JP2578914Y2 - 動力伝達装置 - Google Patents
動力伝達装置Info
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- JP2578914Y2 JP2578914Y2 JP1992068091U JP6809192U JP2578914Y2 JP 2578914 Y2 JP2578914 Y2 JP 2578914Y2 JP 1992068091 U JP1992068091 U JP 1992068091U JP 6809192 U JP6809192 U JP 6809192U JP 2578914 Y2 JP2578914 Y2 JP 2578914Y2
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- Japan
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- cylindrical member
- drum
- coil spring
- casing
- input shaft
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- Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば自動車のステア
リング系等に用いられ、入力軸から出力軸へのトルクの
伝達は許容するが出力軸から入力軸へのトルクの伝達は
阻止する動力伝達装置に関する。
リング系等に用いられ、入力軸から出力軸へのトルクの
伝達は許容するが出力軸から入力軸へのトルクの伝達は
阻止する動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、前後輪操舵車の後輪操舵装置に
あっては、入力軸と出力軸の間に動力伝達装置が介装さ
れ、路面の凹凸や車両旋回時のコーナリングフォース等
によってタイヤから入力された荷重がモータ等の駆動装
置に伝達されるのをこの動力伝達装置の機能によって阻
止するようになっている。
あっては、入力軸と出力軸の間に動力伝達装置が介装さ
れ、路面の凹凸や車両旋回時のコーナリングフォース等
によってタイヤから入力された荷重がモータ等の駆動装
置に伝達されるのをこの動力伝達装置の機能によって阻
止するようになっている。
【0003】このような動力伝達装置として、本願出願
人が先に考案し、特願平4−9587号として出願した
ものがある。以下、この動力伝達装置を図3によって説
明する。
人が先に考案し、特願平4−9587号として出願した
ものがある。以下、この動力伝達装置を図3によって説
明する。
【0004】ケーシング3には、入力軸1と出力軸2が
同軸にかつ回転可能に収容されており、入力軸1側の端
部には太陽歯車4が、出力軸2側の端部には第1ドラム
5が夫々一体に設けられている。
同軸にかつ回転可能に収容されており、入力軸1側の端
部には太陽歯車4が、出力軸2側の端部には第1ドラム
5が夫々一体に設けられている。
【0005】ケーシング3内の太陽歯車4を間に挟む位
置第1ドラム5の対向位置には第2ドラム10が配設さ
れ、第1ドラム5と第2ドラム10が複数の連結軸9に
よって一体にかつ同軸になるように結合されている。そ
して、両ドラム5、10を結合する各連結軸9には前記
太陽歯車4に噛合する遊星歯車6が回転可能に支持さ
れ、さらに遊星歯車6には、円筒部材7に一体に設けら
れた内歯歯車8が噛合されている。また、ケーシング3
の両端部壁には環状溝11、12が形成されていて、こ
れらの環状溝11、12の内側周壁に夫々第1コイルス
プリング13と第2コイルスプリング14の各一端部が
巻き付けられている。第1、第2コイルスプリング1
3、14は、環状溝11、12から第1、第2ドラム
5、10に夫々跨って設けられていて、常態で、各一端
部が環状溝11、12の内側周壁に、他端部が円筒部材
7の内側周壁に、中間部が第1、第2ドラム5、10の
外周壁に夫々摩擦接触するようになっている。そして、
第1、第2コイルスプリング13、14は共に同じ方向
に巻かれていて(以下では、両者が手前から前方に向か
って共に左方向に巻かれているものとして説明す
る。)、円筒部材7が回動すると、その回動方向に応じ
