JP2584438B2 - イオン導入薬剤供給電極アセンブリ - Google Patents

イオン導入薬剤供給電極アセンブリ

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JP2584438B2 JP60241249A JP24124985A JP2584438B2 JP 2584438 B2 JP2584438 B2 JP 2584438B2 JP 60241249 A JP60241249 A JP 60241249A JP 24124985 A JP24124985 A JP 24124985A JP 2584438 B2 JP2584438 B2 JP 2584438B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は薬剤送達(供給)のためのイオン導入薬剤供
給電極アセンブリに関する。更に詳しく云うと、本発明
は(受動と反対の)能動(active)移動的薬剤送達(供
給)のためのイオン導入薬剤供給電極アセンブリに関す
る。更に詳しく云うと、本発明は効率を高めたイオン導
入薬剤供給電極アセンブリに関する。
〔発明の概要〕
1つ又は複数の電気化学的に活性な成分を使用するか
又は“電気防食(sacrifice)”し、薬剤供給中の加水
分解を最少にする改良されたイオン導入薬剤供給電極ア
センブリに関する。薬剤供給効率は高まり、デバイス内
の、または患者皮膚近くのpH変化は最少となる。
イオン導入薬剤供給電極アセンブリ、成分又は両者の
特定の特性を有する薬剤の意図的な選択により、薬剤供
給の機能が増大される。
〔従来の技術〕
“ドーランド図解医学辞典”によると、イオン導入と
は、“治療目的のために電流によって可溶性塩類のイオ
ンを身体組織内に導入すること”と定義されている。イ
オン導入デバイス(装置)は1900年代初期から知られて
いる。英国特許明細書410,009号明細書(1934年)は、
その当時技術上知られてきたそのような初期のイオン導
入デバイス(装置)の短所の1つ、即ち特殊な低圧(低
電圧)電流源の近くに患者を固定する必要があることを
意味するそのような電流源の必要性を克服したイオン導
入デバイス(装置)を記述している。その英国明細書の
イオン導入デバイス(装置)は、薬物をイオン導入法で
送達するのに必要な電流を自ら発生させる電池を電極及
び経皮的に送達(供給)される薬物又は薬剤を含む材料
から作ることによって製造された。従って、この移動性
(ambulatory)イオン導入デバイス(装置)は患者の日
常の仕事を余り妨げずにイオン導入による薬剤送達(供
給)を可能にした。
更に最近になって、イオン導入技術において多数の米
国特許が発行され、この薬剤供給態様に対する新たな関
心を示した。例えば、ジャックA.バーノン(Jack A.Ver
non)らに発行された米国特許第3,991,755号明細書、ス
テファンC.ヤコブソン(Stephen C. Jacobson)らに発
行された米国特許第4,141,359号明細書、ウィルソン(W
ilson)に発行された米国特許第4,398,545号明細書、ヤ
コブセン(Jacobsen)に発行された米国特許第4,250,87
8号明細書は、イオン導入デバイス(装置)およびそれ
らの応用例を開示している。イオン導入法は塩酸リドカ
イン、ハイドロコーチゾン、酢酸、弗化物、ペニシリ
ン、デキサメサゾン燐酸ナトリウム、その他多数の薬剤
などの薬物又は薬剤の経皮投与又は導入に有用なことが
発見されている。多分イオン導入の最も幅広い用途は、
硝酸ピロカルピンイオン導入法を用いて嚢胞性線維症の
診断に用いることである。硝酸ピロカルピンは発汗を刺
激し、その汗を集めて塩化物含有量を分析してその病気
の存在を検出する。
現在知られているイオン導入デバイス(装置)では、
少なくとも2つの電極が一般に用いられる。これら両方
の電極は、身体の皮膚の一部に密接に電気的に接するよ
うに配置される。活性電極と呼ばれる一方の電極は、そ
こからイオン物質、薬物、薬剤先駆物質又は薬剤が電気
的反発作用によって体内に供給されるか又は押し込まれ
る電極である。不関又は接地(ground)電極と呼ばれる
もう一方の電極は、体内を通り電気回路を閉じる役目を
する。電極と接触した患者の皮膚とともに、この回路は
電極を電気エネルギー源、例えばバッテリ又は適当に修
正された家庭用電流に接続することによって完成する。
例えば、体内に押し込められるイオン物質が正に荷電さ
れると、正電極(アノード)は活性電極となり、負電極
(カソード)は回路を完成させるのに役立つ。供給され
るイオン物質が負に荷電されると、負電極が活性電極と
なり、正電極が不関電極となる。
更に、現在あるイオン導入デバイス(装置)は、イオ
ン導入法で体内に供給又は導入されるイオン化又はイオ
ン化可能化学種(species)(又はそのような化学種の
前駆物質)の貯槽(reservior)又は源を一般に必要と
する。イオン化又はイオン化可能化学種のそのような貯
槽又は源は上述したヤコブセンに対する米国特許第4,25
0,878号明細書に前述したようなパウチ(pouch)、又は
前述したウエブスターに対する米国特許第4,383,529号
明細書の予め作られたゲル体を含む。そのような薬剤貯
槽は、1つ又は2つ以上の所望する化学種の固定した、
又は交換可能な源とするためにイオン導入デバイス(装
置)のアノード又はカソードに電気的に接続されると、
電気化学的に殆んど不活性なアノード又はカソードとと
もに一般に用いられる。更に詳しく後述するように、先
行技術において意図されているような殆んど不活性な電
極の利用は重大な欠点を有する。
先行技術のイオン導入デバイス(装置)は電流分布部
材又は電極として殆んど不活性なステンレススチール、
ニッケル又はその他のニッケルおよび鉄合金をしばしば
用いる。先行技術によるイオン導入薬剤送達法によるそ
のようなイオン導入デバイスの動作中には加水分解が起
きる。ヒドロニウム(H+)イオンが陽極に作られ、水酸
化物(OH-)イオンがカソードに発生する。更に気体の
水素および酸素がそれぞれカソードとアノードに発生す
る。(ニッケル、又はニッケル含有合金、例えばステン
レススチールを用いてもアノードにニッケルイオンが作
られることが時おりある。次にこのニッケルイオンはデ
バイスの薬剤貯槽内に自由に移動し、そこから体内に移
動する。) そのような本質的に不活性な電極を用いるイオン導入
デバイスはいくつかの固有の欠点を有する。第1に、そ
れらのデバイスは電極に移動性の高いヒドロニウムおよ
びヒドロキシルイオンを形成するので、薬剤移動の(即
ち荷電された種の)クーロン効率の低下を示す。更に、
そのようなデバイスは電極にヒドロニウム又はヒドロキ
シルイオンおよび気体産物(水素および酸素)を作るの
で、アノードおよびカソード貯槽内の、および皮膚に隣
接した部位のpHの不安定性を示す。最後に、上述したよ
うに、先行技術のイオン導入電極は電気化学的に殆んど
不活性であるが、例えばニッケル又はその他の合金金属
の或る程度の望ましくない酸化が起きる。
これらの欠点は、従来の薬物供給法によって用いられ
る既知のイオン導入デバイス(装置)が下記の短所を有
することを意味する。
1)クーロン効率がより低いことは、携帯用又は移動性
デバイスのためのバッテリをより大きくする(即ち電気
容量をより大きいものとする)ことを必要とする。更
に、クーロン効率が低くなるにつれて、一定の治療用量
速度を維持するのに必要な電圧が高くなる。
2)水の電気分解によって起きるカソードおよびアノー
ド貯槽内のpHの変化は結果的に皮膚刺激、デバイス(装
置)のゲル成分の物理的性質の低下の可能性、又は薬剤
作用の変化を起こす可能性がある。
3)電極に水素および酸素ガスが作られると結果として
電極と貯槽との間の接触が失われ、その結果デバイス性
能が低下する。
4)アノードにおいてニッケル又はその他の金属が酸化
すると結果としてアノード貯槽が金属イオンによって汚
染され、次にそれらの金属イオンが自由に皮膚内および
体内に移動し急影響を与える可能性がある。
本発明が行われたのは、これらの欠点を克服し、イオ
ン導入プロセスの全体的効率を高めるためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は特定された特性を有するアノード又はカソー
ド電流分布(導電性)部材と供給される薬剤の組合せの
意図的選択および利用によって、イオン化又はイオン化
