JP2582926B2 - 顕微鏡用対物レンズ - Google Patents

顕微鏡用対物レンズ

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JP2582926B2 JP2109848A JP10984890A JP2582926B2 JP 2582926 B2 JP2582926 B2 JP 2582926B2 JP 2109848 A JP2109848 A JP 2109848A JP 10984890 A JP10984890 A JP 10984890A JP 2582926 B2 JP2582926 B2 JP 2582926B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、紫外域、特に波長300nm以下の遠紫外域
においても使用可能な顕微鏡用対物レンズに関する。
(従来の技術とそと課題) 従来から周知のように、顕微鏡において、その対物レ
ンズの開口数(NA)が同一である場合には、波長が短く
なるにしたがって解像限界が上昇し、試料の細部にわた
って観察することができる。また、試料に紫外線を照射
した場合には、可視光線を照射した場合に比べより強度
の大きな蛍光が放出されることが多い。したがって、顕
微鏡により試料を観察してより多くの情報を得るため
に、紫外域においても使用することができる顕微鏡を提
供することが望まれる。そのためには、紫外域や遠紫外
域でも使用することができる対物レンズが必要となる。
そこで、従来より紫外域や遠紫外域において使用可能
な対物レンズとして、例えば第6図に示す顕微鏡用対物
レンズが採用されていた。第6図はこの顕微鏡用対物レ
ンズ70の構成を示す図である。この対物レンズ70は、光
技術コンタクト誌Vol.25 No.2(1987年2月)P.137に
記載されたものである。
同図に示すように、この対物レンズ70は、物体側(同
図の左側)から結像側(同図の右側)に向けて順次配列
された蛍石製の第1レンズ71,第2および第3レンズ群7
2,73により構成されている。第2レンズ群72は石英製の
凹レンズ72aを蛍石製の凹レンズ72b,72cで挟んで接合し
たものである。また、第3レンズ群73は、第2レンズ群
72と同様に、石英製の凹レンズ73aを蛍石製の凸レンズ7
3b,73cで挟んで接合したものである。
この対物レンズ70では、角レンズ71,72a〜72c,73a〜7
3cは、いずれも石英製あるいは蛍石製であるため、紫材
線や遠紫材線を透過できる。したがって、対物レンズ70
は紫外域や遠紫外域にも使用可能である。
しかも、第2レンズ群72は石英製の凹レンズ72aと蛍
石製の凸レンズ72b,72cとで構成され、また第3レンズ
群73は石英製の凹レンズ73aと蛍石製の凸レンズ73b,73c
とで構成されているので、色収差の補正を行うこともで
きる。
ところで、第2レンズ群72においては、凸レンズ72b,
凹レンズ72aおよび凸レンズ72cの相互間がオプチカルコ
ンタクトされている。また、第3レンズ群73において
も、凸レンズ73b,凹レンズ73aおよび凸レンズ73cの相互
間がオプチカルコンタクトされている。その理由は、現
時点において、遠紫外線を透過する実用的な接着剤が存
在しないからである。このため、レンズ接合面での全反
射が無いようにするためには、接合面をオプチカルコン
タクトするしか方法はない。したがって、各接合面を高
精度に加工することが要求され、対物レンズ70の製造コ
ストが増大するという問題がある。
そこで、本願発明者は上記問題を解消した顕微鏡用対
物レンズを先の出願(特開平1−319719号公報および特
開平1−319720号公報で、以下、単に、「先の出願」と
称する。)において提案した。第7図はこの提案にかか
る顕微鏡用対物レンズの1例を示す図である。この提案
例によれば、顕微鏡用対物レンズ60は石英製あるいは蛍
石製のレンズ61〜63により構成されている。そして、こ
れらの第1ないし第3レンズ61〜63は、同図に示すよう
に、物体側(同図の左側)から像側(同図の右側)にこ
の順序で所定の空気間隔をもって配列されている。した
