JP2582914B2 - 偏光プリズム - Google Patents

偏光プリズム

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JP2582914B2 JP2022787A JP2278790A JP2582914B2 JP 2582914 B2 JP2582914 B2 JP 2582914B2 JP 2022787 A JP2022787 A JP 2022787A JP 2278790 A JP2278790 A JP 2278790A JP 2582914 B2 JP2582914 B2 JP 2582914B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は分光光度計等で用いられる広波長域用の偏光
プリズムに関する。
〔従来技術〕
回折格子で単色化した光を試料に照射し,透過率や反
射率を測定する分光光度計では,特に斜入射で測定する
ときに入射光の偏光状態が問題になる。回折格子で分光
された光は波長ごとに異なる楕円偏光になる。しかし,
測定量として重要なのはS波に対してやP波に対しての
透過率,反射率である場合が多い。そこで,こうした測
定のために回折格子の後に偏光プリズムを挿入し,プリ
ズムを回転させて試料に照射するS波入射光やP波入射
光を作る。分光光度計は紫外から赤外にわたる広い波長
領域の光を測定に用いるため,こうした偏光プリズムは
広い透過波長域を持ち,しかも偏光子として機能しなけ
ればならない。さらに,回折格子で分光されて弱くなっ
た光の強度を落とさずに効率よく使うために,視野角度
は広い方が好ましい。
光学軸がプリズムの断面と垂直な面内にある偏光プリ
ズムの視野角について,第7図に従って説明する。図の
ように3次元の直交座標軸をとり,x軸と光学軸のなす角
をβとする。プリズムを構成する一軸性結晶の常光線,
異常光線に対する主屈折率をそれぞれnω,nε,プリズ
ムの頂角をS,接合部の屈折率をnとすると,常光線,異
常光線が接合部で全反射する臨界入射角Io,Ieはそれぞ
れ次式で与えられる。
代表的偏光プリズムであるグラントムソンプリズムで
はβ=90°,フランクリッタープリズムではβ=45°に
なる。
方解石製グラントムソンプリズムで接着剤の屈折率n
が1.43のとき波長589.23nmにおいてIo=Ieになるように
くさび角Sを求めると,S=23.53°になる。このプリズ
ムの視野角Io+Ieの波長依存性を第6図に示す。このグ
ラフから明らかなように,グラントムソンプリズムは波
長300nmから1400nmにわたり常に20°以上の広い視野角
を確保することができる。しかし,接着剤の吸収のた
め,300nm以下の波長では光を透過しないという欠点を持
っている。
300nm以下の光を透過させるプリズムには接合部を空
気層としたグランフーコープリズムがある。グランフー
コープリズムではn=1とおけばよい。波長589.23nmに
おいてIo=Ieになるようにくさび角を求めると,S=50.46
°になる。このプリズムの視野角の波長依存性を第5図
に示す。グランフーコープリズムは接着層による光の吸
収がないため,300nm以下の波長でも使用できをが,その
かわり,視野角が8°前後と,グラントムソンプリズム
に比べて狭くなってしまう。
グラントムソンプリズムでもグランフーコープリズム
でも常光線,異常光線の臨界入射角の大きさIo,Ieは波
長とともに変化し,特に短波長領域においては同じ視野
角Io+IeといってもIoが大きくIeは小さいといったアン
バランスな非対称形になっている。これはプリズムを構
成する方解石の2つの主屈折率nω,nεは波長が変わる
につれて変化するのに対し,接合層の屈折率は一定の値
をとることに由来している。
この視野角の非対称性のため,たとえ視野角そのもの
は大きかったとしても必ずしも広がった入射光を有効に
使えるとはかぎらない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
分光光度計等で使用される偏光プリズムには広い透過
波長域と広い視野角という2つの性能が必要とされる
が,従来の偏光プリズムにはこの2つを同時に満たすも
のがなかった。最も視野角の広いグラントムソンプリズ
ムは300nm以下の波長領域では使用できないし,透過波
長域の広いグランフーコープリズムは視野角を広くとる
ことができない。しかも,従来型の偏光プリズムでは視
野角の設計波長以外の波長での非対称性が入射光の有効
利用に悪影響を及ぼしていた。この非対称性は特に短い
波長領域において顕著である。
本発明の目的は広透過波長域,広視野角を同時に満足
し,しかもどの波長領域でもほぼ対称な視野角を有する
ような偏光プリズムを提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の偏光プリズムは第7図において2組の三角プ
リズムA,Bを方解石とし,接合部分Cを合成石英とす
る。
方解石,合成石英間は光学的に接合する。
〔作用〕
通常偏光プリズムは2つの方解石製三角プリズムを接
着剤で接合するか,空気層を設けて接合して作る。紫外
から赤外の波長域において方解石の常光線,異常光線の
主屈折率nω,nεはそれぞれ1.7前後,1.5前後の値をと
る。
接合部の界面での常光線,異常光線の全反射を起こす
