JPH0356276B2 - - Google Patents

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JPH0356276B2
JPH0356276B2 JP57087397A JP8739782A JPH0356276B2 JP H0356276 B2 JPH0356276 B2 JP H0356276B2 JP 57087397 A JP57087397 A JP 57087397A JP 8739782 A JP8739782 A JP 8739782A JP H0356276 B2 JPH0356276 B2 JP H0356276B2
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acid
reactant
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amine
boron
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明は潤滑剤用添加剤として有用なホウ素
含有生成物、およびその製造方法、並びに該生成
物を含有する添加剤濃縮物および潤滑組成物に関
する。この発明は、その最も広い意味合いにおい
て、油溶性のホウ素含有生成物であつて、約80℃
ないし約250℃の温度で、 (A)ホウ酸および三酸化ホウ素のうちの少なくと
も1種を、 (B)式 (ここで、R1,R2,R3およびR4のそれぞれは
水素または脂肪族基、あるいはそれらのいずれか
2つが環式基を形成する)で示され、かつ少なく
とも8個の炭素原子を含有する少なくとも1種の
エポキシドと反応させることによつて得たものを
含む。 内燃機関が増々複雑・精巧になるにつれ、該内
燃機関に用いるべき新しいタイプの潤滑剤が必要
となつてきている。新しいタイプのエンジンは、
多くの場合、従前よりもはるかに苛酷な条件下の
下で動作され、また潤滑剤はこのエンジンをその
ように苛酷な条件の下で長期に渡つて動作させる
ように調製しなければならない。 潤滑剤に対する種々の要求の中で、一例とし
て、重負荷機械・装置におけるジーゼルエンジン
について考える必要がある。この種のエンジンに
おいて要求される潤滑剤性能は自動車用ガソリン
エンジンにおけるものとは大きく異なる。それに
もかかわらず、これら両エンジンに使用するため
に一種類の多目的潤滑剤を作ることがしばしば有
利である。 高負荷機械・装置に用いるジーゼルエンジン中
の条件は厳しいので、無灰型分散剤および(また
は)灰生成型清浄剤を比較的高濃度で潤滑剤中に
添加する必要がある。例えば、この種の潤滑剤の
多くは塩基性アルカリ土類金属フエノキシドを
2.5重量%以上および(または)遊離ヒドロキシ
基含有アルケニルコハク酸エステル分散剤を1.5
%以上含んでいる。ところが、このような潤滑剤
を普通のガソリンエンジンに用いるとエンジン部
品が大きな程度に摩耗してしまう。通常の耐摩耗
性添加剤例えばジアルキルホスホロジチオ酸亜鉛
を用いても、多くの場合、この問題を完全には解
決することができない。 したがつて、この発明の目的は広範な操作条件
下で使用される潤滑剤に用いて効果的な耐摩耗性
添加剤を提供することにある。 この発明の他の日的は上記耐摩耗性添加剤を含
有する添加剤濃物および潤滑剤を提供することに
ある。 また、この発明の目的は、潤滑剤中に用いたと
きに摩擦変性特性およびさび止め特性を発揮する
組成物を提供することにある。 さらにまた、この発明の目的は新規なホウ素含
有組成物およびその製造方法を提供することにあ
る。 この発明の生成物は2種の反応体の反応を含む
その製造方法によつて特徴づけられる。一方の反
応体Aは三酸化ホウ素、またはメタホウ酸
((HBO2)、オルソホウ酸(H3BO3)およびテト
ラホウ酸(H2B4O7)等種々の形態のホウ酸であ
る。ホウ酸特にホルソホウ酸が好ましい。 他方の反応体Bは前記式で示されかつ少なくと
