JP3194240U - プリザーブド植物を利用した盆栽、及び同盆栽用の鉢 - Google Patents

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Abstract

【課題】給水などの手間がかからず生きた植物と同等の美しさを長期間に亘って維持するプリザーブド植物を利用した盆栽を提供する。【解決手段】盆栽で使用されている生きた草木25をプリザーブド植物23に置き換え、盆栽で生きた草木を育てる土壌22をプリザーブド植物が固定可能な充填材32に置き換える。あるいは、少なくとも1つのプリザーブド植物23と少なくとも1つの生きた草木25とを1つの盆栽に共存させる。この際、盆栽へ給水される水分によりプリザーブド植物23が侵されることがないよう、盆栽の土壌22からプリザーブド植物23への水分の浸透を阻止する遮水手段23a、23b、31、32あるいは区画手段を新たに設ける。プリザーブド植物23としては、プリザーブド苔が使用可能である。【選択図】図2

Description

本考案は、プリザーブド植物を利用した盆栽、並びに同盆栽に使用するための盆栽用の鉢に関する。
花を中心とした植物を愛でる習慣は、古来人間の営みの中でも重要な地位を占めるものであった。この際に対象とされる植物は、勿論自然に生育する植物が主なものとはなるが、植物には人為的に手を加えることができることから人の美的創作意欲を刺激するものともなり、このような人為的に手が加えられた植物もまた人の鑑賞する対象となってきた。人為的に手を加える例として、自生する植物自身に対しても可能ではあるが、広く知られているものには、鉢植え、生け花、盆栽などが含まれる。本明細書では、「鉢植え」とは植物を植木鉢に移して栽培するもの、「生け花」とは花を中心とした草木を切り取って鑑賞用に再配置して供するもの、「盆栽」とは鉢植えの一種ではあるが、植物を利用して庭や自然の景観を模して鉢全体を鑑賞用に造形したもの、との一応の区分をする。本願考案では、この内の盆栽を対象としている。
これとは別に、近年「プリザーブドフラワー」なるものが普及している。英語のプリザーブ(preserve)は「保存」を意味し、一般に新鮮な生花を脱水作用のある有機溶剤などの特殊な液に漬けて脱水、脱色し、次に保存液である不揮発性溶液で花の水分と置換した後、着色液に漬けて乾燥させるなどの一連の工程を経ることで、植物を長期保存可能な状態に置き換えている。「ドライフラワー」と呼ばれる単に乾燥させた植物とは異なり、生の植物と比べても遜色のない瑞々しい質感と柔らかさが得られ、又退色することもなく長期の保存に耐えるという特徴を有している。従来技術において「プリザーブドフラワー」としては、その名前が示すように主に「花」、もしくはその茎、葉などが対象とされていた(例えば、特許文献1参照。)。本願明細書では、花(フラワー)に限定することなく、その他の草木や、特にはコケ植物などをも対象に含めてプリザーブ処理をされたものを総称して「プリザーブド植物」と呼ぶものとする。
コケ植物は、水・ミネラル・光合成産物を植物体全体に輸送するための組織である維管束を有しない植物であることから一般に「非維管束植物」と呼ばれ、他の植物から区別されている。その中には、蘚類、苔類、ツノゴケ類が含まれるとされる。コケ植物は維管束を持たないために大きな植物に育つことはなく、数mmから数cmの高さまでしか成長しないものがほとんどである。温暖で湿潤な環境で成長し、一般の草木等と比較すると人為的な栽培は必ずしも容易ではない。しかしながら、このコケ植物が大きく成長しない点が自然の景観をミニチュア化して表現する盆栽にとっては好適であり、盆栽中の草木や岩などの装飾物の周囲に配置されるなどしてコケ植物は盆栽に広く使用されている。
特開2011−126234号公報
