JP2581549B2 - カラ−フイルタ−の製造法 - Google Patents

カラ−フイルタ−の製造法

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澄雄 依田
由文 斉木
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はガラス等の透明な基材をアニオン性染料によ
り複数の色でストライプ又はモザイク状等に染色したカ
ラーフイルターの製造法に関するものである。
近年ガラス等の透明な基材を着色し各種デスプレー等
に使用されつつある。特にガラス等の透明基材を着色し
た色分解用のフイルターは液晶カラーテレビジョン用と
して増々需要が増大しつつある。本発明はかかる需要を
満たす為になされたガラス等の透明基材を複数の色で染
色し、鮮明なストライプ又はモザイク状等の大型のカラ
ーフイルターを製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 従来この分野に於いては主として可染性樹脂としてカ
ゼイン、ゼラチン等蛋白質系天然高分子化合物又は合成
高分子系の可染性樹脂として可染性感光性樹脂が用いら
れているが、これら可染性樹脂の用いられ方は先ず適当
な濃度に希釈した溶液をガラス板等に塗布し、次にマス
クを介して露光現像して第1色目のストライプ又はモザ
イク状の可染性樹脂膜を形成させ、これを所定の分光特
性を有する染料により染色する。次にこの皮膜を防染膜
でコートし再びこのガラス板に同様の方法で可染性感光
性樹脂膜を形成させ、露光現像して2色目のストライプ
又はモザイク状の可染性樹脂膜を形成させ2色目の染料
で染色し、再び防染膜でコートする。この操作を順次繰
返し所望のカラーフイルターを製造する。
(発明が解決しようとする問題点) 前述のように従来の方法ではガラス板等に、(1)可
染性膜のコート、(2)予備乾燥、(3)マスクを介し
ての紫外線照射、(4)現像、(5)後乾燥、(6)染
色、(7)乾燥、(8)防染膜コート、とこの操作を何
回も繰返し行う為に工程が煩雑で極めてコストの高いも
のとなってしまう。更に又従来法によるストライプ又は
モザイク状等に可染性樹脂膜を形成させ染色する方法は
ストライプ又はモザイク状等可染性樹脂膜の形成、染
色、防染膜のコート操作を繰返し行う為に防染膜の層が
幾重にも重なり、製品全体の染色膜が厚いものになって
しまう。染色膜が厚くなるとこれら染色物が使用されよ
うとしている液晶TV用カラーフイルターとしては視野角
が狭いとか、透明度が低下する等の問題を生ずる。
(問題点を解決する為の手段) 本発明者等は、これらの問題を解決すべく検討を行っ
た結果、本発明を完成するに致った。即ち、本発明は、 (1)平滑な透明基板上に、まずアニオン性染料可染性
皮膜を形成し、次いでこの皮膜上に所定の分光特性を有
するアニオン性染料と糊剤を混合してなる粘度1000〜80
000cpsの色糊をそれぞれの色相に対応する所定のパター
ンに印捺、乾燥するという操作を所望の色相数だけ繰り
返し、最後に固着処理することを特徴とするカラーフイ
ルターの製造方法、 (2)平滑な透明基板上に、まず基板の水平方向に設け
られる空隙により互いに隔てられた状態のアニオン性染
料可染性小皮膜からなるパターンを設け、次いで所定の
分光特性を有するアニオン性染料と糊剤を混合してなる
粘度1000〜80000cpsの色糊をそれぞれ色相に対応する所
定の小皮膜上に印捺、乾燥するという操作を所望の色相
数だけ繰り返し、最後に固着処理することを特徴とする
カラーフイルターの製造方法に関する。
即ち、従来方法では、(1)可染性膜のコート、
(2)予備乾燥、(3)マスクを介しての紫外線照射、
(4)現像、(5)後乾燥、(6)染色、(7)乾燥、
(8)防染膜コート、とこの(1)−(8)の繰返し操
作を色の数だけ行っていた。
本法では、(1)可染膜のコート、(2)予備乾燥、