も8個の炭素原子を有する少なくとも1種のエポ
キシドである。前記式において、各R1〜R4は、
最も普通には、水素または脂肪族基であつて、そ
のうち少なくとも1つは少なくとも6個の炭素原
子を有する脂肪族基である。「脂肪族基」という
語には脂肪族炭化水素基(例えば、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基、テトラデシル基、ステアリル基、ヘキセニル
基、オレイル基)好ましくはアセチレン性不飽和
を含まないもの;ヒドロキシ基、ニトロ基、カル
ボアルコキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基
等の置換基を含む置換脂肪族炭化水素基(こと
に、低級アルキル基すなわち7個以下の炭素原子
を含有するアルキル基を含有するもの);および
当該ヘテロ原子が例えば酸素、窒素たは硫黄であ
るヘテロ原子含有基が含まれる。この脂肪族基は
好ましくはアルキル基であり、さらに好ましくは
約10個ないし約20個の炭素原子を含有するアルキ
ル基である。また、エポキシドの市販混合物を用
いてもよい。このような混合物としてはC14〜C16
またはC14〜C18エポキシドの混合物等(ここで、
R1は当該エポキシドよりも2個だけ炭素原子を
有するアルキル基の混合物)である。最も望まし
くは、R1は直鎖アルキル基ことにテトラデシル
基である。 さらに、R1〜R4のうちいずれか2つが環式基
(これは、脂環式であつても複素環式であつても
よい)を形成しているエポキシドを用いてもよ
い。このようなエポキシドの例を挙げると、n−
ブチルシクロペンテンオキシド、n−ヘキシルシ
クロヘキセンオキシド、メチレンシクロオクテン
オキシドおよび2−メチレン−3−n−ヘキシル
テトラヒドロフランオキシドである。 この発明のホウ素含有組成物は上記2種の反応
体を単に混合し、これを約80℃ないし約250℃好
ましくは約100℃ないし約200℃で、反応が生じる
に充分な時間熱することによつて製造できる。所
望により、反応を実質的に不活性の通常液状の有
機希釈剤例えば、トルエン、キシレン、クロロベ
ンゼン、ジメチルホルムアミド等の存在下でおこ
なつてもよいが、通常この希釈剤を用いる必要は
ない。反応中にしばしば水が発生するが、これを
蒸留によつて除去することができる。 所望よりも多くの熱を発生する発熱反応および
発泡を最小限に抑えるために、好ましい方法にお
いては反応体Aをまず生成物の「ヒール(heel)」
と混和する。ついで、この混和物を所望の反応温
度典型的には約150℃ないし約200℃に熱し、反応
により生じた水を除去しつつ反応体Bを除去に加
える。なお、「ヒール」とは反応体Aと反応体B
との事前反応生成物の一部を意味する。このヒー
ルと混合される反応体Aは当該ヒールを製造する
際に用いた反応体Aと同じであつてよく、一般に
は同じである。また反応体Aとヒールとの混合物
に加える反応体Bは当該ヒールを製造するために
用いた反応体Bと同じであつてよく、一般には同
じである。ヒールに加えられる反応体Aと反応体
Bとのモル比は、ヒールを製造するために用いた
反応体Aと反応体Bとのモル比と同一であつても
異なつていてもよいが、反応体Aと反応体Bとの
総モル比は以後述べる範囲にある。 反応体Aと反応体Bとのモル比は一般に約1:
0.25ないし約1:4である。好ましくはこのモル
比は約1:1ないし約1:3であり、1:2がこ
とに好ましい。 反応を容易にするために触媒量のアルカリ性試
薬を用いることがしばしば有利である。好適なア
ルカリ性試薬としては、無機塩基および塩基性塩
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび
炭酸ナトリウム;金属アルコキシド例えばナトリ
ウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドおよび
カルシウムエトキシド;複素環式アミン例えばピ
ペリジン、モルホリンおよびピリジン;並びに脂
