JP2583265Y2 - 鏡の化粧縁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、室壁や室壁を構成する
鏡付き収納棚等の取付壁に鏡止め金具を介して固定され
る鏡の化粧縁に関するものである。

【０００２】

【技術背景】一般的に鏡は、鏡下端を挟持する下側用の
鏡止め金具で鏡の下端を挟持した後、鏡上端を挟持する
上側用の鏡止め金具を、取付壁に螺着したビスをガイド
として押し下げて同上側用の鏡止め金具で鏡上端を挟持
している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このような鏡止め金具
は、鏡を挟持する構造の為、前半部が鏡端面及び鏡面に
連続してＬ型に露出して内装性を害するばかりでなく、
鏡清掃時、隣接する室壁清掃時の引っ掛かりやドアの開
閉等の振動によって上側の鏡止め金具が徐々ズレ上が
り、鏡上端から外れて鏡が落下破損する問題がある。ま
た、鏡付き収納棚等では、棚のすぐ下に鏡を配設するケ
ースが多く、このような場合には、上端用の鏡止め金具
の押し下げ代が凹部（スペース）として鏡上端上に残置
され、内装性は勿論のこと、塵が付着し不潔化の原因に
なる。

【０００４】本考案は、上記従来事情に鑑みてなされた
もので、その目的とする処は、鏡止め金具やその鏡止め
金具と共にその押し下げ代（棚等の突出物と上端用の鏡
止め金具との間の金具用の押し下げ代用のスペース）を
カバーし、且つ鏡止め金具と鏡の挟持を安定にする鏡の
化粧縁を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた技術的手段は、鏡面に掛止する鏡止め金具部分
を含んで鏡面を被覆する帯板状の垂設板部とその垂設板
部に連設され、鏡端面を被覆する水平板部とを有する側
面視Ｌ型状の化粧縁板部と、その化粧縁板部の水平板部
に連設され且つ上記垂設板部とで鏡端部を弾性的に挟持
する嵌合挟持溝構成用の溝構成板部と、その溝構成板部
において鏡止め金具と対応する部分に先端から切欠状に
設けられた金具避け部とを備えていることを要旨とす
る。更に請求項１の化粧縁板部は垂設板部の基端部位か
ら一体に成形された折り曲げ自在な弾性板部を延設形成
していると有効である。

【０００６】

【作用】上記技術的手段によれば、下記の作用がある。 （請求項１）嵌合挟持溝に鏡端部が挟持されるように鏡
の取付壁と平行な方向から差し込む。その際、鏡裏側の
鏡止め金具部分を金具避け部が避けるように進入する
為、鏡一縁の端部を確実に挟持し、同鏡止め金具におい
て鏡端面を経由して鏡面に掛止する部分を垂設板部と水
平板部とで室内から露呈しないようにカバーする。 （請求項２）鏡の上に接近して棚部が突出されている場
合のように、化粧縁板部に延設形成された弾性板部を人
為的または衝合する部分に倣って弾性変形させてその部
分を差し込み時の邪魔にならないように折曲させ、その
状態で嵌合挟持溝に鏡端部が挟持されるように垂設板部
と溝構成板部との若干な弾性変形を利用して斜め方向か
ら強制的に差し込んで鏡端部を挟持する。弾性板部は、
初期状態に復元して棚部等の突出物下面にその先端縁が
密接して、鏡止め金具において鏡端面を経由して鏡面に
掛止する部分と、押し下げ代（棚等の突出物と上端用の
鏡止め金具との間の金具用の押し下げ代用のスペース）
を垂設板部、水平板部、弾性板部とで室内から露呈しな
いようにカバーする。