て両者のいずれか一方が拡径されるようになっている。
尚、図中15は円筒部材7の回転をガイドするドライベ
アリングである。
置第1ドラム5の対向位置には第2ドラム10が配設さ
れ、第1ドラム5と第2ドラム10が複数の連結軸9に
よって一体にかつ同軸になるように結合されている。そ
して、両ドラム5、10を結合する各連結軸9には前記
太陽歯車4に噛合する遊星歯車6が回転可能に支持さ
れ、さらに遊星歯車6には、円筒部材7に一体に設けら
れた内歯歯車8が噛合されている。また、ケーシング3
の両端部壁には環状溝11、12が形成されていて、こ
れらの環状溝11、12の内側周壁に夫々第1コイルス
プリング13と第2コイルスプリング14の各一端部が
巻き付けられている。第1、第2コイルスプリング1
3、14は、環状溝11、12から第1、第2ドラム
5、10に夫々跨って設けられていて、常態で、各一端
部が環状溝11、12の内側周壁に、他端部が円筒部材
7の内側周壁に、中間部が第1、第2ドラム5、10の
外周壁に夫々摩擦接触するようになっている。そして、
第1、第2コイルスプリング13、14は共に同じ方向
に巻かれていて(以下では、両者が手前から前方に向か
って共に左方向に巻かれているものとして説明す
る。)、円筒部材7が回動すると、その回動方向に応じ
て両者のいずれか一方が拡径されるようになっている。
尚、図中15は円筒部材7の回転をガイドするドライベ
アリングである。
【0006】この動力伝達装置は以上のような構成であ
るため、入力軸1側からトルクが入力された場合と、出
力軸2側からトルクが入力された場合とで次のようにな
る。尚、以下の説明では、各構成部材の回転方向は、図
中矢印F方向から見ての回転方向とする。
るため、入力軸1側からトルクが入力された場合と、出
力軸2側からトルクが入力された場合とで次のようにな
る。尚、以下の説明では、各構成部材の回転方向は、図
中矢印F方向から見ての回転方向とする。
【0007】入力軸1側に外部から右回転方向のトルク
が入力された場合には、当初、第1コイルスプリング1
3がその巻き付きによって第1ドラム5の右方向の回転
をロックした状態となっているが、太陽歯車4の回転に
伴って遊星歯車6が自転すると、それに噛合された円筒
部材7が左方向に回動して第1コイルスプリング13を
拡径するため、第1ドラム5のロックは速やかに解除さ
れる。この結果、遊星歯車6が公転し、入力軸1に入力
されたトルクは第1、第2ドラム5、10を介して出力
軸2に伝達されるようになる。また、入力軸1に左回転
方向のトルクが入力された場合には、上記と同様に遊星
歯車6の自転によって円筒部材7が右方向に回動し、こ
の回動によって第2コイルスプリング14が拡径されて
第2ドラム10のロックが解除され、出力軸2にトルク
が伝達されるようになる。
が入力された場合には、当初、第1コイルスプリング1
3がその巻き付きによって第1ドラム5の右方向の回転
をロックした状態となっているが、太陽歯車4の回転に
伴って遊星歯車6が自転すると、それに噛合された円筒
部材7が左方向に回動して第1コイルスプリング13を
拡径するため、第1ドラム5のロックは速やかに解除さ
れる。この結果、遊星歯車6が公転し、入力軸1に入力
されたトルクは第1、第2ドラム5、10を介して出力
軸2に伝達されるようになる。また、入力軸1に左回転
方向のトルクが入力された場合には、上記と同様に遊星
歯車6の自転によって円筒部材7が右方向に回動し、こ
の回動によって第2コイルスプリング14が拡径されて
第2ドラム10のロックが解除され、出力軸2にトルク
が伝達されるようになる。
【0008】これに対し、出力軸2側に外部からトルク
が入力された場合には、円筒部材7に第1コイルスプリ
ング13や第2コイルスプリング14を拡径する力が作
用しないため、第1、第2ドラム5、10は第1コイル
スプリング13、或は、第2コイルスプリング14によ
って回転をロックされたままの状態となる。このため、
入力軸1にはトルクが伝達されない。
が入力された場合には、円筒部材7に第1コイルスプリ
ング13や第2コイルスプリング14を拡径する力が作
用しないため、第1、第2ドラム5、10は第1コイル
スプリング13、或は、第2コイルスプリング14によ
って回転をロックされたままの状態となる。このため、
