JP2577906B2 - 導電性セメント組成物及び電気抵抗発熱体 - Google Patents
導電性セメント組成物及び電気抵抗発熱体Info
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- JP2577906B2 JP2577906B2 JP62088514A JP8851487A JP2577906B2 JP 2577906 B2 JP2577906 B2 JP 2577906B2 JP 62088514 A JP62088514 A JP 62088514A JP 8851487 A JP8851487 A JP 8851487A JP 2577906 B2 JP2577906 B2 JP 2577906B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、導電性セメント組成物及び電気抵抗発熱体
に関する。
に関する。
従来の技術及びその問題点 近年、生活意識の高揚と相俟って、高性能、高品位及
び高機能商品、更には快適な生活環境への指向に伴う住
宅関連素材の高機能化及び省力化への適応等に対するニ
ーズが非常に高まっており、これらに関連する産業にあ
っては、これら多様化したニーズに適合した新規技術の
開発が強く望まれ、特に導電性素材に対するニーズは電
磁波シールド用材料、静電気除去及び帯電防止用材料、
更には暖房用等の抵抗材料等多様化しており、これらに
適用できる高性能、高品位、高機能の導電材料の開発が
望まれている。
び高機能商品、更には快適な生活環境への指向に伴う住
宅関連素材の高機能化及び省力化への適応等に対するニ
ーズが非常に高まっており、これらに関連する産業にあ
っては、これら多様化したニーズに適合した新規技術の
開発が強く望まれ、特に導電性素材に対するニーズは電
磁波シールド用材料、静電気除去及び帯電防止用材料、
更には暖房用等の抵抗材料等多様化しており、これらに
適用できる高性能、高品位、高機能の導電材料の開発が
望まれている。
上記のような導電性素材に対する要望の昴りに伴っ
て、これまでに種々の導電性材料が開発されている。導
電性セメント組成物に関しても種々の提案がなされてい
るが、今日までの導電性セメント組成物は、いずれも導
電性充填剤として炭素粉末、銅、ニツケル、黄銅等の導
電性粉末又は炭素繊維、ステンレス繊維、ニツケル繊
維、黄銅繊維等の導電性繊維が配合されたものである。
しかしながら、導電性充填剤としてこれら導電性粉末及
び導電性繊維を使用した場合には、それぞれ下記に示す
欠点が生じ、上記要望に合致するセメント組成物は未だ
得られていない。
て、これまでに種々の導電性材料が開発されている。導
電性セメント組成物に関しても種々の提案がなされてい
るが、今日までの導電性セメント組成物は、いずれも導
電性充填剤として炭素粉末、銅、ニツケル、黄銅等の導
電性粉末又は炭素繊維、ステンレス繊維、ニツケル繊
維、黄銅繊維等の導電性繊維が配合されたものである。
しかしながら、導電性充填剤としてこれら導電性粉末及
び導電性繊維を使用した場合には、それぞれ下記に示す
欠点が生じ、上記要望に合致するセメント組成物は未だ
得られていない。
セメント組成物の開発に当り、セメント質と骨材(充
填材)の種類及び配合比は重要な要素である。上記導電
性粉末を配合した場合、高導電性のセメント組成物が得
られるものの、粉末粒子が微細すぎて補強性に乏しくな
り、更にこれらの導電性粉末間の隣接距離が導電性の発
現に寄与するので、導電性粉末の使用量や分散度により
セメント組成物の導電性が変化し、該組成物の機械的性
質及び導電性の調整に高度の熟練が必要とされ、製造時
充分な工程管理を行っても品位にバラツキが生ずるのを
避け得ない。
填材)の種類及び配合比は重要な要素である。上記導電
性粉末を配合した場合、高導電性のセメント組成物が得
られるものの、粉末粒子が微細すぎて補強性に乏しくな
り、更にこれらの導電性粉末間の隣接距離が導電性の発
現に寄与するので、導電性粉末の使用量や分散度により
セメント組成物の導電性が変化し、該組成物の機械的性
質及び導電性の調整に高度の熟練が必要とされ、製造時
充分な工程管理を行っても品位にバラツキが生ずるのを
避け得ない。
また、上記導電性繊維を配合した場合、上記導電性粉
末を配合した場合に比し強度等の機械的性質の改善され
たセメント組成物が得られるものの、使用される繊維の
繊維長にバラツキがあるために、導電性粉末を配合した
場合と同様、導電性にバラツキを生じ易く、セメント組
成物の組織内での導電性の不揃い、表面導電性の低下、
該組成物を塗工、成形加工する際の作業性の低下、表面
平滑性の欠如等の点で問題があり、品質管理、品質設
計、加工において高度の熟練を必要とする。
末を配合した場合に比し強度等の機械的性質の改善され
たセメント組成物が得られるものの、使用される繊維の
繊維長にバラツキがあるために、導電性粉末を配合した
場合と同様、導電性にバラツキを生じ易く、セメント組
成物の組織内での導電性の不揃い、表面導電性の低下、
該組成物を塗工、成形加工する際の作業性の低下、表面
平滑性の欠如等の点で問題があり、品質管理、品質設
計、加工において高度の熟練を必要とする。
更に上記導電性粉末と導電性繊維とを併用することも
検討されているが、高強度で均質な導電性セメント組成
物は未だ開発されていないのが現状である。
検討されているが、高強度で均質な導電性セメント組成
物は未だ開発されていないのが現状である。
問題点を解決するための手段 本発明者は、斯かる現状に鑑み、高強度で均質な導電
性セメント組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
導電性充填剤として導電性チタン酸アルカリ繊維を配合
