JP2581823Y2 - 光磁気記録装置および光ディスクカートリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、光磁気ディスクに磁
界変調方式で情報をオーバライトできる光磁気記録装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】磁界変調方式の光磁気記録再生装置に
は、情報の記録用および再生用のレーザ光を光磁気ディ
スクに照射する光ヘッドと、オーバライトのときに変調
磁界を光磁気ディスクに与える磁気ヘッドとを備えたも
のがある。そして、情報を再生するときに、光磁気記録
再生装置は、光ヘッドからレーザ光を光磁気ディスクに
向けて射出し、光磁気ディスクでの反射光を、光ヘッド
に設けられた受光素子で受光する。また、情報をオーバ
ライトして記録するときには、光ヘッドから光磁気ディ
スクにレーザ光が照射された点に、情報記録のための変
調磁界を与える。

【０００３】また、この光磁気記録再生装置には、光ヘ
ッドと磁気ヘッドとをそれぞれ別に移動可能に設けて、
高速なアクセスをするものが提案されている。この光磁
気記録再生装置では、磁気ヘッドは、光ヘッドと同期を
とって移動され、これにより、磁気ヘッドは、光ヘッド
の移動に伴い、光ヘッドと対向するように移動される。
このために、光ヘッドと磁気ヘッドとの相対位置を検出
し、その検出結果に基づいて、磁気ヘッドが光ヘッドと
同期をとって移動する。これにより、トラッキング方向
に移動する光ヘッドに、磁気ヘッドが追従する。

【０００４】このように、光ヘッドと磁気ヘッドとを別
に移動する装置は、例えば、特開平２ー１９３３４５号
公報に開示されている。この装置では、光ヘッドと磁気
ヘッドとの相対位置を検出するために、情報の記録用お
よび再生用のレーザ光が光ヘッドから光磁気ディスクに
射出されたとき、レーザ光の一部が光磁気ディスクを透
過する透過光が利用されている。そして、この装置は、
光磁気ディスクからの透過光を、磁気ヘッドに設けられ
た受光素子で受光して、光ヘッドと磁気ヘッドとの相対
位置を検出している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】ところで、光磁気ディ
スクからの透過光を磁気ヘッドで受光して相対位置を検
出する装置では、磁気ヘッドに受光部を組み込むので、
磁気ヘッドの構造が複雑になり、磁気ヘッドを小型化で
きないので、高密度で情報を記録することができない。
さらに、相対位置を検出するときに、光ヘッドから光磁
気ディスクに射出された光の透過光を用いるので、光磁
気ディスクの厚み、磁性膜の材質や構成等により、透過
光のレベルが変化し、相対位置の検出に影響を与える。
また、光磁気ディスクの傾きによっても検出レベルが低
下してしまい、相対位置の検出に影響を及ぼす。

【０００６】この考案の目的は、これらの欠点を除き、
高密度で情報の記録ができ、高速アクセスの可能な光磁
気記録装置および光ディスクカートリッジを提供するこ
とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】その目的を達成するた
め、この考案の光ディスクカートリッジは、片面オーバ
ライトが可能な光磁気ディスクと、光磁気ディスクを収
納すると共に、光磁気ディスクの外側にかつ光磁気ディ
スクのトラッキング方向に延在し、光磁気ディスクの内
側トラックから外側トラックまでの幅に対応する長さ
の、光を透過する窓部を備えるカートリッジケースとを
備えている。

【０００８】

【０００９】

【００１０】この光ディスクカートリッジを用いる光磁
気記録再生装置は、光ディスクカートリッジの光磁気デ
ィスクにレーザ光をに照射する光ヘッド部と、光ヘッド
部と同期して移動し、情報を記録するための磁界を光磁
気ディスクに与える磁気ヘッド部と、光ヘッド部に一端
側が設けられ、光ヘッド部の移動に伴って他端側が窓部
に沿って移動し、所定方向に延在する光ヘッド側アーム
と、磁気ヘッド部に一端側が設けられ、磁気ヘッド部の
移動に伴って他端側が窓部に沿って移動し、所定方向に
延在する磁気ヘッド側アームと、光ヘッド側および磁気
ヘッド側アームに設けられ、光ディスクカートリッジの
窓部に光を透過させて、光ヘッド部と磁気ヘッド部とが
同期して移動するための相対位置を検出する検出部とを
備えている。

