JP2578397B2 - 放電加工装置の電極制御方法及び装置 - Google Patents

放電加工装置の電極制御方法及び装置

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JP2578397B2
JP2578397B2 JP6000932A JP93294A JP2578397B2 JP 2578397 B2 JP2578397 B2 JP 2578397B2 JP 6000932 A JP6000932 A JP 6000932A JP 93294 A JP93294 A JP 93294A JP 2578397 B2 JP2578397 B2 JP 2578397B2
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好雄 尾崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電加工装置の電極制
御方法及び装置に関し、とくに該電極のレシプロ運動に
おける制御方法およびその方法を実施するための制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放電加工において、加工電極と被加工物
との間の間隙(極間間隙)に滞留しやすい加工粉の排出
を図るとともに、異常アークの発生を防止し、加工を能
率的に行う目的で、加工電極(以下、電極という)を上
下にレシプロ運動させる方法が従来から多く採用されて
いる。
【0003】図8はこのようなレシプロ運動を行う従来
の電極制御装置の構成を示すブロック図である。図にお
いて、1は電極、2は被加工物、3は電極1が取り付け
られた主軸クイル、4は加工ヘッド、5は電極1に上下
のレシプロ運動を行なわしめるためのボールネジ、6は
ボールネジ5の駆動用サーボモータ、7は電極1の位置
検出のためのエンコーダ、8は加工用電源で、極間間隙
に放電パルスを供給する。9は入力端子の一方が加工用
電源8の出力端子に接続され、他方は基準電圧V1 を入
力するよう接続されている演算増幅器、10は演算増幅
器9の出力を増幅してサーボモータ6を駆動するサーブ
アンプで、ゲインは可変となっている。11は加工中ゲ
イン設定器である。12は位置カウンタで、位置検出エ
ンコーダ7からの信号を受け、積算することにより電極
1の現在位置を把握できる。13は位置記憶装置で、定
時引上制御装置14の信号を受け、位置カウンタ12の
内容を記憶する。15は一致検出装置で、位置カウンタ
12と位置記憶装置13とが接続され、両者の値が一致
した時、出力パルスDが定時引上制御装置14に加えら
れるようになっている。なお、定時引上制御装置14の
出力は図中の符号A,B,C,EおよびFで示される各
信号である。
【0004】図9は上記定時引上制御装置14の構成を
示すブロック図であり、図において、20は基準発振
器、21および22はAND素子、23および28はカ
ウンタであり、基準発振器20の出力クロックをカウン
トする。25は主軸上昇時限設定回路、24はマグニチ
ュード・コンパレータで、入力端子にはカウンタ23と
主軸上昇時限設定回路25の出力が接続されている。同
様に、29はマグニチュード・コンパレータ、30は下
降及び加工時限設定回路である。
【0005】マグニチュード・コンパレータ24,29
の出力はAND素子26,31を通してそれぞれフリッ
プ・フロップ27のセット端子Sおよびリセット端子R
に接続されている。フリップ・フロップ27の出力Q,
qはそれぞれAND素子31,26,カウンタ23,2
8およびAND素子22,21に接続され、さらに出力
QはAND素子33に接続され、出力qはフリップ・フ
ロップ32のセット端子Sに接続されている。フリップ
・フロップ32のリセット端子Rには一致検出装置15
の出力である信号Dが入力される。
【0006】次に上記電極制御装置の動作について、図
10のタイミングチャートを参照しつつ説明する。図1
0の横軸は時刻を表わし、主軸位置は電極の位置を表わ
