JPH0585017U - 絶縁形パルストランス - Google Patents

絶縁形パルストランス

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JPH0585017U JP3237592U JP3237592U JPH0585017U JP H0585017 U JPH0585017 U JP H0585017U JP 3237592 U JP3237592 U JP 3237592U JP 3237592 U JP3237592 U JP 3237592U JP H0585017 U JPH0585017 U JP H0585017U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トランスの1次側にパルス状の交流電流信号
を加え、その2次側から上記電流信号に追随した相似波
形の交流電圧信号を得る絶縁形パルストランスを提供す
ること。 【構成】 トランスの磁気コア内に流れる交番磁束を検
出する検出コイル、上記交番磁束にて検出コイルに発生
した誘導起電力を電流に変換し増幅する増幅器、同増幅
器の出力電流を流して上記交番磁束を打ち消す逆向きの
磁束を発生させる帰還コイル等を備えた電流負帰還路を
トランスの2次側に設けてゼロフラックス法の動作をす
るトランスを構成し、上記帰還コイルに流れる電流を抵
抗に加えて電圧に変換することにより入力電流信号と相
似の波形を有する出力電圧信号を得る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は絶縁形のパルストランスに係り、更に詳しくいえば、磁気コア等に 互いに絶縁して巻かれた1次コイルと2次コイルを備え、1次コイルに加えられ た連続するパルス状電流信号を2次コイルに伝達する絶縁形パルストランスに関 するものである。
【0002】
【従来例】
図4の(A)に従来の絶縁形パルストランスの一般的な例が示されているが、 例えばトランスTの1次側コイルL1には信号源Gを接続し、2次側コイルL2 には負荷抵抗Rを接続する。この状態で信号源Gから1次側コイルL1へパルス 状の電流信号I1を流すと、相互誘導作用により2次側コイルL2に起電力Eが 発生し、同コイルL2と負荷抵抗Rからなる閉回路には上記I1と相似のパルス 状電流信号I2が流れる。これにより負荷抵抗Rに電圧降下が生じ、上記電流信 号I2は抵抗Rにて電圧信号に変換され、図示しない後段の装置などに送られて 利用されるようになっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記図4の(A)において、1次側コイルL1の電流I1により2次側コイル L2に発生する誘導起電力Eの大きさ(絶対値)は、電流I1の角周波数をω、 コイルL1とL2間の相互インダクタンスをMとすると E=ωMI1 …………(1) である。ここで、電流I1の基本周波数をfとするとω=2πfである。また、 コイルの符号L1、L2は便宜上それぞれの自己インダクタンス値を表すものと すると、 M=k(L1・L2)1/2 である。ただし、kはコイルL1とL2間の洩れ磁束に関する定数で結合係数と 称され、その値は0≦k≦1の範囲にある。磁気コアを使用しているトランスで は洩れ磁束が極めて小さいので無視し、一般にはk=1としている。よって M=(L1・L2)1/2 とおくと、誘導起電力Eは E=ω(L1・L2)1/2・I1 となる。ここで、コイルL2と負荷抵抗Rを含む2次側閉回路の等価インピーダ ンスをZとすると、上記誘導起電力Eによりこの閉回路に流れる電流I2の大き さは I2=E/Z =ω(L1・L2)1/2・I1/Z …………(2) となる。
【0004】 1次側電流I1に対する2次側の応答電流I2はより大きい方が望ましいので あるが、1次側電流I1は一定の大きさのパルス上電流であるから、2次側電流 I2を大きくするためには式(1)を参照すると相互インダクタンスMを大きく して起電力Eを増大させる必要がある。そのためには式(2)を参照すると、1 次側コイルL1又は2次側コイルL2もしくは双方のコイルのターン数を大きく して各コイルのインダクタンスを増大させることが考えられる。