【００１１】

【実施例】次に、この考案を図面に基づいて説明する。

【００１２】［参考例］ 図１は、この考案に係る光磁気記録再生装置の参考例を
示す図である。参考例では、図３に示すような、オーバ
ライトが可能な光ディスクカートリッジを用いている。
この光ディスクカートリッジ３０は、ＩＳＯ規格により
規定された形状のカートリッジケース３１に、磁界変調
オーバライトが可能な片面光磁気ディスク１を収容して
いる。カートリッジケース３１は、普通、光を透過しな
い不透明材料で製作されている。この光ディスクカート
リッジ３０は、シャッター３２の開閉する方向Ａに対し
て直角な方向Ｂから図１の光磁気記録再生装置に挿入さ
れて、情報の再生および記録が行われる。

【００１３】図１の光磁気記録再生装置には、この光磁
気記録再生装置に挿入された光ディスクカートリッジ３
０の光磁気ディスク１を回転させるスピンドルモータ１
１が設けられている。

【００１４】光磁気ディスク１の一方のディスク面と向
かい合うように、光ヘッド１２がキャリッジ１３に設け
られている。光ヘッド１２は、光磁気ディスク１に情報
を記録するとき、または、光磁気ディスク１から情報を
再生するときに、レーザ光を光磁気ディスク１に向けて
射出する。特に、情報を再生するときには、光磁気ディ
スク１からの反射光を、光ヘッド１２に設けられた受光
素子で受光して、記録されている情報を検出する。

【００１５】光磁気ディスク１の他方のディスク面と向
かい合うように、磁気ヘッド１４がキャリッジ１５に設
けられている。磁気ヘッド１４は、図１に詳しく示して
いないが、浮上型の磁気ヘッドであって、回転する光磁
気ディスク１により発生する空気流により、光磁気ディ
スク１のディスク面から僅かに浮上する。そして、情報
を記録するときに、磁気ヘッド１４は、光ヘッド１２か
らのレーザ光が照射された点と対向する所に変調磁界を
加えて、情報を高密度で記録する。

【００１６】光ヘッド１２を保持するキャリッジ１３
は、リニヤモータ１６，１６のコイル１６Ａ,１６Ａ間
に取り付けられている。なお、この参考例では、光ヘッ
ド１２、キャリッジ１３およびリニヤモータ１６とによ
り、光ヘッド部が構成される。キャリッジ１３は、リニ
ヤモータ１６，１６により光磁気ディスク１のトラッキ
ング方向Ｃに移動され、キャリッジ１３に保持される光
ヘッド１２は、図示しない制御手段により光磁気ディス
ク１の所望のトラックにアクセスする。

【００１７】磁気ヘッド１４を保持するキャリッジ１５
は、光ヘッド１２と同じように、リニヤモータの図示し
ないコイルの間に取り付けられている。なお、この参考
例では、磁気ヘッド１４、キャリッジ１５およびリニヤ
モータにより、磁気ヘッド部が構成される。キャリッジ
１５は、リニヤモータにより光磁気ディスク１のトラッ
キング方向Ｃに、キャリッジ１３と同期をとって移動さ
れる。すなわち、光ヘッド１２が移動すると、図示しな
い制御手段によって、磁気ヘッド１４が光ヘッド１２の
移動に追従して移動されるので、キャリッジ１５に保持
される磁気ヘッド１４は、光ヘッド１２と対向するよう
に動く。

【００１８】光ヘッド１２の保持面と垂直な、キャリッ
ジ１３の側面には、Ｌ字状の光ヘッド側アーム１８の一
端が取り付けられている。光ヘッド側アーム１８の他端
には、光ヘッド１２と磁気ヘッド１４との相対位置検出
用の光を射出する発光部１８Ａが設けられている。この
光ヘッド側アーム１８は、光ヘッド１２が光磁気ディス
ク１のトラックの最内周側に在るときに、発光部１８Ａ
がカートリッジケース３１の外側に在るような長さにな
っている。

【００１９】キャリッジ１５の保持面と垂直な、キャリ
ッジ１５の側面には、Ｌ字状の磁気ヘッド側アーム１９
の一端が取り付けられている。磁気ヘッド側アーム１９
の他端には、光ヘッド側アーム１８の発光部１８Ａから
の光を受ける図示しない受光部が設けられている。磁気
ヘッド側アーム１９は、光ヘッド側アーム１８と同じよ
うに、磁気ヘッド１４が光磁気ディスク１の最内周側に
在るときに、カートリッジケース３１の外側に在るよう
な長さになっている。

【００２０】この光ヘッド側アーム１８の発光部１８Ａ
と磁気ヘッド側アーム１９の受光部とにより、光ヘッド
１２と磁気ヘッド１４との相対位置を検出する検出部が
形成される。そして、この検出結果に基づいて、光ヘッ
ド１２と磁気ヘッド１４とが互いに対向するように、図
示しない制御手段により磁気ヘッド１４が光ヘッド１２
に追従して移動される。

