JP2579087Y2 - 絶縁形パルストランス - Google Patents

絶縁形パルストランス

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JP2579087Y2 JP1992032375U JP3237592U JP2579087Y2 JP 2579087 Y2 JP2579087 Y2 JP 2579087Y2 JP 1992032375 U JP1992032375 U JP 1992032375U JP 3237592 U JP3237592 U JP 3237592U JP 2579087 Y2 JP2579087 Y2 JP 2579087Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は絶縁形のパルストラン
スに係り、更に詳しくいえば、磁気コア等に互いに絶縁
して巻かれた1次コイルと2次コイルを備え、1次コイ
ルに加えられた連続するパルス状電流信号を2次コイル
に伝達する絶縁形パルストランスに関するものである。
【0002】
【従来例】図4の(A)に従来の絶縁形パルストランス
の一般的な例が示されているが、例えばトランスTの1
次側コイルL1には信号源Gを接続し、2次側コイルL
2には負荷抵抗Rを接続する。この状態で信号源Gから
1次側コイルL1へパルス状の電流信号I1を流すと、
相互誘導作用により2次側コイルL2に起電力Eが発生
し、同コイルL2と負荷抵抗Rからなる閉回路には上記
I1と相似のパルス状電流信号I2が流れる。これによ
り負荷抵抗Rに電圧降下が生じ、上記電流信号I2は抵
抗Rにて電圧信号に変換され、図示しない後段の装置な
どに送られて利用されるようになっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記図4の(A)にお
いて、1次側コイルL1の電流I1により2次側コイル
L2に発生する誘導起電力Eの大きさ(絶対値)は、電
流I1の角周波数をω、コイルL1とL2間の相互イン
ダクタンスをMとすると E=ωMI1 …………(1) である。ここで、電流I1の基本周波数をfとするとω
=2πfである。また、コイルの符号L1、L2は便宜
上それぞれの自己インダクタンス値を表すものとする
と、 M=k(L1・L2)1/2 である。ただし、kはコイルL1とL2間の洩れ磁束に
関する定数で結合係数と称され、その値は0≦k≦1の
範囲にある。磁気コアを使用しているトランスでは洩れ
磁束が極めて小さいので無視し、一般にはk=1として
いる。よって M=(L1・L2)1/2 とおくと、誘導起電力Eは E=ω(L1・L2)1/2・I1 となる。ここで、コイルL2と負荷抵抗Rを含む2次側
閉回路の等価インピーダンスをZとすると、上記誘導起
電力Eによりこの閉回路に流れる電流I2の大きさは I2=E/Z =ω(L1・L2)1/2・I1/Z …………(2) となる。
【0004】1次側電流I1に対する2次側の応答電流
I2はより大きい方が望ましいのであるが、1次側電流
I1は一定の大きさのパルス上電流であるから、2次側
電流I2を大きくするためには式(1)を参照すると相
互インダクタンスMを大きくして起電力Eを増大させる
必要がある。そのためには式(2)を参照すると、1次
側コイルL1又は2次側コイルL2もしくは双方のコイ
ルのターン数を大きくして各コイルのインダクタンスを
増大させることが考えられる。
【0005】ところで図4の(B)に示すように、トラ
ンスTの1次側コイルL1と2次側コイルL2には本来
の自己インダクタンスのほか多少の巻線抵抗R1、R2
や巻線の分布容量C1、C2があり、両コイル間には結
合容量Cm等がある。一方、1次側電流I1は図5の
(A)に示すように各半周期時点0、π、2π、3π、
…において立ち上がりと立ち下がりを交互に繰り返し、
立ち上がりから立ち下がりまでの間と立ち下がりから立
ち上がりまでの間の半周期間は正又は負の一定直流電流
と見なされる。したがって1次側コイルL1にこのよう
なステップ状の直流電流I1を流すと、巻線抵抗や分布
容量及び結合容量等の大きさによっては2次側電流I2
に過渡現象が生じ、必ずしも正確には1次側電流I1に
追随しないことがある。
【0006】例えばコイルL1、L2のターン数が比較
的少なく巻線抵抗や巻線の分布容量及び結合容量等が無
視できる場合は、2次側閉回路におけるコイルL1、L
