JP2578314Y2 - 磁石発電機用固定子 - Google Patents
磁石発電機用固定子Info
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- JP2578314Y2 JP2578314Y2 JP1993070136U JP7013693U JP2578314Y2 JP 2578314 Y2 JP2578314 Y2 JP 2578314Y2 JP 1993070136 U JP1993070136 U JP 1993070136U JP 7013693 U JP7013693 U JP 7013693U JP 2578314 Y2 JP2578314 Y2 JP 2578314Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、内燃機関に取り付ける
フライホイール磁石発電機に用いる磁石発電機用固定子
に関するものである。
フライホイール磁石発電機に用いる磁石発電機用固定子
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に取り付けられるフライホイー
ル磁石発電機は、カップ状に形成されたフライホイール
の周壁部の内周に磁石界磁を取り付けたフライホイール
磁石回転子と、該磁石回転子の内側に配置されてれ内燃
機関のケース等に設けられた取り付け部に固定された固
定子とにより構成される。この種の磁石発電機に用いる
固定子として、図7及び図8に示したものが広く用いら
れている。
ル磁石発電機は、カップ状に形成されたフライホイール
の周壁部の内周に磁石界磁を取り付けたフライホイール
磁石回転子と、該磁石回転子の内側に配置されてれ内燃
機関のケース等に設けられた取り付け部に固定された固
定子とにより構成される。この種の磁石発電機に用いる
固定子として、図7及び図8に示したものが広く用いら
れている。
【0003】図7はこの固定子に用いる電機子鉄心1を
示したもので、電機子鉄心1は、環状の継鉄部101
と、継鉄部101の外周から放射状に突出した突極部1
02a〜102lとからなり、各突極部は継鉄部101
の外周から放射方向に伸びるコイル巻回部103と、各
コイル巻回部の先端に形成された極片部104とからな
っている。各突極部のコイル導体が接触する部分は、加
熱した鉄心に絶縁樹脂の粉末をまぶすことにより鉄心の
表面に絶縁被覆を形成する、いわゆる粉体コーティング
により絶縁被覆処理されている。
示したもので、電機子鉄心1は、環状の継鉄部101
と、継鉄部101の外周から放射状に突出した突極部1
02a〜102lとからなり、各突極部は継鉄部101
の外周から放射方向に伸びるコイル巻回部103と、各
コイル巻回部の先端に形成された極片部104とからな
っている。各突極部のコイル導体が接触する部分は、加
熱した鉄心に絶縁樹脂の粉末をまぶすことにより鉄心の
表面に絶縁被覆を形成する、いわゆる粉体コーティング
により絶縁被覆処理されている。
【0004】図8に示したように、電機子鉄心1の複数
の突極部102a及び102c〜102kのコイル巻回
部にそれぞれ発電コイル2a及び2c〜2kが巻回さ
れ、電機子鉄心1と、発電コイル2a及び2c〜2kと
により磁石発電機用固定子3が構成されている。電機子
鉄心1の継鉄部101には、3つの取付け孔105が1
20度の角度間隔で設けられ、これらの取付け孔に挿入
されたボルトが、内燃機関のケース等に設けられた固定
子取付け部のネジ孔に螺合されて、固定子3が内燃機関
に固定される。継鉄部101の内側の孔は機関の回転軸
を貫通させるために用いられ、該回転軸に取付けられた
図示しないフライホイール磁石回転子の磁極が突極部1
02a〜102lの極片部103に所定のギャップを介
して対向させられる。
の突極部102a及び102c〜102kのコイル巻回
部にそれぞれ発電コイル2a及び2c〜2kが巻回さ
れ、電機子鉄心1と、発電コイル2a及び2c〜2kと
により磁石発電機用固定子3が構成されている。電機子
鉄心1の継鉄部101には、3つの取付け孔105が1
20度の角度間隔で設けられ、これらの取付け孔に挿入
されたボルトが、内燃機関のケース等に設けられた固定
子取付け部のネジ孔に螺合されて、固定子3が内燃機関
に固定される。継鉄部101の内側の孔は機関の回転軸