可能薬物のイオン導入薬剤供給のためのイオン導入薬剤
供給電極アセンブリを提供する。本発明の使用はイオン
導入薬剤供給プロセス(処理)の効率、安全性おおび受
容性を高める。
〔課題を解決するための手段〕
簡単に述べると、1局面において本発明は、イオン導
入供給される薬剤、薬剤供給電極アセンブリの電気化学
的に活性な成分、又はその両方を意図的に選択してイオ
ン導入薬剤供給電極アセンブリの動作中に望まない化学
種の生成を最少にするイオン導入薬剤供給電極アセンブ
リである。本発明のもう1つの局面においては、イオン
導入法で供給される薬剤、イオン導入薬剤供給電極アセ
ンブリの電気化学的に活性な成分、又はその両方を意図
的に選択し、イオン導入薬剤供給電極アセンブリの動作
中に望まない加水分解生成物の形成を減少させる。本発
明の更に別の局面においては、供給される薬剤、イオン
導入薬剤供給電極アセンブリの電気化学的に活性な成
分、又はその両方を選択し、加水分解生成物が形成され
た後にそれらの生成物の存在を減らす。ここに意図され
ているように、イオン導入薬剤供給電極アセンブリの電
気化学的に活性な成分はイオン導入薬剤供給の期間中に
酸化又は還元されるか又は他の利用可能な化学種を酸化
又は還元するデバイスの一部である。
本発明はまたイオン導入薬剤供給電極アセンブリとと
もに用いるのに特に適している改良された生体電極(bi
oelectrodes)をも意図している。本発明の改良された
イオン導入薬剤供給電極は、薬剤供給プロセスにおいて
高められたクーロン効率を示すイオン導入薬剤供給電極
アセンブリを与える。このイオン導入薬剤供給電極はイ
オン導入法で供給される薬物を含む源(貯槽)を含み、
この源(貯槽)は電気化学的に活性な成分、例えば活性
な電流分布部材と電気的接続をしており、イオン導入薬
剤供給電極アセンブリの動作中に電気化学的に活性な成
分から生じた化学種はイオン導入薬剤供給中に源(貯
槽)の薬剤と相互作用を起こして望ましくない化学種の
形成と供給を最少にし、電気化学的に活性な成分は更に
電気エネルギー源と電気的接続をしている。好ましい1
局面においては、電極を固定しそこからのイオン導入薬
剤供給を可能にする支持手段を含む。
従って、本発明の構成は以下に示す通りである。即
ち、イオン導入供給されるアニオン薬剤(19)と前記ア
ニオン薬剤の対イオンとしてのカチオンの貯槽(18)に
電気的に接続された陰極電流分布部材(22,23)を含む
イオン導入薬剤供給電極(10)アセンブリであって、 前記イオン導入薬剤供給電極(10)アセンブリは、イ
オン導入薬剤供給の期間中に還元されるか他の存在する
種を還元させる少なくとも1つの電気的に活性な成分を
含み、かつ前記貯槽(18)に電気的に接続されているこ
とを特徴とし、更に前記少なくとも1つの電気化学的に
活性な成分と前記対イオンは前記イオン導入薬剤供給電
極アセンブリの動作において、 (i)前記カソード電流分布部材におけるアニオン種の
発生が実質的に消滅されるか或いは、 (ii)前記カソード電流分布部材において発生されたア
ニオン種は前記貯槽(18)及び/或いは前記電気化学的
に活性な成分において存在するか発生される種によっ
て、前記イオン導入薬剤供給電極アセンブリからイオン
導入供給される可能性の低い種に変換されることを特徴
とするイオン導入薬剤供給電極(10)アセンブリとして
の構成を有する。
或いはまた、前記電気化学的に活性な成分の内の少な
くとも1つ及び前記対イオンは前記イオン導入薬剤供給
電極アセンブリの動作において、前記電極部材における
加水分解が実質的に除去され及び/或いは前記電極部材
における加水分解のイオン生成物が実質的に中和される
ことを特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブリと
しての構成を有する。
或いはまた、前記陰極電流分布部材(22,23)は電気
化学的に活性な成分を含むことを特徴とするイオン導入
薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記カソード電流分布部材は金属塩を含
むことを特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブリ
としての構成を有する。
或いはまた、前記カソード電流分布部材は塩化銀から
なることを特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブ
リとしての構成を有する。
或いはまた、前記カソード電流分布部材は塩化銀から
なり、前記カソード電流分布部材における水酸基イオン
の発生が実質的に消滅していることを特徴とするイオン
導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記カソード電流分布部材は塩化銀から
なり、前記対イオンは銀及び/もしくは銅イオンを含む
ことを特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブリと
しての構成を有する。
或いはまた、前記イオン導入薬剤供給電極(10)アセ
ンブリは、イオン導入薬剤供給期間中に第1の種を成分
とする電気化学的に活性な成分を含み、 前記イオン導入薬剤供給電極(10)アセンブリの動作
期間中に使用され或いは発生される第2の種とともに、
イオン導入によって発生した電界によって影響されない
生成物を生成するように相互作用することを特徴とする
イオン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有す
る。
或いはまた、イオン導入供給されるべきイオン性の薬
剤の貯槽と、前記イオン性の薬剤に対する対イオンと、
及び前記イオン性の薬剤の貯槽に電気的に接続された電
流分布部材とから構成され、 前記対イオンはイオン導入薬剤供給期間中に酸化され
るか還元される電気化学的に活性な成分を含み、前記電
流分布部材におけるイオン種の発生は実質的に消滅され
ることを特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブリ
としての構成を有する。
或いはまた、前記電気化学的に活性な対イオンは前記
イオン導入薬剤供給電極アセンブリの動作において、前
記電極部材における加水分解が実質的に除去されること
を特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブリとして
の構成を有する。
或いはまた、前記電流分布部材は導電性の材料によっ
て形成されていることを特徴とするイオン導入薬剤供給
電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記電流分布部材は導電性の金属もしく
は炭素から形成されることを特徴とするイオン導入薬剤
供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記電流分布部材はカソードであって、
かつ対イオンが還元されうることを特徴とするイオン導
入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、対イオンは銀イオン及び/もしくは銅イ
オンからなることを特徴とするイオン導入薬剤供給電極
アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記電流分布部材はアノードであって、
かつ対イオンは酸化されうることを特徴とするイオン導
入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、対イオンはフェロシアンイオンを含むこ
とを特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブリとし
ての構成を有する。
或いはまた、電流分布部材は銀、錫、亜鉛、ニッケル
及び/もしくはマンガンからなることを特徴とするイオ
ン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、イオン導入供給されるべき薬剤(19)の
貯槽(18)に対して電気的に接続された電流分布部材
(22,23)を含み、 前記電流分布部材は電気的に導電性でかつ水と接触し
ても不活性の材料であり、前記薬剤は酸もしくは塩基の
いずれか一方を含み、前記電流分布部材において酸性イ
オンもしくは塩基イオンを発生させ、前記酸性イオンも
しくは塩基イオンは、(i)前記塩基もしくは酸を含む