肪族アミン例えばn−ブチルアミン、ジ−n−ヘ
キシルアミンおよびトリ−n−ブチルアミンが挙
げられる。好ましいアルカリ性試薬は脂肪族およ
び複素環式アミンことに第三アミンである。「ヒ
ール」を用いた好ましい方法を採用した場合、ア
ルカリ性試薬は、典型的には、該「ヒール」と反
応体Aとの混和物に加える。 この発明のホウ素含有生成物の分子構造は確実
にはわかつていない。しかし、その製造中に、反
応体Aとしてホウ酸を用いるとホウ酸が三酸化ホ
ウ素に転化する際の化学量論量に近い量の水が発
生し、また、ホウ酸とC16α−オレフインオキシ
ド混合物をモル比1:2で用いて製造した生成物
のゲル浸透クロマトグラフイーは近似分子量400,
600および1200を有する三成分の実質量の存在を
示している。これらの事実から、この生成物はエ
ポキシドの重合体と次の1つまたは両方の式の少
量の化合物とのホウ素化縮合生成物から主として
なると考えられる。 (ここで、R1,R2,R3およびR4は既述のとお
り) 以下、この発明の実施例を記す。全ての「部」
および「%」は重量基準である。 実施例 1 1−ヘキサデセンオキシド1500部(6.25モル)
とトリ−n−ブチルアミン1部との混合物を窒素
下、撹拌しつつ100〜110℃に熱した。ホウ酸193
部(3.13モル)を徐々に15分間かけて加えた。ホ
ウ酸の添加が終了したとき、水を蒸留によつて除
去しつつこの反応混合物を185℃に熱した。水の
発生が終つたとき、混合物を熱間ろ過し、ろ液を
冷却して融点60〜65℃のワツクス状固体とした。
この固体が所望生成物であり、2.7%のホウ素を
含んでいた。 実施例 2 実施例1の工程に実質的に従い、実施例1のエ
ポキシド794部(3.31モル)をホウ酸102.6部
(1.65モル)と反応させた。触媒は用いなかつた。
生成物は2.0%のホウ素を含有していた。 実施例 3 実施例2の工程に実質的に従い、1−ヘキサデ
センオキシド2000部をホウ酸344部(5.6モル)と
反応させた。生成物は2.37%のホウ素を含有する
ワツクス状固体であつた。 実施例 4 C14〜C16α−オレフインオキシドの市販混合物
1416部(6モル)、ホウ酸124部(2モル)、トリ
−n−ブチルアミン1部およびキシレン250部よ
りなる混合物を、水を蒸留によつて除去しつつ還
流下に約8時間熱した。水の除去が完了した後、
キシレンを真空留去し、残分をろ過した。生成物
は薄い黄色の液体であり、1.52%のホウ素を含ん
でいた。 実施例 5 ホウ酸81部(1.5モル)を90〜120℃で2時間か
けて実施例4のα−オレフインオキシド混合物に
加えた。ついで、トリ−n−ブチルアミン0.15部
を100℃で加え、この混合物を、撹拌しながら、
130〜160℃で4時間熱した。次に、これをろ過助
材を用いてろ過した。生成物であるろ液は粘稠の
橙色液体であり、3.61%のホウ素を含んでいた。 実施例 6 三酸化ホウ素35部(0.5モル)を100〜130℃で
2時間かけて実施例4のα−オレフインオキシド
混合物118部(0.5モル)に加えた。この混合物を
150℃に熱し、トリ−n−ブチルアミン0.2部を加
えた。上記α−オレフインオキシド混合物をさら
に118部加え、加熱を2時間続けた。これをろ過
助剤を用いてろ過した。ろ液(生成物)は粘稠の
橙色液体であり、3.02%のホウ素を含んでいた。 実施例 7 1−オクテンオキシド572部(2モル)、ホウ酸
62部(1モル)およびトルエン100部よりなる混
合物を、水を蒸留によつて除去しつつ、還流下に
18時間熱した。ついで、この混合物を真空ストリ
ツピングに供し、残分をろ過助材を用いてろ過し
た。ろ液(生成物)はこはく色の液体であり、
2.22%のホウ素を含んでいた。 実施例 8 ホウ酸193部(3.13モル)と、トリ−n−ブチ
ルアミン1部と、事前反応生成物402部を含む
「ヒール」との混和物を、撹拌しながら、揮発分
を蒸留によつて除去しつつ、188℃に熱した。8.5
時間後、1−ヘキサデセンオキシド1500部(6.25
