JP2003519541A - 競合イオンを用いた選択的薬剤送達プロフィル - Google Patents

競合イオンを用いた選択的薬剤送達プロフィル

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JP2003519541A
JP2003519541A JP2001551540A JP2001551540A JP2003519541A JP 2003519541 A JP2003519541 A JP 2003519541A JP 2001551540 A JP2001551540 A JP 2001551540A JP 2001551540 A JP2001551540 A JP 2001551540A JP 2003519541 A JP2003519541 A JP 2003519541A
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エイチ.セージ ジュニア バートン
ランドルフ ボック カール
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ヴァイテリス インコーポレイテッド
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/20Applying electric currents by contact electrodes continuous direct currents
    • A61N1/30Apparatus for iontophoresis, i.e. transfer of media in ionic state by an electromotoric force into the body, or cataphoresis

Abstract

(57)【要約】 本発明は、電流に対して薬剤イオンと競合するイオンであって、送達される薬剤を含むレザーバに添加したまたは存在するイオンの濃度を制御することによって、薬剤の薬剤送達プロフィルを予め選択するための非侵襲性方法および装置に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、送達される該薬剤を含むレザーバに添加したまたは存在するイオン
であって、電流に対して薬剤イオンと競合するイオンの濃度を制御することによ
って薬剤の薬剤送達プロフィル(profile)を予め選択するための非侵襲
性方法および装置に関する。
【0002】 (発明の背景) イオン導入薬剤送達システム(iontophoretic drug de
livery systems)は近年、ますます重要な薬剤投与手段になって
きた。現在、2種、すなわち受動的およびイオン導入法による経皮薬剤送達シス
テムがある。受動パッチシステムは、小さくて、かつ比較的親油性である薬剤を
拡散によって患者の皮膚を通して送達させ、その例には麻薬性鎮痛剤、フェンタ
ニルを放出して鎮痛をもたらすDuragesic(登録商標)パッチの適用が
含まれる。一方、イオン導入システムは、隣接した組織および血管によって吸収
できるようにイオン化可能な物質(薬物/薬剤)を皮膚に送り込むために起電力
の印加(イオン導入法)によって薬剤を患者の皮膚を通して送達させる。したが
って、イオン導入法により、受動拡散では送達が不十分である、荷電した親水性
薬剤を皮膚を通して輸送することが可能となる。経皮システムは、痛み、感染の
危険性および外傷といった患者に伴う問題を有する皮下注射など、他の投与方法
では実現できないことが明らかな利点を提供する。イオン導入法は、連続的かつ
持続性の送達が実施可能で、経口投与よりも利点も有する。さらに、薬物の不活
性化、食物の相互作用、肝初回通過代謝および胃腸の副作用を回避することが可
能である。
【0003】 本明細書でその開示を援用して取り入れる米国特許第4,820,263号(
Spevak他)、第4,927,408号(Haak他)および第5,084
,008号(Phipps)で記載されたものなどの従来のイオン導入装置は、
薬剤または薬物のイオン導入法による経皮的送達を提供している。基本的に、従
来のイオン導入装置は、イオン導入装置によって治療する皮膚に接触する電解質
または薬剤レザーバとそれぞれイオン接触する2個の電極、陽極および陰極に接
続した電源から成る。電流を通すと、電気エネルギーが使用されてイオン伝導に
より皮膚を通って体内へイオン分子が輸送されるのを補助する。
【0004】 一般に、イオン導入装置からの皮膚を介した薬剤のフラックスは電流に比例し
、したがって変化するフラックスまたは薬剤送達プロフィルを得る方法は、電流
を変化させることであろう。例を挙げると、ボーラス様(またはピーク状)のフ
ラックスを投与したいならば、まず電流を増加させ、次いでボーラスが達成され
た後電流を減少させる必要がある。しかし、電流を変化させることによって、イ
オン導入制御回路に複雑さが加わり、さらに投与した電流の変化によって患者が
痛覚を感じる可能性が増加する。
【0005】 本発明の方法および装置は、これらの短所を克服し、イオン導入法によって送
達する薬剤の薬剤送達フラックスプロフィルを予め選択または制御する方法およ
び装置を提供する。
【0006】 (発明の概要) 本発明の一実施形態は、イオン導入法による送達の前に、電流に対して薬剤イ
オンと競合するイオン(以後「競合イオン(competing ions)」
と称する)を、薬剤を含むレザーバに添加または存在させることによって、イオ
ン導入法によって送達される薬剤のフラックスプロフィルを制御する方法を提供
する。送達する薬剤の種々のフラックスプロフィルを実現するために、一定電流
を用い、それによって従来方法の短所を回避するが、競合イオンの濃度を変化さ
せることができる。
【0007】 本発明の他の実施形態では、イオン導入法による送達の前に、電流に対して薬
剤イオンと競合するイオンを薬剤を含むレザーバに添加または存在させることに
よって、イオン導入法によって送達する薬剤のフラックスプロフィルを制御する
イオン導入装置を提供する。このイオン導入装置は、 (a)電流分配メンバーと、 (b)電流分配メンバーと電気的に連絡しており、かつ対象の上皮表面にイオ
ン的に連絡(ionic communication)するようにされた、イ
オン化したまたはイオン化可能な物質を含むイオン化物質レザーバと、 (c)無関係電極(indifference electrode)と電気
的に連絡し、かつ上皮表面とイオン的に連絡している、電解質を含む電解質レザ
ーバと、 (d)電流分配メンバーおよび電解質レザーバに電流送達接続している電源と
、を有する。
【0008】 (発明の詳細な説明) 本発明の一実施形態は、イオン導入法による送達の前に、電流に対して薬剤イ
オンと競合するイオンを薬剤を含むレザーバに添加または存在させることによっ
て、イオン導入法により送達される薬剤のフラックスプロフィルを制御する方法
を提供する。送達する薬剤の種々のフラックスプロフィルを達成するために、一
定電流を用いるが、競合イオンの濃度を変化させることができる。
【0009】 その他のより具体的な実施形態は、イオン導入法によって送達される正に荷電