薬剤の対イオンと対応することによってそれぞれ中和さ
れるか或いは、 (ii)前記酸もしくは塩基を含む薬剤と反応するかのい
ずれかであることを特徴とするイオン導入薬剤供給電極
アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、電流分布部材において発生されたイオン
は加水分解のイオン生成物であることを特徴とするイオ
ン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記電流分布部材は貴金属からることを
特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブリとしての
構成を有する。
或いはまた、前記電流分布部材はプラチナもしくはス
テンレススチールを含むことを特徴とするイオン導入薬
剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、酸性イオンはヒドロニウムイオンを含み
かつ塩基イオンはヒドロキシルイオンもしくはアミンイ
オンを含むことを特徴とするイオン導入薬剤供給電極ア
センブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記貯槽に存在する薬剤は弱酸もしくは
弱塩基の形を有することを特徴とするイオン導入薬剤供
給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、アノード電極として動作し、かつ薬剤は
塩基を含むことを特徴とする、イオン導入薬剤供給電極
アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、カソード電極として動作し、かつ薬剤は
酸であることを特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセ
ンブリとしての構成を有する。
或いはまた、イオン導入供給されるカチオン薬剤と前
記カチオン薬剤の対イオンの貯槽(18)に電気的に接続
される陽極電流分布部材(22,23)を含むイオン導入薬
剤供給電極(10)アセンブリであって、 前記アノード電流分布部材は銅及び/もしくはモリブ
デンを含み、前記カチオン薬剤の対イオンはハロゲンイ
オンを含み、前記イオン導入薬剤供給電極(10)アセン
ブリの動作期間中に前記アノード電流分布部材において
発生される銅及び/もしくはモリブデンイオンは前記ハ
ロゲンイオンとの反応によって前記イオン導入薬剤供給
電極アセンブリからイオン導入供給される可能性の低い
ハロゲン化銅塩及び/もしくはハロゲン化モリブデン塩
を形成するように変換されることを特徴とするイオン導
入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記ハロゲンイオンは塩素イオン、臭素
イオン及び/もしくはヨウ素イオンを含むことを特徴と
するイオン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を
有する。
或いはまた、イオン導入供給されるカチオン薬剤及び
その対イオンの貯槽(18)に電気的に接続されるアノー
ド電流分布部材(22,23)を含むイオン導入薬剤供給電
極(10)アセンブリにおいて、 前記アノード電流分布部材(22,23)は、銀、錫、亜
鉛、ニッケル及び/もしくはマンガンから構成され、 前記カチオン薬剤の対イオンはフェロシアン化イオン
及び/もしくはフェリシアン化イオンを含み、 前記イオン導入薬剤供給電極(10)アセンブリの動作
期間中において、前記アノード電流分布部材(22,23)
は前記フェロシアン化イオン及び/もしくはフェリシア
ン化イオンとの反応によって前記イオン導入薬剤供給電
極(10)アセンブリからイオン導入供給される可能性の
低いフェロシアン化金属塩及び/もしくはフェリシアン
化金属塩を構成するように変換されることを特徴とする
イオン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有す
る。
或いはまた、カチオン薬剤及びハロゲン化対イオンの
貯槽(18)と、前記カチオン薬剤及びハロゲン化対イオ
ンの貯槽(18)を含む支持手段(12)と、前記カチオン
薬剤及びハロゲン化対イオンの貯槽に電気的に接続され
銀から構成されたアノード電流分布部材(22,23)とを
含み、 前記支持手段(12)は、前記イオン導入薬剤供給電極
(10)アセンブリの動作期間中に前記アノード電流分布
部材(22,23)において発生された銀カチオンが前記ハ
ロゲン化対イオンと反応して前記イオン導入薬剤供給電
極(10)アセンブリからイオン導入供給される可能性の
低いハロゲン化銀塩を形成するように変換され、前記薬
剤カチオンは前記銀イオンと競合することなくイオン導
入供給されることを特徴とするイオン導入薬剤供給電極
アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、ハロゲン化イオンは塩素イオン、臭素イ
オン、ヨウ素イオン及びこれらの混合イオンを含むグル
ープから選択されることを特徴とするイオン導入薬剤供
給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、イオン導入供給されるイオン薬剤(19)
及びその対イオンの貯槽(18)に電気的に接続された電
流分布部材(22,23)を含むイオン導入薬剤供給電極(1
0)アセンブリにおいて、 前記イオン導入薬剤供給電極(10)アセンブリは前記
貯槽(18)に電気的に接続された少なくとも1つの電気
化学的に活性な内位添加化合物もしくはアマルガムを含
み、該内位添加化合物もしくはアマルガムはイオン導入
薬剤供給の期間中に酸化されるか還元され、前記イオン
導入薬剤供給電極(10)アセンブリの動作期間中に前記
電流分布部材(22,23)におけるイオン種の発生が実質
的に除去されるか、或いは前記電流分布部材(22,23)
において発生されたイオン種が前記貯槽(18)内に存在
するか、前記貯槽(18)において発生された種及び/或
いは前記電気化学的に活性な成分によって前記イオン導
入薬剤供給電極(10)アセンブリからイオン導入供給さ
れる可能性の低い種に変換されることを特徴とするイオ
ン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記イオン導入薬剤供給電極(10)アセ
ンブリの動作期間中において、前記電流分布部材(22,2
3)における加水分解は実質的に除去されることを特徴
とするイオン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成
を有する。
或いはまた、イオン薬剤種の前記貯槽(18)を支持す
る支持手段(12)を更に含み、前記支持手段(12)はイ
オン薬剤種を含むゲル(21)を含むことを特徴とするイ
オン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有す
る。
或いはまた、前記薬剤種は前記ゲル内において0.02モ
ル乃至1.0モルの濃度で含まれていることを特徴とする
イオン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有す
る。
或いはまた、前記薬剤種は前記ゲル内において0.5モ
ルよりも低い濃度で含まれていることを特徴とするイオ
ン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記電流分布部材(22,23)は内位添加
化合物もしくはアマルガムを含むことを特徴とするイオ
ン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、前記対イオンはアルカリ金属イオンを含
むことを特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブリ
としての構成を有する。
或いはまた、前記内位添加化合物はタングステン酸ナ
トリウム、バナジウム酸ナトリウム又はグラファイトか
ら選択された材料で作られていることを特徴とするイオ
ン導入薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
或いはまた、電流分布部材は、 (a)鉛、水銀もしくは水銀/カドミウムアマルガム、 (b)内位添加化合物、 から選択された材料を含むことを特徴とするイオン導入