を貫通させるために用いられ、該回転軸に取付けられた
図示しないフライホイール磁石回転子の磁極が突極部1
02a〜102lの極片部103に所定のギャップを介
して対向させられる。
【0005】複数の突極部のコイル巻回部にそれぞれ巻
回された発電コイルのうちの1つの発電コイル2aは点
火電源用の発電コイルで、内燃機関用点火装置に点火エ
ネルギーを供給するために用いられ、他の発電コイル2
c〜2kはランプ負荷やバッテリの充電回路等に電力を
供給するために用いられる。
回された発電コイルのうちの1つの発電コイル2aは点
火電源用の発電コイルで、内燃機関用点火装置に点火エ
ネルギーを供給するために用いられ、他の発電コイル2
c〜2kはランプ負荷やバッテリの充電回路等に電力を
供給するために用いられる。
【0006】点火電源用発電コイル2aによりコンデン
サ放電式の点火装置に点火エネルギーを供給する場合に
は、200[V]〜400[V]の高い電圧を必要とす
るため、該発電コイル2aは線径が細いコイル導体(例
えば線径が0.12mmの絶縁被覆導体)を用いて多数回
(例えば5000ターン)巻回される。
サ放電式の点火装置に点火エネルギーを供給する場合に
は、200[V]〜400[V]の高い電圧を必要とす
るため、該発電コイル2aは線径が細いコイル導体(例
えば線径が0.12mmの絶縁被覆導体)を用いて多数回
(例えば5000ターン)巻回される。
【0007】このように、コイル導体を多数回巻回して
点火電源用の発電コイル2aを構成する場合には、突極
部102aに多くのコイル巻回スペースを確保する必要
があるため、図示の例では、継鉄部101の外周部の突
極部102aが設けられる部分の一部に平坦面を形成し
て、突極部102aのコイル巻回部103の長さを他の
発電コイルを巻く突極部のコイル巻回部よりも長くする
とともに、突極部102aの両側にそれぞれ位置する突
極部102b及び102lには発電コイルを巻回しない
ようにしている。またターン数及び銅量が多い発電コイ
ル2aの巻こぼれが生じないようにするため、固定子鉄
心の周方向に測った突極部102aの極片部104の幅
寸法W1 を適正寸法W2 よりも大きくし、他の突極部の
極片部104の幅寸法は適正寸法W2 に等しくしてい
る。適正寸法W2 は回転子の磁極の幅寸法及び極間隔と
の兼ね合いで決まるもので、一般にはできるだけ波形歪
みを少なくするように設定される。
点火電源用の発電コイル2aを構成する場合には、突極
部102aに多くのコイル巻回スペースを確保する必要
があるため、図示の例では、継鉄部101の外周部の突
極部102aが設けられる部分の一部に平坦面を形成し
て、突極部102aのコイル巻回部103の長さを他の
発電コイルを巻く突極部のコイル巻回部よりも長くする
とともに、突極部102aの両側にそれぞれ位置する突
極部102b及び102lには発電コイルを巻回しない
ようにしている。またターン数及び銅量が多い発電コイ
ル2aの巻こぼれが生じないようにするため、固定子鉄
心の周方向に測った突極部102aの極片部104の幅
寸法W1 を適正寸法W2 よりも大きくし、他の突極部の
極片部104の幅寸法は適正寸法W2 に等しくしてい
る。適正寸法W2 は回転子の磁極の幅寸法及び極間隔と
の兼ね合いで決まるもので、一般にはできるだけ波形歪
みを少なくするように設定される。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】従来の磁石発電機用固
定子では、高い電圧を誘起する点火電源用の発電コイル
2aが粉体コーティングによる絶縁被膜を通して鉄心1
に対して絶縁されていたが、粉体コーティングによる絶
縁被覆にはピンホールが生じ易いため、点火電源用発電
コイルと鉄心との間で絶縁不良が生じることがあった。
定子では、高い電圧を誘起する点火電源用の発電コイル
2aが粉体コーティングによる絶縁被膜を通して鉄心1
に対して絶縁されていたが、粉体コーティングによる絶
縁被覆にはピンホールが生じ易いため、点火電源用発電
コイルと鉄心との間で絶縁不良が生じることがあった。
【0009】また従来の固定子では、点火電源用の発電
コイルの巻こぼれを防ぐために、点火電源用発電コイル
を巻く突極部の極片部の幅寸法W1 を適正寸法W2 より
も大きく設定していたため、該発電コイルに誘起する電
圧の波形の歪みが大きくなるという問題があった。