モル)を、186〜195℃で、撹拌しながら5.5時間
かけて加えた。揮発分を除去しつつ加熱と撹拌を
2時間続けた。これを真空ストリツピングに供
し、93〜99℃でろ過した。ろ過は所望生成物であ
り、、2.12%のホウ素を含んでいた。 実施例 9 ホウ酸775部(12.5モル)と「ヒール」944部と
の混和物を、窒素下、185℃に熱し、その間揮発
分を蒸留によつて除去した。1−ヘキサデセンオ
キシド3000部(12.5モル)を180〜185℃で2.5時
間かけて徐々に加えた。揮発分の除去が完結する
まで加熱を続けた。残分を真空ストリツピングに
供し、ろ過した。ろ液は所望生成物であり、3.9
%のホウ素を含んでいた。 既述のように、この発明のホウ素含有組成物は
潤滑剤用添加剤として有用である。該生成物は重
負荷もしくは多目的潤滑剤中に無灰型もしくは灰
生成型の分散剤および清浄剤を高濃度に用いると
ころから生じる摩耗を減少させる上で特に効果的
である。また、該組成物は摩擦変性剤およびさび
止め添加剤としても有効である。 この発明の生成物は天然および合成潤滑油さら
にはその混合物等潤滑粘度を有する種々の油を基
とした様々な潤滑剤に用いることができる。この
潤滑剤には、自動車用およびトラツク用エンジ
ン、2サイクルエンジン、航空機用ピストンエン
ジン、舶用および鉄道用ジーゼルエンジン等の火
花点火式および圧縮点火式内燃機関用クランクケ
ース潤滑油がある。この発明の組成物は、ガスエ
ンジン、定置動力エンジン、タービン等において
も用いられる。自動トランスミツシヨン流体、伝
達軸潤滑剤、歯車潤滑剤、金属加工用潤滑剤、圧
力流体および他の潤滑油やグリース組成物等もこ
の発明の組成物によつて利益を受ける。 天然油には、液体石油やパラフイン系、ナフテ
ン系もしくはパラフイン−ナフテン混合系の溶剤
処理もしくは酸処理の鉱物性潤滑油が含まれる。
石炭や頁岩から誘導された潤滑性粘度を有する油
も有用な基油である。合成潤滑油には、重合およ
び相互重合オレフイン〔例えば、ポリブチレン、
ポリプロピレン、プロピレン−イソブチレン共重
合体、塩素化ポリブチレン、ポリ(1−ヘキセ
ン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン)
等およびこれらの混合物〕、アルキルベンゼン
〔例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベン
ゼン、ジノニルベンゼン、ジ(2−エチルヘキシ
ル)ベンゼン等〕、ポリフエニル(例えば、ビフ
エニル、テルフエニル、アルキル化ポリフエニル
等)、アルキル化ジフエニルエーテルおよびアル
キル化ジフエニルスルフイドおよびその誘導体、
類似体および同族体のような炭化水素油およびハ
ロ置換炭化水素油が含まれる。 アルキレンオキシドの重合体および相互重合体
さらには末端ヒドロキシル基がエステル化、エー
テル化等によつて変性されているその誘導体も公
知の合成潤滑油である。これらの例を挙げると、
エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの重
合によつて得た油、これらポリオキシアルキレン
重合体のアルキルおよびアリールエーテル(例え
ば、平均分子量1000のメチルポリイソプロピレン
グリコールエーテル、分子量500〜1000のポリエ
チレングリコールのジフエニルエーテル、分子量
1000〜1500のポリプロピレングリコールのジエチ
ルエーテル等)または酢酸エステル、混合C3
〜C8脂肪酸エステル等のモノおよびポリカルボ
ン酸エステル、あるいはテトラエチレングリコー
ルのC13オキソ酸ジエステル等である。 他の好適な合成潤滑油はジカルボン酸(例え
ば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸、ア
ルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、
スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン
酸、リノール酸二量体、マロン酸、アルキルマロ
ン酸、アルケニルマロン酸等)と種々のアルコー
ル(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコ
ール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシル
アルコール、エチレングリコール、ジエチレング
リコールモノエーテル、プロピレングリコール
等)とのエステルである。これらエステルの具体
例を挙げると、アジピン酸ジブチル、セバシン酸
ジ(2−エチルヘキシル)、フマル酸ジ−n−ヘ
キシル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジ
イソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタ
ル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸
ジエイコシル、リノール酸二量体の2−エチルヘ
キシルジエステル、セバシン酸1モルとテトラエ
チレングリコール2モルおよび2−エチルヘキサ
ン酸2モルとを反応させて得た複合エステル等で
ある。 合成油として有用なエステルには、C5〜C12
ノカルボン酸とポリオールおよびポリオールエー
テル例えばネオペンチルグリコール、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリツト、ジペンタエ
リスリツト、トリペンタエリスリツト等から製造
されたものも含まれる。 ポリアルキル−、ポリアリール−、ポリアルコ
キシ−もしくはポリアリールオキシ−シロキサン
油およびシリケート油のようなシリコン系油も有
用な合成潤滑剤である(例えば、テトラエチルシ
リケート、テトライソプロピルシリケート、テト
ラ(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ
(4−メチル−2−エチルヘキシル)シリケート、
テトラ(p−tert−ブチルフエニル)シリケー
ト、ヘキサ(4−メチル−2−ペントキシ)ジシ
ロキサン、ポリ(メチル)シロキサン、ポリ(メ
チルフエニル)シロキサン等)。他の合成潤滑油
には、リン含有酸の液状エステル(リン酸トリク
レジル、リン酸トリオクチル、デカンホスホン酸
のジエチルエステル等)、重合テトラヒドロフラ
ン等がある。 上記タイプの天然もしくは合成油(さらにはこ
れらいずれか2種以上の混合物)の未精製油、精
製油および再精製油がこの発明の潤滑剤組成物に
用いられる。未精製油は天然または合成供給源か
ら直接得たものであつて精製処理をおこなつてい
ないものである。例えば、レトルト操作から直接
得たシエール油、蒸留から直接得た石油、または
エステル化工程から直接得たエステル油であつて
それ以上処理することなく用いるものは未精製油
である。精製油は、1つまたはそれ以上の性質を
改善するために1つまたはそれ以上の精製工程で
処理されたものである以外は未精製油と同様のも
のである。このような精製方法の多くが当業者に
知られている。例えば、溶剤抽出、酸または塩基
抽出、ろ過、パーコレーシヨン等である。再精製
油は精製油を得るために用いた方法と同様の方法
を、すでに使用された精製油に適用して得られた
ものである。このような再精製油は再生油として
も知られ、しばしば、使用済み添加剤や油分解生
成物を除去するためにおこなわれている方法によ
つてさらに処理される。 一般に、この発明の潤滑剤は耐摩耗性、摩擦変
性性、および(または)さび止め性を付与するの
に充分な量のこの発明の生成物を含有している。
通常、この量は、潤滑剤総重量の約0.01〜約10
%、好ましくは約0.1〜約5%である。 この発明はこの発明のホウ素含有生成物に加え
て他の添加剤を用いることも意図している。この
種の他の添加剤は、例えば、灰生成型または無灰
型の清浄剤および分散剤、腐食防止剤および酸化
