の表現をコードする遺伝子のDNA配列を同定
することが望まれる。この配列を同定したのち、この配
列を適当なベクターにクローニングし適当な宿主中に表
現させるか、あるいは同定した配列に相当するアミノ酸
配列を化学的に合成することにより、蛋白質分子の免疫
的に有効な部分を再生することが望ましい。
本発明は、上述のプラスモジウム(P.falciparum)か
らの抗原(P.195)をコードするDNAをクローニングする
ことが可能で、このクローンDNAを、その抗原またはそ
の少なくとも1個のエピトープを含むペプチドを適当な
宿主中で表現可能な適当なベクター中に導入することに
よつて、機能抗原またはその断片が得られることを発見
し、完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明はプラス
モジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質、またはその
少なくとも1個のエピトープを含むペプチドをコードす
るクローンDNA配列を提供するものである。
本明細書において用いられる「クローンDNA配列」と
は、天然宿主の外部で合成されたDNA配列を意味する。
本明細書において用いられる「ペプチド」の語は、2
個以上のアミノ酸からなる主としてアミノ酸によつて構
成される分子構造を意味する。この定義によれば、P.19
5も一種のペプチドである。
本発明のDNA配列は天然に生じる配列と同一でも、ま
たそれが単一もしくは多塩基置換、欠失、挿入および逆
位を含む変異を受けた配列でもよい。ただし、このよう
な配列からなるDNA分子は、常に、プラスモジウム(P.f
alciparum)のP.195蛋白質の少なくとも1個のエピトー
プを有するペプチドとして表現されるものでなければな
らない。
次に、本発明を、図面を参照しながらさらに詳細に説
明する。
第1図はP.195をコードする遺伝子を含むプラスモジ
ウム(P.falciparum)DNAのストレツチ塩基配列および
それがコードするアミノ酸配列を示す。
第2図はP.195遺伝子のcDNA制限地図を示す。
第3図はP.195ゲノム配列の制限地図を示す。
第4図は本発明を例示する過程で用いられるプラスミ
ドの構築を例示するものである。
第1A図から1I図まで(つづく)は、P.195遺伝子のヌ
クレオチド配列、それがコードするアミノ酸配列および
その暗号配列の両端におけるストレツチ配列を示す。2
段に並んだ文字の下段はヌクレオチドを慣用の略号によ
つて示したもので、上段は読み取り枠がコードするアミ
ノ酸配列をアミノ酸の慣用略号で示したものである。こ
の配列は本明細書に述べる方法で決定されたものであ
り、実験誤差の範囲内で可能な限り正確に決定された
が、このP.195遺伝子配列には変動がある可能性もあ
る。
第2図は遺伝子ならびに暗号配列の両端に伸びたcDNA
クローン中の配列を、図の最上段に太線として示し、重
要な制限酵素部位を記入してある。この図中の制限酵素
記号はすべて慣用法によつた。他の制限酵素部位は、図
を複雑にしないように下部の平行線上に示す。図の最下
部の囲まれた線は、各種プラスミド挿入部が由来するP.
195遺伝子関連位置を示す。ゲノム挿入部であるG1を除
いてすべてcDNA挿入部である。XおよびYはP.195コー
ド配列のそれぞれ5′および3′推定末端を示す。
第3図はP.195遺伝子を含むゲノムDNAのストレツチの
制限地図を例示したものである。スケールはkbpで、図
中にボールド書体の大文字で示したP.195遺伝子のHind
III制限部位を基準点として選んだ。他の制限酵素部位
は次の記号で表示した。E(EcoR I)、R(Rsal)、A
(Alu I)、M(Mbo I)、Pv(Pvu II)、N(Nde
I)、T(Taq I)、B(BamH I)およびP(Pst I)で
ある。制限地図の下に示した配列のストレツチは指示し
た特異的クローンにハイブリダイズすることが明らかに
されたストレツチである。カツコ内の数字はそのセグメ
ントがハイブリダイズするcDNAクローンで、数字は常に
関連pPFcクローンに相当する。カツコ外にさらに数字と
それに続いて上述の2個の文字がある場合、これは用い
られたプローブが全クローンより小さく、数字は断片の
長さ(Kbp)、文字はその断片の生成に用いた制限酵素
を示している。
第4図はP.195DNAの断片の表現に用いられる2種のプ
ラスミドの構築を例示している。pWRL507は図に示すよ
うに多数の特徴的な制限部位と、特徴的な遺伝子機能を
有する。Ptrp、trpEはそれぞれプロモーターおよびアン
トラニル酸シンテターゼIで、AmpRはアンピシリン抵抗
性をTetRはテトラサイクリン抵抗性を付与する。pXY460
も図に示すように特徴的な制限部位を有し、プロモータ
ー(Ptac)、β−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子
(lacZ)およびアンピシリン抵抗性を付与する遺伝子
(AmpR)を含む。
上述のDNA配列は、前述した条件を仮定すれば、また
この配列の決定に際しての実験誤差を考慮する限り、第
1図に示した配列のすべてまたは一部を有することを特
徴とするものである。
また、上述のDNA配列は、本明細書に述べる方法で決
定できる第2図および第3図のような制限地図を有する
ことを特徴とするものである。
遺伝子配列は、化学切断法〔マキサムほか(Maxam,A
& Gilbert,W.):メソツズ・イン・エンザイモロジー
(Meth.Enzymol.)、65:499(1980)〕または目的のDNA
断片をバクテリオフアージクローニングベクターにサブ
クローニングしたのち〔メチシングほか(Messing,J.&
Vieira,J.):ジーン(Gene)、19:269〜276(198
2)〕、ジデオキシ法〔サンガーほか(Sanger,et a
l):プロシーデイングズ・オブ・ザ・ナシヨナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sc
i.)、74:5463〜5467)によつて決定された。
第1図に示した配列の分析により216位に開始コドン
と思われるもの(AUG)があり、さらに1654個のコドン
の読み取り枠が続いている。ペプチド遺伝子生成物の原
子量の計算値は189,953になる。開始コドンに続いてシ
グナル配列と推定される18個のコドンが存在し、これは
蛋白質が成熟する前に蛋白質から切り離されるアミノ酸
配列をコードするものと思われる。ヌクレオチド447〜5
27は、P.195の83,000MW断片内に生じるトリペプチド配
列Ser−Gly−GlyおよびSer−Val−Alaの交互のくり返し
をコードしている(例6)。翻訳された配列内のアミノ
酸の一部の分布は不斉である。たとえば19個のシステイ
ン残基のうち、2個はシグナルペプチドと思われる配列
中に、11個はC末端の97個のアミノ酸(42,000MW断片)
中に存在する。Asn−X−SerまたはThr(Xはプロリン
以外の通常のアミノ酸である)で示される構造の11個の
トリペプチド配列が確認されているが、これらはN−グ
リコシレーシヨン部位と考えられる。第1図に示した配
列データを用い、この配列のいかなる部分に相当するペ
プチドもたとえばメリフイールド他〔Merrifield,R.B.