(3)硬化処理で可染性皮膜を作成したのち、(4)印
捺、(5)乾燥の(4)、(5)の操作のみを色の数だ
け繰返し行い、その後固着処理を行えば良い。従って工
程が極けて簡略化される為に製造コストの低減が計れ
る。
更に又従来方法により得られたカラーフイルターは染
色膜及び防染膜が幾重にも重なり、カラーフイルターの
染色膜が厚いものになってしまったが本発明方法の場合
は一層の可染膜に染め分けるものであるから染色膜は極
めて薄く、従って液晶TVに用いた場合、視野角が広く、
透明性が良好で明るい感じが得られる。
本発明で用いられる可染性皮膜の形成方法はゼラチ
ン、カゼイン等の天然物、アクリル系樹脂、ポリビニル
アルコール系樹脂等に可染性基と感光性基又は熱硬化性
基を付与したもの等の可染性感光性樹脂を用いて従来公
知の方法により実施する。これらの樹脂としては、従来
公知のものはいずれも使用でき、特に限定されない。
又、アニオン性染料としては従来公知の酸性染料、直
接染料等が挙げられいずれも使用出来る。又色糊作成の
為の使用糊剤は従来公知の天然糊剤、加工及び半合成糊
剤、合成糊剤、O/W型エマルジョン糊剤等が挙げられい
ずれも使用可能である。これらの材料を用いて従来公知
の方法により色糊の調整を行う。色糊の粘度は印捺する
為の装置によって異なり、既知の方法により1000〜8000
0cpsに調整される。
又色糊に含まれる染料の含量は色糊及び染料及び目的
とするカラーフイルターの色調によって異なるが色糊10
0部に対して染料0.1〜5部が好ましい。
このようにして作成した色糊を常法に従って可染性皮
膜を有するガラス板等の表面に印捺し、乾燥し、固着処
理、後脱糊、水洗、湯洗による洗浄を行う。固着処理は
飽和蒸気による100℃〜120℃のスチーミング処理が1〜
15分間行われる。このようにして行うと印捺された部分
のみが鮮明に染色された透明カラーフイターが得られ
る。
又本法に於いて最も懸念されていた問題は、複数の色
を同時に脱糊、洗浄時に生ずる他染料による染色部の汚
染であるが、本法を用いると実際に殆んど問題なく極め
て高品位のカラーフイルターが得られる事がわかった。
これは従来の繊維製品の捺染に於いて見られなかった顕
著な相異である。
即ち繊維製品の場合に於いては表面積の大きい構造を
有する為に繊維間に糊の食い込みがあり、脱糊性が悪
く、他色部へ汚染し易いが本法に於いては表面が平滑で
ある為に、色糊の食い込みは少ないから容易に脱糊が可
能で、他色部への汚染は少ない。
更に又本発明方法では極めて均一な染色カラーフイル
ターが得られる。更に又本発明方法に於いてストライプ
又はモザイク等のパターンを有するように基板の水平方
向に設けられる空隙により互いに隔てられた状態のアニ
オン性染料可染性小皮膜を設けると染料のにじみ出し
が、空隙により喰い止められるから極めて鮮明な画像が
得られる。この溝の巾は通常1〜100μであることが好
ましい。
実施例1. N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド 32部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 14〃 N−ビニルピロリドン 15〃 ブチルアクリレート 14〃 N,N−ジメチルアクリルアミド 9〃 メチルメタクリレート 16〃 より成る共重合体に4,4′−ジアジドカルコンを紫外線
硬化剤として用いてガラス板上に可染性皮膜を作成し
た。この樹脂膜の厚さは1μであった。このガラス板に
下表の組成の色糊(1)を用いて所定のパターンに印捺
を行った。これを80℃の熱風乾燥機にて乾燥し、次に2
色目の色糊(2)を用いて同様に印捺を行い乾燥後第3
色目の色糊(3)を用いて同様に印捺、乾燥後、105
℃、10分間スチーミングを行ったのち温水洗により色糊
を除去後乾燥を行うと濃厚に染色された赤、青、緑の所
定パターンを有するカラーフイルターが得られた。
実施例2. 実施例1に於いて用いた感光性樹脂をガラス板に塗布