上述したように、従来技術におけるプリザーブド植物の応用は、いわゆるフラワーアレンジメントや、花束、ブーケなど、特許文献1に例を示すように「生け花」の領域において生きている花をプリザーブドフラワーに置き換えることが主なものであった。生きている植物を対象にして人為的に手を加える園芸技法として上述した「盆栽」があるが、プリザーブド植物を盆栽、あるいはこれを模した盆栽風置物に応用される例は従来技術では見られなかった。盆栽は、上述のように植物を対象としながらも鉢全体を庭や自然の景観に模して造形するものである点で「生け花」等の他のフラワーアレンジメントとは明らかに一線を画するものであり、このような差異は、プリザーブド植物を応用する盆栽においても同様に言えることである。
したがって本願考案は、プリザーブド植物をこれまで応用がされていなかった盆栽の分野にも応用し、プリザーブド植物の長所を生かしてその適用範囲を拡大することを意図するものである。盆栽に使用する場合、特に給水が必須となる生の植物と、水が浸透すると退色などにより劣化し易いことから水を極端に嫌うプリザーブド植物との共存には技術的な課題が存在していた。本考案ではこれらの技術的課題をも解消し、上述したプリザーブド植物の新たな応用分野として盆栽への適用を可能にすることを目的としている。なお、一般に「盆栽」は、生きている植物の成長に人為的な手を加えることで好みの形態を作り出す園芸手法であるが、「盆栽」を、植物を利用して自然の景観を模した造形物を形成することと捉えるならば、その対象は生きている植物に限定されることなく、プリザーブ処理がされた植物が利用される場合においても、広義の「盆栽」の中に含まれ得るものと解される。本願明細書でもそのような解釈の下に、使用されている植物の内の少なくとも1つがプリザーブ処理がされた植物、すなわちプリザーブド植物に置き換えられた「盆栽」を対象とするものである。
本考案は、いわゆるフラワーアレンジメントの分野とは一線を画し、創造性、芸術性、審美性の観点からもこれらとは異なる「盆栽」の分野において、プリザーブド植物を使用した造形物である盆栽を提供するもので、具体的には以下の内容を含む。
すなわち、本考案に係る1つの態様は、鉢内に配置された植物を利用して自然を模した景観を造形する盆栽であって、生きている植物の代替となるプリザーブド植物と、生きている草木を育てる土壌の代替となる、前記プリザーブド植物が固定可能な充填材とを含むことを特徴とする盆栽に関する。
本考案に係る他の態様は、鉢内に配置された植物を利用して自然を模した景観を造形する盆栽であって、盆栽には、少なくとも1つの生きている植物と、少なくとも1つのプリザーブド植物が共存し、盆栽へ給水された水により前記プリザーブド植物が侵されることがないように、前記盆栽が、盆栽の土壌からプリザーブド植物への水分の浸透を阻止する区画手段もしくは遮水手段を備えていることを特徴とする盆栽に関する。
前記区画手段は、鉢の内部の一部を区画する仕切壁により、または鉢の内部に配置される複数の容器により構成すること、あるいは分離された鉢を組み合わせて1つの景観を形成する組合せ式鉢による構成することができる。また前記遮水手段は、前記プリザーブド植物と前記土壌との間に介在し、前記プリザーブド植物を載置または固定する遮水性の台板により構成すること、もしくは前記プリザーブド植物を載置または固定する充填材を収容して前記土壌内に埋め込まれる遮水性の容器により構成することができる。
以上のプリザーブド植物は、プリザーブド苔とすることができる。
本考案に係るさらに他の態様は、植物を利用して自然を模した景観を造形する盆栽に使用される鉢であって、当該鉢が、鉢の底から上方に延びて当該鉢の内部の一部を区画する仕切壁を備えていること、当該鉢内に少なくとも2つの分離した容器が配置されていること、もしくは当該鉢が複数の鉢に分離され、これら分離された鉢を組み合わせて1つの鉢を構成する組合せ式鉢であることを特徴とする盆栽に使用される鉢に関する。
本考案の実施により、給水の手間を弄することなく自然の状態に近いプリザーブド植物を利用した造形物、すなわち盆栽や盆栽風置物の提供が可能となり、あるいはプリザーブド植物と生きた草木との共存を可能にして盆栽造形時の選択肢を増やすという効果を奏するものとなる。