【００２１】なお、この実施例では、アームの形状をＬ
字状としているが、アームの形状は、これに限定される
ことはない。また、光ヘッド側アーム１８に発光部１８
Ａが設けられ、磁気ヘッド側アーム１９に受光部が設け
られているが、発光部と受光部とを入れ替えて取り付け
てもよい。

【００２２】この光磁気記録再生装置を用いると、図２
に示すように、発光部１８Ａと受光部とは、光ヘッド側
アーム１８と磁気ヘッド側アーム１９とにより、カート
リッジケース３１の外側で相対位置検出用の光を発光し
て受光するので、従来のように、受光部を磁気ヘッド内
に設ける必要がない。これにより、浮上型の磁気ヘッド
１４を使用して、情報を高密度で記録できる。また、相
対位置を検出するときに、従来のように光ヘッド１２か
ら光磁気ディスク１に射出された光の透過光を用いるこ
とがないので、相対位置の検出は、光磁気ディスク１の
厚み、磁性膜の材質や構成等の影響を受けることがな
い。

【００２３】［実施例］ 図４は、この考案に係る光磁気記録再生装置の実施例を
示す図である。実施例２では、図６，７に示すような、
オーバライトが可能な光ディスクカートリッジを用いて
いる。この光ディスクカートリッジ４０は、図３のカー
トリッジケース３１に光を透過させるための窓部４２を
設けたものである。窓部４２は、光磁気ディスク１の外
側に設けられ、シャッター４３の開閉方向Ａと直角な方
向Ｂに延びた長穴の形状をしている。なお、方向Ｂは、
光磁気ディスク１のトラッキング方向となっている。窓
部４２の長さは、光磁気ディスク１の最内周のトラック
から最外周のトラックまでの幅にほぼ等しい。

【００２４】窓部４２について、図８，９を用いてさら
に詳しく説明する。窓部４２を図７のａとａとの間で切
断した様子が図８に示されている。窓部４２は、図８に
示すように、カートリッジケース４１の一方の板面４１
Ａから他方の板面４１Ｂに貫通した貫通穴である。な
お、カートリッジケース４１は、ケース部分４１Ｃと４
１Ｄとがケース合わせ部４１Ｅで張り合わされて作られ
ている。貫通穴の側部には、防塵等のために側壁が設け
られて、貫通穴の側部はふさがれている。この窓部４２
に一方の板面４１Ａ側から光が入射すると、窓部４２
は、この光を透過して他方の板面４１Ｂ側から射出す
る。

【００２５】窓部には、この他にも、図９に示すような
ものもある。図９の窓部５２には、カートリッジケース
５１のケース部分５１Ａ，５１Ｂに開けられた開口５１
Ｃ，５１Ｄが設けられている。この開口５１Ｃ，５１Ｄ
には、防塵等のためにこの開口５１Ｃ，５１Ｄをふさぐ
と同時に、光を通すための透明材である透明板５３，５
４がはめ込まれている。この窓部５２も、図８の窓部４
２と同じように、入射した光を透過させる。

【００２６】図８の窓部４２を備える光ディスクカート
リッジ４０は、図４の光磁気記録再生装置に用いられ
る。なお、図４の光磁気記録再生装置で、図１の光磁気
記録再生装置と同じものには同一の番号を付けてその説
明を省略する。

【００２７】この光磁気記録再生装置のキャリッジ１４
の側面には、Ｌ字状の光ヘッド側アーム２１の一端が取
り付けられ、キャリッジ１５の側面には、Ｌ字状の磁気
ヘッド側アーム２２の一端が取り付けられている。光ヘ
ッド側アーム２１の他端には、光ヘッド１２と磁気ヘッ
ド１４との相対位置検出用の光を射出する発光部２１Ａ
が設けら、磁気ヘッド側アーム２２の他端には、窓部４
２を透過した光を受光する図示しない受光部が設けられ
ている。

【００２８】この光ヘッド側アーム２１の発光部２１Ａ
と磁気ヘッド側アーム２２の受光部とにより、光ヘッド
１２と磁気ヘッド１４との相対位置を検出する検出部が
形成される。そして、検出結果に基づいて、光ヘッド１
２と磁気ヘッド１４とは、対向するように移動される。
また、窓部４２の長さは、光磁気ディスク１の最内周の
トラックから最外周のトラックまでの幅にほぼ等しく、
かつ、発光部２１Ａは、窓部４２に沿ってトラッキング
方向Ｃに移動するので、発光部２１Ａからの光は、常に
窓部４２を透過して受光部に入射する。

【００２９】なお、この実施例でも、アームの形状は、
Ｌ字状に限定されることはない。また、光ヘッド側アー
ム２１の発光部２１Ａと、磁気ヘッド側アーム２２の受
光部とを入れ替えて取り付けてもよい。

