JP2581146B2 - 繊維保形体 - Google Patents

繊維保形体

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JP2581146B2
JP2581146B2 JP63085988A JP8598888A JP2581146B2 JP 2581146 B2 JP2581146 B2 JP 2581146B2 JP 63085988 A JP63085988 A JP 63085988A JP 8598888 A JP8598888 A JP 8598888A JP 2581146 B2 JP2581146 B2 JP 2581146B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、繊維製品用中綿等に使用する繊維保形体に
関し、特許請求の範囲に繊維のからみ、もつれによって
拘束保形された繊維保形体に関するものである。
(従来の技術) 従来の敷ぶとん、座ぶとん、綿入キルティング製品、
肩パット等の繊維製品中綿は、曲げ弾性が小さく、柔軟
であるため折りたたみが容易であるといった利点があっ
たが、中綿がふき出すとか、使用中に繊維製品内で綿が
移動しムラが発生し製品外観を落とす等の形態安定性不
良の問題点があった。そこで綿にアクリル樹脂、ウレタ
ン樹脂等を塗布する方法や、融点の異なる繊維を用い繊
維相互を熱融着させる方法(特開昭55−122065号公報)
等により中綿の形態安定性を付与する改善がなされてき
た。
ところが、上記いずれの方法も、保形体が固形物のよ
うに硬くなり、曲げ弾性も大きく、曲げにくく無理に曲
げればシワになり、しかもそのシワが残るため繊維製品
外観を落す結果となった。又、上記繊維を用いた中綿と
して使用した敷ぶとんは、折りたたんで押入れ等に収納
することができないといった問題点が生じた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来の方法による繊維製品等に使用す
る中綿の欠点、即ち固形物のように硬くなったり、曲げ
にくいといった点や樹脂や低融点繊維の使用によるコス
トアップや生産工程の増加、更には樹脂の脱落といった
欠点を解決せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 即ち、本発明は、TiO2を0.002〜0.3重量%含有してお
り、捲縮数が20〜55山/25mmであるポリエステル短繊維
を含有する繊維からなり、該ポリエステル短繊維が熱処
理時に潜在捲縮能を発現して、スプリング状カールとな
り、隣接する繊維とからみ、もつれにより繊維が相互に
拘束保形されていることを特徴とする繊維保形体であ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明が意図するポリエステル短繊維は、TiO2が0〜
0.5重量%含有されていることが必要である。0.5重量%
を越えると、紡糸時に有効な潜在歪を付与することがで
きない傾向にある。即ち、潜在歪が小さいと後加工での
収縮熱処理時の収縮量が充分でなく、繊維立体捲縮のか
らみ、もつれで繊維を相互に拘束保形することが困難に
なるからである。又、紡糸操業性を考慮すると0.002〜
0.3重量%含有されているのが好ましい。上記ポリエス
テル短繊維の構造及び断面形状は特に限定せず、サイド
バイサイド型、シースコア型、中空型等のいずれでも良
いが、本発明の最終目的である繊維の拘束保形に有効な
潜在捲縮性を付与する面から中空型が好ましい。この際
の中空率は5〜50%の範囲であれば良く、更に好ましく
は10〜40%である。又、断面形状は丸断面や三角断面等
の多葉断面等いずれでも良い。繊維長は、10〜150mmが
好ましいが特に限定されるものではない。
次に、上記ポリエステル短繊維は捲縮数が0〜55山/2
5mmの立体捲縮を呈していることが必要である。更に好
ましくは30〜50山/25mmであるが、捲縮数が20山/25mm未
満では、通常のポリエステル短繊維原綿の水準で、本発
明で言うからみ、もつれで繊維を拘束保形することが困
難である。又55山/25mm以上でも逆に捲縮が細かくなり
過ぎて同様に拘束保形ができなくなる。このように本発
明のポリエステル短繊維の捲縮数は、繊維相互で充分な
拘束保形がなされるには、20〜55山/25mmの範囲内であ
ることが必要である。
またここで言う立体捲縮とは押込みあるいはギャクリ
ンプのような平面的捲縮に対しスプリング状カールを言
い、特にコンジュゲート繊維に特有な捲縮である。
本発明の繊維保形体は上記ポリエステル短繊維以外に
目的用途に応じて他の繊維が含まれていても良い。もち
ろん上記ポリエステル短繊維のみでも充分に拘束された
保形体を提供できるが、少なくとも繊維保形体中に20重
量%以上含まれていれば良い。他の繊維は特に限定せ
ず、上記ポリエステル短繊維以外の合成繊維、天然繊
維、再生繊維、無機繊維、金属繊維等、あるいはこれら
の樹脂加工された繊維等いずれであってもかまわない。
上記繊維保形体は、本発明のポリエステル短繊維の立
体捲縮によるからみ、もつれによって繊維が相互に拘束
保形されている。これは、本発明のポリエステル短繊維
が熱処理時に、高収縮性潜在捲縮性が発現し、スプリン
グ状カールとなり、隣接する繊維とりからみ、もつれに
