JP2583206B2 - 自動包装機に対する貯袋器からの空袋取出し供給方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は食品等の自動包装機に於
て貯袋器内からの空袋を１枚づつ取上げ、自動包装機へ
供給するための空袋取出し供給方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】食品等の自動包装機械の基本的包装シス
テムは図４に示す通り、充填物を詰める空袋を貯留して
おく貯袋器Ａより１枚づつ空袋を取上げて供給する袋供
給工程（Ｉ）、製品の製造年月日を空袋に捺印する年月
日捺印工程（ＩＩ）、空袋の口を開ける開袋工程（ＩＩ
Ｉ）、同袋内に食品の貯留された貯槽Ｇから充填ポンプ
Ｐを開いて充填する充填工程（ＩＶ）、空袋の口を閉じ
る閉袋工程（Ｖ）及びシール工程（ＶＩ）、包装が完了
した袋を外部へ排出する排出工程（ＶＩＩ）等で構成さ
れていて、各工程は回転テーブルＴの周りを該テーブル
Ｔに連動して回り乍ら自動的に継続して行われるように
なっている。

【０００３】図５は前記袋供給工程（Ｉ）に使用される
従来の給袋装置を示したもので、底板１’、側板５’
ａ、５’ｂよりなる貯袋器内に受け板２’上に積層され
ている空袋ａを吸盤９’で吸着して持上げ把持機構Ｄへ
受渡した後、該把持機構Ｄを矢印のように上方へスイン
グして空袋ａを次工程へ供給するようになっている。
尚、貯袋器内の空袋ａが減少したら、その都度モータ
８’を駆動してピニオン７’、ラック６’を経て脚４’
を上昇させ、受け板２’を介して空袋ａ上面を少しづつ
上昇させ、又器内の空袋が残り少なくなったら新たに空
袋を補充する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】自動包装に使用される
空袋は充填物の種類、形態に応じて多種類のものがある
が、そのうち例えば底部分を二重折りにした自立型袋等
は空袋の状態に於て開口部分に比べて底部分が厚くな
り、従ってこれの向き（開口部分）を揃えて貯袋器内に
積層すると、図に示す如く底側が極端に跳ね上がった状
態になるので、最大積層枚数が少なくなって空袋の充填
回数が増えるという欠点がある。

【０００５】又、最上部袋の上面が平坦とならずに傾斜
しているため、吸盤で吸着する際に吸着が不充分とな
り、積上げた時の空袋の姿勢が傾いて把持機構への受け
渡しがうまく行かなかったり、自動包装機への供給に支
障を来す等の不都合が生ずると言う欠点がある。

【０００６】

【発明が解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決せんとするものであって、即ちその特徴とするところ
は貯袋器内の高さ方向へ開口部と底部の厚みが異なる空
袋を収納するものであって、その際空袋を適宜その開口
部と底部の向きを変えながら積層することにより略水平
な平坦状態に空袋を収納させると共に、貯袋器上方には
貯袋器内の袋の開口部と底部の向きを識別するセンサー
と、空袋の開口部と底部を共に吸着して持上げ可能とす
る１対の吸盤を備え、且つ所定角の回転を可能とする空
袋取出し供給手段とを配設せしめ、空袋取出し供給手段
の吸盤で吸着した空袋を前記センサーの識別信号に基づ
いて空袋の開口部が特定方向となるように適宜所定角の
回転を行わせながら自動包装機へ供給するようになすこ
とを特徴とする。

【０００７】

【作用】貯袋器の上方に空袋の開口部と底部とを識別す
るセンサーと、空袋の開口部と底部を同時に吸着して持
上げる１対の吸盤を前記センサーの識別に基づいて適宜
所定角の回転を行わしめるようになした空袋の取出し供
給手段を配設したので、貯袋器内で空袋の開口部と底部
との関係が不規則状態に積層されていても何ら関係な
く、即ち空袋の開口部が常に揃えられた一定方向となる
ようにして自動包装機の把持機構に受け渡すようにする
ことが出来る。

【０００８】従って貯袋器内に空袋を積層する場合、例
えば自立型袋の如く前後の厚みの違う空袋は所定枚数毎
に、或いは適宜その向きを変えて積層し、最大貯袋枚数
を増やすことが出来、又最上部袋の上面をほぼ水平な平
坦状態に保持することが出来るものとなる。

【０００９】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１は空袋取出し供給手段の全体構成を示したもので、
１は底板、５は立設した側板よりなる貯袋器である。２
は該貯袋器内に内蔵される受け板であって、空袋ａを積
層して昇降するべく下方に支持脚４が設けられ、該支持
脚４の一定長さ範囲にはラック６が刻設されていて、該
ラック６が装置側に固定されたモータ８の歯車７と噛合
されてなる。この際４’は上記支持脚４に隣接して設け
た副杆で、支持脚４の昇降の上下限を一定距離範囲に定
めるためのリミットスイッチＳ_１、Ｓ_２を備えてなる。