入力軸1にはトルクが伝達されない。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
動力伝達装置の場合、円筒部材7から第1、第2コイル
スプリング13、14への拡径力の伝達は各部材間の接
触摩擦によって行っているため、例えば、入力軸1の回
転の変化等によって円筒部材7の回動方向が左方向から
右方向に連続的に変化した場合に、第1コイルスプリン
グ13が第1ドラム5に巻き戻る前に、円筒部材7と第
2コイルスプリング14の間の接触摩擦によって第2コ
イルスプリング14が拡径されてしまう。このため、こ
のとき入力軸1に対するトルクの入力が解除されると、
第1コイルスプリング13のばね力と第2コイルスプリ
ング14のばね力が共に円筒部材7に作用し、両者のば
ね力が円筒部材7を介して釣り合ったところで第1、第
2コイルスプリング13、14が両ドラム5、10に完
全に巻き戻らなくなり、それ以後出力軸2側に入力され
たトルクに対する遮断性能が低下するという不具合を生
じる。
動力伝達装置の場合、円筒部材7から第1、第2コイル
スプリング13、14への拡径力の伝達は各部材間の接
触摩擦によって行っているため、例えば、入力軸1の回
転の変化等によって円筒部材7の回動方向が左方向から
右方向に連続的に変化した場合に、第1コイルスプリン
グ13が第1ドラム5に巻き戻る前に、円筒部材7と第
2コイルスプリング14の間の接触摩擦によって第2コ
イルスプリング14が拡径されてしまう。このため、こ
のとき入力軸1に対するトルクの入力が解除されると、
第1コイルスプリング13のばね力と第2コイルスプリ
ング14のばね力が共に円筒部材7に作用し、両者のば
ね力が円筒部材7を介して釣り合ったところで第1、第
2コイルスプリング13、14が両ドラム5、10に完
全に巻き戻らなくなり、それ以後出力軸2側に入力され
たトルクに対する遮断性能が低下するという不具合を生
じる。
【0010】そこで本考案は、円筒部材の回動方向が連
続的に変化しても一方のコイルスプリングが完全に初期
状態に戻るまで他方のコイルスプリングが拡径されない
ようにして、出力軸側に入力されたトルクに対する遮断
性能を常時安定して保つことが出来る動力伝達装置を提
供しようとするものである。
続的に変化しても一方のコイルスプリングが完全に初期
状態に戻るまで他方のコイルスプリングが拡径されない
ようにして、出力軸側に入力されたトルクに対する遮断
性能を常時安定して保つことが出来る動力伝達装置を提
供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案は上述した課題を
解決するための手段として、ケーシングによって同軸に
かつ回転可能に支持される入力軸と出力軸と、入力軸に
一体に設けられた太陽歯車と、出力軸に一体に設けられ
た第1ドラムと、前記太陽歯車を間に挟む第1ドラムの
対向位置に設けられ、複数の連結軸によって第1ドラム
と同軸に結合された第2ドラムと、前記各連結軸に支持
されて太陽歯車と噛合する遊星歯車と、この遊星歯車と
噛合する内歯歯車を有する円筒部材と、常態で前記ケー
シングと第1ドラムとに巻き付き、前記円筒部材の一方
向の回動によって拡径される第1コイルスプリングと、
この第1コイルスプリングと巻き方向が同じであって、
常態で前記ケーシングと第2ドラムとに巻き付き、前記
円筒部材の他方向の回動によって拡径される第2コイル
スプリングとを備えた動力伝達装置において、前記第
1、第2コイルスプリングの各一端部をケーシングに係
止させる一方で、前記円筒部材の内周面に、円筒部材の
設定回動時に前記第1、第2コイルスプリングの各他端
部を係止するストッパを設けるようにした。
解決するための手段として、ケーシングによって同軸に
かつ回転可能に支持される入力軸と出力軸と、入力軸に
一体に設けられた太陽歯車と、出力軸に一体に設けられ
た第1ドラムと、前記太陽歯車を間に挟む第1ドラムの
対向位置に設けられ、複数の連結軸によって第1ドラム
と同軸に結合された第2ドラムと、前記各連結軸に支持
されて太陽歯車と噛合する遊星歯車と、この遊星歯車と
噛合する内歯歯車を有する円筒部材と、常態で前記ケー
シングと第1ドラムとに巻き付き、前記円筒部材の一方
向の回動によって拡径される第1コイルスプリングと、
この第1コイルスプリングと巻き方向が同じであって、