している。信号Aは電源ストップ信号であり、それがハ
イレベルのときは極間間隙への電圧印加を停止する。信
号Bはサーボアンプ10のゲイン変更信号で、通常加工
中は、加工中ゲイン設定器11により設定されたゲイン
であるが、信号Bがハイレベルのときにはレシプロ運動
中ゲインに設定されることにより、レシプロ運動速度を
速くする。信号Cは位置記憶信号で、レシプロ運動開始
点の主軸位置を記憶するタイミングとなり、この信号を
位置記憶装置13が受けると、位置カウンタ12の内容
を一時記憶する。一致検出装置15は、レシプロ運動が
開始された後、再び位置カウンタ12と位置記憶装置1
3の内容を比較しそれが一致すれば信号Dのパルスを発
生する。信号Eはレシプロ運動の強制上昇信号である
が、図8、図9の構成例では、電源ストップ信号Aによ
り極間電圧が零になるため特に必要はない。信号Fはレ
シプロ運動の強制下降信号であり、レシプロ運動の下降
から終了までの信号である。
【0007】図9において、基準発振器20の出力はA
ND素子21と22に入力され、フリップ・フロップ2
7の出力qがハイレベルのときにはAND素子21のゲ
ートが開き、カウンタ23にクロックが入力され積算さ
れる。主軸上昇時限設定回路25にセットされている数
値は、マグニチュード・コンパレータ24にてカウンタ
23の出力と比較され、両者の値が一致するとマグニチ
ュード・コンパレータ24の出力がAND素子26に入
力される。AND素子26の他方の入力端子はフリップ
・フロップ27のq出力が接続され、このときq出力は
ハイレベルのため、AND素子26から出力され、フリ
ップ・フロップ27がセットされることにより出力が反
転し、AND素子26及び21のゲートが閉じられる。
次に、AND素子22及び31のゲートが開くことによ
り、同様の動作がカウンタ28、マグニチュード・コン
パレータ29、下降及び加工時限設定回路30にて行わ
れる。ここで、フリップ・フロップ27の出力qは信号
Eとなり、主軸のレシプロ運動の上昇時間となり、サー
ボアンプ10のゲインが決定されれば主軸上昇距離も決
まってくる。また、フリップ・フロップ27の出力Qの
信号は、レシプロ運動の下降に転じた時から再び上昇に
転じるまでの時間となる。フリップ・フロップ32のセ
ット端子Sには、フリップ・フロップ27のq出力が入
力され、フリップ・フロップ32のリセット端子Rに
は、一致検出装置15の出力パルスである信号Dが入力
されることにより、フリップ・フロップ32の出力Qは
レシプロ運動の開始から終了までを表わすことになり、
信号A,Bとなる。AND素子31の出力は信号Cとな
り、主軸上昇開始時のタイミングパルスとなる。また、
フリップ・フロップ27のQ出力およびフリップ・フロ
ップ32のQ出力はAND素子33に加えられ、AND
素子33の出力は信号Fとなり、レシプロ運動の強制下
降時間となる。
【0008】従来技術による電極のレシプロ運動は、加
工中にあらかじめ設定された一定周期毎のレシプロ運動
の開始命令が送られることによって行われ、レシプロ運
動の開始時点における主軸位置が記憶装置に読み込ま
れ、一定距離の引上げ動作の後、先の記憶装置に読み込
まれた位置まで電極は戻され、その時点から加工を再開
するようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】電極のレシプロ運動の
際における加工粉の排出、加工液の流れの様子を図11
に従って説明すると、同図(a)に示すように、加工中
に生成される加工粉16は、レシプロ運動の上昇時に同
図(b)に示すように、新鮮な加工液17の流れ込みに
より稀薄され、このため極間間隙の加工粉濃度は低下す
る。そして、レシプロ運動の下降時に同図(c)に示す
ように、加工液と共に加工粉16が排出される。このレ
シプロ運動による加工粉濃度はレシプロ運動開始前をρ
0 とし、レシプロ運動開始後をρ1 とし、レシプロ運動
開始前の間隙長をl0 ,レシプロ運動距離をl1 とする
と、次式で表わされる。
【0010】
【数1】