薬剤供給電極アセンブリとしての構成を有する。
〔実施例〕
本発明が行われたのは、既知のイオン導入薬剤供給プ
ロセスが約5%又はそれ以下の範囲において効率を有
し、イオン導入薬剤供給が主として拡散依存プロセスで
あるという認識があったためであった。このことは、既
知のイオン導入プロセスに用いられる電流の約95%は意
図する薬剤の供給以外の活動に消費されることを意味す
る。例えば、多くの電流がH+,OH-,Na+およびCl-など
の移動性の高いイオン種の泳動によって浪費される。
従って、供給される薬剤より移動性の高いイオン種の
利用可能度を最小にすればイオン導入薬剤供給効率が高
められるということが認識された。意図した種(例えば
薬剤)よりも容易に輸送される種の濃度又は電荷を最小
にすることがここでは薬剤送達を高めるに利用されてい
る。ここに説明されている高められた薬剤供給は、イオ
ン導入を他の薬剤供給技術の代わりとすることができる
かもしれない。
電極における望ましくない、又は所望しないヒドロニ
ウムイオンの形成を減少させ、電極金属の酸化による薬
剤貯槽の汚染を少なくするために本発明によって意図さ
れている1つの方法は、デバイス(装置)の動作中に酸
化又は還元されると電極に存在する、又は例えば(これ
もまた選択可能な)薬剤貯槽内にあって電極にとって利
用可能なイオン(例えば陰イオン)と直ちに反応して不
溶性塩又は中性化合物、例えばH2Oを作る電気化学的に
活性な成分又は電気防食用(sacrificial)成分を含む
電極(例えばアノード)を意図的に選択することであ
る。ここに用いられている“電気防食用(sacrificia
l)”という術語は、電極(アノード又はカソード)の
少なくとも一部が薬剤供給中に電気化学的に酸化又は還
元されることを意味する。ここで用いられている。“電
気化学的に活性な”という術語は上記に定義した“電気
防食用”ということを意味するが、それ自体は酸化又は
還元されないが酸化/還元に酸化する材料を含む。薬剤
貯槽中に存在する陰イオン又は陽イオンは別個に添加さ
れた材料として、又は供給されるイオン又は陽イオンを
含む薬剤に対する対イオンとして存在する。本発明のこ
の実施を実例をあげて説明すると、正に荷電した薬剤の
塩化物又は塩酸塩の形を(例えばそれを貯槽に添加する
ことによって)供給されるように選択し、アノードはイ
オン導入中に酸化によって電気防食される銀の電気化学
的に活性な成分を有するものとする。こうすると、電極
/薬剤貯槽システムの電気防食用の、又は電気化学的に
活性な成分の設計は、適当な電極材料、又は電極構造、
薬剤、薬剤の塩、又はそれらの両方を選択する必要があ
ることがわかる。
この手段、即ち不溶性種の沈殿によって、銀イオン及
び塩化物イオンは薬剤送達システムから除去され、従っ
てイオン導入薬剤供給電極アセンブリからの電荷を消費
するためには使えない。Ag+およびCl-のような所望され
ない種はシステムから簡単に除去されるので、所望する
種の送達効率(即ちクーロン効率)は高くなる。更に、
H+の産生は最少となるか、又は回避され、従ってpHの変
動およびO2の産生は最小となる。
同様な方法により、(システムから沈殿するイオン以
外の)所望しないイオンから自然種が作られると、この
場合にも所望しないイオン種を実質的に除去する。とい
う訳は、自然種もまた電流に応答する泳動によって荷電
薬剤種の供給効率を低下させないからである。
電気防食用のイオン導入薬剤供給電極アセンブリ用に
考えられる電極の電気化学的に活性な成分材料おおび薬
剤陰イオンを多数あるが、一般的には、銀、銅およびモ
リブデン金属は不溶性ハロゲン化物塩類(例えばAgCl,A
gI,AgBr,CuCl,CuI,CuBr,MoCl3,MoI2)を作り、従って
陽イオンを含む薬剤供給のための電気防食用アノード候
補となりうる。更に、多くの金属(例えばAg,Sn,Zn,Ni,
Mn)のフェロシアン化物およびフェリシアン化物は不溶
性であり、従ってこれら金属とシアン化鉄添加貯槽との
組合せは適当な電気防食用陽極/薬剤貯槽システムを提
供することができる。
銀アノード薬剤塩化物電気防食用システムは2の理由
から特に好ましい。第1に、塩化銀にきわめて難溶であ
り、第2に、陽イオンを含む多数の薬剤は塩酸塩の形で
購入することができ、このことは薬剤貯槽中の塩化物陰
イオンが薬剤陽イオンに対する対イオンとして存在する
ことを意味する。銀アノード(例えば銀の電流分布部
材)および塩化物を含有する貯槽を具えたイオン導入薬
剤供給電極アセンブリの動作中には、銀が酸化され(Ag
→Ag++e-)、次に塩化物イオンと反応して銀アノード
表面近くに不溶性の塩化銀を作る(Ag++Cl-→AgCl)。
同時に、薬剤陽イオンが貯槽から移動し、アノードが殆
んど不溶性の場合、すなわち陽極が電気化学的に活性な
成分を有しない場合にヒドロニウムイオンを作る水の酸
化が陽極で起きる場合よりも効率が高くなる。
薬剤貯槽中の陰イオンが添加物として存在するシステ
ムの例は銅/フェロシアン化カリウムシステムである。
K3Fe(CN)6を薬剤貯槽に添加すると、FeCN6 3-陰イオンが
作られる。薬剤貯槽を例えば銅アノードと接触させる
と、イオン導入薬剤供給電極アセンブリの動作中に不溶
性塩Cu3Fe(CN)6が作られる。しかし、薬剤陽イオンが移
動する銅/塩化物システムの場合と違って、このシステ
ムではカリウムイオンが薬剤貯槽から自由に移動する。
一般的に云うと、本発明のこの局面のもう1つの実施例
はK3Fe(CN)6ではなくDxFE(CN)6(xは0より大きい整
数)を用いることであり、そこでは陽イオン、例えばK+
イオンと競合(competition)することなしに薬剤、D+
種を輸送することが望まれる。
本発明の同様な実施例では、カソードの電気化学的に
活性な成分を本発明の教訓を用いて意図的に選択する
と、陰イオンを含む薬剤がより効率的に送達される。
本発明の電気防食用カソードの電気化学的に活性な材
料は塩素で処理した銀である。イオン導入薬剤供給電極
アセンブリ動作中に、銀カソード表面のAgClは分解して
銀金属と塩化物陰イオンになる(AgCl+e-→Ag+C
l-)。この塩化物イオンは任意の陰イオンを含む薬剤と
ともに自由に体内に移動する。この点において、Ag/AgC
l電気防食用陰極は、塩化物イオンが発生し体内へ送達
される銀/塩化物電気防食用陽極より効率が悪い。しか
し、Ag/AgClカソードの有益な局面としては、a)水素
ガスが作られない、b)陰極にヒドロキシル陰イオンが
発生しないという点がある。
この一般的な型の電気防食用カソードは金属カソード
と接触している金属塩を一般に含むということを当業者
は認識している。更に、イオン導入薬剤供給電極アセン
ブリを動作すると、金属塩が分解されて、還元された形
の金属と陰イオンを作るはずである。これら両方の条件
が満たされると、本発明のこの実施例では、pH変化が少
なくなって陰イオンを含む薬剤が供給される。
カソードで生じる陰イオンと対イオンが反応して不溶
性塩又は中性化合物を作るように特に選択した陰イオン
を含む薬剤とともにここに説明した電気防食用カソード
を用いると、アノードおよびアノード貯槽について概説
したイオン輸送の調節のための同様な方法が与えられ
る。
Ag/AgCl陰極とともに用いるために意図的に選択でき
る陰イオン含有薬剤(D-)の2つの例(これらの薬剤は
イオン薬剤貯槽中で分散又は溶解する可能性がある。)
はサリチル酸銅又は銀である。このシステムにおいて
は、カソードで作られた塩化物イオンは薬剤貯槽中で銀
又は銅イオンと自由に反応して不溶性塩を作り、従って
負に荷電したD-陰イオンが陰イオン競合なしに体内に移
動することを可能にする。
電力を消費し効率を低下させるヒドロニウムおよび水
酸化物の形成を最少にするため本発明によって意図され
ている更にもう1つの方法では、挿間(intercalatio
n)型カソード又はアノードが用いられる。挿間電極は
アルカリ金属イオン、例えばナトリウムおよびカリウム
を減少させることができる性質を有する。挿間型カソー
ド又はアノード材料の使用は、ヒドロキシルおよびヒド
ロニウムイオンの形成を最少にするとともに水素又は酸
素ガスの産生を減少させるという点において特に有利で
ある。
挿間型材料を含む電極はイオン導入薬剤供給電極アセ
ンブリのアノード又はカソードに使用でき、従って正又
は負に荷電された薬剤を送達できるということを認識す
べきである。このことはタングステン酸ナトリウムにつ