したイオン薬剤のフラックスプロフィルを制御する方法を提供する。薬剤を負に
荷電した対イオンとともに含むレザーバを形成し、レザーバから患者の体表面に
電荷を運ぶことに対して薬剤イオンと競合するある濃度の陽イオンをレザーバに
添加する。陽イオンの濃度は、イオン薬剤のフラックスプロフィルを制御するた
めに十分な量である。陽イオンの濃度は、レザーバ中の電解質の約0.06質量
%(% by weight)より高く1.0質量%未満の量が好ましい。陽イ
オンの濃度は、レザーバ中の電解質の約0.146質量%(実施例9)から約0
.9質量%(実施例6および12〜14)の範囲で存在することがより好ましい
。電気伝導性メンバーをレザーバに適用する。該電気伝導性メンバーは、伝導性
メンバーがレザーバと接触し、正の電圧が伝導性メンバーに印加される場合に、
容易に酸化される犠牲物質から構成される。該物質は酸化されると容易に対イオ
ンと結合し、正の電圧が印加される間、レザーバ内で実質的に不動性の化合物を
形成する。
【0010】 イオン薬剤を含む該レザーバは、患者の体表面と薬剤輸送関係にある。レザー
バが患者の体表面と薬剤輸送関係にあって、かつ伝導性メンバーがレザーバに適
用される間、正の電圧が伝導性メンバーに印加されて該物質を酸化し、イオン薬
剤を患者の体表面を通して送り込む。このとき、イオン薬剤は、電荷をレザーバ
から運ぶことに対して薬剤イオンと競合することができる陽イオンの存在下で体
表面を通して送り込まれる。
【0011】 その他のより具体的な実施形態は、イオン導入法によって送達される負に荷電
したイオン薬剤のフラックスプロフィルを制御する方法を提供する。薬剤を正に
荷電した対イオンとともに含むレザーバが形成され、レザーバから患者の体表面
に電荷を運ぶことに対して薬剤イオンと競合するある濃度の陰イオンをレザーバ
に添加する。陰イオンの濃度は、イオン薬剤のフラックスプロフィルを制御する
のに十分な量である。陰イオンの濃度は、レザーバ中の電解質の0.06質量%
より高く1.0質量%未満の量が好ましい。陰イオンの濃度は、レザーバ中の電
解質の約0.146質量%(実施例9)から約0.9質量%(実施例6および1
2〜14)の範囲で存在することがより好ましい。電気伝導性メンバーをレザー
バに適用する。該伝導性メンバーは、伝導性メンバーがレザーバと接触し、かつ
負の電圧が伝導性メンバーに印加された場合に、容易に還元される犠牲物質から
構成される。該物質は還元されると対イオンと容易に結合し、負の電圧が印加さ
れる間、レザーバ内で実質的に不動性の化合物を形成する。
【0012】 イオン薬剤を含む該レザーバは、患者の体表面と薬剤輸送関係にある。レザー
バが患者の体表面と薬剤輸送関係にあって、かつ伝導性メンバーがレザーバに適
用される間、負の電圧を伝導性メンバーに印加して該物質を還元し、イオン薬剤
を患者の体表面を通して送り込む。イオン薬剤は、電荷をレザーバから運ぶのに
薬剤イオンと競合することができる陰イオンの存在下で体表面を通して送り込ま
れる。
【0013】 本発明のその他の実施形態では、イオン導入法による送達の前に、電流に対し
て薬剤イオンと競合するイオンを薬剤を含むレザーバに添加または存在させるこ
とによって、イオン導入法によって送達する薬剤のフラックスプロフィルを制御
するイオン導入装置を提供する。該イオン導入装置は、 (a)電流分配メンバーと、 (b)電流分配メンバーと電気的に連絡しており、対象の上皮表面にイオン的
に連絡するようになされた、イオン化したまたはイオン化可能な物質を含むイオ
ン化物質レザーバと、 (c)無関係電極と電気的に連絡し、上皮表面とイオン的に連絡している、電
解質を含む電解質レザーバと、 (d)電流分配メンバーおよび電解質レザーバに電流送達接続している電源と
、を有する。
【0014】 例示であって限定するものではない本発明のイオン導入装置には、以下の構成
要素および物質が含まれる。
【0015】 (A.電流分配メンバー(活性電極)) 本発明のイオン導入電極(iontophoretic electrode
)には、イオン化物質の送達のために電流をイオン導入レザーバに運び込む電流
分配メンバーが含まれる。該電流分配メンバーは、不活性物質および犠牲物質(
sacrificial materials)の両方を含む広範囲の任意電気
伝導性物質で構成される。
【0016】 不活性伝導性物質は、本発明のイオン導入装置で用いる場合は、それ自体は電
気化学的反応を受けたり関わったりしない電気伝導性物質である。したがって、
不活性物質は電流の分配によって浸食されたり消耗することなく、電流を分配し
、水の還元または酸化のいずれかによるイオン発生を介して電流を伝導する。不
活性伝導性物質には、一般に、たとえばステンレス鋼、白金、金、および炭素ま
たはグラファイトが含まれる。
【0017】 あるいは、該電流分配メンバーは犠牲伝導物質から構成されていてもよい。本
発明のイオン導入装置の電極として用いた場合に物質が酸化または還元によって
浸食されたり消耗されたりする場合、該物質を犠牲であると見なすことができる
。このような浸食または消耗は、クロリドイオンを含む製剤とともに銀電極を用
いた場合など、イオン導入装置に用いられた物質および製剤が特定の電気化学反
応を可能にする場合に生じる。この状態では、電流分配メンバーは、水の電気分
解を起こさず、それ自体が酸化または還元されることになる。
【0018】 一般に、陽極については、犠牲物質には、銀、亜鉛、銅などの酸化可能な金属
が含まれる。不活性物質によって電気化学的に発生するヒドロキシルイオンおよ
びヒドロニウムイオンと対照的に、犠牲物質によって電気化学的に発生するイオ
ンには、金属の酸化によって得られる金属陽イオンが含まれる。金属/金属塩陽
極も用いることができる。このような場合、金属は金属イオンに酸化され、次い
で不溶性塩として沈殿するであろう。
【0019】 陰極については、電流分配メンバーは、適当な電解質製剤が提供されることを
条件として、任意の電気伝導性物質から構成することができる。たとえば、陰極
電流分配メンバーは、金属/金属塩物質から構成することができる。好ましい陰
極物質は、銀/ハロゲン化銀物質である。このような実施形態において、ハロゲ
ン化金属塩を電解質として用いることが好ましい。この場合、ハロゲン化金属塩
が還元されるので、該装置は電極から電気化学的にハライドイオンを発生するで
あろう。また、付随する製剤中の銀イオンは銀金属に還元され、電極に沈着(め
っき)するであろう。その他の実施形態では、陰極物質は、層間物質、アマルガ
ム、または水の還元電位未満においてナトリウムなど電解質陽イオンを溶液から
取り出すことができるその他の物質とすることができる。さらに、適当な電解質
溶液からの金属でめっきすることを可能とするその他の物質を用いてもよい。し
たがって、硝酸銀または硫酸亜鉛など適当な金属塩が電解質レザーバ中の溶液中
にある場合には、銀、銅、亜鉛、およびニッケルなどの金属および炭素などのそ
の他の物質を用いることができる。このような物質は、使用中に金属がめっきさ
れるにしたがって抵抗を増すであろう一方、陰極電流分配メンバーとして用いら
れる間には浸食または消耗されない。したがって、この意味では厳密には「犠牲
」ではない。
