JPH06189772A - 原虫類ワクチン用抗原ペプチドおよびこのペプチドを含有するワクチン - Google Patents

原虫類ワクチン用抗原ペプチドおよびこのペプチドを含有するワクチン

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JPH06189772A
JPH06189772A JP5230426A JP23042693A JPH06189772A JP H06189772 A JPH06189772 A JP H06189772A JP 5230426 A JP5230426 A JP 5230426A JP 23042693 A JP23042693 A JP 23042693A JP H06189772 A JPH06189772 A JP H06189772A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 原虫類ワクチン用抗原ペプチドおよびこのペ
プチドを含有するワクチンに関するものである。 【構成】 プラスモジウム(P.falciparu
m)からの抗原(P.195)をコードするDNAをク
ローニングすることが可能で、このクローンDNAを、
その抗原またその少なくとも1個のエピトープを含むペ
プチドを適当な宿主中で表現可能な適当なペクター中に
導入することによって、機能抗原またはその断片が得ら
れ、プラスモジウムのP.195蛋白質のカルボキシ末
端から誘導される分子量42000のポリペプチドであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マラリヤワクチン用抗
原ペプチドおよびこのペプチドを含有するワクチンに関
する。
【0002】
【従来の技術】全第三世界における保健問題として、マ
ラリヤの重要性はますます増大しつつある。数億の人々
がこの病気に罹っていて、原虫類プラスモジウム(Pl
asmodium falciparum)の寄生によ
って起こる最も急性の病型ではアフリカだけで百万人以
上の小児が死亡している。この寄生虫の血流中における
無性増殖に対する効果的な免疫によればこの疾患を予防
できる。侵入型の分裂小体に対する有効な免疫応答によ
って赤血球の再侵入を防止すればこのサイクルが遮断さ
れる。
【0003】けつ歯類のマラリヤモデルにおいて、成熟
赤血球内型分裂前体中で合成され、分裂小体の表面上に
表現された蛋白抗原が精製でき、この抗原によるワクチ
ン化でプラスモジウム(Plasmodium yoe
lii)に対する保護免疫を生じることが明らかにされ
ている〔ホルダーほか(Holder,A.A.&Fr
eeman,R.R.):ネイチャー(Natur
e)、294:361〜364(1981)〕。
【0004】この抗原は、見かけの分子量(MW)23
0,000で、in vivoで蛋白分解プロセッシン
グを受けて、この抗原の分離断片が分裂小体表面に存在
する〔ホルダーほか(Holder & Freema
n)、1981、前出;ホルダーほか(Holder,
A.A.& Freeman,R.R.):パラシトロ
ジー(Parasitology)、88:211〜2
19(1984a)〕。
【0005】「分子量」の語は、ドデシル硫酸ナトリウ
ムと標準分子量マーカーの存在下にポリアクリルアミド
ゲル電気泳動によって測定された見かけの相対的分子量
を意味する。本発明の抗原蛋白質の分子量は、したがっ
て、レムリ(U.K.Laemmli)〔ネイチャー
(Nature)、227:680〜685(197
0)〕によって報告された方法によって測定するのが好
都合である。便利な標準分子量マーカーとしては、たと
えば、スペクトリンヘテロダイマー(2.2×10 5
W)、β−ガラクトシダーゼ(1.6×105 MW)、
ホスホリラーゼb(9.3×104 MW)、ウシ血清ア
ルブミン(6.8×104 MW)、アルドラーゼ(3.
9×104 MW)、トリオースホスフェートイソメラー
ゼ(2.7×104 MW)およびリゾチーム(1.5×
104 MW)がある。
【0006】マウスのワクチン接種に、この蛋白質を用
いた場合、保護効果はアジュバント依存性で、細胞仲介
エフェクター経路によって与えられるものと思われる
〔フリーマンほか(Freeman,R.R.& Ho
lder,A.A.):クリニカル・エクスペリメンタ
ル・イミュノロジー(Clin.Exp.Immuno
l.)、54:609〜616(1983a)〕。しか
し、この蛋白質に対するモノクロナール抗体はマウスに
受動免疫を付与することが示されている〔マジャリアム
ほか(Majariam,W.R.et al):ジャ
ーナル・オブ・イミュノロジー(J.Immuno
l.)、132:3131〜3137(1984)〕。
【0007】類似の蛋白質抗原が、他のプラスモジウム
属についても報告されている。プラスモジウム(P.y
oelii)の230,000MW精製抗原に対して産
生した多価抗血清は、試験した他のすべてのプラスモジ
ウム属の血液段階型と免疫蛍光により交差反応を示した
〔ホルダーほか(Holder & Freema
n):1984a、前出〕。
【0008】プラスモジウム(Plasmodium
chabaudi)においては、抗原はウエスターン法
によって250,000MWの共通抗原として同定さ
れ、これも同様にプロセッシングを受ける〔ホルダーほ
か(Holder,A.A.et al):モルキュラ
ー・アンド・バイオケミカル・パラシトロジー(Mo
l.Biochem.Parasitol.)、:1
91〜196(1983)〕。250,000MWのプ
ラスモジウム(Plasmodium chabaud
)蛋白質に特異的なモノクロナール抗体は、マウスに
おいてプラスモジウム(Plasmodium cha
baudi)のチャレンジに受動免疫を付与することが
明らかにされた〔ボイルほか(Boyle,D.B.e
t al):インフェクション・アンド・イミュニティ
ー(Infect.Immun.)、38:94〜10
2(1982)〕。
【0009】プラスモジウム(Plasmodium
knowlesi)の230,000MW蛋白質に対す
るモノクロナール抗体は分裂小体を凝集させ、したがっ
in vitroにおいて赤血球の寄生虫侵入を阻止
し〔エプシュタインほか(Epstein,N.et
al):ジャーナル・オブ・イミュノロジー(J.Im
munol.)、127:212〜217(198
1)〕、このプラスモジウム(Plasmodium
knowlesi)の蛋白質はin vivoにおいて
プロセッシングを受け、分裂小体の表面上に表現される
一連の断片を生成する〔デビッドほか(David e
t al):モルキュラー・アンド・バイオケミカル・
パラシトロジー(Mol.Biochem.Paras
itol.)、11:267〜282(1984)〕。
【0010】プラスモジウム(Plasmodium
falciparum)において、プラスモジウム
P.yoelii)の230,000MW蛋白質に対
する多価抗血清は195,000MW抗原(以下P.1
95蛋白質と呼ぶ)と交差反応した〔ホルダーほか(H
older et al):前出(1983a)〕。糖
蛋白質と考えられるこの抗原〔ハワードほか(Howa
rd,R.J.et al):モルキュラー・アンド・
バイオケミカル・パラシトロジー(Mol.Bioch
em.Parasitol.)、11:349〜362
(1984)〕の生合成は、寄生虫の分裂前体内で起こ
り、赤血球内段階の末期に抗原は蛋白分解プロセッシン
グを受けて分離した断片を生じる〔ホルダーほか(Ho
lder,A.A.& Freeman,R.R.):
ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン
(J.Exp.Med.)、156:1528〜153
8(1982);ホールほか(Hall,R.et a
l):モルキュラー・アンド・バイオケミカル・パラシ
トロジー(Mol.Biochem.Parasito
l.)11:61〜80(1984a)〕。
【0011】分裂小体の表面に(赤血球内段階の末期に
血清中に放出され)、蛋白質は完全なプロセッシングを
受け、分子量約83,000、42,000および1
9,000の3種の分離したP.195断片が存在す
る。これらの3種の断片が分裂小体の主要な表面抗原
で、ヒト免疫血清によって強力に認識される〔フリーマ
ンほか(Freeman,R.R.& Holder,
A.A.):ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・
メディシン(J.Exp.Med.)、158:164
7〜1653(1983b);ホルダーほか(Hold
er,A.A.& Freeman,R.R.):ジャ
ーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン(J.
Exp.Med.)、160:624〜629(198
4b)〕。
【0012】本明細書において使用される「P.19
5」の語は、プラスモジウム(Plasmodium
falciparum)の赤血球分裂前体中に存在する
分子量1.8〜2.3×105 の蛋白質であって、in
vivoにおいてプロセッシングを受けて分子量約
8.3×104 、4.2×104 および1.9×104
の分離断片を生じ、寄生虫の分裂小体の表面膜と会合し
ている。
【0013】プラスモジウム(Plasmodium
falciparum)P.195内には、特異的モノ
クロナール抗体の結合度または見かけの分子量のわずか
な差によって検知される構造上のある種の多形現象が存
在するとも思われる〔マックブライドほか(McBri
de,J.S.et al):サイエンス(Scien
ce)、217:254〜257(1982);マック
ブライドほか(McBride,J.S.et a
l):トランズアクション・オブ・ザ・ロイアル・ソサ
イアティ・オブ・トロピカル・メディシン・アンド・ハ
イジーン(Trans.Roy.Soc.Trop.M
ed.Hyg.)、78:32〜34(1984);ホ
ールほか(Hall,R.et al):前出(198
4a)〕。
【0014】しかしながら、これらの抗原が対応抗原で
あって、特定の抗原決定基に認められる差は動物におけ
る広い意味での免疫応答には重要でないことは、本来技
術分野における熟練者には自明のとおりである。P.1
95で免疫処置されたセイミリ(Saimiri)サル
はチャレンジ感染に対して保護されることが示されてい
る〔ペリンほか(Perrin,L.H.et a
l):ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディ
シン(J.Exp.Med.)、160:441〜45
1(1984);ホールほか(Hall,R.et a
l):ネイチャー(Nature)、311、379〜
382(1984b)〕。
【0015】本明細書に用いる「エピトープ」の語は、
免疫原性分子の抗原性決定基を意味し、抗原性決定基は
適当な形で存在する場合に、感受性動物に保護的免疫応
答を引き出すことができる分子立体配置からなる。P.