いて説明することができ、その場合陽極反応は下記のよ
うになる。
Na1+xWO3→Na++NaxWO3+e- 陰極反応は下記のようになる。
Na++NaxWO3+e-→Na1+xWO3 一定のイオン導入薬剤供給電極アセンブリの全体的ク
ーロン効率を高める本発明の更にもう1つの実施例で
は、薬剤貯槽に特定の金属陽イオンを添加するととも
に、即ち特定の金属陽イオンを有する薬剤を選択して任
意に金属又はアマルガム電極が用いられる。この実施例
ではアマルガム電極がイオン導入薬剤供給電極アセンブ
リの電気化学的放電中に消費され、それは例えばシステ
ムに、例えば薬剤貯槽中に選択された薬剤を添加すると
によってアマルガムの電気化学的酸化/還元生成物にと
って意図的に利用可能にされた種と反応する。従って、
上述した状況におけるように、ここに述べたアマルガム
材料は電気化学的に反応し、所望されない、移動性の高
い荷電された種は消費又は除去される。上述した挿入型
カソード材料の場合と同じように、電気化学的放電中の
ヒドロキシル(水酸基)およびヒドロニウムイオンの産
生も減少する。この場合にもpH安定性がえられ、従って
イオン導入薬剤供給電極アセンブリの全体的安定性およ
び効率が上昇する。
カソードにおけるヒドロキシルイオンおよび水素ガス
の形成を防止するための更にもう1つの方法は、その対
イオンが銀又は銅のような容易に還元できる金属である
陰イオン含有薬剤を意図的に選択することである。その
貯槽がそのような金属種を含むイオン導入薬剤供給電極
アセンブリの動作中に、金属イオンが還元されて中性金
属を作り、薬剤陰イオンは自由に移動して電荷をカソー
ドの方に運ぶ。一般的に云うと、重要な陰イオン含有薬
剤の任意の還元可能な金属の形を選択できる。薬剤の金
属イオンは中性種に還元される、即ちその金属イオンは
プレートアクト(plate out)され効果的に不動化さ
れ、薬剤陰イオンは自由に移動し電荷を陰極の方向に運
ぶ。
この点について、本発明は加水分解生成物(おおびそ
れによって起きる諸問題)を最少にするために薬剤およ
び電極材料の特定の選択の点から説明されている。しか
し、本発明は電極成分がイオン導入薬剤供給電極アセン
ブリの動作中に電気化学的に酸化又は還元される電極材
料/薬剤選択に限定されるものではない。本発明のイオ
ン導入薬剤供給電極アセンブリは、もしその効率が供給
される薬剤の賢明な意図的選択によって著しく高くなる
ことが認識されれば、現在利用できる“不活性”電極と
ともに実施できる。一般的に云うと、薬剤を供給するた
めの不活性電極の使用は、供給される薬剤が陰イオン形
であるか又は陽イオン形であるかに応じて、供給される
薬剤の塩基、例えばOH-又はアミン、又は酸(H+)形を
選択することによって達成される。弱酸又は弱塩基形は
そのような薬剤の好ましい種類となる。例えば、水の酸
化は半反応H2O→2H++1/2O2+2eにより進行する。従っ
て、送達される薬剤の塩基形(DOH)が選択されると反
応H++DOH→H2O+D+が薬剤貯槽内で起きることが好まし
い。この薬剤形又は薬剤前駆物質の選択によって、ヒド
ロニウムイオンは中性種水への変換によって除去され、
D+の濃度は増す。逆に、半反応H2O+e→OH-+1/2H2
よって水の還元が起きる。薬剤の酸(ヒドロニウム)形
を供給することを望ならば、反応OH-+HD→H2O+D-が起
き、それによりヒドロキシルイオンは除去され、D-濃度
は上昇する。本発明のこの応用例は、特定のイオン導入
で供給される薬剤の応用例は、特定のイオン導入で供給
される薬剤の所望する酸又は塩基形が利用不可能であっ
ても、イオン導入薬剤供給を増すための合成を達成しう
ることを示唆している。
前記の文節における本発明の説明に関して2つの注意
をすべきである。第1に、上述したように水を酸化又は
還元するために不活性電極を意図的に用いる。イオン導
入薬剤供給における薬剤供給電極アセンブリの電気化学
的に活性な成分(例えばステンレススチール又はプラチ
ナ電極成分)は、それ自体は電気化学的に変化又は消費
されない。
第2に、望ましくないヒドロキシル又はヒドロニウム
イオンが作られるが、特定の平衡又は対イオンをもった
薬剤を意図的に含め、又は選択することによって有害な
pH変化は最少となり、ヒドロニウムイオンおよびヒドロ
キシルイオンは中性水に変換される。本発明のこの実施
例では気体種、即ちH2OおよびO2が発生し、従って気体
発生を避けようとするならば上述した電気防食方法を選
ぶべきである。
さて、ここで添付の図面第1図を参照することにす
る。同図にはイオン導入薬剤供給電極アセンブリに用い
ることを意図した1個のほぼ円形のイオン導入薬剤供給
電極10が断面図として概略的に描かれている。イオン導
入薬剤供給電極10はイオン導入薬剤供給電極アセンブリ
をうまく動作するのに必要な2つの電極のうちの1つだ
けであり、必要な電気エネルギー源もまたここには描か
れていないことを理解すべきである。
再び図面を参照すると、イオン導入薬剤供給電極10は
一般に“U"字形をしており可撓性を有することが好まし
い支持手段(筐体)12を含む。好ましい実施例では、支
持手段12は自給形重合体フォーム(seef−supporting p
olymeric foam)で作られている。本発明のこの実施例
では支持手段(筐体)12の周辺表面14上にイオン導入薬
剤供給の期間中電極を患者の皮膚上に保持しておくこと
を同時にした皮膚に適合性のある感圧生物医学的接着剤
をオプションとして用いてある。イオン導入薬剤供給電
極アセンブリは他の手段、例えばひもによって適所に確
保してもよく、その場合には接着剤は不必要である。従
って、図に描かれているようにイオン導入薬剤供給電極
10は一般に負の下の方向に薬剤を供給することを意図し
ていることを理解すべきである。
図面を更に参照すると、薬剤貯槽18が示されており、
本発明のこの実施例ではこの貯槽は皮膚障壁を横切って
経皮的に導入されるイオン薬剤種を含むゲル又はゲルマ
トリックス21である。本発明の好ましい実施例では、薬
剤のための自給形皮膚適合性ゲルマトリックス21は十分
な薬剤を含むので、溶剤/溶質相互作用からのモル濃度
の定義を適用すると約1モルの溶液ができる。0.02M〜
1.0M又はそれ以上の範囲の(貯槽中)薬剤濃度を本発明
の実施例に使用できる。好ましい実施例では、より低い
貯槽薬剤濃度(約0.5モル未満)をここに説明した効率
的なイオン導入薬剤供給電極アセンブリに使用できる。
本発明の特に好ましい実施例を含む上述したウエバー
(Webber)の特許に述べられている多数のゲルマトリッ
クスのうちのどれでも使用できる点に注目すべきであ
る。寒天又はポリビニルピロリドンゲルもまたこの場合
に有利に用いられる。
図にはまた外部コネクタ20が描かれており、この実施
例ではこのコネクタはワイヤである。外部コネクタ20
は、オプションのスクリーン22と電気的に接触している
銀タブ又は板23を含む電流分布部材と更に電気的に接触
している。この実施例では、電流分布部材は銀を含む。
(電流分布部材は純粋な銀である必要はない。必要なの
は銀の外層だけである)電流分布部材の表面積を増やす
ためにのみ銀スクリーンがオプションとして含まれてい
る。
従って、動作すると外部電気エネルギー源(図示され
ていない)が外部コネクタ20と接続され、次に外部コネ
クタ20が銀電流分布部材22,23と電気的に接続される。
上述した電気防食用電極のカソード説明に関して、図
示されている銀電流部材は銀/塩化銀カソードとするこ
とができる点に注目すべきである。描かれているイオン
導入薬剤供給電極10は患者の皮膚に接して置かれ十分な
力で押しつけられるので、感圧接着剤16は可撓性筐体
(支持手段)12によってそこに接触して薬剤貯槽18を保
持する。銀タブ20は小さいバッテリであることが好まし
い電気エネルギー源に電気的に接続される。バッテリを
用いると患者の正常な活動を殆んど妨げずにイオン導入
薬剤供給を行うことができる。
定常電流源を用いることは本発明の意図のうちにあ
り、この場合には患者を殆んど動かないようにしておく
必要があるようである。図示されてはいないが、次に第
2の不関又は協動(cooperating)電極をイオン導入薬
剤供給電極10が置かれている部位から離れてはいるが電
気的には隣接している部位に患者の皮膚と接触して置
く。電気エネルギー源がイオン導入薬剤供給電極10に接
続すると、荷電された種の貯槽18からの泳動が起きる。
本発明のこの実施例においては、貯槽18がそのなかに塩