【0020】 本発明による電流分配メンバーとして別タイプの有用な物質は、V.Redd
y他による1995年9月29日に出願された「Low−Cost Elect
rodes for an Iontophoretic Device」とい
う名称の同時係属出願第08/536,029号(Attorney Dock
et P−3066)に詳細に開示されており、その開示を本明細書に援用して
取りいれる。
【0021】 電流分配メンバーは、プレートの形態、ホイル層、スクリーン、ワイヤ、また
は伝導性マトリックスに包埋された伝導性粒子の分散剤など、当業界で知られた
任意の形態をとることができる。
【0022】 (B.電解質レザーバ) 1.電解質 本発明のイオン導入装置では、電解質レザーバは電流分配メンバーと電気的に
連絡して配置される。一般に、電気的連絡には、電流の印加によって電解質レザ
ーバ中で電流分配メンバーからの電子をイオンと交換させることが必要である。
このような電気的連絡は、イオン導入装置の構成物に用いられた介在物質によっ
て過剰程度妨害されないことが好ましい。言い換えると、接触部分(inter
face)の抵抗性は低いことが好ましい。
【0023】 電解質レザーバは、少なくとも1種の電解質、すなわち電流分配メンバーに向
かう電流または電流分配メンバーから送り出される電流を伝導するために作用す
ることができるイオン性またはイオン化可能な成分を含む。一般に、電解質には
2種以上の移動可能なイオンが含まれ、その選択は所望する用途に依る。適当な
電解質の例には、塩の水溶液が含まれる。好ましい電解質は、1モル/リットル
(<1M)未満の濃度、より好ましくはほぼ生理学的濃度のNaCl水溶液であ
る。その他の電解質には、限定はしないが、カリウム(K+)、クロリド(Cl- )、およびホスフェート(PO4 -)を含めた生理学的イオンの塩が含まれる。塩
およびその濃度は、特定の用途に対して所望に応じて選択することができる。電
解質レザーバに含めるために、当業者はその他の種類を選択することができる。
このようなその他のレザーバ用種類には、限定はしないが、キレート剤(たとえ
ば、クエン酸イオン、EDTA)、界面活性剤(たとえば、非イオン性、両性イ
オン性、陽イオン性または陰イオン性)、緩衝剤、イオン性賦形剤、容量オスモ
ル濃度調整剤(たとえば、アルカノール)、安定化剤、酵素阻害剤、保存剤、増
粘剤(たとえば、アクリル酸、セルロース樹脂、粘土、ポリオキシエチレン類)
などが含まれる。
【0024】 あるいは、電解質は、電界がない場合にはそれ自体が比較的不動性であるが電
界の存在下では移動可能なイオンを送達するように作用する物質を含むことがで
きる。後者の場合、該電解質を「イオン源」と呼ぶことがより適切であろう。本
発明によるイオン源の例には、高分子電解質、イオン交換膜および樹脂、pH変
化の際にイオンになる非イオン緩衝液、およびその他の知られたイオン源が含ま
れる。
【0025】 あるいは、電解質レザーバは、電気化学的に生じたイオンと溶解性の塩を形成
する対イオンを含むことができる。たとえば、銀陽極電流分配メンバーを用いる
装置では、適当な対イオンはアセテートまたはニトレートであろう。このような
対イオンは、電気化学的に生じたイオンを封鎖するために他の手段を提供する場
合に有用である。
【0026】 したがって、電解質レザーバは、電流を伝導するための、電気化学的に発生す
るイオンと同じ電荷の少なくとも1種のイオンと、反対に荷電した少なくとも1
種のイオンとを提供することができる。
【0027】 (C.イオン化物質(薬剤)レザーバ) 本発明のイオン導入装置のレザーバ構造にはさらに、イオン化物質レザーバが
含まれる。該イオン化物質レザーバは、上皮表面とイオン的に連絡しなければな
らない。
【0028】 イオン化物質レザーバの構成は、上皮表面とのイオン的な連絡および電流分配
メンバーとの電気的連絡に対する必要性と合致しなければならない。したがって
、イオン化物質レザーバの構造は、所望する用途に応じて変化してもよい。イオ
ン化物質レザーバは、液体、半液体、半固体、または固体物質を含むことができ
る。フロー可能な物質とともに、イオン化物質レザーバはさらに、レザーバの外
への内容物のフローを少なくとも実質的に阻害するための手段を含むことが好ま
しい。このような場合、装置が保管されているときには内容物のフローは最小限
であることが望ましい。たとえば、イオン化物質レザーバの内容物の周りに膜を
配置することができる。ある場合には、レザーバの内容物のフローは、保管の間
は最小限にするが、使用時には増加させることができる。たとえば、周りの膜に
よって、膜を介して電界を印加した際に多孔性、透過性、または伝導性を増加さ
せることができる。このような膜の例は、米国特許第5,080,546号、第
5,169,382号および第5,232,428号に開示されており、その開
示を援用して本明細書に取り入れる。
【0029】 好ましい実施形態では、物理的完全性を保持し、イオン化物質の移動および損
失に本質的に抵抗するように、イオン化物質レザーバを構成する。このような実
施形態には、イオン化物質レザーバがゲルまたはその他の高分子物質などの固形
または半固形物質を含むものが含まれる。特に好ましい実施形態において、イオ
ン化物質レザーバには、イオン導入法によって送達される物質が分散した高分子
フィルムが含まれる。送達される物質の移動性は電界の印加によって実質的に増
加し、標的上皮表面を介する効果的な送達が可能となる。このようなフィルムに
は、大量の水和物質を含める必要はない。好ましい実施形態では、電解質レザー
バ中の架橋ヒドロゲルは、大量の水を本質的に含むので、イオン導入の間、水レ
ザーバとして働くことができる。
【0030】 活性成分の溶液に緩衝剤を付与することは望ましいことであろう。薬剤イオン
と同様の電荷の緩衝剤イオンは、低いイオン移動性を有するであろう。このイオ
ンのイオン移動性制限は、1×10-4cm2/volt−sec以下であること
が好ましい。イオン化物質レザーバは、イオン化したまたはイオン化可能な薬剤
と競合するある量のイオンも含み、該イオン量は送達されるイオン化したまたは
イオン化可能な薬剤のフラックスプロフィルを制御するのに充分であるべきであ
る。該イオン濃度は、レザーバ中の電解質の約0.06質量%より高く1.0質
量%未満の量であることが好ましい。該イオンの濃度は、レザーバ中の電解質の
約0.146質量%(実施例9)から約0.9質量%(実施例6および12〜1
4)の範囲で存在することがより好ましい。
【0031】 (D.イオン導入法による送達のためのイオン化可能な物質(薬剤)) イオン薬剤は、陽極、陰極、または同時に両方から送達することができる。た
とえば、体内に送り込まれるイオン物質が正に荷電している場合、正極または陽
極が活性電極であり、負極または陰極は電気化学的回路を完成する役割を果たし
ている。あるいは、送達されるイオン物質が負に荷電している場合、負極が活性
電極で正極は無関係電極である。あるいは、薬剤製剤はイオン化したまたはイオ
ン化可能な薬剤と競合するある量のイオンを含むことができ、該イオン量は、送
達されるイオン化薬剤またはイオン化可能な薬剤のフラックスプロフィルを制御
するのに十分であるべきである。該イオン濃度は、レザーバ中の電解質の約0.
