JP2583346B2 - 糸巻き状部品の製造方法 - Google Patents

糸巻き状部品の製造方法

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JP2583346B2 JP2174604A JP17460490A JP2583346B2 JP 2583346 B2 JP2583346 B2 JP 2583346B2 JP 2174604 A JP2174604 A JP 2174604A JP 17460490 A JP17460490 A JP 17460490A JP 2583346 B2 JP2583346 B2 JP 2583346B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、一端部に外周フランジを有するパイプ状
素材を押し潰すことによりその他端部にも外周フランジ
を形成して糸巻き状部品を製造する場合に用いて好適な
製造方法に関するものである。
(従来の技術) 第3図に示すように、両端部に外周フランジ1a,1bを
有する糸巻き状部品1を製造する方法としては、例えば
第4図に示すような、一端部に外周フランジ2aを有する
パイプ状素材2を、その周囲を分割型インサートダイで
囲繞するとともにその内部にマンドレルを挿入して押し
潰すことにより、その素材2の他端部にも外周フランジ
を形成するものがある。
かかる製造方法を実施する場合に、従来は例えば、第
5図(a)に示すように、ダイ3の中央部にダイ孔3aを
形成するとともにそのダイ孔3a内にマンドレル4を立設
し、また、ダイ孔3aの両側壁部に、マンドレル4に対し
て進退移動可能に分割型のインサートダイ5を嵌め合わ
せ、さらに、ダイ孔3aの底部にノックアウトロッド6を
設ける一方、第5図(b)に示すように、そのダイ孔3a
に嵌合可能なポンチ7を設けて鍛造型を構成する。
そして、その鍛造型のダイ3を鍛造プレス装置のボル
スタ9上にセットするとともにポンチ7を図示しないス
ライドに取り付けて、それらのインサートダイ5をそれ
ぞれ油圧シリンダ等のアクチュエータ8で進退駆動可能
とした後、先ず、第5図(a)に示すように、そのダイ
孔3a内に上記パイプ状素材2を、その外周フランジ2aを
下向きとして内部にマンドレル4が入るように挿入し、
次いで、第5図(b)に示すように、アクチュエータ8
で各インサートダイ5を前進させてそれらのインサート
ダイ5で素材2の周囲を囲繞してから、上記プレス装置
の作動に基づきポンチ7を下降させ、素材2に、マンド
レル4で半径方向内方への潰れ込みを防止しつつポンチ
7の下面により押し潰す鍛造成形を施して、その他端部
にも外周フランジ2bを形成し、これによって糸巻き状部
品1を製造する。
その後は、第5図(c)に示すように、ポンチ7を上
昇させるとともに、アクチュエータ8で各インサートダ
イ5を後退させてそれらのインサートダイ5をダイ孔3a
の両側壁部内に収容してから、上記プレス装置の作動に
基づきノックアウトロッド6を上昇させて、その糸巻き
状部品1をダイ孔3a外へ取り出す。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来の方法にあっては、インサー
トダイ5をダイ孔3aの両側壁部に進退移動可能に嵌め合
わせる必要があるため、鍛造型の構造が複雑となって型
製作コストが嵩むという問題があり、また、各インサー
トダイ5を進退駆動する必要があるため、複数のアクチ
ュエータ6を具えた多方向鍛造ペレスが必要となるので
設備コストも嵩むという問題があった。
この発明は、かかる課題を有利に解決した製造方法を
提供するものである。
(課題を解決するための手段) この発明の糸巻き状部品の製造方法は、一端部に外周
フランジを有するパイプ状素材を、その周囲を分割型イ
ンサートダイで囲繞するとともにその内部にマンドレル
を挿入して押し潰すことにより、前記素材の他端部にも
外周フランジを形成して糸巻き状部品を製造するに際
し、前記インサートダイを二分割のものとして、その分
割されたインサートダイをそれぞれワーク搬送手段のフ
ィンガに分離可能に固着し、そのフィンガで、前記分割
されたインサートダイを介し前記素材を挟持して、その
素材を、ダイの、内部にマドレルが立設されたダイ孔上
にインサートダイとともに搬送した後、前記フィンガか
ら前記インサートダイを分離させることによって、それ
らの分割されたインサートダイを前記素材とともに前記
ダイ孔内に挿入し、前記ダイでそのインサートダイを囲
繞した状態で前記素材を押し潰すことを特徴とするもの
である。
(作 用) かかる方法によれば、二分割されたインサートダイを