およびMarglin,A.(Ann.Rev.Biochem.(1970)39、841
頁以下参照)の方法を用いて合成することができるとい
うことが認識されよう。而して、本発明のもう一つの具
体例としてP.195の少なくとも1種のエピトープを含む
合成ペプチドが提供される。本明細書で用いる「合成」
なる用語はたとえば上記のごとき化学的方法により製造
されるペプチドをさす。
P.195をコードするDNA配列の断片の同定およびクロー
ニングは、たとえば次のようにして実施することができ
る。同調培養したプラスモジウム(P.falciparum)の細
胞を界面活性剤で処理し、エタノール処理および遠心分
離でメツセンジヤーRNA(mRNA)を沈殿させ、オリゴ−d
Tセルロース上クロマトグラフイーに付して精製するこ
とにより、まずmRNAを抽出した。ほぼ純粋な生成物を次
に、逆転写酵素とDNAポリメラーゼを用いるコピーDNA
(cDNA)の合成に使用した。生成後、cDNAをプラスミド
に挿入し、ついでこれを形質転換により宿主に導入し
た。生成したライブラリー中のどのクローンが関連DNA
挿入部を含有するかを確認するため、プラスモジウム
(P.falciparum)mRNAを庶糖勾配法により遠心分離して
プローブを単利し、in vitroでの翻訳により分画の性質
を調べた。P.195をコードすることが明らかにされた分
画を、部分アルカリ加水分解したのち、ポリヌクレオチ
ドキナーゼとγ32P−ATPによつて放射標識した。このプ
ローブをコロニーハイブリダイゼーシヨン実験に用いた
ところ、数個のクローンがそれとハイブリダイズし、そ
の一部は強力にハイブリダイズすることが明らかになつ
た。これらをクロスハイブリダイゼーシヨンによつてフ
アミリーに分類し、各フアミリーから1個ずつをニツク
トランスレーシヨンにより、DNAポリメラーゼとα−32P
−dATPで放射標識した。これらのプローブがP.195のDNA
配列の一部であるとすれば、プラスモジウム(P.falcip
arum)mRNAの全抽出物中、195,000MWの蛋白質をコード
するのに必要なmRNAの最低の長さである5,300塩基以上
のmRNAとハイブリダイズするはずである。
このようなmRNAを認識するプローブ(ノーザン法)
を、さらに、適当な宿主中でそのcDNA配列を融合ペプチ
ドとして表現できるベクター中に導入して、その性質を
調べた。このcDNAの表現を確認するため、その断片をベ
クター中に導入する前にエキソヌクレアーゼで処理し
て、読み取り枠をランダム化した。表現ペプチドをP.19
5に対して誘発された多価ウサギ血清で検査した。上述
のDNA断片はこのような操作で検出された。
P.195に対する完全なcDNAのクローニングについて
は、全mRNAに対応するcDNAの合成法が数種知られている
(たとえばハイデツカーほか)(Heidecker,G.& Messi
g,J.):ヌクレイツク・アシツズ・リサーチ(Nucleic
Acids Res.)、11:4891〜4906(1983)〕。またクロー
ニングは、容易に調整できる全ゲノムDNA消化ライブラ
リー、およびこのライブラリー中に上述の断片をプロー
ブとして用いることにより検出される関連配列またはそ
の断片を使用しても実施できる〔たとえばオデインクほ
か(Odink,k.G.et al):モルキユラー・アンド・バイ
オケミカル・パラシトロジー(Mol.Biochem.Parasito
l.)、10:55〜56(1984)〕。この方法で見出される配
列の一部は要求されるcDNA配列の全長であるが、多くは
この配列の断片である。ライブラリー中のどのクローン
が所望のDNAの一部に相当するかを決定するためには、
染色体歩行として知られている方法〔ハツドフイールド
(Hadfield,C.):フオーカス(Focus)、:1〜5(19
83)〕を使用する。この方法は既知の断片(プローブ)
を用いて、クロスハイブリダイゼーシヨンにより他の断
片を検出するものである。これらの新たに突き止められ
た配列はそれ自体プローブとして使用してもよく、この
方法で、P.195をコードするDNAの全配列が同定され、ク
ローン化できる。この操作によればDNA配列の制限地図
特性も明らかにできる。
ゲノムDNA中のP.195の遺伝子の物理的地図の、制限エ
ンドヌクレアーゼ切断、ゲル電気泳動、ニトロセルロー
スまたはポリアミド膜へのトランスフアーおよびクロー
ンDNA由来の特異的プローブへのハイブリダイゼーシヨ
ンによる構築はcDNAの方向性および位置ならびにゲノム
クローンの確認にきわめて有用でそれを容易にする。さ
らに、cDNAクローン内の制限部位とゲノム中の制限部位
の比較は、cDNAが合成されるmRNA中には存在しない遺伝
子の特徴を検出するのに使用できる。たとえば、暗号配
列内の分断、イントロンの存在を検出でき、これは転写
RNAから特異的スプライシングによつて切り取られる。
このような約700b.p.のイトロンと思われる例が、上述
の方法によりヌクレオチド暗号配列221と313の間(第1
図)、すなわちこれらの位置でMbo I(M)とHind III
部位の間(第3図)に認められている。
上述のように、P.195はin vivoでプロセツシングを受
け、上に述べたような断片を含む分離断片となる。これ
らの断片がマラリヤに対する免疫を付与するのに有益で
あることは容易に証明でき、このような断片のDNA配列
は本発明の重要な一態様である。とくに、このような配
列は一般に、全蛋白質のDNA配列よりも適当なベクター
中で良好に表現されるからである。
したがつて、さらに本発明の一態様として、in vivo
で生じるP.195断片をコードするクローンDNA配列を挙げ
ることができる。
感受性宿主に免疫応答をとくに引き出しやすい天然に
生じるP.195断片は、分裂小体表面に存在する断片であ
る。
さらに本発明はその一態様として、プラスモジウム
(P.falciparum)の分裂小体表面膜上にin vivoで生じ
るP.195断片をコードするクローンDNA配列を提供する。
線状遺伝子配列中のプロセツシング断片の位置決定の
ためには〔ホルダーほか(Holder & Freeman):前出
(1984b)〕、ひとつの直接的アプローチとして、断片
を精製して部分アミノ酸配列を決定し、ついでこれを翻
訳された遺伝子配列と比較する方法がある。これは分裂
小体から多分、赤血球侵入過程で特異的に離脱すると思
われ、in vitro培養液の上清に蓄積する83,000MW断片に
ついて実行可能なことが明らかにされている。P.195の8
3,000MW断片の20個のアミノ末端残基の配列決定によ
り、相当する暗号配列が第1図のヌクレオチド273〜332
に存在すること、すなわちこの断片が遺伝子内にあるこ
とが示されている。
モノクロナール抗体を用い常法によつて、42,000MW断
片の位置が決定され、これは例7に記載されている。4
2,000MWおよび83,000MW両断片の暗号配列は、遺伝子の
逆の末端にあることが確認されている。
P.195遺伝子内の対立変異を明らかにする実験から、
最大の保存は領域5′のHind III部位(83,000MW断片
中)および3′非暗号領域(第2図)に起こることが示
されている。もつとも保存性の高い配列は42,000MW断片
のカルボキシ末端における約130個のアミノ酸残基に相
当する遺伝子の3′末端にあつて、この断片が少なくと
も1個の有用なエピトープを含むことを示唆している。
したがつて、本発明はその一態様として、さらにP.19
5の42,000MW断片に相当するDNA配列を提供するものであ
る。
本発明のDNA配列は、このDNA配列を含有するウイルス
の産生にも使用できる。たとえば、感染細胞にヒポキサ
ンチンを含有しない培地上での生育能を付与できないワ
クシニアウイルスの株(Tk-)を用いて組織培養を感染
させる。この組織培養をTk+遺伝決定基に結合したP.195
遺伝子またはその断片で形質転換する。以後の子孫ウイ
ルスの一部はこの形質転換配列をゲノム中への挿入体の
形でもつことになる。これらは、組織培養細胞にヒポキ
サンチン欠乏培地上での生育能を付与する能力により選
択できる。生育するコロニーをさらに、たとえばF111.2
のような関連モノクロナール抗体を用い、P.195または
その少なくとも1個のエピトープを含むペプチドの産生
について選択する。このようなワクシニア株は免疫原生
マラリヤペプチドを産生するので、マラリヤに罹患しや
すい動物の感染に使用できる。すなわち、本発明は、さ
らにその一態様として、感受性脊錐動物にマラリヤの免
疫を付与するのに使用できる、本発明のDNA配列をもつ
た非病原性ウイルスを提供するものである。
このようなワクチンはまた、他の感染、たとえば天然
痘、ジフテリア、B型肝炎、狂犬病、単純疱疹、百日咳
等に対する免疫も容易に付与できることは明白である。
したがつて、本発明はまた、さらに他の感染に対する免
疫も付与できる上述のような非病原性ウイルスをも提供
するものである。これは他のワクチンと合して、または
個々に、同時投与することができる。
P.125のDNA配列の上述の特性に基づき、得られた制限
地図を参照して、この配列の任意の所望の断片のクロー
ニングが可能である。
外来性DNA小片を正しい読み取り枠で大腸菌遺伝子に
挿入すると、一部のアミノ酸配列は大腸菌遺伝子から、
一部は挿入DNAに由来する融合蛋白質が表現される。適
当な制御配列と有利な制限部位をもつ適当なベクターが
構築されていて、融合蛋白質の高レベルの表現が可能に
なつている。
選ばれた表現システムの制限地図と表現させる配列を
調査し、これに翻訳枠の知識があれば、特異的DNA断片
