JP2581818B2 - フッ化物ガラス光ファイバ結合器および製造方法 - Google Patents

フッ化物ガラス光ファイバ結合器および製造方法

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JP2581818B2 JP1505586A JP50558689A JP2581818B2 JP 2581818 B2 JP2581818 B2 JP 2581818B2 JP 1505586 A JP1505586 A JP 1505586A JP 50558689 A JP50558689 A JP 50558689A JP 2581818 B2 JP2581818 B2 JP 2581818B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフッ素ガラスから構成された光ファイバから
形成される光結合器に関する。通常フッ化ジルコン(Zr
F4)を含むフッ素タイプのガラスおよびこのようなガラ
スから形成された光ファイバは、文献(p w France氏他
によるブリティッシュテレコムイテクノールVol 5No 2
1987年4月,“Progress in Fluoride Fibres for Opti
cal Commuuications")およびp w France氏地による論
文“Properties of Fluoro−zirconate Fibres for App
lications in the 0.5 to 4.5 Micrometre Region"SPIE
Conference,San Dlego 1987年8月)に記載されてい
る。このようなフッ素ファイバは欧州特許85304280.2号
明細書(公告番号第170380号)に示されている。これら
の3つの文献はここでは参照文献として含まれ、用語
“フッ化物ガラス”は上記の文献に記載された全てのフ
ッ素含有ガラスおよび上記の特許明細書の技術的範囲内
の全フッ素含有ガラスを包括するが、それに限定される
ものではないことを理解すべきである。
フッ化物ガラスから構成された光ファイバの主要な利
点は、結果的にスペクトルの遠赤外線部分で伝送される
それらの増大した帯域幅である。このような光ファイバ
は遠隔通信において将来的に適用される傾向があるが、
現時点で最も重要なその利用法は光ファイバセンサにお
けるものである。このようなセンサの測定の長期間の安
定性に対して、基準として使用するためにセンサへの入
力パワーを監視することが必要であり、これはある種の
方向性結合器を使用してのみ可能である。特にこのよう
な適用において使用される高価なレーザを考慮すると1
つのレーザのパワーを多数のセンサに分割されることが
できるようにするためにフッ素光ファイバ用の光結合器
も必要である。
米国特許第4336047号明細書およびフランス特許F−
R−A2587502号明細書には2本以上のシリカ光ファイバ
をクラッドが互いに接触するように並べて配置し、光フ
ァイバに張力を与えて加熱してクラッドの少なくとも接
触部分を融着して光結合器を形成する方法が記載されて
いる。これらの特許明細書において、加熱装置はアルゴ
ン雰囲気中で動作されているが、アルゴン雰囲気の使用
と光ファイバ自体との関係については何も開示されてお
らず、単に圧力が融着および結合に影響する制御ファク
ターとなる可能性があることが示されているに過ぎな
い。また光ファイバとしては通常のシリカ光ファイバが
使用されており、それを適当な粘性にするために高温度
が使用されている。
上記フランス特許明細書においては、光ファイバは高
周波加熱装置内のカーボンコア中のスロット内に配置さ
れ、1600〜1800℃程度の温度に加熱される。このような
温度では通常の大気中では加熱装置のカーボンコアは酸
化されて損傷を受ける。同様に上記米国特許明細書に記
載された装置では、光ファイバはタングステン加熱コイ
ル中に配置され、その加熱コイルは加熱処理中白色光を
発生するような非常に高い温度に加熱される。この場合
にも通常の大気中で加熱すれば加熱コイルが酸化されて
損傷を受けるから通常の大気のような酸素を含む雰囲気
中で動作させることはできない。そのためこれらの特許
明細書に記載されている装置では上記のようなアルゴン
雰囲気が使用されているのである。
従来このような光ファイバに張力を与えて加熱してク
ラッドの接触部分が融着して光結合器を形成する方法
は、シリカ光ファイバを使用して光結合器を形成する場
合には、ガラス転移温度Tgと結晶化温度Txとの間に比較
的広い粘度範囲が利用可能であるために困難なく、適切
な程度にファイバクラッドを融着させることができる。
しかしながら、例えばZBLANガラスのようなフッ化物ガ
ラス(ZBLANガラスはZrF4−BaF2−LaF3−AlF3−NaF−Pb