06質量%より高く、1.0質量%未満の量であることが好ましい。該イオンの
濃度は、レザーバ中の電解質の約0.146質量%(実施例9)から約0.9質
量%(実施例6および12〜14)の範囲で存在することがより好ましい。
【0032】 (E.保護バッキング) 本発明のイオン導入装置は、電解質レザーバの上部に位置する適当なバッキン
グフィルムを含むこともできる。該バッキングフィルムは、存在する場合は電流
分配メンバーと装置の電解質レザーバとに対する汚染および損傷から保護する。
【0033】 (F.リリースライナー) 本発明のイオン導入装置は、接着剤によってイオン化物質レザーバの下面に固
定することができるリリースライナーを任意選択で含む。該リリースライナーは
、装置を使用していないとき、上皮表面と接触するイオン化物質レザーバの表面
を汚染および損傷から保護する。装置を用いるための準備をするとき、患者に装
置を適用するためにリリースライナーを剥離してイオン化レザーバの上皮接触面
を露出することができる。
【0034】 (G.無関係電極) イオン導入装置は、患者の皮膚に薬剤イオンを送り込むための電位を付与する
ために、少なくとも2個の電極を必要とする。両方の電極は皮膚と電気的に密接
に接触するように配置されており、それによってイオン導入装置の陽極パッドお
よび陰極パッドによって形成される電気化学的回路が完成する。電極パッドはさ
らに、イオン薬剤が体内に送達される活性電極として定義してもよい。無関係電
極または接地電極は、電気化学的回路が完成するように働く。1995年9月2
9日に出願されたReddy他による「Low−Cost Electrode
s for Iontophoretic Device」の名称で出願された
米国特許出願第08/536,029号に記載されたものなど、種々のタイプの
電極を用いることができる。
【0035】 図1に示したように、本発明のイオン導入装置50の一実施形態は、以下のよ
うに、皮膚接触コンパートメント13とイオン的に連絡する陽電極コンパートメ
ント11を有する陽極パッチ10から形成される。皮膚接触コンパートメント1
3および陽電極コンパートメント11は、コンパートメント分離手段(膜)17
によって分離することができる。陽電極コンパートメント11は、陽極14およ
び電解質(陽極液)15も含む。皮膚接触コンパートメントは、患者の皮膚36
に付着する。陰極パッチ20は、皮膚接触コンパートメント23とイオン的に連
絡する陰電極コンパートメント21を有する。皮膚接触コンパートメント23お
よび陰電極コンパートメント21は、コンパートメント分離手段(膜)27によ
って分離することができる。陰電極コンパートメント21は、陰極24および電
解質(陰極液)25も含む。皮膚接触コンパートメントは患者の皮膚36に付着
する。
【0036】 本発明はイオン導入との関連で記載されている一方、その他の原理の活性導入
、すなわち原動力との関連で用いてもよいことを理解されたい。したがって、本
発明は、一方または他方の電極(陽極または陰極)に向かう電界の粒子の運動を
含む電気泳動、および電界によって誘導された水のバルク移動による非荷電化合
物の輸送を含む電気浸透との関連で作動できるものと理解される。さらに、患者
または対象にはヒトおよび動物を含めることができることを理解されたい。
【0037】 (実施例) (実施例1:In vitro切除皮膚送達実験) パッチ設計:2(2)コンパートメントパッチ設計には、2cm2の皮膚接触
領域を有し、容積0.30mLの吸着薬剤レザーバが含まれる。該薬剤レザーバ
は、100MWCO限外濾過膜によって電極コンパートメントから分離されてい
る。電極コンパートメントには、ヒドロゲルに入れた銀陽極および陽イオン交換
媒体が含まれる。モノリシックパッチの設計も使用でき、2層の吸着物質の中間
にはさんだ銀陽極から構成されるサンドイッチから成る。パッチは、組み立てて
、皮膚に適用する直前に投与溶液を充填する。
【0038】 実験プロコトル:受容体拮抗物質のイオン導入法による送達は、フロースルー
in vitroシステムで実施した。塩化銀メッシュリターン陰極をポリカー
ボネートフロースルーセルの上流に配置した。新鮮な皮膚切断した(1mm)ブ
タ皮膚を多孔性支持体上のセルに載せた。パッチに薬剤水溶液を充填し、次いで
切除した皮膚の上部に置いた。該パッチは、パッチの均等な圧力を維持するスプ
リング負荷機構によって固定した。セルを通して受容溶液を引く蠕動性ポンプに
よって、セルを「満たした」。セルからの溶出液をフラクションコレクタで収集
した。流速は一般に0.25ml/minとした。受容溶液は、10mM HE
PES、100mM NaCl、PEG400、および界面活性剤Pluron
ic P−103を含む、等張の緩衝食塩水pH7.4とした。イオン導入電流
は、WIP電池によって供給され、印加電流および電池の電圧は、Flukeデ
ータバケットで記録した。
【0039】 結果:図(2)は、イオン導入がGPIIb/IIIa受容体拮抗物質を24
時間にわたって一定のフラックスレベルで送達することを可能にする手段である
ことを示している。特に、図2では、イオン導入法による送達開始後、4時間か
ら24時間の間に約3.5μh/cm2の定常的な薬剤フラックスを示している
。皮膚間の送達変動も小さい。図(3)は、in−vitro送達が、電流に比
例し、フラックスが24時間にわたって極めて一定であることを示している。こ
れらの実験では、フラックスは速やかに定常状態に達し、フラックスレベルは電
流の終了により速やかに低下することが証明される。特に、図3は、イオン導入
法による送達の開始後、4時間から24時間の間、定常的な薬剤フラックスを示
している。
【0040】 (実施例2:In vivoでのブタの実験) パッチ設計:上記と同じである。
【0041】 実験プロトコル:それぞれの実験において、動物の皮膚に適用する直前にパッ
チに薬剤溶液を充填した。体重20〜35kgの麻酔していないヨークシャ種の
ブタを使用した。パッチをあてた皮膚部位を湿ったガーゼパッドできれいに拭い
た。パッチを接着剤、弾性ラップで包装して、パッチを定位置に保持した。別々
の一定電流電源を各イオン導入パッチシステムに備えた。電流および電圧の読み
とりを行い、Flukeデータバケットで記録した。血液試料は、IVカテーテ
ルを通して、大静脈からEDTAを含んだVACUTAINER(商標)採血管
に引き入れた。ゆっくり混合した後、採血管を遠心して血漿を分離し、きれいな
ポリプロピレン試験管に移し、ドライアイス上で凍結した。凍結試料をアッセイ
するまで−80℃で保存した。
【0042】 結果:図(4)および図(5)は、一定のイオン導入および一定のIV注入を
使用したGPIIb/IIIaのブタへのin−vivo送達の比較を示してい
る。この結果は、両方の送達技術によって得られた血液濃度は同様であり、イオ
ン導入で認められた血漿濃度の変動は小さいことを示している。
【0043】 (実施例3:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導入
法による送達、膜セパレータの影響) 原理:食塩水濃度の選択、および陽イオンである薬剤レザーバ中の任意の電解
質イオンが電流に対し薬剤と競合するという事実により、パッチ設計は3つのプ
ロフィルのうちの1つに分けることができる。
【0044】 a)ボーラスまたはピークプロフィル:これは、低い、またはゼロに近い食塩
水濃度を用いることによって得られる。レザーバ中の薬剤陽イオンと競合するそ
の他の陽イオンがほとんど、または全くないので、フラックスは高くから始まり
、次いで薬剤レザーバ中に時間と共に電解質陽イオンが蓄積するにつれて減少し
、次いで、図6(10mM 食塩)に示すように、イオン導入法による送達開始
後12時間から24時間まで定常的な薬剤送達プロフィルが得られる。 b)ほぼ平坦なプロフィル:レザーバが開始時に約75mMの食塩水を含む場
合、食塩水濃度が増加も減少もせず、定常なフラックスが得られる。または、 c)時間と共に増加するプロフィル:同様に、高濃度食塩水で開始した場合、
時間と共に食塩濃度が減少し、電流に対し競合するゆえに薬剤フラックスは時間
と共に増加する。
【0045】 パッチ:GPIIb/IIIa拮抗物質100mg/mLを充填した、サイズ