を表現ベクター中にリゲートするだけの操作で、その表
現が可能である。たとえば、pWRL507はpAT153とtrpE遺
伝子から〔ニコルスほか(Nichols,B.P.et al):ジヤ
ーナル・オブ・モルキユラー・バイオロジー(J.Mol.Bi
ol.)、146:45〜54(1981)〕、trpE遺伝子のヌクレオ
チド1223のBgl II部位に合成EcoR I−Bgl IIリンカーを
挿入して構築されたプラスミドである(第4図)。この
ベクターはNde IとEcoR I、EcoR IとBamH IまたはEcoR
IとHind IIIで切断し、このDNA小断片をpPFglの2.7Kbp
Nde I−FcoR I断片、pPFc1028の400bp EcoR I−BamH I
断片またはpPFc1028の2.4Kbp EcoR I−Hind III(Hind
III部位はこのプラスミドのポリリンカー中にある)断
片でそれぞれ置換できる。さらに、pPFc1028の1.2Kbp E
coR I−Nde Iのような特異的断片をpUC9のポリリンカー
領域(この場合、EcoR I/ブラント末端断片として)に
サブクローンし、ついでEcoR IとHind IIIで切り出し、
pWRL507のEcoR IとHind IIIカツトにクローン化するこ
とができる。
適当な制限酵素部位を用い、P.195遺伝子配列からのD
NA断片をtrpE遺伝子内に正しい方向でクローニングする
ことは可能であるが、通常、翻訳枠がずれてしまう。挿
入配列を発現させるには、適当な長さの合成リンカーを
trpE遺伝子と挿入体の間の制限部位に挿入して、融合蛋
白質を読み取り枠どおりに発現させる。また、挿入DNA
を含むプラスミドをバクテリアDNAと挿入DNAの間の特徴
的制限部位で開裂し、そのDNAを酵素Bal31で短時間処理
して直線化DNAの各末端から数個の塩基を除去する。DNA
ポリメラーゼ1の大(Klenow)断片で修復したのち、プ
ラスミドをT4リガーゼで再び環化し、バクテリアの形質
転換に使用する。形質転換体の3個中1個はP.195配列
を正しい読み取り枠で含有し、trpE遺伝子生成物との融
合蛋白質として表現される。Bal31による消化の程度が
表現される融合蛋白質の最終サイズおよびtrpEとそれに
含まれるP.195配列との長さの割合によつて決まること
は本技術分野における熟練者には自明のとおりである。
さらに、Bal31消化および修復後のリゲーシヨンの間に
合成リンカーを挿入すれば、形質転換後の特定株の分析
が容易になる。特異的制限酵素による消化とBal31酵素
処理を上手に使用すればP.195の任意の特定領域を融合
蛋白質として表現することができる。
したがつて、本発明は、さらに他の態様として、適当
な宿主によつて翻訳可能な遺伝子のアミノ末端コード部
分に縦列に結合した本発明のDNA配列を含むベクターを
提供するものである。このベクターは任意の制御配列を
伴つていてもよく、適当な宿主の形質転換を用いると、
P.195の少なくとも一部分またはその少なくとも1個の
エピトープからなる融合蛋白質を産生する。
DNA断片を発現させる別法としては読み取り枠(ORF)
やベクターを用いる方法がある。これにDNAの通常は短
い断片を多くの場合、大腸菌蛋白質のN末端アミノ酸配
列をコードする配列内に挿入できる。この挿入DNAは停
止コドンを正しい翻訳枠で含有してはならず、転写方向
に関し正しい方向性をもたねばならず、また各末端が正
しい枠内になければならない。ランダム切断法で生じた
蛋白質コード配列からのDNA切片が正しい枠で読み取ら
れる確率は1/18である。β−ガラクトシダーゼに基づく
ORFベクターが報告されている〔ケネンほか(Koenen et
al)、1982)。この蛋白質のN末端における部位にDNA
切片を正しい枠で挿入すると、β−ガラクトシダーゼ蛋
白質を読み通して表現され、これは発色性基質5−ブロ
モ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシ
ド(Xgal)を加水分解するので検知できる。たとえば、
Xgalが含まれているアガール上でコロニーを生育させる
と、機能性β−ガラクトシダーゼを表現するプラスミド
をもつ適当な宿主株の形質転換体は青色のコロニーを産
生する。このようなベクターのひとつ、pXY460はtacプ
ロモーターの制限下にβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を含
有する。EcoR I部位のとなりのSma I部位にDNAを挿入す
ると遺伝子が正しい読み取り枠で発現するように変換で
きる。JM105のような大腸菌宿主の形質転換はバクテリ
アをアンピシリン抵抗性に変換し、融合蛋白質の表現は
イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPT
G)の添加により高レベルに誘導される。
したがつて、本発明は別の一態様として、適当な宿主
中で翻訳可能な遺伝子からなり、関連制御配列をもつて
いてもよいベクターであつて、本発明のDNA配列が上記
遺伝子カルボキシ末端部分から上記DNA配列まで正しく
翻訳されて適当な宿主中で表現するように改変して挿入
されているベクターを提供するものである。これによ
り、P.195の少なくとも一部分またはその少なくとも1
個のエピトープを含むペプチドと上記遺伝子がコードす
る蛋白質の部分とからなる融合蛋白質が産生される。
P.195遺伝子の部分によつてコードされた、融合蛋白
質中のペプチドは適当なペプチド結合の酵素的または化
学的切断によつて融合蛋白質から切り取ることができ
る。表現されたアミノ酸配列の検査により、酵素的また
は化学的切断法のどれを採用するかは本技術分野の熟練
者であれば容易に決定できる。融合蛋白質表現システム
のP.195DNA配列とバクテリア遺伝子配列の間に合成オリ
ゴヌクレオチドリンカーを挿入すれば、P.195配列と表
現された融合蛋白質の残部の間に酵素的または化学的切
断に適した部位が付与される。この方法でP.195遺伝子
コード断片を宿主ペプチドから分離、精製することがで
きる。
P.195蛋白質またはその部分をコードする配列を直接
表現させるには、AUG開始コドンの後に挿入DNA配列を直
接、DNA挿入体がバクテリア制御領域によつて通常は転
写、翻訳されるコード配列を置換するように正しい読み
取り枠で位置させればよい。このような制御領域には、
開始コドンに対して至適位置にプロモーターとリボソー
ム結合部位を含有する。表現すべきDNA配列は適当な制
限部位の使用により正しく位置され、必要ならば適当な
オリゴヌクレオチドリンカーを使用することもできる。
挿入DNA配列の末端には、翻訳を停止させるために停止
コドンを正しい読み取り枠で挿入させ、また転写を停止
させるためにターミネーター配列を添加することもでき
る。表現すべき挿入DNAはP.195の全コード配列もしくは
アミノ末端シグナル配列を除去した全配列、また好まし
くは蛋白質の免疫原性断片に相当する一部のコード配列
である。適当な断片は適当なcDNAまたはゲノムDNAクロ
ーン(ヌクレオチド配列の検査後に)の制限酵素消化に
より調製でき、必要に応じて一端または両端をさらにBa
l31で処理し、DNA配列の一部を制御された方法で消化、
除去する。制御された消化は、適当な緩衝液、温度、反
応時間、酵素量をたとえば例8に述べるように選択する
ことにより達成される。この段階で、適当な合成リンカ
ーを、好ましくはブラント末端リゲーシヨンにより挿入
体に添加すると、AUG開始コドンの付与また表現ベクタ
ーへのリゲーシヨンの容易化が可能になる。
本発明は、さらにその態様として、宿主細胞を上に定
義したクローニングベクターで形質転換し、この宿主細
胞を培養して上記P.195またはその少なくとも1個のエ
ピトープからなるペプチドを表現させることを特徴とす
る方法を提供する。
クローン断片の制御された表現は、その配列の一方の
末端の配列の使用によりまたは既知の他の配列の使用に
よつて可能である。このような配列にはプロモーターお
よびエンハンサーがある。このようなプロモーターの例
としては、lac、trp、バクテリオフアージλpLおよびハ
イブリツドtrp−lac(tac)を挙げることができる。適
当なエンハンサーの例としてはSV40エンハンサーおよび
ウシ乳頭腫ウイルスからのエンハンサーがある。
本発明はさらにその一態様して、本発明の上述のDNA
配列を含有するベクターを提供する。
上述のベクターはDNAのクローニングに適し、宿主細
胞の形質転換に使用でき、関連蛋白質を表現させること
ができる適当な任意のベクターである。このようなベク
ターとしては、プラスミド、バクテリオフアージおよび
コスミドを挙げることができる。DNAのクローニングに
使用できるベクターとしては、大腸菌に用いる場合pUC
8、pUC9、pAT153、pBR325およびpBR328が、枯草菌に用
いる場合pBD9およびpKT438が、酵母に用いる場合pMA56
が、哺乳類細胞に用い場合pAdD26SV(A)−3、pSV2−
dhfr、SVEHA3およびSVLHA8がある。
関連蛋白質の表現に使用されるベクターは上述したよ
うな制御配列を包含するものである。このようなベクタ
ーとしては、大腸菌に用いる場合pXY460およびpWRL50
7、哺乳類細胞に用いる場合pSV2−dhfrがある。
本発明はさらにその一態様として、本発明のDNA配列
と、さらにそのDNA配列の表現を調節するための1個ま
たは2個以上の制御配列を含有するベクターを提供する
ものである。
上述の方法に使用するのに適当な宿主細胞の例として
は、原核生物たとえばバクテリア(たとえば大腸菌(E.
