JP2582424B2 - ホウ酸金属塩の形成によって,オーバーベース化する方法 - Google Patents

ホウ酸金属塩の形成によって,オーバーベース化する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 この発明は,油溶性で金属含有組成物の調製に関し,
このような組成物の潤滑剤および燃料中での使用に関す
る。より特定すると,この発明は,ホウ素化合物を用い
る,有機酸の金属オーバーベース化に関する。
従来のオーバーベース化は,酸性の気体(例えば,C
O2,SO2およびH2S)を用いる。CO2が,最も好ましい無機
の酸性物質である。このことは,価格,使用の容易さ,
有用性,および得られる生成物の性能を全体的に考慮し
たことによる。このタイプのオーバーベース化(ここ
で,Mは金属である)は,以下の方式で起こる:過剰量の
金属水酸化物が,酸と反応に供される。この酸は,化学
量論量の金属水酸化物と反応に供されて,金属塩を形成
する。この反応系にCO2が導入される。このCO2は,この
金属水酸化物とすぐに反応に供され,金属炭酸塩を形成
する。反応系に多量に金属炭酸塩が存在することで,オ
ーバーベース化が証明される。
この発明は,酸化亜鉛,水酸化亜鉛,酸化銅または水
酸化銅と,塩を形成する有機酸との反応により,形成さ
れるオーバーベース化生成物の形成に関する。追加の酸
化亜鉛または水酸化銅をホウ酸とともに加え,ホウ酸亜
鉛またはホウ酸銅のオーバーベース化酸を形成する。
関連技術の記述 米国特許第3,629,109号(Gergelら,1971年12月21日)
は,無機の酸性物質(例えば,CO2)と,アルカリ金属塩
またはアルカリ土類金属塩との,助触媒系の存在下での
反応による,有機酸の塩基性マグネシウム塩の調製を論
じている。
米国特許第3,829,381号(Le Suer,1974年8月13日)
は,カルシウムでオーバーベース化された石油スルホン
酸をホウ酸で後処理して,ホウ素およびカルシウム含有
の反応生成物を得ることに関する。この組成物は,潤滑
剤および燃料中の添加剤として,有用である。
発明の要旨 この発明は,有機酸の塩基性で油溶性の金属塩,この
ような塩基性塩を製造する方法,およびこれら塩基性塩
を含有する潤滑組成物を示す。より特定すると,この発
明は,以下の方法により調製される,有機酸の塩基性の
亜鉛塩,銅塩,カドミウム塩または遷移金属塩に関す
る:この方法は,油溶性の酸性化合物(例えば,スルホ
ン酸,カルボン酸,置換フェノール,リン含有酸,また
はそれらの混合物)と,金属含有化合物(例えば,亜鉛
または銅の酸化物または水酸化物)とを接触させて,金
属塩を形成することを包含する。この金属塩は,助触媒
系の存在下にて,さらにホウ酸および追加の金属化合物
と反応に供される。
本発明の詳細な説明 本発明の金属含有のホウ酸塩オーバーベース化組成物
は,(A)油溶性の有機酸の原料と,(B)金属含有化
合物とを反応させ,そして(C)ホウ素化合物を,
(D)助触媒系の存在下にて反応させることにより,調
製され得る。
この発明は,さらに,上記方法により形成される組成
物を含有する,添加濃縮物および潤滑組成物を提供す
る。
成分(A) 成分(A)は,油溶性の有機酸の原料である。これら
有機酸は,スルホン酸,カルボン酸,リン含有酸または
それらの混合物である。
適当なカルボン酸は,式R(COOH)を有する。ここ
で,nは少なくとも1の整数であり,そしてRはヒドロカ
ルビルベースの基である。適当なカルボン酸には,脂肪
族,シクロ脂肪族の一塩基カルボン酸および多塩基カル
ボン酸(例えば,ナフテン酸,アルキルまたはアルケニ
ル置換のシクロペンタン酸,アルキルまたはアルケニル
置換のシクロヘキサン酸)が包含される。Rは,一般
に,少なくとも8個の炭素原子,好ましくは少なくとも
12個の炭素原子をが有する。一般に,脂肪族炭素鎖が分
枝状なら,この酸は,いずれの示された炭素原子含量に
対しても,油溶性が高くなる。このシクロ脂肪族および
脂肪族のカルボン酸は,飽和または不飽和とされ得る。
特定の例には,2−エチルヘキサン酸,リノレン酸,プロ
ピレンテトラマー置換のマレイン酸,ベヘン酸,イソス
テアリン酸,ペラルゴン酸,カプリン酸,パルミトイル
酸,リノール酸,ラウリン酸,オレイン酸,リシノール
酸,ウンデシル酸,ジオクチルシクロペンタンカルボン
酸,ミリスチン酸,カルボン酸の2種またはそれ以上の
市販混合物(例えば,トール油酸,ロジン酸など)が包
含される。
次式のカルボン酸はまた,この発明にて,成分(A)
として適当である: ここで,この有機酸は,ヒドロカルビル置換コハク酸
無水物である。この発明を実施する際に用いられる,ヒ
ドロカルビル置換無水コハク酸は,当業者に公知であ
り,潤滑剤および燃料の添加剤として,そしてこれらを
製造するための中間体として,有用であることが,見い
だされている。例えば,以下の米国特許を参照せよ。こ
れらの内容は,カルボン酸アシル化剤の調製に関連した
開示について,ここに示されている:3,219,666;3,272,7
46;3,381,022;3,254,025;3,278,550;3,288,714;3,271,3
10;3,373,11;3,346,354;3,272,743;3,374,174;3,307,92
8および3,394,179。
一般に,ヒドロカルビル置換の無水コハク酸は,オレ
フィン重合体またはそれらの塩素化類似物と,不飽和カ
ルボン酸またはそれらの誘導体(例えば,アクリル酸,
フマル酸,無水マレイン酸など)とを反応させることに
より,調製される。
ヒドロカルビル置換の無水コハク酸は,約20個〜約50
0個の炭素原子をもった,少なくとも1種のヒドロカル
ビルベースの置換基R1を有する。一般に,この置換基
は,平均して少なくとも約30個,多くの場合約200個の
炭素原子を有する。典型的には,この置換基は,最大平
均で少なくとも約300個の炭素原子,たいていの場合,
約200個の炭素原子を有する。ここで用いられるよう
に,用語”炭化水素ベースの”“炭化水素ベースの置換
基”などは,この発明の文脈内では,分子の残部(すな
わち,カルボン酸アシル化剤部分)に直接結合した炭素
原子を有する置換基,および主として炭化水素的な性質
を有する置換基を示す。このような置換基には,以下が
包含される: (1)炭化水素置換基,すなわち,脂肪族置換基(例え
ば,アルキルまたはアルケニル),脂環族置換基(例え
ば,シクロアルキル,シクロアルケニル),芳香族,脂
肪族および脂肪族で置換された芳香核およびその類似物
だけでなく,環状置換基。ここで,この環は,分子の他
の部分により,完成されている(すなわち,例えば,い
ずれの2つの指示された置換基も,一緒になって,脂環
族基を形成し得る); (2)置換された炭化水素置換基,すなわち,これらの
置換基は,比炭化水素基を含有する。この比炭化水素基
は,主として,本発明の文脈内では,炭化水素置換基を
変えない;当業者は,このような基(例えば,ハロ(特
に,クロロおよびフルオロ),アルコキシ,ヒドロキ
シ,メルカプト,アルキルメルカプト,ニトロ,ニトロ
ソ,スルホキシなど)に気づいている; (3)ヘテロ置換基,すなわち,この発明の文脈内で
は,主として炭化水素的性質を有するものの,環や鎖の
中に存在する炭素原子以外の基を含有する置換基であ
る。この置換基の他の部分は,炭素原子で構成されてい
る。適当なヘテロ原子は,当業者に明らかであり,これ
には,例えば,イオウ,酸素,窒素,および以下のよう
な置換基が包含される;例えば,ピリジル,フラニル,
チオフェニル,イミダゾリルなど。この置換基は,これ
らヘテロ原子の例示である。
一般に,約3個を越えない,好ましくは1個を越えな
い基またはヘテロ原子は,炭化水素ベースの置換基中に
て,核10個の炭素原子に対して,存在する。典型的に
は,この炭化水素ベースの置換基中には,このような基
またはヘテロ原子は存在しない。従って,この基は,純
粋に炭化水素的である。
一般に,少なくとも約20個の炭素原子を有する炭化水
素ベースの置換基(これは,この発明で用いられる無水
コハク酸中で存在する)は,置換基内の各10個の炭素−
炭素結合に対し,一般に,1個を越えないエチレン性結合
が存在するようなとき,アセチレン性不飽和,エチレン
性不飽和はない。この置換基は,しばしば完全に飽和で
あり,それゆえエチレン性不飽和を含有しない。
この上で述べるように,この発明の無水コハク酸中で
存在する炭化水素ベースの置換基は,オレフィン重合
体,またはそれらの塩素変類似物から誘導される。この
オレフィン重合体が誘導されるオレフィンモノマーは,
重合可能なオレフィンである。このモノマーは,1個また
はそれ以上のエチレン性不飽和基を有することにより,
特徴づけられる。これらは,モノオレフィン性モノマー
(例えば,エチレン,プロピレン,ブテン−1,イソブテ
ン,およびオクテン−1),またはポリオレフィン性モ
ノマー(ふつうは,ジオレフィン性モノマー,例えば,
