JP2583519Y2 - 地下鉄駅の換気装置 - Google Patents

地下鉄駅の換気装置

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JP2583519Y2
JP2583519Y2 JP927293U JP927293U JP2583519Y2 JP 2583519 Y2 JP2583519 Y2 JP 2583519Y2 JP 927293 U JP927293 U JP 927293U JP 927293 U JP927293 U JP 927293U JP 2583519 Y2 JP2583519 Y2 JP 2583519Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、地下鉄駅の換気装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来における地下鉄駅の換気装置
の例を示す断面構成図である。図3において、11は地下
鉄駅のプラットホームで、そのプラットホーム11を取り
囲む形でプラットホーム空間10が設けられている。そし
てこのプラットホーム空間10の両側にそれぞれ左右のト
ンネル空間20、30が接続されている。プラットホーム空
間10の上方には、天井12を介してコンコース空間40が設
けられている。このコンコース空間40の両側、即ち前記
左右のトンネル空間20、30がそれぞれ対応する両側に、
第1の換気用機械室51と第2の換気用機械室52とを設け
ている。この両換気用機械室51、52にはそれぞれ地上へ
の第1の換気口61、第2の換気口62が設けられている。
【0003】前記第1の換気用機械室51には第1の送風
機71と第2の送風機72と第3の送風機73とが設けられ、
前記第2の換気用機械室52には第4の送風機74が設けら
れている。本明細書において換気とは排気と給気の両方
の意味を含むものとし、図1と図2に示した排気装置の
他に、図示しない給気装置も存在する。前記第1の送風
機71には近くに位置する前記左のトンネル空間20の換気
を行う左トンネル空間換気ダクト81が接続され、第2の
送風機72にはプラットホーム空間10の換気を行うプラッ
トホーム空間換気ダクト82が接続され、第3の送風機73
には前記コンコース空間40の換気を行うコンコース空間
換気ダクト83が接続されている。また第2の換気用機械
室52の第4の送風機74には近くに位置する前記右のトン
ネル空間30の換気を行う右トンネル空間換気ダクト84が
接続されている。以上の構成により、従来の地下鉄駅の
換気装置では、左のトンネル空間20の換気とプラットホ
ーム空間10の換気とコンコース空間40の換気をそれぞれ
第1、第2、第3の送風機71、72、73により第1の換気
用機械室51と第1の換気口61を用いて行い、右のトンネ
ル空間30の換気は第4の送風機74により第2の換気用機
械室52と第2の換気口62を用いて行っている。このた
め、第1の換気用機械室51の規模(空間容積)は第2の
機械室52の規模(空間容積)よりも大きく、また第1の
換気口61の通気断面積は第2の換気口62の通気断面積よ
りも大きくなっている。
【0004】運転については、各空間、即ちプラットホ
ーム空間10、左右のトンネル空間20、30、コンコース空
間40における火災発生時の必要換気量がそれぞれ決めら
れており、これに対して通常時の必要換気量は、前記火
災発生時の必要換気量の半分程度でよい。このため、各
第1〜第4の送風機71、72、73、74の能力としては、そ
れぞれが対応する各空間10、20、30、40の火災発生時必
要換気量に対応できる能力のものを使用し、且つ通常時
の運転においては必要換気量の2倍程度の能力となって
いる。具体例を用いてさらに説明すると、図3に示すよ
うに、例えばプラットホーム空間10とコンコース空間40
では、それぞれ通常時換気量は50000 m3/hで、火災発生
時必要換気量もカッコ内に示すように50000 m3/hであ
る。一方、左右のトンネル空間20、30では、それぞれ通
常時換気量は100000m3/hで、火災発生時必要換気量もカ
ッコ内に示すように100000m3/hである。これは、プラッ
トホーム空間10とコンコース空間40に対応する第2の送