がって、この顕微鏡用対物レンズ60は紫外域や遠紫外域
におい使用可能である。しかも、各レンズ61〜63は相互
に隔離されている、言い換えればこの対物レンズ60で
は、貼り合わせ面が存在しない。したがって、この顕微
鏡用対物レンズ60では、オプチカルコンタクトにするこ
とが必要となり、上記問題が解消される。
ところで、第7図に示す対物レンズ60は、結像レンズ
(その詳細な構成は後で述べる)と協働して物体の像を
所定の結像倍率Mをもって結像レンズの焦点面に結像す
るような構成をとっている。この時の結像倍率Mは、結
像レンズの焦点距離f2と対物レンズ60の焦点距離f1との
比となる。すなわち、結像倍率Mは、 M=−f2/f1 …(1) となる。
また、顕微鏡では、通常結像レンズを固定しておき、
対物レンズを交換して、結像倍率Mを変化させている
が、そのために、相互に異なった焦点距離をもった対物
レンズを用意する必要がある。
例えば、第7図に示した対物レンズ60を、ある対物レ
ンズと交換して結像倍率を2倍にする場合について考え
てみる。
この場合、(1)式からわかるように、結像倍率を2
倍にするためには、焦点距離が(f2/2)の対物レンズを
用意する必要がある。ここで、単に焦点距離を(f1/2)
に設定するだけであれば、例えば対物レンズ60を比例縮
小すればよい。
しかしながら、対物レンズ60を1/2倍にした対物レン
ズと交換したときには、その瞳の位置を固定している限
り、対物レンズから物体までの距離も1/2倍にする必要
があり、対物レンズの交換後、ピントを合わせ直す必要
が生じる。これは、顕微鏡の操作性を著しく低下させる
ものであり、好ましいものではない。逆に、物体位置を
固定すると瞳の位置が動いてしまうため、固定した照明
系では照明状態が変わってしまい好ましくない。また、
上記対物レンズの交換により、瞳の大きさも1/2倍にな
り、固定した照明系では使用する光量が少なくなる。
したがって、対物レンズの交換によって結像倍率を2
倍にする場合には、交換後の対物レンズが、 (1)焦点距離が対物レンズ60の1/2倍であり、 (2)対物レンズの交換後も、ピントを合わせ直す必要
のない、すなわち対物レンズ60の同焦点となっており、 (3)しかも瞳の位置と大きさが対物レンズ60のそれと
ほぼ等しい、 という条件を備えることが求められる。
(発明の目的) この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、上
記した先の出願にかかる対物レンズとは別の構成によっ
て、紫外域や遠紫外域においても使用可能な顕微鏡用対
物レンズを低コストで提供することを第1の目的とす
る。
また、この発明は、結像レンズと協働して物体の像を
所定の結像倍率をもって焦点面上に結像する上記した先
の出願の対物レンズに対し、その焦点距離がほぼ1/2倍
で、しかも同焦点となっており、瞳の位置と大きさがほ
ぼ等しい顕微鏡用対物レンズを提供することを第2の目
的とする。
(目的を達成するための手段) 請求項1記載の発明は、上記の第1の目的を達成する
ために、物体側から像側へ、第1ないし第5レンズをこ
の順序に所定の空気間隔をもって配列している。これら
第1ないし第5レンズのうち、前記第1レンズは石英製
または蛍石製で物体側に凹面を向けたメニスカスレンズ
であり、前記第2レンズは石英製で物体側に凸面を向け
た負のパワーを有するメニスカスレンズであり、前記第
3および第5レンズはともに蛍石製で正のパワーを有
し、前記第4レンズは石英製で負のパワーを有している
とともに、前記第2ないし第5レンズのパワーをそれぞ
れφ234、前記第2および第3レンズからな
る合成系のパワーをφ23、前記第4および第5レンズか
らなる合成系のパワーをφ45、全系のパワーをφとする
とき、前記対物レンズでは、 2.1<|φ32|<2.7 0.35<|φ54|<0.45 1.85<|φ23/φ |<2.25 0.63<|φ45/φ |<0.69 で示される不等式が満足されている。
また、請求項2記載の発明は、結像レンズと協働し
て、物体の像を所定の結像倍率をもって結像レンズの焦
点面上に結像する対物レンズと交換可能であり、しかも
前記対物レンズに代えて前記結像レンズと組合せて使用