195は対立遺伝子変異を受けやすく、プラスモジウム
P.falciparum)の異なる株では異なる形
の蛋白質を表現する場合もあるが、どの株から得られた
P.195も実質的に類似のものであることも明らかで
ある。
【0016】本明細書に記載のプラスモジウム(P.f
alciparum)株からのP.195遺伝子をサイ
ソング(Thaithong,S.)らによって単離さ
れた株からの相当する遺伝子〔サイソングほか(Tha
ithong,S.et al):トランズアクション
・オブ・ザ・ロイアル・ソサイアティ・オブ・トロピカ
ル・メディシン・アンド・ハイジーン(Trans.R
oy.Soc.Trop.Med.Hyg.)、78
242〜245(1984)〕とサザン法で比較したと
ころ、核酸ハイブリダイゼーション〔シュバルツ(Sc
hwartz,R.T.)〕によって検出できる構造多
形現象を示した。
【0017】以上略述した理由により、プラスモジウム
P.falciparum)P.195またはその抗
原性断片は血液段階マラリヤのワクチンとして利用価値
があるものと考えられる。
【0018】in vivoで産生され、分裂小体表面
上に存在するこの蛋白質またはその抗原性断片を大量か
つ比較的純粋に得るためには、プラスモジウム(P.f
alciparum)におけるこの蛋白質の表現をコー
ドする遺伝子のDNA配列を同定することが望まれる。
この配列を同定したのち、この配列を適当なベクターに
クローニングし適当な宿主中で表現させるか、あるいは
同定した配列に相当するアミノ酸配列を化学的に合成す
ることにより、蛋白質分子の免疫的に有効な部分を再生
することが望ましい。
【0019】
【発明の開示】本発明は、上述のプラスモジウム(P.
falciparum)からの抗原(P.195)をコ
ードするDNAをクローニングすることが可能で、この
クローンDNAを、その抗原またはその少なくとも1個
のエピトープを含むペプチドを適当な宿主中で表現可能
な適当なベクター中に導入することによって、機能抗原
またはその断片が得られることを発見し、完成されたも
のである。本発明に係りプラスモジウム(P.falc
iparum)のP.195蛋白質、またはその少なく
とも1個のエピトープを含むペプチドをコードするクロ
ーンDNA配列が提供される。
【0020】本明細書において用いられる「クローンD
NA配列」とは、天然宿主の外部で合成されたDNA配
列を意味する。本明細書において用いられる「ペプチ
ド」の語は、2個以上のアミノ酸からなる主としてアミ
ノ酸によって構成される分子構造を意味する。この定義
によれば、P.195も一種のペプチドである。
【0021】本発明のDNA配列は天然に生じる配列と
同一でも、またそれが単一もしくは多塩基置換、欠失、
挿入および逆位を含む変異を受けた配列でもよい。ただ
し、このような配列からなるDNA分子は、常に、プラ
スモジウム(P.falciparum)のP.195
蛋白質の少なくとも1個のエピトープを有するペプチド
として表現されるものでなければならない。
【0022】次に、本発明を、図面を参照しながらさら
に詳細に説明する。図1はP.195をコードする遺伝
子を含むプラスモジウム(P.falciparum
DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードするア
ミノ酸配列を示すものである。図2はP.195遺伝子
のcDNA制限地図を示す。図3はP.195ゲノム配
列の制限地図を示す。図4は本発明を例示する過程で用
いられるプラスミドの構築を例示するものである。
【0023】図1A−1Qは、P.195遺伝子のヌク
レオチド配列、それがコードするアミノ酸配列およびそ
の暗号配列の両端におけるストレッチ配列を示してい
る。2段に並んだ文字の下段はヌクレオチドを慣用の略
号によって示したもので、上段は読み取り枠がコードす
るアミノ酸配列をアミノ酸の慣用略号で示したものであ
る。この配列は本明細書に述べる方法で決定されたもの
であり、実験誤差の範囲内で可能な限り正確に決定され
たが、このP.195遺伝子配列には変動がある可能性
もある。
【0024】図2は遺伝子ならびに暗号配列の両端に伸
びたcDNAクローン中の配列を、図の最上段に太線と
して示し、重要な制限酵素部位を記入してある。この図
中の制限酵素記号はすべて慣用法によった。他の制限酵
素部位は、図を複雑にしないように下部の平行線上に示
す。図の最下部の囲まれた線は、各種プラスミド挿入部
が由来するP.195遺伝子関連位置を示す。ゲノム挿
入部であるG1を除いてすべてcDNA挿入部である。
XおよびYはP.195コード配列のそれぞれ5′およ
び3′推定末端を示す。
【0025】図3はP.195遺伝子を含むゲノムDN
Aのストレッチの制限地図に例示したものである。スケ
ールはkbpで、図中にボールド書体の大文字で示した
P.195遺伝子のHind III制限部位を基準点
として選んだ。他の制限酵素部位は次の記号で表示し
た。E(EcoRI)、R(Rsal)、A(Alu
I)、M(MboI)、Pv(PvuII)、N(Nd
eI)、T(TaqI)、B(BamHI)およびP
(PstI)である。
【0026】制限地図の下に示した配列のストレッチは
指示した特異的クローンにハイブリダイズすることが明
らかにされたストレッチである。カッコ内の数字はその
セグメントがハイブリダイズするcDNAクローンで、
数字は常に関連pPFcクローンに相当する。カッコ外
にさらに数字とそれに続いて上述の2個の文字がある場
合、これは用いられたプローブが全クローンより小さ
く、数字は断片の長さ(kbp)、文字はその断片の生
成に用いた制限酵素を示している。
【0027】図4はP.195DNAの断片の表現に用
いられる2種のプラスミドの構築を例示している。pW
RL507は図に示されているように多数の特徴的な制
限部位と特徴的な遺伝子機能とを有する。Ptrp、
rpEはそれぞれプロモーターおよびアントラニル酸シ
ンテターゼIで、AmpR はアンピシリン抵抗性をTe
R はテトラサイクリン抵抗性を付与する。pXY46
0も図に示されているように特徴的な制限部位を有し、
プロモーター(Ptac)、β−ガラクトシダーゼをコ
ードする遺伝子(lacZ )およびアンピシリン抵抗性
を付与する遺伝子(AmpR )を含む。
【0028】上述のDNA配列は、前述した条件を仮定
すれば、またこの配列の決定に際しての実験誤差を考慮
する限り、図1に示されている配列の全部、または一部
を含有することを特徴とするものである。また、上述の
DNA配列は、本明細書に述べる方法で決定できる図2
および図3のような制限地図を有することを特徴とする
ものである。
【0029】遺伝子配列は、化学切断法〔マキサムほか
(Maxam,A & Gilbert,W.):メソ
ッズ・イン・エンザイモロジー(Meth.Enzym
ol.)、65:499(1980)〕または目的のD
NA断片をバクテリオファージクローニングベクターに
サブクローニングしたのち〔メッシングほか(Mess
ing,J.& Vieira,J.):ジーン(Ge
ne)、19:269〜276(1982)〕、ジデオ
キシ法〔サンガーほか(Sanger,etal):プ
ロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Aca
d.Sci.)、74:5463〜5467〕によって
決定された。
【0030】図1に示されている配列の分析により21
6位に開始コドンと思われるもの(AUG)があり、さ
らに1654個のコドンの読み取り枠が続いている。ペ
プチド遺伝子生成物の分子量の計算値は189,953
になる。開始コドンに続いてシグナル配列と推定される
18個のコドンが存在し、これは蛋白質が成熟する前に
蛋白質から切り離されるアミノ酸配列をコードするもの
と思われる。
【0031】ヌクレオチド447〜527は、P.19
5の83,000MW断片内に生じるトリペプチド配列
Ser−Gly−GlyおよびSer−Val−Ala
の交互のくり返しをコードしている(例6)。翻訳され
た配列内のアミノ酸の一部の分布は不斉である。たとえ
ば19個のシスティン残基のうち、2個はシグナルペプ
チドと思われる配列中に、11個はC末端の97個のア
ミノ酸(42,000MW断片)中に存在する。Asn
−X−SerまたはThr(Xはプロリン以外の通常の
アミノ酸である)で示される構造の11個のトリペプチ
ド配列が確認されているが、これらはN−グリコシレー
ション部位と考えられる。
【0032】図1に示した配列データを用い、この配列
のいかなる部分に相当するペプチドもたとえばメリフィ
ールド他〔Merrifield,R.B.およびMa
rglin,A.(Ann.Rev.Biochem.
(1970)39、841頁以下参照)〕の方法を用い
て合成することができるということが認識されよう。而
して、本発明に係るもう一つの具体例としてP.195
の少なくとも1種のエピトープを含む合成ペプチドが提
供される。本明細書で用いる「合成」なる用語は、たと
えば上記のごとき化学的方法により製造されるペプチド
を意味するものとする。
【0033】P.195をコードするDNA配列の断片
の同定およびクローニングは、たとえば次のようにして
実施することができる。同調培養したプラスモジウム
P.falciparum)の細胞を界面活性剤で処
理し、エタノール処理および遠心分離でメッセンジャー
RNA(mRNA)を沈殿させ、オリゴ−dTセルロー
ス上クロマトグラフィーに付して精製することにより、
まずmRNAを抽出した。
【0034】ほぼ純粋な生成物を次に、逆転写酵素とD
NAポリメラーゼを用いるコピーDNA(cDNA)の
合成に使用した。生成後、cDNAをプラスミドに挿入
し、ついでこれを形質転換により宿主に導入した。生成
したライブラリー中のどのクローンが関連DNA挿入部
を含有するかを確認するため、プラスモジウム(P.f
alciparum)mRNAを庶糖勾配法により遠心
分離してプローブを単利し、in vitroでの翻訳
により分画の性質を調べた。
【0035】P.195をコードすることが明らかにさ
れた分画を、部分アルカリ加水分解したのち、ポリヌク
レオチドキナーゼとγ32P−ATPによって放射標識し
た。このプローブをコロニ−ハイブリダイゼーション実
験に用いたところ、数個のクローンがそれとハイブリダ
イズし、その一部は強力にハイブリダイズすることが明
らかになった。これらをクロスハイブリダイゼーション
によってファミリーに分類し、各ファミリーから1個ず
つをニックトランスレーションにより、DNAポリメラ
ーゼとα−32P−dATPで放射標識した。
【0036】これらのプローブがP.195のDNA配
列の一部であるとすれば、プラスモジウム(P.fal
ciparum)mRNAの全抽出物中、195,00
0MWの蛋白質をコードするのに必要なmRNAの最低
の長さである5,300塩基以上のmRNAとハイブリ
ダイズするはずである。
【0037】このようなmRNAを認識するプローブ
(ノーザン法)を、さらに、適当な宿主中でそのcDN
A配列を融合ペプチドとして表現できるベクター中に導
入して、その性質を調べた。このcDNAの表現を確認
するため、その断片をベクター中に導入する前にエキソ
ヌクレアーゼで処理して、読み取り枠をランダム化し
た。表現ペプチドはP.195に対して誘発された多価
ウサギ血清で検査した。上述のDNA断片はこのような
操作で検出された。
【0038】P.195に対する完全なcDNAのクロ
ーニングについては、全mRNAに対応するcDNAの
合成法が数種知られている〔たとえばハイデッカーほか
(Heidecker,G. & Messig,
J.):ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucl
eic Acids Res.)、11:4891〜4
906(1983)〕。またクローニングは、容易に調
整できる全ゲノムDNA消化ライブラリー、およびこの
ライブラリー中に上述の断片をプローブとして用いるこ
とにより検出される関連配列またはその断片を使用して
も実施できる〔たとえばオディンクほか(Odink,
K.G.et al):モルキュラー・アンド・バイオ
ケミカル・パラシトロジー(Mol.Biochem.