coli)HB101およびDH1、枯草菌(B.subtilis sp.)BD17
0およびIH6140)の細胞、真核生物たとえば酵母細胞
(たとえばXV610−8C酵母細胞)または哺乳類細胞(た
とえばシミアンCV−1細胞)がある。
本発明はまたその一態様として、P.195の少なくとも
一部分またはそのエピトープ少なくとも1個を含むペプ
チド、あるいはさらに他のペプチド配列と共有結合して
いてもよい上記P.195の少なくとも一部分またはペプチ
ドを合成するにあたり、 a) プラスモジウム(Plasmodium falciparum)からc
DNAまたはゲノムDNAライブラリーを作り、 b) P.195のプローブを選択して、そのプローブを放
射標識し、 c) そのプローブを用いてライブラリーの少なくとも
1個のメンバーを選択し、 d) ライブラリーから選択されたDNAを用いて、P.195
の少なくとも一部分またはそのエピトーブ少なくとも1
個を含むペプチドの表現に使用できる適当な宿主を形質
転換する各工程からなる方法を提供するものである。
本発明はまた、上述の本発明の方法のいずれかによつ
て得られたP.195蛋白質またはそのエピトープ少なくと
も1個からなるペプチドを包含する。これらの物質は、
マラリヤに対する免疫を付与するためのワクチンに導入
することができる。この目的には、抗原性蛋白質または
そのエピトープ少なくとも1個からなるペプチドを医薬
的に許容される担体と配合して提供する。この抗原性蛋
白質またはペプチドは単独で、または他のP.195エピト
ープ含有ペプチドもしくはマラリヤに対する免疫を付与
する他の蛋白質と組合せて使用できる。
本発明はさらにその一態様として、P.195またはその
少なくとも1個のエピトープを含有するペプチドを医薬
的に許容される担体と配合してなる、マラリヤに対する
免疫を誘発するワクチンを提供するものである。
この場合の医薬的に許容される担体とは、患者に抗原
を導入するためのビークルとして使用するのに適当な液
体メジウムである。このような担体の例としては食塩水
がある。P.195またはペプチドは担体中に溶液として
も、固体として懸濁してもよく、また医薬的に許容され
る界面活性剤の添加により可溶化してもよい。
このワクチンは免疫応答を刺激するためのアジユバン
ト加え、ワクチンの効果を増強させることもできる。本
発明に使用するのに便利なアジユバントには水酸化アル
ミニウムがある。
このワクチンはP.195またはペプチドを最終濃度が0.2
〜5mg/mlの範囲、好ましくは0.5〜2mg/ml、とくに好ま
しくは1mg/mlになるように処方するのが便利である。処
方後、ワクチンは滅菌容器に充填し、密封し、低温たと
えば4℃に保存してもよい。また凍結乾燥することもで
きる。
脊椎動物宿主にマラリヤに対する免疫を誘発するため
には、適当に処方されたワクチンを1回または2回以上
投与する。1回投与量は0.1〜2ml、好ましくは0.2〜1m
l、とくに好ましくは0.5mlである。
本発明はさらにその一態様として、感受性の脊椎動物
宿主に、上述のワクチンの有効量を投与することによ
り、宿主へのマラリヤに対する免疫の誘発方法を提供す
るものである。
このワクチンはワクチンの投与に際して慣用されてい
る任意の方法、経口的にまたは非経口的に(たとえば皮
下もしくは筋肉内注射)投与される。処置はワクチンの
1回投与または一定期間における複数の投与によつて行
われる。
次に本発明を実施例によつてさらに詳細に説明する
が、これは単に本発明を例示するものであつて、本発明
をいかなる意味でも限定するものではない。
例1 P.195遺伝子からのcDNAクローンの同定 プラスモジウム(P.falciparum)培養を維持し、ホル
ダーほか(Holder & Freeman:前出、1982)の記載に従
つて同調させ、再侵入の最終サイクル後30〜40hに遠心
分離して細胞を集めた。PBS(150mM NaCl、5mM KClおよ
び10mMリン酸ナトリウム、pH7.2)中で洗浄したのち、5
0mM酢酸ナトリウムpH5.5、100mM NaCl、1mM EDTAおよび
3%w/vになるように添加したSDSの4倍容に細胞を再懸
濁した。同じ緩衝液で平衡化したフエノール:クロロホ
ルム(1:1)で激しく5分間抽出したのち、16,000gで3
分間遠心分離した。水相に2回目の抽出を行つたのち、
エタノールで核酸を沈殿させ、遠心分離し、ペレツトを
0.1M EDTA(pH7.5)にCsCl 4gを加えた液4ml中に溶解し
た。RNAを0.1M EDTA中95%(w/v)CsClをクツシヨンと
して、25℃、150,000gで1時間遠心分離してペレツト化
し、蒸留水に再溶解し、エタノールで2回沈殿させた。
mRNAを精製するため、オリゴーdTセルロースクロマト
グラフイーを標準法によて実施した[マニアテイスほか
(Maniatis,T.,Fritsch,E.F.& Sambrook,J.):分子ク
ローニング−実験便覧(Molecular cloning,a laborato
ry manual)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボ
ラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、ニユー
ヨーク(New York)、1982]。庶糖勾配によるRNAのサ
イズ分画は以前に報告されているように行つた〔オデイ
ンクほか(Odink,K.G.et al):ジヤーナル・オブ・バ
イオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、256:14
53〜1458(1981)]。cDNAライブラリーは標準操作を用
いて構築した[マニアテイスほか(Maniatis et al):
前出(1982)]。cDNAは6μgのポリA+RAN、5μg
のオリゴーdt(12〜18)、1mMの各ヌクレオシドトリホ
スフエート、0.1MトリスHCl(pH8.3)、10mM MgCl2、14
0mM KCl、10mM DTTおよび30UのMAV逆転写酵素を含む反
応液50μ中、42℃で90分間反応させて合成した。
第2鎖の合成は0.1M HEPES(pH6.9)、10mM MgCl2
2.5mM DTT、70mM KCl、0.5mMの各ヌクレオシドトリホス
フエートおよび50Uの大腸菌DNAポリメラーゼ大断片を含
む液0.1ml中、15℃で16時間反応させて行つた。S1ヌク
レアーゼ消化後、DNA5μgを回収し、0.5μgをpUC8のP
st I部位に単独重合G−Cテイリングによつて挿入した
[ヴイアイラほか(Vieira J.& Messing,J.):ジーン
(Gene)、19:259〜268(1982)]。形質転換には大腸
菌HB101を用いた。3,000の形質転換体をもつレプリカフ
イルターを、in vitroの翻訳で以前にP.195をコードす
るmRNAに富むことが示されているγ−32P−ATPポリヌク
レオチドキナーゼ標識33S mRNA[オデインクほか(Odi
nk et al)、1984]で検査した。この検査で、60個の組
換体プラスミドが検出され、そのうち12個は強力なシグ
ナルを与えた。ニツクトランスレーシヨンを行つた挿入
体のクロスハイブリダイゼーシヨンに基づき、12個の組
換体から6個のサブグループが形成された。これらの組
換えプローブはP.195のDNA配列の一部を表わすという前
提から、プラスモジウム(P.falciparum)の全抽出物か
らの5,300塩基以上の長さのmRNAに上記プローブはハイ
ブリダイズするはずである。これが約195,000MWの蛋白
質をコードするのに必要な最低な長さと評価されるから
である。各グループからのメンバーをニツクトランスレ
ーシヨンで標識し、プラスモジウム(P.falciparum)RN
Aをプローブとしてノザン法で検出した[トーマス(Tho
mas,P.S.):プロシーデイングズ・オブ・ザ・ナシヨナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナ
イテツド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA)、77:5201〜5205(1980)]。それぞれ1.6k
b、2.3kbおよび1.1kbのcDNA挿入体をもつ3個の組換
体、pFC15、pFC16およびpFC17が、それぞれサイズ9kb、
7.5kbおよび5.5kbのmRNAにハイブリダイズした。pFC17
から単離された挿入DNAをエキソヌクレアーゼBal31で処
理して、読み取り枠のランダム化と、トリプトフアンオ
ペロンの部分をもつ表現プラスミドへの挿入を行つた。
DNAはBssh II部位に挿入された。成熟trpE遺伝子生成
物、アントラニル酸シンテターゼIのカルボキシ末端か
ら13個のアミノ酸である。この部位にcDNAをシフト変異
を生じないように挿入すると56,000MWのアントラニル酸
シンテアーゼIをもつ融合蛋白質が産生する。β−イン
ドールアクリル酸の存在下トリプトフアン飢餓により、
遺伝子を誘導すると、生成した組換体のひとつ、pFT173
3は72,000MW(SDS−PAGEで測定)の融合蛋白質を与え、
これはcDNA挿入体によつてコードされる16,000MWが付加
したことを意味する。
バクテリア抽出物とプラスモジウム(P.falciparum)
分裂前体抽出物をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
に付し、ニトロセルロースに移し、ついでP.195に特異
的な多価ウサギ血清で調べた。pFT1733の融合蛋白質は
抗血清によつて明らかに検知された。この抗血清はプラ
スモジウム(P.falciparum)分裂前体の全抽出物からP.