酸プロプラノロールを含んでいるとすると、銀タブ23お
よび銀スクリーン22のアノードが電気化学的に消費さ
れ、上述したように銀イオンを作る。これらの銀イオン
は、中性の、殆んど不溶性の種を作るために存在する塩
化物イオンと直ちに反応する。この方法によって、加水
分解が殆んど起きないことによってプロフラノロール又
はリチウムの供給が増大する。塩化銀沈降反応が貯槽か
ら銀および塩化物イオンを除去し、更に効率を高める。
以上人間を治療するためのイオン導入法の利用に焦点
を合わせて説明した。明らかに、ここに開示した発明は
動物にも用いることができるものであり、人間に限定す
べきではない。
本発明を下記の実例によって説明するが、これらの実
例を本発明の範囲を限定するために用いるべきではな
い。
例1 実験方法の説明 イオン導入薬剤供給の生体内(in−vivo)試験をニュ
ージーランド白色ウサギについて行った。示されている
ように、ウサギは一部の試験ではペントバルビタールな
どによって鎮静させ、他のウサギは拘束しただけであっ
た。鎮静試験は一般に7時間を超えない時間の間行った
が、“拘束”試験は最高30時間まで行った。各ウサギは
特定の試験に1回だけ用いた。
下記に更に詳しく述べるように、第1図に示し説明し
てあるイオン導入薬剤供給電極10を用いたイオン導入薬
剤供給電極アセンブリをウサギにリチウム、サリチル酸
塩、プロプラノロール又は塩化ナトリウムを導入するの
に用いた。ゲル“貯槽”は各薬剤の約1モル濃度を含ん
でいた。イオン導入薬剤供給電極アセンブリは上述した
銀陽極および銀/塩化銀カソードを用いた。
イオン導入薬剤供給電極アセンブリをウサギの背面に
置き、毛は刈りとり脱毛剤で除去してあった。次にイオ
ン導入薬剤供給電極アセンブリを実験期間中接着剤で付
着させておいた。実験期間中に血液検体を被験ウサギか
ら採取した。ウサギに麻酔をかけた場合には、血液検体
は大腿静脈に挿入したカテーテルによって下大静脈から
採取した。(麻酔をかけずに)拘束したウサギを用いた
実験では、血液検体はウサギの耳の辺縁静脈に挿入した
カテーテルによって心臓から採取した。このようにして
採取された検体についてイオン導入法で導入された薬剤
を分析した。
例II データ処理の説明 例Iにおいて説明した実験方法を用いて、関心ある薬
剤をイオン導入法でウサギに導入した。血液検体を上述
したように採取し分析し、それぞれの薬剤の濃度を時間
の関数としてグラフを描いた。そのようにして得られた
データを次に下記の式にあてはめた: C=B(1−exp(−Kit)) 但し、“C"は特定の時間におけるウサギ血液中の薬剤
濃度であり、“B"はプラトー(plateau)薬剤濃度、即
ち薬剤導入量と薬剤消費量とが均衡を保っている時に達
成された最高、又は“定常”濃度であり、Kiはイオン導
入減衰定数であり、“t"は時間である。第1表、第2表
および第3表は多数の実験のこれらパラメータの値を示
す(各“実験(run)”は一定のウサギから得られた数
に対応し、一定の日に関する文字によって示され、数に
よって示されている。)第1表、第2表および第3表に
おいて供給された薬剤はそれぞれリチウムイオン、サリ
チル酸塩イオンおよびプロプラノロールイオンであっ
た。
例III 試験したウサギの一部については、一定の薬の既知量
を静脈内投与し、動物による薬剤消費量を時間の関数と
して監視した。これらのデータから薬剤除去減衰定数
(Ke)および初期薬剤濃度(Co)の値を濃度(1nC)対
時間の自然対数をグラフに描くことによって測定した。
Coの値および静注用量を測定したら、下記の式を用いて
分布量(Vd)を計算した: Vd=用量/Co 第1表、第2表および第3表には各実験について測定
又は推定したCo、KeおよびVdの値を表記してある。
例IV 第1表、第2表および第3表に表記したパラメータは
薬剤送達効率を測定するのに用いることができる。定常
薬剤送達速度(Rd)の推定は、下記のようにプラトー薬
剤濃度(B)に分布量(Vd)および薬剤除去減衰定数
(Ke)を乗算することによって行われる: Rd(mg/hr)=BVdKe (1) イオン導入法により供給される薬剤の単位時間当りの
最大量は実験期間中に使用された電流から計算できる。
即ち、 但し、Mは薬剤イオンの分子量であり、Iは電流(m
A)であり、Fはファラデー定数である。薬剤送達効率
(Er)は下記の式(3)により比Rd/Rtから推定でき
る。
第1表、第2表および第3表には各実験に対する生体
内(in−vivo)ウサギデータから推定した効率を表記し
てある。
実験の一部ではErの値が100%を超えたことに注目す
べきである。このようなことがありうるのは、皮膚を通
る薬剤の受動拡散(passive diffusion)による寄与分
を含むからであり、従って比Rd/Rtは1を超えうる。
例V 第1表、第2表および第3表にはまた、下記のように
総薬剤送達速度(Rd)から受動(passive)薬剤供給速
度(Rp)を差引いて計算した各実験の真のクーロン効率
(Ec)も表記されている。
各薬剤に対する受動拡散速度を測定するのに用いられ
た方法は下記の例VIにおいて説明する。
例VI 例IVの式(1)に定義されている総生体内薬剤送達デ
ータは2つの寄与分、即ち受動薬剤供給とイオン導入薬
剤供給の合計であることが発見された。従って、薬剤供
給速度(Rd)は下記の式(4)によって表されることが
発見された: Rd=Rp+Ri (4) 但し、Rpは受動薬剤供給速度であり、Riはイオン導入
薬剤供給速度である。受動供給速度は薬剤貯槽の接触面
積と薬剤濃度に依存する。イオン導入供給速度は実験に
用いられた電流に正比例する。即ち、 Ri=AEcI 但し、Ecはクーロン効率であり、Iは電流であり、A
はその値が薬剤の分子量によって決定される比例定数で
ある。
上記の式のRiを式(4)に代入すると下記の式(5)
が得られる。
Rd=Rp+AEcI (5) 第1表、第2表および第3表に示されているデータを
用いることによって、各薬剤ごとにRd対電流のグラフを
描くことができる。式(5)の形から、そのようなグラ
フの線形最小二乗適合(linear least−squares fit)
を切りとると受動薬剤拡散速度(Rp)が得られ、勾配は
クーロン効率(Ec)の計算に用いることができる。
例VII 上述のようにして得られたデータから、塩化リチウ
ム、サリチル酸ナトリウムおよび塩酸プロプラノロール
に対するRd対電流のグラフを作成し、最良線形適合(be
st linear fit)を得た。次にこれらの薬剤の各々に対
する受動薬剤供給速度をこの適合(fit)の切片(inter
cept)によって測定した。この切片の値は第4表に表示
してある。第4表にはまた各薬剤に対する等価電流(eq
uivalent current)も表記してある。一定の薬剤に対す
る等価電流とは、薬剤供給の半分が受動拡散によって起
き、他の半分がイオン導入によって起きる電流である。
上述したRd対電流の最良線形適合の勾配(slope)を
用いて生体内(iv−vivo)薬剤送達に対するクーロン効
率(Ec)を推定した。第5表は生体内実験から推定され
たクーロン効率と、切り取ったウサギ皮膚を通り、また
ポリビニルアルコール(PVA)膜を通って、0.1M塩化ナ
トリウム溶液内へ入る試験管内(in−vitro)薬剤供給
から測定したクーロン効率とを比較している。試験管内
薬剤供給測定は、アメリカ合衆国ニュージャージー州、
ソマービルにあるクラウングラス社(Crown Glass Coma
ny)から市販されているフランツ拡散セルを使用して行
った。
PVA膜を通る試験管内薬剤供給の効率は、塩化物イオ
ンに関しリチウムおよびプロプラノロールの、ナトリウ
ムイオンに関しサリチル酸塩の相対的移動度を示す。PV
Aを通る薬剤輸送のクーロン効率は、生体内実験に用い
られる可能性のあるゲル、電極および薬剤濃度に対する
クーロン効率の上限をおそらく表すものと思われる。
第4表に示してあるデータは、リチウムおよびプロプ
ラノロールが切り取られたウサギ皮膚および生育力のあ
る(viable)ウサギ皮膚とを通してほぼ同じ効率で輸送
されたことを示している。更に、このデータはサルチル
酸塩は切り取られた皮膚よりも生育力のある皮膚を通し
た場合の方が高い効率で送達されたことを示している。
要約すると、生体内データにはかなりのばらつきがあ
るように思われるが、ここに述べた方法は、生体内試験
に対するクーロン効率および受動薬剤供給速度を測定す