【0011】ここで、l1 を大きくしても加工粉濃度は
あまり向上せず、またl1 を大きくするとレシプロ運動
の時間が長くなるため加工時間の損失となる。さらに、
加工中に生成した加工粉はレシプロ運動の上昇時に流れ
込む加工液中に均一に分散せず、一部の箇所に偏在する
ことが多い。また、レシプロ運動の下降時にも加工液の
流れ具合により加工粉が吹き溜りのように一部に偏在す
ることが多い。とくに電極の形状によりこのような現象
が発生する。この場合、従来のレシプロ運動では、レシ
プロ運動開始位置に戻るため、そこから加工を再開する
と加工粉の偏在により実質的に極間間隙が狭くなった時
点からの加工となるため、放電が微小地点に集中しやす
く、その結果異常アークへの移行確率が高くなり、十分
なレシプロ運動効果が得られないという問題があった。
【0012】次に、レシプロ運動の上昇開始点におい
て、急激な極間間隙の体積変化に伴い、かなりの負圧が
発生する。また、レシプロ運動の下降終了点においては
逆に正圧が発生する。そのため電極の変形および振動を
引起こし、さらに機械自体にも変形および振動を引起こ
すことがあり、加工に移行する際にそれが安定するまで
時間がかかるということになる。このため加工効率の低
下および加工精度の劣化を招いていた。さらに、電極面
積が大きくなると、加工粉の偏在および電極の振動ある
いは偏位により加工面の平坦度を悪化させる要因ともな
っていた。
【0013】そこで、本発明の目的は、第1に、加工粉
の排除能力を高め、加工粉の介在をできるだけ減少させ
るとともに、加工粉の偏在現象が発生しても異常アーク
への移行を抑制することにある。第2に、電極のレシプ
ロ運動に伴う該電極および機械等に対する変形、振動の
影響を軽減し、加工効率の向上および加工精度、殊に加
工面の平坦度の向上を図ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る放電加工装
置の電極制御方法は、放電加工中に加工用電源を一時停
止し、電極を強制上昇および強制下降のレシプロ運動を
させ、次いで該レシプロ運動の終了時に前記加工用電源
を復帰させて加工を再開するように制御する電極制御方
法において、前記電極を前記レシプロ運動の下降工程に
連続して短い第2のレシプロ運動をさせる工程と、前記
第2のレシプロ運動の下降時に加工を再開する工程とか
らなることを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の他の態様による放電加工装
置の電極制御方法は、前記レシプロ運動の下降工程にお
いて前記電極を急速に、次いで緩やかに下降させる工程
を有し、該レシプロ運動の開始位置より上方の緩やかな
下降の開始位置にて前記加工用電源を復帰させて加工を
再開するとともに、該加工用電源の放電パルスの休止時
間を所定の休止時間より長くして平均電流を加工時より
も低くする工程を含むことを特徴とする。
【0016】本発明に係る放電加工装置の電極制御装置
は、放電加工中に加工用電源を一時停止し、電極を強制
上昇および強制下降のレシプロ運動をさせ、次いで該レ
シプロ運動の終了時に前記加工用電源を復帰させて加工
を再開するように制御する定時引上制御装置を備えた電
極制御装置において、前記定時引上制御装置は、前記加
工用電源の停止期間中に前記レシプロ運動の下降工程に
連続して短い第2のレシプロ運動をするように電極の上
下動装置に指令する手段と、前記第2のレシプロ運動の
下降時に前記上下動装置のサーボゲインを加工中のサー
ボゲインに復帰させて前記加工用電源を再起動させる手
段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】また、本発明の他の態様による放電加工装
置の電極制御装置は、前記第2のレシプロ運動の開始時
から前記サーボゲインを復帰させることを特徴とする。
【0018】本発明のさらに他の態様による放電加工装
置の電極制御装置は、放電加工中に加工用電源を一時停
止し、電極を強制上昇および強制下降のレシプロ運動を
させ、次いで該レシプロ運動の終了時に前記加工用電源
