JP2579969Y2

JP2579969Y2 - 中空糸膜モジュ−ル

Info

Publication number: JP2579969Y2
Application number: JP1992035142U
Authority: JP
Inventors: 川保明佐
Original assignee: Nok Corp
Current assignee: Nok Corp
Priority date: 1992-04-27
Filing date: 1992-04-27
Publication date: 1998-09-03
Anticipated expiration: 2007-04-27
Also published as: JPH0585430U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、たとえば家庭用浄水
器，医療用あるいは工業用の各種濾過装置に用いられる
中空糸膜モジュールに関し、特に中空糸膜の束を可撓性
シートによって束ねてモジュールケースに挿入するもの
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の中空糸膜モジュールとしては、例
えば図２に示すようなものがある。すなわち、多数本の
中空糸膜１００を可撓性シート１０１によって束ねてモ
ジュールケース１０２内に挿入し、充填接着剤としての
ポッティング剤１０３を、各中空糸膜１００と中空糸膜
１００との隙間，各中空糸膜１００と可撓性シート１０
１との隙間および可撓性シート１０１とモジュールケー
ス１０２との隙間に充填して中空糸膜１００の束を可撓
性シート１０１とともにモジュールケース１０２に固着
したものである。可撓性シート１０１で包んで束ねるの
は、基本的には中空糸膜１００を保護するためである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、従来の中空糸
膜モジュールのモジュールケース１０２は、内周面が平
滑であり、中空糸膜１００の束を可撓性シート１０１で
包んだ場合、モジュールケース１０２と可撓性シート１
０１の間にポッティング剤１０３が十分入らない場合が
ある。

【０００４】図３は、ポッティング工程を簡単に示して
いる。まず、可撓性シート１０１によって多数本の中空
糸膜１００を束ねて、束ねた状態でモジュールケース１
０２内に挿入する（図３(a) 〜(c) 参照）。次いで、モ
ジュールケース１０２の開口端部にポッティングアダプ
タ１０４を装着し、ポッティング剤１０３を中空糸膜１
００の端末側から充填する。ポッティング剤１０３は、
各中空糸膜１００と中空糸膜１００同士の隙間、中空糸
膜１００と可撓性シート１０１間の隙間および可撓性シ
ート１０１とモジュールケース１０２間の隙間に入り込
み、硬化してモジュールケース１０２内部を外部空間か
ら密封する。このポッティング剤１０３充填時には各中
空糸膜１００の端末開口部を閉塞しておいて、ポッティ
ング剤１０３硬化後中空糸膜１００端末を切断して開口
させる。ここで、モジュールケース１０２の内周面が平
滑の場合には、中空糸膜１００のみを入れている時には
特に問題はないが、中空糸膜１００を可撓性シート１０
１で包んでポッティングを行う場合、たとえば図３(d)
，(e) に示すように、モジュールケース１０２と可撓
性シート１０１の隙間にポッティング剤１０３が入りに
くくなり（図中Ａ部参照）、このモジュールケース１０
２と可撓性シート１０１の間でポッティング不良が発生
する可能性が高くなる。

【０００５】このように、ポッティング不良が発生する
と、シール漏れが発生し耐圧性能が悪くなってしまう。
本考案は、上記した従来技術の課題を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、可撓性シート
とモジュールケースの隙間に充填接着剤が入り込み易い
構造とすることにより、可撓性シートとモジュールケー
ス間のシールを確実にし得る中空糸膜モジュールを提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案にあっては、多数本の中空糸膜を可撓性シート
によって束ねてモジュールケース内に挿入し、充填接着
剤を、各中空糸膜と中空糸膜との隙間，各中空糸膜と可
撓性シートとの隙間および可撓性シートとモジュールケ
ースとの隙間に充填して中空糸膜の束を可撓性シートと
ともにモジュールケースに固着する中空糸膜モジュール
において、前記可撓性シート外周をモジュールケース内
周面から離間させるためのスペーサ部となる複数本のリ
ブを、モジュールケース内周面に突設したことを特徴と
する。

【０００７】

【０００８】

【作用】本考案にあっては、モジュールケースと可撓性
シートの間にリブ等のスペーサ部を設けることにより、
可撓性シートとモジュールケースの間に十分な隙間を作
り、充填接着剤の流入を促すものである。

【０００９】

【実施例】以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明
する。本考案の一実施例にかかる中空糸膜モジュールを
示す図１において、１は中空糸膜モジュール全体を示し
ている。

【００１０】この中空糸膜モジュール１は全量濾過型の
もので、概略、モジュールケース２と、このモジュール
ケース２内に充填される多数本の中空糸膜３と、この中
空糸膜３を束ねる可撓性シート４と、各中空糸膜３の端
部を可撓性シートと共にモジュールケース２に固着する
充填接着剤としてのポッティング剤５と、から構成され
ている。