コイルの巻こぼれを防ぐために、点火電源用発電コイル
を巻く突極部の極片部の幅寸法W1 を適正寸法W2 より
も大きく設定していたため、該発電コイルに誘起する電
圧の波形の歪みが大きくなるという問題があった。
【0010】なお点火電源用の発電コイルを巻く点火電
源用突極部を電機子鉄心の他の部分と別体に構成して、
該点火電源用突極部の極片部と反対側の端部に形成した
鳩尾状の突起を継鉄部の外周部に設けた鳩尾状の溝に圧
入することにより、点火電源用突極部を継鉄部に取り付
けるようにしたものも知られている。このような構造に
すれば、点火電源用突極部に対して特別の絶縁を施すこ
とができるため、点火電源用発電コイルと鉄心との間の
絶縁が不良になるのを防ぐことができる。しかしなが
ら、このように点火電源用突極部を圧入により取付ける
構造にした場合には、点火電源用突極部と継鉄部との結
合部にどうしてもギャップが生じるため、点火電源用発
電コイルに鎖交する磁束が流れる磁路の磁気抵抗が増大
して点火電源用発電コイルの性能が低下するのを避けら
れなかった。また点火電源用の突極部を別個に形成する
と金型の数が多くなる上に、圧入部の寸法管理が面倒に
なるため、鉄心の製造コストが高くなるという問題があ
った。更に点火電源用突極部を圧入により取り付ける
と、該突極部から継鉄部への熱伝達が悪くなるため、点
火電源用発電コイルの温度が上昇するという問題もあっ
た。
源用突極部を電機子鉄心の他の部分と別体に構成して、
該点火電源用突極部の極片部と反対側の端部に形成した
鳩尾状の突起を継鉄部の外周部に設けた鳩尾状の溝に圧
入することにより、点火電源用突極部を継鉄部に取り付
けるようにしたものも知られている。このような構造に
すれば、点火電源用突極部に対して特別の絶縁を施すこ
とができるため、点火電源用発電コイルと鉄心との間の
絶縁が不良になるのを防ぐことができる。しかしなが
ら、このように点火電源用突極部を圧入により取付ける
構造にした場合には、点火電源用突極部と継鉄部との結
合部にどうしてもギャップが生じるため、点火電源用発
電コイルに鎖交する磁束が流れる磁路の磁気抵抗が増大
して点火電源用発電コイルの性能が低下するのを避けら
れなかった。また点火電源用の突極部を別個に形成する
と金型の数が多くなる上に、圧入部の寸法管理が面倒に
なるため、鉄心の製造コストが高くなるという問題があ
った。更に点火電源用突極部を圧入により取り付ける
と、該突極部から継鉄部への熱伝達が悪くなるため、点
火電源用発電コイルの温度が上昇するという問題もあっ
た。
【0011】本考案の目的は、点火電源用発電コイルと
鉄心との間の絶縁が不良になるのを防止するとともに、
該発電コイルを巻く突極部の極片部の幅寸法を適正寸法
として出力電圧の波形歪みを少なくすることができるよ
うにした磁石発電機用固定子を提供することにある。
鉄心との間の絶縁が不良になるのを防止するとともに、
該発電コイルを巻く突極部の極片部の幅寸法を適正寸法
として出力電圧の波形歪みを少なくすることができるよ
うにした磁石発電機用固定子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本考案は、環状の継鉄部
と該継鉄部の外周から放射状に突出した多数の突極部と
を一体に有していて、各突極部が継鉄部から放射方向に
伸びるコイル巻回部と該コイル巻回部の先端に形成され
た極片部とからなっている多極の電機子鉄心と、電機子
鉄心の複数の突極部のコイル巻回部にそれぞれ巻回され
た発電コイルとを備えて、複数の突極部のコイル巻回部
にそれぞれ巻回された発電コイルのうちの少なくとも1
つの発電コイルを他の発電コイルよりも巻数が多い点火
電源用の発電コイルとした磁石発電機用固定子に係わる
ものである。
と該継鉄部の外周から放射状に突出した多数の突極部と
を一体に有していて、各突極部が継鉄部から放射方向に
伸びるコイル巻回部と該コイル巻回部の先端に形成され
た極片部とからなっている多極の電機子鉄心と、電機子
鉄心の複数の突極部のコイル巻回部にそれぞれ巻回され
た発電コイルとを備えて、複数の突極部のコイル巻回部
にそれぞれ巻回された発電コイルのうちの少なくとも1
つの発電コイルを他の発電コイルよりも巻数が多い点火
電源用の発電コイルとした磁石発電機用固定子に係わる
ものである。
【0013】本考案においては、点火電源用の発電コイ
