JP2580605Y2 - 液晶表示パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、テレビやキャラクタ
ディスプレイとして利用され、かつ画像や文字の入力を
可能にする液晶表示パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の液晶表示パネルとしては、例えば
図４および図５に示すようなものがある。まず、構成を
説明すると、２ａ，２ｂは互いに対向配置された１対
（２枚）の透明基板、１ａ，１ｂは各透明基板２ａ，２
ｂの対向面にそれぞれ設けられた透明導電膜、３は各透
明基板２ａ，２ｂを隔設して、これらの空間に液晶材料
４を封入しているスペーサである。

【０００３】また、これらの各透明基板２ａ，２ｂの外
側には、ネガ表示となるような偏光軸構成の偏光板５
ａ，５ｂが貼付されており、このうちの一方の偏光板５
ｂの外側には、表示背景の特定部位、例えば後述の距離
表示部背景や目盛背景などを暗くするフィルタ６が取り
付けられている。

【０００４】さらに、上記偏光板５ａ上には、図４に示
すように、車速表示用の複数の指針１１が、全体として
扇状になるようにバー配列されている。１２はこれらの
指針の先頭部に数値１３とともに配列された目盛、１４
は表示面の全体背景、１５は数値１３および目盛１２周
辺の目盛背景、１６は距離表示部１７の背景である。

【０００５】次に作用について説明する。このような液
晶表示パネルの各透明電極１ａ，１ｂに設定レベル以上
の電圧を印加すると、液晶材料の例えばねじれネマチッ
ク効果によって結晶の光軸が電界に対して傾斜する。こ
のため、入射直線偏光は屈折を受け、さらにフィルタ６
を介して透明基板１ａ，１ｂを通過する光量が部分的に
変化する。

【０００６】従って、フィルタ６を通過する光は減光さ
れ、そのフィルタ６に対応する距離表示部１７の背景１
６や目盛背景１５が距離表示部１７や目盛１２とは暗く
表示され、これにより距離表示部１７や目盛１２などを
これらの背景１５，１６から浮き上がらせて、十分コン
トラストを得ている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の液晶表示パネルに距離表示部１７の背景１６
や目盛背景１５などの特定領域を暗くするために使用し
ている各フィルタ６の減光部が、上記各透明導電膜１
ａ，１ｂたる各電極に対して電圧を印加した部分の表示
光量も、電圧を印加しない部分の表示光量も同様な割合
で減光する構成となっていたため、フィルタ６の減光領
域の表示内容が視認しにくくなるという問題点があっ
た。

【０００８】この考案は、このような従来の問題点に着
目してなされたもので、減光フィルタに代えて、減光領
域に偏光軸方向を制御する偏光板を添設することによ
り、上記問題点を解決することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この考案に係る液晶表示
パネルは、液晶表示パネルの表側および裏側の全体に第
１の偏光板を貼着し、かつその裏側の第１の偏光板の指
針，目盛の部分に第２の偏光板を貼着し、そのコントラ
ストを全体背景を一番低く、また指針を一番高く設定し
たものである。

【００１０】

【作用】この考案における液晶表示パネルは、第１の偏
光板の裏側の指針や目盛などの部分に、光波の波動方向
が異る第２の偏光板を設けることにより、指針，目盛，
全体背景のコントラストを明確にさせる。

【００１１】

【実施例】実施例１． 以下、この考案を図面に基づいて説明する。図３，図４
は、この考案の一実施例を示す図である。まず構成を説
明すると、２ａ，２ｂは互いに対向配置された１対（２
枚）の透明基板、１ａ，１ｂは各透明基板２ａ，２ｂの
対向面にそれぞれ設けられた透明導電膜、３は各透明基
板２ａ，２ｂを隔設して、これらの空間に液晶材料４を
封入しているスペーサである。

【００１２】また、これらの各透明基板２ａ，２ｂの外
側には、ネガ表示となるような偏光軸構成の第１の偏光
板としての偏光板７ａ，７ｂが貼付されており、このう
ちの一方の偏光板７ｂの外側には、この偏光板７ｂの偏
光軸方向とはそれぞれ異なる偏光軸方向の特定形状の第
２の偏光板としての複数の偏光板８が、指針，目盛，数
値，全体背景，目盛背景などに対応するように取り付け
られている。また、これらの偏光板８は得られる光量の
大きさが指針＞目盛＞全体背景＞目盛背景となるように
選択する。