【0005】 ところで図4の(B)に示すように、トランスTの1次側コイルL1と2次側 コイルL2には本来の自己インダクタンスのほか多少の巻線抵抗R1、R2や巻 線の分布容量C1、C2があり、両コイル間には結合容量Cm等がある。一方、 1次側電流I1は図5の(A)に示すように各半周期時点0、π、2π、3π、 …において立ち上がりと立ち下がりを交互に繰り返し、立ち上がりから立ち下が りまでの間と立ち下がりから立ち上がりまでの間の半周期間は正又は負の一定直 流電流と見なされる。したがって1次側コイルL1にこのようなステップ状の直 流電流I1を流すと、巻線抵抗や分布容量及び結合容量等の大きさによっては2 次側電流I2に過渡現象が生じ、必ずしも正確には1次側電流I1に追随しない ことがある。
【0006】 例えばコイルL1、L2のターン数が比較的少なく巻線抵抗や巻線の分布容量 及び結合容量等が無視できる場合は、2次側閉回路におけるコイルL1、L2の 等価インダクタンスをLとすると、上記図5(A)の1次側電流I1に対する2 次側電流I2の応答波形はほぼ等価インダクタンスLと負荷抵抗Rによる時定数 (L/R)に依存する。この場合、上記時定数が1次側電流I1の繰り返し周期 より十分小さくなるように負荷抵抗Rを設定すれば、2次側電流I2は同図5の (B)に示すように1次側電流の立ち上がりや立ち下がりに追随した方形波信号 となる。
【0007】 しかしながら2次側電流I2を大きくするためコイルのターン数を多くすると 、コイルのインダクタンスの増加に伴って巻線抵抗、分布容量、結合容量等も増 大し無視できなくなる。このような場合は、例えば2つのコイルL1とL2の等 価インダクタンスをL、巻線の分布容量と結合容量の等価容量をC、巻線抵抗と 負荷抵抗の等価抵抗をRとすると、1次側電流I1に対する2次側電流I2の応 答波形は、それらの関数であるダンピング定数K K=ξ(L,C,R) の値に依存することが知られている。例えばK》1の場合は応答波形の乱れは比 較的少ないが、K=1の場合には同図5の(C)に示すように立ち上がりと立ち 下がりに時間がかかってゼロ点が相対的にずれるとともに、サグといわれるオー バシュートとアンダシュートが発生する。更にK<1の場合は同図5の(D)に 示すように、サグの部分に振動が発生して波形の乱れが大きくなる。このためコ イルのターン数を増加することは必ずしも好ましいことではない。
【0008】 上記は1次側電流I1の繰り返し周期を固定しその基本周波数を一定としたと き、すなわち式(1)又は式(2)のωを一定にしてコイルのターン数を増加さ せた場合における電流I2の波形変化例であるが、次に周波数を変化させた場合 における電流I2のレベル変化例を説明する。いま、1次側コイルL1にパルス 状の電流I1を流すと、磁気コア内には電流I1の繰り返し周期に同期した磁束 φが流れる。ここで、2次側コイルL2に発生する誘導起電力Eの大きさは単位 時間における磁束の変化の割合(dφ/dt)に比例するから、電流I1の繰り 返し周期が比較的長くその基本周波数が低い場合は起電力Eが小さくなり、繰り 返し周期が比較的短く基本周波数が高い場合は起電力Eが大きくなる。2次側電 流I2は起電力Eの大きさに比例するから、1次側電流の繰り返し周期の長短に 逆比例し、その基本周波数の高低に正比例する。例えば式(2)において、 ω=2πf (f:I1の基本周波数) =2π/t (t:I1の繰り返し周期) とおけば上記は容易に理解できる。
【0009】 ここで、例えばコイルのターン数が比較的少ないものとすると、図6のイに示 すように電流I1の繰り返し周期が長い低域周波数帯では2次側電流I2が小さ く、繰り返し周期が短くなるとそれに応じて電流I2は増大する。電流I1の繰 り返し周期が上記より短い中域周波数帯では、例えば2次側電流I2の増大とト ランスの損失増加が相殺しあってやや一定の大きさの電流となり、更に繰り返し 周期が短い高域周波数帯ではトランスの損失が比較的急激に大きくなるため電流 I2は逆に小さくなる。
【0010】 同図6のロは低域周波数帯の特性を改善するためコイルのターン数を増やした 例であるが、それに伴って巻線の分布容量や結合容量が増加し、その等価容量が 図示のよう例えば中域周波数帯でコイルの等価インダクスタンスと共振現象を起 こすことがある。この場合、その周波数より高い領域では一般に2次、3次等の 高次共振現象が存在するから不安定であり、パルストランスとして動作可能な周 波数範囲は最初の共振周波数より低い帯域に制限される。したがって、いずれに してもコイルのターン数を増やすことは望ましくない。