ルが巻回される点火電源用突極部の少なくともコイル導
体が接する部分を鋳くるむように樹脂製のコイル巻回用
ボビンが成形されて、該ボビンに点火電源用の発電コイ
ルが巻回される。また本考案においては、電機子鉄心の
周方向に測った点火電源用突極部の極片部の幅寸法が、
他の発電コイルを巻回する突極部の極片部の同じ方向に
測った幅寸法に等しく設定される。
ルが巻回される点火電源用突極部の少なくともコイル導
体が接する部分を鋳くるむように樹脂製のコイル巻回用
ボビンが成形されて、該ボビンに点火電源用の発電コイ
ルが巻回される。また本考案においては、電機子鉄心の
周方向に測った点火電源用突極部の極片部の幅寸法が、
他の発電コイルを巻回する突極部の極片部の同じ方向に
測った幅寸法に等しく設定される。
【0014】上記樹脂製ボビンは点火電源用突極部の極
片部側につば部を有していて、電機子鉄心の周方向に測
った該つば部の幅寸法が同じ方向に測った点火電源用突
極部の極片部の幅寸法よりも大きく設定されている。点
火電源用発電コイル以外の他の発電コイルが巻回される
突極部のコイル導体に接する部分は絶縁コーティングに
より被覆されている
片部側につば部を有していて、電機子鉄心の周方向に測
った該つば部の幅寸法が同じ方向に測った点火電源用突
極部の極片部の幅寸法よりも大きく設定されている。点
火電源用発電コイル以外の他の発電コイルが巻回される
突極部のコイル導体に接する部分は絶縁コーティングに
より被覆されている
【0015】
【作用】上記のように、点火電源用突極部を鋳くるむよ
うに鉄心に一体成形された樹脂製ボビンに点火電源用の
発電コイルを巻回するようにすると、樹脂製のボビンに
はピンホールが生じないため、点火電源用発電コイルと
電機子鉄心との間の絶縁を確実にすることができ、信頼
性を高めることができる。
うに鉄心に一体成形された樹脂製ボビンに点火電源用の
発電コイルを巻回するようにすると、樹脂製のボビンに
はピンホールが生じないため、点火電源用発電コイルと
電機子鉄心との間の絶縁を確実にすることができ、信頼
性を高めることができる。
【0016】また上記のように樹脂製ボビンのつば部の
幅寸法を極片部の幅寸法よりも大きくしておくと、この
つば部により巻数が多い点火電源用発電コイルの巻こぼ
れを防ぐことができるため、点火電源用突極部の極片部
の幅寸法は適正寸法に設定することができ、点火電源用
発電コイルの誘起電圧の波形歪みを少なくすることがで
きる。
幅寸法を極片部の幅寸法よりも大きくしておくと、この
つば部により巻数が多い点火電源用発電コイルの巻こぼ
れを防ぐことができるため、点火電源用突極部の極片部
の幅寸法は適正寸法に設定することができ、点火電源用
発電コイルの誘起電圧の波形歪みを少なくすることがで
きる。
【0017】なお点火電源用発電コイル以外の他の発電
コイルは絶縁コーティングにより鉄心に対して絶縁され
るが、他の発電コイルは点火電源用発電コイルほど発生
電圧が高くないため絶縁不良の問題が生じることはな
い。
コイルは絶縁コーティングにより鉄心に対して絶縁され
るが、他の発電コイルは点火電源用発電コイルほど発生
電圧が高くないため絶縁不良の問題が生じることはな
い。
【0018】また上記のように構成すると、点火電源用
突極部は他の突極部と共に継鉄部に一体に形成されるの
で、点火電源用発電コイルと鎖交する磁束が流れる磁路
の磁気抵抗が大きくなることがなく、点火電源用発電コ
イルの性能が低下することがない。更に、電機子鉄心を
製作するために必要な金型の種類が少なくなる上に、厳
密な寸法管理を必要とする圧入部が存在しないため、鉄
心の製造コストが高くなることがない。また点火電源用
突極部から継鉄部への熱伝達を良好に行わせることがで
きるため、点火電源用発電コイルの温度の上昇を抑制す
ることができる。
突極部は他の突極部と共に継鉄部に一体に形成されるの
で、点火電源用発電コイルと鎖交する磁束が流れる磁路
の磁気抵抗が大きくなることがなく、点火電源用発電コ
イルの性能が低下することがない。更に、電機子鉄心を
製作するために必要な金型の種類が少なくなる上に、厳
密な寸法管理を必要とする圧入部が存在しないため、鉄
心の製造コストが高くなることがない。また点火電源用
突極部から継鉄部への熱伝達を良好に行わせることがで
きるため、点火電源用発電コイルの温度の上昇を抑制す
ることができる。
【0019】