本考案の実施の形態に係る盆栽を示す斜視図(a)および断面模式図(b)である。 本考案の他の実施の形態に係る盆栽を示す断面模式図である。 本考案のさらに他の実施の形態に係る盆栽、並びに盆栽用の鉢を示す断面模式図である。 本考案のさらに他の実施の形態に係る盆栽、並びに盆栽用の鉢を示す斜視図である。
本考案の第1の実施の形態に係る盆栽について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る盆栽1を示しており、この内、図1(a)は斜視図、(b)はその断面模式図を示す。両図において、盆栽1は、造形物全体を収納して支える鉢11と、鉢11内部に敷き詰められて基礎部分を形成する充填材12(図1(b)参照)と、充填材12の上に配置されたプリザーブド植物13と、その他に飾り木14、岩15、そして充填材12の表面の露出した部分を覆う化粧砂16とから構成されている。本実施の形態に係る盆栽1は、生きている草木が使用されていない点に特徴を有する。
鉢11は、従来技術で盆栽用に使用される鉢と同一で良いが、盆栽とは異なって給水が不要であるため、鉢の底面に排水孔を設ける必要は必ずしもない。鉢11の材質としては、プラスチック、陶磁器、ガラス、金属など、強度的要件を備えるものであれば任意である。充填材12は、本実施の形態では生け花用給水スポンジ(フローラルフォーム)を使用している。これはフェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などからなり、一般には大手供給会社の名前をとって「オアシス」と呼ばれている。ただし、本実施の形態では生の草木を使用していないことから給水の必要性はなく、したがって本品に限らず、例えば発泡スチロールなどの、以下に述べる各要素を鉢11に固定できるものであればその他の材料が用いられてもよい。盆栽1全体の固定が確保できるよう、充填材12は鉢11に接着固定されていることが望ましい。
プリザーブド植物13として、本実施の形態ではプリザーブ処理がされた苔(コケ)を使用しているが、他のプリザーブ処理がされた植物が使用されていてもよい。図では幾つものプリザーブド植物13が使用されているが、その数は任意である。飾り木14は、本実施の形態では乾燥木(枯れ木)を使用しているが、これはプリザーブ処理がされた木の枝でもよく、あるいはプラスチック、金属、陶器などの他の材料で作られたものが使用されてもよい。飾り木14が生きた草木である場合には、後に述べる第2の実施の形態以降に示す態様となる。岩15は、ここでは岩状の小石を利用しているが、他の材料が用いられても良い。化粧砂16は、盆栽用として市販され、一般に使用されているものでよく、充填材12を覆ってこれを隠し、表面を装飾するものである。自然色のままであってもよく、砂や別の材料の表面を金や銀その他の色の塗料で覆ったものであってもよい。プリザーブド植物13、飾り木14、岩15、化粧砂16は、接着剤などを使用して充填材12に固着されていることが望ましい。
なお、本実施の形態で示す盆栽1に使用されている上述した構成要素は、単に一例を示すものであって、垣根、築地、池、滝などのミニチュア品、小動物の置物など、他の要素が追加されてもよい。また、飾り木14、岩15、化粧砂16など(これらをまとめて「装飾物」という。)の図示した構成要素は必ずしも必須の要素ではなく、他のものに置き換えられても、あるいは除外されることでもよい。但し、本願考案の趣旨から、盆栽1には、少なくとも1つのプリザーブド植物が使用されるものとなる。
以上、本実施の形態に係る盆栽1によれば、盆栽の生きている植物の代替としてプリザーブド植物が使用され、土壌の代替として充填材12が使用されていることにより、従来技術の盆栽に比べて以下のような特徴を有するものとなる。
1.プリザーブド植物の利用により、生きている植物を使用したものと比較しても全く遜色のない、人の鑑賞に耐え得る盆栽や盆栽風置物を提供することができる。
2.生きた植物を使用していないために給水の必要がなく、旅行などの外出にも支障を生ぜず、しかもプリザーブド植物の特性として長期間に亘ってメンテナンスフリーでの鑑賞が可能となる。