ブタジエン−1,3,およびイソプレン)とされ得る。ふつ
うは,これらモノマーは,末端オレフィン(すなわち,
基 >C=CH2の存在により特徴づけられるオレフィ
ン)である:しかしながら,ある内部オレフィンもま
た,モノマーとして供され得る(これらは,しばしば,
中間オレフィンとして,示されている)。このような中
間オレフィンモノマーが用いられるとき,それらは,通
常,末端オレフィンと組み合わせて使用され,混合重合
体であるオレフィン重合体が生成する。しかし,このヒ
ドロカルビルベースの置換基もまた,芳香族基(特に,
フェニル基,および低級アルキル置換および/または低
級アルコキシ置換のフェニル基,例えば,p−(第3級ブ
チル)フェニル基),および脂環族基(例えば,これ
は,重合可能な環状オレフィンから得られる)を包含し
得る。このオレフィン重合体は,ふつうは,このような
基がない。しかしながら,1,3−ジエンとスチレン類(例
えば,ブタジエン−1,3−とスチレンまたはp−(第3
級ブチル)スチレン)との混合重合体から誘導されるオ
レフィン重合体は,この一般則の例外である。
一般に,このオレフィン重合体は,約2個〜約16個の
炭素原子を有する末端ヒドロカルビルオレフィンの単独
重合体または混合重合体である。オレフィン重合体のよ
り典型的なクラスは,2個〜6個の炭素原子を有する末端
オレフィン,特に,2個〜4個の炭素原子を有する末端オ
レフィンの単独重合体および混合重合体からなる群から
選択される。
末端オレフィンモノマーおよび中間オレフィンモノマ
ー(これは,オレフィン重合体を調製するべく用いられ
得る。このオレフィン重合体からは,この発明で用いら
れるアシル化剤中の炭化水素ベースの置換基が誘導され
る)には,以下がある:エチレン,プロピレン,ブテン
−1,ブテン−2,イソブテン,ペンテン−1,ヘキセン−1,
ヘプテン−1,オクテン−1,ノネン−1,デセン−1,ペンテ
ン−2,プロピレンテトラマー,ジイソブチレン,イソブ
チレントリマー,ブタジエン−1,2,ブタジエン−1,3,ペ
ンタジエン−1,2,ペンタジエン−1,3,イソプレン,ヘキ
サジエン−1,5,2−クロロブタジエン−1,3,2−メチルヘ
プテン−1,3−シクロヘキシルブテン−1,3,3−ジメチル
ペンテン−1,スチレンジビニルベンゼン,アリルアルコ
ール,アクリロニトリル,アクリル酸エチル,およびエ
チルビニルエーテル。これらのうちで,純粋なヒドロカ
ルビルモノマーは,より典型的であり,末端オレフィン
モノマーは,特に典型的である。
しばしば,このオレフィン重合体は,ポリ(イソブテ
ン)類である。これらポリ(イソブテン)類は,ルイス
酸触媒(例えば,塩化アルミニウム,または三フッ化ホ
ウ素)の存在下にて,C4精製流(約35重量%〜約75重量
%のブテン含量,および約30重量%〜約60重量%のイソ
ブテン含量を有する)の重合により,得られる。これら
ポリ(イソブテン)類は,主として(すなわち,全ての
繰り返し単位の80%を越える量),以下の立体配置のイ
ソブテン繰り返し単位を含有する: 典型的には,本発明で用いられるような,この無水コ
ハク酸中のヒドロカルビルベースの置換基は,ヒドロカ
ルビル基,アルキル基またはアルケニル基(これらは,
約30個(しばしば,約50個)から約300個(ときには,
約500個)までの炭素原子を有する)である。
このようなヒドロカルビル置換の無水コハク酸は,上
で挙げた特許に示されるように,無水マレイン酸と,上
記オレフィン重合体との反応により,製造され得る。一
般に,この反応は,約150℃〜約200℃の温度にて,2つの
成分を単に加熱することを包含する。これら重合したオ
レフィンの混合物だけでなく,これら不飽和モノカルボ
ン酸およびポリカルボン酸の混合物もまた,用いられ得
る。
成分(A)として用いられ得る有機酸の他の原料は,
油溶性のスルホン酸である。これには,合成の油溶性ス
ルホン酸が包含される。適当な油溶性スルホン酸は,以
下の一般式で表される: R2SO3H または (R2xArSO3H. 上の式において,R2,ヒドロカルビルベースの基であ
り,例えば,脂肪族基(例えば,アルキル基,アルケニ
ル基,アルコキシ基,アルコキシアルキル基,カルボア
ルコキシアルキル基,アラルキル基),または他の炭化
水素基または本質的に炭化水素の基とされ得る。xは少
なくとも1である。但し,基(R2で表される変数は
この酸が油溶性となるようにされる。このことは,
(R2で表される基が,スルホン酸分子1個あたり,
少なくとも約8個の脂肪族炭素原子,好ましくは少なく
とも約12個の脂肪族炭素原子を含有すべきことを意味す
る。一般に,xは,1−3の整数である。Arは,単核または
多核パイプの環状核である。これら核には,ベンゼノイ
ドまたはヘテロ環核(例えば,ベンゼン核,ナフタレン
核,アントラセン核,1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン
核,チアンスレン核またはビフェニル核など)が包含さ
れる。しかしながら,ほとんどの場合,Arは,芳香族炭
化水素核,特にベンゼン核またはナフタレン核を表す。
上の基ArおよびR2もまた,基の本質的な炭化水素的性
質が損なわれない限り,他の置換基(例えば,ヒドロキ
シ,メルカプト,ハロゲン,ニトロ,アミノ,ニトロ
ソ,カルボキシ,低級カルボアルコキシなど)を含有し
得る。
このスルホン酸の例証となる例は,マホガニースルホ
ン酸,石油スルホン酸,モノ−およびポリワックス置換
のナフタレンスルホン酸,セチルクロロベンゼンスルホ
ン酸,セチルフェノールスルホン酸,セチルフェノール
ジスルフィドスルホン酸,セトキシカプリルベンゼンス
ルホン酸,ジセチルアンスレンスルホン酸,ジ−ラウリ
ル−β−ナフトールスルホン酸,ジカプリルニトロナフ
チレンスルホン酸,パラフィンワックススルホン酸,不
飽和パラフィンワックススルホン酸,ヒドロキシ置換パ
ラフィンワックススルホン酸,テトライソブチレンスル
ホン酸,テトラアミレンスルホン酸,クロロ置換ハパラ
フィンワックス,ニトロシル置換パラフィンワックスス
ルホン酸,石油ナフテンスルホン酸,セチルシクロペン
チルスルホン酸,ラウリルシクロヘキシルスルホン酸,
モノ−およびポリワックス置換のシクロヘキシルスルホ
ン酸,およびその類似物がある。
ここで用いられるように,専門用語“石油スルホン
酸”または“ペトロスルホン酸”は,従来の方法に従っ
て,石油生成物から誘導される,公知のクラスのスルホ
ン酸を含むつもりである。この方法は,例えば,米国特
許第2,480,638;2,483,800;2,717,265;2,726,261;2,794,
829;2,832,801;3,225,086;3,337,613;3,351,655;に開示
されている。上の式にはいるスルホン酸は,先の米国特
許第2,616,904;2,616,905;2,723,234;2,723,235;2,723,
236;2,777,874およびこれら各特許に示される他の米国
特許で,論じられている。それゆえ,これら油溶性のス
ルホン酸は,当該技術分野で公知でありここでさらに論
じる必要のないことが,わかる。
成分(A)として適当な有機酸の,他のより好ましい
クラスは,次式の置換フェノールである: 上の式にて,R3は,少なくとも15個の炭素原子を含有
する,実質的に飽和な炭化水素ベースの基,aおよびbは
1〜2,そしてcは0または1である。しかしながら,bが
2のとき,R3の全炭素原子数は,少なくとも15である。
この群の油溶性カルボン酸には,脂肪族炭化水素置換の
サリチル酸がある。ここで,この脂肪族炭化水素置換基
は,環1個あたり,平均して,少なくとも約15個の炭素
原子を含有する。1分子あたり,1個,2個または3個の置
換基が,特に有用である。このようなサリチル酸から調
製される,ホウ素オーバーベース化生成物は,潤滑添加
剤として,非常に有用である。ここで,この脂肪族炭化
水素置換基は,重合したオレフィン,特に重合した低級
1−モノオレフィン(例えば,ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,ポリイソブチレン,エチレン−ポリプロピレン
共重合体などがある。これらは,約200〜約1200の平均
分子量,好ましくは約300〜約700の平均分子量を有す
る)は,潤滑添加剤として,非常に有用である。
上の式に対応する油溶性のサリチル酸は,公知である
か,または当該技術分野で公知の方法に従って,調製さ
れ得る。上の式で例示されるタイプのサリチル酸,およ
びそれらの金属塩の調製方法は,例えば,米国特許第2,
197,832号,第2,197,835号,第2,252,622号,第2,252,6
64号および第2,714,092号に開示されている。この塩は,
HClのような無機酸で中和することにより,酸に転化さ
れ得る。
成分(A)として適当な,さらに置換されたフェノー
ルは,次式のフェノールである: ここで,R3は,6個〜100個の炭素原子を含有する,実質
