JP2579412B2 - 通気性および保温性の良好な園芸用プラスチックハウス - Google Patents
通気性および保温性の良好な園芸用プラスチックハウスInfo
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- Y02P60/14—Measures for saving energy, e.g. in green houses
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Description
どを栽培する際に使用される園芸用プラスチックハウス
に関する。
おいては、作物に雨が直接当たることを避ける必要があ
るため、パイプや鉄骨を用いて組み立てたハウス骨組み
を農業用ビニルフィルムで被覆して形成した園芸用プラ
スチックハウスが使用されている。
気性が無く、また、通常の園芸用プラスチックハウスは
構造が簡素であるため換気装置を設置することが困難で
あり、プラスチックハウス全体を農業用ビニルフィルム
で覆うと換気装置が無いため換気が行われず、プラスチ
ックハウスの内部が高温度となり作物に悪影響を及ぼす
ので、プラスチックハウスの側壁部は開放した状態で使
用されているのが現状である。
図6に示すように、プラスチックハウスHの屋根部aは
農業用ビニルフィルムで被覆されているが、側壁部bお
よび間口部cは開放されたまま使用されている。
虫害の発生を防ぐため大量の農薬の散布や、定期的な灌
水も必要となる問題点がある。一方、プラスチックハウ
スの構造を強化してその内部に換気装置を設置した場合
は、建設費が多額となるだけで充分な効果が得られない
問題点もある。また、厳冬期においては、開放部からハ
ウス内に外気が侵入して冷害が発生するため、冷害を防
止するため開放部を別途被覆材を用いて閉鎖し、保温効
果を高めなければならない問題点を有している。
いことが必要とされるが、従来の農業用ビニルフィルム
では、光線透過率を高く維持したまま散乱光を増加する
ことができず、作物の成育が不十分となるなどの問題点
を有している。
点に着目してなされたもので、葉茎菜類の栽培に好適な
環境、すなわち、風雨を避けると共に、通気性が良好で
適度な湿度を保ち、保温性に優れ、散乱光が多く、害虫
の侵入を阻止できる園芸用プラスチックハウスを提供す
ることを課題とする。
め、本発明は、木材、管材、鉄骨材などの構造材を支柱
として成る園芸用プラスチックハウスであって、該プラ
スチックハウスのハウス骨組みによって形成される屋根
部、または屋根部と間口部とに対しては、透明合成繊維
からなる糸条により構成された網目状シートに、該糸条
より低い融点を有しかつ高周波融着性を有する透明合成
樹脂を付着させ、孔の径が0.1mm以上で、孔の面積
が0.01〜1.0mm2 の範囲にある通気孔を網目状に
形成してなる被覆材を展張し、該プラスチックハウスの
ハウス骨組みによって形成される側壁部と間口部、また
は側壁部に対しては、農業用プラスチックフィルムを展
張してなることを特徴とする。
管材、鉄骨材などの構造材を支柱として成る園芸用プラ
スチックハウスであって、該プラスチックハウスのハウ
ス骨組みによって形成されるハウス全面に対し、透明合
成繊維からなる糸条により構成された網目状シートに、
該糸条より低い融点を有しかつ高周波融着性を有する透
明合成樹脂を付着させ、孔の径が0.1mm以上で、孔
の面積が0.01〜1.0mm2 の範囲にある通気孔を網
目状に形成してなる被覆材を展張し、さらに該被覆材を
展張した側壁部の外側に農業用プラスチックフィルムを
開閉自在に張設してなることを特徴とする。
条は、モノフィラメント、マルチフィラメント、スパン
糸のいずれでもよく、高周波または熱による融着性を有
しないものであれば、とくに制限はないが、ポリエステ
ルのマルチフィラメントが好ましい。その繊度は、10
0〜2000デニールの範囲であることが好適であり、
マルチフィラメントを構成する単糸数は、デニール当た
り0.04〜0.4本が好ましい。また、透明である必
要があるが、透明性を損なわない程度に少量の染料、顔
料等を含有したものでもよい。
ィラメント糸を織成して平織、模紗織、からみ織、もじ
り織等の組織の織物に形成したものが好適である。網目
状シートを被覆する透明合成樹脂層は、基材とする網目
状シートよりも10°C以上低い軟化点を有し、かつ高
周波融着性の有るものであればとくに制限はないが、軟
質ポリ塩化ビニル系樹脂が好ましい。
に対し30〜300重量%の範囲であることが好まし