3.生きた植物や土壌が使用された場合には、海外への持ち出し時に検疫や輸入規制などの障害があるが、プリザーブド植物の場合にはそのような問題が生じない。
4.日本文化の普及によって海外でも盆栽の人気が高まっているが、上記項目3とも関連して海外からの旅行客のお土産としても好適となり、日本文化の普及にも貢献するものとなり得る。
次に、本考案の第2の実施の形態に係るプリザーブド植物を使用した盆栽について、図面を参照して説明する。先にも若干触れたように、給水が絶対条件となる生きた植物を使用する盆栽と、浸水により劣化するために水を極端に嫌うプリザーブド植物との共存には技術的な問題があった。盆栽における給水はただでさえ重要であり、かつデリケートな作業でもある。植物の種類はもとより、季節、天候等各種条件によって給水量を微妙に調整する必要があり、夏などには日に数回の給水が必要とされることもある。一方のプリザーブド植物は、水が掛かったり水が浸透したりすることによって劣化し、退色し、日持ちが極端に悪化するため、水からは極力隔離した状態にしておくことが必要である。
一方「苔」に関して言えば、盆栽においてコケ植物は重要な構成要素としての役割を果たすものとして珍重されている。これはコケ植物の有する特有の色や、盆栽というミニチュア化された造形の世界において、大きくは成長せずに築山状の特有の雰囲気を醸し出すコケ植物の特徴がむしろ有効に機能していることによる。このため、盆栽にはコケ植物が好んで使用されているが、盆栽の主対象物となる生きた草木に対する給水条件と、コケ植物に対する給水条件とが異なることもあり、その際には当然ながら主対象物である草木の扱いの方が優先されるものとなる。このために盆栽におけるコケ植物は、生きた草木と比較して長くは生育できないことが多い。コケ植物が生育不能となったり、枯れてしまったりした場合、これらは盆栽から取り除かれ、新たなコケ植物に植え替えられるのが普通である。すなわち、盆栽におけるコケ植物は、消耗品と同様に扱われることとなる。したがって、もしプリザーブド苔が盆栽に利用可能となるならば、手間もかからず、長持ちする「コケ植物」として本物以上の利用価値をも生じることが期待される。盆栽へのプリザーブド植物の応用は、盆栽への給水によるプリザーブド植物への悪影響を如何に回避するかにかかることになる。
図2(a)に示す本考案に係る第2の実施の形態では、そのような対応例の1つを示している。図2(a)において、盆栽2は、全体を収納する鉢21と、鉢21内部に充填される土壌22と、土壌22上に配置されたプリザーブド植物23と、同じく土壌22の上に配置された岩24と、そして土壌22に植え込まれた生きた草木25とから構成されている。
鉢21は、一般に盆栽に使用される鉢がそのまま使用可能であり、したがって底面には排水孔21aが開けられている。プリザーブド植物23として図示の例ではプリザーブド苔が使用されており、この苔は自身の平面形状を模した形状の台板23aの上に接着剤などにより固定されている。台板23aには、下方に向けて固定用ピン23bが固定されていることが望ましい。台板23aと固定用ピン23bとはプラスチックなどで一体成型されていてもよく、あるいは別々の要素としてこれらをアセンブリしたものであってもよい。重要な点は、台板23aが遮水性(水の浸透を阻止する性質)を有していることで、この台板23aがプリザーブド植物23と土壌22の間に介在することによって、土壌22からプリザーブド植物への水の浸透を阻止する役割を果たす。プリザーブド植物23をこのように構成することにより、プリザーブド植物23を台板23aと共に盆栽2の本体側から容易に着脱可能とすることができる。
装飾物としてここでは岩24が使用されているが、その他先の実施の形態で記した他の装飾物などが使用されてもよく、あるいは、装飾物が使用されていなくてもよい。草木25は、盆栽で使用対象となり得る植物であって、所有者によって剪定、強制屈曲などの園芸技巧の対象とされ栽培されるものであればよい。これに関しては当業者によく知られていることでもあり、ここでの詳細説明は省略する。なお、本実施の形態及び以降の各実施の形態では、先の第1の実施の形態とは異なって、少なくとも1つの生きている草木25と、少なくとも1つのプリザーブド植物23とが共存する盆栽が対象となっている。