常態で前記ケーシングと第2ドラムとに巻き付き、前記
円筒部材の他方向の回動によって拡径される第2コイル
スプリングとを備えた動力伝達装置において、前記第
1、第2コイルスプリングの各一端部をケーシングに係
止させる一方で、前記円筒部材の内周面に、円筒部材の
設定回動時に前記第1、第2コイルスプリングの各他端
部を係止するストッパを設けるようにした。
【0012】
【作用】入力軸に所定方向のトルクが入力されて太陽歯
車が回転すると、遊星歯車が自転してこれに噛合した円
筒部材が回動する。こうして円筒部材が所定量回動する
と、一端部がケーシングに係止された第1、または、第
2コイルスプリングの他端部を円筒部材のストッパが係
止するようになり、それ以降の円筒部材の同方向の回動
によって第1、または、第2コイルスプリングが拡径さ
れることとなる。これにより、第1、第2ドラムの回転
が可能になって、出力部材にトルクが伝達されるように
なる。また、この状態から、トルクの解除、或は、逆方
向のトルクの入力等によって円筒部材が前記と逆方向に
回動すると、今まで拡径されていた側のコイルスプリン
グから円筒部材のストッパが離れ、両コイルスプリング
が第1、第2ドラムに巻き付くようになる。そして、入
力軸に逆方向のトルクが入力された場合であれば、さら
に円筒部材が同方向に所定量回動したところで、ストッ
パが他方のコイルスプリングの他端部を係止するように
なり、それ以降の円筒部材の回動によって他方のコイル
スプリングが拡径され、出力部材にトルクが伝達される
こととなる。
車が回転すると、遊星歯車が自転してこれに噛合した円
筒部材が回動する。こうして円筒部材が所定量回動する
と、一端部がケーシングに係止された第1、または、第
2コイルスプリングの他端部を円筒部材のストッパが係
止するようになり、それ以降の円筒部材の同方向の回動
によって第1、または、第2コイルスプリングが拡径さ
れることとなる。これにより、第1、第2ドラムの回転
が可能になって、出力部材にトルクが伝達されるように
なる。また、この状態から、トルクの解除、或は、逆方
向のトルクの入力等によって円筒部材が前記と逆方向に
回動すると、今まで拡径されていた側のコイルスプリン
グから円筒部材のストッパが離れ、両コイルスプリング
が第1、第2ドラムに巻き付くようになる。そして、入
力軸に逆方向のトルクが入力された場合であれば、さら
に円筒部材が同方向に所定量回動したところで、ストッ
パが他方のコイルスプリングの他端部を係止するように
なり、それ以降の円筒部材の回動によって他方のコイル
スプリングが拡径され、出力部材にトルクが伝達される
こととなる。
【0013】
【実施例】次に、本考案の一実施例を図1、図2に基づ
いて説明する。尚、図3に示した従来のものと同一部分
には同一符号を用いるものとする。
いて説明する。尚、図3に示した従来のものと同一部分
には同一符号を用いるものとする。
【0014】図面において、40は、駆動装置としての
モータであり、このモータ40の軸がこの実施例におけ
る入力軸1となっている。また、50は、本考案にかか
る動力伝達装置であり、3は、モータ40の端部にボル
ト・ナット16によって結合された動力伝達装置50の
ケーシングである。ケーシング3は、入力軸1と出力軸
2の各端部を同軸に、かつ回転可能に収容するもので、
ケース本体17、カバー18、及び、固定ドラム19、
20から構成されている。このうち固定ドラム19、2
0は、ケース本体17とカバー18の各端部壁に螺子2
1によって取り付けられ、夫々ケース本体17とカバー
18の各内周壁との間で環状溝11、12を形成してい
る。
モータであり、このモータ40の軸がこの実施例におけ
る入力軸1となっている。また、50は、本考案にかか
る動力伝達装置であり、3は、モータ40の端部にボル
ト・ナット16によって結合された動力伝達装置50の
ケーシングである。ケーシング3は、入力軸1と出力軸
2の各端部を同軸に、かつ回転可能に収容するもので、
ケース本体17、カバー18、及び、固定ドラム19、
20から構成されている。このうち固定ドラム19、2
0は、ケース本体17とカバー18の各端部壁に螺子2
1によって取り付けられ、夫々ケース本体17とカバー
18の各内周壁との間で環状溝11、12を形成してい
る。