195のみを検知し、著しくP.195に特異的であつた。trpE
遺伝子生成物および口蹄疫ウイルスVP1蛋白質からなる8
0,000MW融合蛋白質を含むバクテリア抽出物とは反応し
なかつた。さらに、正常ウサギ血清を用いた対照では結
合は認められなかつた。すなわち、pFC17はプラスモジ
ウム(P.falciparum)P.195の抗原決定基の一部をコー
ドする。pFC17についてはその別名pFCc1017によつて以
下に引用される。
例 2 pPFc1017関連の重複cDNAクローンの調製 組換cDNAライブラリーをサイズ分画したcDNAから構築
した。例1と同様にして調製し、テイリングしたcDNAを
25mMトリス−HCl(pH7.4)、100mM NaCl、2.5mM EDTA
中5%〜20%(w/v)庶糖勾配5mlに、SW50.1ローター
(ベツクマン)を用い45,000rpmで3時間遠心分離し
た。2kbp〜8kbp領域のcDNA(約100ng)を収穫し、300ng
のdG−テイリングPst1消化pUC9でアニーリングし、DH1
細胞のアンピシリン抵抗性形質転換に使用した。6個の
アガール板上に1,200個の組換体が得られた。レプリカ
フイルターを、ニツクトランスレーシヨンで標識した。
pPFc1017からの挿入DNAで検査した。11個のクローンが
このプローブにハイブリダイズしたDNAを含むものとし
て同定された。これらのクローンにpPFc1001から1011ま
での番号を付した。これらのクローンを、pPFc1017とク
ロスハイブリダイゼーシヨンしないpPFc1007中の挿入体
の一部分を用いて再スクリーニングした。このプローブ
にハイブリダイズするさらに8個のクローン、pPFc1028
〜1035が単離された。
100ngのdC−テイリングcDNAを用いてさらにcDNAライ
ブラリーを構築し、100ngのG−テイリングpUC9でアニ
ーリングし、DH1細胞に形質転換した。約6000個の組換
体が得られ、これをレプリカフイルター上、pPFc1017か
らの340bpHind III−Pst1断片でスクリーニングした。
このプローブにハイブリダイズしたクローンpPFc1013〜
1016および1018〜1027を取り、精製した。このライブラ
リーもpPFc1007由来のプローブでスクリーニングし、さ
らに11個のコロニー、pPFc1036〜1046を得た。
これらのcDNAクローンからのプラスミドDNAを塩化セ
シウム勾配上で遠心分離して精製し、制限酵素地図の作
成およびクロスハイブリダイゼーシヨンによつて性質を
調べた。cDNAクローンを重複線状配列に調製した。配列
分析に用いた6個のcDNAクローンの位置を第2図に示
す。
例 3 P.195遺伝子からのゲノムクローンpPFg1の単離 プラスモジウム(P.falciparum)DNA[オデインクほ
か(Odink et al):前出(1984)の方法で調製]をHin
d IIIで完全に消化し、サンプルを10〜40%庶糖勾配含
有1M NaCl、20mMトリス−HCl(pH8.0)、5mM EDTA上に
負荷しし、ベツクマンSW27ローターを用いて20℃、26,0
00rpmで24時間遠心分離した。管の底の細孔部から0.5ml
の分画を集め各分画の一部を1%アガロースゲル上に走
らせた。ニツクトランスレーシヨンを行つたpPFc1017と
のハイブリダイゼーシヨンで陽性シグナル示した勾配領
域の分画をEcoR Iで消化し、ゲル精製Hind III+EcoR I
切断pUC8DNAでリゲートした。各分画からのDHI形質転換
体約400個をニトロセルロースフイルター上、pPFc1017
挿入体とのコロニーハイブリダイゼーシヨンによりスク
リーニングを行つた[グルンシユタインほか(Grunstei
n,M.& Hogness,D.):プロシーデイングズ・オブ・ザ
・ナシヨナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Pro
c.Natl.Acad.Sci.)、72:3961(1975)]。分画39から
の1個のコロニーが陽性シグナルを与えた。この組換
体、pPFg1は相当するゲノムDNA断片と共移動する3.1kbH
ind III−EcoR I断片を含み、両者は同じ制限酵素地図
を有する。pPFg1挿入体の部分末端標識マツピングによ
りpPFg1の制限地図が得られた[スミスほか(Smith,H.
O.& Birnstiel,M.L.)ヌクレイツク・アシツズ・リサ
ーチ(Nucl.Acids Res.)、3:2387(1967)]。配列決
定は例5に記載のサンガー・ジデオキシン法で実施し
た。
例 4 プラスモジウム(P.falciparum)DNA中のP.195遺伝子地
図の構築 プラスモジウム(P.falciparum)DNAはオデインクほ
か[Odink et al:前出(1984)]の記載したようにして
調製し、その一部を、特異的エンドヌクレアーゼを個々
にまた場合により二重消化すなわち2個の制限エンドヌ
クレアーゼを用いて制限した。生成物を0.5μg/mlのエ
チジウムブロミドを含有するトリス−ホウ酸−EDTA(pH
8.2)中アガロースゲル(0.7%〜1.5%)上、平行トラ
ツクに既知の長さのDNA断片をサイズマーカーとして置
いて、電気泳動に付した。DNAを毛管ブロツト操作によ
つてジーン・スクリーン・プラス(Gene Screen Plus;N
ew England Nuclear/Dupont)に移し、業者の示したプ
ロトコールに従つて50%ホルムアミドの存在下42℃で32
P標識プローブDNAにハイブリダイズした。ハイブリダイ
ズしたプローブDNAはクロネツクス・ライトニング−プ
ラス(Cronex Lightning−Plus)スクリーン間のX−Om
at Sフイルムを用い、70℃でオートラジオグラフイーに
より検出した。
プローブDNAはcDNAまたはゲノムDNAプラスミドクロー
ンから切り出した特異的プラスミドDNAまたは特異的配
列であり、アガロースゲル電気泳動および溶出により精
製された。DNAは32[P]α−ATPの存在下、大腸菌DNA
ポリメラーゼとのニクツトランスレーシヨンにより標識
した。特異的プローブにハイブリダイズしたゲノムDNA
内からの制限断片のサイズの分析により、構築すべき制
限酵素部位の線状地図ができた。このようなP.195遺伝
子地図を、特異的断片がハイブリダイズする典型的な部
位およびプローブとともに第3図に示す。ゲノムDNAの
他の特異的消化も数種実施し、クローンDNAからの他の
特異的断片で検査したことはいうまでもない。結果は第
3図に示した地図と一致した。地図を繁雑にしないよう
に、DNA配列に存在する制限部位のすべては示していな
い。
DNA配列からのゲノム地図および制限酵素地図の調査
により、これらの2つは蛋白質コード配列に相当する領
域で、ヌクレオシド313におけるHind III部位の右側
に、共直線性であることが示された。しかしながら、ゲ
ノムDNAには、cDNAクローンに存在しない付加的な700pb
の配列が、cDNA配列中のヌクレオシド221と313のMbo1部
位およびHind III部位のの間に存在した。これはコード
配列の開始直後のイントロンと考えられる。
地図上に示した部位は、酵素A(Alu I)、B(BamH
I)、E(EcoR I)、H(Hind III)、M(Mbo I)、N
(Nde I)P(Pst I)、Pv(Pvu II)、R(Rsa I)お
よびT(Taq I)部位の一部である。プローブは全プラ
スミドかまたは挿入体もしくはプラスミドポリリンカー
領域内での部位で特異的酵素により消化して誘導した特
異的断片である。
例 5 P.195をコードするDNAのヌクレオチド配列 DNAの配列分析はマサキムほか(Maxam & Gilbert、
前出、1980)の化学的切断法およびサンガーの(Sanger
et al、前出、1977)ジデオキシ法で実施した。
1.化学的切断 配列分析に適当なDNA断片は次のようにして調製し
た。
a) DNAを制限エンドヌクレアーゼ(業者指定の条件
による)で消化し、ついで混合物にウシ腸アルカリホス
フアターゼ(ベーリンガーマンハイム)を加え、反応を
37℃で30分間続けた。DNAをクロロパンで抽出し、エタ
ノールで沈殿させた。DNAの5′末端をマニアテイス(M
aniatis et al、前出、1982)の記載に従い、ポリヌク
レチオドキナーゼを用いて[32P]で標識した。標識DNA
を第2の適当な制限エンドヌクレアーゼで切断し、混合
物を1%(w/v)アガロースゲルに負荷し、問題のDNAバ
ンドをこのアガロースゲルから電気溶出し、その配列を
決定した。
b) DNA断片は上記a)項に記載の操作を改良法によ
つても調製した。DNAを制限エンドヌクレアーゼで消化
し、ホスフアターゼ処理し、5′末端を上に略述したよ
うにして[32P]で標識した。次にDNA断片を脱イオンホ
ルムアミド添加[最終濃度70%(v/v)]により変性さ
せ、100℃に5分間加熱した。サンプルを氷水で急冷
し、直ちに非変性15%ポリアクリルアミドゲル[アクリ
ルアミド:ビスアクリルアミド比、60:1(w/w)]上に
負荷した。分離されたDNA鎖をゲルから電気溶出し、配
列決定した。
2.ジデオキシ配列決定 挿入体断片を鎖状フアージクローニング/シクエンシ
ングベクターM13mp8中にサブクローニングしてDNA鋳型
を調製した[メシングほか(Messing & Vieira):前
出、1982]。配列決定はサンガー(Sanger et al:前
出、1977)の記載に従い、合成共通プライマー(Cellte
ch)および[35S]−dATPαS(Amersham Internationa
l)を用いて実施した。特異的断片の配列決定には二塩
基法を用いた。まず、特異的制限断片(Rsa I、Hinf
I、Rsa I−Aha III、Taq I消化により製造)を電気溶出
によつて精製し、必要な場合には、付着端をクレノーDN
AポリメラーゼI断片を用いてブラント端にした。上記
プロトコールによるクローニングまたは配列決定が困難
な断片は8Bal−31[マニアテイスほか(Maniatis et a
l、1982)で処理した。条件(DNAおよび酵素濃度)は、
断片の各末端から100〜150bpDNAが30℃で1分間に除去
されるように選択した。消化の過程で一連の重複断片が
得られた。Bal−31処理DNAをDNAポリメラーゼIクレノ
ー断片で修復した。DNAをホスフアターゼ処理Sma I−消
化M13mp8(Amersham)でリゲートし、JM103またはJM101
にトランスフエクシヨンした[メシングほか(Messing,
J.et al):ヌクレイツク・アシツズ・リサーチ(Nucl.