されたときに、結像倍率をほぼ倍増させる顕微鏡用対物
レンズに向けられたものである。
そして、上記第2の目的を達成するために、物体側か
ら像側へ、第1ないし第5レンズをこの順序に所定の空
気間隔をもって配列している。これら第1ないし第5レ
ンズのうち、前記第1レンズは石英製または蛍石製で物
体側に凹面を向けたメニスカスレンズであり、前記第2
レンズは石英製で物体側に凸面を向けた負のパワーを有
するメニスカスレンズであり、前記第3および第5レン
ズはともに蛍石製で正のパワーを有し、前記第4レンズ
は石英製で負のパワーを有している。
しかも、前記第2ないし第5レンズのパワーをそれぞ
れφ234、前記第2および第3レンズからな
る合成系のパワーをφ23、前記第4および第5レンズか
らなる合成系のパワーをφ45、全系のパワーをφとする
とき、前記対物レンズでは、 2.1<|φ32|<2.7 0.35<|φ54|<0.45 1.85<|φ23/φ |<2.25 0.63<|φ45/φ |<0.69 で示される不等式が満足されている。
(作用) 請求項1の発明によれば、第2および第4レンズはい
ずれも石英製であり、第3および第5レンズはともに蛍
石製であり、また第1レンズは石英製または蛍石製であ
る。したがって、紫外域あるいは遠紫外域の光が当該対
物レンズを透過可能であり、紫外域および遠紫外域にお
いて使用することができる。
また、前記第1ないし第5レンズは所定の空気間隔を
もって相互に隔離されている。そのため、オプチカルコ
ンタクトの必要がなくなり、当該対物レンズを低コスト
で提供することができる。
また、前記第2ないし第5レンズのパワーをそれぞれ
φ234、前記第2および第3レンズからなる
合成系のパワーをφ23、前記第4および第5レンズから
なる合成系のパワーをφ45、全系のパワーをφとすると
き、当該対物レンズが、 2.1<|φ32|<2.7 …(2) 0.35<|φ54|<0.45 …(3) 1.85<|φ23/φ |<2.25 …(4) 0.63<|φ45/φ |<0.69 …(5) で示される不等式を満足するため、球面収差,色収差等
が良好なものとなる。
その理由は、値|φ32|が2.7よりも大きくなく
と、収差補正が不足(アンダー)するからである。逆
に、値|φ32|が2.1よりも小さくなると、収差値補
正が過剰(オーバー)となるからである。
また、値|φ54|が0.45よりも大きくなると、収差
補正が不足(アンダー)するからである。逆に、値|φ
54|が0.35よりも小さくなると、収差補正が過剰(オ
ーバー)となるからである。
また、値|φ23/φ |が2.25よりも大きくなると、
収差補正が不足(アンダー)するからである。逆に、値
|φ23/φ |1.85よりも小さくなると、収差補正が過剰
(オーバー)となるからである。
さらに、値|φ45/φ |が0.69よりも大きくなる
と、収差補正が過剰(オーバー)となるからである。逆
に、値|φ45/φ |が0.63よりも小さくなると、収差
補正が不足(アンダー)するからである。
請求項2の発明によれば、当該対物レンズがいわゆる
アミチ型の変形タイプとなっているために、瞳径を変化
させることなく、当該対物レンズの焦点距離を被交換用
の先の出願の対物レンズのほぼ半分にすることができ、
その結果、結像倍率を2倍にできる。ここで、当該対物
レンズが純粋なアミチ型と相違する点は、最も物体側に
配置されたレンズ(第1レンズ)がメニスカスレンズと
なっている点である。これは、このメニスカスレンズに
アプラナチックな性格とフィールドフラットナーの性格
とを持たせて積極的に収差補正を行うためである。な
お、特に当該対物レンズをテレセントリック系とする場
合には、このメニスカスレンズが負のパワーを有するよ
うに設定するのが望ましい。
また、当該対物レンズが不等式(2)〜(5)を満足
する場合には、球面収差等がより良好なものとなる。な
お、その理由については、上記と同様である。
さらに、上記のように、当該対物レンズの焦点距離は
被交換用の先の出願の対物レンズのほぼ半分であるた
め、焦点距離が短かくなったのに対応して当該対物レン
ズの主点間隔が先の出願の対物レンズより大きくなるよ