それぞれ搬送手段のフィンガに固着して、それらのイン
サートダイを介しフィンガで素材を挟持するので、その
挟持によって素材の周囲にインサートダイを配置するこ
とができ、その状態でフィンガからインサートダイを分
離させることによってインサートダイを素材とともにダ
イ孔内に挿入し、ダイでインサートダイを囲繞してその
インサートダイに素材周囲の囲繞を行わせるので、ダイ
の構造を単純化し得て、そのダイの製作コストを低減す
ることができ、また、素材を押し潰すプレス装置につい
ても、分割されたインサートダイを進退駆動するための
複数のアクチュエータを不要とし得て、そのプレス装置
の設備コストも低減することができる。
(実施例) 以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明
する。
第1図(a)〜(c)は、この発明の糸巻き状部品の
製造方法の一実施例に用いる鍛造型を各々異なる状態に
て示す縦断面図であり、ここにおける鍛造型は、中央部
に円筒状のダイ孔10aを有するダイ10と、そのダイ孔10a
内の中心部に立設されたマンドレル11と、ダイ孔10aの
底部に昇降可能に設けられたノックアウトロッド12と、
ダイ孔10a内に密にかつ昇降可能に嵌合し得るインサー
トダイ13と、これもダイ孔10a内に密にかつ昇降可能に
嵌合し得る円柱状のポンチ14とを具えてなる。
ここで、インサートダイ13は、第2図に示すように、
二分割された円筒状をなしており、それらを合わせる
と、第4図に示すパイプ状素材2の周囲に密に嵌まり合
うことができる。
また、各インサートダイ13の外側面には軸線方向へ延
在する突条13aが形成されており、それらの突条13aは、
ダイ孔10a内への各インサートダイ13の嵌合の際に、そ
のダイ孔10a内に形成されて軸線方向へ延在する溝10bと
嵌合して、各インサートダイ13の周方向位置を特定する
ことができる。
さらに、各インサートダイ13は高強度の磁性材料から
なり、磁気によって他の部材に吸着されることができ
る。
この実施例では、上記鍛造型のダイ10を、通常の縦打
ち鍛造プレス装置のボルスタ15上にセットするととも
に、ポンチ14を、その鍛造プレス装置の図示しないスラ
イドに取り付ける一方、第5図(a)に示すように、上
記各インサートダイ13を、ワーク搬送手段としての図示
しないロボットの互いに接近および離間可能な二本のフ
ィンガ16に、それらのフィンガ16内に埋設した電磁石16
aの励磁により吸着させて固着し、その固着の際に、各
インサートダイ13の突条13aを、各フィンガ16に形成さ
れた溝16bに嵌合させて、フィンガ16に対しインサート
ダイ13を周方向に位置決めした後、以下のようにして第
3図に示す糸巻き状部品1を製造する。
すなわちここでは、先ず、上記ロボットがフィンガ16
を、第4図に示すパイプ状素材2が置かれた搬入場所に
移動させ、そこで各フィンガ16を互いに接近させること
により、そこに置かれた素材2を両フィンガ16で、イン
サートダイ13を介して挟持する。この挟持によって、イ
ンサートダイ13は素材2の周囲に配置されることにな
る。
尚、ここにおける素材2は、鍛造後の糸巻き状部品1
とインサートダイ13との分離を可能ならしめるため、ア
ルミニウム合金等の非磁性材料からなるものとする。
次いで、上記ロボットがフィンガ16を、第1図(a)
に示すようにダイ10のダイ孔10aの上方まで移動させ、
そこで下降させて、その吸着しているインサートダイ13
の下端部をダイ孔10a内に突条13aと溝10bとを嵌合させ
て挿入するとともに、その挟持しているパイプ状素材2
の下端部を、その外周フランジ2aを下向きとして、素材
内部にマンドレル11が入るように挿入し、その状態で、
フィンガ16内に埋設した電磁石16aの励磁を止めて各イ
ンサートダイ13を各フィンガ16から分離させるととも
に、各フィンガ16を互いに離間させることにより、イン
サートダイ13を素材2の周囲に配置したままそれらを自
重で落下させて、インサートダイ13と素材2とを第1図
(a)中仮想線で示すようにダイ孔10a内に挿入する。
そしてここでは、上記ロボットがフィンガ16をポンチ
14と干渉しない待機位置に移動させてから、ダイ10のダ
イ孔10aの側壁部がインサートダイ13を囲繞してそのイ
ンサートダイ13に素材2の周囲の囲繞を行わせている状
態で、第1図(b)に示すように、そのダイ孔10a内に
上記鍛造プレス装置がポンチ14を下降させ、素材2に、
マンドレル11で半径方向内方への潰れ込みを防止しつつ
ポンチ14の下面により押し潰す鍛造成形を施して、その
他端部にも外周フランジ2bを形成し、これによって糸巻