した場合に本発明の所期の目的を達成し得ることを見い
出した。更に斯かる導電性チタン酸アルカリ繊維を配合
したセメント組成物につき検討を重ねた結果、該組成物
が電気抵抗発熱体として極めて有効であることをも見い
出した。本発明は、斯かる知見に基づいて完成されたも
のである。
性セメント組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
導電性充填剤として導電性チタン酸アルカリ繊維を配合
した場合に本発明の所期の目的を達成し得ることを見い
出した。更に斯かる導電性チタン酸アルカリ繊維を配合
したセメント組成物につき検討を重ねた結果、該組成物
が電気抵抗発熱体として極めて有効であることをも見い
出した。本発明は、斯かる知見に基づいて完成されたも
のである。
即ち、本発明は、体積固有抵抗率が10-5〜1012(100k
g/cm2加圧時測定)の範囲にある導電性チタン酸アルカ
リ繊維及び無機質セメントを主成分として含有すること
を特徴とする電気抵抗発熱体用導電性セメント組成物並
びに該組成物からなる電気抵抗発熱体に係る。
g/cm2加圧時測定)の範囲にある導電性チタン酸アルカ
リ繊維及び無機質セメントを主成分として含有すること
を特徴とする電気抵抗発熱体用導電性セメント組成物並
びに該組成物からなる電気抵抗発熱体に係る。
本発明において、導電性チタン酸アルカリ繊維として
は、従来公知のものを広く使用できる。その代表的なも
のは以下の通りである。
は、従来公知のものを広く使用できる。その代表的なも
のは以下の通りである。
(1)一般式 M2O・nTiO2-x・mH2O 〔式中Mはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属、0<n≦8、0<m≦4、0<x<2、n、m
及びxは実数〕 で表わされ、一般に還元チタン酸アルカリ繊維と呼ばれ
る導電性チタン酸アルカリ繊維。
リ金属、0<n≦8、0<m≦4、0<x<2、n、m
及びxは実数〕 で表わされ、一般に還元チタン酸アルカリ繊維と呼ばれ
る導電性チタン酸アルカリ繊維。
(2)チタン酸アルカリ繊維に異種金属を導入した導電
性チタン酸アルカリ繊維。
性チタン酸アルカリ繊維。
(3)チタン酸アルカリ繊維と異種元素からなる化合物
を焼成又は還元焼成することにより得られる導電性チタ
ン酸アルカリ繊維。
を焼成又は還元焼成することにより得られる導電性チタ
ン酸アルカリ繊維。
(4)チタン酸アルカリ繊維及び/又は上記(1)〜
(3)の導電性チタン酸アルカリ繊維の表面に化学的に
導電性金属及び/又は金属化合物を被覆し又はこれら金
属及び/又は金属化合物との共晶を形成させることによ
り得られる導電性チタン酸アルカリ繊維。
(3)の導電性チタン酸アルカリ繊維の表面に化学的に
導電性金属及び/又は金属化合物を被覆し又はこれら金
属及び/又は金属化合物との共晶を形成させることによ
り得られる導電性チタン酸アルカリ繊維。
(5)チタン酸アルカリ繊維及び/又は上記(1)〜
(3)の導電性チタン酸アルカリ繊維の表面に気相析出
法により、導電性炭素質成分を被覆させることにより得
られる導電性チタン酸アルカリ繊維。
(3)の導電性チタン酸アルカリ繊維の表面に気相析出
法により、導電性炭素質成分を被覆させることにより得
られる導電性チタン酸アルカリ繊維。
上記導電性チタン酸アルカリ繊維は、いずれも公知の
ものである。
ものである。
本発明では、上記導電性チタン酸アルカリ繊維の他、
補強性の又は非補強性の導電性チタン酸アルカリ繊維を
使用することもできる。
補強性の又は非補強性の導電性チタン酸アルカリ繊維を
使用することもできる。
本発明では、斯かる導電性チタン酸アルカリ繊維を1
種単独で又は2種以上混合して使用され得る。
種単独で又は2種以上混合して使用され得る。
本発明においては、導電性チタン酸アルカリ繊維は、
微細繊維状の形態にあるものが好ましく、繊維径が0.1
〜100μm程度、アスペクト比が1〜1000程度のものが
補強効果及び表面平滑性付与効果の観点から特に好適で
ある。
微細繊維状の形態にあるものが好ましく、繊維径が0.1
〜100μm程度、アスペクト比が1〜1000程度のものが
補強効果及び表面平滑性付与効果の観点から特に好適で
ある。
本発明の導電性チタン酸アルカリ繊維の体積固有抵抗
率としては、特に限定されるものではないが、通常10-5
〜1012Ωcm(100kg/cm2加圧時測定、以下同じ)の範囲
のもの、好ましくは10-3〜105Ωcmの範囲のものがよ
い。特に上記(1)乃至(3)に属する体積固有抵抗率
102〜103Ωcmを示す導電性チタン酸アルカリ繊維は、そ
れ自体淡青色〜濃紫色を呈し、従って該チタン酸アルカ
リ繊維を配合したセメント組成物又は該組成物からなる
電気抵抗発熱体は淡青色〜淡紫色となり、通常用いられ
ている着色剤により容易に調色が可能となる。また上記
(5)に属する体積固有抵抗率10〜10-5Ωcmを示す導電
性チタン酸アルカリ繊維は、良導電性を示し、従ってこ
れを使用する場合、従来得られなかった均質且つ強固な
電気抵抗発熱体を提供し得る。
率としては、特に限定されるものではないが、通常10-5
〜1012Ωcm(100kg/cm2加圧時測定、以下同じ)の範囲
のもの、好ましくは10-3〜105Ωcmの範囲のものがよ
い。特に上記(1)乃至(3)に属する体積固有抵抗率
102〜103Ωcmを示す導電性チタン酸アルカリ繊維は、そ
れ自体淡青色〜濃紫色を呈し、従って該チタン酸アルカ
リ繊維を配合したセメント組成物又は該組成物からなる
電気抵抗発熱体は淡青色〜淡紫色となり、通常用いられ
ている着色剤により容易に調色が可能となる。また上記
(5)に属する体積固有抵抗率10〜10-5Ωcmを示す導電
性チタン酸アルカリ繊維は、良導電性を示し、従ってこ