【０００７】

【考案の効果】本考案は以上のように鏡面に掛止する鏡
止め金具部分を含んで鏡面を被覆する帯板状の垂設板部
とその垂設板部に連設され、鏡端面を被覆する水平板部
とを有する側面視Ｌ型状の化粧縁板部と、その化粧縁板
部の水平板部に連設され且つ上記垂設板部とで鏡端部を
弾性的に挟持する嵌合挟持溝構成用の溝構成板部と、そ
の溝構成板部において鏡止め金具と対応する部分に先端
から切欠状に設けられた金具避け部とを備えているか
ら、鏡止め金具で鏡を固定した後から鏡止め金具の鏡端
面及び鏡面に掛止する部分をカバーするように鏡の縁部
に差し込んで挟持することができ、内装性を阻害する鏡
止め金具を被覆する作業が頗る簡単な作業で行える。し
かも、鏡面に掛止する鏡止め金具部分と鏡とを挟持する
ものであるから、鏡に対する鏡止め金具の挟持力を更に
増強させて上側用の鏡止め金具の上方向へのスライドを
防止し、鏡の落下の危険性を回避する有効な化粧縁を提
供する。また、化粧縁板部に折り曲げ自在な弾性板部が
延設形成されている場合にはその弾性板部を折曲して邪
魔にならないように逃がすことが可能であるから、鏡の
上に接近する棚等の下面との間に残置された鏡止め金具
の押し下げ代を被覆した状態で確実に挟持することがで
き、そのような場合でも鏡止め金具の鏡端面、鏡面上へ
の外見的な露出と上記押し下げ代への塵の付着を確実に
防止する。

【０００８】

【実施例】次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１及び図２は請求項１の実施例（下記では第１
実施例と称する）を、また図３乃至図５は請求項２の実
施例（下記では第２実施例と称する）を各々示してい
る。まず、第１実施例について説明すると、この実施例
は鏡止め金具２を介して取付壁（浴室壁、トイレ壁、洗
面所壁等）Ｂに固定した場合を示し、図面において、符
号Ａは化粧縁、１は鏡、２は鏡止め金具である。

【０００９】鏡止め金具２には、鏡上側用と鏡下側用と
があり、この実施例の鏡上側用は、背板部２ａ上端に、
横板部２ｂ’及び背板部２ａと平行な縦板部２ｂ”から
なる挟持用板２ｂを折曲して金具本体２ｃとし、その金
具本体２ｃの背板部２ａに縦長孔２ｃ’を開設し、該縦
長孔２ｃ’を挿通するビス３を取付壁Ｂに螺着して金具
本体２ｃに取り付けたパッキン材４と上記縦板部２ｂ”
との間で鏡１の上端を挟持し、また鏡下側用は背板部２
ａに開設した孔２ｄが円孔である以外は鏡上側用と同様
構造になっている。

【００１０】化粧縁Ａは、化粧縁板部ａ１、その化粧縁
板部ａ１とで嵌合挟持溝ａ３を構成する溝構成板部ａ２
との硬質な合成樹脂材からなる一体成形品であり、鏡上
側用と鏡下側用とに兼用される。

【００１１】化粧縁板部ａ１は、鏡１の上縁及び下縁と
同一長さに切裁してなり、鏡上縁及び鏡下縁における鏡
面１’縁部の所定部分を前記鏡止め金具２の縦板部２
ｂ”にオーバーラップして被覆する程度の幅をする帯板
状の垂設板部ａ１- １の基端部から鏡端面を同鏡止め金
具２の横板部２ｂ’にオーパーラップして被覆する程度
の幅を有する帯板状の水平板部ａ１- ２とを同一体に形
成している。

【００１２】溝構成板部ａ２は、上記水平板部ａ１- ２
の遊端部から頂点ａ２- １を上記垂設板部ａ１- １方向
を向けた側面視くの字状に連設して上記垂設板部ａ１-
１とで嵌合挟持溝ａ３を形成してなり、上記頂点ａ２-
１と垂設板部ａ１- １とで鏡面１’に掛止する鏡止め金
具３の前記縦板部２ｂ”を含んで鏡１端部を挟持するよ
うになっている。先端部位の傾斜板部ａ２- ２は、上記
垂設板部ａ１- １から離れる方向に傾斜させてその先端
と垂設板部ａ１- １との間に前記縦板部２ｂ”の肉厚と
鏡１の肉厚よりも若干大きな空間が確保されるように形
成し、上記頂点ａ２- １は、無負荷時に垂設板部ａ１-
１に対して前記縦板部２ｂ”の肉厚寸法及び鏡１の肉厚
寸法の合計寸法よりも狭い間隔を隔てるまで接近するよ
うに形成してある。