【実施例】図1及び図2は本考案の実施例を示したもの
で、図1は本実施例で用いる電機子鉄心を示し、図2は
該電機子鉄心に発電コイルを巻回した状態を示してい
る。図1に示した電機子鉄心1は、図7に示したものと
同様に、環状の継鉄部101と、継鉄部101の外周か
ら放射状に突出した突極部102a〜102lとからな
り、各突極部は継鉄部101の外周から放射方向に伸び
るコイル巻回部103と、各コイル巻回部の先端に形成
された極片部104とからなっている。
で、図1は本実施例で用いる電機子鉄心を示し、図2は
該電機子鉄心に発電コイルを巻回した状態を示してい
る。図1に示した電機子鉄心1は、図7に示したものと
同様に、環状の継鉄部101と、継鉄部101の外周か
ら放射状に突出した突極部102a〜102lとからな
り、各突極部は継鉄部101の外周から放射方向に伸び
るコイル巻回部103と、各コイル巻回部の先端に形成
された極片部104とからなっている。
【0020】本考案においては、点火電源用突極部10
2aの少なくともコイル導体が接する部分を鋳くるむよ
うにナイロン樹脂等からなる樹脂製のボビン4が形成さ
れている。図示の樹脂製ボビン4はコイル巻回部103
を覆うコイル巻回用胴部400と、該胴部の極片部10
4側の端部及び継鉄部101側の端部にそれぞれ形成さ
れたつば部401及び402とを一体に有し、つば部4
01及び402はそれぞれ極片部104の一部及び継鉄
部101の外周部の一部を覆うように形成されている。
このボビン4は、所定の形状の鋼板を積層して電機子鉄
心1を形成した後に、該電機子鉄心をボビン成形用金型
内に位置決めして、該金型内に樹脂を注入することによ
り、鉄心1と一体をなすように射出成形される。
2aの少なくともコイル導体が接する部分を鋳くるむよ
うにナイロン樹脂等からなる樹脂製のボビン4が形成さ
れている。図示の樹脂製ボビン4はコイル巻回部103
を覆うコイル巻回用胴部400と、該胴部の極片部10
4側の端部及び継鉄部101側の端部にそれぞれ形成さ
れたつば部401及び402とを一体に有し、つば部4
01及び402はそれぞれ極片部104の一部及び継鉄
部101の外周部の一部を覆うように形成されている。
このボビン4は、所定の形状の鋼板を積層して電機子鉄
心1を形成した後に、該電機子鉄心をボビン成形用金型
内に位置決めして、該金型内に樹脂を注入することによ
り、鉄心1と一体をなすように射出成形される。
【0021】点火電源用突極部102aの極片部104
の幅寸法(鉄心の周方向に測った幅寸法)は他の突極部
102b〜102lの極片部の幅寸法と同様に誘起電圧
の波形歪みを最小にするために適正な幅寸法W2 に設定
され、ボビン4の極片部104側のつば部401及び継
鉄部側のつば部402の幅寸法W1 は点火電源用発電コ
イルの巻こぼれが生じないように、極片部の適正寸法W
2 よりも大きく設定されている。点火電源用突極部10
2a以外の他の突極部102b〜102lの少なくとも
コイル導体が接触する部分は、粉体コーティングにより
絶縁被覆処理されている。この粉体コーティングを行う
際には、継鉄部101の取付け孔105が形成される部
分に樹脂が付着しないようにマスクをした状態で鉄心を
加熱し、加熱した鉄心に絶縁樹脂の粉体をまぶして該樹
脂の粉体を溶融させることにより鉄心に付着させる。
の幅寸法(鉄心の周方向に測った幅寸法)は他の突極部
102b〜102lの極片部の幅寸法と同様に誘起電圧
の波形歪みを最小にするために適正な幅寸法W2 に設定
され、ボビン4の極片部104側のつば部401及び継
鉄部側のつば部402の幅寸法W1 は点火電源用発電コ
イルの巻こぼれが生じないように、極片部の適正寸法W
2 よりも大きく設定されている。点火電源用突極部10
2a以外の他の突極部102b〜102lの少なくとも
コイル導体が接触する部分は、粉体コーティングにより
絶縁被覆処理されている。この粉体コーティングを行う
際には、継鉄部101の取付け孔105が形成される部
分に樹脂が付着しないようにマスクをした状態で鉄心を
加熱し、加熱した鉄心に絶縁樹脂の粉体をまぶして該樹
脂の粉体を溶融させることにより鉄心に付着させる。
【0022】図2に示したように、点火電源用突極部1
02aに一体に設けられたボビン4に点火電源用発電コ
イル2aが巻回され、他の複数の突極部102c〜10