【0011】 この考案は上記の事情を考慮してなされたもので、その目的は、入力電流信号 の繰り返し周期の長短にかかわらず、コイルのターン数を特に増やさないで同電 流信号に追随した相似波形のパルス状電圧信号を送出するようにしたパルストラ ンスを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この考案に係るパルストランスの実施例が示されている図1を参照すると、上 記課題を解決するため下記との手段を備えている。
【0013】 例えばトランスTの2次側には、1次側コイルL1に加えた交流電流信号 I1により磁気コアMg内に流れる交番磁束を検出する検出コイルL3と、上記 交番磁束により同検出コイルL3に発生する誘導起電力Eを電流I2に変換して 増幅する増幅器Aが備えられている。
【0014】 また、例えば同トランスTの2次側には、上記増幅器Aの出力端子に一端 を接続して上記磁気コアMgに巻かれた帰還コイルL2、及び同帰還コイルL2 の他端と装置の共通配線COMとの間に接続された負荷抵抗Rとを含み、上記増 幅器Aの出力電流I2を同帰還コイルL2に流すことにより上記磁気コア内の磁 束を打ち消す逆向きの交番磁束を発生させる電流負帰還路が形成されている。
【0015】
【作用】
上記図1において、増幅器AからコイルL2に流れ込む電流I2が、コイルL 1に流れる電流I1に対して逆向きとなるように同コイルL2の一端と増幅器A の出力端子とを接続すると、増幅器AとコイルL2と負荷抵抗Rを通る電流路に 負帰還回路が形成される。
【0016】 したがって、コイルL3に誘導起電力Eが発生すると増幅器Aの出力電流I2 は、磁気コア内の磁束を打ち消して誘導起電力Eをゼロへ追い込むように電流I 1の大きさに追随して自動的に変化する。すなわち、この負帰還回路を含むトラ ンスTはいわゆるゼロフラックス法の動作をする。よって、上記電流I2を負荷 抵抗Rに流して電圧に変換すると、同抵抗の両端からは電流I1の波形に対応し た波形を有する電圧信号が得られる。
【0017】
【実施例】
ふたたび図1を参照すると、この実施例においては例えば増幅器Aには高利得 の電流増幅器が用いられている。ここで上記電流I2を帰還電流、コイルL2を 帰還コイル、コイルL3を検出コイルとよぶことにすると、例えば検出コイルL 3に発生する起電力Eが極めて小さい場合でも増幅器Aはそれを十分大きな帰還 電流I2に変換して帰還コイルL2に供給する。これにより、1次側コイルL1 の電流I1にて磁気コアMg内に流れる磁束は、上記電流I2にて発生する逆方 向の磁束により瞬時に打ち消されてゼロフラックスの状態となる。
【0018】 また、負帰還回路を構成する増幅器Aは上記したように利得が高いので、コイ ルのターン数は比較的少なくすることができる。そのため巻線の分布容量や結合 容量等は極めて小さく無視できる範囲となり、例えば電流I1がパルス状の方形 波電流であっても帰還電流I2は高速で追随し、サグ等を生じることなく、かつ 電流I1の波形に正確に対応したパルス状の方形波電流となる。
【0019】 ここで、1次側コイルL1のターン数をN1、磁気コアMgの磁気抵抗をRm とすると、電流I1がコイルL1に流れたとき磁気コア内に流れる磁束Φ1は Φ1=I1・N1/Rm である。また、帰還コイルL2のターン数をN2、帰還電流I2が同コイルL2 を流れたときの逆向きの磁束を−Φ2とすると、上記と同様に −Φ2=I2・N2/Rm となる。ゼロフラックスの状態においては磁束Φ1とΦ2は方向が反対で大きさ は等しいから、その絶対値をとると |Φ1|=|−Φ2| より I2/I1=N1/N2 を得る。すなわち、1次側の入力電流I1に対する2次側の出力電流(帰還電流 )I2は、1次側コイルL1と2次側コイル(帰還コイル)L2のターン数に逆 比例し理想トランスの動作と同一になる。したがって、ターン数を少なくしても 低周波数帯域で2次側電流が落ち込むようなことはない。
【0020】 図2には、この考案を交流電圧信号の絶縁増幅器に応用した一例が示されてい る。装置の入力端子1に加わった交流電圧信号は、電圧/電流変換器2にて交流 電流信号I1に変換される。第1のスイッチ回路3は内部のスイッチをオン、オ フして電流信号I1を点P1又はQ1の箇所から交互に出力し、前記本願考案に 係るパルストランス4の1次側コイルL1へ実線矢印方向又は点線矢印方向に流 すようにする。