排除または陰イオン交換膜セパレータを有する、2重コンパートメント2cm2
パッチ設計。
【0046】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を400μAで印加。
【0047】 結果:図(6)は、400μAにおける2重コンパートメントパッチに対する
送達速度プロフィルを比較している。陰イオン交換膜パッチが幾分大きな送達を
もたらすが、2つのプロフィルは同様である。これらの結果は、ボーラスまたは
ピークプロフィルに一致し、フラックスは高く開始し、時間と共に電解質陽イオ
ンが蓄積するにつれて減少する。特に、図6に見られるように、フラックスは、
イオン導入法による送達の最初の4時間の間に0から120μg/hまで増加し
、イオン導入法による送達26時間では40μg/hまで一様に減少する。
【0048】 (実施例4:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導入
法による送達、クロリド塩の影響) パッチ:50mg/mLクロリド塩を充填した2重コンパートメント2cm2
パッチ設計。
【0049】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を100μAおよび200μA
で印加。
【0050】 結果:これらの実施の送達速度プロフィルを図(7)に示す。100μAでの
結果は、10〜20μg/hにおいてほぼ平坦な送達を示している。より高い電
流(200μA)での実施では、20〜35μg/hの範囲におけるほぼ一定の
送達となった。これらの結果はほぼ平坦なプロフィルに一致し、イオン導入法に
よる送達開始後6時間から27時間の間に定常的なフラックスが得られる。
【0051】 (実施例5:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導入
法による送達、電流、薬剤濃度、および塩分の影響) パッチ:1mM NaCl、150mg/mL製剤または75mM NaCl
、100mg/mL製剤のいずれかを充填した2重コンパートメント2cm2
ッチ設計。
【0052】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を100μAまたは400μA
のいずれかで印加。
【0053】 結果:図(8)において、これらの条件に対する送達速度プロフィルが比較さ
れている。100μAおよび400μでの両者のプロフィルは前のプロフィルよ
りも改善が認められ、24時間のイオン導入期間においてより均一な送達速度が
もたらされた。これらの結果も、イオン導入法による送達開始後4時間から26
時間の間において、ほぼ平坦なプロフィルと一致した。
【0054】 (実施例6:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導入
法による送達、クロリド塩の影響) パッチ:154mM NaCl、50mg/mLクロリド塩を充填した2重コ
ンパートメント2cm2パッチ設計、および154mM NaCl、150mg
/mLクロリド塩を充填した2重コンパートメント2cm2パッチ設計。
【0055】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を250μAで印加。
【0056】 結果:2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを図9Aおよび図9
Bに示す。結果から、NaCl濃度154mMでは、150mg/mLクロリド
塩のより高い薬剤濃度を有するパッチの送達速度は、50mg/mLクロリド塩
の薬剤濃度を有するパッチよりも速い送達速度であることが示される(図9A)
。特に、図9Bでは、イオン導入法による送達開始後4時間から24時間の間、
20〜25μg/hのほぼ平坦な送達プロフィルが示され、一方図9Aでは、イ
オン導入法による送達開始後4時間から24時間の間、10μg/hのほぼ平坦
な送達プロフィルが示される。
【0057】 (実施例7:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導入
法による送達、高NaCl濃度でのクロリド塩の影響) パッチ:250mM NaCl、50mg/mLクロリド塩を充填した2重コ
ンパートメント2cm2パッチ設計、および250mM NaCl、150mg
/mLクロリド塩を充填した2重コンパートメント2cm2パッチ設計。
【0058】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を250μAで印加。
【0059】 結果:2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを図10Aおよび図
10Bに示す。結果から、高NaCl濃度では、150mg/mLクロリド塩の
薬剤濃度を有するパッチの送達速度(図10B)は、50mg/mLクロリド塩
の薬剤濃度を有するパッチ(図10A)よりも速い送達速度であることが示され
る。特に、図10Bでは、イオン導入法による送達開始後4時間から24時間の
間、約27μg/hのほぼ平坦な送達プロフィルが示され、一方図10Aでは、
イオン導入法による送達開始後4時間から24時間の間、15μg/hのほぼ平
坦な送達プロフィルが示される。したがって、高薬剤濃度および高NaCl濃度
を有するパッチは望ましい結果をもたらす。
【0060】 さらに、電流250μAにおける薬剤濃度150mg/mLを有するパッチの
プロフィルを示した図9Bと図10Bを比較すると、望ましい結果がより高いN
aCl濃度で得られることが明らかである。特に、図10B(NaCl濃度25
0mM)では、図9B(NaCl濃度154mM)よりも非常に滑らかなプロフ
ィルが示されている。
【0061】 (実施例8:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導入
法による送達、電流の影響。) パッチ:87.5mM NaCl、50mg/mLクロリド塩を充填した2重
コンパートメント2cm2パッチ設計。
【0062】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を100μAおよび200μA
で印加。
【0063】 結果:2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを図11Aおよび図
11Bに示す。結果から、電流200μA(図9B)では電流100μA(図1
1A)よりも送達速度が速いことが示される。特に、図11Bでは、イオン導入
法による送達開始後4時間から24時間の間、22μg/hから28μg/hの
ほぼ平坦な送達プロフィルが示され、一方図11Aでは、イオン導入法による送
達開始後4時間から24時間の間、5〜10μg/hのほぼ平坦な送達プロフィ
ルが示される。
【0064】 (実施例9:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導入
法による送達、低NaCl濃度でのクロリド塩の影響。) パッチ:25mM NaCl、50mg/mLクロリド塩を充填した2重コン
パートメント2cm2パッチ設計、および25mM NaCl、150mg/m
Lクロリド塩を充填した2重コンパートメント2cm2パッチ設計。
【0065】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を250μAで印加。
【0066】 結果:2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを図12Aおよび図
12Bに示す。結果から、低NaCl濃度では、150mg/mLクロリド塩の
薬剤濃度での送達速度(図12B)は、50mg/mLクロリド塩の薬剤濃度で
の送達速度(図12A)よりも速いことが示される。特に、図12Bで示される
送達速度は、イオン導入法による送達開始後4時間から24時間の間に約55μ
g/hから約45μg/hまでゆっくり減少する。図12Aの送達速度は、イオ
ン導入法による送達開始後4時間から24時間の間に、約32〜33μg/hか