的に飽和したヒドロカルビルベースの基,cは0または1,
Yは,イオウ結合または−CH2またはそれらの混合物,そ
してZは,0〜30,好ましくは0〜10である。芳香族部分A
rは,上で定義されるものだけでなく,多核芳香族部分
でもある。このような多核部分は,縮合タイプ(すなわ
ち,少なくとも2個の芳香核は,2つの位置で他の核と縮
合している)とされ得る。例えば,これらは,ナフタレ
ン,アントラセン,アザナフタレンなどで,見いだされ
る。このような多核芳香族部分はまた,結合タイプ(こ
こで,少なくとも2個の核(単核または多核のいずれ
か)は,互いに架橋結合を介して,結合している)とさ
れ得る。このような架橋結合は,以下からなる群から,
選択され得る:炭素−炭素単一結合,エーテル結合,ケ
ト結合,スルフィド結合,2個〜6個のイオウ原子を有す
るポリスルフィド結合,スルフィニル結合,スルホニル
結合,メチレン結合,アルキレン結合,ジ−(低級アル
キル)メチレン結合,低級アルキレンエーテル結合,ア
ルキレンケト結合,低級アルキレンイオウ結合,2個〜6
個の炭素原子を有する低級アルキレンポリスルフィド結
合,アミノ結合,ポリアミノ結合,およびこのような2
価の架橋結合の混合物。ある場合には,1個より多くの架
橋結合が,Ar中の芳香核間に存在し得る。例えば,フル
オレン核は,メチレン結合および共有結合の両方により
結合した。2つのベンゼン核を有する。このような核
は,3つの核を有するが,それらの2つだけは,芳香族性
である。通常,Arは,芳香核それ自体に炭素原子だけを
含有する。
成分(A)として適当な有機酸の他のより好ましいク
ラスは,リン含有酸である。これらは,たいていの場
合,ポリイソブチレンから調製される。しかし,これら
は,ある実質的な脂肪族重合体から調製されてもよい。
それゆえ,この重合体は,ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,ポリヘキセン,ポリドデセン,または30個程度の炭
素原子を有する他の1−モノオレフィンの重合体とされ
得る。同様に,それは,混合重合体(ここでは,主要な
割合の単量体単位は,エチレン,プロピレン,イソブチ
レン,または30個までの炭素原子を有する他の1−モノ
オレフィンから誘導される)とされ得る。このような混
合重合体は,95モル部のイソブチレンおよび5モル部の
スチレンの混合重合体により,例示される。
一般に,これら混合重合体のうち,混合重合体のモル
基準で,少なくとも80%が,脂肪族1−モノオレフィン
から誘導されるものが,より好ましい。このようなより
好ましい混合重合体は,以下から誘導される単位を,モ
ル基準で,約20%まで含有し得る:イソプレン,ブタジ
エン,ピペリレン,ビニルシクロヘキセン,クロロプレ
ン,塩化ビニル,スチレン,酢酸ビニル,クロロスチレ
ン,またはビニルアルキルエーテル。
この低級オレフィン重合体の炭素原子の数は,かなり
広範囲で変えられ得る。それゆえ,この数は,50炭素原
子程度,または他方,上限は5000炭素原子まで,または
ある場合には,さらに多くとされ得る。典型的には,こ
の炭素原子の範囲は,50〜3000炭素原子,好ましくは50
〜1000炭素原子,最も好ましくは50〜100炭素原子であ
る。これら重合体から得られる,種々のタイプのリン含
有酸は,この重合体と,いくつかの公知のリン化試薬と
の反応により,続いて,活性水素原子を有する試薬(ふ
つうは,水)との反応により,調製される。
例示のリン含有酸には,例えば,これら重合体のいず
れかと,五酸化リンおよびイオウとの反応生成物を,次
いで,蒸気処理した物質が包含される。他の重要なタイ
プのリン含有酸は,ポリオレフィンの塩素化と,それに
続く三塩化リン,および蒸気との反応またはアルキルフ
ェノールとの反応のいずれかにより,調製され得る。他
のタイプのリン含有酸は,脂肪族ポリオレフィンと,一
塩化リンおよび一塩化イオウとの反応に続いて,蒸気処
理することにより,調製される。さらに他のタイプのリ
ン含有酸は,上で記述のタイプの重合体と,硫化リンと
の反応に続いて,蒸気処理することにより,調製され得
る。
成分(A)として用いるべく考慮される,リン含有酸
の一般的な定義には,1−モノオレフィンの重合体と,リ
ン化試薬との反応に続いて,得られた生成物を,加水分
解試薬で処理することにより,調製されるものが包含さ
れる。このリン化試薬には,硫化リン,塩化リン,チオ
ホスホリルクロライド,五酸化リン,リン,およびこれ
らと硫化試薬(例えば,イオウ,塩化イオウ,および一
塩化イオウ)との結合物が包含される。これらリン化試
薬と硫化試薬との例示の結合物には,五硫化リンと一塩
化イオウ,リンと一塩化イオウ,および五塩化リンとイ
オウが包含される。
このようなリン含有酸の構造は,未知である,実際に
は,通常,以下の様式(すなわち,ポリオレフィンとリ
ン化試薬とを反応させ,続いて,中間体のリン化生成物
を加水分解すること)により調製される酸は,実際に
は,2種またはそれ以上の異なる酸の混合物だけでなく,
たぶん異なるタイプの酸の混合物であると考えられてい
る。それゆえ,この混合物は,炭素−リン結合を有する
酸,または炭素−酸素−リン結合を有する酸,または炭
素−イオウ−リン結合を有する酸を含有し得る。しかし
ながら,これらリン含有酸の構造が未知なので,それら
が調製され得る方法によって,それらが示される必要が
ある。
成分(B) 成分(B)は金属含有化合物である。これらの金属含
有化合物は,酸化物,水酸化物,ハロゲン化物,炭酸
塩,ホウ酸塩,またはそれらの混合物のいずれかとし
て,使用される。この発明で用いられ得る金属含有化合
物は,亜鉛,スズ,鉛,カドミウム,または遷移金属で
ある。
関連のある遷移金属には,ホウ酸塩を形成する金属
(例えば,銅,モリブデン,マンガン,ニッケル,コバ
ルト,チタン,タングステン,タンタルおよび鉄)があ
る。
酸化亜鉛,水酸化亜鉛,酸化カドミウム,水酸化カド
ミウム,酸化銅,および水酸化銅が,特により好まし
い。
成分(C) この発明の方法における成分(C)は,ホウ酸,三酸
化ホウ素(B2O3),ハロゲン化ホウ素(特に,三塩化ホ
ウ素,BCl3),およびホウ酸エステルのうちの少なくと
も1種である。種々の形状のホウ酸のいずれかが用いら
れ得る。これらには,メタホウ酸(HBO2),オルトホウ
酸(H3BO3)およびテトラホウ酸(H2B4O7)が包含され
る。これら酸のエステルには,例えば,メチルエステ
ル,エチルエステルおよびプロピルエステルが包含され
る。メチルエステルには,最も容易に入手可能であり,
従って,最も多くの場合に用いられる。ホウ酸,特にオ
ルトホウ酸は成分(C)として用いるのに,好ましい。
成分(D) 成分Dは助触媒系である。すなわち,この系は,塩基
性金属組成物に金属を混合するのを容易にする。この成
分として有用なアルコールは,好ましくは,約30個まで
の炭素原子を含有する。それらは,一価アルコールまた
は多価アルコールとされ得る。このアルコールの特定例
には,メタノール,エタノール,イソプロパノール,シ
クロヘキサノール,ドデカノール,デカノール,ベヘニ
ルアルコール,エチレングリコール,ジエチレングリコ
ール,トリエチレングリコール,エチレングリコールの
モノメチルエーテル,トリメチレングリコール,ヘキサ
メチレングリコール,グリセロール,ペンタエリスリト
ール,ベンジルアルコール,フェニルエチルアルコー
ル,ソルビトール,ニトロプロパノール,クロロエタノ
ール,アミノエタノール,シンナミルアルコール,アリ
ルアルコール,およびその類似物が包含される。約10個
までの炭素原子を有する一価アルコール,およびメタノ
ールと高級一価アルコールとの混合物は,特に有用であ
る。
助触媒として有用な他の化学物質(これは,上のアル
コールを有するか,または有しない)は,水,水酸化ア
ンモニウム,8個までの炭素原子を有する有機酸,硝酸,
硫酸,塩酸,金属錯化剤(例えば,アルキルサリチルア
ルドオキシム),および少量のI族水酸化物(例えば,
水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,および水酸化カリ
ウム)がある。
この発明の生成物は,成分(A)と,成分(B)の一
部とを反応させて,有機酸の中性金属塩を形成すること
により,形成される。追加の成分(B)は,成分(C)
および成分(D)とともに,加えられる。この内容物
は,加熱して還流され,そして還流状態で数時間維持さ
れる。
成分(A),(B),(C)および(D)の比は,以
下の式で決定される(ここで,Eqs.は,当量を意味す
る): より好ましい比の範囲は,約0.2〜約3.0である。最も好
ましい比の範囲は,約0.5〜約2.0である。
この発明のために,ホウ素1モルは,成分(C)のホ
ウ素化合物のモル数に,そのホウ素化合物中で存在する
ホウ素の数をかけた値に等しい。ホウ酸HBO3の3.2モル
が用いられるなら,そのとき,ホウ素のモル数は,3.2の