い。30%より少ないと網目状シートが露出する場合が
あり、撥水性が悪化するなどの障害が生じることがあ
る。また、300%より多いと網目が詰まり、所定の大
きさの通気孔を形成することが困難となり、通気性を損
なうおそれが生じる。
形成する方法は、とくに制限されるものではないが、軟
質ポリ塩化ビニル系樹脂の場合は、プラスチゾルまたは
オルガノゾルあるいはエマルジョンとして網目状シート
に付着させた後、加熱してゲル化することにより被覆層
を形成する方法が好ましい。
1mm以上で、孔の面積が0.01〜1.0mm2 の範囲に
あることが必要で、孔の径が0.1mmより小さくなると
通気性が阻害され、孔の面積が0.01mm2 より小さく
なると、これまた通気性が悪化し、孔の面積が1.0mm
2 より大きくなると、雨の浸入や害虫の侵入を阻止する
ことが困難になるなどの不都合が生じる場合がある。
剤を含有させてもよく、たとえば、撥水剤として、シリ
コーン系あるいはフッ素系の、通常の合成樹脂用に使用
されているものを用いればよい。撥水剤は、透明合成樹
脂層を形成する合成樹脂の製造工程において、合成樹脂
に添加して含有させてもよいし、網目状シートに付着さ
せる工程の終了後、スプレー法、含浸法、グラビア法等
によりその表面に付着させてもよい。
脂層を形成する合成樹脂に、その透明性を阻害しない程
度に適度な量の発泡剤を添加し、透明合成繊維の糸条に
対して発泡合成樹脂層を形成してもよい。
質ポリ塩化ビニルフィルム(通称、農ビ)、農業用エチ
レン・酢酸ビニル共重合フィルム(通称、農サクビ)、
農業用ポリエチレンフィルム(通称、農ポリ)、硬質塩
化ビニルフィルム、農業用ポリエステルフィルム等、一
般に使用されている農業用プラスチックフィルムであれ
ばよいが、とくに農業用軟質ポリ塩化ビニルフィルム
(通称、農ビ)が好ましい。
ス骨組によって形成されるプラスチックハウスの屋根
部、または屋根部と間口部とに上記の通気性を有する被
覆材を展張し、側壁部と間口部、または側壁部には一般
の農業用プラスチックフィルムを展張しているため、強
風時においても風雨の浸入が防止されると共に、大きな
雨滴が被覆材の通気孔で細分化され、霧状となってプラ
スチックハウス内全体に均一に分布され適度な湿度が保
たれ、通気性および保温性が優れているので、厳冬期に
おいても特別な保温設備を用いることなく冷害を防止す
ることができ、しかも害虫の侵入が阻止され虫害の無い
良好な栽培環境が得られる。また、屋根部に展張してい
る被覆材は、透明合成繊維からなる糸条に透明合成樹脂
層を形成しているため、ハウス内に入射する散乱光が多
くなり、栽培植物の成育が向上する。
ハウス骨組によって形成されるプラスチックハウスの全
面に上記の通気性を有する被覆材を展張し、さらに側壁
部には農業用プラスチックフィルムを開閉自在に張設し
ているため、通気性および保温性が良好であると共に、
必要に応じて側壁部の通気性を遮断あるいは開放するこ
とが簡単にできるので、外気温度、気象条件等に微妙に
対応することが可能となり、良好な栽培環境を保持する
ことが容易となる。また、透明合成繊維からなる糸条に
透明合成樹脂層を形成した被覆材を展張しいるため、ハ
ウス内に入射する散乱光が多くなり、栽培植物の成育が
向上する。
2mm)を曲げ加工し、図1に示すように、互いにその頂
上で継ぎ合わせてアーチ状に形成した支柱1を、栽培地
2上に柱間ピッチp約450mmの等間隔で並設し、各支
柱1の頂上部1aと両側の軒部1bを、鋼管(外径1
9.1mm、肉厚1.2mm)で形成した桁状の支持材3で
止め具を介して連結し、間口3500mm、軒高1200
mm、棟高2000mm、奥行52000mmのハウス骨組み
4を作成した。頂上部には散水管5を吊り下げて、栽培
地2の全面に渡って散水できるようにしている。
で構成される屋根部4aに後述する被覆材Sを展張し、
側壁部4b、4b′および間口部4c、4c′には、一
般に使用されている塩化ビニル製の農業用プラスチック
フィルムFを展張して園芸用プラスチックハウスAを形
成した。間口部4cには、開閉自在な出入口6を設けて
いる。なお、間口部4c、4c′には、農業用プラスチ
ックフィルムFに代えて屋根部4aと同様の被覆材Sを
展張してもよい。
ント糸(250d、単糸数48本)をそれぞれ経糸、緯
糸に用い、目付量55g/m2 、糸間隙0.6mmの平織
の組織で織成した網目状シートに、下記組成のポリ塩化
ビニルプラスチゾルを、固形分としての付着量が136
%(対網目状シート重量)となるように含浸付着させ、