れを使用する場合、従来得られなかった均質且つ強固な
電気抵抗発熱体を提供し得る。
本発明において用いられる無機質セメントとしては、
従来公知のものを広く使用でき、例えば普通ポルトラン
ドセメント、アルミナセメント、水硬セメント、高炉セ
メント、混合セメント等が挙げられ、これらは1種単独
で又は2種以上混合して使用される。
従来公知のものを広く使用でき、例えば普通ポルトラン
ドセメント、アルミナセメント、水硬セメント、高炉セ
メント、混合セメント等が挙げられ、これらは1種単独
で又は2種以上混合して使用される。
本発明のセメント組成物中に配合される導電性チタン
酸アルカリ繊維及び無機質セメントの量としては、セメ
ント組成物の使用目的、該組成物中に配合される各種成
分の種類等により異なり一概には言えないが、一般に得
られるセメント組成物の体積固有抵抗率が10-1〜1010Ω
cmとなるように両者を適宜配合するのがよい。より具体
的には通常無機質セメント100重量部(以下単に「部」
と記す)に対して導電性チタン酸アルカリ繊維を30〜20
0部程度と配合するのがよい。導電性チタン酸アルカリ
繊維の配合量が多すぎると、本発明の組成物の機械的性
質が低下する傾向となるので好ましくない。また逆に、
導電性チタン酸アルカリ繊維の配合量が少なすぎると、
本発明組成物の導電性が不充分となるので好ましくな
い。
酸アルカリ繊維及び無機質セメントの量としては、セメ
ント組成物の使用目的、該組成物中に配合される各種成
分の種類等により異なり一概には言えないが、一般に得
られるセメント組成物の体積固有抵抗率が10-1〜1010Ω
cmとなるように両者を適宜配合するのがよい。より具体
的には通常無機質セメント100重量部(以下単に「部」
と記す)に対して導電性チタン酸アルカリ繊維を30〜20
0部程度と配合するのがよい。導電性チタン酸アルカリ
繊維の配合量が多すぎると、本発明の組成物の機械的性
質が低下する傾向となるので好ましくない。また逆に、
導電性チタン酸アルカリ繊維の配合量が少なすぎると、
本発明組成物の導電性が不充分となるので好ましくな
い。
本発明においては、本発明組成物中に更に2〜6価の
多価アルコール、該アルコールの縮合体及びその誘導体
からなる群から選ばれた少なくとも1種(以下「多価ア
ルコール類」という)を配合するのが好適である。
多価アルコール、該アルコールの縮合体及びその誘導体
からなる群から選ばれた少なくとも1種(以下「多価ア
ルコール類」という)を配合するのが好適である。
2〜6価の多価アルコールとしては、具体的にはエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコー
ル;グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペ
ンタントリオール等のモノアルキル置換トリオール;2−
メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3
−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,
3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプ
タントリオール、ペンタメチルグリセリン、1,2,4−ブ
タントリオール、1,2,4−ペンタントリオール等のアル
キル置換グリセリン;テトリツト(1,2,3,4−テトラオ
キシブタン)、エリトリツト、L−トレイツト、ペンタ
エリトリツト、アラビツト、キシリツト、メチルペンチ
ツト類;アリツト、タリツト、ソルビツト等;ヘキシツ
ト等を例示できる。これらの中でもエチレングリコー
ル、プロピレングリコール及びグリセリンが特に好適で
ある。
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコー
ル;グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペ
ンタントリオール等のモノアルキル置換トリオール;2−
メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3
−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,
3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプ
タントリオール、ペンタメチルグリセリン、1,2,4−ブ
タントリオール、1,2,4−ペンタントリオール等のアル
キル置換グリセリン;テトリツト(1,2,3,4−テトラオ
キシブタン)、エリトリツト、L−トレイツト、ペンタ
エリトリツト、アラビツト、キシリツト、メチルペンチ
ツト類;アリツト、タリツト、ソルビツト等;ヘキシツ
ト等を例示できる。これらの中でもエチレングリコー
ル、プロピレングリコール及びグリセリンが特に好適で
ある。
また多価アルコールの縮合体又はその誘導体として
は、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリブチレングリコール、ポリペンチレ
ングリコール、ポリヘキシレングリコール等のポリアル
キレングリコール類又はそのモノ及びジ(アルキルエス
テル、アルキルエーテル);ポリグリセリン又はそのモ
ノ、ジ及びトリ(アルキルエステル、アルキルエーテ
ル)等を例示できる。アルキルエステル及びアルキルエ
ーテルにあっては、アルキル基の鎖長は炭素数6〜18で
あり、グリコール、グリセリンの縮合数1個に対しアル
キル基の炭素数が6個以下が好ましい。
は、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリブチレングリコール、ポリペンチレ