風機72と第3の送風機73は、それぞれ火災発生時必要換
気量の規模に合わせて50000 m3/hの能力を持つ送風機を
使用しているため、通常時も火災発生時と同じ能力とな
っている。また左右のトンネル空間20、30に対応する第
1の送風機71と第4の送風機74は、やはり火災発生時必
要換気量の規模に合わせて、それぞれ100000m3/hの能力
をもつ送風機を使用しているため、これも通常時と火災
発生時は同じ能力となっている。さらに第1の換気口61
は第1〜第3の送風機71、72、73の各能力(100000m3/
h、50000 m3/h、50000 m3/h)の合計規模に対応できる
ように200000m3/hの通風ができる断面積(20m2)とし、
第2の換気口62は第4の送風機74の能力(100000m3/h)
に対応できるように100000m3/hの通風ができる断面積
(10m2)としている。送風機の風量調整は、設計値より
能力の大きな送風機を設置し、換気ダクトを接続した
後、風量に応じてダンパを絞り、能力を下げることによ
り行っている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところが地下鉄駅にお
いて火災が発生した場合、実際には、排煙は、火災の位
置に応じて前記プラットホーム空間10、左のトンネル空
間20、右のトンネル空間30、コンコース空間40のいずれ
か1つの空間からだけ行うため、前記第1〜第4の送風
機71〜74も又、火災時にはいずれか1つの送風機だけを
使用するだけである。このことは逆に言えば、送風機71
〜74の全てにそれぞれ火災発生時必要換気量の能力を保
有させた従来の装置には、それら送風機が出力可能な合
計風量を1つとって見た場合においても、過剰設備的問
題がある。また前記送風機71〜74に対する過剰設備的問
題により、大能力の各送風機71〜74を配備するための換
気用機械室51、52の容積、並びに換気口61、62の占める
容積においてもまた過剰設備になっている。また、冬期
など換気運転を行っていない期間もあり、送風機が長期
間を経た後の火災発生時に確実に作動するかの信頼性も
低い。また前記送風機71〜74に対する過剰設備問題によ
り、換気塔から発生する大気汚染や騒音の発生が大き
く、周辺環境に悪影響を及ぼしている。また、各送風機
71〜74による風量をダンパによって絞って必要換気量を
得ることは、エネルギーのロスでもある。また、上記従
来の装置では、特に換気口61、62をプラットホーム空間
10の両側位置に2箇所に設ける必要があることから、地
下鉄駅への一般出入り口を含めた地上部の用地確保がし
難いという問題があり、また2箇所の排気口61、62の地
上部での位置に左右されて、地下の駅内部のレイアウト
の自由度が少なくなる問題があった。
【0006】そこで、本考案は上記従来の装置の問題点
を解消し、送風機が過剰設備とならず、大気汚染や騒音
発生が少なく、火災発生時に確実に作動し、送風機のエ
ネルギーに無駄が少なく、換気用の機械室、換気口の数
が少なく、容積が小さく、よって地上部における必要用
地が少なく、地下鉄駅内部のレイアウトの自由度が大き
い地下鉄駅の換気装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案の地下鉄駅の換気装置は、左右のトンネル空
間20、30を両側に接続するプラットホーム空間10と、
プラットホーム空間10の上方に存在するコンコース空間
40とを有する地下鉄駅における換気装置であって、前記
プラットホーム空間10の上方に1つの換気用機械室50を
設けると共に該換気用機械室50から地上部へ接続する1
つの換気口60を設け、前記機械室50に換気用の送風機70
を備えて、該送風機70に対して前記コンコース空間40か
らの換気通路とプラットホーム空間10からの換気通路
と、前記トンネル空間20、30からの換気通路とをそれ
ぞれ可変ダンパを介して接続し、且つ前記換気用送風機
70として、前記換気を行う各空間10、20、30、40の通常
時必要換気量の合計量若しくはそれ以上の換気能力を持
つ送風機を用いたことを第1の特徴としている。また本
考案の地下鉄駅の換気装置は、上記第1の特徴に加え
て、通常運転時においては、前記換気を必要とする各空
間10、20、30、40の全部について通常時必要換気量で換