【００１１】可撓性シート４としては、単に中空糸膜３
を保護する目的だけでなく、空気抜き通路を有する空気
抜き通路付き多層フィルム等も利用することができる。

【００１２】モジュールケース２は有底円筒形状で、各
中空糸膜３はＵ字状に曲げられてその両端末をモジュー
ルケース２の開口端部に揃えて束ねられ、各中空糸膜３
の両端末部がポッティング剤５によってモジュールケー
ス２に固着されている。ポッティング剤５は各中空糸膜
３同士の隙間，各中空糸膜３と可撓性シート４間の隙間
及び可撓性シート４とモジュールケース２間の隙間に気
密状態で充填され、モジュールケース２の内部空間と外
部空間とを隔てている。モジュールケース２には、図示
しないが、濾過すべき原液の流入口が適宜箇所に設けら
れ、原液は各中空糸膜３の多孔質の膜壁を通じて中空糸
膜の内部通路に流入する。この膜壁の微細孔を通過する
際に原液が濾過され、濾過液が内部通路を通って中空糸
膜の両端末の開口部から流出するようになっている。

【００１３】また、モジュールケース２内に空気が溜る
と、空気が接触している中空糸膜３の面積分だけ濾過面
積が小さくなるために、空気抜きを図る必要がある。一
般的には束ねた中空糸膜３の中に空気抜きのための疎水
性の空気抜き糸膜を混入させているが、上記したように
中空糸膜を束ねる可撓性シート４に空気抜き通路を設け
るようにしてもよい。

【００１４】そして、本考案では、可撓性シート４とモ
ジュールケース２の間に、可撓性シート４外周をモジュ
ールケース２内周面から離間させるためのスペーサ部６
が設けられている。この実施例では、スペーサ部６は、
モジュールケース２内周面に突設した複数本のリブによ
り構成されている。スペーサ部６は、モジュールケース
２の円周方向に複数等配されており、可撓性シート４と
モジュールケース２の間に円周方向に均一な隙間７を形
成させるように構成している。

【００１５】このように、モジュールケース２と可撓性
シート４の間にリブ等のスペーサ部６を設けることによ
り、可撓性シート４とモジュールケース２の間に十分な
隙間７を作り、ポッティング剤５の流入を促すものであ
る。

【００１６】なお、可撓性シート４が空気抜き通路付き
の多層フィルムの場合には、モジュールケース２内周面
と可撓性シート４の間に十分な隙間をとれるため、空気
抜き通路の通路断面を大きくとることができ、空気抜け
性の向上を図ることができるという効果がある。

【００１７】また、上記実施例では、可撓性シート４の
外周面をモジュールケース２内周面から離間させるため
のスペーサ部６を、モジュールケース２内周に突設した
リブにより構成したが、逆に可撓性シート４外周面にリ
ブを設けるようにしてもよく、また、モジュールケース
２や可撓性シート４とは別体のスペーサ部材を介在させ
て、モジュールケース２と可撓性シート４の間に隙間７
を形成してもよい。

【００１８】

【考案の効果】本考案は以上の構成および作用を有する
もので、可撓性シート外周をモジュールケース内周面か
ら離間させるためのスペーサ部となる複数本のリブを、
モジュールケース内周面に突設したことにより、可撓性
シートの影響を受けずに可撓性シートとモジュールケー
スの間の隙間に確実に接着剤の充填を行なうことができ
る。この結果、接着不良が低減し、かつ耐圧性能の向上
にもつながる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の中空糸膜モジュールを示すもの
で、同図(a) は一部破断断面図、同図(b) は側面図、同
図(c) はモジュールケースの断面図、同図(d) はモジュ
ールケースの側面図である。

【図２】図２は従来の中空糸膜モジュールを示すもの
で、同図(a) は縦断面図、同図(b) は一部破断断面図、
同図(c) は側面図、同図(d) はモジュールケ−スの縦断
面図である。

【図３】図３(a) 乃至(d) は中空糸膜モジュールのポッ
ティング工程を示す工程説明図、同図(e) は充填される
ポッティング剤の偏り状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１中空糸膜モジュール２モジュールケース３中空糸膜４可撓性シート５ポッティング剤（充填接着剤）６スペーサ部７隙間

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】多数本の中空糸膜を可撓性シートによっ
て束ねてモジュールケース内に挿入し、充填接着剤を、
各中空糸膜と中空糸膜との隙間，各中空糸膜と可撓性シ
ートとの隙間および可撓性シートとモジュールケースと
の隙間に充填して中空糸膜の束を可撓性シートとともに
モジュールケースに固着する中空糸膜モジュールにおい
て、前記可撓性シート外周をモジュールケース内周面から離
間させるためのスペーサ部となる複数本のリブを、モジ
ュールケース内周面に突設したことを特徴とする中空糸
膜モジュール。