2の等価インダクタンスをLとすると、上記図5(A)
の1次側電流I1に対する2次側電流I2の応答波形は
ほぼ等価インダクタンスLと負荷抵抗Rによる時定数
(L/R)に依存する。この場合、上記時定数が1次側
電流I1の繰り返し周期より十分小さくなるように負荷
抵抗Rを設定すれば、2次側電流I2は同図5の(B)
に示すように1次側電流の立ち上がりや立ち下がりに追
随した方形波信号となる。
【0007】しかしながら2次側電流I2を大きくする
ためコイルのターン数を多くすると、コイルのインダク
タンスの増加に伴って巻線抵抗、分布容量、結合容量等
も増大し無視できなくなる。このような場合は、例えば
2つのコイルL1とL2の等価インダクタンスをL、巻
線の分布容量と結合容量の等価容量をC、巻線抵抗と負
荷抵抗の等価抵抗をRとすると、1次側電流I1に対す
る2次側電流I2の応答波形は、それらの関数であるダ
ンピング定数K K=ξ(L,C,R) の値に依存することが知られている。例えばK》1の場
合は応答波形の乱れは比較的少ないが、K=1の場合に
は同図5の(C)に示すように立ち上がりと立ち下がり
に時間がかかってゼロ点が相対的にずれるとともに、サ
グといわれるオーバシュートとアンダシュートが発生す
る。更にK<1の場合は同図5の(D)に示すように、
サグの部分に振動が発生して波形の乱れが大きくなる。
このためコイルのターン数を増加することは必ずしも好
ましいことではない。
【0008】上記は1次側電流I1の繰り返し周期を固
定しその基本周波数を一定としたとき、すなわち式
(1)又は式(2)のωを一定にしてコイルのターン数
を増加させた場合における電流I2の波形変化例である
が、次に周波数を変化させた場合における電流I2のレ
ベル変化例を説明する。いま、1次側コイルL1にパル
ス状の電流I1を流すと、磁気コア内には電流I1の繰
り返し周期に同期した磁束φが流れる。ここで、2次側
コイルL2に発生する誘導起電力Eの大きさは単位時間
における磁束の変化の割合(dφ/dt)に比例するか
ら、電流I1の繰り返し周期が比較的長くその基本周波
数が低い場合は起電力Eが小さくなり、繰り返し周期が
比較的短く基本周波数が高い場合は起電力Eが大きくな
る。2次側電流I2は起電力Eの大きさに比例するか
ら、1次側電流の繰り返し周期の長短に逆比例し、その
基本周波数の高低に正比例する。例えば式(2)におい
て、 ω=2πf (f:I1の基本周波数) =2π/t (t:I1の繰り返し周期) とおけば上記は容易に理解できる。
【0009】ここで、例えばコイルのターン数が比較的
少ないものとすると、図6のイに示すように電流I1の
繰り返し周期が長い低域周波数帯では2次側電流I2が
小さく、繰り返し周期が短くなるとそれに応じて電流I
2は増大する。電流I1の繰り返し周期が上記より短い
中域周波数帯では、例えば2次側電流I2の増大とトラ
ンスの損失増加が相殺しあってやや一定の大きさの電流
となり、更に繰り返し周期が短い高域周波数帯ではトラ
ンスの損失が比較的急激に大きくなるため電流I2は逆
に小さくなる。
【0010】同図6のロは低域周波数帯の特性を改善す
るためコイルのターン数を増やした例であるが、それに
伴って巻線の分布容量や結合容量が増加し、その等価容
量が図示のよう例えば中域周波数帯でコイルの等価イン
ダクスタンスと共振現象を起こすことがある。この場
合、その周波数より高い領域では一般に2次、3次等の
高次共振現象が存在するから不安定であり、パルストラ
ンスとして動作可能な周波数範囲は最初の共振周波数よ
り低い帯域に制限される。したがって、いずれにしても
コイルのターン数を増やすことは望ましくない。
【0011】この考案は上記の事情を考慮してなされた
もので、その目的は、入力電流信号の繰り返し周期の長
短にかかわらず、コイルのターン数を特に増やさないで
同電流信号に追随した相似波形のパルス状電圧信号を送
出するようにしたパルストランスを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この考案に係るパルスト
ランスの実施例が示されている図1を参照すると、上記
課題を解決するため下記との手段を備えている。
【0013】 例えばトランスTの2次側には、1次
側コイルL1に加えた交流電流信号I1により磁気コア
Mg内に流れる交番磁束を検出する検出コイルL3と、