気を行い、火災発生時には、前記各空間10、20、30、40
のうちの排煙を必要とする1つの空間に対してのみ、当
該空間の火災時必要換気量を確保した換気量で、換気を
行なう構成としたことを第2の特徴としている。また本
考案の地下鉄駅の換気装置は、上記第1又は第2の特徴
に加えて、換気用機械室50のある側とは反対側のトンネ
ル空間30からは換気通路94をプラットホーム11下の地中
または構造物内部を通して換気用機械室50に接続する構
成としたことを第3の特徴としている。
【0008】
【作用】上記本考案の第1の特徴によれば、通常時にお
いては、プラットホーム空間10、左右のトンネル空間2
0、30、コンコース空間40の各空間の空気がプラットホ
ーム空間10の上方に存在する1つの換気用機械室50の換
気用の送風機70によって1つの換気口60を通って地上部
の空気と換気される。よって換気用機械室を1つにする
ことができることはもとより、地上部に用地を必要とす
る換気口が1つとなり、2つの互いに離れた換気口のた
めの用地を確保する従来の場合に比べて、用地確保の問
題が非常に容易となる。また換気口の位置によって左右
される地下鉄駅の内部のレイアウトも格段に容易とな
る。また送風機70の換気能力を、前記換気を行う各空間
の通常時必要換気量の合計量若しくはそれ以上の換気能
力を持つ送風機によって各空間10、20、30、40の換気を
集中管理的に行うことができるので、送風機の台数を減
らすことができ、しかも送風機全体としての換気能力
(送風量)を各空間に必要な換気量の合計量とすること
で、過剰能力で運転する必要が全くなくなり、過剰設備
をなくすことは勿論のこと、大気汚染や騒音発生が減少
し、運転のエネルギーロスも無くすことができる。そし
て、前記複数の空間における通常時必要換気量の合計
は、いずれか1箇所の空間における火災時必要換気量よ
りも大きくなるので、前記換気用の送風機70の能力とし
て通常時必要換気量の合計以上の能力があれば、火災発
生時に1箇所の空間だけを火災時必要換気量で換気する
限り、何ら能力に問題はない。なぜなら、実際には、火
災発生時の排煙は、火災の位置に応じてプラットホーム
空間、左のトンネル空間、右のトンネル空間、コンコー
ス空間のいずれか1つの空間からだけ行うからである。
上記本考案の第2の特徴によれば、第1の特徴による作
用に加えて、通常運転時においては、前記換気を必要と
する各空間10、20、30、40の全部について通常時必要換
気量で換気を行い、火災発生時には、前記各空間10、2
0、30、40のうちの排煙を必要とする1つの空間に対し
てのみ、当該空間の火災時必要換気量を確保した換気量
で、換気を行う構成としているので、1つの集約的な換
気用送風機によっても、十分に通常時の運転を省エネル
ギーで行うことができることはもとより、さらに火炎発
生時においては目的とする1つの空間に対してより強力
な換気作用で火災時の必要換気量を確保することができ
る。よって換気が強力であるため、火災時における乗客
の安全性が向上する。また火災時に換気量が少ない場合
には、プラットホーム空間とコンコース空間とを区画す
る防火シャッターが必要となるが、本考案の場合は強力
な換気作用が働くので、火災時に区画する必要がなく、
防火シャッターが不要となる。また常時送風機を運転し
ていることにより、火災時においても変わらず、安全確
実に作動する。また上記本考案の第3の特徴によれば、
第1、第2の特徴による作用に加えて、換気用機械室50
のある側とは反対側のトンネル空間30からは換気通路94
をプラットホーム11下の地中または構造物内部を通して
換気用機械室50に接続する構成とすることで、駅と地上
部との中間を通すことなく、また駅の側部等を通すこと
なく、比較的簡単に反対側のトンネル空間30の空気を換
気用機械室50に通気させることができる。
【0009】
【実施例】図1は本考案の地下鉄駅の換気装置の実施例
を示す断面構成図である。ラットホーム11、該プラッ
トホーム11を取り囲むプラットホーム空間10、該プラッ
トホーム空間10の両側にそれぞれ設けられる左右のトン
ネル空間20、30、前記プラットホーム空間10の上方に天
井12を介して設けられるコンコース空間40ついては既述
の従来装置と同様である。