1倍または3.2である。テトラホウ酸H2B4O7の2モルが
用いられるなら,そのとき,ホウ素のモル数は,2×4ま
たは8である。
この発明のために,金属1当量は,その金属の分子量
を,金属イオンの原子価で割った値に等しい。カドミウ
ムは,56の当量(112を2で割った値)を有する。
この発明の反応は,実質的に不活性で液状の溶媒/希
釈剤の存在下にて,行われ得る。この溶媒/希釈剤の媒
体は,望ましくは,各成分の拙速を維持し,そして反応
温度の制御を容易にするべく,供される。適当な溶媒/
希釈剤の媒体の例には,脂肪族および芳香族の炭化水素
(例えば,ベンゼン,トルエン,ナフサ,鉱油,ヘキサ
ン);塩素化炭化水素(例えば,ジクロロベンゼン,お
よびヘプチルクロライド);エーテル(例えば,メチル
−n−アミルエーテル,n−ブチルエーテル)が包含され
る。
この明細書および添付の請求の範囲で用いられるよう
に,用語“実質的に不活性”とは,溶媒/希釈剤などを
示すべく用いられるとき,この溶媒/希釈剤などが,用
いられる条件下にて,化学変化や物理変化に実質的に不
活性であることを意味するつもりである。さらに,この
溶媒/希釈剤は,発明の意図する用途の範囲内にて,組
成物,添加剤,化合物などの調製,保存,混合および/
または機能化を,不利な条件で妨げるべきではない。例
えば,溶媒/希釈剤などの少量は,ここで記述のよう
に,本発明の製造および使用を妨げることなく,最低限
度の反応や劣化を受け得る。言い替えれば,このような
反応や劣化は,技術的に識別可能であるものの,当業者
が,その意図する目的で,本発明を製造し使用するのに
障害となるほどではない。それゆえ,“実質的に不活
性”とは,ここで用いられるように,当業者により,容
易に理解され適用される。
この明細書および添付の請求の範囲で用いられるよう
に,用語“溶媒/希釈剤の媒体”とは,その媒体中に
て,各成分が,独立して溶解しているかまたは安定に分
散しているものを包含するつもりである。用語“安定に
分散している”とは,この明細書および添付の請求の範
囲で用いられるように,示された媒体中にて,意図する
様式で機能させ得る範囲まで,分散され得る組成物(例
えば,単一化合物,2種またはそれ以上の化合物の混合物
など)を意味するつもりである。それゆえ,例えば,オ
イル中での反応により組成物が調製される場合には,そ
の成分は,反応を起こし組成物を形成させるのに充分な
様式で,オイル中に懸濁し得ることで,充分である。そ
れゆえ,用語“溶媒/希釈剤の媒体”は,当業者によ
り,従来の洋式で理解され用いられ得る。
この発明の組成物は,潤滑添加剤として用いられ得
る。しかしながら,この組成物は,時には,副生成物お
よび/または過剰の溶媒/希釈剤の媒体(これらは,市
販品としての価値を低下させ得る)を形成することによ
り,得られる。従って,これら望ましくない副生成物,
および/または望ましくない溶媒/希釈剤の媒体の過剰
量は,当該技術分野で公知の方法(例えば,濾過,蒸発
(例えば,ストリッピング)など)により,この発明の
組成物から分離され得,より望ましい生成物が得られ
る。選択的には,溶媒/希釈剤の媒体が,例えば,この
発明の潤滑組成物中で用いるのに適当な潤滑剤ベースな
ら,この生成物は,溶媒/希釈剤の媒体中に残され,そ
して以下で記述の潤滑組成物を形成するべく,用いられ
得る。
以下の実施例は,この発明の方法を例示している。以
下の実施例およびこの明細書の他の箇所にて,他に指示
がなければ,全ての部およびパーセントは重量基準であ
り,そして全ての温度は摂氏度である。
実施例1 第1級の分枝鎖モノアルキルベンゼンスルホン酸(分
子量500)の561部(1当量),トルエン100部,イソブ
チルアルコール122部,およびアミルアルコール78部の
混合物を調製する。この内容物を攪拌し,54℃まで加熱
し,そして酸化亜鉛51部(1.25当量)および水40部を加
える。温度を約98℃の還流状態までゆっくりと上げ,2.5
時間保つ。次いて,150℃にて揮発物質を除去する。28℃
にて,鉱油400部,トルエン350部,イソブチルアルコー
ル61部,およびアミルアルコール39部を加える。50℃に
て,酸化亜鉛79部(1.94当量),およびホウ酸124部
(2当量)を加える。温度を,1.3時間かけて,92℃の還
流状態まで上げる。塩化亜鉛10部および水90部の溶液を
加え,さらに7時間還流状態を維持する。150℃,8torr
にて揮発物質を除去し,そして全ての固形分を除去する
べく,この内容物を濾過する。分析値:塩基中和数100;
比:0.85。
実施例2 反応の初期において,酢酸9部を加え,そして塩化亜
鉛10部を省略したこと以外は,実施例1の方法に従う。
分析値:塩基中和数109;亜鉛%,8.76;ホウ素%,2.02;
比,0.98。
実施例3 実施例1で使用したベンゼンスルホン酸84部(0.15当
量),ポリイソブテン(分子量1000)置換の無水コハク
酸(ケン化数100を有する)561部(1当量),および鉱
油400部の混合物を調製する。この内容物を攪拌し,98℃
まで加熱し,そして酸化亜鉛51部(1.25当量)を加え
る。150℃にて,5.5時間かけて揮発物質を除去する。60
℃にて水50部を加え,103℃にて追加の鉱油200部を加え
て,温度を103℃にて4時間維持する。イソブチルアル
コール61部,およびアミルアルコール39部を加えて,こ
の混合物を流動化させる。次いで,透明な溶液を得るべ
く,150℃で2時間かけて,揮発物質を除去する。95℃に
て,トルエン350部,イソブチルアルコール61部,およ
びアミルアルコール39部を加える。60℃にて,酸化亜鉛
71部(1.75当量),ホウ酸124部(2モル),水90部,
および濃水酸化アンモニウム20部を加える。この内容物
を,92℃の還流状態まで加熱し,0.5時間維持する。酢酸
6部を加え,さらに1.25時間にわたって,還流状態を維
持する。イソブチルアルコール61部,およびアミルアル
コール39部を加え,還流状態をさらに2.5時間維持す
る。155℃,22torrにて揮発物質を除去し,この内容物を
濾過する。分析値:塩基中和数115;亜鉛%,6.41;窒素
%,0.03;ホウ素%,1.24;比:0.98。
実施例4 実施例1で使用したベンゼンスルホン酸898部(1.6当
量),トルエン240部,イソブチルアルコール183部,ア
ミルアルコール117部,および酢酸14.5部の混合物を調
製する。この内容物を攪拌し,84℃まで加熱し,そして
酸化亜鉛82部(2当量)および水64部を加える。温度
を,1.5時間で95〜98℃の還流状態まで上げる。160℃に
て揮発物質を除去する。60℃にて,鉱油640部,イソブ
チルアルコール98部,アミルアルコール62部,酸化亜鉛
113部(2.75当量),ホウ酸198部(3.2当量),水160
部,および濃水酸化アンモニウム32部を加える。温度
を,91℃の還流状態まで上げ,還流状態で4.5時間維持す
る。160℃,10torrにて,揮発物質を除去し,内容物を濾
過する。分析値:塩基中和数115;亜鉛%,8.01;比:0.9
3。
実施例5 実施例1で使用したベンゼンスルホン酸561部(1当
量),ヘプチルフェノール48部(0.25当量),トルエン
150部,イソブチルアルコール122部,およびアミルアル
コール78部の混合物を調製する。この内容物を攪拌し,5
0℃まで加熱し,そして酸化亜鉛51部(1.25当量),水4
0部および酢酸9部を加える。温度を,95−98℃の還流状
態まで上げ,還流状態で2.5時間維持する。160℃にて揮
発物質を除去する。90℃にて,鉱油400部,トルエン350
部,イソブチルアルコール61部,アミルアルコール39
部,酸化亜鉛71部(1.75当量),ホウ酸124部(2モ
ル),および水90部を加える。温度を,95℃の還流状態
まで上げ,還流状態で6.25時間維持する。160℃,17torr
にて,揮発物質を除去し,内容物を濾過する。分析値:
塩基中和数100;比:1.25。
実施例6 6.25時間の還流時間の前にて,水酸化アンモニウム20
部を加えること以外は,実施例5の方法に従う。分析
値:塩基中和数114;亜鉛%,7.93;ホウ素%,2.07;窒素
%;0.37;比:1.05。
実施例7 酸化亜鉛の第2の追加量を30.4部(0.75当量),ホウ
酸62部(1モル),そして鉱油350部としたこと以外
は,実施例5の方法に従う。分析値:塩基中和数63;ホ
ウ素%,0.93;窒素%,0.17;比:1.33。
実施例8 直鎖ジアルキルベンゼンスルホン酸および分枝鎖モノ
アルキルベンゼンスルホン酸(分子量,385)の混合物質
1645部(1.75当量),実施例3のアルケニル無水コハク
酸147部(0.26当量),鉱油44部,トルエン350部,酸化
亜鉛89部(2.2当量),および水70部の混合物を調製す
る。内容物を攪拌し,99℃の還流状態まで加熱し,そし
て還流状態で2時間維持する。145℃にて揮発物質を除
去する。70℃にて,トルエン525部,酸化亜鉛156部(3.