【0015】入力軸1のケーシング3内に臨む端部には
太陽歯車4が一体に結合されており、この太陽歯車4に
は複数の遊星歯車6が噛合され、遊星歯車6には、円筒
部材7の中央部に一体に形成された内歯歯車8が噛合さ
れている。また、出力軸2のケーシング3内に臨む端部
には第1ドラム5が一体に形成されており、前記太陽歯
車4を間に挟むこの第1ドラム5の対向位置には第2ド
ラム10が配置されている。第1ドラム5と第2ドラム
10は夫々ベアリング30によってケーシング3に回転
可能に支持されると共に、複数の連結軸9によって互い
が同軸になるように結合されている。そして前記遊星歯
車6はこの各連結軸9に回転可能に支持されている。
尚、上記円筒部材7の外周面は、ケーシング3に圧入固
定されたドライベアリング15によって回動可能に支持
されている。
太陽歯車4が一体に結合されており、この太陽歯車4に
は複数の遊星歯車6が噛合され、遊星歯車6には、円筒
部材7の中央部に一体に形成された内歯歯車8が噛合さ
れている。また、出力軸2のケーシング3内に臨む端部
には第1ドラム5が一体に形成されており、前記太陽歯
車4を間に挟むこの第1ドラム5の対向位置には第2ド
ラム10が配置されている。第1ドラム5と第2ドラム
10は夫々ベアリング30によってケーシング3に回転
可能に支持されると共に、複数の連結軸9によって互い
が同軸になるように結合されている。そして前記遊星歯
車6はこの各連結軸9に回転可能に支持されている。
尚、上記円筒部材7の外周面は、ケーシング3に圧入固
定されたドライベアリング15によって回動可能に支持
されている。
【0016】また、固定ドラム19と第1ドラム5、固
定ドラム20と第2ドラム10には、各外周面に跨って
第1コイルスプリング13と第2コイルスプリング14
が夫々巻き付けられている。第1コイルスプリング13
と第2コイルスプリング14は共に同じ方向に巻かれて
いて(以下では、両者が手前から前方に向かって左方向
に巻かれているものとして説明する。)、その各一端部
には径方向内方に折曲された折曲部13a、14aが設
けられている。そして、この折曲部13a、14aは、
固定ドラム19、20の各外周面に形成された穴19
a、20aに夫々挿入され、それによって第1、第2コ
イルスプリング13、14の各一端部がケーシング30
に係止されるようになっている。
定ドラム20と第2ドラム10には、各外周面に跨って
第1コイルスプリング13と第2コイルスプリング14
が夫々巻き付けられている。第1コイルスプリング13
と第2コイルスプリング14は共に同じ方向に巻かれて
いて(以下では、両者が手前から前方に向かって左方向
に巻かれているものとして説明する。)、その各一端部
には径方向内方に折曲された折曲部13a、14aが設
けられている。そして、この折曲部13a、14aは、
固定ドラム19、20の各外周面に形成された穴19
a、20aに夫々挿入され、それによって第1、第2コ
イルスプリング13、14の各一端部がケーシング30
に係止されるようになっている。
【0017】一方、前記円筒部材7の外周面には軸方向
に沿うキー溝22が形成され、このキー溝22にストッ
パとしての角状のキー23が嵌合されている。このキー
溝22は、その両端部が円筒部材7の内外面を貫通する
ように形成されていて、この両端の貫通した部位からキ
ー23の両端部が円筒部材7の内周面側に突出するよう
になっている。そして、こうして円筒部材7の内周面側
に突出したキー23の各端部は、円筒部材7の設定回動
時に、前記第1、第2コイルスプリング13、14の各
他端部を係止するようになっている。具体的には、キー
23は、その両端部が第1、第2コイルスプリング1
3、14の各他端部の回転軌道上に位置され、かつ、初
期状態において、第1、第2コイルスプリング13、1
4の他端部が同時に当接しないようになっている。この
ため、キー23は予め設定された円筒部材7の回動位置
で第1、第2コイルスプリング13、14の拡径を開始
する。
に沿うキー溝22が形成され、このキー溝22にストッ
パとしての角状のキー23が嵌合されている。このキー
溝22は、その両端部が円筒部材7の内外面を貫通する
ように形成されていて、この両端の貫通した部位からキ
ー23の両端部が円筒部材7の内周面側に突出するよう
になっている。そして、こうして円筒部材7の内周面側