上記交番磁束により同検出コイルL3に発生する誘導起
電力Eを電流I2に変換して増幅する増幅器Aが備えら
れている。
【0014】 また、例えば同トランスTの2次側に
は、上記増幅器Aの出力端子に一端を接続して上記磁気
コアMgに巻かれた帰還コイルL2、及び同帰還コイル
L2の他端と装置の共通配線COMとの間に接続された
負荷抵抗Rとを含み、上記増幅器Aの出力電流I2を同
帰還コイルL2に流すことにより上記磁気コア内の磁束
を打ち消す逆向きの交番磁束を発生させる電流負帰還路
が形成されている。
【0015】
【作用】上記図1において、増幅器AからコイルL2に
流れ込む電流I2が、コイルL1に流れる電流I1に対
して逆向きとなるように同コイルL2の一端と増幅器A
の出力端子とを接続すると、増幅器AとコイルL2と負
荷抵抗Rを通る電流路に負帰還回路が形成される。
【0016】したがって、コイルL3に誘導起電力Eが
発生すると増幅器Aの出力電流I2は、磁気コア内の磁
束を打ち消して誘導起電力Eをゼロへ追い込むように電
流I1の大きさに追随して自動的に変化する。すなわ
ち、この負帰還回路を含むトランスTはいわゆるゼロフ
ラックス法の動作をする。よって、上記電流I2を負荷
抵抗Rに流して電圧に変換すると、同抵抗の両端からは
電流I1の波形に対応した波形を有する電圧信号が得ら
れる。
【0017】
【実施例】ふたたび図1を参照すると、この実施例にお
いては例えば増幅器Aには高利得の電流増幅器が用いら
れている。ここで上記電流I2を帰還電流、コイルL2
を帰還コイル、コイルL3を検出コイルとよぶことにす
ると、例えば検出コイルL3に発生する起電力Eが極め
て小さい場合でも増幅器Aはそれを十分大きな帰還電流
I2に変換して帰還コイルL2に供給する。これによ
り、1次側コイルL1の電流I1にて磁気コアMg内に
流れる磁束は、上記電流I2にて発生する逆方向の磁束
により瞬時に打ち消されてゼロフラックスの状態とな
る。
【0018】また、負帰還回路を構成する増幅器Aは上
記したように利得が高いので、コイルのターン数は比較
的少なくすることができる。そのため巻線の分布容量や
結合容量等は極めて小さく無視できる範囲となり、例え
ば電流I1がパルス状の方形波電流であっても帰還電流
I2は高速で追随し、サグ等を生じることなく、かつ電
流I1の波形に正確に対応したパルス状の方形波電流と
なる。
【0019】ここで、1次側コイルL1のターン数をN
1、磁気コアMgの磁気抵抗をRmとすると、電流I1
がコイルL1に流れたとき磁気コア内に流れる磁束Φ1
は Φ1=I1・N1/Rm である。また、帰還コイルL2のターン数をN2、帰還
電流I2が同コイルL2を流れたときの逆向きの磁束を
−Φ2とすると、上記と同様に −Φ2=I2・N2/Rm となる。ゼロフラックスの状態においては磁束Φ1とΦ
2は方向が反対で大きさは等しいから、その絶対値をと
ると |Φ1|=|−Φ2| より I2/I1=N1/N2 を得る。すなわち、1次側の入力電流I1に対する2次
側の出力電流(帰還電流)I2は、1次側コイルL1と
2次側コイル(帰還コイル)L2のターン数に逆比例し
理想トランスの動作と同一になる。したがって、ターン
数を少なくしても低周波数帯域で2次側電流が落ち込む
ようなことはない。
【0020】図2には、この考案を交流電圧信号の絶縁
増幅器に応用した一例が示されている。装置の入力端子
1に加わった交流電圧信号は、電圧/電流変換器2にて
交流電流信号I1に変換される。第1のスイッチ回路3
は内部のスイッチをオン、オフして電流信号I1を点P
1又はQ1の箇所から交互に出力し、前記本願考案に係
るパルストランス4の1次側コイルL1へ実線矢印方向
又は点線矢印方向に流すようにする。
【0021】パルストランス4においては、コイルL1
に流れる電流I1にて磁気コアMg内に交番磁束が流
れ、検出コイルL3に誘導起電力が発生する。増幅器A
はこの誘導起電力を電流I2に変換、増幅し、第2のス
イッチ回路5に加える。同スイッチ回路5は上記第1の
スイッチ回路3と同期してオン、オフするスイッチを備
え、入力電流I2を点P2又は点Q2の箇所から帰還コ
イルL2へ送出し、同コイル内の電流方向を上記コイル
L1内の電流と逆方向にする。これにより磁気コア内の
磁束が打ち消されてゼロフラックスの状態となる。
【0022】このゼロフラックス状態を維持する電流I
2は電流/電圧変換器6にて電圧に変換され、出力端子