ら約20μg/hまでゆっくり減少する。さらに、図12Aおよび図12Bで示
された薬剤送達プロフィル(NaCl濃度25mM)は、図9Aおよび図9Bで
示されたプロフィル(NaCl濃度154mM)ほど滑らかではない。
【0067】 (実施例10:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導
入法による送達、高薬剤濃度での電流の影響。) パッチ:87.5mM NaCl、150mg/mLクロリド塩を充填した2
重コンパートメント2cm2パッチ設計。
【0068】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を100μAおよび400μA
で印加。
【0069】 結果:2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを図13Aおよび図
13Bに示す。結果から、電流400μAでの薬剤送達速度(図13B)は、電
流100μAでの薬剤送達速度(図13A)よりも速いことが示される。特に、
図13Bで示された送達速度は、イオン導入法による送達開始後4時間から24
時間の間に、約54μg/hから40μg/hまで減少し、次いで滑らかになり
、次いで約48μg/hまで増加する。図13Aで示された薬剤送達速度は、イ
オン導入法による送達開始後4時間から24時間の間で約10μg/hから約2
5μg/hまでゆっくり増加する。さらに、図13Aおよび図13Bで示された
パッチのプロフィルは、図11Aおよび図11Bで示されたように、低薬剤濃度
での同様のパッチのプロフィルほど滑らかではない。
【0070】 (実施例11:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導
入法による送達、低薬剤濃度でのNaClおよびNaメシレートの影響。) パッチ:154mM NaCl、30mg/mLクロリド塩を充填した2重コ
ンパートメント2cm2パッチ設計、および150mM Naメシレート、30
mg/mLクロリド塩を充填した2重コンパートメント2cm2パッチ設計。
【0071】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を150μAで印加。
【0072】 結果:2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを図14Aおよび図
14Bに示す。結果から、154mM NaCl、30mg/mLクロリド塩(
図14A)と150mM Naメシレート、30mg/mLクロリド塩(図14
B)の薬剤濃度での薬剤送達プロフィルは同様であることが示される。特に、図
14Aでは、イオン導入法による送達開始後4時間から24時間の間、5〜7μ
g/hのほぼ平坦な送達プロフィルが示され、図14Bでは、イオン導入法によ
る送達開始後4時間から24時間の間、6〜8μg/hのほぼ平坦な送達プロフ
ィルが示される。したがって、異なる塩溶液を用いて、所望の結果を得ることが
できる。
【0073】 (実施例12:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導
入法による送達、低電流およびNaCl濃度154mMでの薬剤濃度の影響。) パッチ:154mM NaCl、10mg/mLクロリド塩を充填した2重コ
ンパートメント2cm2パッチ設計、および154mM NaCl、50mg/
mLクロリド塩を充填した2重コンパートメント2cm2パッチ設計。
【0074】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を50μAで印加。
【0075】 結果:2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを図15Aおよび図
15Bに示す。結果から、50μAの低電流では、10mg/mLクロリド塩(
図15A)と50mg/mLクロリド塩(図15B)の薬剤濃度での薬剤送達プ
ロフィルは同様であることが示される。特に、図15Aでは、イオン導入法によ
る送達開始後4時間から24時間の間、3〜5μg/hのほぼ平坦な送達プロフ
ィルが示され、図15Bでも、イオン導入法による送達開始後4時間から24時
間の間、約4μg/hのほぼ平坦な薬剤送達プロフィルが示される。図15Aお
よび図15B両方で示された結果は、ほぼ平坦な薬剤送達プロフィルに一致する
。したがって、50μAの低い電流においても、望ましい結果を得ることができ
る。
【0076】 さらに、図9Aと図15Bを比較すると、電流50μA(図15B)または電
流250μA(図9A)のいずれも、薬剤濃度50mg/mL、NaCl濃度1
54mMでは、滑らかな薬剤送達プロフィルが得られることが明らかである。
【0077】 (実施例13:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導
入法による送達、電流250μAおよびNaCl濃度154mMでの薬剤濃度の
影響。) パッチ:154mM NaCl、10mg/mLクロリド塩を充填した2重コ
ンパートメント2cm2パッチ設計、および154mM NaCl、50mg/
mLクロリド塩を充填した2重コンパートメント2cm2パッチ設計。
【0078】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を250μAで印加。
【0079】 結果:2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを図16Aおよび図
16Bに示す。結果から、50mg/mLクロリド塩の薬剤濃度での薬剤送達速
度(図16B)は、10mg/mLクロリド塩の薬剤濃度での薬剤送達速度(図
16A)よりも速いことが示される。特に、図16Bで示された薬剤送達速度は
、イオン導入法による送達開始後4時間から24時間の間に、約13μg/hか
ら12μg/hまでゆっくり減少し、次いで滑らかになり、次いで約14μg/
hまで上昇する。図16Aで示された薬剤送達速度は、イオン導入法による送達
開始後4時間から24時間の間に、約10μg/hからゆっくり上昇し、次いで
約8μg/hまでゆっくり減少する。図16Aおよび図16Bで示された結果は
ともに、ほとんど平坦な薬剤送達プロフィルを示した。したがって、低薬剤濃度
、NaCl濃度154mMおよび250μAなど中間電流で、所望する結果が得
られる。
【0080】 (実施例14:GPIIb/IIIa拮抗物質のin vitroイオン導
入法による送達、NaCl濃度154mMおよび電流100μAでの低薬剤濃度
の影響。) パッチ:154mM NaCl、20mg/mLクロリド塩を充填した2重コ
ンパートメント2cm2パッチ設計。
【0081】 実験プロトコル:実施例1を参照のこと。電流を100μAで印加。
【0082】 結果:2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを図17Aおよび図
17Bに示す。両パッチは同一の薬剤、154mM NaClの塩濃度、20m
g/mLクロリド塩を有するので、予想通り、結果は同様の薬剤送達プロフィル
を示している。特に、図17Aでは、イオン導入法による送達開始後4時間から
24時間の間に、薬剤送達速度が9μg/hから7μg/hまで減少することが
示される。図17Bでは、イオン導入法による送達開始後4時間から24時間の
間、約8μg/hの平坦な薬剤送達速度が示される。したがって、中程度から低
電流100μAで低薬剤濃度およびNaCl濃度154mMを有するパッチは、
望ましい結果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のイオン導入装置の一実施形態を示す図である。
【図2】 2cm2、50μAでのGPIIb/IIIa受容体拮抗物質10mg/ml
および154mM NaClのin vitro送達を示す図である。
【図3】 治療フラックス濃度(1〜10μg/h)に対する、正に荷電したエステル薬
剤(GPIIb/IIIa受容体拮抗物質)10mg/mLおよび15NaCl
9mg/mLの切除したブタ皮膚を介したイオン導入法による送達を示す図であ
る。
【図4】 GPIIb/IIIa受容体拮抗物質の活性成分10μg/hと等価な速度で