図2(a)に示す本実施の形態における草木25への給水時には、プリザーブド植物23を台板23a、ピン23bごと土壌22より分離し、給水が終了した後に再度土壌22に差し込んで元の位置に戻すことができる。土壌22に水分が含まれても台板23aの遮水効果によってプリザーブド植物23まで水分が浸透することはない。プリザーブド植物23の着脱は容易であるため、給水時に極端な手間を煩わせることもない。給水時以外の間においては、生きている草木25とプリザーブド植物23とが共存した状態で鑑賞することができ、また従来技術による生きたコケ植物もしくは他の草木を利用する場合のような個別の給水管理や、苔が枯れた場合の植え替えなどの手間はなく、プリザーブド植物23を長期間に亘ってあたかも自然物であるかのような共存状態を維持することができる。
なお、上記の変形対応として、プリザーブド植物23を台板23aに接着せず、分離したままとして、給水時にはプリザーブド植物23のみを単体で外し、給水後にプリザーブド植物23を台板23aの上に載置するようにしてもよい。この際、台板23aの表面には、上方に向かって突出する剣山状の短い針を1本もしくは複数本配置し、プリザーブド植物23をこの針に突き刺すようにして固定することでもよい。また、台板23aは平坦状でなくてもお椀状に湾曲していてもよい。平面形状は任意である。
図2(b)は、本実施の形態に係る他の態様の盆栽3の一部を示しており、ここではプリザーブド植物23が、図の左側の分解図に示すように容器31内に敷き詰められる充填材32の上に固定され、これらを含む容器31全体が盆栽3の土壌22内に埋め込まれている点で図2(a)に示す盆栽2と相違している。図2(b)では盆栽3は左側部分の一部のみを示しているが、それ以外の右側の部分は図2(a)に示す盆栽2に準ずるものであってもよい。
容器31は、好ましくはプラスチック、陶磁器、ガラス等の遮水効果のある材料から形成され、図示のように円形もしくは角形などのプリザーブド植物23を模した平面形状を有し、底の形状や深さは充填材32が収納できるものであれば任意である。あるいは鉢21のコーナの一角を占めるよう扇状の平面形状とすることもできる。充填材32は、図1に示す第1の実施の形態で述べた充填材12と同様である。
盆栽3をこのように構成することにより、草木25への給水によって土壌22に水分が浸透しても、容器31の遮水効果によりその水分が土壌22からブリザード植物23まで浸透することはない。給水時には、プリザーブド植物23の上部をビニールシートなどの遮水材で覆って水の落下を防止することでよく、給水後においても水の浸透を阻止することができる。
図2(b)に示す盆栽3では、図2(a)に示す盆栽2と全く同様に、生きている草木25とプリザーブド植物23とを1つの盆栽の中で共存可能にするという特有の効果を奏するものとなる。なお、先の盆栽2においても、プリザーブド植物23の上部をビニールシートなどで覆って水の落下を防止すれば、ブリザード部植物23を盆栽2に留めたままで給水することは可能である。
さらに、盆栽2で説明したと同様に、プリザーブド植物23を充填材32に接着することなく分離したままとして、給水時にはプリザーブド植物23のみを単体で外し、給水後にプリザーブド植物23を充填材32の上に載置して元に戻すようにすることもまた可能である。その際には、両面接着テープなどを使用してプリザーブド植物23と充填材32とを一時的に固定するようにしてもよい。あるいは、プリザーブド植物23を充填材32に接着した状態のままで給水時にこの両者を一緒に容器31から取り出し、給水後にこれを再び容器31内に戻すようにすることも可能である。