【0021】 パルストランス4においては、コイルL1に流れる電流I1にて磁気コアMg 内に交番磁束が流れ、検出コイルL3に誘導起電力が発生する。増幅器Aはこの 誘導起電力を電流I2に変換、増幅し、第2のスイッチ回路5に加える。同スイ ッチ回路5は上記第1のスイッチ回路3と同期してオン、オフするスイッチを備 え、入力電流I2を点P2又は点Q2の箇所から帰還コイルL2へ送出し、同コ イル内の電流方向を上記コイルL1内の電流と逆方向にする。これにより磁気コ ア内の磁束が打ち消されてゼロフラックスの状態となる。
【0022】 このゼロフラックス状態を維持する電流I2は電流/電圧変換器6にて電圧に 変換され、出力端子7からは入力端子1に加わった電圧信号と相似の波形を有す る電圧信号が得られる。なお、発振器8はスイッチ駆動用の原信号を発生し、ス イッチ駆動回路9は発振器8の出力を受けてスイッチ回路3の各スイッチを駆動 する2つの信号V1,V2を形成する。また、スイッチ駆動回路11はトランス 10を介して発振器8の出力を受け、上記V1,V2と同じ信号を形成してスイ ッチ回路5の各スイッチを駆動するようになっている。
【0023】 次に、図2のタイミングチャートを併せて参照しながらこの絶縁増幅器の動作 の大要を説明する。なお、図1中の符号(イ)〜(チ)は、このタイミングチャ ートの信号波形が発生する箇所を示している。
【0024】 装置の入力端子1に加わった図示しない交流電圧信号は、電圧/電流変換器2 にて同電圧信号と相似の波形を有する電流信号(イ)に変換され、スイッチ回路 3に加えられる。
【0025】 発振器8はスイッチ回路3及び5を駆動するための原信号として例えばsin 波形の信号(ロ)を発し、スイッチ駆動回路9に加えるとともにトランス10を 介してスイッチ駆動回路11に加える。同スイッチ駆動回路9,11はそれぞれ この入力信号を例えば方形波に波形整形して(ハ)に示す一方の駆動信号V1を 形成し、また同信号V1を反転して(ニ)に示す他方の駆動信号V2を形成する 。この応用実施例においては、上記一方の駆動信号V1は例えばスイッチ回路3 ,5のスイッチa,cとスイッチe,gに加えられ、他の駆動信号V2はスイッ チb,dとスイッチf,hに加えられようになっている。よって、例えばスイッ チa,cとe,gは同図3の(ホ)に示すようにオン、オフ動作し、スイッチb ,dとf,hは同図3の(ヘ)に示すように半周期ずれてオン、オフ動作する。
【0026】 ここで図2のスイッチ回路3,5においては、スイッチa,cとe,gがオン になっているから図3の(ホ)の動作を表している。この状態で電圧/電流変換 器2からスイッチ回路3へ上記図3(イ)に示す電流信号I1が加わると、同電 流信号I1はスイッチaを通り点P1を経て1次側コイルL1を実線矢印方向に 流れ、点Q1からスイッチcを通って1次側の共通配線COM1に流れ込む。こ の電流I1の流れる状態を例えば図3の(ト)にで示す。
【0027】 次に、スイッチ動作が図3の(ヘ)に示すように切り替わってスイッチb,d とf,gがオンになると、同図3(イ)の電流I1はスイッチdを通り点Q1を 経て1次側コイルL1を点線矢印方向に流れ、点P1からスイッチbを通って共 通配線COM1に流れ込む。この電流I1の流れる状態を例えば上記図3(ト) にで示す。以下、上記2つの電流の流れる状態を,,,,…と交互に 繰り返す。
【0028】 パルストランス4においては、前記したように1次側コイルL1に流れる電流 I1にて発生する磁束を打ち消す帰還電流I2が、同期してオン、オフするスイ ッチe,g又はf,hを通って2次側コイルL2を電流I1と逆方向に流れ、磁 気コアMg内を強制的にゼロフラックス状態にする。すなわち、例えば電流I1 の流れが実線矢印方向ならば電流I2は逆方向の実線矢印方向に流れ、電流I1 の流れが点線矢印方向へ反転すれば電流I2も逆向きの点線矢印方向へ反転する 。
【0029】 ここで、帰還電流I2と1次側電流I1との大きさの関係は、前記したように 帰還コイルL2と1次側コイルL1のターン数に逆比例するが、例えば2つのコ イルのターン数を等しくするとI2=I1となる。この場合には、図3の(ト) に示す1次側電流I1はコイルL2に流れる帰還電流I2をも表していることに なる。この電流I2はコイルL2内では流れる方向が交互に反転する断続波形で あるが、スイッチ回路5の出力端子側では合流して図3の(チ)に示すように増 幅器Aの出力端子側と同じ連続波形の電流信号となる。この電流信号I2を電流 /電圧変換器6にて電圧信号に変換すると、入力端子1に加わった交流電圧信号 と同じ波形の信号が得られる。なお、上記の応用実施例によると、スイッチ回路 の駆動信号周波数は装置に入力する交流電圧信号の周波数と無関係に任意に設定 することができる。