ングリコール、ポリヘキシレングリコール等のポリアル
キレングリコール類又はそのモノ及びジ(アルキルエス
テル、アルキルエーテル);ポリグリセリン又はそのモ
ノ、ジ及びトリ(アルキルエステル、アルキルエーテ
ル)等を例示できる。アルキルエステル及びアルキルエ
ーテルにあっては、アルキル基の鎖長は炭素数6〜18で
あり、グリコール、グリセリンの縮合数1個に対しアル
キル基の炭素数が6個以下が好ましい。
上記多価アルコール類を更に配合した場合、得られる
組成物に、より一層の均質な導電性を付与できるという
効果が発現され得る。また室温で固体状にある一部の多
価アルコール類(具体的にはグリセリンのアルキルエス
テル、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンのアル
キルエステル等)には、PTC特性(温度上昇と共に抵抗
が増大する性質)を示し、従って該多価アルコール類が
配合された組成物を電気抵抗発熱体として利用した場合
には、所望の温度以上になると抵抗が増大し、発熱量が
抑制され、異常加熱、電力の消費が抑制されるという利
点が発現される。
組成物に、より一層の均質な導電性を付与できるという
効果が発現され得る。また室温で固体状にある一部の多
価アルコール類(具体的にはグリセリンのアルキルエス
テル、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンのアル
キルエステル等)には、PTC特性(温度上昇と共に抵抗
が増大する性質)を示し、従って該多価アルコール類が
配合された組成物を電気抵抗発熱体として利用した場合
には、所望の温度以上になると抵抗が増大し、発熱量が
抑制され、異常加熱、電力の消費が抑制されるという利
点が発現される。
上記多価アルコール類の使用量としては、導電性チタ
ン酸アルカリ繊維100部当り通常100部以下、好ましくは
5〜50部程度とするのがよい。多価アルコール類の配合
量が多すぎると、多価アルコール類の親水性による水分
分散に起因する導電性の変動が大きくなる傾向が生ずる
ので好ましくない。
ン酸アルカリ繊維100部当り通常100部以下、好ましくは
5〜50部程度とするのがよい。多価アルコール類の配合
量が多すぎると、多価アルコール類の親水性による水分
分散に起因する導電性の変動が大きくなる傾向が生ずる
ので好ましくない。
本発明の組成物には、更に一般に常用されている各種
の骨材、即ちシリカを主成分とする珪砂、砕石類等を配
合することができる。本発明では、特に骨材として珪灰
石、ジルコン砂、燐灰石、アルミナ、珪酸アルミニウム
等の耐熱性骨材を配合するのが好ましく、斯くして本発
明のセメント組成物に優れた耐熱性を付与することがで
きる。上記骨材の配合量としては、特に制限されるもの
ではないが、通常無機質セメント100部当り400部以下、
好ましくは50〜200部程度とするのがよい。
の骨材、即ちシリカを主成分とする珪砂、砕石類等を配
合することができる。本発明では、特に骨材として珪灰
石、ジルコン砂、燐灰石、アルミナ、珪酸アルミニウム
等の耐熱性骨材を配合するのが好ましく、斯くして本発
明のセメント組成物に優れた耐熱性を付与することがで
きる。上記骨材の配合量としては、特に制限されるもの
ではないが、通常無機質セメント100部当り400部以下、
好ましくは50〜200部程度とするのがよい。
また、本発明の組成物には、窒化珪素、炭化珪素、珪
化モリブデン、酸化鉄、ニツケル、コバルト、ゲルマニ
ウム、クロム、ニツケルクロム、黒鉛等の導電性粉末を
配合することもできる。更に本発明の組成物には、従来
用いられている減水剤、空気連行剤、硬化促進剤、硬化
遅延剤、膨脹剤、着色剤、界面活性剤、粘土質、高分子
樹脂エマルジヨン、水溶性もしくは水膨潤性高分子粉末
等を配合することもできる。
化モリブデン、酸化鉄、ニツケル、コバルト、ゲルマニ
ウム、クロム、ニツケルクロム、黒鉛等の導電性粉末を
配合することもできる。更に本発明の組成物には、従来
用いられている減水剤、空気連行剤、硬化促進剤、硬化
遅延剤、膨脹剤、着色剤、界面活性剤、粘土質、高分子
樹脂エマルジヨン、水溶性もしくは水膨潤性高分子粉末
等を配合することもできる。
本発明の導電性セメント組成物を製造するのに当り、
その製造手段は使用目的、使用原料の種類、配合割合等
により適宜変更できるが、一般には導電性チタン酸アル
カリ繊維と無機質セメント、更には骨材等各種配合成分
を通常用いられる混合機で均質に混合するだけでよい。
また、上記多価アルコール類を配合する場合には、多価
アルコール類と導電性チタン酸アルカリ繊維とを別々に
混合してもよいが、予め多価アルコール類で導電性チタ
ン酸アルカリ繊維表面を被覆処理しておくのがよい。被
覆処理により、導電性チタン酸アルカリ繊維の水に対す
る親和性が改善され、無機質セメントを硬化させるのに
必要な混練水との混和が均質となり、副次的に混練水の
使用量を減少でき、より高強度且つ均質な導電性セメン
ト組成物を得ることができる。更にまた多価アルコール
類と導電性チタン酸アルカリ繊維との接触量が多い程、
より良好なPTC特性を発現し得る。被覆処理方法として
は、使用される多価アルコール類が液状物である場合に
は、単にこれをそのまま導電性チタン酸アルカリ繊維と
混合するのみでも可能であるが、多価アルコール類を
水、アルコール類等の溶媒に溶解し、更に融点以上に加
熱したもので導電性チタン酸アルカリ繊維を処理、必要
によりこれを乾燥させればよい。特に溶媒として水を使
用した場合には、被覆処理物を湿潤状態で使用できる利
点がある。
その製造手段は使用目的、使用原料の種類、配合割合等
により適宜変更できるが、一般には導電性チタン酸アル