【0010】本実施例では、コンコース空間40の片側、
即ち前記左右のトンネル空間20、30がそれぞれ対応する
両側のうちの一方(図面上においては左のトンネル空間
20が対応する側)の壁41に隣接して1つの換気用機械室
50を設けている。そしてこの換気用機械室50に対して地
上部へ接続する1つの換気口60を設けている。前記換気
用機械室50には1台の大型の可変速送風機70を設けてい
る。この可変速送風機70には空気集配室70a が付設さ
れ、この空気集配室70a に対して、換気を必要とする全
ての空間からの換気通路、即ち前記左のトンネル空間20
の換気を行う左トンネル空間換気ダクト81と、前記プラ
ットホーム空間10の換気を行うプラットホーム空間換気
ダクト82と、前記コンコース空間40の換気を行うコンコ
ース空間換気ダクト83と、前記右のトンネル空間30の換
気を行う右トンネル空間換気ダクト84とが、それぞれ可
変ダンバ81a 、82a 、83a 、84a 、例えばモータボリュ
ームダンパを介して接続されている。尚、可変速送風機
70は、例えばインバーター軸流ファンとすることができ
る。また送風機70の回転数は前記モータボリュームによ
る可変ダンパ81a 、82a 、83a 、84a の開度と共に図示
しないコンピュータ内蔵の制御部で行うことができ、そ
の場合、制御部は各空間10、20、30、40に必要な換気量
を計算の上、送風機70の回転数と各可変ダンパ81a 、82
a 、83a 、84a の開度を計算し、それらに指令を与え
る。尚、換気とは排気と給気の両方の意味を含むものと
する。給気装置には逆回転機能をもたせれば火災時の排
煙も可能である。
【0011】前記可変速送風機70は、その能力が、前記
各空間10、20、30、40の通常時必要換気量の合計量以上
のものを用いるが、一般に合計量の能力のものを用いて
もよい。すなわち、図1に示すように、プラットホーム
空間10とコンコース空間40の通常時必要換気量がそれぞ
れ25000 m3/hで、左右のトンネル空間20、30の通常時必
要換気量がそれぞれ50000 m3/hの場合には、前記可変速
送風機70は原則的には150000m3/hの能力の送風機であれ
ばよい。この送風機の能力150000m3/hは既述した従来の
送風機の合計能力300000m3/hよりも十分に小さくなる。
即ち省エネルギー、環境保護であり、また送風機設置の
ための換気用機械室50の容積も小さくてすむ。また前記
各空間10、20、30、40の通常時必要換気量が必要に応じ
て変更されることを考慮する場合には、予め通常時必要
換気量の合計量よりも適当に高い能力を持つ可変速送風
機70を採用しておくことで、変更を容易に行うことがで
きる。尚、実施例では換気用機械室50内に1台の送風機
70を設置しているが、スペース上、1台では大き過ぎる
場合や、空気の質により分ける場合には、2〜3台の送
風機によることも可能である。
【0012】前記可変速送風機70の能力が各空間10、2
0、30、40の通常時必要換気量の和若しくはそれ以上で
有れば十分である理由は、各空間10、20、30、40のそれ
ぞれにおける火災時必要換気量(これを既述した従来装
置の場合と同じとすると、プラットホーム空間10とコン
コース空間40の火災時必要換気量はそれぞれ、50000 m3
/h、左右のトンネル空間20、30の火災時必要換気量はそ
れぞれ100000m3/hである) は、前記各空間10、20、30、
40の通常時必要換気量の和(150000 m 3 /h)よりも、一般
に小さくなり、しかも、地下鉄駅において火災が発生し
た場合における実際の排煙作業は、火災の位置に応じて
前記プラットホーム空間10、左のトンネル空間20、右の
トンネル空間30、コンコース空間40のいずれか1つの空
間からだけ行うことになるためである。勿論、何れか1
つの空間の火災時必要換気量が通常時必要換気量の和よ
り大きくなる特殊な場合は、送風機70の能力は、その1
つの空間の火災時必要換気量となる。本実施例において
は、火災が発生した場合には火災発生位置に応じて、対
象となる1つの空間に対してのみ送風機70による全換気
作用が働くようにしている えば、火災がコンコース
空間40に発生して、該コンコース空間40の換気を必要と
した場合には、他の可変ダンパ81a 、82a 、84a は閉塞