8当量),ホウ酸217部(3.5モル),酢酸10.5部,およ
び水79部を加える。この内容物を,95℃の還流状態まで
加熱し,還流状態で2時間維持する。次いで,90℃に
て,酸化亜鉛165部(4当量),ホウ酸228部(3.7モ
ル)および35部の濃アンモニア水を加える。温度を95℃
の還流状態まで上げ,還流状態で5時間維持する。110
℃にて揮発物質を除去し,鉱油350部を加える。さらに,
160℃,10torrにて,揮発物質を除去し,内容物を濾過す
る。分析値:亜鉛%,10.4;ホウ素%2.29;比:0.85。
実施例9 使用したスルホン酸が,実施例1で用いるスルホン酸
であること以外は,実施例8と実質的に同じ方法に従
う。分析値:塩基中和数,150;比,0.94。
実施例10 実施例8で使用されたスルホン酸940部(1当量),
実施例3で使用されたアルケニル無水コハク酸84部(0.
15当量),鉱油25部,トルエン200部,酸化亜鉛51部
(1.25当量),および水40部の混合物を調製する。この
内容物を攪拌し,100℃の還流状態まで加熱し,そして還
流状態で2時間維持する。165℃にて,揮発物質を除去
する。90℃にて,トルエン300部,酸化亜鉛83部(2当
量),酢酸6部,ホウ酸124部(2モル),および水50
部を加える。温度を還流状態まで上げ,2時間維持する酸
化亜鉛93部(2.3当量),ホウ酸124部(2モル),およ
び鉱油100部からなる2つの増分的添加物を,80℃にて加
える。温度を93℃の還流状態まで上げ,それぞれ2時間
維持する。次いで,濃水酸化アンモニウム20部を加え,
さらに2時間にわたり還流状態を維持する。追加の鉱油
100部を加え,175℃,12torrにて,揮発物質を除去し,内
容物を濾過する。分析値:塩基中和数,136;比,0.87。
実施例11 実施例4で調製した物質347部(0.3当量),トルエン
125部,イソブチルアルコール21部,アミルアルコール2
4部,酸化亜鉛24.1部(0.6当量),およびホウ酸31部
(0.5当量)の混合物を調製する。この内容物を攪拌し
加熱し,そして水35部を加える。温度を,94℃の還流状
態で,5時間維持する。160℃,10torrにて,揮発物質を除
去し,内容物を濾過する。分析値:塩基中和数,149;比,
0.89。
実施例12 濃水酸化アンモニウムを使用しないこと以外は,実施
例3の方法を繰り返す。分析値:塩基中和数,93;亜鉛
%,5.63;比,1.02。
実施例13 実施例3のアルケニル無水コハク酸561部(1当
量),鉱油400部,パラトルエンスルホン酸28.5部(0.1
5),トルエン200部,水50部,および酸化亜鉛51部(1.
25当量)の混合物を調製する。この内容物を攪拌し,95
℃の還流状態まで加熱し,そして還流状態で4.5時間維
持する。鉱油200部を加え,そして155℃で揮発物質を除
去する。90℃にて,酸化亜鉛79部(1.94当量),酢酸6
部,トルエン200部,イソブチルアルコール122部,アミ
ルアルコール78部,およびホウ酸124部(2モル)を加
える。温度を95℃の還流状態まで上げ,還流状態で8時
間維持する。追加量の鉱油200部を加え,そして150℃,2
2torrにて,揮発物質を除去し,内容物を濾過する。分
析値:塩基中和数88;亜鉛%,5.18;イオウ%,0.28;比:1.
02。
実施例14 実施例1のスルホン酸168部(0.3当量),酢酸2.7
部,イソブチルアルコール34部,アミルアルコール21
部,トルエン55部,水酸化第二銅21部(0.43当量)の混
合物を調製する。この内容物を攪拌し,水12部を加え
る。次いで,この内容物を92℃の還流状態まで加熱し,4
時間維持する。鉱油120部を加え,153℃にて揮発物質を
除去する。70℃にて,ドデシルサリチルアルドキシムの
60%の17.5g,トルエン100部,イソブチルアルコール18
部,アミルアルコール12部,水酸化第二銅23部(0.43当
量),ホウ酸59部(0.95当量),および水25部を充填す
る。温度を,93℃の還流状態まで上げ,還流状態で7時
間維持する。鉱油100部を加え,そして160℃,25torrに
て揮発物質を除去する。鉱油50部を加え,内容物を濾過
する。分析値:銅%,5.23;ホウ素%,1.92;比,1.86。
実施例15 反応容器に,アルキルサリチル酸ナトリウム(これ
は,シェルオイル社から市販されている)の1246部(2
当量)を充填する。この内容物を攪拌し,80℃まで加熱
し,そして塩化亜鉛150部(2.2当量)および水150部を
加える。この内容物を,2.5時間にわたって,120℃までゆ
っくりと加熱する。鉱油400部を加え,175℃で揮発物質
を除去し,そして内容物を濾過する。分析値:亜鉛%,
4.07;ナトリウム%,痕跡量。
実施例16 実施例15の物質416部(0.5当量),鉱油100部,トル
エン200部,イソブチルアルコール46部,アミルアルコ
ール29部,酸化亜鉛41部(1当量),ホウ酸62部,およ
び水25部の混合物を調製する。攪拌および加熱を開始
し,酢酸6部を加える。温度を,90℃の還流状態まで上
げ,還流状態で6.5時間維持する。追加量の水20部を加
え,さらに3時間還流を続ける。155℃,12torrにて,揮
発物質を除去し,内容物を濾過する。分析値:塩基中和
数,125;比,1.11。
上で示したように,この発明の油溶性で金属含有の組
成物は,潤滑剤のための添加剤として有用である。これ
らは,特に,ギア潤滑剤やベアリング潤滑剤にて,酸化
防止剤,腐食防止剤,さび止め剤および極圧耐摩耗剤と
して,有用である。これらは,潤滑粘性のある多様なオ
イルをベースにした,種々の潤滑剤中で使用され得る。
これらには,天然および合成の潤滑剤,およびグリース
油,およびそれらの混合物が包含される。これら潤滑剤
には,火花点火および圧縮点火の内燃機関エンジンのた
めのクランク室潤滑油が包含される。この内燃機関エン
ジンには,自動車およびトラックのエンジン,2サイクル
エンジン,航空機のピストンエンジン,船舶および鉄道
のディーゼルエンジンなどが包含される。それらはま
た,ガスエンジン,定置出力エンジンおよびタービンな
どに用いられ得る。また,自動伝達流体,回転軸の潤滑
剤,歯車の潤滑剤,金属加工の潤滑剤,機能流体,およ
び他の潤滑油,グリース組成物および水系もまた,この
対象添加剤と組み合わせて,有益とされ得る。
天然油には,動物油および植物油(例えば,ヒマシ
油,ラード油)だけでなく,液状の石油オイル,および
パラフィンタイプ,ナフテンタイプまたは混合されたパ
ラフィン−ナフテンタイプであって,水添精製され溶媒
処理された鉱物性潤滑油が包含される。石炭またはけつ
岩から誘導される潤滑粘性のある油もまた,有用であ
る。合成の潤滑油には,以下の炭化水素油およびハロ置
換炭化水素油が包含される。この炭化水素油およびハロ
置換炭化水素油には,例えば,重合されたオレフィンお
よび混合重合されたオレフィン(例えば,ポリブチレ
ン,ポリプロピレン,プロピレン−イソブチレン共重合
体,塩素化されたポリブチレンなど);ポリ(1−ヘキ
セン),ポリ(1−オクテン),ポリ(1−デセン);
アルキルベンゼン(例えば,ドデシルベンゼン,テトラ
デシルベンゼン,ジノニルベンゼン,ジ−(2−エチル
ヘキシル)−ベンゼンなど);ポリフェニル(例えば,
ビフェニル,テルフェニル,アルキル化されたポリフェ
ニルなど);アルキル化されたジフェニルエーテルおよ
びアルキル化されたジフェニルスルフィドおよびその誘
導体,それらの類似物および同族体などがある。
アルキレンオキシド重合体および混合重合体およびそ
れらの誘導体(この誘導体では,その末端水酸基は,エ
ステル化,エーテル化などにより修飾されている)は,
用いられ得る公知で合成の潤滑油の他のクラスを構成す
る。これらは,エチレンオキシドまたはプロピレンオキ
シドの重合により調製されるポリオキシアルキレン重合
体,これらポリオキシアルキレン重合体のアルキルエー
テルおよびアリールエーテル(例えば,1000の平均分子
量を有するメチルポリイソプロピレングリコールエーテ
ル,500〜1000の分子量を有するポリエチレングリコール
ジフェニルエーテル,1000〜1500の分子量を有するポリ
プロピレングリコールジエチルエーテル),およびそれ
らのモノ−およびポリカルボン酸エステル(例えば,テ
トラエチレングリコールの酢酸エステル,混合されたC3
〜C8脂肪酸エステル,またはC13オキソ酸ジエステ
ル),により例示される。
合成の潤滑油の他の適当なクラスには,ジカルボン酸
(例えば,フタル酸,コハクサン,アルキルコハク酸,
アルケニルコハク酸,マレイン酸,アゼライン酸,スベ
リン酸,セバシン酸,フマル酸,アジピン酸,リノレン
酸ダイマー,マロン酸,アルキルマロン酸,アルケニル
マロン酸)と,種々のアルコール(例えば,ブチルアル
コール,ヘキシルアルコール,ドデシルアルコール,2−
エチルヘキシルアルコール,エチレングリコール,ジエ
チレングリコールモノエーテル,プロピレングリコー
ル)とのエステルが含有される。これらエステルの特定
の例には,アジピン酸ジブチル,セバシン酸ジ(2−エ
チルヘキシル),フマル酸ジ−n−ヘキシル,セバシン
酸ジオクチル,アゼライン酸ジイソオクチル,アゼライ
ン酸ジイソデシル,フタル酸ジオクチル,フタル酸ジデ
シル,セバシン酸ジエイコシル,リノレン酸ダイマーの
2−エチルヘキシルジエステル,セバシン酸1モルとテ
トラエチレングリコール2モルおよび2−エチルヘキサ
ン酸2モルとの反応により形成される錯体エステルなど
が包含される。
合成油として有用なエステルもまた,C5〜C12モノカル
ボン酸と,ポリオールおよびポリオールエーテル(例え
ば,ネオペンチルグリコール,トリメチロールプロパ
ン,ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,
トリペンタエリスリトールなど)とから形成されるエス
テルを包含する。
シリコンベースの油(例えば,ポリアルキル−,ポリ
アリール,ポリアルコキシ−,またはポリアーリルオキ