【００１３】なお、これらの各偏光板８の偏光度，光透
過率，色調は必ずしも偏光板７ｂと同一とする必要はな
い。また、偏光板７ａ，７ｂは必ずしもネガ表示となる
ような偏光軸構成とする必要はなく、ポジ表示となるよ
うにしても良い。

【００１４】さらに、上記偏光板７ａ上には、図２に示
すように、車速表示用の複数の指針１１が、全体として
扇状になるようにバー配列されている。１２はこれらの
指針１１の先頭部に数値１３とともに配列された上記の
目盛、１４は表示面の全体背景、１５は数値１３および
目盛１２周辺の目盛背景、１６は距離表示部１７の背景
である。

【００１５】次に作用について説明する。まず、液晶表
示パネルの各透明導電膜１ａ，１ｂに設定レベル以上の
電圧を印加する。これにより、液晶材料の例えばねじれ
ネマチック効果によって、結晶の光軸が電界に対し傾斜
し、入射直線偏光は屈折されて、透明電導膜１ａ，１ｂ
を通過する光量が部分的に変化する。

【００１６】この場合において、この透明基板２ａ，２
ｂを通過する光のうち、上記指針１１，目盛１２，数値
１３，全体背景１４，目盛背景１５，距離表示部１７の
背景１６などに対応する部位の各偏光板８を通過する光
は、これらの偏光板８によって、偏光板７ａ，７ｂとは
異った透過光量となり、従って、表示面の明るさに違い
が生じ、各表示部間で所期のコントラストが得られる。
特に、そのコントラストを全体背景１４では一番低く、
指針１１では一番高く設定することで、指針１１を全体
背景１４内で明瞭に視覚できることとなる。

【００１７】図３はこの考案の他の実施例を示す。これ
は各透明基板２ａ，２ｂ上に設けられる偏光板７ａ，７
ｂのうち、偏光板７ｂ自身に、液晶セルの表示図柄に対
応する特定部分の偏光度が他の部分と異なる異偏光部７
ｃを設けたものである。これによれば、図１に示すよう
に別途用意した偏光板８を貼り付ける手間を省くことが
できるとともに、液晶セル全体の薄形化を図ることがで
きるほか、上記のようなコントラストを持った指針１１
や目盛１２になどの表示を行うことができる。

【００１８】なお、上記異偏光部７ｃを持つ偏光板７ｂ
の製法としては、例えば、高分子フィルム基板面を、
綿，フェルトなどの布や、クレー，炭カルなどの研磨粉
を用いてラビングした後、最初に、特定部分のみマスク
し、未マスク部に第１の染料液をコート・配向させた
後、上記マスクをとりのぞき、さらに、フィルム全面に
第２の染料液をコート・配向する方法が採用される。な
お、第１，第２の染料液は同一液でも良いし、同色の濃
度の異なる液、または異なる色の液であっても良い。

【００１９】

【考案の効果】以上説明してきたように、この考案によ
れば、液晶表示パネルの表側および裏側の全体に第１の
偏光板を貼着し、かつその裏側の第１の偏光板の指針，
目盛の部分に第２の偏光板を貼着し、そのコントラスト
を全体背景を一番低く、また指針を一番高く設定するよ
うな構成としたため、偏光板を２枚貼り付けた部分と、
３枚貼り付けた領域の電圧印加部の透過光量差を小さく
したまま電圧の印加しない部分の透過光量差を大きくで
き、特に、指針および全体背景の光量差を大きくし、表
示内容の視認性を高めることができるほか、表示内容の
デザインの自由度を増すことができるという効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による液晶表示パネルを示
すＡ−Ａ線断面図である。

【図２】図１における液晶表示パネルの正面を示す正面
図である。

【図３】この考案の他の実施例による液晶表示パネルを
示す断面図である。

【図４】従来の液晶表示パネルを示す正面図である。

【図５】図４における液晶表示パネルを切断して示すＢ
−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

７ａ，７ｂ 偏光板（第１の偏光板） ８ 偏光板（第２の偏光板） １１ 指針 １２ 目盛

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示面に、全体形状が扇状になるように
   バー配列された複数の指針１１と、該指針１１の先頭部
   に配列された目盛１２とが形成された液晶表示パネルに
   おいて、該液晶パネルの表側および裏側の全体に第１の
   偏光板７ａ，７ｂを貼着し、かつその裏側の第１の偏光
   板７ｂの前記指針１１，目盛１２の部分に第２の偏光板
   ８を貼着し、そのコントラストを全体背景を一番低く、
   また前記指針１１を一番高く設定したことを特徴とする
   液晶表示パネル。