【００１０】９ａ、９ｂは上記構成の貯袋器の上方位置
に配設してなる１対の吸盤であって、支持板１３の左右
端へ空袋の開口部と底部を同時に吸着可能とする対向間
隔で支承されてなり、且つ該支持板１３の中央部を回転
シリンダ１２のシリンダ軸１４と止着させると共に、回
転シリンダ１２は装置側の支柱１５にブラケット１６を
介し取付けられてなる。尚、１１は吸盤９ａ、９ｂによ
り吸着されて持上げられた空袋ａの表面の色又は模様を
識別し、空袋の前後の向きを検知するようになすための
光電センサーであって、給袋器の側板５にＬ字状のブラ
ケット１７を介し取付けられてなる。

【００１１】次に図２及び図３Ａ、Ｂにより本発明の作
用について説明する。貯袋器内の受け板２上には開口部
と底部の厚みが違う空袋ａが所定枚数毎にその向きを適
宜変えて積層されている。従って、最上部にある空袋ａ
の上面はほぼ水平な平坦状態に保持されている。給袋動
作が開始されると吸盤９ａ、９ｂが下降して貯袋器内に
積層された最上部の空袋ａに接して確実に吸着して少し
持上げる。この時、光電センサー１１により空袋ａの表
面に画かれた模様又は色を識別し、その空袋の開口部が
何れの方向にあるかを判定する。

【００１２】例えば、空袋ａの開口部が前側（自動包装
機側）にあると判定した時は図２に示す如くその正常状
態で把持機構１０に受け渡され、次工程へ供給される。
又、例えば空袋ａの開口部が逆向きと判定された時は図
３Ａ、Ｂに示す如く、その信号に基づいて回転シリンダ
１２を駆動して空袋ａを吸盤９ａ、９ｂと共に、図示例
では１８０゜旋回させて正常状態になした後把持機構へ
受け渡されるようにする。

【００１３】以上の操作が空袋１枚毎に実施されること
により、貯袋器内で空袋の開口部と底部の向きが不規則
状態に積層されていても、必ず一定方向に揃えられて把
持機構へ受け渡されるものとなる。従って、空袋の開口
部と底部の厚みが違う空袋であっても、又袋メーカから
所定枚数（５０枚又は１００枚）を１組にして送られて
来た空袋等を、適宜その開口部と底部の向きを変えて積
層すれば、全部を同様に揃えて積層した場合に比べて積
層高さを安定した状態に高くすることが出来るのであ
り、且つこの際の積層袋上面をほぼ水平な平坦状態に保
持されるものとなることから、吸盤９ａ、９ｂによる吸
着も迅速且つ適確に行われるものとなる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明した通り、貯袋器内に空袋を積
層する場合、例えば自立型袋のように開口部と底部の厚
みが違う空袋は所定枚数ごと、或いは適宜その向きを変
えて積層することにより、最大貯袋枚数が大幅に増える
ので空袋の補充回数が減少し、又最上部の空袋の上面が
ほぼ水平な平坦状態に保持されるので吸盤による吸着が
確実に行われ、常に安定した給袋作業が実行されるよう
になる等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例である供給装置の全体構成図で
ある。

【図２】本発明の実施例である供給装置の作用説明図で
ある。

【図３】本発明の実施例である供給装置の作用説明図で
ある。

【図４】自動包装システムの説明図である。

【図５】従来の給袋装置の説明図である。

【符号の説明】

１ 底板 ２ 受け板 ４ 支持脚 ５ 貯袋器 ６ ラック ８ モータ ９ａ，９ｂ 吸盤 １１ 光電センサー １２ 回転シリンダ ａ 空袋

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 貯袋器内の高さ方向へ開口部と底部の厚
   みが異なる空袋を収納するものであって、その際空袋を
   適宜その開口部と底部の向きを変えながら積層すること
   により略水平な平坦状態に空袋を収納させると共に、貯
   袋器上方には貯袋器内の袋の開口部と底部の向きを識別
   するセンサーと、空袋の開口部と底部を共に吸着して持
   上げ可能とする１対の吸盤を備え、且つ所定角の回転を
   可能とする空袋取出し供給手段とを配設せしめ、空袋取
   出し供給手段の吸盤で吸着した空袋を前記センサーの識
   別信号に基づいて空袋の開口部が特定方向となるように
   適宜所定角の回転を行わせながら自動包装機へ供給する
   ようになすことを特徴とした自動包装機に対する貯袋器
   からの空袋取出し供給方法。