シシロキサン油およびシリケート油)は,合成の潤滑剤
の他の有用なクラスを構成する。これらには,例えば,
テトラエチルシリケート,テトライソプロピルシリケー
ト,テトラ−(2−エチルヘキシル)シリケート,テト
ラ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)シリケート,
テトラ−(p−tert−ブチルフェニル)シリケート,ヘ
キサ−(4−メチル−2−ペントキシ)ジシリケート,
ポリ(メチル)シロキサン,ポリ(メチルフェニル)シ
ロキサンなどがある。他の合成の潤滑油には,リン含有
酸の液状エステル(例えば,リン酸トリクレゾール,リ
ン酸トリオクチル,デカンホスホン酸のジエチルエステ
ルなど),重合したテトラヒドロフランが包含される。
未精製油,精製油および再精製油は,本発明の潤滑剤
中で用いられ得る。未精製油とは,天然原料または合成
原料から,さらに精製処理することなく,直接得られる
油である。例えば,レトルト操作から直接得られるけつ
岩油,第1段の蒸留から直接得られる石油オイル,また
はエステル化工程から直接得られかつさらに処理せずに
用いられるエステル油は,未精製油である。精製油は,1
種またはそれ以上の特性を改良するべく,1段またはそれ
以上の精製段階でさらに処理されたこと以外は,未精製
油と類似している。このような精製方法の多くは,当業
者には公知である。この方法には,例えば,溶媒抽出,
二次蒸留,酸または塩基抽出,濾過,浸透などがある。
再精製油は,精製油を得るのに用いた工程と類似の工程
により,得られる。この工程は,施設ですでに用いられ
ている精製油に適用される。このような再精製油もま
た,再生されたまたは再生加工された油として公知であ
り,そして浪費された添加剤,および油の分解精製物を
除去するべく指示された方法により,しばしば付加的に
処理される。
一般に,本発明の潤滑剤は,酸化,腐食,さびを防止
し,そして改良された極圧耐摩耗特性を与えるのに充分
な量で,本発明の油溶性で金属含有の組成物を含有す
る。通常,使用される量は,この潤滑組成物の全重量あ
たり,約0.05%〜約20%,好ましくは約0.1%〜約10%
である。この量では,溶媒/希釈媒体をはずしている。
極端に悪い条件下で操作される潤滑組成物中,例えば,
船舶のディーゼルエンジンのための潤滑組成物中では,
本発明の金属塩は,潤滑組成物の全重量あたり,約30重
量%まで,またはそれ以上の量で,存在し得る。
用語“少量”とは,この明細書および添付の請求の範
囲で用いられるように,組成物が特定の物質の少量を含
有するとき,その量がこの組成物の50重量%を越えない
ことを意味するつもりである。
用語“主要量”とは,この明細書および添付の請求の
範囲で用いられるように,組成物が特定の物質の主要量
を含有するとき,その量がこの組成物の50%重量%を上
まわることを意味するつもりである。
本発明はまた,本発明の組成物と組み合わせて,他の
添加剤の使用を意図している。このような添加剤には,
例えば,灰分生成タイプまたは無灰分タイプの清浄剤お
よび分散剤,腐食防止剤および酸化防止剤,流動点降下
剤,極圧剤,耐摩耗剤,色安定化剤および消泡剤が包含
される。
灰分生成の清浄剤は,アルカリ金属またはアルカリ土
類金属と,スルホン酸,カルボン酸または有機リン酸
(これは,少なくとも1種の直接の炭素−リン結合によ
り特徴づけられる)との,油溶性で中性または塩基性の
塩により,例示される。この有機リン酸は,例えば,オ
レフィン重合体(例えば,1000の分子量を有するポリイ
ソブテン)を,リン化剤(例えば,三塩化リン,七硫化
リン,五硫化リン,三塩化リンおよびイオウ,白リンお
よびハロゲン化イオウ,またはチオリン酸クロライド)
で処理することにより,調製されるリン酸である。この
ような酸の最もふつうに用いられる塩は,ナトリウム
塩,カリウム塩,リチウム塩,カルシウム塩,マグネシ
ウム塩,ストロンチウム塩およびバリウム塩である。
“塩基性の塩”との用語は,金属塩(ここで,この金
属は,有機酸基よりも化学量論的に多量で存在する)を
示すべく用いられる。この懸既製の塩を調製するために
通常使用される方法では,酸の鉱油溶液を,過剰な量の
金属中和剤(例えば,金属酸化物,水酸化物,炭酸塩,
重炭酸塩,またはスルフィド)で,約50℃の温度にて加
熱すること,が包含される。中和段階で,大過剰の金属
の混合を助けるために,“促進剤”を使用することも公
知である。この促進剤として有用な化合物の例には,フ
ェノール性物質(例えば,フェノール,ナフトール,ア
ルキルフェノール,チオフェノール,硫化されたアルキ
ルフェノール,およびホルムアルデヒドとフェノール性
物質との縮合生成物);アルコール(例えば,メタノー
ル,2−プロパノール,オクチルアルコール,セロソル
ブ,カルビトール,エチレングリコール,ステアリルア
ルコール,およびシクロヘキシルアルコール);および
アミン(例えば,アニリン,フェニレンジアミン,フェ
ノチアジン,フェニル−ナフチルアミン,およびドデシ
ルアミン)が包含される。この塩基性の塩を調製するた
めに特に効果的な方法は,酸と,過剰の塩基性アルカリ
土類金属の中和剤および少なくとも1種のアルコール促
進剤とを混合すること,およびこの混合物を,例えば60
〜200℃の高温で炭酸化すること,を含有する。
無灰分の清浄剤および分散剤は,その組成に依存し
て,この分散剤が燃焼するとすぐに,不揮発性物質(例
えば,酸化ホウ素または五酸化リン)を生じ得る,とい
う事実にもかかわらず,そう呼ばれている;しかしなが
ら,それは,通常,金属を含有せず,それゆえに,燃焼
すると,金属を含有する灰を生じることはない。多くの
タイプの物質が,当該技術分野で公知である。それらの
いくつかは,この発明の潤滑組成物中での使用に適して
いる。以下に例示する: (1)少なくとも約34個,好ましくは少なくとも約54個
の原子を含有するカルボン酸(またはそれらの誘導体)
と,窒素含有化合物(例えば,アミン,フェノールやア
ルコールのような有機ヒドロキシ化合物,および/また
は塩基性の無機物質)との反応生成物。これら“カルボ
ン酸分散剤”の例は,英国特許第1,306,529号,および
以下を含む多くの米国特許に記述されている: 3,163,603 3,351,552 3,541,012 3,184,474 3,381,022 3,543,678 3,215,707 3,399,141 3,542,680 3,219,666 3,415,750 3,567,637 3,271,310 3,433,744 3,574,101 3,272,746 3,444,170 3,576,743 3,281,357 3,448,048 3,630,904 3,306,908 3,448,049 3,632,510 3,311,558 3,451,933 3,632,511 3,316,177 3,454,607 3,697,428 3,340,281 3,467,668 3,725,441 3,341,542 3,501,405 4,234,435 3,346,493 3,522,179 Re 26,433 (2)比較的高分子量の脂肪族ハロゲン化物または脂肪
族ハロゲン化物と,アミン(好ましくは,ポリアルキレ
ンポリアミン)との反応生成物。これらは,“アミン分
散剤”として特徴づけられ得,それらの例は,例えば,
以下の米国特許に記述されている: 3,275,554;3,454,555;3,438,757および3,565,804 (3)アルキル基が少なくとも約30個の炭素原子を含有
するアルキルフェノールと,アルデヒド(特に,ホルム
アルデヒド)およびアミン(特に,ポリアルキレンポリ
アミン)との反応生成物。この生成物は,“マンニッヒ
分散剤”として特徴づけられ得る。以下の米国特許で記
述の物質が例示される; 2,459,112 3,442,808 3,591,598 2,962,442 3,448,047 3,600,372 2,984,550 3,545,497 3,634,515 3,036,003 3,459,661 3,649,229 3,166,516 3,461,172 3,697,574 3,236,770 3,493,520 3,725,277 3,355,270 3,539,633 3,725,480, 3,368,972 3,558,743 3,726,882 3,413,347 3,586,629 3,980,569 (4)カルボン酸分散剤,アミン分散剤またはマンニッ
ヒ分散剤を,以下のような試薬で後処理することにより
得られる生成物。この試薬には,尿素,チオ尿素,二硫
化炭素,アルデヒド,ケトン,カルボン酸,炭化水素置
換コハク酸無水物,ニトリル,エポキシド,ホウ素化合
物,リン化合物などがある。この種の例示物質は,以下
の米国特許で記述されている: 3,036,003 3,282,955 3,493,520 3,639,242 3,087,936 3,312,619 3,502,677 3,649,229 3,200,107 3,366,569 3,513,093 3,649,659 3,216,936 3,367,943 3,533,945 3,658,836 3,254,025 3,373,111 3,539,633 3,697,574 3,256,185 3,403,102 3,573,010 3,702,757 3,278,550 3,442,808 3,579,450 3,703,536 3,280,234 3,445,831 3,591,598 3,704,308 3,281,428 3,455,832 3,600,372 3,708,422 (5)油溶性モノマー(例えば,メタクリル酸デシル,
ビニルデシルエーテル,高分子量オレフィン)と,極性
基(例えば,アミノアルキルアクリレートまたはアクリ
ルアミド,およびポリ−(オキシエチレン)置換アクリ
レート)を含有するモノマーとの混合重合体。これら
は,“重合体分散剤”として特徴づけられ,それらの例
は,以下の米国特許に開示されている: 3,329,658;3,366,730;3,449,250;3,687,849;3,519,565