Acids Res.)、:309(1981)]。標準操作に従つて、
鋳型DNAを調製した。可能な場合には、各クローンの両
鎖から配列が得られた。
各クローンの配列を重複させることにより得られた全
配列を第1図に示す。配列の決定に用いたクローンはDN
A配列から得られた第2図の制限地図の下に示す。
例 6 培養上清からの83,000MW断片の精製および部分アミノ酸
配列の決定 in vitro培養プラスモジウム(P.falciparum)からの
上清(例1参照)を収穫し、10,000gで5分間遠心分離
して細胞屑を除去した。培養上清各100mlに1mlの1Mトリ
ス、100mM EDTA、100mM EGTA、1mlの100mM PMSF、1mlの
0.5Mヨードアセトアミド、1mlの10mM TLCKおよび0.5gの
デオキシコール酸ナトリウムを加えた。pHをHClで8.2に
調整し、ついでサンプルを100,000gで45分間遠心分離し
た。遠心分離後の上清を、あらかじめ1mM EDTA、1mM EG
TAおよび0.5%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム含有
10mMトリス−HCl(pH8.2)(平衡緩衝液)で平衡化した
抗体89.1−セフアロースカラム[ホルダーほか(Holder
& Freeman)、前出(1984b)に記載の方法により調
製)10mlに適用した。カラムを平衡緩衝液で十分洗浄し
たのち、カラムに残つた物質を0.5%(w/v)デオキシコ
ール酸ナトリウム含有50mMジエチルアミン塩酸塩(pH1
1.5)で溶出した。溶出液をAmicon XM50フイルターを用
いて限外濾過し、pHを8.2に調製した。溶出液中の主ポ
リペプチドは83,000MW種であり、これがウエスタン法で
モノクロナール抗体89.1、ウサギ多価抗P.195血清また
はヒトプラスモジウム(P.falciparum)免疫血清のいず
れかと反応する唯一の成分であつた。生成物中の主夾雑
物はIgGで、溶出液を濃縮したのち、上述のようにして
平衡化したプロテインA−セフアロースカラム(0.9×1
0cm)(Pharmacia Fine Chemicals)を通して除去でき
た。IgGが除去された、遅れない物質を集めた。固体の
塩酸グアニジンを澄明な溶液が得られるまで加え、つい
で蛋白質を還元し、S−カルボキシメチル化した[ワツ
クスダールほか(Waxdal,M.J.et al):バイオケミスト
リー(Biochemistry)、:1959〜1966(1968)]。還
元され、S−カルボキシメチル化された83,000MWポリペ
プチドを最後に、1mM EDTA、1mM EGTAおよび6M塩酸グア
ニジン含有の10mMトリス−HCl(pH8.2)で平衡化したセ
フアクリルS300(Pharmacia Fine Chemicals、スウエー
デン)のカラムを通して精製した。各分画を280nmでの
比色定量およびSDS−PAGE分析によつて調べ、83,000MW
種含有分画をプールした。水および5%(v/v)ギ酸に
対して十分に透析したのち、サンプルを凍結乾燥し、5
%ギ酸の小容量にとり自動シクエンサーに適用した。こ
の蛋白質を、バカナリーら[Baccanari,D.P.et al:ジヤ
ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Bio
l.Chem.)、259:12291〜12298(1984)]の記載のよう
に0.33M Quadrolプログラムを用い、Sequamat P6オート
コンバーターおよびSequamat SC−510プログラムコント
ローラーを装置したベツクマン890Cシクエンサーによ
り、20サイクルの自動化エドマン分解に付した。放出さ
れたアミノ酸のフエニルチオヒダントイン誘導体を逆相
HPLCで固定し、逆加水分解で確認した[バカナリーほか
(Baccanari,et al):前出、1984]。培養上清910mlに
出発し、親和性カラムからの溶出液に蛋白質5.9mgが存
在した。蛋白質2.6mgをプロテインA−セフアロースカ
ラムに通じ、精製蛋白質400μgをエドマン分解に付し
た。
ポリペプチドのN末端アミノ酸に出発し、分解サイク
ルをくり返すと、以下の部分アミノ酸配列が得られた。
位置1〜5の残基は明瞭に同定できなかつた(N.
I.)。用いたHPLCシステムではリジンとフエニルアラニ
ン誘導体をたがいに分離できなかつた。
cDNAおよびゲノムDNAクローンから誘導されたヌクレ
オチド配列の検査によつて、この残基の配列(6〜20)
はヌクレオチド288〜322の翻訳配列に相当することがわ
かつた。
この分析では、83,000MW断片はP.195プレカーサーの
アミノ末端配列から誘導される。完全配列では、ヌクレ
オチド216のAUG(メチオニン)開始コドンが18個のアミ
ノ酸のヌクレオチド配列が続き、これは多くの膜または
分泌蛋白質の一次翻訳生成物上に存在するシグナル配列
に相当し、通常これは蛋白質が小胞体の管腔中に通過す
るとき切断される[クライル(Kreil,G.):アニユアル
・レビユー・オブ・バイオケミストリー(Ann.Rev.Bioc
hem.)、50:317〜348(1981)]。
例 7 P.195のプロセツシング断片と抗体の反応および線状コ
ーデイング配列のこれらの断片の位置 直接アミノ酸配列決定により、83,000MW断片のアミノ
末端はP.195アミノ末端に近接して存在することが明ら
かにされた(例6)。in vivoで蛋白分解によるプロセ
ツシングで産生された他の断片は、P.195に対して誘発
された特異的抗体(好ましくはモノクロナール抗体)に
よつて認識されるポリペプチドのサイズの分析により線
状遺伝子配列中に見出すことができた。この分析には2
種のモノクロナール抗体を使用した。抗体89.1[ホルダ
ーほか(Holder & Freeman):前出(1982)]は分裂
前体中の細胞内P.195および分裂小体表面上の83,000MW
断片と反応する。それは、この寄生虫の次の環ステージ
とは反応せず(免疫蛍光による)、赤血球の分裂小体侵
入時のこの断片の喪失と一致した。抗体111.2は分裂前
体中の細胞内P.195、分裂小体表面および環ステージ寄
生虫と反応する(免疫蛍光による)。この特異性は最近
ホールほか(Hall et al:前出、1984a)によつて報告さ
れたモノクロナール抗体の場合に類似している。
P.195およびそのプロセツシング断片は、メチオニン
を含まないメジウム中で寄生虫培養液に[35S]メチオ
ニンを添加することによりin vitroで標識できる[ホル
ダーほか(Holder & Freeman):前出(1982)、フリ
ーマンほか(Freeman & Holder):前出(1983)]。
天然に放出された分裂小体の表面上のプロセツシング断
片はすでに報告されているように(フリーマンほか(Fr
eeman & Holder):前出(1983b);ホルダーほか(Ho
lder & Freeman):前出(1984b)]ラクトパーオキシ
ダーゼを用い[125I]ヨウ素での放射ヨード化により標
識できる。
35S]メチオニン標識分裂前体の界面活性剤抽出物
から、P.195に対するウサギ多価抗血清は、P.195ならび
にSDS−PAGE分析で決定された分子量153,000;110,000;8
3,000;45,000;42,000および29,000の断片を免疫沈殿さ
れた。非還元ゲル上(ジチオスレイトールの非存在
下)、45,000および42,000MW種はそれぞれ見かけの分子
量38,000および36,000のように移動した。抗体89.0はP.
195ならびに153,000、110,000および83,000MW種を免疫
沈殿させた。抗体111.2はP.195ならびに45,000および4
2,000MW種を免疫沈殿させた。
表面標識分裂小体の界面活性剤抽出物から、多価抗P.