るためのかなり再現性のある方法を提供するものである
ことをわれわれは発見した。そのように計算した効率は
試験管内実験から計算した同様な効率と殆んど一致する
ように思われる。
例VIII 多数のアノード/カソード薬剤組合せおよび薬剤濃度
をそれらが所望しない種の産生を最少にするという点に
関して評価した。特に、薬剤貯槽のpH変化を測定し、そ
れからヒドロニウムイオン供給速度を計算した。※(※
薬剤をPVA膜を通過させて0.06M MaCl中へ供給した)。
更に上述した数学的処理を用いて、薬剤供給効率を測定
した。第6表、第7表、第8表および第9表に示すよう
にリチウムイオン、カリウムイオンおよびサリチル酸塩
イオンの送達について実験条件および効率を測定した。
試験したシステムについて多くの観察が行われるかも
しれない。第6表の1〜6の数字の付けられているシス
テムは基本的に先行技術のシステムである。
望ましくない加水分解産物が発生し、従って第7表の
システム1、2および3、第8表のシステム1および
2、および第9表のシステム1の“pH"欄におけるよう
にpHはかなり著しく変化することが示されている。
第7表、第8表および第9表に示されているように、
本発明を用いたシステムに比べると先行技術システムは
ヒドロニウム送達速度は一般に高く、薬剤送達効率は一
般に低かった。例えば、第7表の1、2および3の数字
の付けられているシステムは第7表の4−9の数字の付
けられているシステムと比較されるかもしれない。同様
に、第8表のシステム1および2は第8表のシステム3
〜6と比較すべきであり、第9表のシステム1は第9表
のシステム2〜8と比較すべきである。
要約すると、上述した教示とともに、イオン導入薬物
供給における非能率および不安定性の問題を解決するた
めの幅広い基礎をもった、融通性のあるアプローチが開
示されている。本開示は2つの陽イオン薬剤および1つ
の陰イオン薬剤に焦点をあてているが、本発明はイオン
導入技術に広く適用できることが認識されるであろう。
添付の特許請求の範囲はそのように幅広く解釈すべきで
ある。
【図面の簡単な説明】
添面した第1図は本発明のイオン導入薬剤供給電極アセ
ンブリに用いられるイオン導入薬剤供給電極10の概略的
断面図である。 10…イオン導入薬剤供給電極 12…支持手段(筐体) 14…周辺表面 16…感圧接着剤 18…(薬剤)貯槽 20…外部コネクタ 21…ゲル又はゲルマトリックス 22…スクリーン 23…銀タブ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−90190(JP,A) 特開 昭58−10066(JP,A) 特開 昭57−117833(JP,A) 欧州特許97430(EP,A)

Claims (39)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン導入供給されるアニオン薬剤と前記
    アニオン薬剤のカチオン対イオンとの源に電気的に接続
    されたカソード電流分布部材を含むイオン導入薬剤供給
    電極アセンブリであって、 前記イオン導入薬剤供給電極アセンブリは、イオン導入
    薬剤供給の期間中に還元されるか又は他の存在する種を
    還元させる少なくとも1つの電気的に活性な成分を含
    み、かつ前記貯槽に電気的に接続されていることを特徴
    とし、更に前記電気化学的に活性な成分と前記対イオン
    の少なくとも1つの前記イオン導入薬剤供給電極アセン
    ブリの動作において、 (i)前記カソード電流分布部材におけるアニオン種の
    発生が実質的に減少されるか或いは、 (ii)前記カソード電流分布部材において発生されたア
    ニオン種は前記源に存在するか又は源中で発生した種及
    び/或いは前記電気化学的に活性な成分によって、前記
    イオン導入薬剤供給電極アセンブリからイオン導入供給
    される可能性の低い種に変換されることを特徴とするイ
    オン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  2. 【請求項2】前記電気化学的に活性な成分及び前記対イ
    オンの少なくとも1つは前記イオン導入薬剤供給電極ア
    センブリの動作において、前記電極部材における加水分
    解が実質的に避けられ及び/或いは前記電極部材におけ
    る加水分解のイオン生成物が実質的に中和されるような
    ものである請求項1記載のイオン導入薬剤供給電極アセ
    ンブリ。
  3. 【請求項3】前記カソード電流分布部材は電気化学的に
    活性な成分を含む請求項1〜2項のいずれかに記載のイ
    オン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  4. 【請求項4】前記カソード電流分布部材は金属塩を含む
    請求項1〜3項のいずれかに記載のイオン導入薬剤供給
    電極アセンブリ。
  5. 【請求項5】前記カソード電流分布部材は塩化銀からな
    る請求項1〜4のいずれかに記載のイオン導入薬剤供給
    電極アセンブリ。
  6. 【請求項6】前記カソード電流分布部材は塩化銀からな
    り、前記カソード電流分布部材におけるヒドロキシルイ
    オンの発生が実質的に減少している請求項1〜5項のい
    ずれかに記載のイオン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  7. 【請求項7】前記カソード電流分布部材は塩化銀からな
    り、前記対イオンは銀イオン及び/もしくは銅イオンを
    含む請求項1〜6項のいずれかに記載のイオン導入薬剤
    供給電極アセンブリ。
  8. 【請求項8】前記イオン導入薬剤供給電極アセンブリ
    は、前記イオン導入薬剤電極アセンブリの動作期間中に
    使用され或いは発生される第2の種とともに、イオン導
    入によって発生した電界によって十分に影響されない生
    成物を生成するために相互作用することができる第1の
    種を生じさせるためにイオン導入薬剤供給期間中電気化
    学的に活性である成分を含む請求項1〜7項のいずれか
    に記載のイオン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  9. 【請求項9】イオン薬剤種の前記源を支持する支持手段
    を更に含み、前記支持手段はイオン薬剤種を含むゲルを
    含む請求項1項記載のイオン導入薬剤供給電極アセンブ
    リ。
  10. 【請求項10】イオン導入供給されるべきイオン性の薬
    剤と前記イオン性の薬剤に対するイオンとの源及び前記
    源に電気的に接続された電流分布部材とから構成され、 前記イオンはイオン導入薬剤供給期間中に酸化されるか
    又は還元される電気化学的に活性な成分を含み、前記電
    流分布部材におけるイオン種の発生は実質的に減少され
    ることを特徴とするイオン導入薬剤供給電極アセンブ
    リ。
  11. 【請求項11】前記電気化学的に活性な対イオンは前記
    イオン導入薬剤供給電極アセンブリの動作において、前
    記電極部材における加水分解が実質的に避けられるよう
    なものである請求項10記載のイオン導入薬剤供給電極ア
    センブリ。
  12. 【請求項12】前記電流分布部材は導電性の材料によっ
    て形成されている請求項10又は11項記載のイオン導入薬
    剤供給電極アセンブリ。
  13. 【請求項13】前記電流分布部材は導電性の金属もしく
    は炭素から形成される請求項12項記載のイオン導入薬剤
    供給電極アセンブリ。
  14. 【請求項14】前記電流分布部材はカソードであって、
    かつ対イオンが還元されうる請求項10〜13項のいずれか
    に記載のイオン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  15. 【請求項15】対イオンは銀イオン及び/もしくは鋼イ
    オンである請求項14項記載のイオン導入薬剤供給電極ア
    センブリ。
  16. 【請求項16】前記電流分布部材はアノードであって、
    かつ対イオンは酸化されうる請求項10項記載のイオン導
    入薬剤供給電極アセンブリ。
  17. 【請求項17】対イオンはフェロシアンイオンを含む請