うに、当該対物レンズを設計すれば、当該対物レンズの
同焦点距離が先の出願の対物レンズと一致する。この主
点間隔の量は、同焦点距離のおよそ1/3で、焦点距離と
同じであり、量としては小さな値である。したがって、
請求項2の発明にかかる対物レンズによれば、当該対物
レンズと先の出願の対物レンズとを同焦点にすることは
容易である。
(実施例) A.第1実施例 第1図はこの発明にかかる顕微鏡用対物レンズの第1
実施例を示す図である。同図に示すように、この対物レ
ンズ10は第1ないし第5レンズ11〜15により構成されて
いる。これら第1ないし第5レンズ11〜15は、物体側
(同図の左側)から像側(同図の右側)へこの順序に所
定の空気間隔をもって配列されている。
第1レンズ11は物体側に凹面11aを向けたメニスカス
レンズである。また、第2レンズ12は物体側に凸面12a
を向けた負のパワーを有するメニスカスレンズである。
さらに、第3および第5レンズ13,15はともに正のパワ
ーを有する一方、第4レンズ14は負のパワーを有してい
る。
第1表は、上記のように構成された対物レンズ10のレ
ンズデータを示すものである。
なお、同表(および後で説明する第3表)において、ri
は物体側から数えてi番目(i=1〜10)のレンズ面の
曲率半径を、またdiは物体側から数えてi番目(i=1
〜9)のレンズ面と(i+1)番目のレンズ面との光軸
Z上のレンズ面間距離を示すものである。また、同表か
らわかるように、第1,第2および第4レンズ11,12,14は
いずれも石英製であり、第3および第5レンズ13,15は
ともに蛍石製である。
また、対物レンズ10の焦点距離fは15であり、開口数
(NA)は1/6であり、像サイズは10.8である。
また、波長298.06(nm)に対する、第1ないし第5レ
ンズ11〜15のパワーφ1234は、それぞれ
以下の通りである。
φ=−0.04544,φ=−0.08247 φ= 0.2142 ,φ=−0.2507 φ= 0.1005 また、第2および第3レンズ12,13からなる合成系の
パワーφ23と、第4および第5レンズ14,15からなる合
成系のパワーφ45と、全系(対物レンズ10)のパワーφ
とは、それぞれ φ23=0.1436,φ45=−0.04325 φ =0.06667 である。
したがって、上記データから、 |φ32|=2.597 |φ54|=0.4010 |φ23/φ |=2.154 |φ45/φ |=0.6487 がそれぞれ求まり、対物レンズ10が不等式(2)〜
(5)をそれぞれ満足していることは明らかである。
ところで、この対物レンズ10は落射照明型顕微鏡に適
用することを考慮して、いわゆる無限遠補正系としてい
る。すなわち、以下に説明する結像レンズと組合せて、
物体の像を所定の結像面に結像するように構成されてい
る。
<結像レンズ> 第2図は結像レンズの構成を示す図であり、先の出願
において示された結像レンズと同一のものである。同図
に示すように、結像レンズ50は、第1ないし第3レンズ
51〜53により構成されている。これら第1ないし第3レ
ンズ51〜53は、物体側(同図の左側)から像側(同図の
右側)へこの順序に所定の空気間隔をもって配列されて
いる。
第2表は、上記のように構成された結像レンズ50のレ
ンズデータを示すものである。
なお、同表においても、Riは物体側から数えてi番目
(i=1〜6)のレンズ面の曲率半径を、またDiは物体
側から数えてi番目(i=1〜5)のレンズ面と(i+
1)番目のレンズ面との光軸Z上のレンズ面間距離を示
すものである。また、同表からわかるように、第1レン
ズ51は蛍石製であり、第2および第3レンズ52,53は石
英製である。また、この結像レンズ50の焦点距離f′は
300である。
したがって、この結像レンズ50と上記第1実施例1に
かかる対物レンズ10とからなる顕微鏡の結像倍率Mは、 M=−f′/f=−300/15=−20.0 となる。
第3A図および第3B図は、それぞれ対物レンズ10と結像
レンズ50とを組合せたレンズ系の球面収差および正弦条
件を示す図である。なお、両図(および後で説明する第
5A図,第5B図)において、符号A〜Dはそれぞ波長298.