防止剤、流動点降下剤、極圧剤、着色安定剤、お
よび消泡剤である。 灰生成型清浄剤の例を挙げると、スルホン酸、
カルボン酸、あるいはオレフイン重合体(例え
ば、分子量1000のポリイソブデン)を三塩化リ
ン、七硫化リン、五硫化リン、三塩化リンと硫
黄、白リンとハロゲン化硫黄またはホスホロジチ
オ酸クロリドのようなリン化剤で処理して得たも
ののように炭素−リン直接結合を少なくとも1つ
有することによつて特徴づけられる有機リン含有
酸と、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属と
の油溶性中性および塩基性塩である。もつとも普
通に用いられる塩は、ナトリウム、カリウム、リ
チウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチ
ウムおよびバリウムのそれである。 「塩基性塩」とは、金属が有機酸根よりも化学
量論的に多量に存在している金属塩を意味する。
この塩基性塩を製造するために普通用いられる方
法は、酸の鉱油溶液を化学量論的に過剰の金属系
中和剤例えば、金属酸化物、水酸化物、炭酸塩、
重炭酸塩もしくはスルフイドとともに50℃以上の
温度で熱し、得られたものをろ過する方法であ
る。大過剰の金属を導入するのを補助するために
中和工程で「促進剤」を用いることが知られてい
る。促進剤として有用な化合物の例を挙げると、
フエノール、ナフトール、アルキルフエノール、
チオフエノール、硫化アルキルフエノール、およ
びホルムアルデヒドとフエノール系化合物との縮
合生成物のようなフエノール系物質;メタノー
ル、2−プロパノール、オクチルアルコール、セ
ロソルブ、カルビトール、エチレングリコール、
ステアリルアルコールおよびシクロヘキシルアル
コールのようなアルコール類;およびアニリン、
フエニレンジアミン、フエノチアジン、フエニル
−β−ナフチルアミンおよびドデシルアミンのよ
うなアミン類である。塩基性塩を製造するための
特に効果的な方法は酸を過剰の塩基性アルカリ土
類金属系中和剤の少なくとも1種およびアルコー
ル系促進剤の少なくとも1種と混合し、この混合
物を昇温下例えば60〜200℃で炭酸化することか
らなる。 無灰型清浄剤および分散剤は、その構造によつ
ては燃焼して酸化ホウ素や五酸化リンのような不
揮発分を生ずるにもかかわらずそう呼ばれてい
る。しかし、通常、これは金属を含有しないの
で、燃焼によつて金属含有灰を生成することはな
い。その多くの種類が知られており、そのいずれ
もがこの発明の潤滑剤に好適である。以下その例
を掲げる。 (1) 少なくとも約34個、好ましくは少なくとも約
54個の炭素原子を有するカルボン酸(またはそ
の誘導体)と、アミンのような窒素含有化合
物、フエノールやアルコールのような有機ヒド
ロキシ化合物および(または)塩基性無機物質
との反応生成物。この「カルボン酸系分散剤」
の例は英国特許第1306529号や以下の米国特許
に記載されている。 第3163603号 第3351552号 第3541012号 〃3184474〃 〃3381022〃 〃3542678〃 〃3215707〃 〃3399141〃 〃3542680〃 〃3219666〃 〃3415750〃 〃3567637〃 〃3271310〃 〃3433744〃 〃3574101〃 〃3272746〃 〃3444170〃 〃3576743〃 〃3281357〃 〃3448048〃 〃3630904〃 〃3306908〃 〃3448049〃 〃3632510〃 〃3311558〃 〃3451933〃 〃3632511〃 〃3316177〃 〃3454607〃 〃3697428〃 〃3340281〃 〃3467668〃 〃3725441〃 〃3341542〃 〃3501405〃 〃4234435〃 〃3346493〃 〃3522179〃 〃Re26433〃 (2) 比較的高分子量の脂肪族もしくは脂環族ハラ
イドとアミン好ましくはポリアルキレンポリア
ミンとの反応生成物。これらは「アミン系分散