に突出したキー23の各端部は、円筒部材7の設定回動
時に、前記第1、第2コイルスプリング13、14の各
他端部を係止するようになっている。具体的には、キー
23は、その両端部が第1、第2コイルスプリング1
3、14の各他端部の回転軌道上に位置され、かつ、初
期状態において、第1、第2コイルスプリング13、1
4の他端部が同時に当接しないようになっている。この
ため、キー23は予め設定された円筒部材7の回動位置
で第1、第2コイルスプリング13、14の拡径を開始
する。
【0018】この動力伝達装置50は以上のような構成
であるため、次のように動作する。尚、以下の説明にお
いて、各構成部材の回転方向は、図中矢印F側から見て
の回転方向とする。
であるため、次のように動作する。尚、以下の説明にお
いて、各構成部材の回転方向は、図中矢印F側から見て
の回転方向とする。
【0019】入力軸1に外部から右回転方向のトルクが
入力された場合には、第1ドラム5と第2ドラム10は
当初第1コイルスプリング13によって右方向の回転を
ロックされているため、遊星歯車6が連結軸9を中心に
自転してこれに噛合された円筒部材7が入力軸1と逆方
向に、即ち、左方向に回動する。こうして、円筒部材7
が左方向に回動すると、円筒部材7に一体に取り付けら
れたキー23の一方の端部が第1コイルスプリング13
の他端部を係止して第1コイルスプリング13を拡径す
る。そして、こうして第1コイルスプリング13が完全
に拡径されると、この第1コイルスプリング13が円筒
部材7の同方向の回動をロックすると共に、第1、第2
ドラム5、10のロックを解除する。この結果、入力軸
1のトルクは遊星歯車6の公転を通して出力軸2に伝達
されるようになる。
入力された場合には、第1ドラム5と第2ドラム10は
当初第1コイルスプリング13によって右方向の回転を
ロックされているため、遊星歯車6が連結軸9を中心に
自転してこれに噛合された円筒部材7が入力軸1と逆方
向に、即ち、左方向に回動する。こうして、円筒部材7
が左方向に回動すると、円筒部材7に一体に取り付けら
れたキー23の一方の端部が第1コイルスプリング13
の他端部を係止して第1コイルスプリング13を拡径す
る。そして、こうして第1コイルスプリング13が完全
に拡径されると、この第1コイルスプリング13が円筒
部材7の同方向の回動をロックすると共に、第1、第2
ドラム5、10のロックを解除する。この結果、入力軸
1のトルクは遊星歯車6の公転を通して出力軸2に伝達
されるようになる。
【0020】また、このような状態から入力トルクが解
除されたり、入力トルクが左回転方向に切り替わること
により、円筒部材7の回動方向が右方向に変化した場合
には、今まで第1コイルスプリング13を拡径していた
キー23が第1コイルスプリング13の他端部から離
れ、第1、第2コイルスプリング13、14が共に第
1、第2ドラム5、10に巻き付いた初期状態に戻され
ることとなる。そして、入力トルクが左回転方向に切り
替わった場合であれば、さらに円筒部材7が右方向に回
動したところでキー23の他方の端部が第2コイルスプ
リング14の他端部を係止して第2コイルスプリング1
4の拡径を行うようになる。これにより、第1、第2ド
ラム5、10のロックは解除され、入力軸1のトルクは
遊星歯車6の公転を通して出力軸2に伝達されるように
なる。
除されたり、入力トルクが左回転方向に切り替わること
により、円筒部材7の回動方向が右方向に変化した場合
には、今まで第1コイルスプリング13を拡径していた
キー23が第1コイルスプリング13の他端部から離
れ、第1、第2コイルスプリング13、14が共に第
1、第2ドラム5、10に巻き付いた初期状態に戻され
ることとなる。そして、入力トルクが左回転方向に切り
替わった場合であれば、さらに円筒部材7が右方向に回
動したところでキー23の他方の端部が第2コイルスプ
リング14の他端部を係止して第2コイルスプリング1
4の拡径を行うようになる。これにより、第1、第2ド
ラム5、10のロックは解除され、入力軸1のトルクは
遊星歯車6の公転を通して出力軸2に伝達されるように
なる。
【0021】一方、出力軸2側からトルクが入力された
場合には、円筒部材7による第1、第2コイルスプリン
グ13、14の拡径が行われないため、両コイルスプリ