カリ繊維と無機質セメント、更には骨材等各種配合成分
を通常用いられる混合機で均質に混合するだけでよい。
また、上記多価アルコール類を配合する場合には、多価
アルコール類と導電性チタン酸アルカリ繊維とを別々に
混合してもよいが、予め多価アルコール類で導電性チタ
ン酸アルカリ繊維表面を被覆処理しておくのがよい。被
覆処理により、導電性チタン酸アルカリ繊維の水に対す
る親和性が改善され、無機質セメントを硬化させるのに
必要な混練水との混和が均質となり、副次的に混練水の
使用量を減少でき、より高強度且つ均質な導電性セメン
ト組成物を得ることができる。更にまた多価アルコール
類と導電性チタン酸アルカリ繊維との接触量が多い程、
より良好なPTC特性を発現し得る。被覆処理方法として
は、使用される多価アルコール類が液状物である場合に
は、単にこれをそのまま導電性チタン酸アルカリ繊維と
混合するのみでも可能であるが、多価アルコール類を
水、アルコール類等の溶媒に溶解し、更に融点以上に加
熱したもので導電性チタン酸アルカリ繊維を処理、必要
によりこれを乾燥させればよい。特に溶媒として水を使
用した場合には、被覆処理物を湿潤状態で使用できる利
点がある。
本発明の組成物を使用するに当っては、該組成物に水
を添加、均質に混合し、これを適用されるべき基材表面
にスプレー塗り、刷毛塗り、ローラ塗り、コテ塗り等従
来公知の塗装方法に従い塗布、成膜させるか、型枠内に
注型し、成型加工すればよい。
を添加、均質に混合し、これを適用されるべき基材表面
にスプレー塗り、刷毛塗り、ローラ塗り、コテ塗り等従
来公知の塗装方法に従い塗布、成膜させるか、型枠内に
注型し、成型加工すればよい。
本発明の導電性セメント組成物は、電気抵抗発熱体と
して特に有用である。電気抵抗発熱体は、家庭用、工業
用の熱源として広く用いられており、従来から金属系、
非金属系のものが広く利用されている。これら従来の発
熱体は成型加工性が不充分であるため、局所発熱には適
しているが、広い面積での発熱を要する場合にはこれら
の発熱体を複数個接続するか、布帛状に織り込む必要が
あり、結接部分の異常発熱により、抵抗体の変化、利用
分野の制限等種々の問題を有している。従って均質発熱
性に優れた抵抗体の開発が望まれ、窒化珪素、炭化珪
素、珪化モリブデン等の導電性粉末を焼結又は無機質結
合剤で結合した焼結体についての研究が種々行なわれて
いるが、焼結体では成型加工性が不充分であり、これら
はいずれも衝撃強度が不足し、熱歪み、又は異常応力下
で亀裂、破壊等の損傷が発生し易く、高度の品質管理が
必要であり、また適用分野が種々制限されているのが現
状である。これに対して本発明の電気抵抗発熱体は、こ
れらの問題点を全く有していないものである。
して特に有用である。電気抵抗発熱体は、家庭用、工業
用の熱源として広く用いられており、従来から金属系、
非金属系のものが広く利用されている。これら従来の発
熱体は成型加工性が不充分であるため、局所発熱には適
しているが、広い面積での発熱を要する場合にはこれら
の発熱体を複数個接続するか、布帛状に織り込む必要が
あり、結接部分の異常発熱により、抵抗体の変化、利用
分野の制限等種々の問題を有している。従って均質発熱
性に優れた抵抗体の開発が望まれ、窒化珪素、炭化珪
素、珪化モリブデン等の導電性粉末を焼結又は無機質結
合剤で結合した焼結体についての研究が種々行なわれて
いるが、焼結体では成型加工性が不充分であり、これら
はいずれも衝撃強度が不足し、熱歪み、又は異常応力下
で亀裂、破壊等の損傷が発生し易く、高度の品質管理が
必要であり、また適用分野が種々制限されているのが現
状である。これに対して本発明の電気抵抗発熱体は、こ
れらの問題点を全く有していないものである。
本発明の電気抵抗発熱体は、本発明の導電性セメント
組成物から、例えば下記に示す方法に従って製造され得
る。
組成物から、例えば下記に示す方法に従って製造され得
る。
本発明の電気抵抗発熱体は、上記導電性セメント組成
物に水を添加、均質に混合し、これを適用されるべき基
材表面にスプレーを塗り、刷毛塗り、ローラ塗り、コテ
塗り等従来公知の塗装方法に従い塗布、成膜させるか、
型枠内に注型し、成型加工することにより容易に製造さ
れ得る。
物に水を添加、均質に混合し、これを適用されるべき基
材表面にスプレーを塗り、刷毛塗り、ローラ塗り、コテ
塗り等従来公知の塗装方法に従い塗布、成膜させるか、
型枠内に注型し、成型加工することにより容易に製造さ
れ得る。
本発明の電気抵抗発熱体は、従来のそれと同様の方法
で使用され得る。
で使用され得る。
実施例 以下に実施例を掲げて本発明をより一層明らかにす
る。
る。
実施例1 ポルトランドセメント100部及び導電性炭素質で被覆
された導電性チタン酸カリ繊維〔自社製、BK−300、体
積固有抵抗1.8×10-3Ωcm、以下この繊維を「導電性チ
タン酸カリ繊維I」という)〕70部を均質に混合して本
発明の導電性セメント組成物を得た。
された導電性チタン酸カリ繊維〔自社製、BK−300、体
積固有抵抗1.8×10-3Ωcm、以下この繊維を「導電性チ
タン酸カリ繊維I」という)〕70部を均質に混合して本
発明の導電性セメント組成物を得た。
該導電性セメント組成物170部に水120部部を加えて混
練後、JISA 1106に準じてコンクリートの強度試験用供
試体を作成し、JISA 1106に規定する試験方法により試
験した結果、曲げ強度50kg/cm2の成型品が得られた。
練後、JISA 1106に準じてコンクリートの強度試験用供
試体を作成し、JISA 1106に規定する試験方法により試
験した結果、曲げ強度50kg/cm2の成型品が得られた。
尚、上記成型品の両端に導電性銀ペーストを塗布して
電極としたものについて体積固有抵抗を測定した所、1.