を復帰させて加工を再開するように制御する定時引上制
御装置を備えた電極制御装置において、前記定時引上制
御装置は、前記レシプロ運動の下降時において前記加工
電極を急速に、次いで緩やかに2段階に下降させる手段
と、前記レシプロ運動の開始位置より上方の緩やかな下
降の開始位置にて該レシプロ運動を終了させ、前記加工
用電源を復帰させ、かつ該加工用電源の放電パルスの休
止時間を所定の休止時間より長くして平均電流を加工時
よりも低くする手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明においては、第1のレシプロ運動の下降
工程において引き続き短い第2のレシプロ運動を行わせ
ることにより、加工粉の濃度が実質的に減少するととも
に、第2のレシプロ運動の下降時にサーボゲインを加工
中のゲインに変更して加工を再開するため、極間間隙が
広い時点からの再加工となり、加工粉の偏在があっても
異常アークへの移行を抑えることができる。
【0020】また、レシプロ運動の開始位置より上方の
緩やかな下降の開始位置にて加工中ゲインに変更して加
工を再開するとともに、加工用電源の放電パルスの休止
時間を長くして平均電流を低くすることにより、加工モ
ードを上記と同様にしたので、同様の作用効果が得られ
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図により説明
する。図1は本発明の要部である定時引上制御装置の第
1実施例を示すブロック図である。図1以下において、
従来例を示した図8、図9と同一部分は同一符号を付し
て説明は省略する。
【0022】この第1実施例は、主軸ないし電極のレシ
プロ運動に引き続いてそれよりも短い第2のレシプロ運
動を行わせるようにしたものである。図1において、4
0および42はフリップ・フロップで、それぞれのセッ
ト端子Sにはフリップ・フロップ27のq出力が接続さ
れている。フリップ・フロップ42のリセット端子Rに
は一致検出装置15の出力信号Dが接続され、フリップ
・フロップ40のリセット端子Rには信号Dが遅延回路
41を通して接続されている。AND素子44の入力に
はフリップ・フロップ27のQ出力とフリップ・フロッ
プ42のQ出力が接続されている。
【0023】図2は図1における信号A,B,C,D,
EおよびFのタイミングチャートである。フリップ・フ
ロップ27のセットおよびリセット動作は従来例と同様
であるため説明を省略する。まず、フリップ・フロップ
27のセット状態から説明する。このとき、フリップ・
フロップ40,42はリセット状態となっている。加工
時間が終了し、AND素子31からパルスが出力される
と、フリップ・フロップ27は反転し、q出力はハイレ
ベルとなり、フリップ・フロップ40および42はセッ
ト状態に移る。これにより信号AおよびBはハイレベル
となり、加工用電源8は停止され、サーボゲインはレシ
プロ運動時のゲインに変更される。また、信号Cは位置
記憶装置13に送られ、レシプロ運動の開始点を記憶
し、主軸は強制上昇し、第1のレシプロ運動R1 に入
る。
【0024】次に、AND素子26からパルスが出力さ
れると、フリップ・フロップ27は反転し、AND素子
44から強制下降信号Fが発せられ、主軸は下降に移
る。主軸位置が位置記憶装置13の値と一致すると、一
致検出装置15から信号Dが出力され、フリップ・フロ
ップ42をリセットする。これによりAND素子44は
再びローレベルに転じ、強制下降は終了するが、信号A
は未だハイレベルの状態にあるので、極間間隙に電圧が
印加されていない。このため、極間間隙サーボ系に切り
換わると同時に主軸は上昇することになる。このときの
上昇速度は信号Bが未だハイレベルのため、レシプロ運
動と同じ速度となる。すなわち、主軸は上記の第1のレ
シプロ運動R1 に引き続いて第2のレシプロ運動R2 を
行うのである。
【0025】一方、信号Dは遅延回路41を通って所定
の時間遅れをもってフリップ・フロップ40のリセット