せられ、可変ダンパ83a だけが開いて、送風機70の全能
力(150000m3/h)による換気がコンコース空間40に対し
てのみ行われる。即ち全能力による換気作用が1つの空
間に作用することで、各空間10、20、30、40は火災時に
は図1の括弧内の数字で示す150000m3/hの換気量を受け
ることができ、従来装置よりももっと強力な換気作用を
火災時作用させることができる。例えばプラットホー
ムの火災時、該プラットホームの火災時の換気量が少な
い場合、例えば図3に示す50000 m3/h程度の場合、プラ
ットホーム空間10とコンコース空間40とを区画する火災
時作動の防火シャッターが、プラットホームとコンコー
スを接続する階段部分に必要となる。本考案の場合に
は、火災時の換気量が150000m3/hであり、非常に強力で
あるので、火災時にプラットホーム空間10とコンコース
空間40を区画する必要がなくなり、よって防火シャッタ
ーは不要となる。また火災時の換気量が強力であるの
で、乗客の安全性確保が向上する。
【0013】前記換気用機械室50のある側とは反対側の
右のトンネル空間30については、換気通路94を、例え
ば、直径1500mmの水道用鋼管やヒューム管やFRP管を
プラットホーム11下の地中に埋設して通し、プラットホ
ーム11の反対側(図1での左側)で前記右トンネル空間
換気ダクト84に接続するようにしている。このようにす
ることで、地下鉄駅と地上部との中間を通すことなく、
また駅の側部等を通すことなく、比較的簡単に反対側の
トンネル空間30の空気を換気用機械室50に通気させるこ
とができる。勿論、駅側部を通すようにしてもよいし、
余裕がある場合にはプラットホーム11の下部空間やコン
コース空間40の下部空間に構造物内部ダクトを通すよう
にしてもよい。
【0014】図2は本考案の地下鉄駅の換気装置の他の
実施例を示す断面構成図である。この実施例では、地下
空間が3層に仕切られた例を示す。換気用機械室50がプ
ラットホーム空間10とコンコース空間40との中間階に配
置せられ、各空間10、20、30、40に対する換気を行うよ
うになされている。本考案はこのような3層からなる地
下鉄駅の場合も、その技術範囲に含むものとする。尚、
3層階の地下鉄駅において、換気用機械室50は必ずしも
中間階にある必要はない。中間階は他の設備のために使
用し、換気用機械室50を上階のコンコース空間40に隣接
して設けてもよい。また本実施例では、右トンネル空間
30からの換気通路94を中間階の構造物内部を通すように
して設けている。
【0015】その他、きわめて容易に用地確保ができる
場合は、図3の従来装置の場合と同様に、機械室、換気
口を2カ所設け、且つ換気通路94は設けず、実際の換気
は一方の機械室のみで行うようにすることも可能であ
る。
【0016】
【考案の効果】本考案は以上の構成、作用よりなり、請
求項1に記載の地下鉄駅の換気装置によれば、プラット
ホーム空間10、左右のトンネル空間20、30、コンコース
空間40の各空間の空気を1つの換気用機械室50の換気用
の送風機70によって1つの換気口60を通って地上部の空
気と換気することができる。よって換気用機械室を1つ
にすることができることはもとより、地上部に用地を必
要とする換気口が1つとなり、2つの互いに離れた換気
口のための用地を確保する従来の場合に比べて、用地確
保の問題が非常に容易となる。また換気口の位置によっ
て左右される地下鉄駅の内部のレイアウトも格段に容易
となる。勿論建築費等も安くできる。また送風機70の換
気能力を、前記換気を行う各空間の通常時必要換気量の
合計量若しくはそれ以上の換気能力を持つ送風機によっ
て各空間10、20、30、40の換気を集中管理的に行うこと
ができるので、送風機の台数を減らすことができ、しか
も送風機全体としての換気能力(送風量)を各空間に必
要な換気量の合計量とすることで、過剰能力で運転する
必要が全くなくなり、過剰設備をなくすることは勿論の
こと、換気用機械室面積や換気口面積を縮小でき、建築
費、維持費、保守費を削減することができる。また運転
のエネルギーロスも無くすことができる。また、大気汚
染や騒音の発生も少なくできる。また、通常時も火災時
も送風機70が出力する換気能力(送風量)は同じにして