8Ωcmであった。
電極としたものについて体積固有抵抗を測定した所、1.
8Ωcmであった。
比較例1 導電性チタン酸カリ繊維Iの代りに導電性炭素繊維
(平均繊維長3mm)70部を使用する以外は、上記実施例
1と同様にして導電性セメント組成物を得た。
(平均繊維長3mm)70部を使用する以外は、上記実施例
1と同様にして導電性セメント組成物を得た。
該組成物につき、上記実施例1に示す方法と同様にし
て成型品の作成を試みたが、成型加工性に乏しく、表面
に炭素繊維が露出し、表面平滑性が極めて悪かった。
て成型品の作成を試みたが、成型加工性に乏しく、表面
に炭素繊維が露出し、表面平滑性が極めて悪かった。
尚、成型品の曲げ強度は65kg/cm2と実施例1で得られ
る成型品のそれに比し良好であったが、体積固有抵抗は
5.8×10〜2.7×10-1Ωcmと変動が大であった。
る成型品のそれに比し良好であったが、体積固有抵抗は
5.8×10〜2.7×10-1Ωcmと変動が大であった。
実施例2 ポルトランドセメント100部、炭化珪素〔昭和電工社
製、DENSIC ULTRAFINE〕100部及び導電性チタン酸カリ
繊維I100部を均質に混合して本発明の導電性セメント組
成物を得た。
製、DENSIC ULTRAFINE〕100部及び導電性チタン酸カリ
繊維I100部を均質に混合して本発明の導電性セメント組
成物を得た。
該導電性セメント組成物300部に水180部を加え、実施
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は72kg/cm2、体積固有
抵抗は5.8Ωcmであった。
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は72kg/cm2、体積固有
抵抗は5.8Ωcmであった。
実施例3 導電性チタン酸カリ繊維Iの代りに導電性チタン酸カ
リ繊維〔自社製、BK−200、体積固有抵抗1.8×10-1Ωc
m、以下この繊維を「導電性チタン酸カリ繊維II」とい
う)〕を用いる以外は、実施例2と同様にして本発明の
導電性セメント組成物を得た。
リ繊維〔自社製、BK−200、体積固有抵抗1.8×10-1Ωc
m、以下この繊維を「導電性チタン酸カリ繊維II」とい
う)〕を用いる以外は、実施例2と同様にして本発明の
導電性セメント組成物を得た。
該導電性セメント組成物300部に水180部を加え、実施
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は70kg/cm2、体積固有
抵抗は2.5×102Ωcmであった。
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は70kg/cm2、体積固有
抵抗は2.5×102Ωcmであった。
比較例2及び3 導電性チタン酸カリ繊維IIの代りに導電性炭素粉末
(ライオンアクゾー社製、体積固有抵抗1.3×10-3Ωc
m)50部又は70部を使用する以外は、上記実施例3と同
様にして導電性セメント組成物を得た。
(ライオンアクゾー社製、体積固有抵抗1.3×10-3Ωc
m)50部又は70部を使用する以外は、上記実施例3と同
様にして導電性セメント組成物を得た。
該組成物につき、上記実施例1に示す方法と同様にし
て得られる成型品の曲げ強度はそれぞれ65kg/cm2、60kg
/cm2であり、また体積固有抵抗はそれぞれ7.3×103Ωc
m、8.9×101Ωcmであった。
て得られる成型品の曲げ強度はそれぞれ65kg/cm2、60kg
/cm2であり、また体積固有抵抗はそれぞれ7.3×103Ωc
m、8.9×101Ωcmであった。
実施例4 ポルトランドセメント100部、炭化珪素〔昭和電工社
製、DENSIC ULTRAFINE〕100部、導電性チタン酸カリ繊
維I70部及び導電性炭素粉末(ライオンアクゾー社製、
体積固有抵抗1.3×10-3Ωcm)10部を均質に混合して本
発明の導電性セメント組成物を得た。
製、DENSIC ULTRAFINE〕100部、導電性チタン酸カリ繊
維I70部及び導電性炭素粉末(ライオンアクゾー社製、
体積固有抵抗1.3×10-3Ωcm)10部を均質に混合して本
発明の導電性セメント組成物を得た。
該導電性セメント組成物280部に水150部を加え、実施
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は78kg/cm2、体積固有
抵抗は2.1Ωcmであった。
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は78kg/cm2、体積固有
抵抗は2.1Ωcmであった。
実施例5 ポルトランドセメント100部、炭化珪素〔昭和電工社
製、DENSIC ULTRAFINE〕100部、導電性チタン酸カリ繊
維II80部及び導電性炭素粉末(ライオンアクゾー社製、
体積固有抵抗1.3×10-3Ωcm)15部を均質に混合して本
発明の導電性セメント組成物を得た。
製、DENSIC ULTRAFINE〕100部、導電性チタン酸カリ繊
維II80部及び導電性炭素粉末(ライオンアクゾー社製、
体積固有抵抗1.3×10-3Ωcm)15部を均質に混合して本
発明の導電性セメント組成物を得た。
該導電性セメント組成物295部に水150部を加え、実施
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は72kg/cm2、体積固有
抵抗は4.7×10Ωcmであった。
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は72kg/cm2、体積固有
抵抗は4.7×10Ωcmであった。
実施例6 ポルトランドセメント100部、導電性チタン酸カリ繊
維I50部及び導電性炭素粉末(ライオンアクゾー社製、
体積固有抵抗1.3×10-3Ωcm)10部を均質に混合して本
発明の導電性セメント組成物を得た。
維I50部及び導電性炭素粉末(ライオンアクゾー社製、
体積固有抵抗1.3×10-3Ωcm)10部を均質に混合して本
発明の導電性セメント組成物を得た。
該導電性セメント組成物160部に水110部を加え、実施
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は65kg/cm2、体積固有
抵抗は9.5×10-1Ωcmであり、表面平滑性及び成型加工
性は極めて良好であった。