溶融ゲル化することにより作成した通気性を有する園芸
用の被覆材である。 記 ポリ塩化ビニル 100重量部 ジオクチルフタレート 60重量部 エポキシ樹脂 3重量部 Ba−Zn系安定剤 4重量部 ベンゾトリアゾール誘導体(紫外線吸収剤) 0.2重量部 フッ素系界面活性剤 0.1重量部
網目状シート7の周囲に透明合成樹脂8が付着して、通
気孔9が網目状に形成されている。通気孔の径qの平均
値は0.6mmで、通気孔の面積の平均値は0.36mm2
であった。
4に示すような、従来のプラスチックハウスHとを用い
て下記の栽培試験を行った。プラスチックハウスHは、
ハウス骨組みは園芸用プラスチックハウスAと同様のも
のを使用し、通常の農業用ビニルフィルムを用いて屋根
部aのみを被覆し、側壁部bおよび間口部cは開放され
ている。 園芸用プラスチックハウスA 従来のプラスチックハウスH 栽培地 宮城県名取市 同左 栽培作物 雪菜 同左 播種日 平成4年8月27日 同左 播種方法 すじまき 同左 農薬散布 殺虫剤 播種前に1度 3日に1度 殺菌剤 10日に1度 3日に1度 灌水 播種時に1度 7日に1度 収穫日 平成4年9月26日 成育状況にばらつきがあ (播種より29日目) り、一度に収穫不可 (播種より29日〜33 日目) 収量 1090束 9月26日 300束 9月28日 400束 9月30日 160束 合計 860束 品質 丈 平均 32cm 平均 26.3cm 最大 34cm 最大 28cm 最小 30cm 最小 24cm 重量 平均 72g 平均 54.3g 最大 77g 最大 55g 最小 68g 最小 50g 虫害 無し 全体にコナガの食害あり
園芸用プラスチックハウスAで栽培した作物は、従来の
農業用ビニルフィルムを用いたパイプハウスHで栽培し
た作物に比較して、その品質および収穫量ともに格段に
優れている。
市の冬季における外気温度の変化と、園芸用プラスチッ
クハウスAおよび下記のプラスチックハウス(比較例
1、2、3)のハウス内温度の変化を24時間にわたっ
て示したグラフである。 記 比較例1 被覆材Sをハウス全面に展張したプラスチ
ックハウス 比較例2 農業用ビニルフィルムを全面に展張したプ
ラスチックハウス 比較例3 前記の従来のプラスチックハウスH
ラスチックハウスH(比較例3)および被覆材Sをハウ
ス全面に展張したハウス(比較例1)に比較して保温性
が優れており、農業用ビニルフィルムを全面に展張した
比較例2のプラスチックハウスよりは保温性の面でやや
劣るが、比較例2のハウスは通気性が全く無いため実用
的ではないので、園芸用プラスチックハウスAは実用的
に優れた保温性を有していることが明らかである。
するため、ハウスの軒部に農業用プラスチックフィルム
の巻き上げ装置を設けて、側壁部4b、4b′に対して
プラスチックフィルムを開閉自在に張設してもよい。
ラスチックハウスBの斜視図である。園芸用プラスチッ
クハウスBは、前記の園芸用プラスチックハウスAと同
様のハウス骨組みを用い、その全面すなわち屋根部4
a、側壁部4b、4b′および間口部4c、4c′に前
記の被覆材Sを展張している。そして、側壁部4bと間
口部4cとの角部および間口部4cと側壁部4b′との
角部に、巻き上げ装置10、10′を設けている。
で10について説明する)は、巻上げ用柱10aと、巻
上げ用柱10に沿って移動自在に装着された操作部10
bと、操作部10bに結合され軒部の桁方向に延びる巻
取り軸10cとから構成されている。
軒部に固定した農業用プラスチックフィルムFが巻回さ
れており、操作部10bに設けた操作ハンドル10dを
操作して巻取り軸10cを回転させることにより、農業
用プラスチックフィルムFを側壁部4b(4b′)に対
し上下させ、被覆材Sを展張した側壁部4b(4b′)
の外側を農業用プラスチックフィルムFで開閉できるよ
うにしている。
側壁部4b、4b′の通気性を必要とするときは、農業
用プラスチックフィルムFを巻き上げて被覆材Sを露出
させて使用し、冬季あるいは風雨の激しい時などは、農
業用プラスチックフィルムFを引き下ろして側壁部4
b、4b′を農業用プラスチックフィルムFで閉鎖する
ことにより、ハウス内部の保温性を向上させて栽培植物
に対する冷害を防止することができる。
は、強風時においても風雨の浸入が防止されると共に、
大きな雨滴が被覆材の通気孔で細分化され、霧状となっ
てプラスチックハウス内全体に均一に分布され適度な湿
度が保たれ、通気性および保温性が優れているので、厳
冬期においても特別な保温設備を用いることなく冷害を
防止することができ、しかも害虫の侵入が阻止され虫害
