JP2575759Y2 - コケ類を使用した造形物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円球体や三角すい、或いは抽象的な彫刻物に
寒天を溶解して上記造形物に寒天を被覆して重層させ、
寒天を固化し、生育したコケ類を適度に切断しこの切断
されたコケ類の茎葉体下部を重層した寒天からなる培地
に挿着することにより、再び３〜５箇月で仮根が発生さ
れ、各造形物を骨格として、コケ類が生育する構成にあ
ること。

従来、コケ類（蘚苔類）の利用法として、古くから苔
庭や苔盆景、単に鉢植え等に用いられてきたが、イメー
ジ的に陰湿でごく限られた一部の利用法とされてきた。
現在でも苔庭等は高級感溢れるものとして度々雑誌等に
紹介されているが、コケ類を用いて庭を造るにも、その
スペースやコケ類にかかる費用が高額であること、更に
は、コケ類自体の植生が他の高等植物と違って管理方法
が難しいことからから、一般的には容易に実現出来なか
ったのが現状であり、植物の中で最も注目度及び利用価
値の少ないものとされていた。

本考案により庭や植木鉢に頼ることなく、勿論、土砂
を全く使用せずに室内のいたる場所に置いても自在に鑑
賞することを可能とし、又、室外にて見ることのできる
石等を覆う自然環境の中でのコケ類群落の美を室内、室
外問わず、人口的にしかもあらゆる造形にすることがで
きるようにしたものであり、その観賞域は本考案によっ
て一層そのコケ類の興味と美観を優雅にした考案であ
る。

問題点を解決するための手段 本考案に於ける造形物を図面によって説明すると、粉
末寒天或は乾燥寒天約25gに対し、水約300ccを混合して
加熱し溶解させ、これを冷却し、糊状になった寒天を
（１）の発砲スチロール又は各々の形に成した造形物に
融着した糊状の寒天を被覆するようにして重層し、
（２）寒天からなる培地を形成させ、コケ類（分類群中
多くは蘚類）を一定の長さに保って切断して、その切断
された茎葉体（植物体）を殺菌保持しながら一本づつピ
ンセット等を用いてコケ類の茎葉体をはさみ、形成した
造形物を寒天からなる培地で被覆している外装全面に
（４）のコケ類を挿着することにより構成されたもので
ある。尚、コケ類の多くは他の高等植物と違い植物体の
下部に仮根と呼ばれる組織があるが、これは単にある基
物に付着するだけの役目であり根や養分や水分を吸い上
げる組織がはっきりせず、その多くは茎や葉から微量な
養分や水分を体内に吸収しているもので、部分的に植物
体を切り離しても、生育環境がととのえば再び（５）仮
根等が発生しそのコケ類の生命は充分に持続できるもの
である。以上のごとく構成されたコケ類造形物に、若干
の水分（霧状の水等）を与えるか又は透明な容器（８）
を設けるかして湿度を保持させる。その外に、ある一定
の照度があれば上記の生育環境を簡単に充たすことがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の正面図 第２図は、第１図Ａ…Ａ線の拡大断面図 （１）は、発砲スチロール（又は彫刻的、変造的物体） （２）は、寒天からなる培地 （３）は、コケ類を植立、挿着する調整孔 （４）は、コケ類（茎葉体、植物体） （５）は、挿着したコケ類に仮根が発生し、仮根が寒天
培地中で絡みあっている状態 （６）は、コケ類造形物を支える棒状軸 （７）は、棒状軸受台 （８）は、透明は容器（或は透明なケース）

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】彫刻的又は変造的な（１）形体物に、寒天
   溶解物を表面上に重層して塗着させて形成された、
   （２）寒天からなる培地に（４）コケ類を植立、挿着さ
   せてなることを特徴とする、土砂を使用せずにコケ類が
   上記の彫刻的又は変造的な物体を被覆したまま生育でき
   るコケ類造形物。