JP2576569B2 - カセットレイアウト最適化方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、NC実装機で部分を実装する際のカセットレ
イアウトを最適化するための方法に関する。

［従来の技術］ プリント板を大量に生産する場合に部品を自動的に実
装する部品実装機として、NC実装機が使用されるように
なっている。この場合のNC実装機とは、実装部品を予め
カセットにセットしておき、数値制御装置からの指示に
基づきヘッドが自動的に部品をピックアップしてプリン
ト基板上の実装場所に移動し、実装位置に実装していく
ように構成された部品自動実装機である。

このようなNC実装機を動作させるためにはプリント基
板ごとにNC実装機に対して指示（プログラム）を設定す
る必要がある。そしてNC実装機を使用する際、その作業
時間を短縮することはコストの削減上重要な問題となっ
ている。

作業時間を短縮することはNC実装機に対するプログラ
ムをどのようなものにするかにかかっており、全体の作
業時間を最小とするようなプログラムいわゆる最適化プ
ログラムが切望されている。

この最適化プログラムは、プリント基板ごとに、カ
セットに対しての部品の配置情報と、各部品の実装経
路情報を指示するものである。

上記はカセットの各番号（カセット番号という）に
対してどのように部品を配置するかを指示するものであ
る。実装するプリント基板が異なれば、使用される部品
も当然異なり、部品配置の情報も異なったものとなる。
このため、実装するプリント基板が変わった場合、カセ
ット番号に対して部品の交換（これをカセット交換とい
う）をする必要があるが、この交換は人手でする必要が
あり、時間のかかる作業である。

このため、部品の交換の作業時間を最小にするような
プログラム（最適化プログラム）が要求される。

他方は、カセット番号に割り付けられた部品をどの
ような経路でプリント基板上に実装していくかを指示す
るものであり、この場合も部品の実装経路を最小とする
ようなプログラム（最適化プログラム）が要求される。

このように、最適化プログラムはカセットレイアウト
の最適化と、部品実装経路の最適化の２つの部分から構
成されているが、本発明で取り扱う最適化はカセットレ
イアウト最適化の方である。

［発明が解決しようとする課題］ 通常１台のNC実装機で各種のプリント板に部品を実装
する。実装される部品は各プリント板に共通のものもあ
るが、対象のプリント板ごとに異なるものもある。特に
多品種少量生産では、部分のセットされたカセットをど
のカセット位置にセットしておくか（カセットレイアウ
ト）により部品カセット交換に要する時間が違ってくる
ため、カセットレイアウト決定は時間短縮に重要なファ
クターとなっている。

NC実装機でのカセットレイアウト決定においては、従
来より、 少品種多量生産に対応した実装時間を最小とする方式
（以下MP）方式という）、 多品種少量生産に対応した部品カセットの交換時間を
最小とする方式（以下SL方式という） がある。

しかしながら、本発明で取りあげる多品種少量生産に
おけるSL方式では、「前回使用した部品番号（部番とい
う）のうち、今回使用できるものは使用する。」という
アルゴリズムである。これは全工程を見ていないため以
下に示すような不具合が発生し、全工程での部番交換回
数が最小とはならないという問題がある。

すなわち、第５図に示すように、１枚目のプリント板
は部番A,B,C,Dを使用し、２枚目のプリント板はB,X,Y,Z
を使用し、３枚目のプリント板はA,C,D,Yを使用する場
合、２回目および３回目では図に丸印で示す部番が交換
の対象となる。これは部品カセットの全交換時間が最小
になっているとは言えない。

本発明の目的は、このような点に鑑みてなされたもの
で、NC実装機で多品種少量生産に対応したカセットレイ
アウトを決定し、部品交換の作業時間（段取り時間）を
最小化することのできるカセットレイアウト最適化方法
を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ このような目的を達成するために、本発明では、カセ
ット番号に対して部番を対応させると共に、MP方式でも
移動しない部番およびMP方式では移動するがSL方式では
移動しない部番に対してカセット交換をしないようにす
るための固定化情報をそれぞれ付与してなる対応ファイ
ルを作成する工程と、 前記対応ファイルについてカセット交換の際カセット
の交換回数が最小となるようにするための最適化プログ
ラムによる処理を施すと共に、必要とする部番をカセッ
トに割り当てることができなくなった場合には使用して
いない部番をカセット番号の大きいものから順次追い出
して、使用する部番に割り付けていくようにし、対象と
する全作業工程におけるカセットの交換回数が最小とな
るようなカセットレイアウトを決定する工程 からなることを特徴とする。

［実施例］ 以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。第１図は本発明に係るカセットレイアウト最適化方
法の原理フローである。本発明では、第２図に示すよう
にカセット番号と部番の対応ファイルにカセット番号固
定化情報を付加し、この情報を基にしてカセットレイア
ウトの最適化行う。

以下フローに従って本発明の手順を説明する。

固定化情報をカセット番号と部番とに対応させた対応
ファイルを作成する。固定化情報（フラグ）は、MP方式
でも移動しない部番に対しては例えばFF、MP方式では移
動するがSL方式では移動しない部番に対しては例えばＦ
という情報である。固定化情報の付かないカセット番号
のものは、SL方式においては前回のレイアウトにあった
カセットを今回交換せずにそのまま使用することにする
ものである。