Parasitol.)、10:55〜56(198
4)〕。
【0039】この方法で見出される配列の一部は要求さ
れるcDNA配列の全長であるが、多くはこの配列の断
片である。ライブラリー中のどのクローンが所望のDN
Aの一部に相当するかを決定するためには、染色体歩行
として知られている方法〔ハッドフィールド(Hadf
ield,C.):フォーカス(Focus)、:1
〜5(1983)〕を使用する。
【0040】この方法は既知の断片(プローブ)を用い
て、クロスハイブリダイゼーションにより他の断片を検
出するものである。これらの新たに突き止められた配列
はそれ自体プローブとして使用してもよく、この方法
で、P.195をコードするDNAの全配列が同定さ
れ、クローン化できる。この操作によればDNA配列の
制限地図特性も明らかにできる。
【0041】ゲノムDNA中のP.195の遺伝子の物
理的地図の、制限エンドヌクレアーゼ切断、ゲル電気泳
動、ニトロセルロースまたはポリアミド膜へのトランス
ファーおよびクローンDNA由来の特異的プローブへの
ハイブリダイゼーションによる構築はcDNAの方向性
および位置ならびにゲノムクローンの確認にきわめて有
用でそれを容易にする。さらに、cDNAクローン内の
制限部位とゲノム中の制限部位の比較は、cDNAが合
成されるmRNA中には存在しない遺伝子の特徴を検出
するのに使用できる。
【0042】たとえば、暗号配列内の分断、イントロン
の存在を検出でき、これは転写RNAから特異的スプラ
イシングによって切り取られる。このような約700
b.p.のイントロンと思われる例が、上述の方法によ
りヌクレオチド暗号配列221と313の間(図1)、
すなわちこれらの位置でMboI(M)とHindII
I部位の間(図3)に認められている。
【0043】上述のように、P.195はin viv
でプロセッシングを受け、上に述べたような断片を含
む分離断片となる。これらの断片がマラリヤに対する免
疫を付与するのに有益であることは容易に証明でき、こ
のような断片のDNA配列は本発明の重要な一態様であ
る。とくに、このような配列は一般に、全蛋白質のDN
A配列よりも適当なベクター中で良好に表現されるから
である。したがって、さらに本発明に係る一態様とし
て、in vivoで生じるP.195断片をコードす
るクローンDNA配列を挙げることができる。
【0044】感受性宿主に免疫応答をとくに引き出しや
すい天然に生じるP.195断片は、分裂小体表面に存
在する断片である。さらに本発明に係る一態様として、
プラスモジウム(P.falciparum)の分裂小
体表面膜上にin vivoで生じるP.195断片を
コードするクローンDNA配列が提供される。
【0045】線状遺伝子配列中のプロセッシング断片の
位置決定のためには〔ホルダーほか(Holder &
Freeman):前出(1984b)〕、ひとつの
直接的アプローチとして、断片を精製して部分アミノ酸
配列を決定し、ついでこれを翻訳された遺伝子配列と比
較する方法がある。これは分裂小体から多分、赤血球侵
入過程で特異的に離脱すると思われ、in vitro
培養液の上清に蓄積する83,000MW断片について
実行可能なことが明らかにされている。P.195の8
3,000MW断片の20個のアミノ末端残基の配列決
定により、相当する暗号配列が図1のヌクレオチド27
3〜332に存在すること、すなわちこの断片が遺伝子
内にあることが示されている。
【0046】モノクロナール抗体を用い常法によって、
42,000MW断片の位置が決定され、これは例7に
記載されている。42,000MWおよび83,000
MW両断片の暗号配列は、遺伝子の逆の末端にあること
が確認されている。P.195遺伝子内の対立変異を明
らかにする実験から、最大の保存は領域5′のHind
III部位(83,000MW断片中)および3′非暗
号領域(図2)に起こることが示されている。もっとも
保存性の高い配列は42,000MW断片のカルボキシ
末端における約130個のアミノ酸残基に相当する遺伝
子の3′末端にあって、この断片が少なくとも1個の有
用なエピトープを含むことを示唆している。
【0047】したがって、本発明に係る一態様として、
さらにP.195の42,000MW断片に相当するD
NA配列が提供される。本発明に係るDNA配列は、こ
のDNA配列を含有するウイルスの産生にも使用でき
る。たとえば、感染細胞にヒポキサンチンを含有しない
培地上での生育能を付与できないワクシニアウイルスの
株(TK- )を用いて組織培養体に感染させる。この組
織培養体をTK+ 遺伝決定基に結合したP.195遺伝
子またはその断片で形質転換する。以後の子孫ウイルス
の一部はこの形質転換配列をゲノム中への挿入体の形で
保有することになる。これらは、組織培養細胞にヒポキ
サンチン欠乏培地上での生育能を付与する能力により選
択できる。
【0048】生育するコロニーをさらに、たとえばF1
11.2のような関連モノクロナール抗体を用い、P.
195またはその少なくとも1個のエピトープを含むペ
プチドの産生について選択する。このようなワクシニア
株は免疫原性マラリヤペプチドを産生するので、マラリ
ヤに罹患しやすい動物の感染に使用できる。すなわち、
本発明に係る一態様として、感受性脊椎動物にマラリヤ
の免疫を付与するのに使用できる、上述のDNA配列を
もった非病原性ウイルスが提供される。
【0049】このようなワクチンはまた、他の感染、た
とえば天然痘、ジフテリア、B型肝炎、狂犬病、単純疱
疹、百日咳等に対する免疫も容易に付与できることは明
白である。したがって、本発明は、さらに他の感染に対
する免疫も付与できる上述のような非病原性ウイルスを
も提供するものである。これは他のワクチンと一緒にあ
わせて、または個々に、同時投与することができる。
【0050】P.125のDNA配列の上述の特性に基
づき、得られた制限地図を参照して、この配列の任意の
所望の断片のクローニングが可能である。外来性DNA
小片を正しい読み取り枠で大腸菌遺伝子に挿入すると、
一部のアミノ酸配列は大腸菌遺伝子から、一部は挿入D
NAに由来する融合蛋白質が表現される。適当な制御配
列と有利な制限部位をもつ適当なベクターが構築されて
いて、融合蛋白質の高レベルの表現が可能になってい
る。
【0051】選ばれた表現システムの制限地図と表現さ
せる配列を調査し、これに翻訳枠の知識があれば、特異
的DNA断片を表現ベクター中にリゲートするだけの操
作で、その表現が可能である。たとえば、pWRL50
7はpAT153とtrpE遺伝子から〔ニコルスほか
(Nichols,B.P. et al):ジャーナ
ル・オブ・モルキュラー・バイオロジー(J. Mo
l. Biol.)、146:45〜54(198
1)〕、trpE遺伝子のヌクレオチド1223のBg
lII部位に合成EcoRI−BglIIリンカーを挿
入して構築されたプラスミドである(図4)。
【0052】このベクターはNdeIとEcoRI、E
coRIとBamHIまたはEcoRIとHindII
Iで切断し、このDNA小断片をpPFglの2.7K
bpNdeI−EcoRI断片、pPEc1028の4
00bp EcoRI−BamHI断片またはpPFc
1028の2.4Kbp EcoRI−HindIII
(HindIII部位はこのプラスミドのポリリンカー
中にある)断片でそれぞれ置換できる。さらに、pPF
c1028の1.2Kbp EcoRI−NdeIのよ
うな特異的断片をpUC9のポリリンカー領域(この場
合、EcoRI/ブラント末端断片として)にサブクロ
ーンし、ついでEcoRIとHindIIIで切り出
し、pWRL507のEcoRIとHindIIIカッ
トにクローン化することができる。
【0053】適当な制限酵素部位を用い、P.195遺
伝子配列からのDNA断片をtrpE遺伝子内に正しい
方向でクローニングすることは可能であるが、通常、翻
訳枠がずれてしまう。挿入配列を発現させるには、適当
な長さの合成リンカーをtrpE遺伝子と挿入体の間の
制限部位に挿入して、融合蛋白質を読み取り枠どおりに
発現させる。また、挿入DNAを含むプラスミドをバク
テリアDNAと挿入DNAの間の特徴的制限部位で開裂
し、そのDNAを酵素Bal31で短時間処理して直線
化DNAの各末端から数個の塩基を除去する。
【0054】DNAポリメラーゼ1の大(Kleno
w)断片で修復したのち、プラスミドをT4 リガーゼで
再び環化し、バクテリアの形質転換に使用する。形質転
換体の3個中1個はP.195配列を正しい読み取り枠
で含有し、trpE遺伝子生成物との融合蛋白質として
表現される。Bal31による消化の程度が表現される
融合蛋白質の最終サイズおよびtrpEとそれに含まれ
るP.195配列との長さの割合によって決まることは
本技術分野における熟練者には自明のとおりである。
【0055】さらに、Bal31消化および修復後のリ
ゲーションの間に合成リンカーを挿入すれば、形質転換
後の特定株の分析が容易になる。特異的制限酵素による
消化とBal31酵素処理を上手に使用すればP.19
5の任意の特定領域を融合蛋白質として表現することが
できる。
【0056】したがって、本発明に係る、さらに他の態
様として、適当な宿主によって翻訳可能な遺伝子のアミ
ノ末端コード部分に縦列に結合したDNA配列を含むベ
クターが提供される。このベクターは任意の制御配列を
伴っていてもよく、適当な形質転換宿主を用いると、
P.195の少なくとも一部分またはその少なくとも1
個のエピトープからなる融合蛋白質が産生される。
【0057】DNA断片を発現させる別法としては読み
取り枠(ORF)ベクターを用いる方法がある。これに
DNAの通常は短い断片、多くの場合に大腸菌蛋白質の
N末端アミノ酸配列をコードする配列内に挿入できる。
この挿入DNAは停止コドンを正しい翻訳枠で含有して
はならず、転写方向に関して正しい方向性をもたねばな
らず、また各末端が正しい枠内になければならない。ラ
ンダム切断法で生じた蛋白質コード配列からのDNA切
片が正しい枠で読み取られる確率は1/18である。
【0058】β−ガラクトシダーゼに基づくORFベク
ターが報告されている〔ケネンほか(Koenen e
t al)、1982〕。この蛋白質のN末端における
部位にDNA切片を正しい枠で挿入すると、β−ガラク
トシダーゼ蛋白質を読み通して表現され、これは発色性
基質5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D
−ガラクトシド(Xgal)を加水分解するので検知で