06(nm),202.54(nm),389.84(nm),253.70(nm)の
光についての結果を示している。
第3C図および第3D図は、それぞれ波長298.06(nm)に
ついての非点収差および歪曲収差を示す図である。な
お、第3C図(および後で説明する第5C図)において、実
線Sはサジタル像画を、また破線Mはメリジオナル像画
を示している。
第3A図および第3B図から、この対物レンズ10によれ
ば、紫外域および遠紫外域の光に対して収差が少ないこ
とがわかる。したがって、この対物レンズ10を紫外域や
遠紫外域において使用可能であることは明らかである。
また、第3C図および第3D図から、対物レンズ10を用いた
レンズ系の非点収差および歪曲収差も少ないことが明ら
かである。
B.第2実施例 第4図はこの発明にかかる顕微鏡用対物レンズの第2
実施例を示す図である。この第2実施例にかかる対物レ
ンズ20は、対物レンズ10と基本的に同一の構成をとって
いる。すなわち、対物レンズ20は、物体側(同図の左
側)から像側(同図の右側)へこの順次に所定の空気間
隔をもって配列された第1ないし第5レンズ21〜25によ
り構成されている。
第3表は、この対物レンズ20のレンズデータを示すも
のである。
なお、同表からわかるように、第2および第4レンズ
22,24はいずれも石英製であり、第1,第3および第5レ
ンズ21,23,25はともに蛍石製である。
また、対物レンズ20の焦点距離fは15であり、開口数
(NA)は1/6であり、像サイズは10.8である。
また、波長298.06(nm)に対する、第1ないし第5レ
ンズ21〜25のパワーφ1,φ2,φ34は、それぞれ
以下の通りである。
φ=−0.02242,φ=−0.09068 φ= 0.2075 ,φ=−0.2208 φ=0.08927 また、第2および第3レンズ22,23からなる合成系の
パワーφ23と、第4および第5レンズ24,25からなる合
成系のパワーφ45と、全系(対物レンズ20)のパワーφ
は、それぞれ φ23= 0.1304 ,φ45=−0.04466, φ = 0.06667 である。
したがって、上記データから、 |φ32|=2.288 |φ54|=0.4043 |φ23/φ |=1.956 |φ45/φ |=0.6699 がそれぞれ求まり、対物レンズ20が不等式(2)〜
(5)をそれぞれ満足していることは明らかである。
この対物レンズ20についても、第1実施例と同様に、
いわゆる無限遠補正系として、第2図に示す結像レンズ
50と組合せされる。したがって、この結像レンズ50と上
記第2実施例にかかる対物レンズ20とからなる顕微鏡の
結像倍率Mも、 M=f′/f=−300/15=−20.0 となる。
第5A図および第5B図は、それぞれ対物レンズ50と結像
レンズ50とを組合せたレンズ系の球面収差および正弦条
件を示す図である。また、第5C図および第5D図は、それ
ぞれ波長298.06(nm)についての非点収差および歪曲収
差を示す図である。
第5A図および第5B図から、この対物レンズ20によれ
ば、紫外域および遠外域の光に対して収差が少ないこと
がわかる。したがって、この対物レンズ20を紫外域や遠
紫外域において使用可能であることは明らかである。ま
た、第5C図および第5D図から、対物レンズ20を用いたレ
ンズ系の非点収差および歪曲収差が少ないことが明らか
である。
C.第1および第2実施例の効果 以上のように、第1および第2実施例かかる対物レン
ズ10,20は紫外域や遠紫外域において使用可能であり、
これらの波長領域において使用可能であり、これらの波
長領域において優れた特性を有している。また、いずれ
の実施例においても、第1ないし第5レンズは相互に離
隔されている。そのため、オプチカルコンタクトの必要
はなくなり、対物レンズを低コストで提供することがで
きる。
なお、上記においては、特に説明しなかったが、いず
れの実施例も、可視域および赤外域においてもいずれの
収差も少なく、各対物レンズ10,20を赤外域から遠紫外
域の範囲において使用可能であることが確認された。
ところで、本願発明者が先に開示した、先の出願にか
かる対物レンズ60(第7図)結像レンズ50と組合され
て、結像倍率Mが−10倍のレンズ系を構成している。す
なわち、対物レンズ60の焦点距離は30である。これに対
して、上記実施例にかかる対物レンズ10,20の焦点距離
はいずれも15である。したがって、結像レンズ50を固定
しておき、例えば第1実施例の対物レンズ10を対物レン
ズ60と交換することによって、結像倍率Mを−10倍から
−20倍に変化させることができる。
しかも、対物レンズ10,20はいずれも対物レンズ60と
同焦点になっている。その結果、対物レンズの交換(例
えば、対物レンズ60から対物レンズ10への交換)後も、
ピントを合わせ直す必要がなくなり、顕微鏡の操作性が
向上する。
その上、各対物レンズ10,20の瞳径は対物レンズ60と
ほぼ同程度となっている。したがって、レンズ交換によ
