JP2579486B2 - 中枢神経抑制剤 - Google Patents

中枢神経抑制剤

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茂生 鈴木
益子 鈴木
均 堅山
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、キチンオリゴマー、キトサンオリゴマーお
よびキチンオリゴマー部分脱アセチル体から選んだ少な
くとも一つの物質を有効成分とする鎮痛剤に関するもの
である。
(従来の技術) 従来、多糖、オリゴ糖等の糖類を有効成分とする中枢
神経抑制剤としてはカワラタケから抽出される蛋白多糖
体クレスチンを有効成分とするものが知られている(特
開昭60−45523号公報参照)のみである。また、キチン
オリゴマー、キトサンオリゴマーは抗感染症活性を有す
ることが本発明者らによつて知られている(特開昭61−
130230号公報、同61−268626号公報参照)が、中枢神経
抑制作用を有することは未だ知られていなかつた。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、先にキチンの加水分解により製造し得
ることが知られている水溶性のキチンオリゴマー(N−
アセチルキトオリゴ糖ともいう)およびキトサンオリゴ
マー(キトオリゴ糖ともいう)が意外にも良好な抗感染
症活性および抗腫瘍活性を有しかつ抗感染症剤および抗
腫瘍剤としてすぐれた特性を有することを見出した(本
出願人の出願に係る特開昭61−130230号公報、同61−26
8626号公報、特願昭61−54588号明細書参照)が、さら
に鋭意研究を重ねた結果、キチンオリゴマー、キトサン
オリゴマーおよびキチンオリゴマー部分脱アセチル体か
ら選んだ少なくとも一つの物質が意外にも中枢神経抑制
作用特に鎮痛作用を有することを見出し、この知見に基
づき本発明を完成するに至つた。
本発明の鎮痛剤は、有効成分としてキチンオリゴマ
ー、キトサンオリゴマーおよびキチンオリゴマー部分脱
アセチル体より選ばれる少なくとも一つの物質を含むも
のである。その有効成分として用いられるキチンオリゴ
マーの具体例としては、ジ−N−アセチル−キトビオー
ス、トリ−N−アセチル−キトトリオース、テトラ−N
−アセチル−キトテトラオース、ペンタ−N−アセチル
−キトペンタオース、ヘキサ−N−アセチル−キトヘキ
サオース、ヘプタ−N−アセチル−キトヘプタオースが
挙げられる。またキトサンオリゴマーの具体例としては
キトビオース、キトトリオース、キトテトラオース、キ
トペンタオース、キトヘキサオース、キトヘプタオース
が挙げられる。更に、キチンオリゴマー部分脱アセチル
体の具体例としては、ジ−N−アセチル−キトビオ−
ス、トリ−N−アセチル−キトトリオース、テトラ−N
−アセチル−キトテトラオース、ペンタ−N−アセチル
−キトペンタオース、ヘキサ−N−アセチル−キトヘキ
サオース、ヘプタ−N−アセチル−キトヘプタオースの
アセチル基の一部が脱離したものが挙げられる。
本発明の鎮痛剤は、通常はキチンオリゴマー、キトサ
ンオリゴマーおよびキチンオリゴマー部分脱アセチル体
から選んだ少なくとも一つの物質を常法で薬学的に許容
できる液状または固体状の公知担体と配合し且つ必要に
応じて溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定化剤、賦形
剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて注射剤、錠剤、
顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等に製剤して使用で
きる。特に、本発明の鎮痛剤はキチンオリゴマー、キチ
ンサンオリゴマーおよびキチンオリゴマー部分脱アセチ
ル体の水溶性を利用して水溶液とすることができる。そ
の水溶液は、これを常法により注射剤として製造し静脈
内投与して使用するのに特に適するが、皮下、皮肉、筋
肉内または腹腔内投与により使用することもできる。ま
た本剤は錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤として製剤し経口
投与により使用することもできる。
本発明の鎮痛剤の成人1日当りの有効投与量はキチン
オリゴマー、キトサンオリゴマーおよびキチンオリゴマ
ー部分脱アセチル体より選んだ少なくとも一つの物質の
10mg/Kg〜1000mg/Kg好ましくは80mg/Kg〜500mg/Kgであ
る。
(本発明の作用および効果) 本発明の鎮痛剤はカニの甲羅等に存在する生体細胞壁
の構成成分であるキチンを加水分解して得られる公知物
質であるキチンオリゴマー、キトサンオリゴマー、キチ
ンオリゴマー部分脱アセチル体を有効成分とするので、
人体に対する毒性、副作用が実用上ほとんどなく、極め
て安全性にすぐれること、また水溶性であるので注射剤
等の製剤化および投与が簡便であり、且つ薬効の発現が
早いこと、さらにまたクレスチン等の従来の高分子多糖
類を有効成分とするものに比べ有効成分化合物が低分子
量のためその精製が簡便になし得ること、等のすぐれた
利点を示す。
(実施例) 製剤例1 注射剤の調製 ヘキサ−N−アセチル−キトヘキサオース10gを注射
用生理食塩水の適量に溶解して全量1000mlの水溶液と
し、第十薬局方注射剤の製法によつて注射剤を得た。
薬剤例2 錠剤 よく粉砕したヘキサ−N−アセチル−キトヘキサオー
ス10g、乳糖21g、結晶セルロース7.2g、トウモロコシデ
ンプン1.4gおよびステアリン酸マグネシウム0.4gを加え
てよく混合し、打錠機を用いて直径8mm、重量200mgの錠
剤を得た。
次に、本発明の鎮痛剤の鎮痛作用を実験例によつて例
証する。
実験例1 5〜6週令のddY系雄性マウス(1群10匹)の静脈内
に製剤例1に準じて調製したヘキサ−N−アセチル−キ
トヘキサオースを有効成分とする注射液を有効成分100m
g/Kgマウスの投与量で投与し、その60分後に0.7%酢酸
溶液を0.1ml/10gマウス投与量でマウス腹腔内に投与
し、さらにその10分後から10分間マウスのwrithing数を
測定し鎮痛抑制率を求めた。得られた結果を表−1に示
す。尚、鎮痛抑制率は次式により求めた。
実験例2 実験例1のddY系雄性マウスに代えてBALB/Cマウスを
用いた以外は実験例1と同様に操作して鎮痛抑制率を求
めた。得られた結果を表−IIに示す。
実験例3 有効成分としてヘキサ−N−アセチル−キトヘキサオ
ースまたはキトヘキサオースを使用し、writhing数の測
定を0.7%酢酸溶液投与3時間後に行つた以外は実施例
1と同様に操作して鎮痛抑制率を求めた。得られた結果
を表−IIIに示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キチンオリゴマー、キトサンオリゴマーお
    よびキチンオリゴマー部分脱アセチル体から選んだ少な
    くとも一つの物質を有効成分とする鎮痛剤。
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