F2の組成を有し、含まれているZr,Ba,La,Al,Naの頭文字
を取ってZBLANと呼ばれる)は前記の文献(プリティッ
シュテレコムテクノール)の図3に示されるように比較
的狭い温度範囲でのみ線引きにより製造することが可能
であり、このような光ファイバを融着して光結合器を製
造する場合には約20℃程度の狭い温度範囲でしか満足で
きる融着を行うことができないために製作が非常に困難
である。これは雰囲気として大気を使用すると空気中の
酸素によってガラスの結晶化が誘発されて通常の結晶化
温度Txよりも可成低い温度でガラスの結晶化が行われて
いるためであると考えられる。
本発明による光結合器の形成方法は、2本以上のフッ
化物ガラスから構成された光ファイバをクラッドが互い
に接触するように並べて配置し、無酸素雰囲気中で光フ
ァイバに張力を与えて加熱してクラッドの少なくとも接
触部分を融着して光結合器を形成し、無酸素雰囲気中で
の加熱は、100Pa.s乃至100kPa.sの範囲のガラス粘度に
対応する温度で行われることを特徴とする。
上記のような100Pa.s乃至100kPa.sの範囲のガラス粘
度に対応する温度はフッ化物ガラスでは典型的に300℃
乃至340℃の温度範囲に対応する。このような低い温度
では前記のシリカ光ファイバの場合のように加熱装置の
酸化の問題は生じないが、このような範囲の温度に酸素
を排除した状態で張力を与えて加熱して融着することに
よって、温度によりガラス粘度の急激な変化にもかかわ
らず、所望の光結合比率を有するフッ化物ガラスの光結
合器が非常に高い再現性で生成されることが認められ
た。また使用される温度は、特に1kPa.s乃至10kPa.sの
範囲のガラス粘度に対応する温度であることが好まし
い。
加熱温度を検知してそれに基づいてフィードバック信
号が生成され、加熱がこのフィードバック信号によって
制御されることが好ましい。検知される熱温度は、光フ
ァイバに張力を与える期間中±3℃以内、好ましくは±
1℃以内に一定に維持されることが好ましい。
光ファイバは、熱平衡状態に維持されるように加熱体
の表面に近接して位置され、前記フィードバック信号が
前記加熱体の検知された温度から得られることが好まし
い。
典型的な例では光ファイバはZBLANガラスから構成さ
れ、323℃±10℃の温度に加熱される。加熱は終了する
全に任意選択的に1℃乃至2℃程度加熱温度を上記の温
度よりも低下させることもできる。使用されるZBLANガ
ラスは、ZrF4−BaF2−LaF3−AlF3−NaF−PbF2の組成を
有し、323℃±3℃、好ましくは323±1℃の温度に加熱
されることが好ましい。
光ファイバに与えられる張力は、104Pa乃至106Paの範
囲、特に0.5×105Pa乃至1.5×105Paの範囲で光ファイバ
中に応力を誘起するのに十分なレベルに維持されること
が好ましく、光ファイバ中の応力を維持するために光フ
ァイバの伸びに応じて制御されることが好ましい。
加熱された光ファイバを包囲する雰囲気から酸素を排
除するだけでなく、湿気も除去することも望ましい。窒
素のような不活性ガス、二酸化炭素およびハロゲン炭
素、特にフッ素と化合した炭化水素のような熱安定性の
不活性有機化合物が種々の無反応ガスまたは蒸気が酸
素、を排除するために使用されてもよい。しかしなが
ら、フッ化物ガラスの特性に悪影響を及ぼすため、水素
を使用することは望ましくない。
本発明の実施例は、以下添付された図面の第1図乃至
第5図を参照して例示により説明される。
第1図は、本発明による方法によって光結合器を形成
する装置の一部の部分的な概略図である。
第2図は、ヒータおよび第1図に示された被覆の下方
平面図である。
第3図は、第1図の装置において使用するための別の
装置の下方平面図である。
第4図は第3図のヒータの上部平面図である。
第5図は、本発明による方法によって形成された結合
器の概略的な側面図である。
第1図を参照すると、示された装置は、例えば0.1バ
ールにおける窒素またはアルゴンのような不活性ガスが
要求される無酸素雰囲気を生成するために入口24を通っ
て導入される被覆14内に位置された電気ヒータ15(示さ
れていない)を含む。電気ヒータ15は第2図にも示され
ているスロット18を含み、被覆14はスロット27を含み、
スロット18の高さHは矢印Yで示された方向にツイスト
された対の光ファイバ2および3上にヒータおよび被覆
装置を下降されることができるように十分である。この
状態において、光ファイバは実際に無酸素雰囲気により
包囲され、スロット18内に位置されるがその側面に接触
しない。光ファイバがヒータ15と熱平衡状態であること
を保証するために、スロットの厚さT(第2図に示され
ているような)は0.75mmが適切である。