端子Rに入力され、信号A,Bはローレベルとなり、第
2のレシプロ運動R2 の下降時、主軸は加工中ゲイン設
定器11にて設定された加工中ゲインにて加工が再開さ
れる。このとき、主軸の位置はAND素子31から発せ
られた第1のレシプロ運動R1 の開始位置より上方にあ
り、加工が再開される時点では極間間隙が広くなってい
るため、前述のごとく加工粉が偏在しても異常アークへ
の移行を抑えることができる。また第1および第2のレ
シプロ運動終了時における加工粉濃度ρ1 ′は第2のレ
シプロ運動R2 の上昇距離をl2 とすると、次式(2)
となる。
【0026】
【数2】
【0027】また、従来のレシプロ運動では、同一時間
の上昇時間に換算すれば、次式(3)となる。
【0028】
【数3】
【0029】ここで、l0 ,l1 ,l2 に具体的な数字
を入れて比較してみる。l0 =10μm,l1 =100
0μm,l2 =30μmとすると、 ρ1 ′=ρ0 ×0.00248 ρ1 =ρ0 ×0.00962 となり、本発明によるレシプロ運動の方が従来の約1/
4の加工粉濃度となることがわかる。
【0030】なお、上記実施例では、第2のレシプロ運
動の上昇時間を遅延回路41によって設定したが、この
値を可変に設定できるようにすると更に良い。本発明者
らの研究によれば、加工条件および加工液の粘性により
最適値が異なるが概ねl2 =10〜30μm程度の上昇
量となるように設定すると良い結果を得た。
【0031】図3は同一電気条件において、本発明でl
2 =20μmに設定したときと従来例を比較したもので
ある。同図の縦軸は加工深さ、横軸は加工時間を示して
おり、本発明の効果が顕著に現れている。なお、電気条
件は、電流ピーク値を3A,パルス幅を20μsec ,休
止時間を6μsec とし、電極面積12mm2 の銅電極を使
用したときの結果である。また、遅延回路41の代わり
に位置管理にて実施しても同様の結果を得ることができ
る。
【0032】次に、図4は本発明の第2実施例を示すも
のである。この場合、フリップ・フロップ40のQ出力
からは加工用電源8の停止信号Aのみが発せられ、サー
ボゲインの変更信号Bはフリップ・フロップ42のQ出
力から発せられるようになっている点が第1実施例と異
なるだけで、その他の構成は同様である。したがって、
図5の各信号A,B,C,D,EおよびFのタイミング
チャートからも理解されるように、第2のレシプロ運動
R2 の開始点においてサーボゲインがそれまでのレシプ
ロ運動用のサーボゲインから加工中のサーボゲインに復
帰させられ、加工が再開されるようになっている。
【0033】この第2実施例における加工粉濃度ρ1 ′
は(2)式と同様であり、また従来のレシプロ運動の場
合、同一時間の上昇時間に換算すると、次式(4)とな
る。
【0034】
【数4】
【0035】ここで、nはレシプロ運動時のサーボゲイ
ンと加工中のサーボゲインの比である。いま、l0 ,l
1 ,l2 ,nに具体的な数字を入れて比較してみる。l
0 =10μm,l1 =1000μm,l2 =30μm,
n=10とすると、 ρ1 ′=ρ0 ×0.00248 ρ1 =ρ0 ×0.00763 となり、この第2実施例の場合でも従来例の約1/3の
加工粉濃度となり、効果が大きいことがわかる。
【0036】次に、図6は本発明の第3実施例を示すも
のである。この第3実施例では、レシプロ運動の下降工
程において電極を急速に、次いで緩やかに下降させ、レ
シプロ運動開始点より上方の緩やかな下降の開始位置で
加工モードに変更し、かつ、再加工時から所定時間の間
は加工用電源に設定されている放電パルスの休止時間を
長くして平均電流を低くしたものである。このため、加
工用電源8の休止時間変更信号Hを発するワンショット
・マルチバイブレータ34をフリップ・フロップ32の
リセット端子Rに接続するとともに、一致検出装置15
の出力信号Dを受けて所定時間その出力をハイレベルに
するように接続する。これにより加工用電源8は信号H
がハイレベルの間、所定の休止時間より長い休止時間に
変更する。35は遅延回路で、AND素子31の出力信