なおこの場合、FFは機械によって特定のカセット番号
で使用される部番（例えばジャンパー線）に使用し、Ｆ
は一日の作業でどのプリント板でも使用される標準部番
に使用するのが望ましい。

このカセット番号と部番の対応ファイルについて最適
化プログラムによる処理を施し、全工程においてカセッ
トの交換回数が最小となるようにカセットレイアウトを
決定する。

以上の方法により最適なカセットレイアウトが決定さ
れるが、第２図に示す対応ファイルを例にとり、第５図
に示したカセットレイアウトを最適化した場合のカセッ
トレイアウトを第３図に示す。

部番JP,A,B,CをFF,Fと設定しているため、対象のプリ
ント板でこの部番を使用しない場合でもこれらのカセッ
トはそのまま固定的にセットされている。このため、第
３図から明かなようにカセット交換（丸印のもの）の回
数は従来の場合よりも減少する。

なお、出来る限り多種の部番をカセットに固定してお
いた方が交換回数は少なくなる。しかしカセットの最大
数は機械によって決まっているため（例えば、40）、多
くの部番を固定とすると、必要とする部番をカセットに
割り当てることができなくなるという事態も発生する。
この場合、最適化プログラムの処理では、使用していな
い部番をカセット番号の大きいもの（第３図では８番。
なおNC実装機のヘッドの初期位置はカセット番号１のと
ころである。）から順次追い出して、使用する部番に割
り付けていくようにしている。

第４図は本発明の方法を実施するための装置の一例を
示す要部構成図である。図において、１は入力装置、２
はメモリ、３は最適化処理装置、４は出力装置、５は制
御装置である。

入力装置１は、前記対応ファイル作成のための情報を
入力する。メモリ２は作成された対応ファイルを記憶す
る。最適化処理装置３は、メモリ２に格納されている対
応ファイルを基にカセットレイアウトの最適化処理を行
うものである。最適化されたカセットレイアウトはメモ
リ２に一時的に記憶させる。出力装置４は最適化された
カセットレイアウトを印刷等の手段により出力する。

制御装置５は、各部を必要に応じて適宜制御するため
のもので、通常計算機が使用される。

このような構成によれば、入力装置１から第２図に示
すような対応ファイル作成データを入力すると、制御装
置５はこれをテーブル化してメモリ２に格納する。対応
ファイル作成が完了すると、制御装置５は最適化処理装
置３を起動する。最適化処理装置３は対応ファイルを参
照してカセットレイアウトの最適化処理を行う。その処
理は、上述したように、多くの部番を固定としたとき必
要とする部番がカセットに割り当てられなくなった場
合、使用していない部番をカセット番号の大きいものか
ら順次追い出して、使用する部番に割り付けていくよう
な処理も含む。

このようにして求められた最適化カセットレイアウト
はメモリ２に一時的に保存される。

その後制御装置５は、その最適化カセットレイアウト
をメモリ２より読み出し順次出力装置４へ出力する。出
力装置４はこれを印刷等の方式で出力する。

［発明の効果］ 以上詳細に説明したように、本発明によれば次のよう
な効果がある。

カセット番号と部番対応ファイルにカセット番号固定
化情報を設定したため、SL方式において全工程での部品
カセットの交換回数が少なくなった。この結果、段取り
時間の短縮が図れた。

従来のMP方式の場合は全カセット部番を交換の対象と
しており、カセット固定の指示がプログラムコードとし
て記述されていて、特定のカセット番号で使用される部
番（例えば、ジャンパー線）の扱いが機械によって変わ
り、複雑であった。

しかし本発明では強制固定情報フラグを設定したた
め、最適化処理は簡単になり特殊部番の変更や追加が容
易となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のカセットレイアウト最適化方法の原理
フロー、第２図は対応ファイルの一例を示す図、第３図
はカセットレイアウトの一例を示す図、第４図は本発明
の方法を実施するための装置の一例を示す要部構成図、
第５図は従来方式に基づくカセットレイアウトを説明す
るための図である。 １……入力装置、２……メモリ、３……最適化処理装
置、４……出力装置、５……制御装置。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】NC実装機での部番とカセットレイアウトの
   決定方法において、 カセット番号に対して部番を対応させると共に、MP方式
   でも移動しない部番およびMP方式では移動するがSL方式
   では移動しない部番に対してカセット交換をしないよう
   にするための固定化情報をそれぞれ付与してなる対応フ
   ァイルを作成する工程と、 前記対応ファイルについてカセット交換の際カセットの
   交換回数が最小となるようにするための最適化プログラ
   ムによる処理を施すと共に、必要とする部番をカセット
   に割り当てることができなくなった場合には使用してい
   ない部番をカセット番号の大きいものから順次追い出し
   て、使用する部番に割り付けていくようにし、対象とす
   る全作業工程におけるカセットの交換回数が最小となる
   ようなカセットレイアウトを決定する工程 からなり、カセット交換の作業時間が最小となるように
   したことを特徴とするカセットレイアウト最適化方法。