きる。たとえば、Xgalが含まれているアガール上で
コロニーを生育させると、機能性β−ガラクトシダーゼ
を表現するプラスミドをもつ適当な宿主株の形質転換体
は青色のコロニーを産生する。このようなベクターの一
つのpXY460はtacプロモーターの制御下にβ−
ガラクトシダーゼ遺伝子を含有する。
【0059】EcoRI部位のとなりのSmaI部位に
DNAを挿入すると遺伝子が正しい読み取り枠で発現す
るように変換できる。JM105のような大腸菌宿主の
形質転換はバクテリアをアンピシリン抵抗性に変換し、
融合蛋白質の表現はイソプロピル−β−D−チオガラク
トピラノシド(IPTG)の添加により高レベルに誘導
される。
【0060】したがって、本発明に係る別の一態様とし
て、適当な宿主中で翻訳可能な遺伝子からなり、関連制
御配列をもっていてもよいベクターであって、本発明に
係るDNA配列が上記遺伝子カルボキシ末端部分から上
記DNA配列まで正しく翻訳されて適当な宿主中で表現
するように改変して挿入されているベクターが提供され
る。これにより、P.195の少なくとも一部分または
その少なくとも1個のエピトープを含むペプチドと上記
遺伝子がコードする蛋白質の部分とからなる融合蛋白質
が産生される。
【0061】P.195遺伝子の部分によってコードさ
れた、融合蛋白質中のペプチドは適当なペプチド結合の
酵素的または化学的切断によって融合蛋白質から切り取
ることができる。表現されたアミノ酸配列の検査によ
り、酵素的または化学的切断法のどれを採用するかは本
技術分野の熟練者であれば容易に決定できる。融合蛋白
質表現システムのP.195DNA配列とバクテリア遺
伝子配列との間に合成オリゴヌクレオチドリンカーを挿
入すれば、P.195配列と表現された融合蛋白質の残
部の間に酵素的または化学的切断に適した部位が付与さ
れる。この方法でP.195遺伝子コード断片を宿主ペ
プチドから分離、精製することができる。
【0062】P.195蛋白質またはその部分をコード
する配列を直接表現させるには、AUG開始コドンの後
に挿入DNA配列を直接、DNA挿入体がバクテリア制
御領域によって通常は転写、翻訳されるコード配列を置
換するように正しい読み取り枠で位置させればよい。こ
のような制御領域は、開始コドンに対して至適位置にプ
ロモーターとリボソーム結合部位とを含有する。表現す
べきDNA配列は適当な制限部位の使用により正しく位
置され、必要ならば適当なオリゴヌクレオチドリンカー
を使用することもできる。挿入DNA配列の末端には、
翻訳を停止させるために停止コドンを正しい読み取り枠
で挿入させ、また転写を停止させるためにターミネータ
ー配列を添加することもできる。
【0063】表現すべき挿入DNAはP.195の全コ
ード配列もしくはアミノ末端シグナル配列を除去した全
配列、また好ましくはその蛋白質の免疫原性断片に相当
する一部のコード配列である。適当な断片は適当なcD
NAまたはゲノムDNAクローン(ヌクレオチド配列の
検査後に)の制限酵素消化により調製でき、必要に応じ
て一端または両端をさらにBal31で処理し、DNA
配列の一部を制御された方法で消化、除去する。制御さ
れた消化は、適当な緩衝液、温度、反応時間、酵素量を
たとえば例8に述べるように選択することにより達成さ
れる。この段階で、適当な合成リンカーを、好ましくは
ブラント末端リゲーションにより挿入体に添加すると、
AUG開始コドンの付与また表現ベクターへのリゲーシ
ョンの容易化が可能になる。
【0064】本発明に係るさらに別の態様として、宿主
細胞を上記で定義したクローニングベクターで形質転換
し、この宿主細胞を培養して上記P.195またはその
少なくとも1個のエピトープからなるペプチドを表現さ
せることを特徴とする方法が提供される。
【0065】クローン断片の制御された表現は、その配
列の一方の末端の配列の使用によりまたは既知の他の配
列の使用によって可能である。このような配列にはプロ
モーターおよびエンハンサーがある。このようなプロモ
ーターの例としては、lactrpバクテリオファ
ージλpLおよびハイブリッドtrplacta
)を挙げることができる。適当なエンハンサーの例と
してはSV40エンハンサーおよびウシ乳頭腫ウイルス
からのエンハンサーがある。
【0066】本発明に係るさらに別の一態様として、本
発明に係る上述のDNA配列を含有するベクターが提供
される。上述のベクターはDNAのクローニングに適
し、宿主細胞の形質転換に使用でき、関連蛋白質を表現
させることができる適当な任意のベクターである。この
ようなベクターとしては、プラスミド、バクテリオファ
ージおよびコスミドを挙げることができる。DNAのク
ローニングに使用できるベクターとしては、大腸菌に用
いる場合pUC8、pUC9、pAT153、pBR3
25およびpBR328が、枯草菌に用いる場合pBD
9およびpKT438が、酵母に用いる場合pMA56
が、哺乳類細胞に用いる場合pAdD26SV(A)−
3、pSV2−dhfr、SVEHA3およびSVLH
A8がある。
【0067】関連蛋白質の表現に使用されるベクターは
上述したような制御配列を包含するものである。このよ
うなベクターとしては、大腸菌に用いる場合にはpXY
460およびpWRL507があり、哺乳類細胞に用い
る場合にはpSV2−dhfrがある。本発明に係るさ
らに別の一態様として、本発明に係るDNA配列と、さ
らにそのDNA配列の表現を調節するための1個または
2個以上の制御配列を含有するベクターが提供される。
【0068】上述の方法に使用するのに適当な宿主細胞
の例としては、原核生物、たとえばバクテリア(たとえ
ば大腸菌(E.coli)HB101およびDH1、枯
草菌(B.subtilis sp.)BD170およ
びIH6140)の細胞、真核生物、たとえば酵母細胞
(たとえばXV610−8C酵母細胞)または哺乳類細
胞(たとえばシミアンCV−1細胞)がある。
【0069】本発明に係る別の一態様として、P.19
5の少なくとも一部分またはそのエピトープ少なくとも
1個を含むペプチド、あるいはさらに他のペプチド配列
と共有結合していてもよい上記P.195の少なくとも
一部分またはペプチドを合成する方法が提供される。
【0070】この方法は: a) プラスモジウム(Plasmodium fal
ciparum)からcDNAまたはゲノムDNAライ
ブラリーを作り、 b) P.195のプローブを選択して、そのプローブ
を放射標識し、 c) そのプローブを用いてライブラリーの少なくとも
1個のメンバーを選択し、そして d) ライブラリーから選択されたDNAを用いて、
P.195の少なくとも一部分またはそのエピトープ少
なくとも1個を含むペプチドの表現に使用できる適当な
宿主を形質転換する各工程からなる。
【0071】本発明によって、上述の方法のいずれかに
よって得られたP.195蛋白質またはそのエピトープ
少なくとも1個からなるペプチドが提供される。これら
の物質は、マラリヤに対する免疫を付与するためのワク
チンに導入することができる。この目的には、抗原性蛋
白質またはそのエピトープの少なくとも1個からなるペ
プチドを医薬的に許容される担体と配合して提供する。
この抗原性蛋白質またはペプチドは単独で、または他の
P.195エピトープ含有ペプチドもしくはマラリヤに
対する免疫を付与する他の蛋白質と組合せて使用でき
る。
【0072】本発明は、その一態様として、P.195
またはその少なくとも1個のエピトープを含有するペプ
チドを医薬的に許容される担体と配合してなる、マラリ
ヤに対する免疫を誘発するワクチンを提供するものであ
る。この場合の医薬的に許容される担体とは、患者に抗
原を導入するためのビークルとして使用するのに適当な
液体メジウムである。このような担体の例としては食塩
水がある。P.195またはペプチドは担体中に溶液と
しても、また固体として懸濁してもよく、また医薬的に
許容される界面活性剤の添加により可溶化してもよい。
【0073】このワクチンは免疫応答を刺激するための
アジュバント加え、ワクチンの効果を増強させることも
できる。本発明に使用するのに便利なアジュバントには
水酸化アルミニウムがある。このワクチンはP.195
またはペプチドを最終濃度が0.2〜5mg/mlの範
囲、好ましくは0.5〜2mg/ml、とくに好ましく
は1mg/mlになるように処方するのが便利である。
処方後、ワクチンは滅菌容器に充填し、密封し、低温た
とえば4℃に保存してもよい。また凍結乾燥することも
できる。
【0074】脊椎動物にマラリヤに対する免疫を誘発さ
せるためには、適当に処方されたワクチンを1回または
2回以上投与する。1回投与量は0.1〜2ml、好ま
しくは0.2〜1ml、とくに好ましくは0.5mlで
ある。本発明によるワクチン、急性毒性の問題をひきお
こすことなく治療用量で投与することができる。
【0075】本発明はさらにその一態様として、感受性
の脊椎動物宿主に、上述のワクチンの有効量を投与する
ことによる、宿主へのマラリヤに対する免疫の誘発方法
を提供するものである。このワクチンはワクチンの投与
に際して慣用されている任意の方法、経口的にまたは非
経口的に(たとえば皮下もしくは筋肉内注射)投与され
る。処置はワクチンの1回投与または一定期間における
複数の投与によって行われる。
【0076】
【実施例】次に本発明を実施例によってさらに詳細に説
明するが、これは単に本発明を例示するものであって、
本発明をいかなる意味でも限定するものではない。例 1 P.195遺伝子からのcDNAクローンの同定 プラスモジウム(P.falciparum)培養を維
持し、ホルダーほか(Holder & Freema
n:前出、1982)の記載に従って同調させ、再侵入
の最終サイクル後の30〜40時間に遠心分離して細胞
を集めた。PBS(150mM NaCl、5mM K
Clおよび10mMリン酸ナトリウム、pH7.2)中
で洗浄したのち、50mM酢酸ナトリウムpH5.5、
100mM NaCl、1mM EDTAおよび3%
w/vになるように添加したSDSの4倍容に細胞を再
懸濁した。
【0077】同じ緩衝液で平衡化したフェノール:クロ
ロホルム(1:1)により激しく5分間抽出したのち、
16,000gで3分間遠心分離した。水相に2回目の
抽出を行ったのち、エタノールで核酸を沈殿させ、遠心
分離し、ペレットを0.1MEDTA(pH7.5)に
CsCl 4gを加えた液4ml中に溶解した。RNA
を0.1M EDTA中95%(w/v)CsClをク