運転することが可能であるので、火災発生時に送風機の
送風量等を殆ど切り換えたことのないような値に変更す
ることもないので、火災時における運転も確実且つ安定
して行うことができる。また請求項2に記載の地下鉄駅
の換気装置によれば、請求項1に記載の構成による効果
に加えて、通常運転時においては、前記換気を必要とす
る各空間10、20、30、40の全部について通常時必要換気
量で換気を行い、火災発生時には、前記各空間10、20、
30、40のうちの排煙を必要とする1つの空間に対しての
み、当該空間の火炎時必要換気量を確保した換気量で、
換気を行う構成としているので、1つの集約的な換気用
送風機によっても、十分に通常時及び火炎発生時の両方
の運転を省エネルギーで行うことができることはもとよ
り、従来の装置の合計換気能力よりも小さい送風機を用
いても、火災発生時にはより強力な換気作用を目的とす
る空間に対して加えることができ、火災発生時における
換気効果を向上させることができる。よって火災時にプ
ラットホーム空間とコンコース空間等、2つの空間を仕
切る防火シャッターを不要とすることができる。しかも
換気量が強力であるので、乗客の安全性確保を向上させ
ることができる。また請求項3に記載の地下鉄駅の換気
装置によれば、請求項1又は2に記載の構成による効果
に加えて、換気用機械室50のある側とは反対側のトンネ
ル空間30からは換気通路94をプラットホーム11下の地中
を通して換気用機械室50に接続する構成とすることで、
駅と地上部との中間を通すことなく、また駅の側部等を
通すことなく、比較的簡単に反対側のトンネル空間30の
空気を換気用機械室50に通気させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す地下鉄駅の換気装置の断
面構成図である。
【図2】本考案の他の実施例を示す地下鉄駅の換気装置
の断面構成図である。
【図3】従来における地下鉄駅の換気装置の断面構成図
である。
【符号の説明】
10 プラットホーム空間 11 プラットホーム 20 左のトンネル空間 30 右のトンネル空間 40 コンコース空間 50 換気用機械室 60 換気口 70 可変速送風機 81 左トンネル空間換気ダクト 82 プラットホーム空間換気ダクト 83 コンコース空間換気ダクト 84 右トンネル空間換気ダクト 94 換気通路

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右のトンネル空間20、30を両側に接続
    するプラットホーム空間10と、該プラットホーム空間10
    の上方に存在するコンコース空間40とを有する地下鉄駅
    における換気装置であって、前記プラットホーム空間10
    の上方に1つの換気用機械室50を設けると共に該換気用
    機械室50から地上部へ接続する1つの換気口60を設け、
    前記機械室50に換気用の送風機70を備えて、該送風機70
    に対して前記コンコース空間40からの換気通路とプラッ
    トホーム空間10からの換気通路と、前記トンネル空間
    20、30からの換気通路とをそれぞれ可変ダンパを介して
    接続し、且つ前記換気用送風機70として、前記換気を行
    う各空間10、20、30、40の通常時必要換気量の合計量若
    しくはそれ以上の換気能力を持つ送風機を用いたことを
    特徴とする地下鉄駅の換気装置。
  2. 【請求項2】 通常運転時においては、前記換気を必要
    とする各空間10、20、30、40の全部について通常時必要
    換気量で換気を行い、火災発生時には、前記各空間10、
    20、30、40のうちの排煙を必要とする1つの空間に対し
    てのみ、当該空間の火災時必要換気量を確保した換気量
    で、換気を行なう構成とした請求項1に記載の地下鉄駅
    の換気装置。
  3. 【請求項3】 換気用機械室50のある側とは反対側のト
    ンネル空間30からは換気通路94をプラットホーム11下の
    地中または構造物内部を通して換気用機械室50に接続す
    る構成とした請求項1又は2に記載の地下鉄駅の換気装
    置。
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