および3,702,300。
上で述べた特許の内容は,無灰分分散剤の開示に関し
て,ここに示されている。
本発明の潤滑剤および機能流体に含有され得る,極圧
剤,および腐食防止剤および酸化防止剤は,以下により
例示され得る:塩素化脂肪族炭化水素(例えば,塩素化
ワックス);有機スルフィドおよびポリスルフィド(例
えば,ベンジルスルフィド,ビス(クロロベンジル)ジ
スルフィド,ジブチルテトラスルフィド,オレイン酸の
硫化メチルエステル,硫化アルキルフェノール,硫化ジ
ペンテン);リン硫化炭化水素(例えば,リン酸スルフ
ィドとテルペンチンまたはオレイン酸メチルとの反応生
成物,主として亜リン酸ジ炭化水素およびトリ炭化水素
(例えば,亜リン酸ジブチル,亜リン酸ジヘプチル,亜
リン酸ジシクロヘキシル,亜リン酸ペンチルフェニル,
亜リン酸ジペンチルフェニル,亜リン酸トリデシル,亜
リン酸ジステアリル,亜リン酸ジメチルナフチル,亜リ
ン酸オレイル4−ペンチルフェニル,ポリプロピレン
(分子量500)で置換された亜リン酸フェニル,ジイソ
ブチル置換の亜リン酸フェニル)を含有するリン酸エス
テル;チオカルバミン酸金属(例えば,ジオクチルジチ
オカルバミン酸亜鉛,およびヘプチルフェニルジチオカ
ルバミン酸バリウム);ホスホロジチオ酸のII族金属塩
(例えば,ジシクロヘキシルホスホロジチオ酸亜鉛,ジ
オクチルホスホロジチオ酸亜鉛,ジオクチルホスホロジ
チオ酸亜鉛,ジ(ヘプチルフェニル)ホスホロジチオ酸
バリウム,ジノニルホソホロジチオ酸カルシウム);お
よびリン酸ペンタスルフィドと,イソプロピルアルコー
ルおよびn−ヘキシルアルコールの等モル混合物との反
応により生成されるホスホロジチオ酸の亜鉛塩。
この発明の組成物は,潤滑剤に直接加えられ得る。し
かしながら,好ましくは,これらは,実質的に不活性で
通常液状の有機希釈剤(例えば,鉱油,ナフサ,ベンゼ
ン,トルエン,キシレン)で希釈され,添加濃縮物を形
成し得る。これら濃縮物は,ふつうは,この発明の組成
物を,約10重量%〜約90重量%で含有し得る。この濃縮
物は,さらに,1種またはそれ以上の他の添加剤(これら
は,当該技術で公知か,またはこの上で記述されてい
る)を含有し得る。
本発明の燃料組成物は,通常の液状燃料の主要割合を
含有する。この液状燃料は,ふつうは,炭化水素系の石
油留分燃料(例えば,ASTM仕様D439−73で定義されるよ
うな自動車用ガソリン,およびASTM仕様D396で定義され
るような燃料または燃料油)である。通常,液状の燃料
組成物(これは,非炭化水素系の物質を含有する)もま
た,植物原料または鉱物原料(例えば,コーン,アルフ
ァルファ,けつ岩および石炭)から誘導される液状燃料
と同様に,本発明の範囲内にある。この非炭化水素系の
物質には,例えば,アルコール,エーテル,有機ニトロ
化合物などがある。1種またはそれ以上の炭化水素系燃
料,および1種またはそれ以上の非炭化水素系物質の混
合物である,通常液状の燃料もまた,考慮される。この
ような混合物の例には,ガソリンとエタノールとの結合
物,およびディーゼルエンジンとエーテルとの結合物が
ある。ガソリン(すなわち,10%の蒸留点で約60℃から9
0%の蒸留点で約205℃のASTM沸点範囲を有する,炭化水
素の混合物)は,特に好ましい。
一般に,これら燃料組成物は,この燃料に摩擦調節特
性および/または沈澱物軟化特性を与えるのに充分な量
の,この発明の組成物を含有する;この量は,ふつう
は,約0.001%〜約5%(最終組成物の重量を基準にし
て)であり,好ましくは0.001%〜1.0%である。
この発明の燃料組成物は,この発明の組成物に加え
て,当業者に公知の他の添加剤を含有し得る。これらに
は,アンチノック剤(例えば,四エチル鉛),鉛補足剤
(例えば,ハロアルカン(例えば,二塩化エチレンおよ
び二臭化エチレン),沈着防止剤または調節剤(例え
ば,リン酸トリアリール),染料,セタン価改良剤,耐
酸化剤(例えば,2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−
フェノール),錆止め剤(例えば,アルキル化コハク酸
およびその無水物),制菌剤,ゴム化防止剤,金属不活
性化剤,懸濁防止剤,上部シリンダー潤滑剤,および凍
結防止剤などが包含される。
本発明のあるより好ましい燃料組成物では,上で記述
の組成物は,ガソリン中で,無灰分分散剤と混合され
る。このような無灰分は,好ましくは,モノオールまた
はポリオールと,高分子量モノカルボン酸またはポリカ
ルボン酸アシル化剤(これらは,アシル部分にて,少な
くとも30個の炭素原子を含有する)とのエステルであ
る。このようなエステルは,当業者に公知である。例え
ば,仏国特許第1,396,645号,英国特許第981,850号およ
び第1,055,337号,および米国特許第3,255,108号;3,31
1,558;3,331,776;3,346,354;3,522,179;3,579,450;3,54
2,680;3,381,022;3,639,242;3,697,428;3,708,522;およ
び英国特許明細書1,306,529号を参照せよ。これら特許
の内容は,適当なエステル,およびそれらの調製方法の
開示に関して,ここに示されている。一般に,上で述べ
た無灰分分散剤に対する,この発明の組成物の重量比
は,無灰分分散剤1部に対し,約0.1部〜約10.0部,好
ましくは約1部〜約10部である。この発明のさらに他の
実施態様では,この発明の添加剤は,マンニッヒ縮合生
成物(これは,置換フェノール,アルデヒド,ポリアミ
ン,および置換ピリジンから形成される)と混合され
る。このような縮合生成物は,米国特許第3,649,659号;
3,558,743;3,539,633;3,704,308;および第3,725,277号
に記述されている。
この発明の組成物は,この発明の燃料組成物を形成す
るべく,この燃料に直接加えられ得る。または,これら
は,実質的に不活性で通常液状の有機溶媒/希釈剤(例
えば,鉱油,キシレン),または上で記述のような通常
液状の燃料で希釈され,添加濃縮物を形成し得る。この
添加濃縮物は,次いで,ここで記述の発明の燃料組成物
を形成するのに充分な量で,この燃料に加えられる。こ
れら濃縮物は,ふつうは,この発明の組成物を,約10重
量%〜約90重量%で含有し得る。この濃縮物は,さら
に,上で記述の従来の添加剤,特に上で記述の無灰分添
加剤のいずれかを,上で述べた割合で含有し得る。この
濃縮物の残りは,溶媒/希釈剤である。
上記の極圧剤,および腐食−酸化防止剤の多くは,ま
た,耐摩耗剤として供されるジアルキルホスホロジチオ
酸亜鉛は,公知の例である。
流動点降下剤は,ここで記述の潤滑油中にしばしば含
有される,特に有用なタイプの添加剤である。オイルベ
ースの組成物中において,低温特性を改良する,このよ
うな流動点降下剤の用途は,当該技術分野で公知であ
る,例えば,C.V.SmalheerおよびR.Kennedy Smithの
“潤滑添加剤”(Lezius−Hiles Co.出版社,クリーブ
ランド,オハイオ,1967)の8ページを参照せよ。
有用な流動点降下剤の例には,ポリメタクリレート;
ポリアクリレート;ポリアクリルアミド;ハロパラフィ
ンワックスと芳香族化合物との縮合生成物;ビニルカル
ボキシレート重合体;ジアルキルフマール酸塩,脂肪酸
のビニルエステルおよびアルキルビニルエーテルの三元
共重合体がある。本発明のために有用な流動点降下剤,
それらの調製方法およびそれらの用途は,米国特許第2,
387,501;2,015,748;2,655,479;1,815,022;2,191,498;2,
666,746;2,721,877;2,721,878;および3,250,715に記述
され,その内容は,これらに関連した開示に関して,こ
こに示されている。
消泡剤は,安定した泡の形成を低減させるかまたは防
止するために,用いられる。典型的な消泡剤には,シリ
コーンまたは有機重合体が包含される。他の消泡組成物
は,“泡制御剤”(Henry T.Kerner,ノイスデータ社,19
76)のp.125−162に記述されている。
この発明の油溶性で金属含有の組成物は,この潤滑剤
に直接加えられ得る。しかしながら,好ましくは,これ
らは,実質的に不活性で通常液状の有機希釈剤(例え
ば,鉱油,ナフサ,ベンゼン,トルエンまたはキシレ
ン)で希釈され,添加濃縮物を形成し得る。これら濃縮
物は,ふつうは,この発明の油溶性で金属含有の組成物
を,約10重量%〜約90重量%で含有し得る。この濃縮物
は,さらに,当該技術分野で公知,または上で記述の1
種またはそれ以上の従来の添加剤を含有し得る。この濃
縮物の残りは,実質的に不活性で通常液状の希釈剤であ
る。
この発明は,より好ましい実施態様に関連して,説明
されているものの,それらの種々の変形は,本明細書を
読むとすぐに,当業者により明らかとなることは理解さ
れるべきである。従って,ここで開示の本発明は,添付
の請求の範囲にはいるような変形を含むことが,理解さ
れるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:18 125:26 139:00) (C10M 159/20 135:10 137:02 137:12 153:02 125:10 125:18 125:26 139:00) (C10M 159/20 129:48 125:10 125:18 129:28 125:26 139:00) C10N 10:02 10:04 10:16 30:06 30:10 30:12

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーバーベース化潤滑組成物を調製する方
    法であって, (A)油溶性の有機酸の原料と, (B)亜鉛,銅,カドミウム,遷移金属,およびそれら
    の組み合わせからなる群から選択される金属含有化合物
    と, (C)ホウ酸,三酸化ホウ素,ハロゲン化ホウ素,ホウ
    素アミド,ホウ素エステルからなる群から選択されるホ