臨界入射角を第4図に示すようにφo・φeとすると となる。ここでneは異常光線の屈折率で普通入射角に依
存するが、グラントムソンタイプのプリズムではne=n
εとおいてよい。nω=1.7,nε=1.5とし、接合部分の
媒質の屈折率nを0.1から1.5まで変化させたときのφo,
φe,φe−φoのグラフを第3図に示した。
φe−φoは視野角に対応する角度だが,第3図から
接合部の屈折率が大きいほど視野角が大きくとられるこ
とがわかる。したがって第5図,第6図の比較から明ら
かなように接合部の屈折率nをn=1.43としたときの視
野角はn=1.0としたときの視野角よりも常に大きい値
をとる。
それゆえ紫外領域まで使いたいが,視野角も広くとり
たいというときには,接合部を紫外領域で吸収のある接
着剤やあるいは屈折率の小さい空気層とするのではな
く,1つの本発明のように紫外光から赤外光まで透過し,
しかもnc<nω,nεであるような屈折率ncを持つ油で接
合部を満たせばよい。
他方,方解石製の偏光プリズムではnω>nεなので
異常光線は透過し,常光線は接合面で全反射して透過し
ないよう接合媒質の屈折率とプリズムのくさび角を選択
する。
常光線が接合面で全反射を起こすにはnω>nでなけ
ればならないが,接合媒質の屈折率nが異常光線の屈折
率neに等しければ,理想的な偏光プリズムになる。つま
りn=neのとき異常光線にとって偏光プリズムは単なる
均一な媒質になるが,常光線にとっては全反射面を持っ
た偏光プリズムとして作用する。
しかし現実にはnω>ne=nを満足する屈折率nを持
つ接着剤はないのでnω>ne>nとなるように接着剤の
屈折率を選択している。しかしnの値としてはできるだ
けneに近いものを選んだ方が第3図にも示したように,
視野角を広くとれ,好ましい。
さて,方解石の2つの主屈折率nω,nεは第2図に示
すような波長依存性を持っている。それに対し例えば空
気層ではどの波長でも屈折率は1.0で一定である。この
ため例えばグランフーコープリズムでは波長によって視
野角は変化ししかもnω,nεとn(=1.0)との差が著
しい紫外領域において視野角の対称性が極端にくずれて
くる。
どの波長においても広い視野角を保ち,しかも視野角
の対称性を大きくくずさないためには接合媒質の屈折率
の関係を満たしながら,波長によって変化することが望
ましい。
さらに接合媒質は紫外光も透過するものである方がも
っと望ましい。
そこで、他の1つの本発明では以上のような条件を満
たす等方的分散媒質として合成石英を採用した。合成石
英の屈折率nsは第2図でも明らかなように,常に の関係を満たしながら波長によって変化する。また合成
石英の透過波長域は160〜2500nmに及ぶ。空気層よりも
大きな屈折率を持ち,しかも接着剤とは異なり紫外光も
通すので,合成石英は方解石製偏光プリズムの接合媒質
として適している。
〔実施例〕
方解石製偏光プリズムで光学軸の方向をグラントムソ
ンタイプにし,接合部分を合成石英にしたときのIo,Ie
と視野角Io+Ieの波長依存性を第1図(B)に示す。
波長589.23nmにおいてIo=Ieになるようくさび角Sを2
0.26°とする。
グラントムソンタイプでは光学軸の方向βは90°とな
るが光学軸の方向はこれだけに限定するものではない。
〔発明の効果〕
グラントムソンプリズムは視野角は大きい反面紫外光
を通さない。グランフーコープリズムは紫外光は通すも
のの,視野角は小さい。さらに両者とも設計波長とは異
なる波長での視野角の非対称性はまぬがれえなかった。
すなわち,従来の偏光プリズムには紫外光から赤外光に
わたる広い波長領域で使え,しかも広くて対称性の良い
視野角を持つといったものはなかった。そのため分光光
度計等で広い波長範囲にわたって偏光プリズムを使おう
とすると,紫外領域ではグランフーコープリズムを用
い,可視から赤外領域ではグラントムソンプリズムを用
いるといったような波長領域に応じた使い分けがどうし
ても不可避であった。
しかし,本発明の偏光プリズムにより紫外領域での吸
収の問題も,空気層に由来する狭視野角の問題も,さら
には視野角の対称性のくずれの問題も一挙に解決するこ
とができる。
本発明の偏光プリズムは紫外領域から赤外領域にわた
って使用でき,しかも常に25°以上の対称な視野角を有
するので,従来の偏光プリズムよりも汎用性に優れ,分
光光度計等で使用するときにもプリズムの切り換えなし
に1つで十分性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)(B)は本発明の偏光プリズムの視野角の
波長依存性を示すグラフ,第2図は方解石製や合成石英
等の屈折率の波長依存性を示すグラフ第3図は全反射の
臨界入射角と接合部の屈折率の関係を表わすグラフ,第
4図はプリズムの接合面における全反射の様子を説明す
る図,第5図はグランフーコープリズムの視野角の波長
依存性を示すグラフ,第6図はグラントムソンプリズム
の視野角の波長依存性を示すグラフ,第7図は光学軸が
プリズムの断面と垂直な面内にある偏光プリズムを説明
する図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの方解石製三角プリズムを光学的に接
    合して作られるプリズムであって、その接合部分を合成
    石英で構成したことを特徴とする偏光プリズム。
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