第1図に示されるように、光ファイバ2および3はホ
ルダ5とホルダ6の間で張力を与えられ、前者はウォー
ムホイール8およびギア7を介してそれを駆動するステ
ップモータ9によりその軸を中心に回転可能である。こ
の手段によって光ファイバ3は第1図に概略的に示され
るように光ファイバ2の周囲に2度ツイストされる。ス
テップモータ9およびホルダ5は、別のステップモータ
(示されていない)によって張力を与えられた光ファイ
バの方向にベース13上で移動できる共通の取付け部10上
に取付けられる。ホルダ6はベース13上に機械ベアリン
グ(示されていない)によって取付けられ、別のステッ
プモータ(示されていない)を介して取付け部10に向か
っておよびそれから離れるように移動できる取付け部12
上にエアベアリング(示されていない)上に取付けられ
る。光ファイバ2および3中の張力は、取付け部12上に
取付けられたメータ11によって測定され、光ファイバの
断面領域により分配された応力すなわち張力は装置の動
作中に元の光ファイバの断面部分および光ファイバの伸
び(示されていない手段によって測定される)に応じて
コンピュータ(示されていない)によって計算される。
第1図に示された装置は、完成した結合器が動作する
のと同じ波長のレーザ1に光ファイバをスプライスする
ことによって設定される。自由ファイバの長さは、1次
被覆を除去し、プロパノールを使用して粗く浄化するこ
とによって結合のために準備される。ファイバ3からの
出力は100%のパワーであるとして較正される。ファイ
バ3のこの長さは、結合の準備のために切断されてホル
ダ5と6との間に取付けられる。ファイバの第2の長さ
2は同様にして処理されるが、一度ホルダ5および6と
の間に取付けられ、レーザ1によって励起された状態で
あり、両ファイバの出力端部はパワー監視装置4の二重
測定ヘッド中に挿入される。第1図に示されるように、
光ファイバ2および3は回転可能ホルダ5によって2巻
きされる。
ヒータブロック15は、その温度がスロット18の壁に近
接した位置に延在するサーモカップル17によって監視さ
れる温度が320℃の温度に達するまで電気カートリッジ
ヒータ16によって加熱される。この温度は、要求される
精度に温度を制御するためにサーモカップル17からのフ
ィードバック信号に応じて“ユーロサーム”パワー制御
装置によって維持される。ステップモータ(示されてい
ない)はホルダ5および6を分離させるようにオンに切
替えられ、140マイクロメータOD光ファイバに対して1.2
5グラム(0.123N)の張力に対応したファイバ中の105Pa
の応力を維持する。ファイバの引出しは、測定装置4に
よって記録される結合率が適切な値に達せられるまで維
持される。
ヒータブロック15の長さLはほぼ10ミリメータが適切
である。凹部19はヒータブロック中に設けられ、20の凹
部はヒータ15および被覆を正確に位置させることを可能
にするために被覆14中に設けられる。
所望の結合率が達せられ、引張りが終端されたとき
に、ヒータ15および被覆14は部分的に融着された光ファ
イバ2および3(適切に多モードファイバ)から移動さ
れ、結合領域はフッ素ファイバに類似した熱膨脹係数を
持つフリントガラスまたはフロートガラスのいずれかの
ブロックから構成されている保護体28のチャンネル26
(第5図)においてパッケージされ、したがってそれに
より形成された光結合器29に機械的な強度および熱安定
性をもたらす。第5図に示されるように、結合されたフ
ァイバ2および3はエポキシレジンによってチャネル26
中に埋設される。
第3図および第4図は、窒素または別の無酸素ガスが
入口24′を介してヒータブロック15′を通して向けら
れ、その他の点では第1図および第2図に示されたスロ
ット18に類似しているスロット18′の中央くびれ部分の
ベースにおいて形成される出口23から出る別のヒータを
示す。したがって、第1図および第2図に示された被覆
14はこの実施例においては設けられない。ヒータブロッ
ク15′はPTFEの端部チーク21間に挟まれ、配置支持部
(示されていない)上に位置されるように適合されたこ
れらの端部チークに形成された凹部22と連絡する。2つ
のカートリッジヒータ25は第4図に示されるようにヒー
タブロック15′に下方に延在し、スロット18′の反対側
に位置する。サーモカップ26はスロット18′の壁に密接
に隣接した位置にヒータブロック15′を通って下方に延
在する。このヒータ装置は、サーモカップル30からのフ
ィードバック信号に応じて適切な電源によって制御され
る。スロット18′の幅(第2図に示されたディメンショ
ンTに対応する)は中央くびれ部分で0.75mmが適切にで
あり、長さ(第2図に示されたディメンションLに対応
した)はほぼ10ミリメータが適切である。ヒータ15′は