2kのコイル巻回部にそれぞれ点火装置以外の負荷に電
力を供給する発電コイル2c〜2kが巻回されている。
点火電源用発電コイルを巻回するスペースを確保するた
め、点火用突極部102aの両側に位置する突極部10
2b及び102lは発電コイルが巻回されない空きの突
極部となっている。電機子鉄心1と、発電コイル2a及
び2c〜2kとにより磁石発電機用固定子3が構成され
ている。
02aに一体に設けられたボビン4に点火電源用発電コ
イル2aが巻回され、他の複数の突極部102c〜10
2kのコイル巻回部にそれぞれ点火装置以外の負荷に電
力を供給する発電コイル2c〜2kが巻回されている。
点火電源用発電コイルを巻回するスペースを確保するた
め、点火用突極部102aの両側に位置する突極部10
2b及び102lは発電コイルが巻回されない空きの突
極部となっている。電機子鉄心1と、発電コイル2a及
び2c〜2kとにより磁石発電機用固定子3が構成され
ている。
【0023】図7及び図8に示した従来の固定子では、
点火電源用発電コイルの巻きこぼれを防ぐために、図4
に示したように点火電源用突極部102aの極片部10
4の幅寸法W1 を適正寸法よりも大きく設定する必要が
あったため、点火電源用発電コイル2aの誘起電圧の波
形歪みが大きくなるのを避けられなかったが、本考案に
おいては、図3に示したように、ボビン4のつば部40
1により点火電源用発電コイルの巻きこぼれを防ぐの
で、極片部104の幅寸法は適正寸法W2 に設定するこ
とができ、点火電源用発電コイルの誘起電圧の波形歪み
を少なくすることができる。
点火電源用発電コイルの巻きこぼれを防ぐために、図4
に示したように点火電源用突極部102aの極片部10
4の幅寸法W1 を適正寸法よりも大きく設定する必要が
あったため、点火電源用発電コイル2aの誘起電圧の波
形歪みが大きくなるのを避けられなかったが、本考案に
おいては、図3に示したように、ボビン4のつば部40
1により点火電源用発電コイルの巻きこぼれを防ぐの
で、極片部104の幅寸法は適正寸法W2 に設定するこ
とができ、点火電源用発電コイルの誘起電圧の波形歪み
を少なくすることができる。
【0024】上記の実施例では、点火電源用発電コイル
を1つの突極部102aのみに巻回しているが、点火電
源用発電コイルのコイル導体の線径や巻数の関係で、点
火電源用発電コイルを1つの突極部に巻回しきれない場
合には、複数の突極部を点火電源用突極部として用い
て、該複数の点火電源用突極部に点火電源用発電コイル
を分けて巻回するようにしてもよい。
を1つの突極部102aのみに巻回しているが、点火電
源用発電コイルのコイル導体の線径や巻数の関係で、点
火電源用発電コイルを1つの突極部に巻回しきれない場
合には、複数の突極部を点火電源用突極部として用い
て、該複数の点火電源用突極部に点火電源用発電コイル
を分けて巻回するようにしてもよい。
【0025】図5及び図6は点火電源用発電コイルを2
つの突極部に分けて巻回するようにした本考案の他の実
施例を示したもので、この実施例では、突極部102a
〜102lの内、1つ置きに配置された2つの突極部1
02a,102kが点火電源用突極部として用いられ、
これらの突極部102a及び102kをそれぞれ鋳くる
むように樹脂製ボビン4が形成されている。他の突極部
102b〜102j及び102lのコイル導体が接する
部分には粉体コーティングにより絶縁被覆処理が施され
ている。点火電源用突極部102a及び102kにそれ
ぞれ取付けられたボビン4に巻回された発電コイル2a
及び2kがそれぞれ点火電源用発電コイルとして用いら
れ、これらの点火電源用発電コイルが直列に接続されて
いる。突極部2c〜2iにそれぞれランプ負荷等の点火
装置以外の負荷に電力を供給する発電コイル2c〜2i
が巻回され、点火電源用突極部102a及び102kの
それぞれの両側に位置する突極部102b,102l及
び102kは発電コイルが巻回されない空きの突極部と
なっている。
つの突極部に分けて巻回するようにした本考案の他の実
施例を示したもので、この実施例では、突極部102a
〜102lの内、1つ置きに配置された2つの突極部1
02a,102kが点火電源用突極部として用いられ、
これらの突極部102a及び102kをそれぞれ鋳くる
むように樹脂製ボビン4が形成されている。他の突極部
102b〜102j及び102lのコイル導体が接する