号を所定時間遅延させて信号Cを発する。
【0037】第3実施例の動作について図7の各信号
A,B,C,D,E,FおよびHのタイミングチャート
を参照しつつ説明する。フリップ・フロップ27のセッ
ト状態から説明すれば、このときフリップ・フロップ3
2はリセット状態となっている。加工時間が終了し、A
ND素子31からパルスが出力されると、フリップ・フ
ロップ27は反転し、フリップ・フロップ32はセット
状態となる。これにより信号A,B,Eは立上がり、そ
れぞれ極間間隙への放電パルスが停止され、サーボゲイ
ンが変更されて主軸は急速に引上げられる。一方、AN
D素子31の出力パルスは遅延回路35により時間遅れ
をもって信号Cとなる。信号Cの発生により位置カウン
タ12の内容が位置記憶装置13に読み込まれるが、既
に主軸は上昇を始めているため、途中における位置情報
を読み込む。
【0038】次に、AND素子26より主軸上昇時限の
終了信号が発せられると、従来例と同様に、主軸は下降
に転じ、一致検出装置15から信号Dが発せられた時、
加工用電源8が復帰する。同時に、サーボゲインは加工
中ゲイン設定器11にて設定されたゲインに復帰する。
また、信号Dが発せられると、ワンショット・マルチバ
イブレータ34の出力がハイレベルとなり、加工用電源
8に作用して放電パルスの休止時間が所定の時間長くな
る。また、信号Dが発生した時の主軸位置は、AND素
子31から発せられたレシプロ運動開始位置より上方に
あるため、極間間隙は広くなっており、したがって加工
粉が偏在しても異常アークになりにくい。さらに、加工
用電源8の放電パルスの休止時間を長くして平均電流を
低くしているため、極間間隙に堆積している加工粉に対
しても電流密度を低くすることができ、異常アークへの
移行を防止している。また、レシプロ運動の終了時にお
いても、極間間隙が広い時点においてサーボゲインが加
工中のゲインになるため、正圧による電極および機械の
変形、振動を抑えることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上の説明から明らかなよう
に、次のような効果を得ることができる。 (1)第1のレシプロ運動の下降工程に引き続いて短い
第2のレシプロ運動を行わせるように電極のレシプロ運
動を制御する構成となっているので、加工粉の排除能力
が向上し、実質的にその濃度を減少させることができ
る。 (2)第2のレシプロ運動の下降時に加工を再開するの
で、第1のレシプロ運動の開始位置より上方の位置から
再加工が行われ、極間間隙が広い時点からの再加工とな
るため、加工粉が偏在していても異常アークへの移行を
抑制することができる。 (3)加工再開時、加工用電源の放電パルスの休止時間
を長くして平均電流を低くしたので、極間間隙に堆積し
ている加工粉に対して電流密度が低くなり、異常アーク
への移行を抑制することができる。 (4)極間間隙に生じる負圧による影響を軽減すること
ができ、また、レシプロ運動の終了時においても正圧に
よる影響を軽減することができ、加工が安定し、加工精
度の向上および加工効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のブロック図である。
【図2】図1における各信号のタイミングチャートであ
る。
【図3】本発明と従来例との性能比較図である。
【図4】本発明の第2実施例のブロック図である。
【図5】図4における各信号のタイミングチャートであ
る。
【図6】本発明の第3実施例のブロック図である。
【図7】図6における各信号のタイミングチャートであ
る。
【図8】従来の放電加工装置のブロック図である。
【図9】図8の定時引上装置のブロック図である。
【図10】図8における各信号のタイミングチャートで
ある。