っても、物体を照明する光量に大きな変化は認められ
ず、良好な状態で物体の観察を行うことができる。
すなわち、上記実施例にかかる対物レンズ10,20はい
ずれも本願の第2の目的に合致する対物レンズといえ
る。
(発明の効果) 以上のように、請求項1の発明によれば、石英製また
は蛍石製の第1レンズと、石英製の第2レンズと、蛍石
製の第3レンズと、石英製の第4レンズと、蛍石製と第
5レンズとを、物体側から像側へ、この順序に所定の空
気間隔をもって配列しているため、当該対物レンズを紫
外域や遠紫外域において使用することがきる。
また、各レンズは所定の空気間隔をもって相互に離隔
されているため、オプチカルコンタクトの必要がなくな
り、当該対物レンズを安価に提供することができる。
さらに、当該対物レンズが不等式(2)〜(5)を満
足しているので、球面収差や色収差通をより良好なもの
とすることができる。
請求項2の発明によれば、当該対物レンズをいわゆる
アミチ型の変形タイプとしているので、瞳径を変化させ
ることなく、当該対物レンズの焦点距離を被交換用の先
の出願の対物レンズのほぼ半分にすることができ、結像
倍率を2倍にすることができる。
また、当該対物レンズの焦点距離は被交換用の先の出
願の対物レンズのほぼ半分であるが、容易に当該対物レ
ンズを、先の出願の対物レンズと同焦点にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明にかかる顕微鏡用対物レンズの第1
実施例を示す図であり、 第2図は、結像レンズの構成を示す図であり、 第3A図,第3B図,第3C図および第3D図は、それぞれ第1
図に示す対物レンズと上記結像レンズとを組合せたレン
ズ系の球面収差,正弦条件,非点収差および歪曲収差を
示す図であり、 第4図は、この発明にかかる顕微鏡用対物レンズの第2
実施例を示す図であり、 第5A図,第5B図,第5C図および第5D図は、それぞれ第4
図に示す対物レンズと上記結像レンズとを組合せたレン
ズ系の球面収差,正弦条件,非点収差および歪曲収差を
示す図であり、 第6図および第7図は、それぞれ従来の顕微鏡用対物レ
ンズの構成を示す図である。 10,20……対物レンズ、 11,21……第1レンズ、 11a,21a……凹面、 12,22……第2レンズ、 12a,22a……凸面、 13,23……第3レンズ、 14,24……第4レンズ、 15,25……第5レンズ、 50……結像レンズ、 60……対物レンズ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側から像側へ、第1ないし第5レンズ
    をこの順序に所定の空気間隔をもって配列してなり、前
    記第1レンズは石英製または蛍石製で物体側に凹面を向
    けたメニスカスレンズであり、前記第2レンズは石英製
    で物体側に凸面を向けた負のパワーを有するメニスカス
    レンズであり、前記第3および第5レンズはともに蛍石
    製で正のパワーを有し、前記第4レンズは石英製で負の
    パワーを有するとともに、 前記第2ないし第5レンズのパワーをそれぞれφ2,φ3,
    φ4,φ5、前記第2および第3レンズからなる合成系の
    パワーをφ23、前記第4および第5レンズからなる合成
    系のパワーをφ45、全系のパワーをφとするとき、 2.1<|φ3/φ2|<2.7 0.35<|φ5/φ4|<0.45 1.85<|φ23/φ |<2.25 0.63<|φ45/φ |<0.69 を満足することを特徴とする顕微鏡用対物レンズ。
  2. 【請求項2】結像レンズと協働して物体の像を所定の結
    像倍率をもって結像面上に結像する対物レンズと交換可
    能であり、しかも前記対物レンズに代えて前記結像レン
    ズと組合せて使用されたときに、結像倍率をほぼ倍増さ
    せる顕微鏡用対物レンズであって、 物体側から像側へ、第1ないし第5レンズをこの順序に
    所定の空気空間をもって配列してなり、前記第1レンズ
    は石英製または蛍石製で物体側に凹面を向けたメニスカ
    スレンズであり、前記第2レンズは石英製で物体側に凸
    面を向けた負のパワーを有するメニスカスレンズであ
    り、前記第3および第5レンズはともに蛍石製で正のパ
    ワーを有し、前記第4レンズは石英製で負のパワーを有
    するとともに、 前記第2ないし第5レンズのパワーをそれぞれφ2,φ3,
    φ4,φ5、前記第2および第3レンズからなる合成系の
    パワーをφ23、前記第4および第5レンズからなる合成
    系のパワーをφ45、全系のパワーをφとするとき、 2.1<|φ3/φ2|<2.7 0.35<|φ5/φ4|<0.45 1.85<|φ23/φ |<2.25 0.63<|φ45/φ |<0.69 を満足することを特徴とする顕微鏡用対物レンズ。
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