【００１３】また、上記溝構成板部ａ２には、鏡止め金
具２の背板部２ａと対応する部分２箇所にその背板部２
ａ及びパッキン材４を避ける金具避け部ａ４を先端から
切欠形成してなり、鏡端部を挟持する際にその金具避け
部ａ４内に背板部２ａ及びパッキン材４が嵌まり込むよ
うになっている。

【００１４】次に、この第１実施例のおける鏡の化粧縁
の取付けについて簡単に説明すると、鏡止め金具２、２
で上端、下端を挟持されて取付壁Ｂに固定された鏡１の
上下両端部において、鏡止め金具２の背板部２ａとパッ
キン材４との厚みをもって取付壁Ｂと鏡１裏面との間に
確保される空間から溝構成板部ａ２が差し込まれるよう
に化粧縁Ａを取付壁Ｂと平行な方向から人為的に押し込
む。上下の化粧縁Ａ、Ａは、溝構成板部ａ２先端の傾斜
板部ａ２- ２のガイド機能で同空間内に前記頂点ａ２-
１を押し広げるように進入し、その頂点ａ２- １と垂設
板部ａ１- １とで鏡止め金具２の縦板部２ｂ”と鏡１の
裏面とを弾性的に挟持して室内の露出する鏡止め金具２
の同縦板部２ｂ”はもとより横板部２ｂ’をカバーす
る。

【００１５】次に、第２実施例について説明すると、こ
の実施例は浴室、トイレ、洗面室等の室壁に取着した収
納棚を鏡の取付壁Ｂ（下記では収納棚に符号Ｂを付けて
説明する）とした場合を示している。

【００１６】収納棚Ｂは、棚部ｂ１と鏡取付部ｂ２等を
合成樹脂材で同一体に形成してなり、図面では周縁部ｂ
３を残して鏡取付部ｂ２を一段低く段設し、その鏡取付
部ｂ２のすぐ上の位置及びすぐ下の位置から棚部ｂ１を
室内方向に突設した一般的な種類のものを図示してい
る。

【００１７】鏡取付部ｂ２は、上面を上位の棚部ｂ１下
面で構成すると共に下面を水平状の底面ｂ２- １で構成
してなり、背面ｂ２- ２上下位置に固定した前述と同様
な構造の鏡止め金具２、２で鏡１上下端部を挟持して同
鏡１を収容している。

【００１８】この第２実施例における化粧縁は、上側用
のもの（下記では上化粧縁Ａと称する）と、下側用もの
（下記では下化粧縁Ａと称する）とでは若干構造を異に
する。

【００１９】上化粧縁Ａは、前記第１実施例における化
粧縁Ａの化粧縁板部ａ１の垂設板部ａ１- １の基端部位
から軟質樹脂材からなる弾性板部ａ５を所望高さの板状
をもって水平板部ａ１−２とその垂設板部ａ１- １とで
横向きＴの字状を呈するように延設形成した点を除いて
前記する第１実施例の化粧縁Ａと同一符号を付けて詳細
な説明は省略する。

【００２０】下化粧縁Ａは、前記第１実施例における化
粧縁Ａの溝構成板部ａ２を頂点ａ２- １を有さない程度
まで短尺化したものであり、他の構造については同化粧
縁Ａと同様である為同一符号を付けて詳細な説明は省略
する。