【0030】
【効果】
以上説明したように、この考案においては磁気コアMgに互いに絶縁して巻か れた1次側コイルL1と、2次側コイルL2,L3を有し、1次側コイルL1に は交流電流信号が加えられるようになっている。また、コイルL2とL3間には 増幅器Aが設けられ、コイルL3と装置2次側の共通配線COM間には負荷抵抗 Rが接続されている。ここで、コイルL3は磁気コア内を流れる交番磁束によっ て誘導起電力を発生する磁束検出用のコイルであり、増幅器AはコイルL3に発 生した誘導起電力を電流に変換して増幅し、コイルL2に加えるようになってい る。コイルL2は増幅器Aから流入する電流により上記コイルL1に流れる電流 にて発生する交番磁束に対して逆向きの磁束を発生させて打ち消すようにする帰 還コイルであり、上記増幅器Aと帰還コイルL2及び負荷抵抗Rとで電流負帰還 路が形成されている。
【0031】 これにより磁気コア内はゼロフラックスの状態にされ、このゼロフラックス状 態を維持する増幅器Aの出力電流にて負荷抵抗Rに発生する電圧が上記コイルL 1に加わる交流電流信号に対応した交流電圧信号となる。ここで、上記負荷抵抗 Rは例えば図示しない次段回路の入力抵抗であってもよい。
【0032】 したがってこの考案によると、上記電流負帰還路に設けられた増幅器Aの利得 が高いので各コイルのターン数は比較的少なくてよく、その分布容量などは無視 できる。そのため入力電流信号がパルス状の波形であっても高速でかつ正確に追 随した出力電圧信号が得られる。また、上記のように電流負帰還によるゼロフラ ックスの状態で動作するから、一般トランスのように電磁誘導のみで動作する場 合のレベル−周波数特性は原理上存在しなくなり、1次側コイルL1に流れる交 流入力電流の周波数が比較的低くても出力電圧が落ち込むようなことは無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る絶縁形パルストランスの構成を
示す回路図。
【図2】この考案を交流信号の絶縁増幅器に応用した実
施例の回路図。
【図3】上記図2の応用実施例における動作説明用のタ
イミング図。
【図4】従来の絶縁形パルストランスの回路図。
【図5】従来の絶縁形パルストランスにおける動作説明
用波形図。
【図6】従来の絶縁形パルストランスにおけるレベル−
周波数特性説明図。
【符号の説明】
A 増幅器 COM 共通配線(接地電位) E 誘導起電力 G 交流電流信号源 I1 交流入力電流 I2 交流出力電流 (帰還電流) L1 1次側コイル L2 帰還コイル L3 検出コイル Mg 磁気コア R 負荷抵抗 T トランス

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気コアに互いに絶縁して巻かれた1次
    側コイルと2次側コイルを備え、上記1次側コイルにパ
    ルス状交流電流信号を流して同電流信号と相似の波形を
    有するパルス状交流電圧信号を上記2次側コイルから取
    り出す絶縁形のパルストランスにおいて、 上記トランス(T)の2次側には、上記1次側コイル
    (L1)に加えた交流電流信号(I1)により流れる磁
    気コア(Mg)内の交番磁束を検出する検出コイル(L
    3)と、 上記交番磁束により発生する検出コイル(L3)の誘導
    起電力(E)を交流電流(I2)に変換して増幅する増
    幅器(A)と、 同増幅器(A)の出力端子に一端を接続して上記磁気コ
    ア(Mg)に巻かれた帰還コイル(L2)、及び同帰還
    コイル(L2)の他端と接地電位(COM)間に接続さ
    れた負荷抵抗(R)とを含み、上記増幅器(A)の出力
    電流(I2)を上記帰還コイル(L2)に流すことによ
    り上記磁気コア(Mg)内の磁束を打ち消してゼロフラ
    ックス状態となす電流負帰還路とが設けられていること
    を特徴とする絶縁形パルストランス。
  2. 【請求項2】 上記増幅器(A)の出力電流(I2)が
    上記電流帰還路の帰還コイル(L2)を経て負荷抵抗
    (R)に流れたとき同抵抗(R)に発生するパルス状の
    交流電圧を上記1次側コイル(L2)に加えられた交流
    電流信号(I1)の応答出力として取り出す請求項1に
    記載の絶縁形パルストランス。
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