部分には粉体コーティングにより絶縁被覆処理が施され
ている。点火電源用突極部102a及び102kにそれ
ぞれ取付けられたボビン4に巻回された発電コイル2a
及び2kがそれぞれ点火電源用発電コイルとして用いら
れ、これらの点火電源用発電コイルが直列に接続されて
いる。突極部2c〜2iにそれぞれランプ負荷等の点火
装置以外の負荷に電力を供給する発電コイル2c〜2i
が巻回され、点火電源用突極部102a及び102kの
それぞれの両側に位置する突極部102b,102l及
び102kは発電コイルが巻回されない空きの突極部と
なっている。
【0026】上記の実施例では、12極の固定子を例に
とったが、本考案において固定子の極数は任意であり、
6極、8極,24極等の多極の電機子鉄心を用いる場合
に本考案を適用することができる。
とったが、本考案において固定子の極数は任意であり、
6極、8極,24極等の多極の電機子鉄心を用いる場合
に本考案を適用することができる。
【0027】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、点火電
源用突極部を鋳くるむように設けた樹脂製ボビンに点火
電源用の発電コイルを巻回するようにしたので、点火電
源用発電コイルと電機子鉄心との間の絶縁を確実にする
ことができ、信頼性を高めることができる。
源用突極部を鋳くるむように設けた樹脂製ボビンに点火
電源用の発電コイルを巻回するようにしたので、点火電
源用発電コイルと電機子鉄心との間の絶縁を確実にする
ことができ、信頼性を高めることができる。
【0028】また本考案によれば、樹脂製ボビンのつば
部の幅寸法を極片部の幅寸法よりも大きくして巻数が多
い点火電源用発電コイルの巻こぼれを防ぐようにしたの
で、点火電源用突極部の極片部の幅寸法は他の突極部と
同様に適正寸法に設定することができ、点火電源用発電
コイルの誘起電圧の波形歪みを少なくすることができ
る。
部の幅寸法を極片部の幅寸法よりも大きくして巻数が多
い点火電源用発電コイルの巻こぼれを防ぐようにしたの
で、点火電源用突極部の極片部の幅寸法は他の突極部と
同様に適正寸法に設定することができ、点火電源用発電
コイルの誘起電圧の波形歪みを少なくすることができ
る。
【0029】更に本考案によれば、点火電源用突極部が
他の突極部と共に継鉄部に一体に形成されるので、点火
電源用発電コイルと鎖交する磁束が流れる磁路の磁気抵
抗が大きくなるのを防いで、点火電源用発電コイルの性
能の低下を防ぐことができる。
他の突極部と共に継鉄部に一体に形成されるので、点火
電源用発電コイルと鎖交する磁束が流れる磁路の磁気抵
抗が大きくなるのを防いで、点火電源用発電コイルの性
能の低下を防ぐことができる。
【0030】また本考案によれば、点火電源用突極部を
別体として製作する必要がないため、電機子鉄心を製作
するために必要な金型の種類を少なくして鉄心の製造コ
ストを安くすることができる。
別体として製作する必要がないため、電機子鉄心を製作
するために必要な金型の種類を少なくして鉄心の製造コ
ストを安くすることができる。
【0031】更に本考案によれば、点火電源用突極部が
継鉄部に一体に形成されていることにより、点火電源用
突極部から継鉄部への熱伝達を良好に行わせることがで
きるため、点火電源用発電コイルの温度の上昇を抑制す
ることができる。
継鉄部に一体に形成されていることにより、点火電源用
突極部から継鉄部への熱伝達を良好に行わせることがで
きるため、点火電源用発電コイルの温度の上昇を抑制す
ることができる。
【図1】本考案の実施例で用いる電機子鉄心の正面図で
ある。
ある。
【図2】図1の電機子鉄心に発電コイルを巻回して本考
案に係わる磁石発電機用固定子を構成した状態を示した
正面図である。
案に係わる磁石発電機用固定子を構成した状態を示した
正面図である。
【図3】本考案の固定子の点火電源用突極部の極片部及
びボビンのつば部の寸法を説明する説明図である。
びボビンのつば部の寸法を説明する説明図である。
【図4】従来の固定子の点火電源用突極部の極片部の寸
法を説明する説明図である。
法を説明する説明図である。
【図5】本考案の他の実施例で用いる電機子鉄心の正面
図である。
図である。
【図6】図5の電機子鉄心に発電コイルを巻回して本考
案に係わる磁石発電機用固定子を構成した状態を示した
正面図である。