剤」ということができ、例えば以下の米国特許
に記載されている。 第3275554号 第3454555号 〃3438757〃 〃3565804〃 (3) 当該アルキル基が少なくとも約30個の炭素原
子を含有するアルキルフエノールとアルデヒド
(ことにホルムアルデヒド)およびアミン(こ
とにポリアルキレンンポリアミン)との反応生
成物。これは「マンニツヒ系分散剤」と特徴づ
けることができ、以下の米国特許にその例が記
されている。 第2459112号 第3442808号 第3591598号 〃2962442〃 〃3448047〃 〃3600372〃 〃2984550〃 〃3454497〃 〃3634515〃 〃3036003〃 〃3459661〃 3649229〃 〃3166516〃 〃3461172〃 3697574〃 〃3236770〃 〃3493520〃 〃3725277〃 〃3355270〃 〃3539633〃 〃3725480〃 〃3368972〃 〃3558743〃 〃3726882〃 〃3413347〃 〃3586629〃 〃3980569〃 (4) 上記カルボン酸系、アミン系またはマンニツ
ヒ系分散剤を尿素、チオ尿素、二硫化炭素、ア
ルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換
コハク酸無水物、ニトリル、エポキシド、ホウ
素化合物、リン化合物等の試薬で後処理して得
た生成物。この種の物質は以下の米国特許に記
載されている。 第3036003号 第3367943号 第3579450号 〃3087936〃 〃3373111〃 〃3591598〃 〃3200107〃 3403102〃 〃3600372〃 〃3216936〃 〃3442808〃 〃3639242〃 〃3254025〃 〃3455831〃 〃3649229〃 〃3256185〃 〃3455832〃 〃3649659〃 〃3278550〃 〃3493520〃 〃3658836〃 〃3280234〃 〃3502667〃 〃3697574〃 〃3281428〃 〃3513093〃 〃3702757〃 〃3282955〃 〃3533945〃 〃3703536〃 〃3312619〃 〃3539633〃 〃3704308〃 〃3366569〃 〃3573010〃 〃3708522〃 (5) メタクリル酸デシル、ビニルデシルエーテル
および高分子量オレフインのような油溶解性単
量体と、アクリル酸アミノアルキルやアクリル
アミドおよびポリ(オキシエチレン)置換アク
リレートのような極性基を有する単量体との相
互重合体。これは「重合体系分散剤」と特徴づ
けられ、以下の米国特許に記載されている。 第3329658号 第3666730号 〃3449250〃 〃3687849〃 〃3519565〃 〃3702300〃 この発明に従う特に好ましい潤滑剤はこの発明
のホウ素含有組成物とともに(A)塩基性アルカリ土
類金属フエノキシドもしくは塩基性サリチル酸ア
ルカリ土類金属系清浄剤を少なくとも2.5重量%、
および(B)遊離ヒドロキシル基を含有するアルケニ
ルコハク酸エステル系分散剤を少なくとも1.5重
量%含有するものである。このような潤滑剤中に
おいて、該ホウ素含有生成物はエンジンの摩耗を
大きく減少させる。 極圧剤、並びに腐食防止剤および酸化防止剤の
例を挙げると、塩素化ワツクスのような塩素化脂
肪族炭化水素、二硫化ベンジル、二硫化ビス(ク
ロルベンジル)、四硫化ジブチル、オレイン酸の
硫化メチルエステル、硫化アルキルフエノール、
硫化ジペンテンおよび硫化テンペンのような有機
硫化物・多硫化物、硫化リンとテレビンまたはオ
レイン酸メチルとの反応生成物のようなホスホ硫
化炭化水素、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジヘプ
チル、亜リン酸ジシクロヘキシル、亜リン酸ペン
チルフエニル、亜リン酸ジペンチルフエニル、亜
リン酸トリデシル、亜リン酸ジステアリル、亜リ
ン酸オレイル4−ペンチルフエニル、亜リン酸ポ