の無い良好な栽培環境が得られる。また、屋根部に展張
している被覆材は、透明合成繊維からなる糸条に透明合
成樹脂層を形成しているため、ハウス内に入射する散乱
光が多くなり、栽培植物の成育が向上する。
ハウス全面に通気性を有する被覆材を展張し、さらにハ
ウスの側壁部に農業用プラスチックフィルムを開閉自在
に張設しているため、通気性および保温性が良好である
と共に、必要に応じて側壁部の通気性を遮断あるいは開
放することが簡単にできるので、外気温度、気象条件等
に微妙に対応することが可能となり、良好な栽培環境を
保持することが容易となる。また、透明合成繊維からな
る糸条に透明合成樹脂層を形成した被覆材を展張しいる
ため、ハウス内に入射する散乱光が多くなり、栽培植物
の成育が向上するなどの利点を有する。
用プラスチックハウスの骨組みの斜視図である。
ウスの斜視図である。
フである。
ウスの斜視図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 木材、管材、鉄骨材などの構造材を支柱
として成る園芸用プラスチックハウスであって、該プラ
スチックハウスのハウス骨組みによって形成される屋根
部、または屋根部と間口部とに対しては、透明合成繊維
からなる糸条により構成された網目状シートに、該糸条
より低い融点を有しかつ高周波融着性を有する透明合成
樹脂を付着させ、孔の径が0.1mm以上で、孔の面積
が0.01〜1.0mm2 の範囲にある通気孔を網目状に
形成してなる被覆材を展張し、該プラスチックハウスの
ハウス骨組みによって形成される側壁部と間口部、また
は側壁部に対しては、農業用プラスチックフィルムを展
張してなることを特徴とする通気性おび保温性の良好な
園芸用プラスチックハウス。 - 【請求項2】 木材、管材、鉄骨材などの構造材を支柱
として成る園芸用プラスチックハウスであって、該プラ
スチックハウスのハウス骨組みによって形成されるハウ
ス全面に対し、透明合成繊維からなる糸条により構成さ
れた網目状シートに、該糸条より低い融点を有しかつ高
周波融着性を有する透明合成樹脂を付着させ、孔の径が
0.1mm以上で、孔の面積が0.01〜1.0mm2 の
範囲にある通気孔を網目状に形成してなる被覆材を展張
し、さらに該被覆材を展張した側壁部の外側に農業用プ
ラスチックフィルムを開閉自在に張設してなることを特
徴とする通気性おび保温性の良好な園芸用プラスチック
ハウス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5003980A JP2579412B2 (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | 通気性および保温性の良好な園芸用プラスチックハウス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5003980A JP2579412B2 (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | 通気性および保温性の良好な園芸用プラスチックハウス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06209657A JPH06209657A (ja) | 1994-08-02 |
JP2579412B2 true JP2579412B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=11572195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5003980A Expired - Fee Related JP2579412B2 (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | 通気性および保温性の良好な園芸用プラスチックハウス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579412B2 (ja) |
-
1993
- 1993-01-13 JP JP5003980A patent/JP2579412B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06209657A (ja) | 1994-08-02 |
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