【図11】加工粉の排除および偏在現象を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 電極 2 被加工物 3 主軸クイル 4 ヘッド 5 ボールネジ 6 サーボモータ 7 位置検出エンコーダ 8 加工用電源 9 演算増幅器 10 サーボアンプ 11 加工中ゲイン設定器 12 位置カウンタ 13 位置記憶装置 14 定時引上制御装置 15 一致検出装置 20 基準発振器 21,22 AND素子 23,28 カウンタ 24,29 マグニチュード・コンパレータ 25 主軸上昇時限設定回路 26,31 AND素子 27 フリップ・フロップ 30 下降および加工時限設定回路 31,33 AND素子 32 フリップ・フロップ 34 ワンショット・マルチバイブレータ 35 遅延回路 40,42 フリップ・フロップ 41 遅延回路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電加工中に加工用電源を一時停止し、
    加工電極を強制上昇および強制下降のレシプロ運動をさ
    せ、次いで該レシプロ運動の終了時に前記加工用電源を
    復帰させて加工を再開するように制御する電極制御方法
    において、 前記加工電極を前記レシプロ運動の下降工程に連続して
    短い第2のレシプロ運動をさせる工程と、 前記第2のレシプロ運動の下降時に加工を再開する工程
    とからなることを特徴とする放電加工装置の電極制御方
    法。
  2. 【請求項2】 放電加工中に加工用電源を一時停止し、
    加工電極を強制上昇および強制下降のレシプロ運動をさ
    せ、次いで該レシプロ運動の終了時に前記加工用電源を
    復帰させて加工を再開するように制御する定時引上制御
    装置を備えた電極制御装置において、 前記定時引上制御装置は、前記加工用電源の停止期間中
    に前記レシプロ運動の下降工程に連続して短い第2のレ
    シプロ運動をするように加工電極の上下動装置に指令す
    る手段と、 前記第2のレシプロ運動の下降時に前記上下動装置のサ
    ーボゲインを加工中のサーボゲインに復帰させて前記加
    工用電源を再起動させる手段とを備えたことを特徴とす
    る放電加工装置の電極制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第2のレシプロ運動の開始時から前
    記サーボゲインを復帰させることを特徴とする請求項2
    記載の放電加工装置の電極制御装置。
  4. 【請求項4】 放電加工中に加工用電源を一時停止し、
    加工電極を強制上昇および強制下降のレシプロ運動をさ
    せ、次いで該レシプロ運動の終了時に前記加工用電源を
    復帰させて加工を再開するように制御する電極制御方法
    において、 前記レシプロ運動の下降工程において前記加工電極を急
    速に、次いで緩やかに下降させる工程を有し、該レシプ
    ロ運動の開始位置より上方の緩やかな下降の開始位置に
    て前記加工用電源を復帰させて加工を再開するととも
    に、該加工用電源の放電パルスの休止時間を所定の休止
    時間より長くして平均電流を加工時よりも低くする工程
    を含むことを特徴とする放電加工装置の電極制御方法。
  5. 【請求項5】 放電加工中に加工用電源を一時停止し、
    加工電極を強制上昇および強制下降のレシプロ運動をさ
    せ、次いで該レシプロ運動の終了時に前記加工用電源を
    復帰させて加工を再開するように制御する定時引上制御
    装置を備えた電極制御装置において、 前記定時引上制御装置は、前記レシプロ運動の下降時に
    おいて前記加工電極を急速に、次いで緩やかに2段階に
    下降させる手段と、 前記レシプロ運動の開始位置より上方の緩やかな下降の
    開始位置にて該レシプロ運動を終了させ、前記加工用電
    源を復帰させ、かつ該加工用電源の放電パルスの休止時
    間を所定の休止時間より長くして平均電流を加工時より
    も低くする手段を備えたことを特徴とする放電加工装置
    の電極制御装置。
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