リプロピレン(分子量500)置換フエニル、亜リ
ン酸ジイソブチル置換フエニル等の亜リン酸ジ炭
化水素もしくはトリ炭化水素を主体とするリンエ
ステル、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛およ
びジチオカルバミン酸バリウムヘプチルフエニル
のようなチオカルバミン酸金属塩、ジシクロヘキ
シルホスホロジチオ酸亜鉛、ジオクチルホスホロ
ジチオ酸亜鉛、ジ(ヘプチルフエニル)ホスホロ
ジチオ酸バリウム、ジノニルホスホロジチオ酸カ
ドミウム、および五硫化リンとイソプロピルアル
コールおよびn−ヘキシルアルコールの当モル混
合物との反応によつて得たホスホロジチオ酸の亜
鉛塩のようなホスホロジチオ酸の第族金属塩で
ある。 この発明のホウ素含有生成物はこれを潤滑剤に
直接加えることができる。しかしながら好ましく
は、これを実質的に不活性の通常液状の有機希釈
剤例えば鉱油、ナフサ、ベンゼン、トルエンまた
はキシレンで希釈して濃縮物とするのがよい。こ
の添加剤濃縮物は一般に約5〜25重量%のこの発
明の組成物を含有し、これに加えて、前記他の添
加剤の1種またはそれ以上を含んでいてもかまわ
ない。 以下の表に、この発明の潤滑組成物の例を掲げ
る。鉱油を除く全ての量は、鉱油およびその他の
希釈剤を除いたものである。
【表】
【表】 剤総量

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A)ホウ酸および三酸化ホウ素のうちの少なく
    とも1種を(B)式 (ここで、R1,R2,R3およびR4のそれぞれは
    水素または脂肪族基、あるいはそれらのいずれか
    2つが環式基を形成する)で示されかつ少なくと
    も8個の炭素原子を有するエポキシドの少なくと
    も1種と80℃ないし250℃で反応させることを特
    徴とするホウ素含有生成物の製造方法。 2 R1,R2,R3およびR4のそれぞれが水素また
    は脂肪族基であつて、そのうちの少なくとも1つ
    が少なくとも6個の炭素原子を含有する脂肪族基
    である特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 R1が10個ないし20個の炭素原子を含有する
    アルキル基、並びにR2,R3およびR4がそれぞれ
    水素である特許請求の範囲第2項記載の方法。 4 反応体(A)がオルソホウ酸である特許請求の範
    囲第3項記載の方法。 5 R1が直鎖基である特許請求の範囲第4項記
    載の方法。 6 反応体(A)と反応体(B)とのモル比が1:0.25な
    いし1:4である特許請求の範囲第5項の方法。 7 R1がテトラデシル基である特許請求の範囲
    第6項記載の方法。 8 反応体Bを、反応体Aと生成物のヒールとの
    混和物に徐々に加えることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項ないし第7項のいずれかに記載の方
    法。 9 反応を触媒量のアルカリ性試薬の存在下でお
    こなう特許請求の範囲第1項ないし第7項のいず
    れかに記載の方法。 10 アルカリ性試薬が脂肪族アミンである特許
    請求の範囲第9項記載の方法。 11 アミンが第三アミンである特許請求の範囲
    第10項記載の方法。 12 アミンがトリ−n−ブチルアミンである特
    許請求の範囲第11項記載の方法。 13 反応を触媒量のアルカリ性試薬の存在下で
    おこなう特許請求の範囲第8項記載の方法。 14 アルカリ性試薬が脂肪族アミンである特許
    請求の範囲第13項記載の方法。 15 アミンが第三アミンである特許請求の範囲
    第14項記載の方法。 16 アミンがトリ−n−ブチルアミンである特
    許請求の範囲第15項記載の方法。
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