【００３０】これらの光ディスクカートリッジ１と光磁
気記録再生装置とを用いると、発光部２１Ａと受光部と
は、図５に示すように、光ディスクカートリッジ４０の
窓部４２により受光するので、光ヘッド側アーム２１お
よび磁気ヘッド側アーム２２の長さは、参考例に比べて
短くなる。これにより、高速シークのときに、アームに
より共振の発生する可能性は低減される。

【００３１】また、光ディスクカートリッジ４０の裏表
を逆にして光磁気記録再生装置に挿入すると、光ディス
クカートリッジ４０の窓部４２の位置が逆になり、発光
部２１Ａからの光が受光部に入射しない。これにより、
光ディスクカートリッジ４０の裏表が判別できる。さら
に、通常のＩＳＯ規格による光磁気ディスクには、窓部
４２が設けられていないので、発光部２１Ａからの光が
受光部で検出されるかどうかにより、実施例の光ディス
クカートリッジ４０は、ＩＳＯ規格による光ディスクカ
ートリッジと区別される。

【００３２】なお、上述の実施例において、光ヘッド側
アームと磁気ヘッド側アームとの相対位置の検出は、光
学的に行っているが、これに限らず、例えば、ホール素
子等を用いて磁気的に行ってもよい。

【００３３】

【考案の効果】以上説明したように、この考案の光磁気
記録再生装置によれば、光ヘッド部と磁気ヘッド部との
相対位置を検出する検出部は、光ヘッド側アームと磁気
ヘッド側アームとに設けられて、光磁気ディスクの窓部
に光を透過させて相対位置を検出するので、この相対位
置の検出は、光磁気ディスクの厚み、磁性膜の材質や構
成等の影響を受けることがない。また、検出部の一部を
磁気ヘッド部に設ける必要がないので、磁気ヘッド部を
軽くでき、高速シークをするときに、共振の発生を低減
できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る光磁気記録再生装置の参考例を
示す斜視図である。

【図２】図１の発光部の光が受光部で受光される様子を
示す図である。

【図３】図１の光磁気記録再生装置に用いられる光ディ
スクカートリッジの一例を示す斜視図である。

【図４】この考案に係る光磁気記録再生装置の実施例を
示す斜視図である。

【図５】図５の発光部の光が受光部で受光される様子を
示す図である。

【図６】この考案に係る光ディスクカートリッジの一例
を示す斜視図である。

【図７】図６の光ディスクカートリッジの平面図であ
る。

【図８】図６の窓部の一の例を示す断面図である。

【図９】図６の窓部の他の例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 光磁気ディスク １２ 光ヘッド １３ キャリッジ １４ 磁気ヘッド １５ キャリッジ １８ 光ヘッド側アーム １９ 磁気ヘッド側アーム

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 片面オーバライトが可能な光磁気ディス
   クと、 前記光磁気ディスクを収納すると共に、前記光磁気ディ
   スクの外側にかつ前記光磁気ディスクのトラッキング方
   向に延在し、前記光磁気ディスクの内側トラックから外
   側トラックまでの幅に対応する長さの、光を透過する窓
   部を備えるカートリッジケースとを備えた光ディスクカ
   ートリッジ。
2. 【請求項２】 前記窓部は、前記カートリッジケースを
   貫通する貫通穴である請求項１記載の光ディスクカート
   リッジ。
3. 【請求項３】 前記カートリッジケースの対向面に開口
   をそれぞれ設け、光を透過する透明材でこれらの開口を
   ふさいで前記窓部を形成した請求項１記載の光ディスク
   カートリッジ。
4. 【請求項４】 請求項１記載の光ディスクカートリッジ
   の光磁気ディスクにレーザ光をに照射する光ヘッド部
   と、 前記光ヘッド部と同期して移動し、情報を記録するため
   の磁界を前記光磁気ディスクに与える磁気ヘッド部と、 前記光ヘッド部に一端側が設けられ、前記光ヘッド部の
   移動に伴って他端側が前記窓部に沿って移動し、所定方
   向に延在する光ヘッド側アームと、 前記磁気ヘッド部に一端側が設けられ、前記磁気ヘッド
   部の移動に伴って他端側が前記窓部に沿って移動し、前
   記所定方向に延在する磁気ヘッド側アームと、 前記光ヘッド側および磁気ヘッド側アームに設けられ、
   前記光ディスクカートリッジの窓部に光を透過させて、
   前記光ヘッド部と磁気ヘッド部とが同期して移動するた
   めの相対位置を検出する検出部とを備えたことを特徴と
   する光磁気記録装置。