銅から適切に形成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ニコルス、サイモン・トーマス イギリス国、アイピー13・7エスエー、 サフォーク、ウッドブリッジ、アール・ ソハム、ザ・ストリート、ジャスミン (番地無し) (72)発明者 スコット、マイケル イギリス国、サフォーク、ニードハム・ マーケット、チェインハウス・ロード33 (56)参考文献 特開 昭59−142521(JP,A) 特開 昭58−172616(JP,A) 特開 昭61−65204(JP,A) 欧州特許170380(EP,A1)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2本以上の光ファイバをクラッドが互いに
    接触するように並べて配置し、無酸素雰囲気中で光ファ
    イバに張力を与えて加熱してクラッドの少なくとも接触
    部分を融着して光結合器を形成し、 光ファイバはフッ化物ガラスから構成され、 無酸素雰囲気中での加熱は、100Pa.s乃至100kPa.sの範
    囲のガラス粘度に対応する温度で行われることを特徴と
    する光結合器の形成方法。
  2. 【請求項2】前記温度は検知されてフィードバック信号
    が生成され、加熱がこのフィードバック信号によって制
    御される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記温度は光ファイバに張力を与える期間
    中±3℃以内に一定に維持される請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記光ファイバは熱平衡状態に維持される
    ように加熱体の表面に近接して位置され、前記フィード
    バック信号が前記加熱体の検知された温度から得られる
    請求項2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記光ファイバは前記加熱体中のチャンネ
    ル内に配置される請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】前記張力は光ファイバの膨脹に応じて制御
    される請求項1乃至5のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】加熱および張力を与えている期間中放射線
    が光ファイバを通して導かれ、光ファイバ間の前記放射
    線の結合が監視され、前記加熱および張力の少なくとも
    一方の供給は予め定められた結合比率の達成に応じて終
    了される請求項1乃至6のいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】前記光ファイバはZrF4−BaF2−LaF3−AlF3
    −NaF−PbF2の組成を有するZBLANガラスから構成され、
    323℃±10℃の温度に加熱される請求項1乃至7のいず
    れか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】前記光ファイバは、ZrF4−BaF2−LaF3−Al
    F3−NaF−PbF2の組成を有するZBLANガラスから構成さ
    れ、323℃±3℃の温度に加熱される請求項1乃至7の
    いずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】前記光ファイバは323℃±1℃の温度に
    加熱される請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】前記張力は、104Pa乃至106Paの範囲で光
    ファイバ中の応力を誘起するのに十分なレベルに維持さ
    れる請求項1乃至10のいずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】前記応力は、0.5×105Pa乃至1.5×105Pa
    の範囲である請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】結合された光ファイバを保護体中に収容
    するステップを含む請求項1乃至12のいずれか1項記載
    の方法。
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EP (1) EP0341911B1 (ja)
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AU (1) AU612840B2 (ja)
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