7からは入力端子1に加わった電圧信号と相似の波形を
有する電圧信号が得られる。なお、発振器8はスイッチ
駆動用の原信号を発生し、スイッチ駆動回路9は発振器
8の出力を受けてスイッチ回路3の各スイッチを駆動す
る2つの信号V1,V2を形成する。また、スイッチ駆
動回路11はトランス10を介して発振器8の出力を受
け、上記V1,V2と同じ信号を形成してスイッチ回路
5の各スイッチを駆動するようになっている。
【0023】次に、図2のタイミングチャートを併せて
参照しながらこの絶縁増幅器の動作の大要を説明する。
なお、図1中の符号(イ)〜(チ)は、このタイミング
チャートの信号波形が発生する箇所を示している。
【0024】装置の入力端子1に加わった図示しない交
流電圧信号は、電圧/電流変換器2にて同電圧信号と相
似の波形を有する電流信号(イ)に変換され、スイッチ
回路3に加えられる。
【0025】発振器8はスイッチ回路3及び5を駆動す
るための原信号として例えばsin波形の信号(ロ)を
発し、スイッチ駆動回路9に加えるとともにトランス1
0を介してスイッチ駆動回路11に加える。同スイッチ
駆動回路9,11はそれぞれこの入力信号を例えば方形
波に波形整形して(ハ)に示す一方の駆動信号V1を形
成し、また同信号V1を反転して(ニ)に示す他方の駆
動信号V2を形成する。この応用実施例においては、上
記一方の駆動信号V1は例えばスイッチ回路3,5のス
イッチa,cとスイッチe,gに加えられ、他の駆動信
号V2はスイッチb,dとスイッチf,hに加えられよ
うになっている。よって、例えばスイッチa,cとe,
gは同図3の(ホ)に示すようにオン、オフ動作し、ス
イッチb,dとf,hは同図3の(ヘ)に示すように半
周期ずれてオン、オフ動作する。
【0026】ここで図2のスイッチ回路3,5において
は、スイッチa,cとe,gがオンになっているから図
3の(ホ)の動作を表している。この状態で電圧/電流
変換器2からスイッチ回路3へ上記図3(イ)に示す電
流信号I1が加わると、同電流信号I1はスイッチaを
通り点P1を経て1次側コイルL1を実線矢印方向に流
れ、点Q1からスイッチcを通って1次側の共通配線C
OM1に流れ込む。この電流I1の流れる状態を例えば
図3の(ト)にで示す。
【0027】次に、スイッチ動作が図3の(ヘ)に示す
ように切り替わってスイッチb,dとf,gがオンにな
ると、同図3(イ)の電流I1はスイッチdを通り点Q
1を経て1次側コイルL1を点線矢印方向に流れ、点P
1からスイッチbを通って共通配線COM1に流れ込
む。この電流I1の流れる状態を例えば上記図3(ト)
にで示す。以下、上記2つの電流の流れる状態を,
,,,…と交互に繰り返す。
【0028】パルストランス4においては、前記したよ
うに1次側コイルL1に流れる電流I1にて発生する磁
束を打ち消す帰還電流I2が、同期してオン、オフする
スイッチe,g又はf,hを通って2次側コイルL2を
電流I1と逆方向に流れ、磁気コアMg内を強制的にゼ
ロフラックス状態にする。すなわち、例えば電流I1の
流れが実線矢印方向ならば電流I2は逆方向の実線矢印
方向に流れ、電流I1の流れが点線矢印方向へ反転すれ
ば電流I2も逆向きの点線矢印方向へ反転する。
【0029】ここで、帰還電流I2と1次側電流I1と
の大きさの関係は、前記したように帰還コイルL2と1
次側コイルL1のターン数に逆比例するが、例えば2つ
のコイルのターン数を等しくするとI2=I1となる。
この場合には、図3の(ト)に示す1次側電流I1はコ
イルL2に流れる帰還電流I2をも表していることにな
る。この電流I2はコイルL2内では流れる方向が交互
に反転する断続波形であるが、スイッチ回路5の出力端
子側では合流して図3の(チ)に示すように増幅器Aの
出力端子側と同じ連続波形の電流信号となる。この電流
信号I2を電流/電圧変換器6にて電圧信号に変換する
と、入力端子1に加わった交流電圧信号と同じ波形の信
号が得られる。なお、上記の応用実施例によると、スイ
ッチ回路の駆動信号周波数は装置に入力する交流電圧信
号の周波数と無関係に任意に設定することができる。
【0030】
【効果】以上説明したように、この考案においては磁気
コアMgに互いに絶縁して巻かれた1次側コイルL1
と、2次側コイルL2,L3を有し、1次側コイルL1
には交流電流信号が加えられるようになっている。ま
た、コイルL2とL3間には増幅器Aが設けられ、コイ