麻酔していないブタに酸性薬剤をIV注入する間の該酸性薬剤の血漿濃度を示す
図である。
【図5】 2cm2パッチを用い、200μAでGPIIb/IIIa受容体拮抗物質2
0mg/mlおよび154mM NaClを麻酔していないブタにイオン導入法
により送達した後のGPIIb/IIIa受容体拮抗物質酸性薬剤の血漿濃度を
示す図である。
【図6】 電流400μAでの2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを比較
した図である。
【図7】 50mg/mLクロリド塩を充填し、電流100μAおよび200μAで実施
した、2重コンパートメントパッチの送達プロフィルを示す図である。
【図8】 1mM NaCl、150mg/mL製剤を充填し、100μAの電流で実施
した、および75mM NaCl、100mg/mL製剤を充填し、400μA
の電流で実施した、2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図
である。
【図9A】 154mM NaCl、50mg/mL製剤を充填し、250μAの電流で実
施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図9B】 154mM NaCl、150mg/mL製剤を充填し、250μAの電流で
実施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図10A】 250mM NaCl、50mg/mL製剤を充填し、250μAの電流で実
施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図10B】 250mM NaCl、150mg/mL製剤を充填し、250μAの電流で
実施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図11A】 87.5mM NaCl、50mg/mL製剤を充填し、100μAの電流で
実施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図11B】 87.5mM NaCl、50mg/mL製剤を充填し、400μAの電流で
実施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図12A】 25mM NaCl、50mg/mL製剤を充填し、250μAの電流で実施
した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図12B】 25mM NaCl、150mg/mL製剤を充填し、250μAの電流で実
施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図13A】 87.5mM NaCl、150mg/mL製剤を充填し、100μAの電流
で実施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図13B】 87.5mM NaCl、150mg/mL製剤を充填し、400μAの電流
で実施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図14A】 154mM NaCl、30mg/mL製剤を充填し、150μAの電流で実
施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図14B】 150mM Naメシレート、30mg/mL製剤を充填し、150μAの電
流で実施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である
【図15A】 154mM NaCl、10mg/mL製剤を充填し、50μAの電流で実施
した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図15B】 154mM NaCl、50mg/mL製剤を充填し、50μAの電流で実施
した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図16A】 154mM NaCl、10mg/mL製剤を充填し、250μAの電流で実
施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図16B】 154mM NaCl、50mg/mL製剤を充填し、250μAの電流で実
施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図17A】 154mM NaCl、20mg/mL製剤を充填し、100μAの電流で実
施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
【図17B】 154mM NaCl、20mg/mL製剤を充填し、100μAの電流で実
施した2重コンパートメントパッチの送達速度プロフィルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C053 HH02 HH04

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン導入法によって送達されるイオン化したまたはイオン
    化可能な薬剤のフラックスプロフィルを制御するためのイオン導入装置であって
    、 (a)電流分配メンバーと、 (b)電流分配メンバーと電気的に連絡し、かつ患者の上皮表面とイオン的に
    連絡するようにされた、イオン化したまたはイオン化可能な物質を含むイオン化
    物質レザーバであって、前記イオン化物質レザーバは、前記イオン化したまたは
    イオン化可能な薬剤と競合するある量のイオンも含み、前記イオン量は、前記送
    達されるイオン化したまたはイオン化可能な薬剤の前記フラックスプロフィルを
    制御するのに十分である、イオン化物質レザーバと、 (c)異なる電極と電気的に連絡し、上皮表面とイオン的に連絡した、電解質
    を含む電解質レザーバと、 (d)前記電流分配メンバーおよび前記電解質レザーバに電流送達接続してい
    る電源と、を含むことを特徴とするイオン導入装置。
  2. 【請求項2】 イオン導入法によって送達されるイオン化したまたはイオン
    化可能な薬剤のフラックスプロフィルを制御する方法であって、イオン導入法に
    よる送達の前に、前記イオン化したまたはイオン化可能な薬剤とイオン的に連絡
    したレザーバに、前記イオン化したまたはイオン化可能な薬剤と競合する、前記
    レザーバ中の電解質の約0.06質量%より高く1.0質量%未満の濃度のイオ
    ンを添加または存在させることを含み、前記レザーバが電極アセンブリと電気的
    に連絡していることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.146質量%
    から約0.9質量%の濃度を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.292質量%
    の濃度を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.438質量%
    の濃度を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.58質量%の
    濃度を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.511質量%
    の濃度を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.877質量%
    の濃度を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.9質量%の濃
    度を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.146質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  11. 【請求項11】 イオン導入法によって送達される正に荷電したイオン薬剤