ッションとして、25℃、150,000gで16時間
遠心分離してペレット化し、蒸留水に再溶解し、エタノ
ールで2回沈殿させた。
【0078】mRNAを精製するため、オリゴ−dTセ
ルロースクロマトグラフィーを標準法によって実施した
〔マニアティスほか(Maniatis,T.,Fri
tsch,E.F. & Sambrook,J.):
分子クローニング−実験便覧(Molecular c
loning,a laboratory manua
l)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(Cold Spring Harbor Labor
atory)、ニューヨーク(New York)、1
982〕。庶糖勾配によるRNAのサイズ分画は以前に
報告されているように行った〔オディンクほか(Odi
nk,K.G.et al):ジャーナル・オブ・バイ
オロジカル・ケミストリー(J.Biol.Che
m.)、256:1453〜1458(1981)〕。
【0079】cDNAライブラリーは標準操作を用いて
構築した〔マニアティスほか(Maniatis et
al):前出(1982)〕。cDNAは6μgのポ
リA+RAN、5μgのオリゴ−dT(12〜18)、
1mMの各ヌクレオシドトリホスフェート、0.1Mト
リスHCl(pH8.3)、10mM MgCl2 、1
40mM KCl、10mM DTTおよび30UのA
MV逆転写酵素を含む反応液50μl中、42℃で90
分間反応させて合成した。
【0080】第2鎖の合成は0.1M HEPES(p
H6.9)、10mM MgCl2、2.5mM DT
T、70mM KCl、0.5mMの各ヌクレオシドト
リホスフェートおよび50Uの大腸菌DNAポリメラー
ゼ大断片を含む液0.1ml中、15℃で16時間反応
させて行った。S1ヌクレアーゼ消化後、DNA5μg
を回収し、0.5μgをpUC8のPstI部位に単独
重合G−Cテイリングによって挿入した〔ヴィアイラほ
か(Vieira J. & Messing,
J.):ジーン(Gene)、19:259〜268
(1982)〕。
【0081】形質転換には大腸菌HB101を用いた。
3,000の形質転換体をもつレプリカフィルターを、
in vitroの翻訳で以前にP.195をコードす
るmRNAに富むことが示されているγ−32P−ATP
ポリヌクレオチドキナーゼ標識33S mRNA〔オデ
ィンクほか(Odink et al)、1984〕で
検査した。この検査で、60個の組換体プラスミドが検
出され、そのうち12個は強力なシグナルを与えた。ニ
ックトランスレーションを行った挿入体のクロスハイブ
リダイゼーションに基づき、12個の組換体から6個の
サブグループが形成された。
【0082】これらの組換えプローブはP.195のD
NA配列の一部を表わすという前提から、プラスモジウ
ム(P.falciparum)の全抽出物からの5,
300塩基以上の長さのmRNAに上記プローブはハイ
ブリダイズするはずである。これが約195,000M
Wの蛋白質をコードするのに必要な最低な長さと評価さ
れるからである。各グループからのメンバーをニックト
ランスレーションで標識し、プラスモジウム(P.fa
lciparum)RNAをプローブとしてノザン法で
検出した〔トーマス(Thomas,P.S.):プロ
シーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイ
ツ・オブ・アメリカ(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA)、77:5201〜5205
(1980)〕。
【0083】それぞれ1.6kb、2.3kbおよび
1.1kbのcDNA挿入体をもつ3個の組換体、pF
C15、pFC16およびpFC17を、それぞれサイ
ズ9kb、7.5kbおよび5.5kbのmRNAにハ
イブリダイズした。pFC17から単離された挿入DN
AをエキソヌクレアーゼBal31で処理して、読み取
り枠のランダム化と、トリプトファンオペロンの部分を
もつ表現プラスミドへの挿入を行った。DNAはBss
hII部位に挿入された。成熟trpE遺伝子生成物、
アントラニル酸シンテターゼIのカルボキシ末端から1
3個のアミノ酸である。
【0084】この部位にcDNAをシフト変異を生じな
いように挿入すると56,000MWのアントラニル酸
シンテアーゼIをもつ融合蛋白質が産生される。β−イ
ンドールアクリル酸の存在下に、トリプトファン飢餓に
より、遺伝子を誘導すると、生成した組換体の一つ、p
FT1733は72,000MW(SDS−PAGEで
測定)の融合蛋白質を与え、これはcDNA挿入体によ
ってコードされる16,000MWが付加したことを意
味する。
【0085】バクテリア抽出物とプラスモジウム(P.
falciparum)分裂前体抽出物をSDSポリア
クリルアミドゲル電気泳動に付し、ニトロセルロースに
移し、ついでP.195に特異的な多価ウサギ血清で調
べた。pFT1733の融合蛋白質は抗血清によって明
らかに検知された。この抗血清はプラスモジウム(P.
falciparum)分裂前体の全抽出物からP.1
95のみを検知し、著しくP.195に特異的であっ
た。
【0086】trpE遺伝子生成物および口蹄疫ウイル
スVP1蛋白質からなる80,000MW融合蛋白質を
含むバクテリア抽出物とは反応しなかった。さらに、正
常ウサギ血清を用いた対照では結合は認められなかっ
た。すなわち、pFC17はプラスモジウム(P.fa
lciparum)P.195の抗原決定基の一部をコ
ードする。pFC17については、以下でその別名pP
Fc1017によって表わされる。
【0087】例 2 pPFc1017関連の重複cDNAクローンの調製 組換cDNAライブラリーをサイズ分画したcDNAか
ら構築した。例1と同様にして調製し、テイリングした
cDNAを25mMトリス−HCl(pH7.4)、1
00mM NaCl、2.5mM EDTA中5%〜2
0%(w/v)庶糖勾配5mlに、SW50.1ロータ
ー(ベックマン)を用い45,000rpmで3時間遠
心分離した。2kbp〜8kbp領域のcDNA(約1
00ng)を収穫し、300ngのdG−テイリングP
st1消化pUC9でアニーリングし、DH1細胞のア
ンピシリン抵抗性形質転換に使用した。
【0088】6個のアガール板上に1,200個の組換
体が得られた。レプリカフィルターを、ニックトランス
レーションで標識した。pPFc1017からの挿入D
NAで検査した。11個のクローンがこのプローブにハ
イブリダイズしたDNAを含むものとして同定された。
これらのクローンにpPFc1001から1011まで
の番号を付した。これらのクローンを、pPFc101
7とクロスハイブリダイゼーションしないpPFc10
07中の挿入体の一部分を用いて再スクリーニングし
た。このプローブにハイブリダイズするさらに8個のク
ローン、pPFc1028〜1035が単離された。
【0089】100ngのdC−テイリングcDNAを
用いてさらにcDNAライブラリーを構築し、100n
gのG−テイリングpUC9でアニーリングし、DH1
細胞に形質転換した。約6000個の組換体が得られ、
これらをレプリカフィルター上、pPFc1017から
の340bp HindIII−Pst1断片でスクリ
ーニングした。このプローブにハイブリダイズしたクロ
ーンpPFc1013〜1016および1018〜10
27を取り、精製した。このライブラリーもpPFc1
007由来のプローブでスクリーニングし、さらに11
個のコロニー、pPFc1036〜1046を得た。
【0090】これらのcDNAクローンからのプラスミ
ドDNAを塩化セシウム勾配上で遠心分離して精製し、
制限酵素地図の作成およびクロスハイブリダイゼーショ
ンによって性質を調べた。cDNAクローンを重複線状
配列に調製した。配列分析に用いた6個のcDNAクロ
ーンの位置を図2に示す。
【0091】例 3 P.195遺伝子からのゲノムクローンpPFg1の単
プラスモジウム(P.falciparum)DNA
〔オディンクほか(Odink et al):前出
(1984)の方法で調製〕をHindIIIで完全に
消化し、サンプルを10〜40%庶糖勾配含有1M N
aCl、20mMトリス−HCl(pH8.0)、5m
M EDTA上に負荷し、ベックマンSW27ローター
を用いて20℃、26,000rpmで24時間遠心分
離した。
【0092】管の底の細孔部から0.5mlの分画を集
め各分画の一部を1%アガロースゲル上に走らせた。ニ
ックトランスレーションを行ったpPFc1017との
ハイブリダイゼーションで陽性シグナル示した勾配領域
の分画をEcoRIで消化し、ゲル精製HindIII
+EcoRI切断pUC8DNAでリゲートした。各分
画からのDHI形質転換体約400個をニトロセルロー
スフィルター上、pPFc1017挿入体とのコロニー
ハイブリダイゼーションによりスクリーニングを行った
〔グルンシュタインほか(Grunstein,M.
& Hogness,D.):プロシーディングズ・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
(Proc. Natl. Acad. Sci.)、
72:3961(1975)〕。
【0093】分画39からの1個のコロニーが陽性シグ
ナルを与えた。この組換体、pPFg1は相当するゲノ
ムDNA断片と共移動する3.1kb HindIII
−EcoRI断片を含み、両者は同じ制限酵素地図を有
する。pPFg1挿入体の部分末端標識マッピングによ
りpPFg1の制限地図が得られた〔スミスほか(Sm
ith,H.O. & Birnstiel,M.
L.)ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucl.
Acids. Res.)、3:2387(196
7)〕。配列決定は例5に記載のサンガー・ジデオキシ
ン法で実施した。
【0094】例 4 プラスモジウム(P.falciparum)DNA中
のP.195遺伝子地図の構築 プラスモジウム(P.falciparum)DNAは
オディンクほか〔Odink et al:前出(19
84)〕の記載したようにして調製し、その一部を、特
異的エンドヌクレアーゼを個々にまとめた場合により二
重消化、すなわち2個の制限エンドヌクレアーゼを用い
て制限した。生成物を0.5μg/mlのエチジウムブ
ロミドを含有するトリス−ホウ酸−EDTA(pH8.