ルL3と装置2次側の共通配線COM間には負荷抵抗R
が接続されている。ここで、コイルL3は磁気コア内を
流れる交番磁束によって誘導起電力を発生する磁束検出
用のコイルであり、増幅器AはコイルL3に発生した誘
導起電力を電流に変換して増幅し、コイルL2に加える
ようになっている。コイルL2は増幅器Aから流入する
電流により上記コイルL1に流れる電流にて発生する交
番磁束に対して逆向きの磁束を発生させて打ち消すよう
にする帰還コイルであり、上記増幅器Aと帰還コイルL
2及び負荷抵抗Rとで電流負帰還路が形成されている。
【0031】これにより磁気コア内はゼロフラックスの
状態にされ、このゼロフラックス状態を維持する増幅器
Aの出力電流にて負荷抵抗Rに発生する電圧が上記コイ
ルL1に加わる交流電流信号に対応した交流電圧信号と
なる。ここで、上記負荷抵抗Rは例えば図示しない次段
回路の入力抵抗であってもよい。
【0032】したがってこの考案によると、上記電流負
帰還路に設けられた増幅器Aの利得が高いので各コイル
のターン数は比較的少なくてよく、その分布容量などは
無視できる。そのため入力電流信号がパルス状の波形で
あっても高速でかつ正確に追随した出力電圧信号が得ら
れる。また、上記のように電流負帰還によるゼロフラッ
クスの状態で動作するから、一般トランスのように電磁
誘導のみで動作する場合のレベル−周波数特性は原理上
存在しなくなり、1次側コイルL1に流れる交流入力電
流の周波数が比較的低くても出力電圧が落ち込むような
ことは無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る絶縁形パルストランスの構成を
示す回路図。
【図2】この考案を交流信号の絶縁増幅器に応用した実
施例の回路図。
【図3】上記図2の応用実施例における動作説明用のタ
イミング図。
【図4】従来の絶縁形パルストランスの回路図。
【図5】従来の絶縁形パルストランスにおける動作説明
用波形図。
【図6】従来の絶縁形パルストランスにおけるレベル−
周波数特性説明図。
【符号の説明】
A 増幅器 COM 共通配線(接地電位) E 誘導起電力 G 交流電流信号源 I1 交流入力電流 I2 交流出力電流 (帰還電流) L1 1次側コイル L2 帰還コイル L3 検出コイル Mg 磁気コア R 負荷抵抗 T トランス

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気コア(Mg)に互いに絶縁して巻か
    れた1次側コイル(L1)と2次側コイル(L2)とを
    備え、上記1次側コイル(L1)にパルス状交流電流信
    号を流して同電流信号と相似の波形を有するパルス状交
    流電圧信号を上記2次側コイル(L2)から取り出す絶
    縁形のパルストランスにおいて、当該 トランスの2次側には上記2次側コイル(L2)の
    ほかに、上記1次側コイル(L1)に加えた交流電流信
    号(I1)により流れる磁気コア(Mg)内の交番磁束
    を検出する検出コイル(L3)が設けられているととも
    に、上記検出コイル(L3)には、上記交番磁束により
    同検出コイル(L3)に発生する誘導起電力(E)を交
    流電流(I2)に変換して増幅する増幅器(A)が接続
    されており、 上記2次側コイル(L2)は帰還コイルとして、その一
    端が上記増幅器(A)の出力端子に接続され、かつ、同
    2次側コイル(L2)の他端と接地電位(COM)との
    間には負荷抵抗(R)が接続され、 上記増幅器(A)の出力電流(I2)を上記帰還コイル
    としての上記2次側コイル(L2)に流すことにより
    上記磁気コア(Mg)内の磁束を打ち消してゼロフラッ
    クス状態となす電流負帰還路を備えていることを特徴と
    する絶縁形パルストランス。
  2. 【請求項2】 上記増幅器(A)の出力電流(I2)
    上記電流帰還路を構成する上記2次側コイル(L
    2)を経て上記負荷抵抗(R)に流れたとき負荷
    抗(R)に発生するパルス状の交流電圧を上記1次側コ
    イル(L)に加えられた交流電流信号(I1)の応答
    出力として取り出す請求項1に記載の絶縁形パルストラ
    ンス。
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