次に、本考案の第3の実施の形態に係る盆栽について、図面を参照して説明する。図3(a)は本実施の形態の盆栽4を示しており、盆栽4は、先の第2の実施の形態の変形として、鉢41自身に仕切壁41aを設け、図の右側に位置する草木25の占める領域と、図の左側に位置するプリザーブド植物23の占める領域とをこの仕切壁41aで区画するよう構成している。草木25の領域には土壌22が充填されて従来技術による盆栽と同様に扱うことができ、一方、プリザーブド植物23の領域には充填材32が敷き詰められ、その上にプリザーブド植物23が固定される(あるいは分離されたままでもよい。)。給水時にはプリザーブド植物23の上をビニールシートなどの遮水材料で覆うか、もしくはプリザーブド植物23を一時的に外すなど、対応は図2(a)、(b)に示す先の実施の形態と同様である。土壌22に浸透した水分は仕切壁41aに遮られてプリザーブド植物23まで浸透することはない。
仕切壁41aがあるためにプリザーブド植物23との共存専用の鉢41となるが、プリザーブド植物23を使用しない場合には、プリザーブド植物23の領域にも土壌22を充填することで通常の盆栽用の鉢として使用することも勿論可能である。仕切壁41aの土壌表面に現れる部分は、図3に示すように化粧砂16で隠すことは可能であり、あるいは仕切壁41aの先端部を図中に破線で示すように上に向かって先細りの断面形状とすることにより、仕切壁41aの存在による違和感を最小化することができる。あるいは逆に、この先端部分を積極的に曝すようにして表面に波状の模様を付けるなどにより、あたかも溝に水が流れているかのように細工することもできる。その際、仕切壁41aは直線状でなくて、円弧状や屈曲状に形成してもよい。あるいは盆栽4の1つのコーナ部を占めるように形成してもよい。
図3(b)は、本実施の形態における変形の態様を示している。同図において、ここでは仕切壁41aを使用することなく、鉢21の内部の形態に倣った形状の2つ(もしくは3つ以上となってもよい)の容器42、43を配置し、そのおのおのを、例えば容器42をプリザーブド植物用に、容器43を生きた草木用に使用するなど区別し、容器42には充填材32を、容器43には土壌22をそれぞれ充填することにより、1つの鉢21の中に生きた草木25とプリザーブド植物23とを共存させることが可能となる。生きた草木25用の容器43には、水抜き用の排水孔43aを設けておく。それぞれを専用の容器内に収めることによって容器43内の水分が容器42内に浸透することはなく、生きた草木25とプリザーブド植物23との共存が可能となる。容器42,43はプラスチック材を利用するなどにより容易に製造可能である。
次に、本考案の第4の実施の形態に係る盆栽について、図面を参照して説明する。図4は、本実施の形態に係る盆栽5を示しており、ここでは盆栽5は、組合せ式の鉢を使用することで本体部5aと、分離部5b、5cとにより分割して構成されている。本体部5aは、鉢51aと、図示の例では鉢51aの内部に充填された土壌に配置された岩24と生きている草木25から構成されており、当該部分は給水に耐えるよう構成された、いわゆる従来技術における盆栽と全く同様な構成である。装飾物についてはこれまで同様、その組み合わせは任意である。これに対して分離部5b、5cは、プリザーブド植物23用に給水を回避するよう構成された部分であり、図示の例では鉢51bと、その内部に敷き詰められた充填材に対してプリザーブド植物23と岩24とが配置された第1の分離部5b、並びに鉢51cと、その内部に敷き詰められた充填材に対して2つのプリザーブド植物23が配置された第2の分離部5cにより構成されている。両分離部5b、5cにプリザーブド植物23と装飾物とをどのように配置するかは自在であり、図はその一例を示すものに過ぎない。両分離部5b、5cには、当然ながら本体部5aの給水が浸透することはなく、また給水時には分離して水が落下しないようにしてプリザーブド植物23を保護し、給水後は3者を再び合体させて1つの盆栽5であるかのように見せることができる。2本の白抜き矢印は、その分離・合体動作を表わしている。