2)中アガロースゲル(0.7%〜1.5%)上、平行
トラックに既知の長さのDNA断片をサイズマーカーと
して置いて、電気泳動に付した。
【0095】DNAを毛管ブロット操作によってジーン
・スクリーン・プラス(GeneScreen Plu
s;New England Nuclear/Dup
ont)に移し、業者の示したプロトコールに従って5
0%ホルムアミドの存在下に、42℃で32P標識プロー
ブDNAにハイブリダイズした。ハイブリダイズしたプ
ローブDNAはクロネックス・ライトニング−プラス
(Cronex Lightning−Plus)スク
リーン間のX−O mat Sフィルムを用い、70℃
でオートラジオグラフィーにより検出した。
【0096】プローブDNAはcDNAまたはゲノムD
NAプラスミドクローンから切り出した特異的プラスミ
ドDNAまたは特異的配列であり、アガロースゲル電気
泳動および溶出により精製した。DNAは32〔P〕α−
ATPの存在下、大腸菌DNAポリメラーゼとのニック
トランスレーションにより標識した。特異的プローブに
ハイブリダイズしたゲノムDNA内からの制限断片のサ
イズの分析により、構築すべき制限酵素部位の線状地図
ができた。
【0097】このようなP.195遺伝子地図を、特異
的断片がハイブリダイズする典型的な部位およびプロー
ブとともに図3に示す。ゲノムDNAの他の特異的消化
も数種実施し、クローンDNAからの他の特異的断片で
検査したことはいうまでもない。結果は図3に示した地
図と一致した。地図を繁雑にしないように、DNA配列
に存在する制限部位のすべては示していない。
【0098】DNA配列からのゲノム地図および制限酵
素地図の調査により、これらの2つは蛋白質コード配列
に相当する領域で、ヌクレオシド313におけるHin
dIII部位の右側に、共直線性であることが示され
た。しかしながら、ゲノムDNAには、cDNAクロー
ンに存在しない付加的な700pbの配列が、cDNA
配列中のヌクレオシド221と313のMbo1部位お
よびHindIII部位の間に存在した。これはコード
配列の開始直後のイントロンと考えられる。
【0099】地図上に示した部位は、酵素A(Alu
I)、B(BamHI)、E(EcoRI)、H(Hi
ndIII)、M(MboI)、N(NdeI)、P
(PstI)、Pv(PvuII)、R(RsaI)お
よびT(TaqI)部位の一部である。プローブは全プ
ラスミドかまたは挿入体もしくはプラスミドポリリンカ
ー領域内での部位で特異的酵素により消化して誘導した
特異的断片である。
【0100】例 5 P.195をコードするDNAのヌクレオチド配列 DNAの配列分析はマサキムほか(Maxam & G
ilbert、前出、1980)の化学的切断法および
サンガーの(Sanger et al、前出、197
7)ジデオキシ法で実施した。
【0101】1. 化学的切断 配列分析に適当なDNA断片は次のようにして調製し
た。 a) DNAを制限エンドヌクレアーゼ(業者指定の条
件による)で消化し、ついで混合物にウシ腸アルカリホ
スファターゼ(ベーリンガーマンハイム)を加え、反応
を37℃で30分間続けた。DNAをクロロパンで抽出
し、エタノールで沈殿させた。DNAの5′末端をマニ
アティス(Maniatis et al、前出、19
82)の記載に従い、ポリヌクレチオドキナーゼを用い
て〔32P〕で標識した。標識DNAを第2の適当な制限
エンドヌクレアーゼで切断し、混合物を1%(w/v)
アガロースゲルに負荷し、問題のDNAバンドをこのア
ガロースゲルから電気溶出し、その配列を決定した。
【0102】b) DNA断片は上記a)項に記載の操
作を改良法によっても調製した。DNAを制限エンドヌ
クレアーゼで消化し、ホスファターゼ処理し、5′末端
を上に略述したようにして〔32P〕で標識した。次にD
NA断片を脱イオンホルムアミド添加〔最終濃度70%
(v/v)〕により変性させ、100℃に5分間加熱し
た。サンプルを氷水で急冷し、直ちに非変性15%ポリ
アクリルアミドゲル〔アクリルアミド:ビスアクリルア
ミド比、60:1(w/w)〕上に負荷した。分離され
たDNA鎖をゲルから電気溶出し、配列決定した。
【0103】2. ジデオキシ配列決定 挿入体断片を線状ファージクローニング/シクエンシン
グベクターM13mp8中にサブクローニングしてDN
A鋳型を調製した〔メシングほか(Messing &
Vieira):前出、1982〕。配列決定はサン
ガー(Sanger et al:前出、1977)の
記載に従い、合成共通プライマー(Celltech)
および〔35S〕−dATPαS(Amersham I
nternational)を用いて実施した。特異的
断片の配列決定には二塩基法を用いた。まず、特異的制
限断片(RsaI、HinfI、RsaI−AhaII
I、TaqI消化により製造)を電気溶出によって精製
し、必要な場合には、付着端をクレノーDNAポリメラ
ーゼI断片を用いてブラント端にした。
【0104】上記プロトコールによるクローニングまた
は配列決定が困難な断片はBal−31〔マニアティス
ほか(Maniatis et al、1982)〕で
処理した。条件(DNAおよび酵素濃度)は、断片の各
末端から100〜150bpDNAが30℃で1分間に
除去されるように選択した。消化の過程で一連の重複断
片が得られた。Bal−31処理DNAをDNAポリメ
ラーゼIクレノー断片で修復した。DNAをホスファタ
ーゼ処理SmaI−消化M13mp8(Amersha
m)でリゲートし、JM103またはJM101にトラ
ンスフェクションした〔メシングほか(Messing
J. et al):ヌクレイック・アシッズ・リサ
ーチ(Nucl.Acids Res.)、:309
(1981)〕。標準操作に従って、鋳型DNAを調製
した。可能な場合には、各クローンの両鎖から配列が得
られた。
【0105】各クローンの配列を重複させることにより
得られた全配列を図1に示す。配列の決定に用いたクロ
ーンはDNA配列から得られた図2の制限地図の下に示
す。
【0106】例 6 培養上清からの83,000MW断片の精製および部分
アミノ酸配列の決定 in vitro 培養プラスモジウム(P.falci
parum)からの上清(例1参照)を収穫し、10,
000gで5分間遠心分離して細胞屑を除去した。培養
上清各100mlに1mlの1Mトリス、100mM
EDTA、100mM EGTA、1mlの100mM
PMSF、1mlの0.5Mヨードアセトアミド、1
mlの10mM TLCKおよび0.5gのデオキシコ
ール酸ナトリウムを加えた。
【0107】pHをHClで8.2に調整し、ついでサ
ンプルを100,000gで45分間遠心分離した。遠
心分離後の上清を、あらかじめ1mM EDTA、1m
MEGTAおよび0.5%(w/v)デオキシコール酸
ナトリウム含有10mMトリス−HCl(pH8.2)
(平衡緩衝液)で平衡化した抗体89.1−セファロー
スカラム〔ホルダーほか(Holder & Free
man)、前出(1984b)に記載の方法により調
製〕10mlに適用した。
【0108】カラムを平衡緩衝液で十分洗浄したのち、
カラムに残った物質を0.5%(w/v)デオキシコー
ル酸ナトリウム含有50mMジエチルアミン塩酸塩(p
H11.5)で溶出した。溶出液をAmicon XM
50フィルターを用いて限外濾過し、pHを8.2に
調製した。溶出液中の主ポリペプチドは83,000M
W種であり、これがウエスタン法でモノクロナール抗体
89.1、ウサギ多価抗P.195血清またはヒトプラ
スモジウム(P.falciparum)免疫血清のい
ずれかと反応する唯一の成分であった。
【0109】生成物中の主夾雑物はIgGで、溶出液を
濃縮したのち、上述のようにして平衡化したプロテイン
A−セファロースカラム(0.9×10cm)(Pha
rmacia Fine Chemicals)を通し
て除去できた。IgGが除去された、遅れない物質を集
めた。固体の塩酸グアニジンを澄明な溶液が得られるま
で加え、ついで蛋白質を還元し、S−カルボキシメチル
化した〔ワックスダールほか(Waxdal,M.J.