    求項16項記載のイオン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  18. 【請求項18】電流分布部材は銀、錫、亜鉛、ニッケル
    及び/もしくはマンガンからなる請求項16記載のイオン
    導入薬剤供給電極アセンブリ。
  19. 【請求項19】イオン導入供給されるべき薬剤源に対し
    て電気的に接続された電流分布部材を含み、 前記電流分布部材は電気的に導電性でかつ水と接触して
    も不活性の材料であり、前記薬剤は酸もしくは塩基のい
    ずれか一方を含み、前記電流分布部材において酸性イオ
    ンもしくは塩基イオンを発生させ、前記酸性イオンもし
    くは塩基イオンは、 (i)前記塩基もしくは酸を含む薬剤の対イオンと反応
    することによってそれぞれ中和されるか或いは、 (ii)前記酸もしくは塩基を含む薬剤と反応するかのい
    ずれかであることを特徴とするイオン導入薬剤供給電極
    アセンブリ。
  20. 【請求項20】電流分布部材において発生されたイオン
    は加水分解のイオン生成物である請求項19記載のイオン
    導入薬剤供給電極アセンブリ。
  21. 【請求項21】前記電流分布部材は貴金属からなる請求
    項19又は20項記載のイオン導入薬剤供給電極アセンブ
    リ。
  22. 【請求項22】前記電流分布部材はプラチナもしくはス
    テンレススチールを含む請求項19又は20項記載のイオン
    導入薬剤供給電極アセンブリ。
  23. 【請求項23】酸性イオンはヒドロニウムイオンであり
    かつ塩基イオンはヒドロキシルイオンもしくはアミンイ
    オンである請求項19〜22項いずれかに記載のイオン導入
    薬剤供給電極アセンブリ。
  24. 【請求項24】前記源に存在する薬剤は弱酸もしくは弱
    塩基の形を有する前記請求項19〜23項いずれかに記載の
    イオン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  25. 【請求項25】アノード電極として動作し、かつ薬剤は
    塩基を含む請求項19〜24項いずれかに記載のイオン導入
    薬剤供給電極アセンブリ。
  26. 【請求項26】カソード電極として動作し、かつ薬剤は
    酸である請求項19〜24項いずれかに記載のイオン導入薬
    剤供給電極アセンブリ。
  27. 【請求項27】イオン導入供給されるカチオン薬剤と前
    記カチオン薬剤の対イオンの源に電気的に接続されるア
    ノード電流分布部材を含むイオン導入薬剤供給電極アセ
    ンブリであって、 前記アノード電流分布部材は鋼及び/もしくはモリブデ
    ンからなり、前記カチオン薬剤の対イオンはハロゲンイ
    オンからなり、前記イオン導入薬剤供給電極アセンブリ
    の動作期間中に前記アノード電流分布部材において発生
    される鋼イオン及び/もしくはモリブデンイオンは前記
    ハロゲンイオンとの反応によって前記イオン導入薬剤供
    給電極アセンブリからイオン導入供給に対し低い感受性
    のハロゲン化銅塩及び/もしくはハロゲン化モリブデン
    塩を形成するように変換されることを特徴とするイオン
    導入薬剤供給電極アセンブリ。
  28. 【請求項28】前記ハロゲンイオンは塩素イオン、臭素
    イオン及び/もしくはヨウ素イオンである請求項27記載
    のイオン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  29. 【請求項29】イオン導入供給されるカチオン薬剤及び
    その対イオンの源に電気的に接続されるアノード電流分
    布部材を含むイオン導入薬剤供給電極アセンブリにおい
    て、 前記アノード電流分布部材は銀、錫、亜鉛、ニッケル及
    び/もしくはマンガンから構成され、 前記カチオン薬剤の対イオンはフェロシアン化イオン及
    び/もしくはフェリシアン化イオンを含み、 前記イオン導入薬剤供給電極アセンブリの動作期間中に
    おいて、前記アノード電流分布部材は前記フェロシアン
    化イオン及び/もしくはフェリシアン化イオンとの反応
    によって前記イオン導入薬剤供給電極アセンブリからイ
    オン導入供給に対し低い感受性のフェロシアン化金属塩
    及び/もしくはフェリシアン化金属塩を構成するように
    変換されることを特徴とするイオン導入薬剤供給電極ア
    センブリ。
  30. 【請求項30】カチオン薬剤及びハロゲン化対イオンの
    源と、前記カチオン薬剤及びハロゲン化対イオンの貯槽
    を含む支持手段と、前記カチオン薬剤及びハロゲン化対
    イオンの貯槽に電気的に接続され銀から構成されたアノ
    ード電流分布部材とを含み、 前記支持手段は、前記イオン導入薬剤供給電極アセンブ
    リの動作期間中に前記アノード電流分布部材において発
    生された銀カチオンが前記ハロゲン化対イオンと反応し
    て前記イオン導入薬剤供給電極アセンブリからイオン導
    入供給に対して低い感受性ハロゲン化銀塩を形成するよ
    うに変換され、前記薬剤カチオンは前記銀イオンと競合
    することなくイオン導入供給されることを特徴とするイ
    オン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  31. 【請求項31】ハロゲン化イオンは塩素イオン、臭素イ
    オン、ヨウ素イオン及びこれらの混合イオンを含むグル
    ープから選択される請求項30記載のイオン導入薬剤供給
    電極アセンブリ。
  32. 【請求項32】イオン導入供給されるイオン薬剤及びそ
    の対イオンの源に電気的こ接続された電流分布部材を含
    むイオン導入薬剤供給電源アセンブリにおいて、 前記イオン導入薬剤供給電極アセンブリは前記源に電気
    的に接続された少なくとも1つの電気化学的に活性な内
    位添加化合物もしくはアマルガムを含み、該内位添加化
    合物もしくはアマルガムはイオン導入薬剤供給の期間中
    に酸化されるか又は還元され、前記イオン導入薬剤供給
    電極アセンブリの動作期間中に前記電流分布部材におけ
    るイオン種の発生が実質的に避けられるか、或いは前記
    電流分布部材において発生されたイオン種が前記源内に
    存在するか、前記源において発生された種及び/或いは
    前記電気化学的に活性な成分によって前記イオン導入薬
    剤供給電極アセンブリからイオン導入供給に対し低い感
    受性の種に変換されることを特徴とするイオン導入薬剤
    供給電極アセンブリ。
  33. 【請求項33】前記イオン導入薬剤供給電極アセンブリ
    の動作期間中において、前記電流分布部材における加水
    分解は実質的に避けられる請求項32項に記載のイオン導
    入薬剤供給電極アセンブリ。
  34. 【請求項34】前記薬剤種は前記源内において0.02モル
    乃至1.0モルの濃度で含まれている請求項32記載のイオ
    ン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  35. 【請求項35】前記薬剤種は前記源内において、0.5モ
    ルよりも低い濃度で含まれている請求項32記載のイオン
    導入薬剤供給電極アセンブリ。
  36. 【請求項36】前記電流分布部材は内位添加化合物もし
    くはアマルガムを含む請求項32記載のイオン導入薬剤供
    給電極アセンブリ。
  37. 【請求項37】前記対イオンはアルカリ金属イオンを含
    む請求項32記載のイオン導入薬剤供給電極アセンブリ。
  38. 【請求項38】前記内位添加化合物はタングステン酸ナ
    トリウム、バナジウム酸ナトリウム(NaV6O3)又はグラ
    ファイトから選択された材料でつくられている請求項3
    2、37又は38項記載のイオン導入薬剤供給電極アセンブ
    リ。
  39. 【請求項39】電流分布部材は、 (a)鉛、水銀もしくは水銀/カドミウムアマルガム (b)内位添加化合物、 から選択された材料を含む請求項32項記載のイオン導入
    薬剤供給電極アセンブリ。
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