    ウ素化合物とを, (D)助触媒系の存在下で反応させることを包含する,
    方法。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項に記載の方法であって,
    ここで,前記有機酸が,スルホン酸,カルボン酸,置換
    フェノール,リン含有酸,およびそれらの混合物からな
    る群から選択される,方法。
  3. 【請求項3】請求の範囲第2項に記載の方法であって,
    ここで,前記カルボン酸がR(COOH)n,ここで,nは整数
    であって,少なくとも1である;次式の化合物;および
    それらの混合物からなる群から選択される,方法: ここで,RおよびR1ヒドロカルビルベースの基である。
  4. 【請求項4】請求の範囲第3項に記載の方法であって,
    ここで,前記Rが,8個〜100個の炭素原子を有する実質
    的に飽和したヒドロカルビルベースの基である,方法。
  5. 【請求項5】請求の範囲第3項に記載の方法であって,
    ここで,前記R1が,40個〜750個の炭素原子を有する実質
    的に飽和したヒドロカルビルベースの基である,方法。
  6. 【請求項6】請求の範囲第3項に記載の方法であって,
    ここで,前記nが1〜2である,方法。
  7. 【請求項7】請求の範囲第2項に記載の方法であって,
    ここで,前記スルホン酸が次式で表される,方法: R2SO3H または (R2)xArSO3H ここで,R2はヒドロカルビルベースの基であり,xは1〜
    3であり,そしてArは芳香核である。
  8. 【請求項8】請求の範囲第7項に記載の方法であって,
    ここで,前記R2が,8個〜60個の炭素原子を有する実質的
    に飽和したヒドロカルビルベースの基である,方法。
  9. 【請求項9】請求の範囲第2項に記載の方法であって,
    ここで,前記置換フェノールが次式で表される,方法: ここで,R3は,15個〜50個の炭素原子を有する実質的に飽
    和したヒドロカルビルベースの基であり;aおよびbは1
    〜2であり,そしてcまたは1である。
  10. 【請求項10】請求の範囲第2項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記置換フェノールが次式で表される,方
    法: ここで,R3は,6個〜100個の炭素原子を有する実質的に飽
    和したヒドロカルビルベースの基であり,cは0または1
    であり,Yはイオウ結合またはCH2,あるいはそれらの混合
    物であり,そしてZは0〜30である。
  11. 【請求項11】請求の範囲第2項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記リン含有酸が,2個〜30個の炭素原子を
    有するオレフィンの重合体から調製され,該重合体が,5
    0個〜100個の炭素原子を有し,そして該重合体が,五硫
    化リンとの反応に供され,蒸気処理される,方法。
  12. 【請求項12】請求の範囲第11項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記リン含有酸がイソブチレンの重合体か
    ら調製される,方法。
  13. 【請求項13】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記金属含有化合物が,金属酸化物,金属
    水酸化物,金属ハロゲン化物,金属炭酸塩,金属ホウ酸
    塩,およびそれらの混合物からなる群から選択される,
    方法。
  14. 【請求項14】請求の範囲第13項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記金属酸化物が,酸化亜鉛,酸化カドミ
    ウム,酸化銅,酸化鉛,遷移金属酸化物,およびそれら
    の混合物からなる群から選択される,方法。
  15. 【請求項15】請求の範囲第13項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記金属水酸化物が,水酸化亜鉛,水酸化
    カドミウム,水酸化銅,水酸化鉛,遷移金属水酸化物,
    およびそれらの混合物からなる群から選択される,方
    法。
  16. 【請求項16】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記助触媒系が,20個までの炭素原子を有
    する一価アルコール,20個までの炭素原子を有する二価
    アルコール,水酸化アンモニウム,水,8個までの炭素原
    子を有する有機酸,硝酸,塩酸および硫酸からなる群か
    ら選択される,方法。
  17. 【請求項17】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記助触媒系が,20個までの炭素原子を有
    する一価アルコール,20個までの炭素原子を有する二価
    アルコール,水酸化アンモニウム,水,8個までの炭素原
    子を有する有機酸,硝酸,塩酸,スルホン酸,および金
    属錯化剤からなる群から選択される,方法。
  18. 【請求項18】請求の範囲第17項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記金属錯化剤がアルキルサリチルアルド
    オキシムである,方法。
  19. 【請求項19】請求の範囲第18項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記アルキルサリチルアルドオキシムがド
    デシルサリチルアルドオキシムである,方法。
  20. 【請求項20】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記ホウ素化合物がホウ酸である,方法。
  21. 【請求項21】請求の範囲第7項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記有機酸がベンゼンスルホン酸であり,
    前記R2が,少なくとも20個の炭素原子を有し;前記金属
    含有化合物が酸化亜鉛であり;前記ホウ素化合物がホウ
    酸であり;そして前記助触媒系が,水酸化アンモニウ
    ム,イソブチルアルコール,イソアミルアルコール,
    水,および酢酸を含有する混合物である,方法。
  22. 【請求項22】請求の範囲第7項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記有機酸が,ベンゼンスルホン酸および
    式R1(CO)2Oのカルボン酸であり,ここで,該ベンゼン
    スルホン酸のR2が,少なくとも20個の炭素原子を有し,
    そして該カルボン酸のR1が,少なくとも20個の炭素原子
    を有し; 前記金属含有化合物が酸化亜鉛であり; 前記ホウ素化合物がホウ酸であり,そして 前記助触媒系が,水酸化アンモニウム,イソブチルアル
    コール,イソアミルアルコール,および酢酸を含有する
    混合物である,方法。
  23. 【請求項23】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記有機酸がベンゼンスルホン酸であり,
    ここで,前記R2は,少なくとも20個の炭素原子を有し;
    前記金属含有化合物が水酸化銅であり;前記ホウ素化合
    物がホウ酸であり;そして前記助触媒系が,酢酸,イソ
    ブチルアルコール,イソアミルアルコール,および水を
    含有する混合物である,方法。
  24. 【請求項24】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記有機酸がベンゼンスルホン酸であり,
    ここで,前記R2は,少なくとも20個の炭素原子を有し;
    前記金属含有化合物が水酸化銅であり;前記ホウ素化合
    物がホウ酸であり;そして前記助触媒系が,酢酸,イソ
    ブチルアルコール,イソアミルアルコール,水,および
    金属錯化剤を含有する混合物である,方法。
  25. 【請求項25】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記有機酸がベンゼンスルホン酸であり,
    ここで,前記R2は,少なくとも20個の炭素原子を有し;
    前記金属含有化合物が,水酸化銅であり;前記ホウ素化
    合物がホウ酸であり;そして前記助触媒系が,酢酸,イ
    ソブチルアルコール,イソアミルアルコール,水,およ
    びアルキルサリチルアルドオキシムを含有する混合物で
    ある,方法。
  26. 【請求項26】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記有機酸がベンゼンスルホン酸であり,
    ここで,前記R2は,少なくとも20個の炭素原子を有し;
    前記金属含有化合物が,水酸化銅であり;前記ホウ素化
    合物がホウ酸であり;そして前記助触媒系が,酢酸,イ
    ソブチルアルコール,イソアミルアルコール,水,およ
    びドデシルサリチルアルドオキシムを含有する混合物で
    ある,方法。
  27. 【請求項27】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,前記反応成分(A),(B)および(D)
    の比が,次式で表され,そして,該比が約0.2〜約0.3の
    範囲である: ここで,Eqsは当量を意味する。
  28. 【請求項28】請求の範囲第1項に記載の方法であっ
    て,ここで,温度が,およそ室温から,全ての成分また
    は生成物のほぼ分解温度までである,方法。
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