195血清は、見かけの分子量83,000;42,000および19,000
の3種の断片を免疫沈殿させた。83,000MW断片は抗体8
9.1によつて免疫沈殿された。抗体111.2は42,000および
19,000MW種を免疫沈殿させた。これらの断片のペプチド
マツピングによる分析では、これらは多分、P.195の非
重複片と考えられた[ホルダーほか(Holder & Freema
n);前出(1984)b)]。
これらのデータおよび例6と10の記載に基づき、P.19
5コード配列内の断片の線状順序が決定できる。83,000M
W断片のアミノ末端について決定したアミノ酸配列は、
遺伝子のコード領域の5′末端、推定シグナル配列の直
後の配列に相当する。したがつて、83,000MW断片はP.19
5のアミノ末端42%に由来する。抗体89.1で認識され、
抗体111.2によつて認識されない153,000MWの主たる中間
プロセツシング断片はコード配列のアミノ末端78.5%に
由来し、したがつて全83,000MW断片を包含する。抗体11
1.2は153,000MW断片と反応しないので、コード配列のカ
ルボキシ末端21.5%に由来する。19,000MW断片は、153,
000MW種の配列内に存在し、83,000MW種内には存在しな
いものと推定される。
例 8 P.195配列の大腸菌内での融合蛋白質としての表現およ
び生成物の精製 別の実験で、pWRL507(第4図)をNde IとEcoR I、Ec
oR IとBamH IまたはEcoR IとHind IIIで消化し、関連断
片をアガロースゲル電気泳動で精製した。このDNA(0.1
pmol)をP.195組換体から誘導されたDNA断片0.5pmol
と、関連対の制限酵素でリゲートし、ついでDH1細胞を
アンピシリン抵抗性に形質転換するのに使用した。コロ
ニーを小プラスミドプレパレーシヨンの制限酵素消化に
よるスクリーニングに付した。その挿入体を含むプラス
ミドをもつ株をさらに、100μg/mlアンピシリンおよび1
0μg/mlインドールアクリル酸(誘発表現)または100μ
g/mlアンピシリンおよび10μg/mlトリプトフアン(非誘
発表現)含有M9最小培地中で生育させた。バクテリアを
10,000gで1分間遠心分離して収穫し、PAGEに対するSDS
サンプル負荷緩衝液[2%(w/v)ドデシル硫酸ナトリ
ウム、10%(v/v)グリセロール、0.1Mジチオスレイト
ールおよび0.005%(w/v)ブロモフエノールブルー含有
62.5mMトリス−HCl(pH6.8)]の添加により分解した。
その一部をSDS−PAGEによる分析に付し、ついでゲルを
クーマシーブルーで染色して全蛋白質を検出するか、ま
たは分解蛋白質をニトロセルロースに移し、精製P.195
に対して誘発された多価抗血清によるウエスタン法に使
用した。pPFg IのNde I−EcoR I断片を含む株は、クー
マシーブル−染色または多価抗血清との反応で分解物中
に検出できる135,000MWの誘発融合蛋白質を産生した。
これはtrpE遺伝子生成物のN末端からの233個のアミノ
酸およびP.195からの907個のアミノ酸を含有する融合蛋
白質に相当する。pPFc1028のEcoR I−BamH I断片を含む
株は、trpEからの326個のアミノ酸とリンカーとP.195か
らの156個のアミノ酸を含有する分子量53,000の融合蛋
白質を産生した。pPFc1028のEcoR I−Hind III断片を含
む株は、trpEからの326個のアミノ酸とリンカーとP.195
からの594個のアミノ酸を含有する105,000MW融合蛋白質
を産生した。pPFc1028からのEcoR I−Nde I断片を含む
株はtrpEからの326個のアミノ酸とP.195からの401個の
アミノ酸からなる85,000MWの融合蛋白質を産生した。い
ずれの場合も、融合蛋白質はクーマシーブルー染色で検
出され、多価抗P.195血清とウエスタン法で反応した。
ヌクレオチド863〜1613とそのG−C末端およびPst I
部位からHind III部位までのpUC9ポリリンカー領域から
ならなる、cDNAクローンpPFc1013由来の750bpRsa I−Hi
nd III断片をあらかじめHind IIIで切断し、ウシ腸ホス
フアターゼで処理し、さらにHind IIIで消化したプラス
ミドpUC9にクローニングした。この挿入体を次にEcoR I
とHind IIIを用いてpUC9から切り取り、EcoR IとHind I
IIによるpWRL507カツトに正しい方向で挿入した。読み
取り枠の合つた表現を得るために、このプラスミド5μ
gをEcoR I制限酵素で処理し、構築体を線状化した。DN
Aをエタノールで沈殿させ、500μg/mlのBSAを含む水50
μに溶かし、ついで等容量のBal31緩衝液と混合した
[マニアテイスほか(Maniatis et al):前出(198
2)]。DNAを0.02単位の酵素Bal31(Biolabs)により30
℃で1分間消化し、ついで20μの1Mトリス、100mM ED
TA、100mM EGTAを加えて反応を停止させた。DNAをアガ
ロースゲル電気泳動で精製し、ついでヌクレオチドトリ
ホスフエートの存在下、最終容量50μのニツクトラン
スレーシヨン緩衝液[マニアテイスほか(Maniatis et
al):前出(1982)]中、酵素(ベーリンガー/マンハ
イム)2.5単位を用いてDNAポリメラーゼ1大断片(クレ
ノー)で、室温において90分間処理した。DNA(0.1pmo
l)を200単位のT4DNAリガーゼ(Biolabs)と7℃で一夜
インキユベーシヨンして再び環化し、ついでDH1細胞を
アンピシリン抵抗性に形質転換するのに用いた。10個の
形質転換株をプラスミドDNAの制限酵素分析によりスク
リーニングした。8個の形質転換体の1グループがEcoR
I部位を失つたプラスミドを含有した。このグループに
ついて、インドールアクリル酸またはトリプトフアンの
存在下におけるM9メジウム中での生育によりさらに分析
した。1個の株が、インドールアクリル酸の存在下に生
育したとき約65,000MWの融合蛋白質を産生し、この融合
蛋白質はウエスタン法で多価抗P.195血清と反応した。
同様にして、pPFc1028からのNde I−Hind III断片
(この場合Hind III部位はプラスミドポリリンカーであ
る)をブラント末端−Hind III断片として、あらかじめ
Hing IIおよびHind IIIで切断したpUC9中にサブクロー
ニングした。この断片をEcoR IとHind IIIによるpWRL50
7カツトに挿入したのち、この新しい構築体をEcoR Iで
再び開裂し、Bal31で処理し、ついで上述のように再び
環化した。1個の株が約56,000MWの融合蛋白質を産生
し、これは抗P.195血清とのウエスタン法で検出され、
P.195遺伝子のコード領域のC末端190個のアミノ酸配列
を含有した。
各融合蛋白質の比較的純粋なプレパレーシヨンを細胞
分解物から製造した。1個の株からの単一コロニーを50
μg/mlのアンピシリンを含有するM9メジウム100ml中、3
7℃で一夜生育させた。翌日、一夜培養した液を50μg/m
lアンピシリンおよび10μg/mlインドールアクリル酸含
有M9培養メジウム400mlで希釈し、37℃で5時間インキ
ユベートした。バクテリアを10分間6,000gで遠心分離し
て収穫した。バクテリアのペレツトを1mM EDTA,1mM PMS
F、0.2%(v/v)NP40および1mg/mlリゾチームを含有す
る25mMトリス(pH8.0)10ml中に懸濁し、氷上に2時間
放置した。この時点で1M MgSO4 20μおよび1mg/ml DN
A se200μを添加し、このサンプルを氷上でさらに2
時間放置してインキユベートした。不溶物質を20,000g
で10分間遠心分離して収穫し、上清(S1)は保存した。
ペレツト化した物質を、5mM EGTA、5mM EDTA、1mM PMSF
および1%NP40を含む50mMトリス−HCl(pH8.0)10mlに
懸濁して洗浄した。これを20,000gで10分間遠心分離し
て、上清(S2)を保存した。ペレツトを50mMトリス−HC
l(pH8.1)、5mM EGTA、5mM EDTA、0.5M KSCNの10mlに
再懸濁し、ついで20,000gで10分間遠心分離して、第三
の上清(S3)とペレツト分画(P)を得た。ペレツト分
画は0.1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウムを加えたまた
は加えない水10mlに再懸濁し物質を可溶化し、ついで0.
89%NaClに対して十分透析した。各上清およびペレツト
分画の一部をとり、SDS−PAGE、クーマシーブルー染色
およびウエスタン法で分析した。融合蛋白質の高レベル
での表現がある場合には、この操作で最終ペレツト分画
に融合蛋白質が多く、したがつて融合蛋白質の精製が有
効に行われた。表現レベルが低い場合には、融合蛋白質
はS1およびP両分画に存在した。
ヌクレオチド2961〜4754(1793個のヌクレオチド)お
よびヌクレオチド4753〜5128(375個のヌクレオチド)
に相当するpPFc1028からの2個のDde I断片をアガロー
スゲル電気泳動で精製し、Bal31ヌクレアーゼ0.04単位
により30℃で2.5分間処理し、ついで上述のようにしてD
NAポリメラーゼIのクレノー断片で修復した。このDNA
を、あらかじめSma1で切断し、ウシアルカリホスフアタ
ーゼで処理したpXY460にリゲートし、これをJM105細胞
のアンピシリン抵抗性への形質転換に用いた。形質転換
体をXgalを含むアガール板上に置き、得られた青色のコ
ロニーを取つた。この方法で得られた株をプラスミドDN
Aの制限酵素分析、クーマシーブルー染色、およびIPTG
の存在下に生育させた細胞からの分解物のウエスタン・
ブロツテイングによりスクリーニングした。Dde1大断片
を含む株はすべて、ウサギ多価抗P.195血清と反応する
大きい融合蛋白質を産生した。Dde1小断片を含む10個の
株についても同様に検討したが、わずかに1個が野生型
β−ガラクトシダーゼより有意に大きい融合蛋白質を産
生し、この融合蛋白質はウサギ抗P.195血清と反応し
た。他の株は挿入体を含有していたが、遺伝子生成物は
正常β−ガラクトシダーゼと同じ大きさで、ウサギ抗P.