し、所定のパターンを有するマスクを介して紫外線照射
を行ったのち水現像を行った。パターン間の溝の巾は10
μであった。又この樹脂膜の厚さは1μであった。この
パターン上に実施例1で用いた色糊を用いて赤、青、緑
の印捺を行い、実施例1と同様の操作を行った所、濃厚
に染色された赤、青、緑の所定パターンを有するカラー
フイルターが得られた。このカラーフイルターは色のに
じみが無く、極めて鮮明な画像を有していた。
実施例3. N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド 31部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 14部 N−ビニルピロリドン 16部 メチルメタクリレート 29部 N,N−ジメチルアクリルアミド 11部 より成る共重合体に4,4′−ジアジドカルコンを紫外線
硬化剤として用いてガラス板上に塗布し、所定のパター
ンを有するマスクを介して紫外線照射を行ったのち水現
像を行った。可染性小皮膜間の空隙の巾は13μであっ
た。又この樹脂膜の厚さは1μであった。このパターン
上に実施例1で用いた色糊を用いて赤、青、緑の印捺を
行い、実施例1と同様の操作を行った所、濃厚に染色さ
れた赤、青、緑の所定パターンを有すゆカラーフイルタ
ーが得られた。このカラーフイルターは色のにじみが無
く、極めて鮮明な画像を有していた。
(発明の効果) カラーフイルターの作成方法に於いて従来方法では、
(1)可染性膜のコート、(2)予備乾燥、(3)マス
クを介して紫外線照射、(4)現像、(5)後乾燥、
(6)染色、(7)乾燥、(8)防染膜のコートとこの
(1)〜(8)の操作を色の数だけ繰返し行っていたが
本法ではガラス等の透明基板に可染性皮膜を作成したの
ち色糊の印捺、乾燥の操作のみを色の数だけ繰返し行
い、その後固着処理を行えば良い。従って工程が極めて
簡略化される為に製造コストの低減が計れる。更に又繊
維製品の場合にみられるような繊維間に糊が食い込まな
いから、糊抜きが容易で他色部への汚染もない。更に又
ストライプ又はモザイク等のパターンを有するように基
板の水平方向に設けられる空隙により互いに隔てられた
状態のアニオン性染料可染性小皮膜を設けると染料の染
料のにじみ出しが、空隙により喰い止められるから極め
て鮮明な画像が得られ、高品位のカラーフイルターが得
られる。以上のように本発明方法では高品位のカラーフ
イルターが安価に製造出来る。
フロントページの続き (72)発明者 斉木 由文 前橋市朝倉町1−6−4 (72)発明者 三河 明義 浦和市上木崎3−11−15−613 (56)参考文献 特開 昭60−128403(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平滑な透明基板上に、まずアニオン性染料
    可染性皮膜を形成し、次いでこの皮膜上に所定の分光特
    性を有するアニオン性染料と糊剤を混合してなる粘度10
    00〜80000cpsの色糊をそれぞれの色相に対応する所定の
    パターンに印捺、乾燥するという操作を所望の色相数だ
    け繰り返し、最後に固着処理することを特徴とするカラ
    ーフィルターの製造法。
  2. 【請求項2】平滑な透明基板上に、まず基板の水平方向
    に設けられる空隙により互いに隔てられた状態のアニオ
    ン性染料可染性小皮膜からなるパターンを設け、次いで
    所定の分光特性を有するアニオン性染料と糊剤を混合し
    てなる粘度1000〜80000cpsの色糊をそれぞれの色相に対
    応する所定の小皮膜上に印捺、乾燥するという操作を所
    望の色相数だけ繰り返し、最後に固着処理することを特
    徴とするカラーフィルターの製造方法。
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