き状部品1を製造する。
その後は、第1図(c)に示すように、上記プレス装
置が、ポンチ14を上昇させてからノックアウトロッド12
を上昇させて、その糸巻き状部品1をインサートダイ13
とともにダイ孔10a外へ押し出し、次いで上記ロボット
が、フィンガ16をダイ10上に移動させてその糸巻き状部
品1を両インサートダイ13ごと両フィンガ16で挟持した
後、電磁石16aの励磁により各インサートダイ13を吸着
させて各フィンガ16に固着する。
尚、上記挟持の際には、各インサートダイ13の突条13
aを、各フィンガ16に形成された溝16bに嵌合させて、各
インサートダイ13を周方向に位置決めし、これによっ
て、各インサートダイ13が各フィンガ16に常に確実に固
着されるようにする。
しかる後ここでは、上記ロボットが、フィンガ16を一
端上昇させて糸巻き状部品1とインサートダイ13とをダ
イ孔10a内から抜き出してからそのフィンガ16を搬出場
所に移動させ、そこで電磁石16aを励磁したまま両フィ
ンガ16を互いに離間させることにより、その搬出場所に
糸巻き状部品1のみを置き、インサートダイ13の方はフ
ィンガ16に固着しておく。
かかる手順を行うことにより、この実施例の方法によ
れば、一端部に外周フランジ2aを有するパイプ状素材2
の他端部に外周フランジ2bを形成して糸巻き状部品1を
製造することができ、その後フィンガ16を上記搬入場所
に移動させて上記手順を繰り返すことにより、次の糸巻
き状部品1の製造を行うことができる。
しかもこの方法によれば、ダイ10の構造を単純化し得
て、ダイ10ひいては上記鍛造型の製作コストを低減する
ことができ、また、鍛造プレス装置についても、分割さ
れたインサートダイを進退駆動するための複数のアクチ
ュエータを不要とし得て、その鍛造プレス装置の設備コ
ストも低減することができる。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の
例に限定されるものでなく、例えばフィンガへのインサ
ートダイの固着は、上記例の電磁石の代わりにフィンガ
にクランプ機構を設けてそれで行っても良く、このよう
にすれば、インサートダイをフィンガに対し着脱し得る
とともに、パイプ状素材2が磁性材料からなる場合で
も、それから製造した糸巻き状部品を容易にインサート
ダイから分離させることができる。
(発明の効果) かくしてこの発明の糸巻き状部品の製造方法によれ
ば、ダイの構造を単純化し得て、そのダイの製作コスト
を低減することができ、また、素材を押し潰すプレス装
置についても、分割されたインサートダイを進退駆動す
るための複数のアクチュエータを不要とし得て、そのプ
レス装置の設備コストも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)はこの発明の糸巻き状部品の製造
方法の一実施例に用いる鍛造型を各々異なる状態にて示
す縦断面図、 第2図は上記鍛造型のインサートダイを示す斜視図、 第3図は糸巻き状部品を示す正面図、 第4図は上記糸巻き状部品を製造するためのパイプ状素
材を示す正面図、 第5図(a)〜(c)は従来の製造方法に用いる鍛造型
を各々異なる状態にて示す縦断面図である。 1……糸巻き状部品、2……パイプ状素材 2a,2b……外周フランジ部 11……マンドレル、13……インサートダイ 16……フィンガ、16a……電磁石

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端部に外周フランジを有するパイプ状素
    材を、その周囲を分割型インサートダイで囲繞するとと
    もにその内部にマンドレルを挿入して押し潰すことによ
    り、前記素材の他端部にも外周フランジを形成して糸巻
    き状部品を製造するに際し、 前記インサートダイを二分割のものとして、その分割さ
    れたインサートダイをそれぞれワーク搬送手段のフィン
    ガに分離可能に固着し、そのフィンガで、前記分割され
    たインサートダイを介し前記素材を挟持して、その素材
    を、ダイの、内部にマドレルが立設されたダイ孔上にイ
    ンサートダイとともに搬送した後、前記フィンガから前
    記インサートダイを分離させることによって、それらの
    分割されたインサートダイを前記素材とともに前記ダイ
    孔内に挿入し、前記ダイでそのインサートダイを囲繞し
    た状態で前記素材を押し潰すことを特徴とする、糸巻き
    状部品の製造方法。
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