JP2583572Y2 - 工作機械のワイパー装置及びカバー装置 - Google Patents

工作機械のワイパー装置及びカバー装置

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JP2583572Y2
JP2583572Y2 JP1993026710U JP2671093U JP2583572Y2 JP 2583572 Y2 JP2583572 Y2 JP 2583572Y2 JP 1993026710 U JP1993026710 U JP 1993026710U JP 2671093 U JP2671093 U JP 2671093U JP 2583572 Y2 JP2583572 Y2 JP 2583572Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、工作機械における開
口部開閉カバー又は摺動面保護カバー等の可動カバーの
加工室側面に付着した切粉を除去するワイパー装置、及
び、これを装備したカバー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、旋盤には図5及び図6に示すよ
うな前面開閉カバー1や図8及び図9に示すような摺動
面保護カバー2が設けられている。これらのカバー1,
2は加工室3に面しているため、加工中に発生した切粉
Cが各カバー1,2の加工室側面に付着しやすい。そこ
で、従来から、前面開閉カバー1には図7に示すような
ワイパー装置4が、また、摺動面保護カバー2には図1
0に示すようなワイパー装置5が設けられている。従来
のワイパー装置4,5は、加工室3の側面を覆う固定カ
バー6にゴム等からなるワイパー板7をネジ8により押
え金9を介して取り付け、ワイパー板7を所定の押え代
aで前面開閉カバー1及び摺動面保護カバー2の加工室
側面に圧接し、カバー1,2の移動に伴いワイパー板7
が加工室側面を扱いて切粉Cを除去するように構成され
ている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、従来のワイ
パー装置4,5によると、図11に示すように、カバー
1,2が傾いたり湾曲したりした場合に押え代がなくな
り、その箇所でカバー1,2とワイパー板7との密着性
が悪くなり、切粉Cが機外に洩れたり摺動面に侵入した
り、或いは、切粉Cの堆積によってカバー1,2の開閉
に支障をきたしたりする等の問題点があった。また、密
着性をよくするために押え代aを大きく設定すると、ワ
イパー板7の摺動抵抗が増大して、カバー1,2の動き
が重くなるという不具合もあった。
【0004】そこで、この考案の課題は、可動カバーが
傾いたり湾曲したりした場合でもその加工室側面に付着
した切粉を確実に除去できるワイパー装置、及び、この
ワイパー装置を備えることによって可動カバーをスムー
ズに開閉できるカバー装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この考案のワイパー装置は、固定カバーにスクレ
ーパを可動カバーの加工室側面に圧接するように設ける
と共に、該スクレーパの内側にサポート板によりバネ鋼
板をスクレーパ側に湾曲するように取り付け、前記バネ
鋼板の先端にゴムまたは合成樹脂からなるワイパー片を
固着し、前記ワイパー片をバネ鋼板の弾力により可動カ
バーの加工室側面に圧接して構成される。
【0006】また、この考案のカバー装置は、前記ワイ
パー装置を可動カバーの移動方向に2列に配設し、各ワ
イパー装置の間にクーラントを吐出するクーラントノズ
ルを固定カバーに設けて構成される。
【0007】
【作用】この考案のワイパー装置によれば、ワイパー片
がバネ鋼板の弾力により可動カバーの加工室側面に圧接
されるので、カバーが傾いたり湾曲したりした場合で
も、ワイパー片を充分な押え代で可動カバーに密着し
て、可動カバーの移動に伴いその加工室側面に付着した
切粉を確実に除去できる。
【0008】また、この考案のカバー装置によれば、2
列のワイパー装置が可動カバーの加工室側面に付着した
切粉を確実に除去するうえ、クーラントが各ワイパー装
置の間に侵入した微細な切粉を洗い流す。従って、ワイ
パー片の押え代を小さく設定した場合でも、摺動部から
切粉を確実に排除できて、可動カバーを軽くスムーズに
開閉できる。
【0009】
【実施例】以下、この考案を旋盤に具体化した一実施例
を図1〜図4に基づいて説明する。旋盤の前面開口部に
は図1に示すようなワイパー装置4が設けられている。
このワイパー装置4は、加工室3の側面を覆う固定カバ
ー6にサポート板11、バネ鋼板12、及びスクレーパ
13をそれぞれの基端部を接合した状態でネジ8により
押え金9を介し固定して構成されている。
【0010】サポート板11は湾曲状に形成され、これ
によってバネ鋼板12が加工室3側へ撓曲されている。
バネ鋼板12の先端にはゴム又は合成樹脂からなるワイ
パー片14が固着され、該ワイパー片14はバネ鋼板1
2の弾力で前面開閉カバー1の加工室側面に所定の押え
代a(例えば5mm)で圧接されている。スクレーパ1
3はワイパー片14の近傍において前面開閉カバー1の
加工室側面に圧接されている。
【0011】上記構成のワイパー装置4においては、前
面開閉カバー1が図1の左側へ開放されたときに、ま
ず、スクレーパ13が前面開閉カバー1の加工室側面に
付着した切粉Cを除去し、次いで、ワイパー片14が残
りの切粉Cを除去する。このとき、ワイパー片14はバ
ネ鋼板12の弾力により前面開閉カバー1の加工室側面
に圧接されているので、前面開閉カバー1が傾いたり湾
曲したりした場合でも、ワイパー片14を充分な押え代