より、堅くしまった状態となる。又、本発明の繊維保形
体は、目的用途により異なるが密度0.005〜0.015g/c
m3、厚み0.1cm〜30cmのものを言い、この範囲を外れた
ものは、本発明で意図する拘束保形が困難となる傾向に
ある。
次に、本発明の繊維保形体の製造方法の1例について
説明する。TiO2含有量が0.5重量%以下のポリエステル
を紡速2500〜4000m/min、クエンチ周速1.5〜5.0m/sec、
引取速度4000〜5000m/minで高速紡糸延伸を行った後カ
ットし高収縮性潜在捲縮性ポリエステル短繊維を得る。
得られたポリエステル短繊維は160℃乾熱収縮率10〜80
%、捲縮数3〜15山/25mmである。次に外ポリエステル
短繊維に必要に応じて他の繊維と混合しカードに通し、
得られたウエップを任意厚さに積層し、その後110〜200
℃で30秒間以上の熱処理を施すことにより、上記ポリエ
ステル短繊維の潜在捲縮が発現し、捲縮数が20〜55山/2
5mmとなると同時に高収縮の発現により、繊維相互のか
らみ、もつれによって拘束保形されるのである。又、拘
束保形を補助するものとして、更にニードルパンチ保
形、樹脂加工等を目的の程度に応じて行っても良い。
(実施例) TiO2を0.06重量%添加したPETレジンをC形ノズルを
用いクエンチ風速150m/min、紡速3000m/min、引取速度4
300m/minで溶融紡糸し、13デニール×51mmカット中空断
面短繊維を得た。
該繊維物性は、160℃乾熱収縮率65.5%、捲縮数9山/
25mmであった。
次に上記繊維をカードに通し得られたカードウエッブ
を1300g/m2目付で積層後厚み6cmに圧縮しながら160℃の
乾熱熱風で3分熱処理したところ、積層体のタテ、ヨコ
が収縮し厚み5cm、密度0.05g/cm3、目付2500g/m3の繊維
保形体が得られた。上記保形体は、短繊維の発現した立
体捲縮が相互にからみ、もつれ繊維集合体として見事に
拘束保形されたものであった。この時の繊維へ中空率は
30%、捲縮数は45山/25mmであった(実施例1)。
一方、通常紡糸のポリエステル13デニール×51mmカッ
ト中空断面短繊維を70重量%、シースコア二成分紡糸に
よる表面溶融温度140℃の熱接着性繊維4デニール×51m
mを30%の比率で混練しカードに通し、カードウエッブ
を積層し160℃の乾熱熱風で3分間熱処理した。
この際、前記実施例と同じく目付2500g/m2厚み5cm、
密度0.05g/cm3の繊維保形体が得られるようカードウエ
ッブの積層条件を設定した。
(比較例) 上記実施例1と比較例1の繊維保形体をタテ×ヨコ、
50cm×50cmの座ぶとん状にカットし、硬さ、曲げ易さを
10名による触感テストを実施したが、比較対象とならな
い程、本発明による実施例1の方が、風合いがソフトで
曲げ易かったのに対し、比較例1のものは、風合いが硬
く、外観もプラスチック感を呈し、折り曲げると折り目
ができしわがよると言った結果が得られた。
(発明の効果) 本発明は、従来の樹脂塗布や熱接着繊維の使用等によ
る中綿等の繊維集合体の保形方法を使用しなくても、繊
維集合体を熱処理することのみにより、外繊維集合体中
の潜在捲縮性が発現し、繊維が相互にからみ、もつれに
よって拘束保形される繊維保形体である。又、本発明の
繊維保形体は、上記従来の方法による繊維集合体と異な
り、変形に対し繊維の動きの自由度が高く、このため嵩
高で、風合いがソフトで且つ変形に対し曲げ易く、ふと
ん等の繊維製品用中綿等に適した繊維保形体である。更
に、樹脂等の脱落もなく取扱い性やコスト面でも当然有
利であると言った効果が得られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TiO2を0.002〜0.3重量%含有しており、捲
    縮数が20〜55山/25mmであるポリエステル短繊維を含有
    する繊維からなり、該ポリエステル短繊維が熱処理時に
    潜在捲縮能を発現して、スプリング状カールとなり、隣
    接する繊維とからみ、もつれにより繊維が相互に拘束保
    形されていることを特徴とする繊維保形体。
JP63085988A 1988-04-06 1988-04-06 繊維保形体 Expired - Lifetime JP2581146B2 (ja)

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JPH01260050A JPH01260050A (ja) 1989-10-17
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JPS5065647A (ja) * 1973-10-18 1975-06-03
JPS5663056A (en) * 1979-10-25 1981-05-29 Toray Industries Polyester long fiber nonwoven fabric having excellent weather resistance
JPS6278214A (ja) * 1985-09-26 1987-04-10 Nippon Ester Co Ltd ポリエステル複合繊維

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