et al):バイオケミストリー(Biochemi
stry)、:1959〜1966(1968)〕。
【0110】還元され、S−カルボキシメチル化された
83,000MWポリペプチドを最後に、1mM ED
TA、1mM EGTAおよび6M塩酸グアニジン含有
の10mM トリス−HCl(pH8.2)で平衡化し
たセファクリルS300(Pharmacia Fin
e Chemicals、スウェーデン)のカラムを通
して精製した。各分画を280nmでの比色定量および
SDS−PAGE分析によって調べ、83,000MW
種含有分画をプールした。
【0111】水および5%(v/v)ギ酸に対して十分
に透析したのち、サンプルを凍結乾燥し、5%ギ酸の小
容量にとり自動シクエンサーに適用した。この蛋白質
を、バカナリーら〔Baccanari,D.P.et
al:ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)、259:1229
1〜12298(1984)〕の記載のように0.33
M Quadrolプログラムを用い、Sequama
t P6 オートコンバーターおよびSequamat
SC−510プログラムコントローラーを装置したベッ
クマン890Cシクエンサーにより、20サイクルの自
動化エドマン分解に付した。
【0112】放出されたアミノ酸のフェニルチオヒダン
トイン誘導体を逆相HPLCで同定し、逆加水分解で確
認した〔バカナリーほか(Baccanari,et
al):前出、1984〕。培養上清910mlから出
発し、親和性カラムからの溶出液に蛋白質5.9mgが
存在した。蛋白質2.6mgをプロテインA−セファロ
ースカラムに通じ、精製蛋白質400μgをエドマン分
解に付した。ポリペプチドのN末端アミノ酸に出発し、
分解サイクルをくり返すと、以下の部分アミノ酸配列が
得られた。
【0113】
【表1】 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. N.I. N.I. N.I. N.I. N.I. Tyr Gln Glu Leu Val 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. Lys/Phe Lys/Phe Leu Glu Ala Leu Glu Asp Ala Val
【0114】位置1〜5の残基は明瞭に同定できなかっ
た(N.I.)。用いたHPLCシステムではリジンと
フェニルアラニン誘導体をたがいに分離できなかった。
cDNAおよびゲノムDNAクローンから誘導されたヌ
クレオチド配列の検査によって、この残基の配列(6〜
20)はヌクレオチド288〜322の翻訳配列に相当
することがわかった。
【0115】この分析では、83,000MW断片は
P.195プレカーサーのアミノ末端配列から誘導され
る。完全配列では、ヌクレオチド216のAUG(メチ
オニン)開始コドンが18個のアミノ酸のヌクレオチド
配列が続き、これは多くの膜または分泌蛋白質の一次翻
訳生成物上に存在するシグナル配列に相当し、通常これ
は蛋白質が小胞体の管腔中に通過するとき切断される
〔クライル(Kreil,G.):アニュアル・レビュ
ー・オブ・バイオケミストリー(Ann.Rev.Bi
ochem.)、50:317〜348(198
1)〕。
【0116】例 7 P.195のプロセッシング断片と抗体の反応および線
状コーディング配列内のこれらの断片の位置 直接アミノ酸配列決定により、83,000MW断片の
アミノ末端はP.195アミノ末端に近接して存在する
ことが明らかにされた(例6)。in vivoでの蛋
白分解によるプロセッシングで産生された他の断片は、
P.195に対して誘発された特異的抗体(好ましくは
モノクロナール抗体)によって認識されるポリペプチド
のサイズの分析により線状遺伝子配列中に見出すことが
できた。
【0117】この分析には2種のモノクロナール抗体を
使用した。抗体89.1〔ホルダーほか(Holder
& Freeman):前出(1982)〕は分裂前
体中の細胞内P.195および分裂小体表面上の83,
000MW断片と反応する。それは、この寄生虫の次の
環ステージとは反応せず(免疫蛍光による)、赤血球の
分裂小体侵入時のこの断片の喪失と一致した。抗体11
1.2は分裂前体中の細胞内P.195、分裂小体表面
および環ステージ寄生虫と反応する(免疫蛍光によ
る)。この特異性は最近ホールほか(Hall et
al:前出、1984a)によって報告されたモノクロ
ナール抗体の場合に類似している。
【0118】P.195およびそのプロセッシング断片
は、メチオニンを含まないメジウム中での寄生虫培養液
に〔35S〕メチオニンを添加することによりin vi
troで標識できる〔ホルダーほか(Holder &
Freeman)前出(1982)、フリーマンほか
(Freeman & Holder):前出(198
3)〕。天然に放出された分裂小体の表面上のプロセッ
シング断片はすでに報告されているように(フリーマン
ほか(Freeman & Holder):前出(1
983b);ホルダーほか(Holder & Fre
eman):前出(1984b)〕ラクトパーオキシダ
ーゼを用い〔125 I〕ヨウ素での放射ヨード化により標
識できる。
【0119】〔35S〕メチオニン標識分裂前体の界面活
性剤抽出物から、P.195に対するウサギ多価抗血清
は、P.195ならびにSDS−PAGE分析で決定さ
れた分子量153,000;110,000;83,0
00;45,000;42,000および29,000
の断片を免疫沈殿された。非還元ゲル上(ジチオスレイ
トールの非存在下)、45,000および42,00M
W種はそれぞれ見かけの分子量38,000および3
6,000のように移動した。抗体89.1はP.19
5ならびに153,000、110,000および8
3,000MW種を免疫沈殿させた。抗体111.2は
P.195ならびに45,000および42,000M
W種を免疫沈殿させた。
【0120】表面標識分裂小体の界面活性剤抽出物か
ら、多価抗P.195血清は、見かけの分子量83,0
00;42,000および19,000の3種の断片を
免疫沈殿させた。83,000MW断片は抗体89.1
によって免疫沈殿された。抗体111.2は42,00
0および19,000MW種を免疫沈殿させた。これら
の断片のペプチドマッピングによる分析では、これらは
多分、P.195の非重複片と考えられた〔ホルダーほ
か(Holder & Freeman);前出(19
84b)〕。
【0121】これらのデータおよび例6と例10との記
載に基づき、P.195コード配列内の断片の線状順序
が決定できる。83,000MW断片のアミノ末端につ
いて決定したアミノ酸配列は、遺伝子のコード領域の
5′末端、推定シグナル配列の直後の配列に相当する。
したがって、83,000MW断片はP.195のアミ
ノ末端42%に由来する。
【0122】抗体89.1で認識され、抗体111.2
によって認識されない153,000MWの主たる中間
プロセッシング断片はコード配列のアミノ末端78.5
%に由来し、したがって全83,000MW断片を包含
する。抗体111.2は153,000MW断片と反応
しないので、コード配列のカルボキシ末端21.5%に
由来する。19,000MW断片は、153,000M
W種の配列内に存在し、83,000MW種内には存在
しないものと推定される。
【0123】例 8 P.195配列の大腸菌内での融合蛋白質としての表現
および生成物の精製 別の実験で、pWRL507(図4)をNdeIとEc
oRI、EcoRIとBamHIまたはEcoRIとH
indIIIで消化し、関連断片をアガロースゲル電気
泳動で精製した。このDNA(0.1pmol)をP.
195組換体から誘導されたDNA断片0.5pmol
と、関連対の制限酵素でリゲートし、ついでDH1細胞
をアンピシリン抵抗性に形質転換するのに使用した。
【0124】コロニーを小プラスミドプレパレーション
の制限酵素消化によるスクリーニングに付した。その挿
入体を含むプラスミドをもつ株をさらに、100μg/
mlアンピシリンおよび10μg/mlインドールアク
リル酸(誘発表現)または100μg/mlアンピシリ
ンおよび10μg/mlトリプトファン(非誘発表現)
含有M9最小培地中で生育させた。バクテリアを10,
000gで1分間遠心分離して収穫し、PAGEに対す
るSDSサンプル負荷緩衝液〔2%(w/v)ドデシル
硫酸ナトリウム、10%(v/v)グリセロール、0.
1Mジチオスレイトールおよび0.005%(w/v)
ブロモフェノールブルー含有62.5mMトリス−HC
l(pH6.8)〕の添加により分解した。
【0125】その一部をSDS−PAGEによる分析に
付し、ついでゲルをクーマシーブルーで染色して全蛋白
質を検出するか、または分解蛋白質をニトロセルロース
に移し、精製P.195に対して誘発された多価抗血清
によるウエスタン法に使用した。pPFgIのNdeI
−EcoRI断片を含む株は、クーマシーブルー染色ま
たは多価抗血清との反応で分解物中に検出できる13
5,000MWの誘発融合蛋白質を産生した。これは
rpE遺伝子生成物のN末端からの233個のアミノ酸
およびP.195からの907個のアミノ酸を含有する
融合蛋白質に相当する。
【0126】pPFc1028のEcoRI−BamH
I断片を含む株は、trpEからの326個のアミノ酸
とリンカーとP.195からの156個のアミノ酸を含
有する分子量53,000の融合蛋白質を産生した。p
PFc1028のEcoRI−HindIII断片を含
む株は、trpEからの326個のアミノ酸とリンカー
とP.195からの594個のアミノ酸を含有する10
5,000MW融合蛋白質を産生した。
【0127】pPFc1028からのEcoRI−Nd
eI断片を含む株はtrpEからの326個のアミノ酸
とP.195からの401個のアミノ酸からなる85,
000MWの融合蛋白質を産生した。いずれの場合も、
融合蛋白質はクーマシーブルー染色で検出され、多価抗
P.195血清とウエスタン法で反応した。
【0128】ヌクレオチド863〜1613とそのG−
C末端およびPstI部位からHindIII部位まで
のpUC9ポリリンカー領域からなる、cDNAクロー
ンpPFc1013由来の750bp RsaI−Hi
ndIII断片をあらかじめHindIIIで切断し、
ウシ腸ホスファターゼで処理し、さらにHindIII
で消化したプラスミドpUC9にクローニングした。こ
の挿入体を次にEcoRIとHindIIIを用いてp
UC9から切り取り、EcoRIとHindIIIによ
るpWRL507カットに正しい方向で挿入した。
【0129】読み取り枠の合った表現を得るために、こ
のプラスミド5μgをEcoRI制限酵素で処理し、構
築体を線状化した。DNAをエタノールで沈殿させ、5
00μg/mlのBSAを含む水50μlに溶かし、つ
いで等容量のBal31緩衝液と混合した〔マニアティ
スほか(Maniatis et al):前出(19
82)〕。DNAを0.02単位の酵素Bal31(B
iolabs)により30℃で1分間消化し、ついで2
μlの1Mトリス、100mM EDTA、100mM
EGTAを加えて反応を停止させた。
【0130】DNAをアガロースゲル電気泳動で精製
し、ついでヌクレオチドトリホスフェートの存在下、最
終容量50μlのニックトランスレーション緩衝液〔マ
ニアティスほか(Maniatis et al):前
出(1982)〕中、酵素(ベーリンガー/マンハイ
ム)2.5単位を用いてDNAポリメラーゼ1大断片
(クレノー)で、室温において90分間処理した。DN
A(0.1pmol)を200単位のT4DNAリガー
ゼ(Biolabs)と7℃で一夜インキュベーション
して再び環化し、ついでDH1細胞をアンピシリン抵抗
性に形質転換するのに用いた。
【0131】10個の形質転換株をプラスミドDNAの
制限酵素分析によりスクリーニングした。8個の形質転
換体の1グループがEcoRI部位を失ったプラスミド
を含有した。このグループについて、インドールアクリ
ル酸またはトリプトファンの存在下におけるM9メジウ
ム中での生育によりさらに分析した。1個の株が、イン
ドールアクリル酸の存在下に生育したとき約65,00
0MWの融合蛋白質を産生し、この融合蛋白質はウエス
タン法で多価抗P.195血清と反応した。
【0132】同様にして、pPFc1028からのNd
eI−HindIII断片(この場合HindIII部
位はプラスミドポリリンカーである)をブラント末端−
HindIII断片として、あらかじめHindIIお
よびHindIIIで切断したpUC9中にサブクロー
ニングした。この断片をEcoRIとHindIIIに
よるpWRL507カットに挿入したのち、この新しい
構築体をEcoRIで再び開裂し、Bal31で処理
し、ついで上述のように再び環化した。1個の株が約5
6,000MWの融合蛋白質を産生し、これは抗P.1
95血清とのウエスタン法で検出され、P.195遺伝
子のコード領域のC末端190個のアミノ酸配列を含有
した。
【0133】各融合蛋白質の比較的純粋なプレパレーシ
ョンを細胞分解物から製造した。1個の株からの単一コ
ロニーを50μg/mlのアンピシリンを含有するM9
メジウム100ml中、37℃で一夜生育させた。翌
日、一夜培養した液を50μg/mlアンピシリンおよ
び10μg/mlインドールアクリル酸含有M9培養メ