【００２１】次に、この第２実施例のおける鏡の化粧縁
の取付けについて簡単に説明すると、まず、鏡取付部ｂ
２の前記底面ｂ２- １に下化粧縁Ａを位置決めし、その
下化粧縁Ａの垂設板部ａ１- １と溝構成板部ａ２とで構
成される嵌合挟持溝ａ３内に背板部２ａの上端部及び挟
持用板２ｂを挟持するように嵌合させた状態で下側の鏡
止め金具２をまず鏡取付部ｂ２の背面ｂ２- ２下側部位
に固定する。次に、上側の鏡止め金具２を、棚部ｂ１下
面との間に押し下げ代Ｘを残して背面ｂ２- ２上側部位
に固定する。そして、両鏡止め金具２、２で鏡１を挟持
した後、弾性板部ａ５を人為的または棚部ｂ１の下面に
傾斜に倣って弾性変形させてその部分を差し込み時の邪
魔にならないように折曲させ、その状態で嵌合挟持溝ａ
３に鏡１上端部が挟持されるように垂設板部ａ１- １と
溝構成板部ａ２との若干な弾性変形を利用して斜め方向
から強制的に差し込んで鏡１上端部を挟持する。溝構成
板部ａ２は、背板部２ａとパッキン材４との厚みで鏡取
付部ｂの背面ｂ２- ２と鏡１裏面との間に確保される空
間部分に進入する。弾性板部ａ５は、初期状態に復元し
て棚部ｂ１の下面にその先端縁が密接する。これによ
り、上側の鏡止め金具２における横板部２ｂ’、鏡面
１’に沿う縦板部２ｂ”はもとより押し下げ代Ｘは全て
室内に露呈しないようにカバーされ、また下側の鏡止め
金具２における横板部２ｂ’、鏡面１’に沿う縦板部２
ｂ”も室内に露呈しないようにカバーされる。

【００２２】尚、第１実施例の化粧縁Ａ及びこの第２実
施例の上化粧縁Ａの挟持力は、鏡面１’の拭き掃除程度
ではズリ上がらない程度とし、また、弾性板部ａ５の延
設高さは押し下げ代Ｘの幅関係で設定する。

【００２３】また、第１、第２実施例では共に、図面で
示すように、垂設板部ａ１- １の先端は鏡止め金具２の
鏡面１’に沿う縦板部２ｂ”の先端面を隠す短寸な折曲
板部ａ１- １’を有しており、これにより、室内への鏡
止め金具２の露出を完全に防止する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例における化粧縁の裏面方向からの斜
視図。

【図２】使用状態を示す縦断面図。

【図３】第２実施例における上化粧縁の裏面方向からの
斜視図。

【図４】使用状態を示す断面斜視図。

【図５】図４の（５）−（５）線拡大断面図。

【符号の説明】

１：鏡 ２：鏡止
め金具 Ｂ：取付壁 ａ１：化粧
縁板部 ａ１- ２：水平板部 ａ１- １：
垂設板部 ａ３：嵌合挟持溝 ａ２：溝構
成板部 ａ４：金具避け部 ａ５：弾性
板部 Ａ：化粧縁（上化粧縁、下化粧縁を含む） １’：鏡面 ｂ１：棚部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A47G 1/02 A47G 1/06 A47G 1/16

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鏡面に掛止する鏡止め金具部分を含んで
   鏡面を被覆する帯板状の垂設板部とその垂設板部に連設
   され、鏡端面を被覆する水平板部とを有する側面視Ｌ型
   状の化粧縁板部と、その化粧縁板部の水平板部に連設さ
   れ且つ上記垂設板部とで鏡端部を弾性的に挟持する嵌合
   挟持溝構成用の溝構成板部と、その溝構成板部において
   鏡止め金具と対応する部分に先端から切欠状に設けられ
   た金具避け部とを備えていることを特徴とする鏡の化粧
   縁。
2. 【請求項２】 上記化粧縁板部は垂設板部の基端部位か
   ら一体に成形された折り曲げ自在な弾性板部を延設形成
   していることを特徴とする請求項１記載の鏡の化粧縁。