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は65kg/cm2、体積固有
抵抗は9.5×10-1Ωcmであり、表面平滑性及び成型加工
性は極めて良好であった。
実施例7 (1)導電性チタン酸カリ繊維I70部及びポリエチレン
グリコール(分子量約10万)30部の均質混合物を攪拌
下、100℃で1時間加熱後、室温まで冷却することによ
り、表面がポリエチレングリコールで被覆された導電性
チタン酸カリ繊維を調整した。
グリコール(分子量約10万)30部の均質混合物を攪拌
下、100℃で1時間加熱後、室温まで冷却することによ
り、表面がポリエチレングリコールで被覆された導電性
チタン酸カリ繊維を調整した。
(2)上記(1)で調製したポリエチレングリコール被
覆導電性チタン酸カリ繊維85部〔導電性チタン酸カリ繊
維I約55部、ポリエチレングリコール約30部含有〕及び
ポルトランドセメント100部を均質に混合して本発明の
導電性セメント組成物を得た。
覆導電性チタン酸カリ繊維85部〔導電性チタン酸カリ繊
維I約55部、ポリエチレングリコール約30部含有〕及び
ポルトランドセメント100部を均質に混合して本発明の
導電性セメント組成物を得た。
該導電性セメント組成物185部に水77部を加え、実施
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は55kg/cm2、体積固有
抵抗は1.5Ωcmであった。
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は55kg/cm2、体積固有
抵抗は1.5Ωcmであった。
実施例8〜15 ポリエチレングリコールの代りに下記第1表に示す各
種多価アルコール類を使用する以外は実施例7と同様に
して本発明の導電性セメント組成物を得た。
種多価アルコール類を使用する以外は実施例7と同様に
して本発明の導電性セメント組成物を得た。
これらの組成物につき、実施例1と同様にして成型品
を得、曲げ強度及び体積固有抵抗を調べた結果も下記第
1表に併せて示す。
を得、曲げ強度及び体積固有抵抗を調べた結果も下記第
1表に併せて示す。
実施例16 上記実施例7(1)と同様にして調製したポリエチレ
ングリコール被覆導電性チタン酸カリ繊維100部〔導電
性チタン酸カリ繊維I約70部、ポリエチレングリコール
約30部含有〕及びポルトランドセメント100部及び炭化
珪素〔昭和電工社製、DENSIC ULTRAFINE〕100部を均質
に混合して本発明の導電性セメント組成物を得た。
ングリコール被覆導電性チタン酸カリ繊維100部〔導電
性チタン酸カリ繊維I約70部、ポリエチレングリコール
約30部含有〕及びポルトランドセメント100部及び炭化
珪素〔昭和電工社製、DENSIC ULTRAFINE〕100部を均質
に混合して本発明の導電性セメント組成物を得た。
誘導電性セメント組成物300部に水100部を加え、実施
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は85kg/cm2、体積固有
抵抗は3.8Ωcmであった。
例1と同様にして成型品を得た。以下実施例1と同様に
試験した所、該成型品の曲げ強度は85kg/cm2、体積固有
抵抗は3.8Ωcmであった。
実施例17〜21 ポリエチレングリコールの代りに下記第2表に示す各
種多価アルコール類を使用し、また下記第2表に示す導
電性骨材を使用する以外は実施例16と同様にして本発明
の導電性セメント組成物を得た。
種多価アルコール類を使用し、また下記第2表に示す導
電性骨材を使用する以外は実施例16と同様にして本発明
の導電性セメント組成物を得た。
これらの組成物につき、実施例1と同様にして成型品
を得、曲げ強度及び体積固有抵抗を調べた結果も下記第
2表に併せて示す。
を得、曲げ強度及び体積固有抵抗を調べた結果も下記第
2表に併せて示す。
実施例22 上記実施例1で得られた導電性成型品の両端に電極を
接続し、10Aの定電流を通電した所、表面温度は均質に3
00℃を示した。
接続し、10Aの定電流を通電した所、表面温度は均質に3
00℃を示した。
尚、比較例1で得られた成型品では、表面温度の平均
値は200℃であったが、部分的に最高400℃、最低100℃
を示す場所があり、且つ定電流に保つのに電圧調製が困
難であった。
値は200℃であったが、部分的に最高400℃、最低100℃
を示す場所があり、且つ定電流に保つのに電圧調製が困
難であった。
実施例23 上記実施例3で得られた導電性成型品の両端に電極を
接続し、10μAの定電流を通電した所、表面温度は均質
で30分後に75℃に達し、以後温度変化もなく恒温を示し
た。従って該成型品は、家庭用床暖房に適した発熱体で
あった。
接続し、10μAの定電流を通電した所、表面温度は均質
で30分後に75℃に達し、以後温度変化もなく恒温を示し
た。従って該成型品は、家庭用床暖房に適した発熱体で
あった。
実施例24〜26 上記実施例22と同様の方法で、各種成型品の表面温度
を調べた結果を下記第3表に示す。
を調べた結果を下記第3表に示す。
実施例27 上記実施例7で得られた導電性成型品の両端に電極を
接続し、200μAの定電流を通電した所、表面温度は均
質で30分後に80℃に達し、以後温度変化もなく恒温を示
した。
接続し、200μAの定電流を通電した所、表面温度は均
質で30分後に80℃に達し、以後温度変化もなく恒温を示
した。
実施例28 上記実施例8〜15で得られた各成型品の両端に電極を
接続し、200μAの定電流を通電した所、いずれの成型
品も30分後には表面温度が60〜90℃に達し、以後温度変
化もなく恒温を示し、電気抵抗発熱体として良好な結果
を示した。
接続し、200μAの定電流を通電した所、いずれの成型
品も30分後には表面温度が60〜90℃に達し、以後温度変
化もなく恒温を示し、電気抵抗発熱体として良好な結果
を示した。
発明の効果 本発明の導電性セメント組成物及び電気抵抗発熱体
は、以下に示す特徴を有し、産業上の利用性が極めて高
いものである。
は、以下に示す特徴を有し、産業上の利用性が極めて高
いものである。
(1)導電性チタン酸アルカリを無機質セメント中へ均
質に分散できると共に、セメント/水比を低減できるの
で、導電性チタン酸アルカリ繊維の補強性、導電性を有
効に利用でき、高強度、良電気導電性を示す均質な導電
性セメント組成物を得ることができる。また該組成物
は、表面平滑性にも優れたものである。