案に係わる磁石発電機用固定子を構成した状態を示した
正面図である。
【図7】従来の固定子で用いる電機子鉄心の正面図であ
る。
る。
【図8】図7の電機子鉄心に発電コイルを巻回して磁石
発電機用固定子を構成した状態を示した正面図である。
発電機用固定子を構成した状態を示した正面図である。
1 電機子鉄心 101 継鉄部 102a〜102l 突極部 103 コイル巻回部 104 極片部 2a 点火電源用発電コイル 2c〜2k 点火装置以外の負荷を駆動する発電コイル 3 磁石発電機用固定子 4 ボビン 400 ボビンの胴部 401,402 ボビンのつば部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 21/22 H02K 3/34 H02K 3/46 H02K 29/00
Claims (1)
- 【請求項1】 環状の継鉄部と該継鉄部の外周から放射
状に突出した多数の突極部とを一体に有していて、各突
極部が継鉄部から放射方向に伸びるコイル巻回部と該コ
イル巻回部の先端に形成された極片部とからなっている
多極の電機子鉄心と、前記電機子鉄心の複数の突極部の
コイル巻回部にそれぞれ巻回された発電コイルとを備
え、 前記複数の突極部のコイル巻回部にそれぞれ巻回された
発電コイルのうちの少なくとも1つの発電コイルは他の
発電コイルよりも巻数が多い点火電源用の発電コイルで
ある磁石発電機用固定子において、 前記点火電源用の発電コイルが巻回される点火電源用突
極部の少なくともコイル導体が接する部分を鋳くるむよ
うに樹脂製のコイル巻回用ボビンが成形されて、該ボビ
ンに点火電源用の発電コイルが巻回され、 電機子鉄心の周方向に測った前記点火電源用突極部の極
片部の幅寸法は他の発電コイルが巻回される突極部の極
片部の同じ方向に測った幅寸法に等しく設定され、 前記樹脂製ボビンは前記点火電源用突極部の極片部側に
つば部を有していて、電機子鉄心の周方向に測った該つ
ば部の幅寸法が同じ方向に測った前記点火電源用突極部
の極片部の幅寸法よりも大きく設定され、 前記点火電源用発電コイル以外の他の発電コイルが巻回
される突極部のコイル導体に接する部分は絶縁コーティ
ングにより被覆されていることを特徴とする磁石発電機
用固定子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993070136U JP2578314Y2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 磁石発電機用固定子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993070136U JP2578314Y2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 磁石発電機用固定子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0742561U JPH0742561U (ja) | 1995-08-04 |
JP2578314Y2 true JP2578314Y2 (ja) | 1998-08-13 |
Family
ID=13422859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993070136U Expired - Fee Related JP2578314Y2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 磁石発電機用固定子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2578314Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP1993070136U patent/JP2578314Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0742561U (ja) | 1995-08-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980421 |
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