ジウム400mlで希釈し、37℃で5時間インキュベ
ートした。バクテリアを10分間6,000gで遠心分
離して収穫した。
【0134】バクテリアのペレットを1mM EDT
A、1mM PMSF、0.2%(v/v)NP40お
よび1mg/mlリゾチームを含有する25mMトリス
(pH8.0)10ml中に懸濁し、氷上に2時間放置
した。この時点で1M MgSO4 20μlおよび1
mg/ml DNAse200μlを添加し、このサン
プルを氷上でさらに2時間放置してインキュベートし
た。不溶物質を20,000gで10分間遠心分離して
収穫し、上清(S1)は保存した。
【0135】ペレット化した物質を、5mM EGT
A、5mM EDTA、1mM PMSFおよび1%N
P40を含む50mMトリス−HCl(pH8.0)1
0mlに懸濁して洗浄した。これを20,000gで1
0分間遠心分離して、上清(S2)を保存した。ペレッ
トを50mMトリス−HCl(pH8.1)、5mME
GTA、5mM EDTA、0.5M KSCNの10
mlに再懸濁し、ついで20,000gで10分間遠心
分離して、第三の上清(S3)とペレット分画(P)を
得た。
【0136】このペレット分画は0.1%(w/v)ド
デシル硫酸ナトリウムを加えた、または加えない水10
mlに再懸濁して物質を可溶化し、ついで0.89%N
aClに対して十分透析した。各上清およびペレット分
画の一部をとり、SDS−PAGE、クーマシーブルー
染色およびウエスタン法で分析した。融合蛋白質の高レ
ベルでの表現がある場合には、この操作で最終ペレット
分画に融合蛋白質が多く、したがって融合蛋白質の精製
が有効に行われた。表現レベルが低い場合には、融合蛋
白質はS1およびP両分画に存在した。
【0137】ヌクレオチド2961〜4754(179
3個のヌクレオチド)およびヌクレオチド4753〜5
128(375個のヌクレオチド)に相当するpPFc
1028からの2個のDdeI断片をアガロースゲル電
気泳動で精製し、Bal31ヌクレアーゼ0.04単位
により30℃で2.5分間処理し、ついで上述のように
してDNAポリメラーゼIのクレノー断片で修復した。
このDNAを、あらかじめSma1で切断し、ウシアル
カリホスファターゼで処理したpXY460にリゲート
し、これをJM105細胞のアンピシリン抵抗性への形
質転換に用いた。
【0138】形質転換体をXgalを含むアガール板上
に置き、得られた青色のコロニーを取った。この方法で
得られた株をプラスミドDNAの制限酵素分析、クーマ
シーブルー染色、およびIPTGの存在下に生育させた
細胞からの分解物のウエスタン・ブロッティングにより
スクリーニングした。Dde1大断片を含む株はすべ
て、ウサギ多価抗P.195血清と反応する大きい融合
蛋白質を産生した。
【0139】Dde1小断片を含む10個の株について
も同様に検討したが、わずかに1個が野生型β−ガラク
トシダーゼより有意に大きい融合蛋白質を産生し、この
融合蛋白質はウサギ抗P.195血清と反応した。他の
株は挿入体を含有していたが、遺伝子生成物は正常β−
ガラクトシダーゼと同じ大きさで、ウサギ抗P.195
血清と反応しなかった。融合蛋白質を産生した1個の株
は、その蛋白質のC末端領域をカバーする310bpの
挿入体を含んでいた。
【0140】例 9 P.195配列の大腸菌内での直接発現 pPFc1028由来のEcoRI−NdeIとEco
RI−HindIII断片を例8に記載したようにして
pWRL507に挿入し、trpE発現プラスミド中の
PstI−EcoRI断片をpXY460(図4)から
のPstI−EcoRI断片で置換することにより直接
発現させた。
【0141】この構築において、trp制御領域とコー
ド配列はtac制御領域〔デ・ボアほか(de Boe
r,H.A.et al):プロシーディングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
(Proc. Natl. Acad. Sci.)、
80:21〜25(1983)〕およびAUG開始コド
ンで置換される。直接発現生成物は細胞分解物中に、精
製P.195に対して誘発された抗血清とのウエスタン
法で検出された。これらの2つの構築からの直接発現生
成物の見かけの分子量はそれぞれ47,000および7
0,000であった。
【0142】例10 大腸菌内で産生された融合蛋白質の免疫原性および抗原
性の分析 プラスモジウム(P.falciparum)由来P.
195に特異的なウサギ多価抗血清は、フロインド完全
アジュバント(FCA、Difco Laborato
- ries,Detroit)中蛋白質100μgでウ
サギを免疫処置し、ついで22、43および211日に
フロインド不完全アジュバント(FIA)中蛋白質10
0μgをブースター投与することによって得られた。
【0143】多価抗血清は精製融合蛋白質(例8)によ
る免疫処置により産生した。ウサギにFCA中蛋白質2
50μgを皮下投与して免疫処置し、ついで21日目に
FIA中蛋白質250μgをブースター投与した。35
日目に一次免疫処置後、血清サンプルを採取した。マウ
スにFCA中蛋白質125μgを腹腔内投与して免疫処
置し、23日目に同容量をブースター投与した。30日
目に一次免疫処置後、血清サンプルを採取した。
【0144】抗血清の蛋白質に対する抗体への結合力価
は、固相放射免疫定量法(RIA)で定量化できた。マ
イクロタイタープレートのウエルを蛋白質でコーティン
グし、ついで抗体溶液の一連の希釈液を一連のウエルを
加える。非結合抗体を洗い去ったのち、結合抗体を高度
標識特異的試薬、たとえば第一の抗体に特異的なスタヒ
ロコッカス(Staphylococcus aure
us)からのプロテインAまたは親和性精製IgGを用
いて検出する。
【0145】マイクロタイタープレートのコーティング
に用いた蛋白質は例8に記載大腸菌分解物から精製した
融合蛋白質、またはホルダーほか(Holder &
Freeman:前出、1984b)によって記載され
たようにプラスモジウム(P.falciparum
感染赤血球からモノクロナール抗体親和性クロマトグラ
フィーで精製したP.195のいずれかであった。
【0146】抗原を0.05M NaHCO3 (pH
9.6)20μg/ml中20μg/mlに希釈し、こ
の溶液50μlを、ウエル96個つきPVCマイクロタ
イタープレート(Dynatech Laborato
ries)の各ウエルに添加した。90分後に、プレー
トを0.5%(v/v)ツイーン40および0.2%
(w/v)ウシ血清アルブミン補給リン酸緩衝食塩水
(洗浄緩衝液)で完全に洗浄した。各血清希釈液50μ
lをウエルに二重に加え、30分後にプレートを10分
間、洗浄緩衝液で洗浄した。50μlの 125I標識プロ
テインA(1.5×105 cpm)を30分間加え、十
分洗浄し、パッカードPEDガンマーカウンターを用い
て特異的抗体を検出した。
【0147】第1表から明らかなように、P.195配
列を含む融合蛋白質で免疫処置したウサギは、RIAで
精製したP.195と反応する抗体、および融合蛋白質
と反応するP.195含有抗体に対する多価抗血清を産
生した。この場合、融合蛋白質1はtrpEに挿入され
たpPFc1028 EcoRI−NdeI断片の生成
物であり、融合蛋白質2はtrpEに挿入されたpPF
c1028 EcoRI−HindIII断片の生成物
である。
【0148】例8に、融合蛋白質が多価抗P.195抗
血清中の抗体とウエスタン法で反応することを示した。
融合蛋白質に対して誘発された抗血清は、融合蛋白質お
よび精製P.195蛋白質とウエスタン法で反応した。
【0149】線状コード配列中のプロセッシング断片の
位置は、一部、35S−メチオニン標識プラスモジウム
P.falciparum)の界面活性剤抽出物(例
7)からの免疫沈殿で決定された。融合蛋白質に対する
抗血清をこの抽出物から蛋白質を免疫沈殿させるために
用いたときはいずれの場合もP.195が認識された。
さらに、pPFc1028 EcoRI−NdeI挿入
体によってコードされる蛋白質に対して誘発されたウサ
ギ抗血清は153,000および29,000MW断片
と優先的に反応した。pPFc1028 EcoRI−
HindIII挿入体に対して誘発されたウサギ抗血清
は、42,000MW断片と優先的に反応した。
【0150】
【表2】 第 1 表 固相RIAによる各種抗原への抗体結合 1/10希釈抗血清中抗体によって結合された 125I─プロテインA(cpm) 抗 原 正常 抗P.195 抗融合蛋白質1 抗融合蛋白質2 ウサギ ウサギ ウサギ ウサギ ─────────────────────────────────── P.195 161 6581 1959 1432 融合蛋白質1 234 2007 10952 13291 融合蛋白質2 52 1093 3600 3416
【図面の簡単な説明】
【図1A】P.195をコードする遺伝子を含むプラス
モジウム(P.falciparum)DNAのストレ
ッチ塩基配列およびそれがコードするアミノ酸配列。
【図1B】図1AのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1C】図1BのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1D】図1CのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1E】図1DのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1F】図1EのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1G】図1FのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1H】図1GのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1I】図1HのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1J】図1IのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1K】図1JのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1L】図1KのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1M】図1LのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1N】図1MのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1O】図1NのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1P】図1OのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図1Q】図1PのつづきのP.195をコードする遺
伝子を含むプラスモジウム(P.falciparu
)DNAのストレッチ塩基配列およびそれがコードす
るアミノ酸配列。
【図2】P.195遺伝子のcDNA制限地図。
【図3】P.195ゲノム配列の制限地図。
【図4】本発明に係り使用できるプラスミドの構築例を
示す模式図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 8214−4B //(C12N 1/20 C12R 1:19) 7804−4B (C12P 21/02 C12R 1:19) 7804−4B (72)発明者 ジヤスビアー シング サンデユ イギリス国ケント,ベツケンハム,ラング リイ コート(番地なし) (72)発明者 バレンテイナ リベロス − モレノ イギリス国ケント,ベツケンハム,ラング リイ コート(番地なし) (72)発明者 カレル ゲリツト オデインク スイス国スレンケンドルス,エツトストラ ーセ 19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のDNA配列のヌクレオチド517
    8で終わる配列に実質的に対応するクローンDNA配列
    によってコードされ、プラスモジウム(P.falci
    parum)のP.195蛋白質のカルボキシ末端から
    誘導される分子量42000のポリペプチドおよび医薬
    として使用可能な担体を含む、マラリアに対する免疫を
    誘導するワクチン。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】
  2. 【請求項2】 感受性の脊椎動物宿主に対する免疫誘導
    において使用するための、以下のDNA配列のヌクレオ
    チド5178で終わる配列に実質的に対応するクローン
    DNA配列によってコードされ、プラスモジウム(P.
    falciparum)のP.195蛋白質のカルボキ
    シ末端から誘導される分子量42000のポリペプチ
    ド。 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 【化18】
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