ング13、14の一方が第1、第2ドラム5、10のい
ずれかに強力に巻き、第1、第2ドラム5、10の回転
がロックされることとなる。このため、入力軸1側への
動力の伝達は遮断される。
場合には、円筒部材7による第1、第2コイルスプリン
グ13、14の拡径が行われないため、両コイルスプリ
ング13、14の一方が第1、第2ドラム5、10のい
ずれかに強力に巻き、第1、第2ドラム5、10の回転
がロックされることとなる。このため、入力軸1側への
動力の伝達は遮断される。
【0022】この動力伝達装置50の場合、上記のよう
に円筒部材7の回動方向が変化する際に、第1、第2コ
イルスプリング13、14が必ず一旦は初期状態に戻さ
れるため、両コイルスプリング13、14が円筒部材7
を介して拡径状態のまま釣り合うような事態は起こらな
い。このため、出力軸2側から入力軸1側へのトルクの
伝達は常時確実に遮断される。
に円筒部材7の回動方向が変化する際に、第1、第2コ
イルスプリング13、14が必ず一旦は初期状態に戻さ
れるため、両コイルスプリング13、14が円筒部材7
を介して拡径状態のまま釣り合うような事態は起こらな
い。このため、出力軸2側から入力軸1側へのトルクの
伝達は常時確実に遮断される。
【0023】尚、この考案の実施例は以上で説明したも
のに限るものでなく、例えば、円筒部材7の内周面に突
起を設けて、この突起をストッパとしたり、第1、第2
コイルスプリング13、14の他端部を径方向外方に折
曲する一方で、円筒部材7の内周面に楔状の溝を形成
し、この溝をストッパとすることも可能である。また、
第1、第2コイルスプリング13、14の一端部をケー
シング3に係止する手段も上記以外のものであっても良
い。
のに限るものでなく、例えば、円筒部材7の内周面に突
起を設けて、この突起をストッパとしたり、第1、第2
コイルスプリング13、14の他端部を径方向外方に折
曲する一方で、円筒部材7の内周面に楔状の溝を形成
し、この溝をストッパとすることも可能である。また、
第1、第2コイルスプリング13、14の一端部をケー
シング3に係止する手段も上記以外のものであっても良
い。
【0024】
【考案の効果】以上のように本考案は、第1、第2コイ
ルスプリングの各一端部をケーシングに係止させる一方
で、円筒部材の内周面に、円筒部材の設定回動時に第
1、第2コイルスプリングの各他端部を係止するストッ
パを設け、それによって円筒部材による第1、第2コイ
ルスプリングの拡径が常時予め設定された円筒部材の回
動位置で行われるようにしたため、円筒部材の回動方向
が連続的に変化した場合に、一方のコイルスプリングが
完全に初期状態に戻るまで他方のコイルスプリングが拡
径されないようにすることが出来る。したがって、本考
案を採用した場合には、第1、第2コイルスプリングが
円筒部材を介して拡径状態のまま釣り合うような事態が
起こらなくなり、出力軸側から入力軸側へのトルクの伝
達を常時確実に遮断することが可能になる。
ルスプリングの各一端部をケーシングに係止させる一方
で、円筒部材の内周面に、円筒部材の設定回動時に第
1、第2コイルスプリングの各他端部を係止するストッ
パを設け、それによって円筒部材による第1、第2コイ
ルスプリングの拡径が常時予め設定された円筒部材の回
動位置で行われるようにしたため、円筒部材の回動方向
が連続的に変化した場合に、一方のコイルスプリングが
完全に初期状態に戻るまで他方のコイルスプリングが拡
径されないようにすることが出来る。したがって、本考
案を採用した場合には、第1、第2コイルスプリングが
円筒部材を介して拡径状態のまま釣り合うような事態が
起こらなくなり、出力軸側から入力軸側へのトルクの伝
達を常時確実に遮断することが可能になる。
【図1】本考案の一実施例を示す断面図。
【図2】同実施例を示すもので、ケーシングの一部を取
り去った状態における部分破断斜視図。
り去った状態における部分破断斜視図。
【図3】従来の技術を示す断面図。
1…入力軸、 2…出力軸、 3…ケーシング、 4…太陽歯車、 5…第1ドラム、 6…遊星歯車、 7…円筒部材、 8…内歯歯車、 9…連結軸、 10…第2ドラム、 13…第1コイルスプリング、 14…第2コイルスプリング、 23…キー(ストッパ)、 50…動力伝達装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 35/00 F16H 1/28 B62D 7/14