    のフラックスプロフィルを制御する方法であって、 前記薬剤を負に荷電した対イオンとともに含むレザーバを形成し、前記レザー
    バから患者の体表面に電荷を運ぶことに対して前記薬剤イオンと競合するある濃
    度の陽イオンを前記レザーバに添加することであって、前記陽イオン濃度が前記
    レザーバ中の電解質の約0.06質量%より高く1.0質量%未満であること、 電気伝導性メンバーを前記レザーバに適用することであって、前記電気伝導性
    メンバーは、該伝導性メンバーが前記レザーバと接触し、かつ正の電圧が前記伝
    導性メンバーに印加されたときに、容易に酸化される犠牲物質を含み、該物質は
    酸化されると前記対イオンと容易に結合して、前記正の電圧を印加する間、前記
    レザーバ内で実質的に不動性の化合物を形成すること、および 前記イオン薬剤を含む前記レザーバが前記患者の体表面に対して薬剤を輸送す
    る関係にあること、および前記レザーバが前記患者の体表面に対して薬剤を輸送
    する関係にあって、かつ前記伝導性メンバーが前記レザーバに適用される間、前
    記物質を酸化し、かつ前記イオン薬剤を前記患者の体表面を通して送るために正
    の電圧を前記伝導性メンバーに印加し、それによって、前記レザーバから電荷を
    運ぶことに対して前記薬剤イオンと競合することができる陽イオンの存在下で前
    記イオン薬剤を前記体表面を通して送ること、を含むことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.146質量
    %から約0.9質量%の濃度を有することを特徴とする請求項11に記載の方法
  13. 【請求項13】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.292質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.438質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.58質量%
    の濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.511質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.877質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.9質量%の
    濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.146質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  20. 【請求項20】 イオン導入法によって送達される負に荷電したイオン薬剤
    のフラックスプロフィルを制御する方法であって、 前記薬剤を正に荷電した対イオンとともに含むレザーバを形成し、前記レザー
    バから患者の体表面に電荷を運ぶことに対して前記薬剤イオンと競合するある濃
    度の陰イオンを前記レザーバに添加することであって、前記陰イオンの濃度が前
    記レザーバ中の電解質の約0.06質量%より高く1.0質量%未満であること
    、 電気伝導性メンバーを前記レザーバに適用することであって、前記電気伝導性
    メンバーは、該伝導性メンバーが前記レザーバと接触し、負の電圧が前記伝導性
    メンバーに印加されたときに、容易に還元される犠牲物質を含み、該物質は還元
    されると前記対イオンと容易に結合して、前記負の電圧を印加する間、前記レザ
    ーバ内で実質的に不動性の物質を形成すること、および 前記イオン薬剤を含む前記レザーバが前記患者の体表面に対して薬剤を輸送す
    る関係にあること、および前記レザーバが前記患者の体表面に対して薬剤を輸送
    する関係にあって、かつ伝導性メンバーが前記レザーバに適用される間、前記物
    質を還元し、かつ前記イオン薬剤を前記患者の体表面を通して送るために負の電
    圧を前記伝導性メンバーに印加し、それによって、前記レザーバから電荷を運ぶ
    ことに対して薬剤イオンと競合することができる陰イオンの存在下で前記イオン
    薬剤を前記体表面を通して送ること、を含むことを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.146質量
    %から約0.9質量%の濃度を有することを特徴とする請求項20に記載の方法
  22. 【請求項22】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.292質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.438質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.58質量%
    の濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.511質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.877質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.9質量%の
    濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.146質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  29. 【請求項29】 イオン導入法によって送達されるイオン化したまたはイオ
    ン化可能な薬剤のフラックスプロフィルを制御する方法であって、 イオン導入法による送達の前に、前記イオン化したまたはイオン化可能な薬剤
    を有するレザーバに、前記イオン化したまたはイオン化可能な薬剤と競合する、
    前記レザーバ中の電解質の約0.06質量%より高く1.0質量%未満の濃度を
    有するイオンを添加または存在させることを含み、前記イオン化したまたはイオ
    ン化可能な薬剤および競合イオンが前記レザーバとイオン的に連絡し、前記レザ
    ーバが電極アセンブリと電気的に連絡していることを特徴とする方法。
  30. 【請求項30】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.146質量
    %から約0.9質量%の濃度を有することを特徴とする請求項29に記載の方法
  31. 【請求項31】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.292質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.438質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.58質量%
    の濃度を有することを特徴とする請求項30に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.511質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項30に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.877質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項30に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.9質量%の
    濃度を有することを特徴とする請求項30に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記イオンが前記レザーバ中の電解質の約0.146質量
    %の濃度を有することを特徴とする請求項30に記載の方法。
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