3者が組合わされた際には、それぞれの密着箇所に鉢51a、51b、51cの境界部分が土壌の表面に現れるが、これは境界高さを鉢の他の周囲よりも低くしたり、先細りにしたりするなどの工夫によって目立ち難くすることは可能である。また、絵画の分野では屏風の例に見られるように、区画がある程度顕在化しても看者にはそれほどの違和感を与えないことも考え得る。さらに、境界線を直線ではなく、曲線状などとして積極的に美観を与える工夫なども考えられる。
盆栽5を以上のように鉢を分離してこれを組み合わせて使用する組合せ式鉢で構成することにより、生きている草木25とプリザーブド植物23との共存が容易に図れることのほか、分離部5b、5cの組み合わせに変化を与え、異なる情景配置をした別の盆栽分離部を用意しておいて気分に応じて組み合わせが異なる盆栽5を楽しむなどのメリットも生まれる。なお、図5に示す例では左右に分離部5b、5cを設けているが、これをいずれか一方のみに設けることでもよく、あるいは三方、四方に設けることも可能である。さらなる変形としては、全体の平面形状が円形状または四角形状の盆栽の場合にその一部を部分的に切り欠いた形状で分離部を設けたり、あるいは中央に本体部、その周囲に環状の分離部を配置したりするなど、自在の組み合わせが可能である。
以上、本考案に係る盆栽の各実施の形態についてプリザーブド苔を例にして説明してきたが、本考案の適用はプリザーブド苔に限定されるものではなく、凡そプリザーブ処理がされた植物であれば本明細書の記載内容を全く同様にして適用することが可能である。
本考案に係る盆栽は、盆栽を製造し、販売する産業分野において利用することができる。
1〜5.盆栽、 5a.(盆栽)本体部、5b,5c.(盆栽)分離部、 11.鉢、 12.充填材、 13.プリザーブド植物、 14.飾り木、 15.岩、 16.化粧砂、21.鉢、 21a.排水孔、 22.土壌、 23.プリザーブド植物、 23a.台板、 23b.固定用ピン、 24.装飾物(岩)、 25.草木、 31.容器、 32.充填材、 41.鉢、 41a.仕切壁、 51a,51b,51c.鉢。

Claims (6)

  1. 鉢内に配置された植物を利用して自然を模した景観を造形する盆栽において、
    生きている植物の代替となるプリザーブド植物と、
    生きている草木を育てる土壌の代替となる、前記プリザーブド植物が固定可能な充填材と、を含むことを特徴とする盆栽。
  2. 鉢内に配置された植物を利用して自然を模した景観を造形する盆栽において、
    前記盆栽には、少なくとも1つの生きている植物と、少なくとも1つのプリザーブド植物が共存し、
    盆栽へ給水された水により前記プリザーブド植物が侵されないよう、前記盆栽が、盆栽の土壌からプリザーブド植物への水分の浸透を阻止する区画手段もしくは遮水手段を備えていることを特徴とする盆栽。
  3. 前記区画手段が、鉢の内部の一部を区画する仕切壁、または鉢の内部に配置される複数の容器であること、あるいは分離された鉢を組み合わせて1つの情景を形成する組合せ式鉢であることを特徴とする、請求項2に記載の盆栽。
  4. 前記遮水手段が、前記プリザーブド植物と前記土壌との間に介在し、前記プリザーブド植物を載置または固定する遮水性の台板であること、もしくは前記プリザーブド植物を載置または固定する充填材を収容して前記土壌内に埋め込まれる遮水性の容器であることを特徴とする、請求項2に記載の盆栽。
  5. 前記プリザーブド植物がプリザーブド苔である、請求項1から請求項4のいずれか一に記載の盆栽。
  6. 植物を利用して自然を模した景観を造形する盆栽に使用される鉢において、
    当該鉢が、鉢の底から上方に延びて当該鉢の内部の一部を区画する仕切壁を備えていること、当該鉢内に少なくとも2つの分離した容器が配置されていること、もしくは当該鉢が複数の鉢に分離され、これら分離された鉢を組み合わせて1つの鉢を構成する組合せ式鉢であること、を特徴とする盆栽に使用される鉢。
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