aで前面開閉カバー1に密着できて、その加工室側面に
付着した切粉Cを確実に除去することができる。また、
スクレーパ13がワイパー片14に先立って切粉Cを除
去するので、ワイパー片14の寿命が長くなるという利
点もある。
【0012】一方、旋盤の摺動部には図2〜図4に示す
ようなカバー装置16が設けられている。このカバー装
置16には、ワイパー装置5が摺動面保護カバー2の移
動方向に平行に2列配設されている。外側のワイパー装
置5は、前面開口部のワイパー装置4と同様に、固定カ
バー6にサポート板11、バネ鋼板12、及びスクレー
パ13をネジ8により押え金9を介し共締めして構成さ
れている。内側のワイパー装置5は、固定カバー6にサ
ポート板11及びバネ鋼板12を取り付けて構成され、
スクレーパは設けられていない。
【0013】また、固定カバー6の上部には各ワイパー
装置5の間にクーラントを吐出するクーラントノズル1
7が設けられ、このクーラントノズル17は配管18を
介してポンプ19に接続されている。ポンプ19は、旋
盤の稼働中にクーラントをクーラントノズル17に常時
供給できるように本機電源のON/OFFに連動して運
転されるとともに、加工部にもクーラントを供給できる
ように配管20及び開閉バルブ21を介して刃物台22
に接続されている。
【0014】上記構成のカバー装置16によれば、2列
のワイパー装置5が、前面開口部のワイパー装置4と同
様に、摺動面保護カバー2の加工室側面に付着した切粉
Cを確実に除去する。そのうえ、クーラントノズル17
から吐出されたクーラントが各ワイパー装置5の間に侵
入した微細な切粉Cを洗い流す。従って、ワイパー片1
4の押え代を小さく設定した場合でも切粉Cを摺動部か
ら確実に排除でき、もって、摺動面保護カバー2を軽く
スムーズに開閉することができる。
【0015】なお、この考案は上記実施例に限定される
ものではなく、例えば、摺動部のカバー装置16を旋盤
の前面開口部に適用したり、本考案を旋盤以外の各種工
作機械に応用したりするなど、本考案の趣旨を逸脱しな
い範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して具体化
することも可能である。
【0016】
【考案の効果】以上に詳述したように、請求項1の考案
によれば、ワイパー片がバネ鋼板の弾力により可動カバ
ーの加工室側面に圧接するように構成したので、可動カ
バーが傾いたり湾曲したりした場合でも、その加工室側
面に付着した切粉を確実に除去できるという優れた効果
を奏する。また、スクレーパがワイパー片に先立って切
粉を除去するように構成したので、ワイパー片の寿命が
長くなるという効果をも奏する。
【0017】請求項2の考案によれば、2列のワイパー
装置の間にクーラントノズルを設けて構成したので、ワ
イパー片の押え代を小さく設定した場合でも、摺動部か
ら切粉を確実に排除でき、もって、可動カバーを軽くス
ムーズに開閉できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す旋盤の前面開口部用ワイ
パー装置の断面図である。
【図2】本考案の実施例を示す旋盤の摺動部用カバー装
置の断面図である。
【図3】図2のカバー装置を示す旋盤の斜視図である。
【図4】図3の旋盤の側断面図である。
【図5】前面開閉カバーを示す旋盤の斜視図である。
【図6】図5の旋盤の側断面図である。
【図7】従来の前面開口部用ワイパー装置の断面図であ
る。
【図8】従来の摺動部用ワイパー装置を示す旋盤の斜視
図である。
【図9】図8の旋盤の側断面図である。
【図10】図8のワイパー装置の断面図である。
【図11】従来のワイパー装置の問題点を指摘する説明
図である。
【符号の説明】
1・・前面開閉カバー、2・・摺動面保護カバー、3・
・加工室、4,5・・ワイパー装置、6・・固定カバ
ー、11・・サポート板、12・・バネ鋼板、13・・
スクレーパ、14・・ワイパー片、16・・カバー装
置、17・・クーラントノズル、C・・切粉、a・・押
え代。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23Q 11/08 B23Q 11/00

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定カバーにスクレーパを可動カバーの
    加工室側面に圧接するように設けると共に、該スクレー
    パの内側にサポート板によりバネ鋼板をスクレーパ側に
    湾曲するように取り付け、前記バネ鋼板の先端にゴムま
    たは合成樹脂からなるワイパー片を固着し、前記ワイパ
    ー片をバネ鋼板の弾力により可動カバーの加工室側面に
    圧接してなることを特徴とする工作機械のワイパー装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のワイパー装置を可動カ
    バーの移動方向に2列に配設し、各ワイパー装置の間に
    クーラントを吐出するクーラントノズルを固定カバーに
    設けてなることを特徴とする工作機械のカバー装置。
JP1993026710U 1993-05-21 1993-05-21 工作機械のワイパー装置及びカバー装置 Expired - Fee Related JP2583572Y2 (ja)

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JP5424029B2 (ja) * 2009-08-26 2014-02-26 豊和工業株式会社 横型マシニングセンタ
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