質に分散できると共に、セメント/水比を低減できるの
で、導電性チタン酸アルカリ繊維の補強性、導電性を有
効に利用でき、高強度、良電気導電性を示す均質な導電
性セメント組成物を得ることができる。また該組成物
は、表面平滑性にも優れたものである。
(2)セメント組成物製造時における作業性を改善でき
る。また本発明では、導電性チタン酸アルカリ繊維の導
電率の異なるものが任意に選択できるので、導電性セメ
ント組成物及び電気抵抗発熱体の設定導電率に応じた導
電率のチタン酸アルカリ繊維を選定することにより、導
電性チタン酸アルカリ繊維の含有量を変更することなく
(その結果、導電性セメント組成物及び電気抵抗発熱体
の強度等の物性が変化することはない)、所定の導電率
となるような導電率セメント組成物及び電気抵抗発熱体
を設計できる。
る。また本発明では、導電性チタン酸アルカリ繊維の導
電率の異なるものが任意に選択できるので、導電性セメ
ント組成物及び電気抵抗発熱体の設定導電率に応じた導
電率のチタン酸アルカリ繊維を選定することにより、導
電性チタン酸アルカリ繊維の含有量を変更することなく
(その結果、導電性セメント組成物及び電気抵抗発熱体
の強度等の物性が変化することはない)、所定の導電率
となるような導電率セメント組成物及び電気抵抗発熱体
を設計できる。
(3)本発明の導電性セメント組成物は、均質物性及び
均質な導電性を具備しているので、製品設計が容易であ
り、高精度の導電性セメント組成物が提供され得る。ま
たこれを電気抵抗発熱体として利用した時も、異常通
電、異常発熱が生じず、均質な発熱源となり得、また低
電流、低電圧下で利用でき、安全性及び省エネルギーの
観点からも適したものである。
均質な導電性を具備しているので、製品設計が容易であ
り、高精度の導電性セメント組成物が提供され得る。ま
たこれを電気抵抗発熱体として利用した時も、異常通
電、異常発熱が生じず、均質な発熱源となり得、また低
電流、低電圧下で利用でき、安全性及び省エネルギーの
観点からも適したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 3/14 0380−3K H05B 3/14 B (72)発明者 西内 紀八郎 徳島市川内町加賀須野463番地 大塚化 学株式会社徳島工場内 (72)発明者 森本 琢郎 京都市伏見区桃山町養斉5−16 (56)参考文献 特開 昭61−178451(JP,A) 特開 昭61−136532(JP,A) 特開 昭58−20760(JP,A) 浜野健也編「ファインセラミックスハ ンドブック」P.604〜605(株)朝倉書 店(1984−12−20)
Claims (4)
- 【請求項1】体積固有抵抗率が10-5〜1012(100kg/cm2
加圧時測定)の範囲にある導電性チタン酸アルカリ繊維
及び無機質セメントを主成分として含有することを特徴
とする電気抵抗発熱体用導電性セメント組成物。 - 【請求項2】2〜6価の多価アルコール、該アルコール
の縮合体及びその誘導体からなる群から選ばれた少なく
とも1種が含有されている特許請求の範囲第1項記載の
組成物。 - 【請求項3】体積固有抵抗率が10-5〜1012(100kg/cm2
加圧時測定)の範囲にある導電性チタン酸アルカリ繊維
及び無機質セメントを主成分として含有する導電性セメ
ント組成物からなる電気抵抗発熱体。 - 【請求項4】2〜6価の多価アルコール、該アルコール
の縮合体及びその誘導体からなる群から選ばれた少なく
とも1種が含有されている特許請求の範囲第3項記載の
発熱体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62088514A JP2577906B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | 導電性セメント組成物及び電気抵抗発熱体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62088514A JP2577906B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | 導電性セメント組成物及び電気抵抗発熱体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63252947A JPS63252947A (ja) | 1988-10-20 |
JP2577906B2 true JP2577906B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=13944936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62088514A Expired - Fee Related JP2577906B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | 導電性セメント組成物及び電気抵抗発熱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2577906B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS602266B2 (ja) * | 1981-07-28 | 1985-01-21 | 財団法人生産開発科学研究所 | セメント組成物 |
JPS61136532A (ja) * | 1984-12-05 | 1986-06-24 | Sumitomo Alum Smelt Co Ltd | 繊維状白色導電性物質 |
JPS61178451A (ja) * | 1985-02-01 | 1986-08-11 | 旭化成株式会社 | 導電コンクリ−ト |
-
1987
- 1987-04-09 JP JP62088514A patent/JP2577906B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
浜野健也編「ファインセラミックスハンドブック」P.604〜605(株)朝倉書店(1984−12−20) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63252947A (ja) | 1988-10-20 |
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