Claims (1)
- 【請求項1】 ケーシングによって同軸にかつ回転可能
に支持される入力軸と出力軸と、入力軸に一体に設けら
れた太陽歯車と、出力軸に一体に設けられた第1ドラム
と、前記太陽歯車を間に挟む第1ドラムの対向位置に設
けられ、複数の連結軸によって第1ドラムと同軸に結合
された第2ドラムと、前記各連結軸に支持されて太陽歯
車と噛合する遊星歯車と、この遊星歯車と噛合する内歯
歯車を有する円筒部材と、常態で前記ケーシングと第1
ドラムとに巻き付き、前記円筒部材の一方向の回動によ
って拡径される第1コイルスプリングと、この第1コイ
ルスプリングと巻き方向が同じであって、常態で前記ケ
ーシングと第2ドラムとに巻き付き、前記円筒部材の他
方向の回動によって拡径される第2コイルスプリングと
を備えた動力伝達装置において、前記第1、第2コイル
スプリングの各一端部をケーシングに係止させる一方
で、前記円筒部材の内周面に、円筒部材の設定回動時に
前記第1、第2コイルスプリングの各他端部を係止する
ストッパを設けたことを特徴とする動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992068091U JP2578914Y2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992068091U JP2578914Y2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 動力伝達装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0632802U JPH0632802U (ja) | 1994-04-28 |
JP2578914Y2 true JP2578914Y2 (ja) | 1998-08-20 |
Family
ID=13363723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992068091U Expired - Lifetime JP2578914Y2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2578914Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08219239A (ja) * | 1995-02-13 | 1996-08-27 | Unisia Jecs Corp | 動力伝達装置 |
JP4610242B2 (ja) * | 2004-06-25 | 2011-01-12 | 日本電産シンポ株式会社 | 歯車と回転軸との接合構造、及びそれを用いた遊星歯車減速機 |
US9772029B2 (en) * | 2015-07-09 | 2017-09-26 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Planetary carrier with spring clutch |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP1992068091U patent/JP2578914Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0632802U (ja) | 1994-04-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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S531 | Written request for registration of change of domicile |
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R350 | Written notification of registration of transfer |
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