195血清と反応しなかつた。融合蛋白質を産生した1個
の株は、その蛋白質のC末端領域をカバーする310bpの
挿入体を含んでいた。
例 9 P.195配列の大腸菌内での直接発現 pPFc1028由来のEcoR I−Nde IとEcoR I−Hind III断
片を例8に記載したようにしてpWRL507に挿入し、trpE
発現プラスミド中のPst I−EcoR I断片をpXY460(第4
図)からのPst I−EcoR I断片で置換することにより直
接発現させた。この構築において、trp制御領域とコー
ド配列はtac制御領域[デ・ボアほか(de Boer,H.A.et
al):プロシーデイングズ・オブ・ザ・ナシヨナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sc
i.)、80:21〜25(1983)]およびAUG開始コドンで置換
される。直接発現生成物は細胞分解物中に、精製P.195
に対して誘発された抗血清とのウエスタン法で検出され
た。これらの2つの構築からの直接発現生成物の見かけ
の分子量はそれぞれ47,000および70,000であつた。
例10 大腸菌内で産生された融合蛋白質の免疫原性および抗原
性の分析 プラスモジウム(P.falciparum)由来P.195に特異的
なウサギ多価抗血清は、フロインド完全アジユバント
(FCA、Difco Laborato−ries,Detroit)中蛋白質100μ
gでウサギを免疫処置し、ついで22、43および211日に
フロインド不完全アジユバント(FIA)中蛋白質100μg
をブースター投与することによつて得られた。
多価抗血清は精製融合蛋白質(例8)による免疫処置
により産生した。ウサギにFCA中蛋白質250μgを皮下投
与して免疫処置し、ついで21日目にFIA中蛋白質250μg
をブースター投与した。35日目に一次免疫処置後、血清
サンプルを採取した。マウスにFCA中蛋白質125μgを腹
腔内投与して免疫処置し、23日目に同容量をブースター
投与した。30日目に一次免疫処置後、血清サンプルを採
取した。
抗血清の蛋白質に対する抗体への結合力価は、固相放
射免疫定量法(RIA)で定量化できた。マイクロタイタ
ープレートのウエルを蛋白質でコーテイングし、ついで
抗体溶液の一連の希釈液を一連のウエルを加える。非結
合抗体を洗い去つたのち、結合抗体を高度標識特異的試
薬、たとえば第一の抗体に特異的なスタヒロコツカス
(Staphylococcus aureus)からのプロテインAまたは
親和性精製IgGを用いて検出する。マイロタイタープレ
ートのコーテイングに用いた蛋白質は例8に記載大腸菌
分解物から精製した融合蛋白質、またはホルダーほか
(Holder & Freeman:前出、1984b)によつて記載され
たようにプラスモジウム(P.falciparum)感染赤血球か
らモノクロナール抗体親和性クロマトグラフイーで精製
したP.195のいずれかであつた。
抗原を0.05M NaHCO3(pH9.6)20μg/ml中20μg/mlに
希釈し、この溶液50μを、ウエル96個つきPVCマイク
ロタイタープレート(Dynatech Laboratories)の各ウ
エルに添加した。90分後に、プレートを0.5%(v/v)ツ
イーン40および0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン補給リ
ン酸緩衝食塩水(洗浄緩衝液)で完全に洗浄した。各血
清希釈液50μをウエルに二重に加え、30分後にプレー
トを10分間、洗浄緩衝液で洗浄した。50μの125I標識
プロテインA(1.5×105cpm)を30分間加え、十分洗浄
し、パツカードPEDガンマーカウンターを用いて特異的
抗体を検出した。
第1表から明らかなように、P.195配列を含む融合蛋
白質で免疫処置したウサギは、RIAで精製したP.195と反
応する抗体、および融合蛋白質と反応するP.195含有抗
体に対する多価抗血清を産生した。この場合、融合蛋白
質1はtrpEに挿入されたpPFc1028 EcoR I−Nde1断片の
生成物であり、融合蛋白質2はtrpEに挿入されたpPFc10
28EcoR I−Hind III断片の生成物である。
例8に、融合蛋白質が多価抗P.195抗血清中の抗体と
ウエスタン法で反応することを示した。融合蛋白質に対
して誘発された抗血清は、融合蛋白質および精製P.195
蛋白質とウエスタン法で反応した。
線状コード配列中のプロセツシング断片の位置は、一
部、35S−メチオニン標識プラスモジウム(P.falciparu
m)の界面活性剤抽出物(例7)からの免疫沈殿で決定
された。融合蛋白質に対する抗血清をこの抽出物から蛋
白質を免疫沈殿させるために用いたときはいずれの場合
もP.195が認識された。さらに、pPFc1028EcoR I−Nde I
挿入体によつてコードされる蛋白質に対して誘発された
ウサギ抗血清は153,000および29,000MW断片と優先的に
反応した。pPFc1028EcoR I−Hind III挿入対に体して誘
発されたウサギ抗血清は、42,000MW断片と優先的に反応
した。
【図面の簡単な説明】
第1A図〜第1I図はP.195をコードする遺伝子を含むプラ
スモジウム(P.falciparum)DNAのストレツチ塩基配列
およびそれがコードするアミノ酸配列である。 第2図はP.195遺伝子のcDNA制限地図である。 第3図はP.195ゲノム配列の制限地図である。 第4図は、本発明の実施態様において使用できるプラス
ミドの構築例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:90) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 ジヤスビアー シング サンデユ イギリス国ケント,ベツケンハム,ラン グリイ コート (番地なし) (72)発明者 バレンテイナ リベロスーモレノ イギリス国ケント,ベツケンハム,ラン グリイ コート (番地なし) (72)発明者 カレル ゲリツト オデインク スイス国スレンケンドルス,エツトスト ラーセ 19

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のDNAコード配列またはその一部に対
    応するクローンDNAであって、 前記DNAコード配列またはその一部が、 (a) 上記DNA配列のヌクレオチド273から始まり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のア
    ミノ末端から誘導される分子量83000のポリペプチドを
    コードする配列、 (b) 上記DNA配列のヌクレオチド273から始まり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のア
    ミノ末端から誘導される分子量153000のポリペプチドを
    コードする配列、 (c) 上記DNA配列のヌクレオチド5178で終わり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のカ
    ルボキシ末端から誘導される分子量42000のポリペプチ
    ドをコードする配列、 (d) 上記DNA配列のヌクレオチド273からヌクレオチ
    ド5178までの配列で、かつプラスモジウム(P.falcipar
    um)のP.195蛋白質をコードする配列、および (e) 上記DNA配列のヌクレオチド216からヌクレオチ
    ド5178までの配列で、かつプラスモジウム(P.falcipar
    um)のP.195蛋白質およびそのシグナルペプチドをコー
    ドする配列 から選択されることを特徴とするクローンDNA。
  2. 【請求項2】以下のDNAコード配列またはその一部に対
    応するDNAに縦列的に連結される遺伝子のアミノ末端を
    コードする部分を含む融合DNAであって、 前記DNAコード配列またはその一部が、 (a) 上記DNA配列のヌクレオチド273から始まり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のア
    ミノ末端から誘導される分子量83000のポリペプチドを
    コードする配列、 (b) 上記DNA配列のヌクレオチド273から始まり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のア
    ミノ末端から誘導される分子量153000のポリペプチドを
    コードする配列、 (c) 上記DNA配列のヌクレオチド5178で終わり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のカ
    ルボキシ末端から誘導される分子量42000のポリペプチ
    ドをコードする配列、 (d) 上記DNA配列のヌクレオチド273からヌクレオチ
    ド5178までの配列で、かつプラスモジウム(P.falcipar
    um)のP.195蛋白質をコードする配列、および (e) 上記DNA配列のヌクレオチド216からヌクレオチ
    ド5178までの配列で、かつプラスモジウム(P.falcipar
    um)のP.195蛋白質およびそのシグナルペプチドをコー
    ドする配列 から選択されることを特徴とする融合DNA。
  3. 【請求項3】以下のDNAコード配列またはその一部に対
    応するDNAを含むベクターであって、 前記DNAコード配列またはその一部が、 (a) 上記DNA配列のヌクレオチド273から始まり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のア
    ミノ末端から誘導される分子量83000のポリペプチドを
    コードする配列、 (b) 上記DNA配列のヌクレオチド273から始まり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のア
    ミノ末端から誘導される分子量153000のポリペプチドを
    コードする配列、 (c) 上記DNA配列のヌクレオチド5178で終わり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のカ
    ルボキシ末端から誘導される分子量42000のポリペプチ
    ドをコードする配列、 (d) 上記DNA配列のヌクレオチド273からヌクレオチ
    ド5178までの配列で、かつプラスモジウム(P.falcipar
    um)のP.195蛋白質をコードする配列、および (e) 上記DNA配列のヌクレオチド216からヌクレオチ
    ド5178までの配列で、かつプラスモジウム(P.falcipar
    um)のP.195蛋白質およびそのシグナルペプチドをコー
    ドする配列 から選択されることを特徴とするベクター。
  4. 【請求項4】細菌宿主における発現を調節する制御配列
    を更に含有する特許請求の範囲第3項に記載のベクタ
    ー。
  5. 【請求項5】以下のDNAコード配列またはその一部に対
    応するDNAを含むベクターにより形質転換された細菌で
    あって、 前記DNAコード配列またはその一部が、 (a) 上記DNA配列のヌクレオチド273から始まり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のア
    ミノ末端から誘導される分子量83000のポリペプチドを
    コードする配列、 (b) 上記DNA配列のヌクレオチド273から始まり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のア
    ミノ末端から誘導される分子量153000のポリペプチドを
    コードする配列、 (c) 上記DNA配列のヌクレオチド5178で終わり、か
    つプラスモジウム(P.falciparum)のP.195蛋白質のカ
    ルボキシ末端から誘導される分子量42000のポリペプチ
    ドをコードする配列、 (d) 上記DNA配列のヌクレオチド273からヌクレオチ
    ド5178までの配列で、かつプラスモジウム(P.falcipar
    um)のP.195蛋白質をコードする配列、および (e) 上記DNA配列のヌクレオチド216からヌクレオチ
    ド5178までの配列で、かつプラスモジウム(P.falcipar
    um)のP.195蛋白質およびそのシグナルペプチドをコー
    ドする配列 から選択されることを特徴とする細菌。
  6. 【請求項6】ベクターが細菌宿主における発現を調節す
    る制御配列を更に含有する特許請求の範囲第5項に記載
    の細菌。
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